JP2590575B2 - 産業資材用合成繊維処理油剤 - Google Patents
産業資材用合成繊維処理油剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は産業資材用途に使用するポリエステル、ポリ
アミド等の合成繊維処理油剤に関するものである。さら
に詳しくは粘着剤やゴムとの接着性に優れ、かつ耐熱性
に優れた、特に粘着テープ補強材、電線被覆材等の用途
に使用される合成繊維処理油剤に関するものである。
アミド等の合成繊維処理油剤に関するものである。さら
に詳しくは粘着剤やゴムとの接着性に優れ、かつ耐熱性
に優れた、特に粘着テープ補強材、電線被覆材等の用途
に使用される合成繊維処理油剤に関するものである。
[従来の技術] 合成繊維は寸法安定性、高強力、低収縮などの点で優
れているため、粘着テープ補強材、電線被覆材等の補強
材として使用されている。これらの用途では、粘着剤や
ゴムと合成繊維との接着性、接着保持性、およびゴムの
劣化防止が重要な要求特性となる。また、これらの用途
の合成繊維の製造工程においては、一般に高温での熱処
理を行うため、繊維表面に付与する処理油剤も耐熱性の
優れていることが必要である。
れているため、粘着テープ補強材、電線被覆材等の補強
材として使用されている。これらの用途では、粘着剤や
ゴムと合成繊維との接着性、接着保持性、およびゴムの
劣化防止が重要な要求特性となる。また、これらの用途
の合成繊維の製造工程においては、一般に高温での熱処
理を行うため、繊維表面に付与する処理油剤も耐熱性の
優れていることが必要である。
従来から粘着剤やゴムとの接着性に優れた合成繊維を
得る方法として、例えば特開昭53−2696号公報に記載さ
れるように粘着剤やゴムとの相互作用の少ない流動パラ
フィンなどの鉱物油を主成分とする処理油剤が使用され
ていたが、この方法では鉱物油の耐熱性が低く、発煙発
生が著しく、作業環境の悪化が実用上大きな障害となっ
ていた。しかも、接着性自体の改善も満足できるもので
はなかった。接着性を向上させる油剤組成物の検討も、
例えば特開昭54−82497号公報で提案されているように
種々行なわれてきたが、繊維の平滑性が損なわれたり、
熱処理工程での発煙、タール等を発生し耐熱性が充分で
ないなど、到底実用上満足できるものではなかった。
得る方法として、例えば特開昭53−2696号公報に記載さ
れるように粘着剤やゴムとの相互作用の少ない流動パラ
フィンなどの鉱物油を主成分とする処理油剤が使用され
ていたが、この方法では鉱物油の耐熱性が低く、発煙発
生が著しく、作業環境の悪化が実用上大きな障害となっ
ていた。しかも、接着性自体の改善も満足できるもので
はなかった。接着性を向上させる油剤組成物の検討も、
例えば特開昭54−82497号公報で提案されているように
種々行なわれてきたが、繊維の平滑性が損なわれたり、
熱処理工程での発煙、タール等を発生し耐熱性が充分で
ないなど、到底実用上満足できるものではなかった。
そこで本発明者らは、鋭意検討した結果、従来の処理
油剤組成物で20〜50重量%程度配合されている乳化剤成
分が粘着剤やゴムとの相互作用が極めて強く、繊維との
接着性、粘着剤の粘着力、およびゴムの物性を損なう主
原因物質であることをつきとめ、本発明に至った。
油剤組成物で20〜50重量%程度配合されている乳化剤成
分が粘着剤やゴムとの相互作用が極めて強く、繊維との
接着性、粘着剤の粘着力、およびゴムの物性を損なう主
原因物質であることをつきとめ、本発明に至った。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、繊維の平滑性を損なうことなく、熱
処理時の発煙を防止したうえで、粘着剤やゴムとの接着
性が良好で、かつ粘着剤の粘着力を弱めたり、ゴム劣化
のない産業資材用合成繊維処理油剤を提供するものであ
る。
処理時の発煙を防止したうえで、粘着剤やゴムとの接着
性が良好で、かつ粘着剤の粘着力を弱めたり、ゴム劣化
のない産業資材用合成繊維処理油剤を提供するものであ
る。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は平滑剤成分および添加剤成分に乳
化剤成分を配合するか、もしくは配合しない油剤組成物
において A.平滑剤成分の60重量%以上が全炭素数26以上の脂肪族
および/または芳香族カルボン酸エステルの1種または
2種以上で、 B.乳化剤成分の配合比が全油剤組成物中の0〜10重量%
であり、 かつ油剤粒子の平均粒径が1ミクロン以下の水系エマ
ルジョンであることを特徴とする産業資材用合成繊維処
理油剤の使用により目的を達成することができる。
化剤成分を配合するか、もしくは配合しない油剤組成物
において A.平滑剤成分の60重量%以上が全炭素数26以上の脂肪族
および/または芳香族カルボン酸エステルの1種または
2種以上で、 B.乳化剤成分の配合比が全油剤組成物中の0〜10重量%
であり、 かつ油剤粒子の平均粒径が1ミクロン以下の水系エマ
ルジョンであることを特徴とする産業資材用合成繊維処
理油剤の使用により目的を達成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の処理油剤の組成物である平滑剤成分として
は、従来公知の平滑剤のなかで全炭素数26以上の脂肪族
および/または芳香族カルボン酸エステルが必要であ
り、全炭素数30以上とするのが好ましい。
は、従来公知の平滑剤のなかで全炭素数26以上の脂肪族
および/または芳香族カルボン酸エステルが必要であ
り、全炭素数30以上とするのが好ましい。
好適な例として、オレイルラウレート、オレイルオレ
ート等の一価アルコールと一塩基性脂肪族カルボン酸の
エステル、ジオクチルセバケート、ジオレイルアジペー
ト、ジトリデシルチオジプロピオネート等の一価アルコ
ールと多塩基性脂肪族カルボン酸、含イオウカルボン酸
のエステル、ジラウリルフタレート、トリオレイルトリ
メリテート等の一価アルコールと芳香族カルボン酸のエ
ステル、エチレングリコールジオレート、トリメチロー
ルプロパントリカプリレート、グリセリントリオレー
ト、ビスフェノールジオレート等の多価アルコールと一
塩基性脂肪族カルボン酸のエステル、またこれらのエス
テルの誘導体としてラウリル(EO)nオクタノエート等
のアルキレンオキサイド付加エステル(但し、アルキレ
ンオキサイド付加モル数として、化合物自体が水に可溶
または自己分散するほど大きいと平滑性が損なわれるの
で、5モル以下の付加が好ましい)などの単独、あるい
は混合使用を挙げることができるが、特にこれらに限定
されるものではない。また、全炭素数26未満の脂肪族お
よび/または芳香族カルボン酸エステルや流動パラフィ
ン、スピンドル油等の鉱物油についても単独使用の場合
には発煙、タールの発生等、耐熱性が損なわれるので好
ましくないが、平滑剤成分のうち40重量%未満の混合使
用については、耐熱性を損なわない範囲で使用できる。
ート等の一価アルコールと一塩基性脂肪族カルボン酸の
エステル、ジオクチルセバケート、ジオレイルアジペー
ト、ジトリデシルチオジプロピオネート等の一価アルコ
ールと多塩基性脂肪族カルボン酸、含イオウカルボン酸
のエステル、ジラウリルフタレート、トリオレイルトリ
メリテート等の一価アルコールと芳香族カルボン酸のエ
ステル、エチレングリコールジオレート、トリメチロー
ルプロパントリカプリレート、グリセリントリオレー
ト、ビスフェノールジオレート等の多価アルコールと一
塩基性脂肪族カルボン酸のエステル、またこれらのエス
テルの誘導体としてラウリル(EO)nオクタノエート等
のアルキレンオキサイド付加エステル(但し、アルキレ
ンオキサイド付加モル数として、化合物自体が水に可溶
または自己分散するほど大きいと平滑性が損なわれるの
で、5モル以下の付加が好ましい)などの単独、あるい
は混合使用を挙げることができるが、特にこれらに限定
されるものではない。また、全炭素数26未満の脂肪族お
よび/または芳香族カルボン酸エステルや流動パラフィ
ン、スピンドル油等の鉱物油についても単独使用の場合
には発煙、タールの発生等、耐熱性が損なわれるので好
ましくないが、平滑剤成分のうち40重量%未満の混合使
用については、耐熱性を損なわない範囲で使用できる。
また本発明で処理油剤中の乳化剤成分としては、従来
公知のものが使用できるが、好適な例として、活性水素
を1以上有する化合物のアルキレンオキサイド付加物、
即ちラウリルアルコール、i−ステアリルアルコール、
オレイルアルコール、オクチルフェノール、ノニルフェ
ノール等の一価ヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイ
ド付加物、グリセリンのモノオレイン酸エステル、ソル
ビタンのモノラウリン酸エステル、トリメチロールプロ
パンのジステアリン酸エステル等の多価アルコール部分
エステルおよびこれらのアルキレンオキサイド付加物、
ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加物、ラウリルアミ
ン、ステアリルアミン等のアルキルアミン類のアルキレ
ンオキサイド付加物、ミリスチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸等の高級脂肪族のアルキレンオキサイド付加
物、およびこれらの脂肪酸から誘導されるアミドのアル
キレンオキサイド付加物などが挙げられるが、ここで付
加するアルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド等が単独あるいは混合使用さ
れる。
公知のものが使用できるが、好適な例として、活性水素
を1以上有する化合物のアルキレンオキサイド付加物、
即ちラウリルアルコール、i−ステアリルアルコール、
オレイルアルコール、オクチルフェノール、ノニルフェ
ノール等の一価ヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイ
ド付加物、グリセリンのモノオレイン酸エステル、ソル
ビタンのモノラウリン酸エステル、トリメチロールプロ
パンのジステアリン酸エステル等の多価アルコール部分
エステルおよびこれらのアルキレンオキサイド付加物、
ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加物、ラウリルアミ
ン、ステアリルアミン等のアルキルアミン類のアルキレ
ンオキサイド付加物、ミリスチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸等の高級脂肪族のアルキレンオキサイド付加
物、およびこれらの脂肪酸から誘導されるアミドのアル
キレンオキサイド付加物などが挙げられるが、ここで付
加するアルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド等が単独あるいは混合使用さ
れる。
このほかにポリエチレングリコールポリプロピレング
リコールブロック共重合体や、さらにラウリン酸トリエ
タノールアミン、オレイン酸ジエタノールアミン、ロー
ト油等のアニオン界面活性剤についても乳化力を有する
ものについては乳化剤として使用でき、本発明において
は乳化力をもつ成分はすべて乳化剤成分として分類され
る。
リコールブロック共重合体や、さらにラウリン酸トリエ
タノールアミン、オレイン酸ジエタノールアミン、ロー
ト油等のアニオン界面活性剤についても乳化力を有する
ものについては乳化剤として使用でき、本発明において
は乳化力をもつ成分はすべて乳化剤成分として分類され
る。
しかしながら、上記の乳化剤は一般に粘着剤やゴムと
の相互作用が強く、本発明では乳化剤成分による接着剤
やゴムと繊維との接着性低下、粘着性の粘着力低下、さ
らにはゴムの劣化等の障害を回避するため、乳化剤の配
合比は乳化剤が障害を引き起こさない範囲、すなわち、
0〜10重量%とする必要があり、0〜7重量%とするの
がより好ましい。
の相互作用が強く、本発明では乳化剤成分による接着剤
やゴムと繊維との接着性低下、粘着性の粘着力低下、さ
らにはゴムの劣化等の障害を回避するため、乳化剤の配
合比は乳化剤が障害を引き起こさない範囲、すなわち、
0〜10重量%とする必要があり、0〜7重量%とするの
がより好ましい。
さらに本発明の処理油剤では、必要に応じて添加剤、
即ちアルキルスルホネートのアルカリ金属塩、アルキル
ホスフェートのアルカリ金属塩、ポリアルキレングリコ
ールアルキルホスフェートのアルカリ金属塩、脂肪酸石
鹸、アルキルイミダゾリン類等の帯電防止剤のほか、従
来公知の集束剤、防錆剤、防腐剤、抗酸化剤などを同時
に使用できる。これらの添加剤は処理油剤の要求特性に
応じて配合され、配合量も限定されないが、平滑性や耐
熱性が損われることがあるので、1〜6重量%が好まし
い。
即ちアルキルスルホネートのアルカリ金属塩、アルキル
ホスフェートのアルカリ金属塩、ポリアルキレングリコ
ールアルキルホスフェートのアルカリ金属塩、脂肪酸石
鹸、アルキルイミダゾリン類等の帯電防止剤のほか、従
来公知の集束剤、防錆剤、防腐剤、抗酸化剤などを同時
に使用できる。これらの添加剤は処理油剤の要求特性に
応じて配合され、配合量も限定されないが、平滑性や耐
熱性が損われることがあるので、1〜6重量%が好まし
い。
本発明においては油剤粒子の平均粒子径を1ミクロン
以下とする必要があり、0.7ミクロン以下とするのが好
ましく、0.5ミクロン以下とすることがことがより好ま
しい。平均粒子径が1ミクロンを越えると処理油剤の乳
化安定性が悪くなり、分散してしまうため、合成繊維処
理油剤として実用に供することはできないのである。
以下とする必要があり、0.7ミクロン以下とするのが好
ましく、0.5ミクロン以下とすることがことがより好ま
しい。平均粒子径が1ミクロンを越えると処理油剤の乳
化安定性が悪くなり、分散してしまうため、合成繊維処
理油剤として実用に供することはできないのである。
本発明の処理油剤の製造方法は特願昭63−173063号で
提案した方法が好ましく適用される。
提案した方法が好ましく適用される。
すなわち、油剤組成中の乳化剤成分の配合比率を0〜
10重量%、つまり従来の配合比よりも低くし、かつ乳化
安定性良好な水系エマルジョンを得るために、処理油剤
の高速液流微粒子化手段を適用する。従来のホモミキサ
ー、プロペラ等の撹拌装置による撹拌作用のみでは、乳
化剤配合比率が0〜10重量%にすると、乳化力不足のた
め水系エマルジョンが得られない。通常、エマルジョン
化した処理油剤は、実用上は5日以上、望ましくは1週
間以上安定な乳化状態を保つことが要求されている。乳
化安定性不良の原因としては、水に溶けない物質が主成
分である油剤組成物を微粒子化させ、かつ水中に均一に
分散させるために必要な界面活性剤、すなわち乳化剤成
分の配合比が10重量%以下のため乳化力が不足している
ことと、従来用されてきたホモミキサー等では機械的せ
ん断力により粒子をより細分化するまでの能力を有して
いないのである。
10重量%、つまり従来の配合比よりも低くし、かつ乳化
安定性良好な水系エマルジョンを得るために、処理油剤
の高速液流微粒子化手段を適用する。従来のホモミキサ
ー、プロペラ等の撹拌装置による撹拌作用のみでは、乳
化剤配合比率が0〜10重量%にすると、乳化力不足のた
め水系エマルジョンが得られない。通常、エマルジョン
化した処理油剤は、実用上は5日以上、望ましくは1週
間以上安定な乳化状態を保つことが要求されている。乳
化安定性不良の原因としては、水に溶けない物質が主成
分である油剤組成物を微粒子化させ、かつ水中に均一に
分散させるために必要な界面活性剤、すなわち乳化剤成
分の配合比が10重量%以下のため乳化力が不足している
ことと、従来用されてきたホモミキサー等では機械的せ
ん断力により粒子をより細分化するまでの能力を有して
いないのである。
しかし、本発明においては乳化剤成分の配合比率が10
重量%以下でも、従来の乳化手段により一時的な乳化状
態にした後、さらに高速流液微粒子化手段により処理す
ると、処理油剤の油剤粒子の平均流径を1ミクロン以下
とすることができ、20〜50重量%程度配合した従来の処
理油剤と比較しても乳化安定性の点でなんら遜色のない
油剤が得られる。
重量%以下でも、従来の乳化手段により一時的な乳化状
態にした後、さらに高速流液微粒子化手段により処理す
ると、処理油剤の油剤粒子の平均流径を1ミクロン以下
とすることができ、20〜50重量%程度配合した従来の処
理油剤と比較しても乳化安定性の点でなんら遜色のない
油剤が得られる。
本発明において産業資材用途とは、特に粘着テープ用
途、電線被覆材用途等合成繊維と有機他素材、例えば粘
着剤、ゴム、コーティング材等とを複合して使用する用
途をいう。
途、電線被覆材用途等合成繊維と有機他素材、例えば粘
着剤、ゴム、コーティング材等とを複合して使用する用
途をいう。
ここで、本発明で用いる高速液流微粒子化手段として
は処理液を高流速化することによる機械的せん断力によ
って油剤粒子を微粒子化するのが好ましい。
は処理液を高流速化することによる機械的せん断力によ
って油剤粒子を微粒子化するのが好ましい。
本発明の処理油剤を付与した合成繊維糸条は、粘着剤
やゴムとの相互作用の強い乳化剤成分が従来の処理油剤
と比較して大幅に減少しているため、粘着剤やゴムとの
接着性が良好で、ゴム物性の低下、例えば電線被覆材に
使用したときの絶縁抵抗値の低下もない。また特定の平
滑剤成分を使用することにより、耐熱性も良好で、しか
も従来の処理油剤に比較して平滑剤成分の配合比率が上
がっているため、全炭素数26以上の脂肪族および/また
は芳香族カルボン酸エステルを使用しても平滑性が損な
われることはない。このため本発明の処理油剤を付与し
た合成繊維糸条は産業資材用途のうち、特に上記した粘
着テープ用途、電線被覆材用途に好適であり、さらに有
機他素材との相互作用が小さいため、この他、例えばタ
イヤコード用途、セールクロス用途等にも利用できる。
やゴムとの相互作用の強い乳化剤成分が従来の処理油剤
と比較して大幅に減少しているため、粘着剤やゴムとの
接着性が良好で、ゴム物性の低下、例えば電線被覆材に
使用したときの絶縁抵抗値の低下もない。また特定の平
滑剤成分を使用することにより、耐熱性も良好で、しか
も従来の処理油剤に比較して平滑剤成分の配合比率が上
がっているため、全炭素数26以上の脂肪族および/また
は芳香族カルボン酸エステルを使用しても平滑性が損な
われることはない。このため本発明の処理油剤を付与し
た合成繊維糸条は産業資材用途のうち、特に上記した粘
着テープ用途、電線被覆材用途に好適であり、さらに有
機他素材との相互作用が小さいため、この他、例えばタ
イヤコード用途、セールクロス用途等にも利用できる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定される物ではない。
発明はこれらに限定される物ではない。
実施例1 表1のNo1〜3に示す油剤組成物の配合比からなる油
剤原液を水中に撹拌しながら添加して一次乳化液とした
後、高速液流微粒子化手段としてホモジナイザー(ゴー
リン社製15M−8TA型)で処理(処理液流速500km/hr)し
て水系エマルジョンとした。
剤原液を水中に撹拌しながら添加して一次乳化液とした
後、高速液流微粒子化手段としてホモジナイザー(ゴー
リン社製15M−8TA型)で処理(処理液流速500km/hr)し
て水系エマルジョンとした。
得られた水系エマルジョン中の油剤粒子径、乳化安定
性の評価結果を表2実験No1〜3に示した。表中の水系
エマルジョン中の油剤粒子径は、遠心式自動粒度分布測
定装置((株)堀場製作所製CAPA−500)により測定し
た。
性の評価結果を表2実験No1〜3に示した。表中の水系
エマルジョン中の油剤粒子径は、遠心式自動粒度分布測
定装置((株)堀場製作所製CAPA−500)により測定し
た。
比較例として、表1のNo1〜4に示す油剤組成物の配
合比からなる油剤原液をホモミキサーを用いて水径エマ
ルジョンとしたときの評価結果を表2実験No4〜7に併
せて示した。
合比からなる油剤原液をホモミキサーを用いて水径エマ
ルジョンとしたときの評価結果を表2実験No4〜7に併
せて示した。
表1の油剤組成物No1〜3に示した乳化剤成分の配合
比が10重量%以下の油剤は乳化力不足のため、従来のホ
モミキサー等の撹拌装置による撹拌では、表2実験No4
〜6に示すように、油剤粒子径が大きく、安定性良好な
水系エマルジョンとすることはできず、数10分で完全に
2層に分離した。一方、表2実験No1〜3の実施例は高
速液流微粒子化手段により処理しているため、格段に粒
子径が小さくなっており、比表面積が大きいことから乳
化剤成分の配合比が10重量%以下でも安定な乳化状態を
保つことが可能である。また、比較例として表2実験No
7には乳化剤成分配合比が20重量%の従来の油剤組成物
(表1No.4)をホモミキサーを用いて水系エマルジョン
とした例を加えたが、この場合にもまだ乳化力不十分
で、油剤粒子の平均粒径は1ミクロンを超えているた
め、1日経過後分離がみられた。
比が10重量%以下の油剤は乳化力不足のため、従来のホ
モミキサー等の撹拌装置による撹拌では、表2実験No4
〜6に示すように、油剤粒子径が大きく、安定性良好な
水系エマルジョンとすることはできず、数10分で完全に
2層に分離した。一方、表2実験No1〜3の実施例は高
速液流微粒子化手段により処理しているため、格段に粒
子径が小さくなっており、比表面積が大きいことから乳
化剤成分の配合比が10重量%以下でも安定な乳化状態を
保つことが可能である。また、比較例として表2実験No
7には乳化剤成分配合比が20重量%の従来の油剤組成物
(表1No.4)をホモミキサーを用いて水系エマルジョン
とした例を加えたが、この場合にもまだ乳化力不十分
で、油剤粒子の平均粒径は1ミクロンを超えているた
め、1日経過後分離がみられた。
実施例2 表3、実験No8〜12記載の油剤組成物の配合比からな
る油剤原液を70〜80℃に加熱し、50℃の温水中に撹拌し
ながら添加して一次乳化液とした後、ホモジナイザー
(ゴーリン社製15M8TA型)で処理(処理液流速500km/h
r)して15重量%水系エマルジョンとした油剤を用意し
た。
る油剤原液を70〜80℃に加熱し、50℃の温水中に撹拌し
ながら添加して一次乳化液とした後、ホモジナイザー
(ゴーリン社製15M8TA型)で処理(処理液流速500km/h
r)して15重量%水系エマルジョンとした油剤を用意し
た。
用意された処理油剤をポリエステルフィルム上に一定
量、均一に塗布した後、市販の粘着テープを圧着したも
のを試料とし、引っ張り強力を測定することにより油剤
と粘着テープとの接着性を測定評価した。
量、均一に塗布した後、市販の粘着テープを圧着したも
のを試料とし、引っ張り強力を測定することにより油剤
と粘着テープとの接着性を測定評価した。
また、ポリエチレンテレフタレートを1100m/分の紡糸
速度で溶融紡糸するに際し、紡糸糸条に表3に記載した
油剤組成物の配合比からなる処理油剤を純分付着量が0.
7重量%になるように付着させた。得られた未延伸糸を
延伸倍率3.5倍、延伸速度300m/分、ヒータープレート温
度220℃で延伸し240デニール/24フィラメントの延伸糸
とした。こうして得た延伸糸を用いて作成した編地に粘
着テープをはり荷重10Kgをかけて2日間放置したものを
試料とし、粘着テープを剥離させるときの強力を測定す
ることにより繊維糸条と粘着テープとの接着性を評価し
た。
速度で溶融紡糸するに際し、紡糸糸条に表3に記載した
油剤組成物の配合比からなる処理油剤を純分付着量が0.
7重量%になるように付着させた。得られた未延伸糸を
延伸倍率3.5倍、延伸速度300m/分、ヒータープレート温
度220℃で延伸し240デニール/24フィラメントの延伸糸
とした。こうして得た延伸糸を用いて作成した編地に粘
着テープをはり荷重10Kgをかけて2日間放置したものを
試料とし、粘着テープを剥離させるときの強力を測定す
ることにより繊維糸条と粘着テープとの接着性を評価し
た。
比較例として、表3実験No13〜16の従来の油剤組成を
持つ処理油剤についても、ホモミキサーを用いて15重量
%水系エマルジョンとした後、上記と同一条件で延伸糸
とし、同一条件で接着性を評価した。
持つ処理油剤についても、ホモミキサーを用いて15重量
%水系エマルジョンとした後、上記と同一条件で延伸糸
とし、同一条件で接着性を評価した。
また、実験No8〜16に示した処理油剤を付与した糸条
の延伸工程での発煙状態についても併せて評価した。
の延伸工程での発煙状態についても併せて評価した。
さらに、表3記載の油剤組成物につき上記の方法で得
た15重量%水系エマルジョンに市販のシリコンゴム被覆
電線を15hr浸せきさせた後、JIS3005に基づいて絶縁抵
抗値を測定した。
た15重量%水系エマルジョンに市販のシリコンゴム被覆
電線を15hr浸せきさせた後、JIS3005に基づいて絶縁抵
抗値を測定した。
以上の評価結果を表3に併せて示した。
表3の実験No8〜12に示すように本発明の処理油剤
は、粘着剤との相互作用が大きく接着性低下素材である
乳化剤成分の配合比が10重量%以下と低いため、優れた
接着性を有している。
は、粘着剤との相互作用が大きく接着性低下素材である
乳化剤成分の配合比が10重量%以下と低いため、優れた
接着性を有している。
処理油剤の耐熱性について、平滑剤成分として全炭素
数26未満のカルボン酸エステルを使用したものには発煙
の発生がみられた。
数26未満のカルボン酸エステルを使用したものには発煙
の発生がみられた。
また、本発明処理油剤で処理したシリコンゴム被覆電
線は、従来の処理油剤で処理した場合に比較して、格段
に高い絶縁抵抗値を示しており、本発明処理油剤がゴム
との相互作用がなく、ゴム物性を損なうことがないこと
がわかる。
線は、従来の処理油剤で処理した場合に比較して、格段
に高い絶縁抵抗値を示しており、本発明処理油剤がゴム
との相互作用がなく、ゴム物性を損なうことがないこと
がわかる。
[発明の効果] 本発明は、粘着剤やゴムとの相互作用が極めて強く、
粘着剤やゴムとの接着性、粘着剤の粘着力、およびゴム
の物性を損なう主原因物質である従来の処理油剤組成物
で20〜50重量%程度配合されている乳化剤成分を減少さ
せ、繊維の平滑性を損なうことなく、熱処理時の発煙を
防止したうえで、粘着剤やゴムとの接着性が良好で、か
つ粘着剤の粘着力を弱めたり、ゴム劣化のない産業資材
用合成繊維処理油剤とすることができるのである。
粘着剤やゴムとの接着性、粘着剤の粘着力、およびゴム
の物性を損なう主原因物質である従来の処理油剤組成物
で20〜50重量%程度配合されている乳化剤成分を減少さ
せ、繊維の平滑性を損なうことなく、熱処理時の発煙を
防止したうえで、粘着剤やゴムとの接着性が良好で、か
つ粘着剤の粘着力を弱めたり、ゴム劣化のない産業資材
用合成繊維処理油剤とすることができるのである。
Claims (1)
- 【請求項1】平滑剤成分および添加剤成分に乳化剤成分
を配合するか、もしくは配合しない油剤組成物において A.平滑剤成分の60重量%以上が全炭素数26以上の脂肪族
および/または芳香族カルボン酸エステルの1種または
2種以上で、 B.乳化剤成分の配合比が全油剤組成物中の0〜10重量%
であり、 かつ油剤粒子の平均粒径が1ミクロン以下の水系エマル
ジョンであることを特徴とする産業資材用合成繊維処理
油剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008582A JP2590575B2 (ja) | 1990-01-17 | 1990-01-17 | 産業資材用合成繊維処理油剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008582A JP2590575B2 (ja) | 1990-01-17 | 1990-01-17 | 産業資材用合成繊維処理油剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03213575A JPH03213575A (ja) | 1991-09-18 |
JP2590575B2 true JP2590575B2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=11697004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008582A Expired - Fee Related JP2590575B2 (ja) | 1990-01-17 | 1990-01-17 | 産業資材用合成繊維処理油剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2590575B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10122018B2 (en) | 2014-03-25 | 2018-11-06 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Negative electrode material for lithium-ion secondary battery,method for manufacturing negative electrode material for lithium-ion secondary battery, negative electrode material slurry for lithium-ion secondary battery, negative electrode for lithium-ion secondary battery, and lithium-ion secondary battery |
CN104594023B (zh) * | 2015-01-26 | 2016-09-07 | 江苏文凤化纤集团有限公司 | 锦纶纺丝用添加剂的制备方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS589192B2 (ja) * | 1977-12-12 | 1983-02-19 | 旭化成株式会社 | 熱可塑性繊維用油剤組成物 |
-
1990
- 1990-01-17 JP JP2008582A patent/JP2590575B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03213575A (ja) | 1991-09-18 |
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