JPH0611821U - バグフィルタの支持枠構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】バグフィルタから支持枠を簡単に抜き出すこと
のできるバグフィルタの支持枠構造を提供する。 【構成】支持枠１０の構造は、長さの等しい複数の棒材
１２を等間隔で配列して円筒形に形成し、この円筒形の
上端には支持板１４を取付けて棒材１２を支持し、支持
板１４の中央にはベンチュリ管１６が取付けられる。ま
た円筒形の下端には星形をした支持環１８が取付けられ
て棒材１２を支持固定する。この支持枠１０をバグフィ
ルタ３０に挿入して集塵機２２に取付ける。集塵機２２
に取付けられたバグフィルタ３０は集塵時に外圧を受け
て内側に変形する。しかし、支持環１８の形状を従来の
円形から星形に変えたので、支持環１８は変形したバグ
フィルタ３０の変形形状と同じ形状になる。これによ
り、バグフィルタ３０から支持枠１０を抜き出す時に、
支持環１８がバグフィルタ３０の変形部分に引っ掛から
ない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はバグフィルタの支持枠構造に係わり、特にパルスジェット型集塵機に 用いるバグフィルタの支持枠構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

パルスジェット型集塵機は、含塵ガスをバグフィルタの外面から内面に向けて 通過させてガス中のダストを濾過し、バグフィルタ外面に捕集されたダストは、 パルスジェットからバグフィルタの筒内に定期的に噴出される圧縮エアにより払 い落とされる。この為、含塵ガスの濾過時には、バグフィルタは内側に潰される 力を受けるので、バグフィルタの内部に支持枠を挿入してバグフィルタを円筒形 状に保持するようにしている。

【０００３】 図５に示すように、従来のバグフィルタの支持枠構造１は、長さの等しい複数 の金属製の棒材２、２…を等間隔に配列して円筒形が形成され、この円筒形の上 端には支持板３が取付けられて前記各棒材２、２…が支持されると共に、前記支 持板３の中央部にベンチュリ管４が取付けられている。また、前記棒材２によっ て形成された円筒形の下端には円形な支持環５が取付けられて前記棒材２、２… が支持固定される。更に、支持枠１の強度を強くする為に、前記支持板３と支持 環５との間には２個の円形な支持リング６、６が設けられ、各棒材２、２…を当 接支持している。

【０００４】 この支持枠１は、集塵機の運転中、バグフィルタの潰れを防止する為にバグフ ィルタに挿入される一方、長時間使用して強度が落ちたバグフィルタを交換する 為にバグフィルタから抜き出す必要がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のバグフィルタの支持枠構造１はバグフィルタから支持枠 １を抜き出す時に以下のような欠点があった。即ち、図６に示すように、含塵ガ スの濾過時にはバグフィルタ７は外部から内部に強い圧力を受ける為、バグフィ ルタ７の水平断面形状は各棒材２の間で内側に湾曲して星形に変形してしまう。 そして、この変形はバグフィルタ７の濾過時に常時発生している為、集塵機を長 時間運転した後に図示していないパルスジェットからバグフィルタ７の筒内部に 圧縮エアを噴出して内部から外部へ向かう圧力を加えてもバグフィルタ７は元の 円筒状に戻らずに変形したままになる。

【０００６】 このように変形したバグフィルタ７から支持枠１を抜き出そうとすると、従来 のバグフィルタの支持枠構造１の場合、支持環５の形状が円形をしている為、支 持環５がバグフィルタ７の変形部分に引っ掛かり抜き出しにくくなるという欠点 がある。従って、バグフィルタ７から支持枠１の抜き出しにかなりの時間と労力 を要するので、バグフィルタ７交換の作業性が著しく悪くなるという問題が生じ る。

【０００７】 本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、バグフィルタから支持枠を 簡単に抜き出すことのできるバグフィルタの支持枠構造を提供することを目的と する。

【０００８】

【課題を解決する為の手段】

本考案は、前記目的を達成する為に、集塵室と清浄室とを仕切る仕切板に設け られる支持板と、前記支持板の中央に設けられ、バグフィルタに付着するダスト を除去するエアガイド管と、一端が支持板の周縁に等間隔に配列固定され、全体 として円筒形を形成した複数の棒材と、円筒形を形成した棒材の他端を支持する 環状の支持環と、から成り、前記バグフィルタが前記棒材で形成された円筒形に 被せられるバグフィルタの支持枠構造に於いて、前記支持環の前記各棒材間を内 側に湾曲させて、前記支持環を星形に形成したことを特徴とする

【０００９】

【作用】 本考案によれば、支持枠の支持環の各棒材間を内側に湾曲させて前記支持環を 星形にした。これにより、前記支持環は変形したバグフィルタの変形形状と同じ 形状になるので、バグフィルタから支持枠を抜き出す時に、支持環がバグフィル タの変形部分に引っ掛からない。従って、バグフィルタから支持枠を抜き出す時 に、従来の丸形の支持環に比べてバグフィルタと支持環との接触抵抗が少なくな るので、バグフィルタから支持枠を容易に抜き出すことができる。

【００１０】 また、通常、前記支持枠の強度を補強する為に、前記支持板と支持環との間に 環状部材を設け、各棒材を当接支持するが、前記環状部材についても支持環と同 様に、前記各棒材間を内側に湾曲させて星形にする。これにより、バグフィルタ から支持枠を抜き出す時に、前記支持環と同様の理由からバグフィルタの変形部 分が環状部材に引っ掛かることなく、変形したバグフィルタから支持枠を更に容 易に抜き出すことができる。

【００１１】

【実施例】

以下添付図面に従って本考案に係るバグフィルタ用支持枠１０の好ましい実施 例について詳説する。 図１に示すように、本考案のバグフィルタの支持枠構造１０は、長さの等しい 複数の金属製の棒材１２、１２…を等間隔で配列して円筒形を形成し、この円筒 型の図中上端には支持板１４が取付けられて前記各棒材１２、１２…を支持して いる。また、前記支持板１４の中央には図示していないバグフィルタに付着した ダストを払い落とす時に、バグフィルタ内に吹き込まれるエア量を多くする役目 のベンチュリ管１６が取付けられている。また、前記円筒形の下端には星形をし た支持環１８が取付けられて前記各棒材１２、１２…を支持固定している。そし て、前記ベンチュリ管１６と前記支持環１８との間には、支持枠１０の強度を強 くする為に、２個のリング２０、２０が設けられ、各棒材１２、１２…を当接支 持している。上記構成から成る本考案のバグフィルタの支持枠構造１０は、支持 環１８の各棒材１２、１２…間を内側に湾曲させて星形にしたことに大きな特徴 がある。

【００１２】 そして、図２に示すように、この支持枠１０をバグフィルタに次のようにセッ トする。先ず、パルスジェット型集塵機２２の集塵室２４と清浄室２６を仕切る 仕切板２８の開口部にバグフィルタ３０を吊り下げる。次に、吊り下げられたバ グフィルタ３０の内部に前記支持枠１０を挿入してから支持枠１０の上端に設け られた支持板１４を前記仕切板２８に固定し、バグフィルタ３０を円筒状に保持 する。

【００１３】 上記の如くバグフィルタ３０を取付けた集塵機２２は、集塵室２４に取り込ま れた含塵ガスをバグフィルタ３０の外面から内面に向けて通過させて含塵ガスの ダストを濾過し、ベンチュリ管１６を通って清浄室２６側に排出する。この時、 バグフィルタ３０は外部から内部に向かう圧力を受けるので、バグフィルタ３０ の断面形状は図６で示したと同様に、支持枠１０の各棒材１２、１２…間で内側 に湾曲した星形に変形する。そして、長時間集塵機２２を運転した後にはバグフ ィルタ３０の断面形状は変形したままで、元の円筒形には戻らなくなる。

【００１４】 また、バグフィルタ３０は長時間使用すると破損して寿命なるので、寿命にな ったバグフィルタ３０は、前記した支持枠１０の取付けとは逆の手順で交換作業 が行われる。即ち、先ずバグフィルタ３０から支持枠１０を抜き出し、その後に バグフィルタ３０を仕切板２８の開口部から取り外してバグフィルタ３０を交換 する。この時、バグフィルタ３０から支持枠１０を抜き出す作業は、支持枠１０ の上端の支持板１４から抜き始め、最後に下端の支持環１８が引き抜かれる。こ の為、支持環１８はバグフィルタ３０から支持枠１０を抜き出し終わるまで接触 抵抗を受けることになる。特に、上記のようにバグフィルタ３０が変形している 場合は、接触抵抗が大きく支持枠１０が抜けにくい状態になっている。しかし、 本考案のバグフィルタの支持枠構造１０は支持環１８を星形にしてバグフィルタ ３０の変形断面と同一の形状にした。これにより、支持環１８がバグフィルタ３ ０の変形部分に引っ掛かることなくバグフィルタ３０の変形形状に沿って支持枠 １０を抜き出すことができるので、バグフィルタ３０から支持枠１０を容易に抜 き出すことができる。

【００１５】 また、図３に別の実施例を示すように、支持枠１０を補強するリング２０につ いても支持環１８と同様に星形にすれば、図示していない変形したバグフィルタ から支持枠１０を抜き出す時の引っ掛かり部分が更に少なくなる。これにより、 バグフィルタから支持枠１０を更に容易に抜き出すことができる。 従って、本考案のバグフィルタの支持枠構造１０は、従来のバグフィルタの支 持枠構造に比べ、バグフィルタ３０から支持枠１０を抜き出す時間と労力が削減 され、作業性が向上する。

【００１６】 また、支持枠１０を図３の構造にした場合には、バグフィルタ３０から支持枠 １０を抜き出すのが容易になる以外に以下に述べる効果をも得ることができる。 即ち、バグフィルタ３０の外面に付着したダストを図示していないパルスジェッ トからの圧縮エアをバグフィルタ３０内部に噴出して払い落とす際、図４に示し たようにバグフィルタ３０の振幅巾はＡからＢの位置まで振動する。これにより 、従来の円形なリングに比べてバグフィルタ３０の振幅巾が大きくなるので、ダ ストを払い落とす効果を向上させることができる。

【００１７】 尚、本実施例では金属製の棒材を使用したが、これに限定されるものではなく 支持枠の構成材としての強度がある材質のものであればなんでもよい。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のバグフィルタの支持枠構造によれば、支持枠の 支持環の各棒材間を内側に湾曲させて星形にし、バグフィルタの変形形状と同じ にしたので、バグフィルタから支持枠を抜き出す時に、支持環がバグフィルタの 変形部分に引っ掛からなくなる。これにより、バグフィルタから支持枠を抜き出 す時に、従来の丸形の支持環に比べてバグフィルタと支持環との接触抵抗が少な くなるので、バグフィルタから支持枠を容易に抜き出すことができる。

【００１９】 また、支持環と同様に、支持枠の環状部材の形状も星形にすれば、前記支持環 と同様の理由から、変形したバグフィルタから支持枠の抜き出しを更に容易にす ることができる。 従って、本考案のバグフィルタの支持枠構造は、従来のバグフィルタの支持枠 構造に比べ、バグフィルタから支持枠を抜き出す時間と労力が削減され、作業性 が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るバグフィルタの支持枠構造の斜視
図

【図２】本考案に係るバグフィルタの支持枠構造の実施
例を示す断面図

【図３】本考案に係る別のバグフィルタの支持枠構造の
斜視図

【図４】本考案に係る別のバグフィルタの支持枠構造の
バグフィルタ付着ダスト払い落とし効果を説明する断面
図

【図５】従来のバグフィルタ用支持枠の斜視図

【図６】バグフィルタの変形状態を示した断面図

【符号の説明】

１０…支持枠 １２…棒材 １４…支持板 １６…ベンチュリ管 １８…支持環 ２４…集塵室 ２６…清浄室 ２８…仕切板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 集塵室と清浄室とを仕切る仕切板に設け
   られる支持板と、 前記支持板の中央に設けられ、バグフィルタに付着する
   ダストを除去するエアガイド管と、 一端が支持板の周縁に等間隔に配列固定され、全体とし
   て円筒形を形成した複数の棒材と、 円筒形を形成した棒材の他端を支持する環状の支持環
   と、から成り、 前記バグフィルタが前記棒材で形成された円筒形に被せ
   られるバグフィルタの支持枠構造に於いて、 前記支持環の前記各棒材間を内側に湾曲させて、前記支
   持環を星形に形成したことを特徴とするバグフィルタの
   支持枠構造。
2. 【請求項２】 前記支持板と支持環との間には棒材を当
   接支持する環状部材を設け、前記環状部材の前記各棒材
   間を内側に湾曲させて、前記環状部材を星形に形成した
   ことを特徴とする請求項１のバグフィルタの支持枠構
   造。