JP2589457B2 - ピストン位置検出装置 - Google Patents

ピストン位置検出装置

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JP2589457B2
JP2589457B2 JP28827994A JP28827994A JP2589457B2 JP 2589457 B2 JP2589457 B2 JP 2589457B2 JP 28827994 A JP28827994 A JP 28827994A JP 28827994 A JP28827994 A JP 28827994A JP 2589457 B2 JP2589457 B2 JP 2589457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピストン位置検出装置に
係り、詳しくは流体圧シリンダのピストン位置を磁気的
に検出するピストン位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このようなピストン位置検出装置
として、例えば、実公昭57−6962号公報にて開示
される位置検出装置がある。この位置検出装置は、図1
3に示すように、強磁性体薄膜にて形成され、各感磁方
向が直交するように配置された一対の感磁パターン部9
1,92からなる磁気抵抗検出部93を備えている。こ
の磁気抵抗検出部93は、感磁方向が位置検出方向に一
致する感磁パターン部91にて磁界を感磁し、感磁方向
が位置検出方向に直交する感磁パターン部92は感磁パ
ターン部91に対する温度補償を行うようになってい
る。図14に示すように、この磁気抵抗検出部93がピ
ストン位置に対応して出力する出力電圧VOは、感磁パ
ターン部91に磁界が作用していない状態での出力電圧
VREF に対して、その上に凸で全体になだらかなカーブ
となる左右対称の出力特性になる。ピストン位置の判定
は、先ず、この出力特性VO に対して適当な高低2つの
出力レベルのしきい値電圧VTHU ,VTHL を設定する。
そして、この各しきい値電圧VTHU ,VTHL に基づいて
最適取付範囲及び危険取付範囲を設定し、ピストン位置
をこの各取付範囲にて判別することにより行うようにし
ている。
【0003】即ち、例えば、あるピストン位置に対する
出力電圧値が高い方のしきい値電圧VTHU 以上であると
きはピストン位置は最適取付範囲であると判定される。
又、出力電圧値が高い方のしきい値電圧VTHU 未満であ
り、且つ、低い方のしきい値電圧VTHL 以上であるとき
は、ピストン位置は危険取付範囲であると判別される。
さらに、出力電圧値が低い方のしきい値電圧VTHL 未満
であるときは、ピストン位置は両取付範囲外であると判
別される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ピストン位
置検出装置においては、外部磁界等による出力電圧VO
の変動に基づく誤動作を防止するため、出力電圧VO の
最大出力電圧値VMAX と高いしきい値電圧VTHU との電
圧差ΔVU 、及び、基準電圧VREF と低いしきい値電圧
VTHL との電圧差ΔVL をそれぞれ一定分以上確保しな
ければならない。即ち、この各電圧差ΔVU ,ΔVL は
外部磁界等による出力電圧VO の変動に対しても、各し
きい値電圧VTHU ,VTHL にて最適取付範囲及び危険取
付範囲を維持し、誤動作なくピストン位置を判別するた
めのマージンとなる。又、ピストン位置検出装置におい
ては、ピストン位置の取り付け精度を確保するために、
最適取付範囲を例えば3mm程度に設定することが望ま
しい。同時に、危険取付範囲は、ピストン位置の最適取
付範囲からのずれを余裕を持って確実に検出することが
できるように最適取付範囲と同じ以上の大きさに設定す
ることが望ましい。
【0005】ところが、上記の位置検出装置の場合、磁
気抵抗検出部から出力される出力電圧VO は、ピストン
位置の変化に対して基準電圧VREF から立ち上がって最
大出力電圧値まで漸進的に増大する領域と最大出力電圧
値から基準電圧VREF まで漸進的に減少する領域とから
なる左右対称の出力特性である。この出力電圧VO に対
して所定の電圧差ΔVL ,ΔVU を確保しながら各しき
い値電圧VTHU ,VTHL を設定する場合、出力電圧VO
の最大出力電圧値が小さいと、各しきい値電圧VTHU ,
VTHL の間の電圧差が小さくなる。この結果、高いしき
い値電圧VTHUにて設定される最適取付範囲の大きさが
3mmよりもずっと大きくなり、両しきい値電圧VTHU
,VTHL にて設定される危険取付範囲の大きさが3m
mよりもずっと小さくなってしまう。即ち、ピストン位
置の検出に必要な適正な大きさの最適取付範囲及び危険
取付範囲を設定することができなかった。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は出力電圧の最大出力電圧
値が小さい場合でも、各しきい値電圧と最大出力電圧及
び基準電圧との電圧差を確保しながら適正な大きさの最
適取付範囲及び危険取付範囲を設定することができるピ
ストン位置検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、磁気抵抗検出部がピスト
ン位置に対応して出力する出力電圧に対して出力レベル
の異なる2つのしきい値電圧を設定し、第1のしきい値
電圧に基づいて最適取付範囲を設定し、第1のしきい値
電圧と第1のしきい値電圧よりも低い出力レベルに設定
される第2のしきい値電圧に基づいて危険取付範囲を設
定するピストン位置検出装置において、磁気抵抗検出部
は、最低出力レベルから最大出力値との間に3つの変曲
点を含む、ほぼ左右対称の出力特性となる出力電圧を出
力し、この3つの変曲点の内、対応する出力電圧値が他
の出力電圧値の中間となる変曲点を含む所定電圧幅の出
力領域よりも出力レベルの高い第1の出力領域に第1の
しきい値電圧を設定し、前記出力領域よりも出力レベル
の低い第2の出力領域に第2のしきい値電圧を設定する
ようにした。
【0008】又、請求項2に記載の発明は、請求項1に
記載の発明において、磁気抵抗検出部が出力する出力電
圧が感磁パターン部のピッチの変化により3つの変曲点
を有する出力特性になるように、感磁パターン部の位置
検出方向のパターン線のピッチを、位置検出方向の中央
領域では最も小さくし、中央領域の両側の各中間領域で
は中央領域のピッチよりも大きくするとともに、各中間
領域の両側の各端部領域では中央領域と中間領域の各ピ
ッチの中間の大きさとした。
【0009】又、請求項3に記載の発明は、請求項1に
記載の発明において、磁気抵抗検出部は、ピストン位置
に対応して1つの最大出力電圧値を有する第1の出力電
圧を出力する第1の磁気抵抗検出部と、第1の磁気抵抗
検出部と位置検出方向を同じにするとともに、ピストン
位置に対応して第1の出力電圧の最大出力電圧値の両側
の各領域のほぼ中央でそれぞれ最大出力電圧値を有する
第2の出力電圧を出力する第2の磁気抵抗検出部とから
なり、第1の出力電圧に基づく電圧から第2の出力電圧
に基づく電圧を差し引いて前記出力電圧を生成する差分
出力電圧生成部を備えた。
【0010】又、請求項4に記載の発明は、請求項に記
載の発明において、磁気抵抗検出部は、ピストン位置に
対応して1個の最大出力電圧値を有する第1の出力電圧
を出力する第1の磁気抵抗検出部と、第1の磁気抵抗検
出部と位置検出方向を同じにするとともに、ピストン位
置に対応して第1の出力電圧の立ち上がり初期領域及び
立ち下がり終了領域でそれぞれ最大出力電圧値を有する
第3の出力電圧を出力する直列接続された一対の感磁パ
ターン部からなる第2の磁気抵抗検出部とからなり、第
1の出力電圧に基づく電圧に第3の出力電圧に基づく出
力電圧を加算して前記出力電圧を生成する加算出力電圧
生成部を備えた。
【0011】
【作用】従って、請求項1から請求項4に記載の発明に
よれば、第1の出力領域に対応するピストン範囲と所定
電圧幅の出力領域に対応するピストン幅との差が大きく
なる。この結果、第1の出力領域に設定された第1のし
きい値電圧と第2の出力領域に設定された第2のしきい
値電圧と電圧差を小さくした場合でも、両しきい値電圧
にて設定される最適取付範囲が危険取付範囲に対して過
度に大きくなることがない。
【0012】又、請求項2に記載の発明によれば、感磁
パターン部のパターン線のピッチが両端部のピッチに対
して、中央部で最も小さく、各端部と中央部の間の中間
部で大きく設定されているため、磁界が主として作用す
る部分の抵抗値の変化がピッチに応じて変化する。この
結果、最低出力レベルから最大出力電圧値の間に3つの
変曲点を有する出力電圧が出力される。
【0013】又、請求項3に記載の発明によれば、中央
に最大出力電圧値がある左右対称の第1の出力電圧に基
づく電圧から、その最大出力電圧値の両側の各領域のほ
ぼ中央でそれぞれ最大出力電圧値を有する第2の出力電
圧値に基づく電圧を差し引くことにより、最低出力レベ
ルと最大出力電圧値の間に3つの変曲点を有する出力電
圧が生成される。
【0014】又、請求項4に記載の発明によれば、中央
に最大出力電圧値がある左右対称の第1の出力電圧に基
づく電圧に、第1の出力電圧の立ち上がり初期領域及び
立ち下がり終了領域でそれぞれ最大出力電圧値を有する
第3の出力電圧に基づく電圧を加算することにより、最
低出力レベルと最大出力電圧値との間に3つの変曲点を
有する出力電圧が生成される。
【0015】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明を具体化した第1実施例を
図1〜図4に従って説明する。本実施例のピストン位置
検出装置は磁気抵抗素子と出力電圧判定回路とから構成
されている。尚、ピストン位置検出装置のケース部等の
外部の構成については説明を省略し、内部の構成のみを
説明する。
【0016】図2に示すように、図示しないケース部の
内部には回路基板が設けられ、この回路基板1上には磁
気抵抗素子2が実装されている。又、回路基板1上には
出力電圧判定回路が構成されている。
【0017】図1に示すように、磁気抵抗素子2のガラ
ス等で形成された基板3の一面には磁気抵抗検出部4が
形成されている。磁気抵抗検出部4は基板3の下側(図
1において)に形成される感磁パターン部5と感磁パタ
ーン部5の上側に形成される温度補償用パターン部6と
から構成されている。感磁パターン部5は上下方向に等
しい幅のつづら折れ状のパターンに形成された強磁性体
薄膜にて形成されている。感磁パターン部5を形成する
パターン線5aの幅は20μmで一定に形成されてい
る。又、パターン線5aのピッチWは感磁パターン部5
の位置検出方向の中央部に位置する中央領域、感磁パタ
ーン部5の位置検出方向の両端部にそれぞれ位置する端
部領域、そして、中央領域と各端部領域の間にそれぞれ
位置する中間領域でそれぞれ異なる値に設定されてい
る。即ち、端部領域のピッチに対して、中間領域のピッ
チを大きく、又、中央領域のピッチを小さく設定してい
る。感磁パターン部5の抵抗値は磁界が作用する領域の
パターン線の密度(本数)に対して負の相関関係にある
ため、抵抗値の変化量は各領域で異なる。即ち、端部領
域に磁界が作用するときの抵抗値の変化量に対して、中
間領域に磁界が作用するときの抵抗値の変化量は小さ
く、中央領域に磁界が作用するときの抵抗値の変化量は
大きくなる。又、感磁パターン部5の左端は基板3の下
左側に形成されたランド7に接続され、同じく右端は基
板3の下右側に形成されたランド8に接続されている。
【0018】又、温度補償用パターン部6は左右方向に
等しい幅のつづら折れ状のパターンに形成された強磁性
体薄膜にて形成されている。このパターンを形成するパ
ターン線幅は4μmで一定に形成され、パターン線間の
ピッチは一定に形成されている。温度補償用パターン部
6の上右端は基板3の上右側に形成されたランド9に接
続され、同じく下右端はランド8に接続されている。従
って、感磁パターン部5及び温度補償用パターン部6は
ランド7とランド9との間で直列接続されている。温度
補償用パターン部6の位置検出方向の長さは感磁パター
ン部5の位置検出方向の長さよりも短く形成されている
(この実施例ではほぼ半分)。尚、本明細書において
「位置検出方向」とはピストン位置検出装置がピストン
位置を検出しようとする流体圧シリンダに固定された状
態でピストンの移動方向に平行になる方向を意味する。
又、感磁パターン部5に磁界が作用していない状態での
抵抗値は温度補償用パターン部6の抵抗値と等しくなっ
ている。
【0019】次に、上記磁気抵抗素子2に接続された出
力電圧判定回路の電気的構成について説明する。図3は
上記磁気抵抗素子2が接続される出力電圧判定回路10
を示している。磁気抵抗素子2は電源電圧VC が印加さ
れる電源線11にランド7を介して接続され、同じく接
地線12にランド9を介して接続されている。磁気抵抗
素子2の磁気抵抗検出部4の感磁パターン部5と温度補
償用パターン部6の間(即ち、ランド8)はコンパレー
タ13,14の各非反転入力端子に出力電圧VO を出力
する。尚、感磁パターン部5に磁界が作用していない状
態では、磁気抵抗素子2は電源電圧VC を感磁パターン
部5と温度補償用パターン部6の各抵抗値で分圧した電
圧である基準電圧VREF を出力する。即ち、この基準電
圧VREF は電源電圧VC の2分の1である。
【0020】出力電圧VO の出力特性は、基準電圧VRE
F と最大出力電圧値との間に3つの変曲点を含み、ほぼ
左右対称になるように前記感磁パターン部5のパターン
線5aのピッチが構成されている。この出力電圧VO
は、3つの変曲点の内、対応する出力電圧値が他の変曲
点が対応する出力電圧値の中間となる変曲点を含む所定
電圧幅の出力領域Dと、この出力領域Dよりも出力レベ
ルの高い第1の出力領域DU と、同じく出力レベルの低
い第2の出力領域DL に区分される。即ち、出力電圧V
O の特性は、基準電圧VREF から立ち上がった後漸進的
に増大する増加率で増加して第1の変曲点aまで増加す
ると、今度は漸進的に減少する増加率で第2の変曲点b
まで増加する。第2の変曲点bに到達すると、今度は漸
進的に増加する増加率で第3の変曲点cまで増加する。
第3の変曲点cに到達すると、今度は漸進的に減少する
増加率で最大出力電圧値まで増加する。前記第2の出力
領域DL は基準電圧VREF から第2の変曲点bの手前の
勾配がまだ急である出力電圧値までである。又、第1の
出力領域DU は第2の変曲点bよりも最大出力電圧値側
の勾配が急になった出力電圧値から最大出力電圧値まで
である。
【0021】電源線11と接地線12との間にはしきい
値電圧設定回路15が接続されている。しきい値電圧設
定回路15は直列接続された3個の抵抗16,17,1
8から構成されている。しきい値電圧設定回路15の抵
抗16と抵抗17の間はコンパレータ13の反転入力端
子に接続され、抵抗17と抵抗18の間はコンパレータ
14の反転入力端子に接続されている。そして、抵抗1
7と抵抗18の間からは第1のしきい値電圧VTHU が出
力され、抵抗16と抵抗17の間からは第2のしきい値
電圧VTHL が出力されるようになっている。第1のしき
い値電圧VTHUは前記第1の出力領域内に設定され、第
2のしきい値電圧VTHL は前記第2の出力領域に設定さ
れている。
【0022】コンパレータ13の出力側はエクスクルー
シブ・オア回路(以下、Ex−OR回路と表記する。)
19及びアンド回路20にそれぞれ接続されている。E
x−OR回路19の出力側は抵抗21を介して赤色発光
の発光ダイオード(以下、LEDと表記する。)22の
アノードに接続されている。又、アンド回路20の出力
側は抵抗23を介して緑色発光のLED24のアノード
に接続されている。各LED22,24の各カソードは
出力回路25に接続されている。出力回路25の出力側
は出力端子26に接続されている。
【0023】次に、以上のように構成されたピストン位
置検出装置の作用について説明する。図2(a),
(b)に示すように、本実施例のピストン位置検出装置
は、例えば、ピストンPの外周部にリング状の磁石Mが
取り付けられた空圧シリンダSのシリンダチューブT外
周面に固定して使用される。尚、図2はピストン位置検
出装置の取り付け状態を示す模式図であり、その寸法関
係は実際と大きく異なる。ピストン位置検出装置は磁気
抵抗素子2の両磁気抵抗検出部がシリンダチューブTの
軸線を含む平面内に配置されるように取り付けられる。
【0024】このようにピストン位置検出装置が取り付
けられた空圧シリンダSにおいて、ピストンPがピスト
ン位置検出装置に対して接近した後、反対方向に遠ざか
ると磁気抵抗検出部4からは図4に実線で示すような最
小出力レベルから最大出力電圧値の間に3つの変曲点を
含むほぼ左右対称の出力電圧VO が出力される。尚、本
実施例では、温度補償用パターン部6のパターン線の線
幅が4μmに形成されているため、位置検出方向の磁界
による抵抗値の変化が極めて小さくなっている。従っ
て、出力電圧VO の出力特性はほぼ感磁パターン部5の
パターン線5aのパターンにて決定される。
【0025】又、しきい値電圧設定回路15の抵抗16
と抵抗17との間からは電源電圧VC に基づく第2のし
きい値電圧VTHL がコンパレータ13の反転入力端子に
出力される。又、しきい値電圧生成回路15の抵抗17
と抵抗18との間からは同じく第1のしきい値電圧VTH
U がコンパレータ14の反転入力端子に出力される。
【0026】従って、出力電圧VO は基準電圧VREF か
ら立ち上がると、漸進的に増大する増加率で増加して第
1の変曲点aまで到達すると、今度は漸進的に減少する
増加率で第2の変曲点bまで増加する。この間に、出力
電圧VO は第2のしきい値電圧VTHL にて第2の出力領
域と所定の出力領域に区分される。第2の変曲点bに到
達すると、今度は漸進的に増加する増加率で第3の変曲
点まで増加する。第3の変曲点cに到達すると、今度は
漸進的に減少する増加率で最大出力電圧値まで増加す
る。第2のしきい値電圧VTHL 及び第1のしきい値電圧
VTHU は第2の変曲点bを含む出力領域にて区分される
第1の出力領域DU 及び第2の出力領域DL にそれぞれ
設定されるため、各しきい値電圧VTHL ,VTHU に対応
するピストン位置は互いに離れた位置になる。
【0027】この結果、第1のしきい値電圧VTHU が設
定される第1の出力領域DU に対応するピストン範囲の
大きさ(=W1)と、出力領域Dに対応するピストン範
囲の大きさ(=W2)との差(=W3)が大きくなる。
【0028】出力電圧VO はコンパレータ13にて第2
のしきい値電圧VTHL と比較され、出力電圧VO が第2
のしきい値電圧VTHL 以上となる場合はコンパレータ1
3からHレベルとなる信号SG1が出力される。又、出力
電圧VO はコンパレータ14にて第1のしきい値電圧V
THU と比較され、出力電圧VO が第1のしきい値電圧V
THU 以上となる場合はコンパレータ14からHレベルと
なる信号SG2が出力される。従って、本実施例では、信
号SG2がHレベルとなる取付範囲が最適取付範囲とな
り、信号SG2がLレベルで信号SG1がHレベルとなる取
付範囲が危険取付範囲となる。
【0029】Ex−OR回路19からは信号SG1及び信
号SG2に基づく信号SG3が抵抗21を介してLED22
のアノードに出力される。又、アンド回路20からは信
号SG1及び信号SG2に基づく信号SG4が抵抗23を介し
てLED24のアノードに出力される。さらに、出力回
路25からは信号SG3,SG4に基づく信号SG5が出力端
子26に出力される。
【0030】従って、ピストン位置が両取付範囲外であ
る場合は信号SG1,SG2が共にLレベルとなるため、信
号SG3,SG4は共にLレベルとなる。この結果、両取付
範囲外ではLED22,24は共に点灯しない。又、ピ
ストン位置が危険取付範囲であるときは信号SG1がHレ
ベルとなり信号SG2がLレベルとなるため、信号SG3は
Hレベルとなり信号SG4はLレベルとなる。この結果、
危険取付範囲ではLED22のみが赤色に点灯し、LE
D24は点灯しない。さらに、ピストン位置が最適取付
範囲であるときは信号SG1がHレベルとなり信号SG2も
Hレベルとなるため、信号SG3はLレベルとなり信号S
G4はHレベルとなる。この結果、最適取付範囲ではLE
D22は点灯せず、LED24のみが緑色に点灯する。
従って、作業者はピストン位置がいずれの範囲にあるか
を容易に視認判別することができる。
【0031】尚、ピストン位置が最適取付範囲及び危険
取付範囲の何れかにある場合は、出力回路25からHレ
ベルの信号SG5が出力される。従って、この信号SG5を
シーケンス制御に使用することができる。
【0032】以上詳述したように、本実施例のピストン
位置検出装置によれば、第1のしきい値電圧VTHU が設
定される第1の出力領域DU に対応するピストン範囲
(=W1)の大きさと所定電圧幅の出力領域Dに対応す
るピストン幅(=W2)との差(=W3)が大きくな
る。この結果、第1のしきい値電圧VTHU と第2のしき
い値電圧VTHL との電圧差ΔVが小さい場合でも、両し
きい値電圧VTHL ,VTHUにて設定される最適取付範囲
の大きさが危険取付範囲の大きさに対して過度に大きく
なることがない。従って、出力電圧VO の最大出力電圧
値が小さい場合でも、第1のしきい値電圧VTHU と最大
出力電圧値との電圧差、及び、第2のしきい値電圧VTH
L と基準電圧VREF との電圧差を確保しながら適正な大
きさの最適取付範囲及び危険取付範囲を設定することが
できる。
【0033】又、本実施例によれば、感磁パターン部5
のパターン、即ち、各領域の大きさ、ピッチ等を適宜変
更することにより、出力電圧VO の形状、各出力領域が
対応するピストン範囲を変更することができる。この結
果、各しきい値電圧VTHL ,VTHU にて設定される最適
取付範囲及び危険取付範囲の大きさのバランスを好適に
変更することができる。 (第2実施例)次に、本発明を具体化した第2実施例を
図5〜図7に従って説明する。本実施例のピストン位置
検出装置も第1実施例と同じく磁気抵抗素子と出力電圧
判定回路とから構成されている。尚、ピストン位置検出
装置のケース部等の外部の構成は第1実施例と同じであ
る。又、出力電圧判定回路の構成は第1実施例とほぼ同
じであるため、同一の構成についてはその符号を等しく
して説明を省略する。
【0034】図5に示すように、回路基板1の上に実装
された磁気抵抗素子30の基板31のほぼ下半分の位置
に感磁パターン部32が形成されている。感磁パターン
部32は上下方向の等しい幅のつづら折れ状のパターン
に形成された強磁性体薄膜にて形成されている。このパ
ターンを形成するパターン線32aの幅は20μmで一
定に形成され、パターン線32a間のピッチも一定に形
成されている。感磁パターン部32の左端は基板31の
下左側に形成されたランド33に接続され、同じく右端
は基板31の下右側に形成されたランド34に接続され
ている。
【0035】感磁パターン部32の上側(図5におい
て)には感磁パターン部35が形成されている。感磁パ
ターン部35は左右方向に等しい幅のつづら折れ状のパ
ターンに形成された強磁性体薄膜にて形成されている。
このパターンを形成するパターン線の幅は10μmで一
定に形成され、パターン線間のピッチも一定に形成され
ている。感磁パターン部35の位置検出方向の長さはピ
ストン位置を検出する流体圧シリンダのピストンに取り
付けられる磁石Mの位置検出方向の長さ以上に形成され
ている。又、感磁パターン部35の位置検出方向の長さ
は感磁パターン部32の位置検出方向の長さのほぼ半分
に形成されている。感磁パターン部35の左端は基板3
1の上左側に形成されたランド36に接続され、同じく
右端は基板31の上右側に形成されたランド37に接続
されている。
【0036】基板31上のランド33とランド36の間
には温度補償用パターン部38が形成されている。温度
補償用パターン部38は左右方向に等しい幅のつづら折
れ状のパターンに形成された強磁性体薄膜にて形成され
ている。このパターンを形成するパターン線の線幅は4
μmで一定に形成され、パターン線間のピッチも一定に
形成されている。温度補償用パターン部38の左上端は
ランド36に接続され、同じく左下端はランド33に接
続されている。
【0037】又、基板31上のランド34とランド37
の間には温度補償用パターン部39が形成されている。
この温度補償用パターン部39も左右方向に等しい幅の
つづら折れ状のパターンに形成された強磁性体薄膜にて
形成されている。このパターン線を形成するパターン線
の幅は4μmで一定に形成され、パターン線間のピッチ
も一定に形成されている。温度補償用パターン部39の
右上端はランド37に接続され、同じく右下端はランド
34に接続されている。
【0038】本実施例では、感磁パターン部32及び温
度補償用パターン部38にて磁気抵抗検出部40が構成
され、感磁パターン部35及び温度補償用パターン部3
9にて磁気抵抗検出部41が構成されている。尚、磁界
が作用していない状態での各感磁パターン部32,35
及び各温度補償用パターン部38,39の各抵抗値は同
じに設定されている。
【0039】次に、本実施例のピストン位置検出装置の
電気的構成について説明する。図7は磁気抵抗素子30
に接続される出力電圧判定回路42を示している。磁気
抵抗素子30は電源電圧VC が印加される電源線11に
ランド34を介して接続され、同じく接地線12にラン
ド36を介して接続されている。従って、磁気抵抗検出
部40と磁気抵抗検出部41とは並列接続されている。
磁気抵抗検出部40の感磁パターン部32と温度補償用
パターン部38の間は差分出力電圧生成部としてのオペ
アンプ45の非反転入力端子に接続されている。又、磁
気抵抗検出部41の感磁パターン部35と温度補償用パ
ターン部39との間はオペアンプ45の反転入力端子に
接続されている。磁気抵抗検出部40は感磁パターン部
32と温度補償用パターン部38の間から出力電圧V1
を出力し、感磁パターン部35と温度補償用パターン部
39の間から出力電圧V2 を出力する。オペアンプ45
の出力側はコンパレータ13,14の各非反転入力端子
に接続されている。オペアンプ45は両出力電圧V1 ,
V2 の差分出力電圧である出力電圧VDEF を出力する。
出力電圧V1 から出力電圧V2 を差し引くことにより生
成される出力電圧VDEF には、最低出力レベルと最大出
力電圧値との間に3つの変曲点a,b,cが形成される
出力特性になるように出力電圧V1 及び出力電圧V2 が
設定されている。又、出力電圧VDEF は、第1実施例と
同様に、出力領域D、第1の出力領域DU 及び第2の出
力領域DL に区分されるようなっている。
【0040】電源線11と接地線12との間にはしきい
値電圧設定回路48が接続されている。しきい値電圧設
定回路48は直列接続された3個の抵抗49,50,5
1から構成されている。しきい値電圧設定回路48の抵
抗49と抵抗50の間はコンパレータ13の反転入力端
子に接続され、抵抗50と抵抗51の間はコンパレータ
14の反転入力端子に接続されている。しきい値電圧設
定回路48は、抵抗49と抵抗50の間から第2のしき
い値電圧VTHL を出力し、抵抗50と抵抗51の間から
第1のしきい値電圧VTHU を出力する。第2のしきい値
電圧VTHL は第2の出力領域DL に設定され、第1のし
きい値電圧VTHU は第1の出力領域DUに設定されてい
る。尚、各コンパレータ13,14以降の回路構成は第
1実施例の出力電圧判定回路10の構成と同一になって
いる。
【0041】次に、以上のように構成されたピストン位
置検出装置の作用について説明する。本実施例のピスト
ン位置検出装置も第1実施例のピストン位置検出装置と
同様に使用される。
【0042】磁気抵抗検出部40の感磁パターン部32
と温度補償用パターン部38との間(即ち、ランド3
3)からは、図6に示すように、ピストン位置に対応し
て基準電圧VREF から上に凸の左右対称な特性の出力電
圧V1 が出力される。又、磁気抵抗検出部41の感磁パ
ターン部35と温度補償用パターン部39との間(即
ち、ランド37)からは出力電圧V1 の最高感度位置の
両側の検出範囲のほぼ中央でそれぞれ基準電圧VREF か
ら下に凸の出力となる出力電圧V2 が出力される。何故
なら、感磁パターン部35は感磁方向が位置検出方向に
対して直交する方向であり、その位置検出方向の長さが
磁石Mの位置検出方向の長さ(即ち、感磁パターン部3
5に作用する磁界の有効幅)よりも長いため、磁石Mの
移動に伴って2箇所でピークとなる出力電圧が出力され
る。尚、第1実施例と同様に各温度補償用パターン部3
8,39の各パターン線の線幅は4μmで形成されてい
るため、各温度補償用パターン部38,39の抵抗値の
変化は極めて小さくなっている。従って、出力電圧V1
,V2 の出力特性はほぼ各感磁パターン部32,35
にて決定される。
【0043】オペアンプ45は、図6に実線で示すよう
に、両出力電圧V1 ,V2 の差分出力電圧、即ち、各出
力電圧V1 ,V2 のそれぞれの基準電圧VREF からの差
分の絶対値を減算した出力電圧VDEF を出力する。尚、
出力電圧VDEF の最低出力レベルは0であるが、説明の
便宜上、図6では出力電圧V1 ,V2 と同じ基準電圧V
REF を基準として図示する。この出力電圧VDEF は、出
力電圧V1 の最高感度位置の両側の各ピストン範囲の中
央部の出力が落ち込んだ特性になり、最低出力レベルと
最大出力電圧値との間には3つの変曲点が形成される。
【0044】一方、しきい値電圧設定回路48の抵抗4
9と抵抗50との間からは電源電圧VC に基づく第2の
しきい値電圧VTHL がコンパレータ13の反転入力端子
に出力される。又、同じく抵抗50と抵抗51との間か
らは電源電圧VC に基づく第1のしきい値電圧VTHU が
コンパレータ14の反転入力端子に出力される。
【0045】従って、出力電圧VO は最低出力レベルか
ら立ち上がると、漸進的に増大する増加率で増加して第
1の変曲点aまで到達すると、今度は漸進的に減少する
増加率で第2の変曲点bまで増加する。第2の変曲点b
に到達すると、今度は漸進的に増加する増加率で第3の
変曲点まで増加する。第3の変曲点cに到達すると、今
度は漸進的に減少する増加率で最大出力電圧値まで増加
する。第2のしきい値電圧VTHL 及び第1のしきい値電
圧VTHU は第2の変曲点bを含む出力領域にて区分され
る第1の出力領域DU 及び第2の出力領域DL にそれぞ
れ設定されるため、各しきい値電圧VTHL ,VTHU に対
応するピストン位置は互いに離れた位置になる。
【0046】この結果、第1のしきい値電圧VTHU が設
定される第1の出力領域DU に対応するピストン範囲の
大きさ(=W1)と、出力領域Dに対応するピストン範
囲の大きさ(=W2)との差(=W3)が大きくなる。
【0047】オペアンプ45が出力する出力電圧VDEF
はコンパレータ13にて第2のしきい値電圧VTHL と比
較され、出力電圧VDEF が第2のしきい値電圧VTHL 以
上となる危険取付範囲及び最適取付範囲の両範囲ではコ
ンパレータ13からHレベルとなる信号SG1が出力され
る。又、同じく出力電圧VDEF はコンパレータ14にて
第1のしきい値電圧VTHU と比較され、出力電圧VDEF
が第1のしきい値電圧VTHU 以上となる最適取付範囲で
はコンパレータ14からHレベルとなる信号SG2が出力
される。
【0048】以下、第1実施例と同様にして信号SG1,
SG2が処理され、ピストン位置が最適取付範囲であると
きはLED24が点灯され、危険取付範囲であるときは
LED22が点灯される。
【0049】以上詳述したように、本実施例によれば、
第1実施例と同じ効果を得ることができる。又、出力電
圧V1 及び出力電圧V2 の特性を変更することにより、
生成される出力電圧VDEF の特性を変更することができ
る。この結果、各しきい値電圧VTHL ,VTHU にて設定
される最適取付範囲及び危険取付範囲の大きさのバラン
スを変更することができる。従って、必要な最適取付範
囲及び危険取付範囲の大きさ、割合に応じたピストン位
置検出装置を提供することができる。
【0050】さらに、本実施例では、出力電圧VDEF の
第1の出力領域の勾配が第1の出力電圧V1 の同じ出力
領域の勾配よりも急勾配になるため、設定される最適取
付範囲によるピストン位置の判別に誤動作が少なくな
る。
【0051】尚、感磁パターン部32のパターンを不等
ピッチとした磁気抵抗素子30を用いたピストン位置検
出装置とすることもできる。即ち、図8に示すように、
感磁パターン部32を上下方向に等しい幅のつづら折れ
形状のパターンに形成された強磁性体薄膜にて形成す
る。パターン線間のピッチは感磁パターン部32の位置
検出方向の中央が最も小さく、中央から両端側になるほ
ど漸進的に大きくなるように形成されている。
【0052】この感磁パターン部32を使用した磁気抵
抗検出部40からは、図9に示すように、第2実施例の
出力電圧V1 に比較して、最高感度位置に近づくにつれ
増加率が大きくなる特性の出力電圧V1 が出力される。
この結果、オペアンプ45から出力される出力電圧VDE
F は、第2実施例の差分出力電圧VDEF に比較して、第
2の変曲点近傍の出力領域よりも低い出力領域に対応す
るピストン範囲に対して、近傍領域よりも高い出力領域
に対応するピストン範囲の大きさが小さくなる。従っ
て、第2実施例の効果に加えて、危険取付範囲に対して
狭い最適取付範囲を容易に得ることができる。 (第3実施例)次に、本発明を具体化した第3実施例を
図10〜図12に従って説明する。本実施例のピストン
位置検出装置も第1実施例と同様に磁気抵抗素子と出力
電圧判定回路とから構成されている。尚、ピストン位置
検出装置のケース部等の外部の構成は第1実施例と同じ
である。又、出力電圧判定回路の構成は、第2実施例の
出力電圧判定回路42に対して、加算回路76、基準電
圧設定回路78及び反転増幅回路81を加えた構成であ
るため、同一の構成については符号を同一にして説明を
省略する。
【0053】回路基板1の上に実装された磁気抵抗素子
61の基板31の上側中央には感磁パターン部62が形
成されている。この感磁パターン部62は第3実施例の
感磁パターン部32と同じ構成で形成されている。感磁
パターン部62の左端は基板31の上左側に形成された
ランド63に接続され、同じく右端は上右側に形成され
たランド64に接続されている。又、基板31の下側の
感磁パターン部62の左端に相対する位置には感磁パタ
ーン部65が、同じく右端に相対する位置には感磁パタ
ーン部66が形成されている。各感磁パターン部65,
66は上下方向に等しい幅のつづら折れ状のパターンに
形成された強磁性体薄膜にて形成されている。この各パ
ターンを形成するパターン線の線幅及びパターン線間の
ピッチは一定に形成されている。感磁パターン部65の
左端は基板31の下左側に形成されたランド67に接続
され、感磁パターン部66の右端は下右側に形成された
ランド68に接続されている。感磁パターン部65の右
端と感磁パターン部66の左端とは互いに接続されてい
る。ランド63とランド67との間には温度補償用パタ
ーン部69が形成されている。温度補償用パターン部6
9の左上端はランド63に接続され、同じく左下端はラ
ンド67に接続されている。又、ランド64とランド6
8との間には温度補償用パターン部70が形成されてい
る。温度補償用パターン部70の右上端はランド64に
接続され、同じく右下端はランド68に接続されてい
る。
【0054】感磁パターン部62及び温度補償用パター
ン部70にて磁気抵抗検出部71が構成され、感磁パタ
ーン部65,66及び温度補償用パターン部69にて磁
気抵抗検出部72が構成されている。尚、磁界が作用し
ていない状態での感磁パターン部65と感磁パターン部
66の各抵抗値の和は感磁パターン部62、温度補償用
パターン部69,70の各抵抗値と等しく設定されてい
る。
【0055】次に、本実施例のピストン位置検出装置の
電気的構成について説明する。図11は磁気抵抗素子6
1に接続される出力電圧判定回路73を示している。磁
気抵抗素子61は電源電圧VC が印加される電源線11
にランド63を介して接続され、接地線12にランド6
8を介して接続されている。従って、磁気抵抗検出部7
1,72は互いに並列接続されている。磁気抵抗検出部
71の感磁パターン部62と温度補償用パターン部70
の間(即ち、ランド64)は加算回路76に接続されて
いる。又、磁気抵抗検出部72の感磁パターン部65と
温度補償用パターン部69の間(即ち、ランド67)は
反転増幅回路77に接続されている。磁気抵抗検出部7
1は感磁パターン部62と温度補償用パターン部70の
間から出力電圧V1 を出力し、感磁パターン部65と温
度補償用パターン部69の間から出力電圧V3 を出力す
る。出力電圧V1 と出力電圧V3 を加算することにより
得られる出力電圧VADD には、基準電圧VREF と最大出
力電圧値の間に3つの変曲点a,b,cが形成される出
力特性になるように出力電圧V1 及び出力電圧V2 が設
定されている。又、出力電圧VADD は、第1実施例の出
力電圧VO と同様に、出力領域D、第1の出力領域DU
及び第2の出力領域DL に区分されるようになってい
る。
【0056】又、電源線11と接地線12の間には基準
電圧生成回路78が接続されている。基準電圧生成回路
78は直列接続された2個の抵抗79,80にて構成さ
れている。基準電圧生成回路78の抵抗79と80の間
は反転増幅回路77に接続され、基準電圧VREF を反転
増幅回路77に出力する。反転増幅回路77の出力側は
加算回路76に接続され、出力電圧V3 を基準電圧VRE
F を基準として反転増幅した出力電圧V4 を加算回路7
6に出力する。加算回路76の出力側は第2実施例の出
力電圧判定回路42と同じ構成からなる次段の回路のコ
ンパレータ13,14の各非反転入力端子に接続されて
いる。本実施例では加算回路76及び反転増幅回路77
にて加算出力電圧生成部が構成されている。
【0057】尚、本実施例でも、第1及び第2実施例と
同様に、出力電圧VADD の第2の出力領域に第2のしき
い値電圧VTHL が設定され、同じく第1の出力領域に第
1のしきい値電圧VTHU が設定されている。
【0058】次に、以上のように構成されたピストン位
置検出装置の作用について説明するる。本実施例のピス
トン位置検出装置も第1実施例のピストン位置検出装置
と同様にして使用される。
【0059】磁気抵抗検出部71の感磁パターン部62
と温度補償用パターン部70の間からは、図12に示す
ように、ピストン位置に対応して基準電圧VREF から上
に凸の左右対称な出力特性の出力電圧V1 が出力され
る。又、磁気抵抗検出部72の感磁パターン部65と温
度補償用パターン部69の間からは、出力電圧V1 の立
ち上がり初期領域及び立ち下がり終了領域に相対する位
置でそれぞれ基準電圧VREF から下にピークになる出力
電圧V3 が出力される。尚、第1実施例と同様に各温度
補償用パターン部69,70の抵抗値の変化は極めて小
さいため、出力電圧V1 ,V3 の出力特性に対する影響
は殆どない。
【0060】基準電圧設定回路78の抵抗79と抵抗8
0の間からは電源電圧VC に基づく基準電圧VREF が出
力される。この基準電圧VREF は、磁界が作用していな
状態で各磁気抵抗検出部71,72から出力される基準
電圧VREF と同じ電圧値に設定されている。
【0061】従って、反転増幅回路77からは出力電圧
V3 を基準電圧VREF に対して反転し増幅した出力電圧
V4 が出力される。さらに、加算回路76からは出力電
圧V1 と出力電圧V4 とが加算された出力電圧VADD が
出力される。この出力電圧VADD は、立ち上がり初期領
域及び立ち下がり終了領域がそれぞれ増幅された出力特
性になり、基準電圧VREF と最大出力電圧値の間には3
つの変曲点が形成される。
【0062】従って、出力電圧VADD は基準電圧VREF
から立ち上がると漸進的に増加する増加率で増加して第
1の変曲点aまで到達すると、今度は漸進的に減少する
増加率で第2の変曲点bまで増加及び減少する。第2の
変曲点bに到達すると、今度は漸進的に増加する増加率
で減少及び増加する。第3の変曲点cに到達すると、今
度は漸進的に増加する増加率で最大出力電圧値まで増加
する。第2のしきい値電圧VTHL 及び第1のしきい値電
圧VTHU は第2の変曲点bを含む出力領域にて区分され
る第1の出力領域DU 及び第2の出力領域DL にそれぞ
れ設定されるため、各しきい値電圧VTHL ,VTHU に対
応するピストン位置互いに離れた位置になる。
【0063】この結果、第1のしきい値電圧VTHU が設
定される第1の出力領域DU に対応するピストン範囲の
大きさ(=W1)と、出力領域Dに対応するピストン範
囲(=W2)との差(=W3)が大きくなる。
【0064】以下、第2実施例の出力電圧判定回路42
の作用と同じ作用により、ピストン位置が設定された最
適取付範囲及び危険取付範囲にて判別される。以上詳述
したように、本実施例によれば、第1実施例と同じ効果
を得ることができる。
【0065】又、出力電圧V1 及び出力電圧V2 の特性
を変更することにより、生成される出力電圧VADD の特
性を変更することができる。この結果、各しきい値電圧
VTHL ,VTHU にて設定される最適取付範囲及び危険取
付範囲の大きさのバランスを変更することができる。従
って、必要な最適取付範囲及び危険取付範囲の大きさ、
割合に応じたピストン位置検出装置を提供することがで
きる。
【0066】さらに、出力電圧VADD の第2の出力領域
の勾配が第1の出力電圧V1 の同じ出力領域の勾配に比
較して急勾配になるため、設定される最適取付範囲によ
るピストン位置の判別に誤動作が少なくなる。
【0067】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、以下のように構成することもできる。 (1) 第1実施例で、温度補償用パターン部6を形成
する位置を、例えば、感磁パターン部5の下側とした
り、基板31の位置検出方向のいずれかの端部側等の任
意の位置としてもよい。又、第2実施例で、温度補償用
パターン部38,39を形成する位置を、例えば、感磁
パターン部32の下側、又は感磁パターン部35の上側
等の任意の位置としてもよい。さらに、第3実施例で、
温度補償用パターン部69,70を形成する位置を感磁
パターン部65,66の間としたり、感磁パターン部6
2の上側等の任意の位置としてもよい。
【0068】(2) 第2、第3実施例で、感磁パター
ン部32(62)のピッチを位置検出方向の中央から両
端側に同じ大きさずつ(即ち、等差数列的に)大きくな
るように形成してもよい。
【0069】(3) 第1から第3実施例で各感磁パタ
ーン部5,32,62のパターン線の線幅を20μm以
外の線幅としてもよい。又、第2実施例で、感磁パター
ン部35のパターン線の線幅を10μm以外の値として
もよい。
【0070】又、第1から第3実施例で、各温度補償用
パターン部6,38,39,69,70のパターン線の
線幅を5μm以下の任意の値に設定してもよい。 (4) 第1から第3実施例で、各出力電圧判定回路1
0,42,73の各コンパレータ13,14に正帰還を
かけるように構成してもよい。即ち、図3,7,11に
二点鎖線で示すように、各コンパレータ13,14の非
反転入力端子と出力端子とをそれぞれ抵抗81を介して
接続する。この場合、危険取付範囲から最適取付範囲、
或いは、最適取付範囲から危険取付範囲への切り換えを
安定して行うことができる。
【0071】(5) 第1〜第3実施例で、ピストン位
置をLED22,24にて表示せず、各取付範囲に対応
する出力信号としてプログラマブル・コントローラ等に
出力するように構成してもよい。
【0072】(6) 第2実施例で、第2出力電圧V2
の基準電圧VREF からの差分を増幅した電圧を第1の出
力電圧V1 から差し引くように構成してもよい。又、第
3実施例で、第2の出力電圧V2 を反転増幅せず、単に
反転したものを第1の出力電圧V1 に加算するように構
成してもよい。
【0073】(7) 第1〜第3実施例で、温度補償用
パターン部6,38,39,69,70を設けない構成
としてもよい。 (8) 第1〜第3実施例で、ピストンPに取り付ける
磁石Mの形状は、リング状に限らず、例えば、円柱状、
半円柱状、四角柱状等の形状であってもよい。
【0074】(9) 第1から第3実施例で、LED2
2,24の代わりに、電界発光素子(EL素子)、液晶
素子等の発光素子又は表示素子を使用して最適取付範囲
及び危険取付範囲の表示を行うように構成してもよい。
【0075】(10) 第1〜第3実施例で、各磁気抵
抗検出部4,40,41,71,72の各感磁パターン
部5,32,35,62,65,66のパターン面をシ
リンダチューブTの軸線を含む面内に配置して使用する
方法に限らず、例えば、パターン面をシリンダチューブ
T外周面に対する接線を含む面と平行に配置して使用す
るようにしてもよい。
【0076】(11) 第1実施例で、感磁パターン部
5と温度補償用パターン部6とを基板31の一面側に絶
縁層を介して両パターン面が相対する位置に多層状に形
成してもよい。又、第2実施例で、感磁パターン部32
と感磁パターン部35とを同様に多層状に形成してもよ
い。又、第3実施例で、感磁パターン部62と感磁パタ
ーン部65,66とを同様に多層状に形成してもよい。
この場合、磁気抵抗素子2,30,61の高さを小さく
することができる。
【0077】(12) 第3実施例で、感磁パターン部
62のパターン線間のピッチを一定に形成してもよい。 以下、特許請求の範囲に記載された技術的思想の外に前
述した各実施例で把握される技術的思想をその効果とと
もに記載する。
【0078】(1) 請求項1〜請求項4の何れかに記
載のピストン位置検出装置において、各しきい値電圧V
THU ,VTHL にて設定された各取付範囲を判別可能に表
示する表示手段22,24を設けた。このような構成に
よれば、ピストン位置を視認可能に表示することができ
る。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
4に記載の発明によれば、出力電圧の最大出力電圧値が
小さい場合でも、各しきい値電圧と最大出力電圧値及び
基準電圧との電圧差を確保しながら適正な大きさの最適
取付範囲及び危険取付範囲を設定することができる。
【0080】又、最適取付範囲によるピストン位置の判
別において誤動作を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の磁気抵抗素子を示す概略正面
図。
【図2】 (a)シリンダに装着したピストン位置検出
装置の概略正面図、(b)同じく概略側面図。
【図3】 ピストン位置検出装置の電気回路図。
【図4】 出力電圧と出力信号の動作チャート。
【図5】 第2実施例の磁気抵抗素子を示す概略正面
図。
【図6】 出力電圧と出力信号の動作チャート。
【図7】 ピストン位置検出装置の電気回路図。
【図8】 別例の磁気抵抗素子を示す概略正面図。
【図9】 出力電圧と出力信号の動作チャート。
【図10】 第3実施例の磁気抵抗素子を示す概略正面
図。
【図11】 ピストン位置検出装置の電気回路図。
【図12】 出力電圧と出力信号の動作チャート。
【図13】 従来例の位置検出装置の電気回路図。
【図14】 出力電圧と出力信号の動作チャート。
【符号の説明】
4…磁気抵抗検出部、5…感磁パターン部、5a…パタ
ーン線、32…感磁パターン部、40…第1の磁気抵抗
検出部、41…第2の磁気抵抗検出部、45…差分出力
電圧生成部としてのオペアンプ、65,66…感磁パタ
ーン部、71…第1の磁気抵抗検出部、72…第2の磁
気抵抗検出部、76…加算出力電圧生成部としての加算
器、77…同じく反転増幅器、a,b,c…変曲点、D
…出力領域、DL ,DU …出力領域、VADD …出力電
圧、VDEF …出力電圧、VO …出力電圧、VTHL …第2
のしきい値電圧、VTHU …第1のしきい値電圧、V1 …
第1の出力電圧、V2 …第2の出力電圧、V3 …第3の
出力電圧、V4 …出力電圧。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗検出部がピストン位置に対応し
    て出力する出力電圧に対して出力レベルの異なる2つの
    しきい値電圧(VTHU ,VTHL )を設定し、第1のしき
    い値電圧(VTHU )に基づいて最適取付範囲を設定し、
    第1のしきい値電圧(VTHU )と第1のしきい値電圧
    (VTHU )よりも低い出力レベルに設定される第2のし
    きい値電圧(VTHL )に基づいて危険取付範囲を設定す
    るピストン位置検出装置において、 磁気抵抗検出部は、最低出力レベルから最大出力値との
    間に3つの変曲点(a,b,c)を含む、ほぼ左右対称
    の出力特性となる出力電圧を出力し、 この3つの変曲点の内、対応する出力電圧値が他の出力
    電圧値の中間となる変曲点(b)を含む所定電圧幅の出
    力領域(D)よりも出力レベルの高い第1の出力領域
    (DU )に第1のしきい値電圧(VTHU )を設定し、前
    記出力領域(D)よりも出力レベルの低い第2の出力領
    域(DL )に第2のしきい値電圧(VTHL)を設定する
    ようにしたピストン位置検出装置。
  2. 【請求項2】 磁気抵抗検出部(4)が出力する出力電
    圧が感磁パターン部のパターン線のピッチの変化により
    3つの変曲点を有する出力特性になるように、感磁パタ
    ーン部(5)の位置検出方向のパターン線(5a)のピ
    ッチを、位置検出方向の中央領域では最も小さくし、中
    央領域の両側の各中間領域では中央領域のピッチよりも
    大きくするとともに、各中間領域の外側の各端部領域で
    は中央領域と中間領域の各ピッチの中間の大きさとした
    請求項1に記載のピストン位置検出装置。
  3. 【請求項3】 磁気抵抗検出部は、ピストン位置に対応
    して1つの最大出力電圧値を有する第1の出力電圧(V
    1 )を出力する第1の磁気抵抗検出部(40)と、第1
    の磁気抵抗検出部(40)と位置検出方向を同じにする
    とともに、ピストン位置に対応して第1の出力電圧(V
    1 )の最大出力電圧値の両側の各領域のほぼ中央でそれ
    ぞれ最大出力電圧値を有する第2の出力電圧(V2 )を
    出力する第2の磁気抵抗検出部(41)とからなり、 第1の出力電圧(V1 )に基づく電圧から第2の出力電
    圧(V2 )に基づく電圧を差し引いて前記出力電圧(V
    DEF )を生成する差分出力電圧生成部(45)を備えた
    請求項1に記載のピストン位置検出装置。
  4. 【請求項4】 磁気抵抗検出部は、ピストン位置に対応
    して1個の最大出力電圧値を有する第1の出力電圧(V
    1 )を出力する第1の磁気抵抗検出部(71)と、第1
    の磁気抵抗検出部(71)と位置検出方向を同じにする
    とともに、ピストン位置に対応して第1の出力電圧(V
    1 )の立ち上がり初期領域及び立ち下がり終了領域でそ
    れぞれ最大出力電圧値を有する第3の出力電圧(V3 )
    を出力する直列接続された一対の感磁パターン部(6
    5,66)からなる第2の磁気抵抗検出部(72)とか
    らなり、 第1の出力電圧(V1 )に基づく電圧に第3の出力電圧
    (V3 )に基づく出力電圧(V4 )を加算して前記出力
    電圧(VADD )を生成する加算出力電圧生成部(76,
    77)を備えた請求項1に記載のピストン位置検出装
    置。
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