JP2589310Y2 - 集塵用バグフイルタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、パルスジェット式集塵
機の技術分野で利用されるものであって、具体的には、
パルスジェット式集塵機に使用して好適な集塵用バグフ
イルタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】パルスジェット式集塵機は、縦長のかご
型に形成したフイルタゲージの外側に嵌装したバグフイ
ルタの内部に圧縮エアーを吹込むことによって、集塵運
転によってフイルタの表面に付着捕集されたダストを下
側のバケット内に払い落し、ダストの付着によるフイル
タの目詰りを防止する仕組に成っているが、このパルス
ジェット式集塵機を含む一般の集塵機で処理風量を増や
したい場合は、処理風量の増加に比例させてフイルタの
本数を増加したリフイルタを長く造ったりする必要があ
り、従って、集塵機全体が大型化し、合せて、パルスジ
ェット装置も大型化するため、製造コストの高騰を招く
問題があった。

【０００３】そこで本出願人は、先の実願昭６２−６６
２３６号（実開昭６３−１７３３２４号）の出願によ
り、フイルタゲージの外側に嵌装したフイルタの下側部
を折返してフイルタゲージ内に挿入し、且つ、この折返
したフイルタをゲージ内部に吊下げることにより、フイ
ルタを内外２重にしてフイルタ面積を広げ、フイルタの
本数を増やしたリフイルタを長く造らなくても、その処
理風量を実質的に増大できるように工夫したパルスジェ
ット式集塵機用フイルタを提案して、上述した集塵機の
大型化とコストアップの問題解決に成功した。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上述したパル
スジェット式集塵機用フイルタは、内外２重に構成した
フイルタをいずれも断面円形に構成している関係で、内
側のフイルタの折返し量（長さ）を長くして外側のフイ
ルタを内部に深く挿入すると、集塵運転時とか除塵運転
時に内外のフイルタが接触して集塵と除塵に影響を及ぼ
すため、自ずとその折返し量には限度があってあまり深
く折返すことができず、処理風量即ちフイルタ面積の増
大には限界があった。

【０００５】従って本考案の技術的課題は、フイルタゲ
ージの外側に嵌装したフイルタと、このゲージ内に折返
した内側フイルタの接触を防止して、内側フイルタの折
返し量の増大、即ち、処理風量（フイルタ面積）を可及
的に増大できるようにすることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために本考案で講じた手段は以下の如くである。

【０００７】フイルタゲージの周囲に嵌装するフイルタ
の下側に折返し用のフイルタを連設し、この折返し用フ
イルタをフイルタゲージの内側に折返して吊下げること
によってフイルタを内外２重に構成した集塵用バグフイ
ルタであって、

【０００８】（１） 上記外側のフイルタを断面略矩形
状に造り、内側のフイルタを断面略円形状に造る一方、
外形を略矩形状に形成し、内部中心には円形の挿通穴を
穿設した複数枚の保持板を上下に間隔をあけて複数段に
配設し、これ等各保持板の外側面に間隔的に複数本の縦
杆を溶接することによって、全体が断面略矩形状を成す
縦長のフイルタゲージを構成して、このフイルタゲージ
の外側に上記外側のフイルタを嵌装し、且つ、上記内側
のフイルタを上記各保持板の挿通穴に下から挿通して、
その上端側をフイルタゲージに横架した吊下杆に吊下げ
て保持すること。

【０００９】（２） 中央に挿通穴を穿設した保持板の
四隅に、保持板同士を重ねて接合するボルト用の穴を穿
設すること。

【００１０】

【作用】上記の手段は以下の如く作用する。 上記（１）で述べた手段によれば、フイルタゲージ
の外側に嵌装する外側フイルタの断面形状を略矩形状と
成し、内側に折返す内側フイルタの断面形状を円形に構
成しているため、内側フイルタの折返し量を深くしても
集塵運転時及び除塵運転時に内外のフイルタが接触する
ことがなく、集塵と除塵を支障無く行うことができるか
ら、内側フイルタの折返し量を深くしてフイルタ面積を
増大し、更に、外側フイルタを断面略矩形状に構成した
分、円形に形成した従来のフイルタより面積を増やすこ
とができるから、その結果、集塵機の処理風量を可及的
に増大することを可能にする。

【００１１】 更に上記（１）で述べた手段によれ
ば、外形を矩形状に形成した保持板を使用することによ
って、フイルタゲージの全体形状を断面略矩形状を成す
縦長のかご形状に造ることができ、且つ、フイルタゲー
ジの内部には保持板の挿通穴によって円形の保持部が構
成されているから、断面略矩形状に形成した上記外側フ
イルタと、断面円形に形成した上記内側フイルタを、フ
イルタゲージの内外に夫々が接触させることなく確実に
装着して、フイルタ面積を可及的に増大させることを可
能にする。

【００１２】 上記（２）で述べた手段によれば、フ
イルタゲージの末端の保持板同士をボルトで接合するこ
とによって、フイルタゲージを長手方向に接続すること
ができるため、フイルタゲージの長さを使用するフイル
タの長さに合せて自由に調節することを可能にする。以
上の如くであるから、上記の手段によって上述した技術
的課題を解決して、前記従来の技術の問題点を解消する
ことができる。

【００１３】

【実施例】以下に、上述した本考案に係る集塵用バグフ
イルタの好適な実施例を添付した図面と共に詳細に説明
する。図１は本考案によって構成されたバグフイルタを
分解して示した一部断面正面図で、図２はその組立状態
を示した一部断面正面図であって、これ等の図面に於い
て符号Ｔで全体に示したのは縦長のかご形状に造ったフ
イルタゲージで、同じく符号Ｓで全体的に示したのはこ
のフイルタゲージＴに装着して使用されるバグフイルタ
を示す。

【００１４】フイルタゲージＴは、図３並びに図４に示
した如く外形を略矩形状に構成した複数枚（図面では５
枚）の保持板１…を上下に間隔をあけて複数段に配設
し、これ等各保持板１…の外側に等間隔をあけて複数の
縦杆２…を溶接することによって、全体を断面略矩形状
に形成した縦長のかご形状に造られていて、その上端部
には把手４を備えたホルダ３が取付けられ、且つ、この
ホルダ３に取付けたベンチュリ６の先端口６ｂ側がフイ
ルタゲージＴの上端口内に挿入されると共に、ベンチュ
リ６の入口部分６ａには吊下杆５が横架されている。

【００１５】プレス抜きした金属板を用いて構成した上
記の保持板１は、図３並びに図４に示す如く全体が角を
丸くした略矩形状に造られていて、その中心部には円形
の挿通穴１ａが穿設されると共に、外側面１ｂには前述
した縦杆２…が溶接され、且つ、挿通穴１ａと外側面１
ｂの間の板面は多数の通気穴１ｃ…を穿設したリブ構造
に成っている。また、四隅には接続用のボルト穴１ｄ，
１ｄと、接続用の位置決め穴１ｅ，１ｅが穿設され、こ
れ等各穴１ｄ，１ｄ及び１ｅ，１ｅと接続用ボルト７，
７及びナット８，８を用いて図６の如く各フイルタゲー
ジＴ１，Ｔ２の末端の保持板１，１同士を接合すること
により、フイルタゲージを使用するバグフイルタＳの長
さに合せて自由に調整できる仕組に成っている。

【００１６】これに対して、符号Ｓにて全体的に示した
バグフイルタは、使用するフイルタゲージＴと同じ長さ
で、且つ、同じ断面略矩形状に形成した外側フイルタ１
０と、この外側フイルタ１０の下端部折返し部１０ｂに
上向きに折返した状態で縫着した断面略円形状に形成し
た内側フイルタ１１との内外２重構造に造られていて、
図２に示す如く外側フイルタ１０の部分を上述したフイ
ルタゲージＴの外側に嵌装すると共に、内側フイルタ１
１の部分を保持板１の挿通穴１ａ内に挿通し、且つ、こ
の内側フイルタ１１の上面部に取付けた三角状の天井部
１１ａに吊下紐１２の下端部１２ｂを取付け、更にこの
吊下紐１２の上端懸掛部１２ａを前述したベンチュリ６
の入口に横架した吊下杆５に取付けることにより、内側
フイルタ１１をフイルタゲージＴの内部に吊下げた状態
で、而かも、各保持板１によって外側フイルタ１０との
間隔を保持された状態で取付けられる仕組に成ってい
る。

【００１７】尚、図１と図２に於いて１０ａは外側フイ
ルタ１０の上端部に設けた取付口で、この部分がフイル
タゲージＴのホルダ３の部分に嵌着される仕組に成って
いる。また、図２に於いて２０は除塵運転時に除塵用の
圧縮エアーをノズル２０ａの部分からベンチュリ６内に
吹込んで、バグフイルタＳに付着したダストを払落すブ
ローパイプを示す。

【００１８】本考案に係る集塵用バグフイルタは以上述
べた如き構成であるから、断面略矩形状に形成して面積
を広げた外側フイルタ１０は、同じく全体が断面矩形状
を成すフイルタゲージＴに安定した状態で、且つ、スム
ーズに嵌装することができ、また、断面円形に形成され
た内側フイルタ１１は各保持板１…に穿設された円形の
挿通穴１ａに挿通されて吊下げられるから、内側フイル
タ１１も各保持板１…に保持されて外側フイルタ１０と
の間隔を完全に保持された状態で安定して取付けられる
から、集塵運転時の吸引作用とか除塵運転時のブロー作
用によって外側と内側のフイルタ１０，１１が接触する
ことなく集塵と除塵を支障無く行うことができる。

【００１９】また、フイルタゲージＴを更に長いものに
してバグフイルタＳの面積を広げる場合は、図６の如く
被接続側フイルタゲージＴ１と、接続側フイルタゲージ
Ｔ２の各末端部の保持板１，１同士を、穴１ｄ，１ｅを
利用してボルト７とナット８で締付けて接合すれば、フ
イルタゲージＴを思い通りの長さにすることができるか
ら、長さが異なる複数種のバグフイルタＳに対応するこ
とができる。

【００２０】

【考案の効果】以上述べた如く、本考案に係る集塵用バ
グフイルタによれば、内外２重に構成したフイルタのう
ち、外側のフイルタを断面矩形状と成し、内側フイルタ
を断面円形状に形成し、且つ、これ等内外のフイルタの
間隔をフイルタゲージと保持板によって両者が接触しな
いように保持した関係上、先ず、外側フイルタを断面矩
形状にした分、断面円形に形成した従来のバグフイルタ
よりも面積を広げることができ、更に、内側フイルタを
外側フイルタの内部に可成りの長さ挿入させることがで
きるから、折返し量が長くなった分、フイルタの面積を
広げることができるから、従って、同じ内外２重構造の
バグフイルタであっても、前述した従来のバグフイルタ
よりも面積を広げて集塵機の処理風量を増やすことがで
きる利点を発揮できるものであって、保持板同士を接合
してフイルタゲージを思い通りの長さにできる点と相俟
って、パルスジェット式集塵機用のバグフイルタに実施
して、その実用的効果は極めて高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る集塵用バグフイルタを構成するフ
イルタとフイルタゲージを取外して示した一部断面分解
正面図である。

【図２】図１のものを組立てて示した一部断面正面図で
ある。

【図３】保持板の平面図である。

【図４】図２のＸ−Ｘ線に沿った拡大断面図である。

【図５】フイルタゲージの接続部分の構造を拡大して説
明した正面図である。

【図６】２本のフイルタゲージを長手方向に接続した状
態を示した正面図である。

【符号の説明】

Ｔ フイルタゲージ １ 保持板 １ａ 挿通穴 １ｂ 外側面 １ｄ，１ｅ ボルト穴 ２ 縦杆 ５ 吊下杆 ６ ベンチュリ ７ ボルト ８ ナット Ｓ バグフイルタ １０ 外側フイルタ １０ｂ 下端折返し部 １１ 内側フイルタ １２ 吊下紐 ２０ ブローパイプ

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フイルタゲージの周囲に嵌装するフイル
   タの下側に折返し用のフイルタを連設し、この折返し用
   フイルタをフイルタゲージの内側に折返して吊下げるこ
   とによってフイルタを内外２重に構成した集塵用バグフ
   イルタであって、 上記外側のフイルタを断面略矩形状に造り、内側のフイ
   ルタを断面略円形状に造る一方、外形を略矩形状に形成
   し、内部中心には円形の挿通穴を穿設した複数枚の保持
   板を上下に間隔をあけて複数段に配設し、これ等各保持
   板の外側面に間隔的に複数本の縦杆を溶接することによ
   って、全体が断面略矩形状を成す縦長のフイルタゲージ
   を構成して、このフイルタゲージの外側に上記外側のフ
   イルタを嵌装し、且つ、上記内側のフイルタを上記各保
   持板の挿通穴に下から挿通して、その上端側をフイルタ
   ゲージに横架した吊下杆に吊下げて保持したことを特徴
   とする集塵用バグフイルタ。
2. 【請求項２】 中央に挿通穴を穿設した保持板の四隅
   に、保持板同士を重ねて接合するボルト用の穴を穿設し
   たことを特徴とする請求項１記載の集塵用バグフイル
   タ。