JP3019050U - 集塵用バッグフィルタの支持枠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノズルの着脱を可能にする。 【構成】 短い筒状部６ａを有する支持リング６を設
け、筒状部６ａを支持枠２上端の内側に配置して各縦枠
３を筒状部６ａの外周に溶接することによって支持リン
グ６を支持枠２に固定し、ノズル７を筒状部６ａに形成
された支持部６ｂに着脱可能な連結手段によって取り付
けるようにした。 【効果】 ノズルを支持枠から取り外してバッグフィル
タの内部を点検できるので、保守作業を確実に実施して
運転中のトラブルを防止することが容易となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、バッグ式集塵機に用いられる集塵用バッグフィルタの支持枠にお けるノズルの取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

集塵用バッグフィルタは円筒形などの支持枠にバッグフィルタをかぶせたもの であり、支持枠は複数の縦枠と環状横枠とを組み合わせて筒形の枠状に形成され ている。支持枠の上端には集塵機本体への取付機構が設けられると共に、集塵動 作時に空気を吸い出し、また塵落としの際に空気を吹き込むためのノズルが設け られている。従来、このノズルは支持枠に固定されていて着脱できなかったため 、バッグフィルタの内部の状況を確認することが困難であり、傷み具合などの点 検が不十分なまま運転してトラブルを起こす原因となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案はこのような問題点に着目し、ノズルの着脱を可能にしてバッグフィ ルタ内部を確実に点検できるようにすることを目的としてなされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、第１の考案の支持枠では、短い筒状部を有する 支持リングを設け、筒状部を支持枠上端の内側に配置して各縦枠を筒状部の外周 に溶接することによって上記支持リングを支持枠に固定し、筒状部に形成された 支持部にノズルを着脱可能な連結手段によって取り付けるようにしている。

【０００５】 上記の支持リングの支持部は、筒状部の縁部を直角に折り曲げて軸線に垂直に 形成され、これに対応して軸線に垂直な連結部がノズルの端部に形成される。

【０００６】 また第２の考案の支持枠では、ノズルが取り付けられる支持リングの下縁を折 り曲げて係合片を形成すると共に、これに対応して各縦枠の上端を屈曲させて係 止部を形成し、この各係止部を上記係合片に係止させることによって支持リング を支持枠に着脱可能に取り付けるようにしている。

【０００７】

【作用】

第１の考案によれば、支持枠に固定された支持リングに対してノズルが着脱可 能であるため、ノズルを支持枠から取り外して容易にバッグフィルタの内部を点 検できる。

【０００８】 また、ノズルは支持枠の内部に挿入して下向きに取り付ける場合と、上部に立 てた状態にして上向きに取り付ける場合があるが、支持リングの支持部とノズル の連結部をそれぞれ軸線に垂直に形成することにより、同一のノズルを二通りの 取り付けに共用することができる。

【０００９】 また第２の考案では、縦枠の弾力を利用して支持リングを支持枠に着脱できる ため、ノズルを支持枠から取り外して容易にバッグフィルタの内部を点検するこ とができる。

【００１０】

【実施例】

次に図示の実施例について説明する。図１乃至図３は第１の考案の実施例であ り、図において、１は集塵用バッグフィルタ、２は支持枠、３は縦枠、４は円形 の環状横枠、５はバッグフィルタ、６は支持リング、７はノズル、８は集塵機本 体の上下隔壁板である。

【００１１】 集塵用バッグフィルタ１は複数の縦枠３と環状横枠４とを組み合わせて筒形の 枠状とした支持枠２にバッグフィルタ５をかぶせたもので、上下隔壁板８に形成 された透孔８ａに上から挿入し、吊り下げられた状態で装着される。なお、この 種の支持枠自体は周知であるので図では支持枠２の上端部分のみを示してあり、 全体の構造や底板が取り付けられる下端部分は図示を省略してある。

【００１２】 支持リング６は、短い筒状部６ａの下縁を内側に直角に折り曲げて軸線に垂直 に支持部６ｂを形成すると共に、上縁を外側に折り曲げてフランジ６ｃを形成し たものであり、筒状部６ａを支持枠２の上端の内側に位置するように配置し、各 縦枠３を筒状部６ａの外周に溶接することによって支持枠２に固定されている。 Ｗは溶接部である。この溶接は、例えば筒状部６ａの内面に配置される共通電極 と、各縦枠３に対応して配置される複数個の可動電極を備えたマルチスポット溶 接機によって行われる。フランジ６ｃの周辺には突片６ｄを一定間隔で例えば３ 個形成してあり、各突片６ｄに支持ボルト６ｅをそれぞれ螺合し、支持ボルト６ ｅの先端を上下隔壁板８に乗せる構造となっている。

【００１３】 ノズル７は両端が若干広がったパイプ部７ａの一端にスカート７ｂを設けてベ ルマウス状とし、更にスカート７ｂの外周に外側に向けて軸線に垂直に連結部７ ｃを形成したものであり、連結手段９で連結部７ｃを支持リング６の支持部６ｂ に連結することによって、支持リング６に取り付けられるようになっている。

【００１４】 上記の連結手段９は図１では省略してあり、図２に具体的な例を示してある。 （ａ）は、ノズル７の連結部７ｃを支持部６ｂに乗せた状態とした後、突片６ｄ に螺合された支持ボルト６ｅに押さえ金具９ａを固定し、押さえ金具９ａの先端 ９ｂで連結部７ｃを押さえ付けるようにしたものである。（ｂ）は筒状部６ａに 突出部９ｃを一定間隔で内側に向けて例えば３個形成し、これらの突出部９ｃと 支持部６ｂとの間でノズル７の連結部７ｃを挟持するようにしたものである。

【００１５】 また（ｃ）は、ノズル７の連結部７ｃを支持リング６の支持部６ｂの上面に重 ねた状態とし、これらを貫通するねじ９ｄによって連結部７ｃと支持部６ｂを相 互に固定するようにしたものである。更に（ｄ）は、支持リング６の支持部６ｂ の上面に切り起こしによって例えば３個の固定爪９ｅを一定間隔で形成すると共 に、これに対応してノズル７の連結部７ｃには切り欠き９ｆを設け、連結部７ｃ を支持部６ｂの上面に重ねてノズル７を回転させることにより、固定爪９ｅの下 に連結部７ｃを挿入して固定爪９ｅで押さえるようにしたものである。

【００１６】 ノズル７は、このような構造の連結手段９によって支持リング６に取り付けら れ、また逆の操作によって支持リング６から外すことができるのであり、これら の着脱操作は容易である。また図１及び図２は、ノズル７を支持枠２の内部に挿 入して下向きに取り付けた場合の例であるが、図３に示すようにノズル７の向き を逆にし、支持枠２の上部にノズル７を立てた状態で取り付けることもできる。 すなわち、同一形状のノズル７を二通りの取り付けに共用することができるので あり、連結手段９は同一構造のものをそのまま利用できる。

【００１７】 図４以下は第２の考案の実施例であり、第１の考案のように支持リング６を支 持枠２に溶接で固定した構造としないで、支持枠２に対して着脱可能な支持リン グ１１を設けてある。

【００１８】 図４では、支持リング１１の短い筒状部１１ａの下縁を外側に折り曲げて係合 片１１ｂを形成し、支持枠２の各縦枠３はこの係合片１１ｂに対応してその上端 を屈曲させて係止部３ａを形成すると共に、縦枠３の先端を外側に曲げてガイド 部３ｂを形成してある。すなわち、支持リング１１を縦枠３の弾力に抗して各係 止部３ａの部分に押し込み、係止部３ａを係合片１１ｂに係止させることによっ て支持枠２に支持リング１１が取り付けられるのであり、外す時には縦枠３の弾 力に抗して支持枠２から支持リング１１を引き抜けばよい。

【００１９】 支持リング１１の上縁は外側に折り曲げてフランジ１１ｃを形成してあり、フ ランジ１１ｃの周辺には前述の実施例と同様に突片１１ｄを一定間隔で形成し、 各突片１１ｄに上下隔壁板８への装着用の支持ボルト１１ｅをそれぞれ螺合して ある。このフランジ１１ｃは前述の実施例における支持部６ｂを兼ねたものであ り、ノズル７はその連結部７ｃを連結手段でフランジ１１ｃに連結することによ って支持リング１１に取り付けられる。

【００２０】 この連結手段としては図２の（ａ）（ｃ）（ｄ）に示したものに準じた構造の ものを適宜採用できるが、この実施例ではノズル７と支持リング１１の間は着脱 可能でなくてもよいので、例えば溶接のような固着手段を用いてもよく、この場 合にはノズル６の向きはいずれか一方のみの専用となる。なお、前述の実施例に おいても筒状部６ａの下縁に支持部６ｂを設けず、フランジ６ｃにノズル７を取 り付けることができる。

【００２１】 図４は支持リング１１が支持枠２の内側に挿入されているが、図５は支持リン グ１１が支持枠２の外側に位置するようにした例である。すなわち、支持リング １１の筒状部１１ａの下縁を内側に折り曲げて係合片１１ｂを形成し、各縦枠３ はこの係合片１１ｂに対応してその上端を屈曲させて図４のものとは逆の形状で 係止部３ａを形成すると共に、縦枠３の先端を内側に曲げてガイド部３ｂを形成 してあり、支持リング１１の支持枠２への着脱を縦枠３の弾力を利用して行える ことは図４の場合と同様である。

【００２２】 また、この実施例ではノズル７の連結部７ｃの外周部を下向きに折り曲げて筒 状部７ｄを形成し、これを上下隔壁板８に乗せるようにしてあるが、前述の各実 施例に準じて支持ボルトを設けてもよく、この支持ボルトをノズル７と支持リン グ１１の連結手段に兼用することも可能である。なお、図５では連結手段として ねじを用いた例を示してある。

【００２３】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、第１の考案のバッグフィルタの支持枠は、短 い筒状部を有する支持リングを設け、筒状部を支持枠上端の内側に配置して各縦 枠を筒状部の外周に溶接することによって支持リングを支持枠に固定し、ノズル を筒状部に形成された支持部に着脱可能な連結手段によって取り付けるようにし たものである。従って、ノズルを支持枠から取り外してバッグフィルタ内部を点 検することができ、保守作業を確実に実施して運転中のトラブルなどを防止する ことが容易となるのであり、また製作に際して支持リングの支持枠への溶接をマ ルチスポット溶接機によって行うことができる。

【００２４】 また、支持リングの筒状部の縁部を直角に折り曲げて軸線に垂直に支持部を形 成し、これに対応して軸線に垂直な連結部をノズル端部に形成したものでは、ノ ズルを支持枠の内部に挿入して下向きに取り付ける場合と、上部に立てた状態で 上向きに取り付ける場合の二通りの取り付けに、同一のノズルを共用することが できる。

【００２５】 また第２の考案は、支持リングに係合片を形成すると共にこれに対応する係止 部を各縦枠に形成し、各縦枠の係止部を支持リングの係合片に係止させるように したものであり、縦枠の弾力を利用して支持リングを支持枠に着脱できるため、 ノズルを支持枠から取り外してバッグフィルタ内部を点検することができる。し かも、条件を適切に管理しないと不完全な溶接部を生じやすいスポット溶接を使 用しないで、ノズルを確実に着脱できる構造を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の考案の一実施例の上端部分の一部を断面
で示した側面図である。

【図２】同実施例の連結手段の構成を示した図である。

【図３】同実施例においてノズルの方向を逆にした側面
図である。

【図４】第２の考案の実施例の上端部分の一部を断面で
示した側面図である。

【図５】同実施例の変形例の側面図である。

【符号の説明】

１ 集塵用バッグフィルタ ２ 支持枠 ３ 縦枠 ３ａ 係止部 ６ 支持リング ６ａ 筒状部 ６ｂ 支持部 ７ ノズル ７ｃ 連結部 ９ 連結手段 １１ 支持リング １１ｂ 係合片

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の縦枠と環状横枠とを組み合わせて
   筒形の枠状に形成した集塵用バッグフィルタの支持枠に
   おいて、短い筒状部を有する支持リングを設け、筒状部
   を支持枠上端の内側に配置して各縦枠を筒状部の外周に
   溶接することによって上記支持リングを支持枠に固定
   し、筒状部に形成された支持部にノズルを着脱可能な連
   結手段によって取り付けるようにした集塵用バッグフィ
   ルタの支持枠。
2. 【請求項２】 支持リングの支持部が筒状部の縁部を直
   角に折り曲げて軸線に垂直に形成されており、これに対
   応して軸線に垂直な連結部がノズルの端部に形成されて
   いる請求項１記載の集塵用バッグフィルタの支持枠。
3. 【請求項３】 複数の縦枠と環状横枠とを組み合わせて
   筒形の枠状に形成した集塵用バッグフィルタの支持枠に
   おいて、ノズルが取り付けられる支持リングの下縁を折
   り曲げて係合片を形成すると共に、これに対応して各縦
   枠の上端を屈曲させて係止部を形成し、この各係止部を
   上記係合片に係止させることによって支持リングを支持
   枠に着脱可能に取り付けるようにした集塵用バッグフィ
   ルタの支持枠。
4. 【請求項４】 支持リングの係合片が外側に向けて形成
   されている請求項３記載の集塵用バッグフィルタの支持
   枠。
5. 【請求項５】 支持リングの係合片が内側に向けて形成
   されている請求項３記載の集塵用バッグフィルタの支持
   枠。