JP2588424Y2 - 電動式マッサージ器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は，小型モータを内蔵する
電動式のマッサージ器に関するものであり，特に指圧療
法によるものと同様の効果を発揮し得ると共に，携帯に
便利である電動式マッサージ器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から血液の滞留，筋肉の硬化等に起
因する所謂凝りの発生した患部の治療法として，親指や
手のひらで前記患部若しくはツボを圧迫するなどして神
経に刺激を加え，血行を良くして体調を整えあるいは病
気を治療する指圧療法が知られている。一方保健，美容
の目的も兼ねて，手または器具で体をもんだり，さすっ
たり，あるいはたたくことにより，筋肉や神経の機能を
回復させ，緊張をほぐして疲労を除去するマッサージも
またよく知られている。

【０００３】このようなマッサージにおいて使用される
所謂マッサージ器には，アタチメントを介して体の表面
を繰り返してたたく方式，ローラによって体の表面を往
復させる方式，斜円板等によって体の表面をもむ方式，
更には振動子を押し当てて体の表面を振動させる方式等
があり，殆どモータによって駆動されるものが多い。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上記従来のマッサージ
器には夫々特長があるが，ローラ若しくは斜円板等によ
って体の表面をもむ方式のものは，比較的大型のものが
多い。従って背中のような広範囲の患部に適用する場合
には好適であるが，携帯用に供され得るものが少ないと
共に，所謂ツボに的確に当て得ることができないという
問題点がある。

【０００５】一方アタチメントによってたたく方式若し
くは振動子によって振動を与える方式のものは，小型で
あり携帯に便利であるが，その作用が体の表面近傍に留
まり，前記指圧療法におけるような，所謂ツボを圧迫す
る作用が伴わないため，物足りない感じがあると共に，
患部の治療効果が期待できないという問題点がある。な
おこの型式のものにおいて，ツボを強く圧迫する作用を
得るためには，駆動用のモータの容量を増大させる必要
があり，マッサージ器全体の大型化を招来し，携帯用と
しての効能が失われるという問題点も併存するのであ
る。

【０００６】本考案は，上記従来技術に存在する問題点
を解決し，指圧療法におけるツボ圧迫作用と同様な効果
を発揮し得ると共に，携帯に便利な小型かつコンパクト
な電動式マッサージ器を提供することを目的とするもの
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に，本考案においては，中空筒状に形成したケーシング
内に乾電池を収納すると共に，この乾電池によって駆動
される小型モータを直結してなるギアボックスを軸方向
移動可能に設け，このギアボックスの出力軸に縦断面外
周輪郭を曲線状に形成したローラを出力軸と直交する軸
の回りに回転可能かつ出力軸の回りに公転可能に支持す
るように構成した回転盤を接続し，前記ケーシングの端
部に設けた可撓性弾性材料からなる隔膜体に前記ローラ
を内接転動可能に構成する，という技術的手段を採用し
た。

【０００８】本考案において，回転盤に設けるべきロー
ラを形成する材料は，金属材料若しくは非金属材料のよ
うな硬質材料によって形成してもよく，また少なくとも
外周部分をゴム，シリコン樹脂のような可撓性弾性材料
によって形成してもよい。

【０００９】また隔膜体を形成する材料は，ゴム，シリ
コン樹脂のような可撓性弾性材料によって形成すること
が好ましい。なおギアボックスには，例えば圧縮コイル
ばね等を介装させて，回転盤を隔膜体側に付勢するよう
に構成することが好ましい。

【００１０】

【作用】上記の構成により，ローラが隔膜体を介して患
部を圧迫しつつ，比較的小直径の範囲内において転動す
るから，指圧療法におけるものと同様な血行促進，神経
刺激による体調矯正および／または治療効果を期待し得
る。

【００１１】

【実施例】図１は本考案の実施例を示す要部縦断面図，
図２は図１における要部構成部材を分解して示す斜視図
である。図１および図２において，１はケーシングであ
り，例えばプラスチック材料により，中空筒状に形成
し，内部に例えば単３形乾電池２を収納する。なおケー
シング１は例えば上下２分割とし，上部１ａを円筒半載
形とし，下部１ｂの底部を略平坦に形成し，両者を係合
部（図示せず）を介して合体分割可能とすることができ
る。この場合下部１ｂには乾電池着脱用の蓋１ｃを着脱
可能に設けると好ましい。

【００１２】次に３は保持部材であり，ケーシング１と
同様な材料によって形成し，ケーシング１の中間部を横
断するように設ける。４はギアボックスであり，減速歯
車（図示せず）を内蔵すると共に，小型モータ５を直結
して設け，小型モータ５の出力軸（図示せず）の回転数
を減速して出力軸６に出力するように構成する。なおギ
アボックス４は保持部材３に例えば４個の圧縮コイルば
ね７を介して設けられ，かつ軸方向移動可能に構成す
る。小型モータ５と乾電池２とはスイッチ８を介して駆
動，停止可能に接続する。

【００１３】９は回転盤であり，軸受１０を介してロー
ラ１１を回転可能に支持すると共に，前記ギアボックス
４との間に設けた鋼球１２を介してギアボックス４と接
続し，出力軸６と一体回転可能に構成する。なおローラ
１１の軸線は出力軸６の軸線と直交するように設けると
共に，ローラ１１を支持する軸受１０を出力軸６と偏心
させて設け，ローラ１１が出力軸６の回りに公転可能に
形成する。ローラ１１は例えばゴム若しくはシリコン樹
脂のような可撓性弾性材料により，縦断面外周輪郭を曲
線状に形成する。

【００１４】次に１３は隔膜体であり，ゴム若しくはシ
リコン樹脂のような可撓性弾性材料によって，例えば球
面状に形成し，保持部材１４を介してケーシング１の端
部に嵌着する。そしてこの隔膜体１３の内面に，前記圧
縮コイルばね７を介して付勢されるローラ１１を内接さ
せ，かつローラ１１が転動可能のように構成する。

【００１５】上記の構成により，スイッチ８の操作によ
って小型モータ５を駆動させると，ギアボックス４によ
って減速された回転数により，出力軸６を介して回転盤
９が回転するから，ローラ１１が隔膜体１３に内接した
状態で転動し，所定の偏心量に対応する公転若しくは円
運動を行なう。従って隔膜体１３を介してローラ１１が
患部若しくはツボを圧迫しながらもみ込む。この場合隔
膜体１３を設けてあるため，ローラ１１の転動によって
も患部が擦過されることなく，圧迫および／またはもみ
込み作用のみが行なわれるため，不快感を惹起すること
がない。

【００１６】またローラ１１はギアボックス４および回
転盤９と共にケーシング１の軸方向移動可能に形成さ
れ，かつ圧縮コイルばね７によって付勢されているか
ら，体の表面に押付けた際においても適度の押付力を保
持して密着すると共に，押付力が緩和され，快適な感触
が得られる。なおローラ１１は隔膜体１３に内接して偏
心運動若しくは公転するのであるが，隔膜体１３内面を
転動するため，前記圧迫および／またはもみ込み作用に
おいても摩擦抵抗が少なく，円滑な駆動が可能である。

【００１７】本実施例においては，ローラを可撓性弾性
材料によって形成した例について記述したが，硬質材料
である金属材料を初めとし，セラミック材料のような非
金属材料によって形成してもよい。このような硬質材料
からなるローラを使用した場合には，前記圧迫および／
またはもみ込み作用を増大させることができる。なお表
面硬度若しくは弾性の異なるローラを設けた回転盤を複
数個準備しておき，患部の状態若しくは好みに応じて，
適宜選択して使用することも有効である。

【００１８】

【考案の効果】本考案は以上記述するような構成および
作用であるから，小型かつコンパクトな構成により携帯
に便利であると共に，指圧療法におけるツボを的確に圧
迫する作用と同様な効能を発揮することができ，血行促
進，神経刺激による体調矯正および／または治療効果が
期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す要部縦断面図である。

【図２】図１における要部構成部材を分解して示す斜視
図である。

【符号の説明】

１ ケーシング ４ ギアボックス ５ 小型モータ ９ 回転盤 １１ ローラ １３ 隔膜体

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空筒状に形成したケーシング内に乾電
   池を収納すると共に，この乾電池によって駆動される小
   型モータを直結してなるギアボックスを軸方向移動可能
   に設け，このギアボックスの出力軸に縦断面外周輪郭を
   曲線状に形成したローラを出力軸と直交する軸の回りに
   回転可能かつ出力軸の回りに公転可能に支持するように
   構成した回転盤を接続し，前記ケーシングの端部に設け
   た可撓性弾性材料からなる隔膜体に前記ローラを内接転
   動可能に構成したことを特徴とする電動式マッサージ
   器。