JP2588712Y2 - シャーレ - Google Patents
シャーレInfo
- Publication number
- JP2588712Y2 JP2588712Y2 JP1992028824U JP2882492U JP2588712Y2 JP 2588712 Y2 JP2588712 Y2 JP 2588712Y2 JP 1992028824 U JP1992028824 U JP 1992028824U JP 2882492 U JP2882492 U JP 2882492U JP 2588712 Y2 JP2588712 Y2 JP 2588712Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- petri dish
- silicon oxide
- deposited
- mold
- injection molding
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- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本考案は、微生物や細胞の培養に
適するプラスチック製のシャーレに関するものである。
適するプラスチック製のシャーレに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来のプラスチック製のシャーレは、そ
の内面の表面張力が３０〜４０ｄｙｎｅ／ｃｍ程度と疎
水性なため、水性試料や培地をはじく性質があり、使用
に際しては、本来必要である量よりさらに余分な水性試
料や培地の滴下が必要となった。この問題を解決するた
めに、実開昭６２−３５６２８号公報に親水性のポリビ
ニルアルコール系樹脂と疎水性合成樹脂との積層シート
をポリビニルアルコール系樹脂層を内面に絞り成形した
シャーレが開示されており、また、実開昭６０−５５４
００号公報には、プラスチック容器の培養面に石英をコ
ーティングして親水性にする方法が開示されている。
の内面の表面張力が３０〜４０ｄｙｎｅ／ｃｍ程度と疎
水性なため、水性試料や培地をはじく性質があり、使用
に際しては、本来必要である量よりさらに余分な水性試
料や培地の滴下が必要となった。この問題を解決するた
めに、実開昭６２−３５６２８号公報に親水性のポリビ
ニルアルコール系樹脂と疎水性合成樹脂との積層シート
をポリビニルアルコール系樹脂層を内面に絞り成形した
シャーレが開示されており、また、実開昭６０−５５４
００号公報には、プラスチック容器の培養面に石英をコ
ーティングして親水性にする方法が開示されている。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
実開昭６２−３５６２８号公報による方法は、内面のポ
リビニルアルコールが使用時に加水分解を起こして培養
面の表面状態が不安定になることがあった。また、実開
昭６０−５５４００号公報による方法は、後工程でコー
ティングして親水性を付与するものであり、実用面での
品質の安定化に問題があった。本考案者は、ガラスの表
面が水性試料や培地に対しての濡れが良好なことに着目
し、また、シャーレの成形上に於ける取扱い易さも考慮
して、酸化ケイ素を表面に蒸着したプラスチックフィル
ムの利用を思い付いた。本考案は、その酸化ケイ素蒸着
プラスチックフィルムを用いて、上述の培養面の使用時
の不安定さや後処理の必要性をなくし、表面が親水性で
安定なプラスチック製のシャーレを提供するものであ
る。
実開昭６２−３５６２８号公報による方法は、内面のポ
リビニルアルコールが使用時に加水分解を起こして培養
面の表面状態が不安定になることがあった。また、実開
昭６０−５５４００号公報による方法は、後工程でコー
ティングして親水性を付与するものであり、実用面での
品質の安定化に問題があった。本考案者は、ガラスの表
面が水性試料や培地に対しての濡れが良好なことに着目
し、また、シャーレの成形上に於ける取扱い易さも考慮
して、酸化ケイ素を表面に蒸着したプラスチックフィル
ムの利用を思い付いた。本考案は、その酸化ケイ素蒸着
プラスチックフィルムを用いて、上述の培養面の使用時
の不安定さや後処理の必要性をなくし、表面が親水性で
安定なプラスチック製のシャーレを提供するものであ
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本考案は、図１及び図２
に示したように、プラスチック製のシャーレにおいて、
底部の内面に、酸化ケイ素蒸着層（１３０）を形成した
プラスチックフィルム（１２０）層をインサート射出成
形法によって貼設、一体化したことを特徴とするシャー
レ（１００）である。
に示したように、プラスチック製のシャーレにおいて、
底部の内面に、酸化ケイ素蒸着層（１３０）を形成した
プラスチックフィルム（１２０）層をインサート射出成
形法によって貼設、一体化したことを特徴とするシャー
レ（１００）である。
【０００５】上述の蒸着する酸化ケイ素とは、通常Ｓｉ
x Ｏy （ｘ＝１又は２，ｙ＝０〜３）の化学式で示され
ものであり、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレー
ティングなどによって蒸着され、その蒸着膜の厚みは、
少なくとも１００Å以上のものが好ましい。
x Ｏy （ｘ＝１又は２，ｙ＝０〜３）の化学式で示され
ものであり、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレー
ティングなどによって蒸着され、その蒸着膜の厚みは、
少なくとも１００Å以上のものが好ましい。
【０００６】また、酸化ケイ素を蒸着するプラスチック
フィルムの材質は、シャーレ本体の熱可塑性樹脂と射出
成形時に熱融着が可能な熱可塑性樹脂が一般的には用い
られるものである。熱融着しない材質のプラスチックフ
ィルムを使用した場合には、シャーレ本体の熱可塑性樹
脂と射出成形時に熱接着する接着層を酸化珪素を蒸着す
るプラスチックフィルムの裏面に前以て設けて置くもの
である。
フィルムの材質は、シャーレ本体の熱可塑性樹脂と射出
成形時に熱融着が可能な熱可塑性樹脂が一般的には用い
られるものである。熱融着しない材質のプラスチックフ
ィルムを使用した場合には、シャーレ本体の熱可塑性樹
脂と射出成形時に熱接着する接着層を酸化珪素を蒸着す
るプラスチックフィルムの裏面に前以て設けて置くもの
である。
【０００７】酸化ケイ素を表面に蒸着したプラスチック
フィルム（１２０）層をインサート射出成形法によって
貼設する方法は、図２（ａ）に示したように、射出成形
用金型の雄型（２１０）のシャーレの底部内面に相当す
る部位に、酸化ケイ素を蒸着したプラスチックフィルム
の酸化ケイ素蒸着面を真空吸引や静電気などを利用して
金型表面に固定し、次に、図２（ｂ）に示したように、
型締めした射出成形用金型（２００）の成形品が形成さ
れる雄型と雌型の間の空間であるキャビティ（２４０）
内に、射出成形装置（３００）によって、溶融した熱可
塑性樹脂（３５０）を雌型に設けられたゲート（２３
０）から射出して、シャーレ本体を成形と同時にシャー
レの底部内面に酸化ケイ素を蒸着したプラスチックフィ
ルム層を貼設するものである。成形されたシャーレ（１
００）は、図２（ｃ）に示したように、型開きして射出
成形用金型から排出される。
フィルム（１２０）層をインサート射出成形法によって
貼設する方法は、図２（ａ）に示したように、射出成形
用金型の雄型（２１０）のシャーレの底部内面に相当す
る部位に、酸化ケイ素を蒸着したプラスチックフィルム
の酸化ケイ素蒸着面を真空吸引や静電気などを利用して
金型表面に固定し、次に、図２（ｂ）に示したように、
型締めした射出成形用金型（２００）の成形品が形成さ
れる雄型と雌型の間の空間であるキャビティ（２４０）
内に、射出成形装置（３００）によって、溶融した熱可
塑性樹脂（３５０）を雌型に設けられたゲート（２３
０）から射出して、シャーレ本体を成形と同時にシャー
レの底部内面に酸化ケイ素を蒸着したプラスチックフィ
ルム層を貼設するものである。成形されたシャーレ（１
００）は、図２（ｃ）に示したように、型開きして射出
成形用金型から排出される。
【０００８】また、シャーレ本体の材質には、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステ
ルなどの熱可塑性樹脂が使用される。
レン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステ
ルなどの熱可塑性樹脂が使用される。
【０００９】
【作用】本考案のシャーレは、微生物や細胞の培養に必
要な水性試料や培地と接触するシャーレの底部内面の培
養面が酸化ケイ素の蒸着面になっているため、親水性で
水性試料や培地との濡れが良く培養に良好な雰囲気を作
り出すことが出来る。
要な水性試料や培地と接触するシャーレの底部内面の培
養面が酸化ケイ素の蒸着面になっているため、親水性で
水性試料や培地との濡れが良く培養に良好な雰囲気を作
り出すことが出来る。
【００１０】
【実施例】図１は、本実施例のシャーレの断面図であ
り、図２は、そのシャーレをインサート射出成形する状
態を工程別に示した金型の断面図である。次に、実施例
を図を用いて説明する。
り、図２は、そのシャーレをインサート射出成形する状
態を工程別に示した金型の断面図である。次に、実施例
を図を用いて説明する。
【００１１】まず、１６μｍ厚のポリエステルフィルム
（材質：ポリエチレンテレフタレート）の片面に、真空
蒸着で酸化ケイ素を８００Åの厚みで蒸着して蒸着フィ
ルムを作製した。作製した蒸着フィルムは、シャーレの
底部内面の形状に合わせて切断した。
（材質：ポリエチレンテレフタレート）の片面に、真空
蒸着で酸化ケイ素を８００Åの厚みで蒸着して蒸着フィ
ルムを作製した。作製した蒸着フィルムは、シャーレの
底部内面の形状に合わせて切断した。
【００１２】次に、図２（ａ）に示したように、射出成
形機に取り付けたシャーレの射出成形用金型の型開き時
に、雄型（２１０）のシャーレの底部内面に相当する部
位に前述の蒸着フィルムの蒸着面を金型表面に真空吸引
によって吸着固定した。そして、図２（ｂ）に示したよ
うに、型締め後、射出成形装置（３００）によって、金
型の雄型と雌型（２２０）とにより形成されるキャビテ
ィ（２４０）内に、溶融したポリエチレンテレフタレー
ト（３５０）を雌型に設けられたゲート（２３０）より
射出して、シャーレ本体を成形すると同時に底部内面に
酸化ケイ素の蒸着層（１３０）を有するプラスチックフ
ィルム（１２０）を蒸着面を上に熱接着して貼設した。
成形された本実施例のシャーレ（１００）は、図２
（ｃ）に示したように、射出成形用金型を型開きして取
り出した。
形機に取り付けたシャーレの射出成形用金型の型開き時
に、雄型（２１０）のシャーレの底部内面に相当する部
位に前述の蒸着フィルムの蒸着面を金型表面に真空吸引
によって吸着固定した。そして、図２（ｂ）に示したよ
うに、型締め後、射出成形装置（３００）によって、金
型の雄型と雌型（２２０）とにより形成されるキャビテ
ィ（２４０）内に、溶融したポリエチレンテレフタレー
ト（３５０）を雌型に設けられたゲート（２３０）より
射出して、シャーレ本体を成形すると同時に底部内面に
酸化ケイ素の蒸着層（１３０）を有するプラスチックフ
ィルム（１２０）を蒸着面を上に熱接着して貼設した。
成形された本実施例のシャーレ（１００）は、図２
（ｃ）に示したように、射出成形用金型を型開きして取
り出した。
【００１３】次に、作製した本実施例のシャーレを評価
した。シャーレの底部内面の酸化ケイ素蒸着面の表面張
力は、８４ｄｙｎｅ／ｃｍであり、水性試料や培地に対
して良好な濡れを示すことが確認された。さらに、本実
施例のシャーレを用いて、実際に、細胞の培養を行った
ところ、本実施例のシャーレは、表面状態が非常に安定
しており、細胞の培養に良好な雰囲気を作り出した。
した。シャーレの底部内面の酸化ケイ素蒸着面の表面張
力は、８４ｄｙｎｅ／ｃｍであり、水性試料や培地に対
して良好な濡れを示すことが確認された。さらに、本実
施例のシャーレを用いて、実際に、細胞の培養を行った
ところ、本実施例のシャーレは、表面状態が非常に安定
しており、細胞の培養に良好な雰囲気を作り出した。
【００１４】なお、本考案者が測定した酸化ケイ素の蒸
着膜厚と濡れの度合いを示す表面張力との関係を図３に
示す。
着膜厚と濡れの度合いを示す表面張力との関係を図３に
示す。
【００１５】本実施例では、酸化ケイ素の蒸着膜厚が８
００Åの蒸着フィルムを使用したが、図３の測定結果か
ら見ると、酸化ケイ素の蒸着膜厚が１００Åの表面張力
は７５ｄｙｎｅ／ｃｍであり、実用上に於いては、表面
張力が７５ｄｙｎｅ／ｃｍ以上であれば問題がないの
で、酸化ケイ素の蒸着膜厚が１００Å以上であれば水性
試料や培地に対して充分な濡れを有すると判断された。
００Åの蒸着フィルムを使用したが、図３の測定結果か
ら見ると、酸化ケイ素の蒸着膜厚が１００Åの表面張力
は７５ｄｙｎｅ／ｃｍであり、実用上に於いては、表面
張力が７５ｄｙｎｅ／ｃｍ以上であれば問題がないの
で、酸化ケイ素の蒸着膜厚が１００Å以上であれば水性
試料や培地に対して充分な濡れを有すると判断された。
【００１６】
【考案の効果】本考案のシャーレは、培養面が酸化ケイ
素の蒸着層であり、親水性で濡れが良く微生物や細胞の
培養に良好な雰囲気を作り出し、表面状態が安定なため
微生物や細胞と反応する恐れがない。また、シャーレを
親水性にするための後処理が不要であり、さらに、滅菌
処理が容易で保管上の管理が簡単である。
素の蒸着層であり、親水性で濡れが良く微生物や細胞の
培養に良好な雰囲気を作り出し、表面状態が安定なため
微生物や細胞と反応する恐れがない。また、シャーレを
親水性にするための後処理が不要であり、さらに、滅菌
処理が容易で保管上の管理が簡単である。
【図１】本考案のシャーレの断面図である。
【図２】本考案のシャーレをインサート射出成形する状
態を工程別に示す金型の断面図である。
態を工程別に示す金型の断面図である。
【図３】酸化ケイ素の蒸着膜厚と表面張力との関係を示
すグラフである。
すグラフである。
１００……シャーレ １１０……シャーレ本体 １２０……プラスチックフィルム １３０……酸化ケイ素蒸着層 ２００……射出成形用金型 ２１０……雄型 ２２０……雌型 ２３０……ゲート ２４０……キャビティ ３００……射出成形装置 ３５０……溶融樹脂
Claims (1)
- 【請求項１】プラスチック製のシャーレにおいて、底部
の内面に酸化ケイ素を表面に蒸着したプラスチックフィ
ルム層をインサート射出成形法によって貼設、一体化し
たことを特徴とするシャーレ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1992028824U JP2588712Y2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | シャーレ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1992028824U JP2588712Y2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | シャーレ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0588299U JPH0588299U (ja) | 1993-12-03 |
| JP2588712Y2 true JP2588712Y2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=12259147
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1992028824U Expired - Fee Related JP2588712Y2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | シャーレ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2588712Y2 (ja) |
Families Citing this family (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9598668B2 (en) * | 2008-10-14 | 2017-03-21 | Cellseed Inc. | Temperature-responsive cell culture substrate and method for producing the same |
| JP2013099278A (ja) * | 2011-11-08 | 2013-05-23 | Dainippon Printing Co Ltd | 細胞培養容器の製造方法 |
| JP5895465B2 (ja) * | 2011-11-17 | 2016-03-30 | 大日本印刷株式会社 | 細胞培養容器の製造方法 |
| JP5803597B2 (ja) * | 2011-11-17 | 2015-11-04 | 大日本印刷株式会社 | 細胞培養容器の製造方法 |
| JP5861419B2 (ja) * | 2011-12-02 | 2016-02-16 | 大日本印刷株式会社 | 機能性フィルム付き細胞培養容器およびその製造方法 |
| JP6376846B2 (ja) * | 2013-07-12 | 2018-08-22 | キヤノン株式会社 | 現像装置の枠体の製造方法 |
| US9250567B2 (en) | 2013-07-12 | 2016-02-02 | Canon Kabushiki Kaisha | Developer container for detecting developer amount based on capacitance, developing apparatus, process cartridge, and image forming apparatus |
| RU2612360C2 (ru) * | 2013-07-12 | 2017-03-07 | Кэнон Кабусики Кайся | Способ производства контейнера подачи проявителя, контейнер подачи проявителя, проявочное устройство, картридж процесса и устройство для формирования изображения |
| JP6638520B2 (ja) * | 2016-03-30 | 2020-01-29 | 大日本印刷株式会社 | 容器の製造方法 |
-
1992
- 1992-04-30 JP JP1992028824U patent/JP2588712Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0588299U (ja) | 1993-12-03 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |