JP2588278B2 - 炭化珪素多孔質焼結体の製造方法 - Google Patents

炭化珪素多孔質焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐酸化性に優れた高温用構造部材に適した
炭化珪素多孔質焼結体の製造方法に関する。
(従来の技術及びその問題点) 現在、純度95%以上の高純度炭化珪素等の焼結体は高
温での強度、耐熱衝撃性等の特性を利用して、高温用構
造部材としての応用分野に使用されつつある。しかしな
がら、かかる構造部材を高温の酸化雰囲気中で使用する
場合、高純度炭化珪素焼結体中の結晶は酸素と反応し、 SiC+3/2 O2→SiO+CO の反応式によって酸化珪素に変化する。この際焼結体内
に容積膨張が発生し、焼結体に強度低下を惹起する。従
って、高純度炭化珪素焼結体においては、耐酸化性を向
上させることが極めて重要なことである。
また、再結晶炭化珪素多孔体の開気孔中に金属シリコ
ン等を含浸させることが知られている(特開昭48−3740
4、同57−43553号、同57−45708号公報)。これは、焼
結体の開気孔中に珪素を圧入することにより、耐酸化性
に優れた高強度の緻密な高温用構造部材を得ようとする
ものである。
しかし、含浸のための設備、処理費用が高価である。
また、再結晶炭化珪素多孔体に炭化珪素等の耐酸化材
をコーティングすることが知られている。しかし、この
方法では、焼結多孔体からコーティング材が剥離する。
更に、再結晶炭化珪素多孔体の開気孔中に、アルミ
ナ、シリカ、ジルコニア等の微粉末を充填し、耐酸化性
の向上を図る技術が知られている(特開昭63−2868号公
報)。しかし、製品の肉厚が大きくなると、粉末の充填
を均一に行えず、組織が不均一になる。このため、高温
の酸化雰囲気で使用する場合酸化速度が場所によって違
ってくるので、内部にマイクロクラックが発生して強度
が低下する。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の課題は、炭化珪素多孔質焼結体の少なくとも
開気孔の表面に酸化物被膜成形材を均一に付着させ、焼
結体の耐酸化性を高めることができ、酸化雰囲気中、高
温で使用しても強度低下が生じない、炭化珪素多孔質焼
結体の製造方法を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、高純度炭化珪素を焼成して炭化珪素多孔質
焼結体を形成する工程と; 少なくとも液状媒体と酸化物被膜形成材とを含有する
溶液又は懸濁液を、前記炭化珪素多孔質焼結体の少なく
とも開気孔に浸入させる工程と; 前記液状媒体を凍結させる工程と; 次いで、前記液状媒体を昇華させ、少なくとも前記開
気孔の表面に前記酸化物被膜形成材を付着させる工程
と; しかる後に前記炭化珪素多孔質焼結体を焼成し、少な
くとも前記開気孔の表面に酸化物被膜を形成する工程と を有する炭化珪素多孔質焼結体の製造方法に係るもので
ある。
(作 用) 本発明に係る炭化珪素多孔質焼結体の製造方法によれ
ば、開気孔に露出する炭化珪素の結晶の表面に酸化物被
膜を形成しているので、高温の酸化雰囲気中でも上記結
晶と酸素とが遮断され、炭化珪素の酸化が防止される。
しかも、酸化物被膜形成材の溶液又は懸濁液を開気孔
中に浸入させ、凍結し、液状媒体を昇華している点が重
要である。
即ち、上記溶液又は懸濁液を開気孔中に浸入させ、静
置して乾燥すると、重力の作用により溶液又は懸濁液が
不均一となり、乾燥後、開気孔の表面に酸化物被膜形成
材が未だ不均一に付着することになる。
この点、本発明では、上記溶液又は懸濁液を凍結させ
ているので、重力作用により不均一が生ずることはな
い。そして、昇華により液状媒体を除くと、開気孔の表
面に酸化物被膜形成材が極めて均一に付着するのであ
る。従って、酸化物被膜も均一となり、高温、酸化雰囲
気下で長時間使用しても、マイクロクラックが抑えら
れ、強度低下を防止できたのである。
多孔質の焼結体であるので、焼成時に収縮せず、寸法
精度を高くでき、大型、複雑な形状の成形品を製作でき
る。従って、上記した耐酸化性の向上により、極めて有
用な高温用構造部材として炭化珪素多孔質焼結体を製造
できる。
(実施例) まず、本発明の好ましい態様について例示する。
炭化珪素多孔質焼結体は、鋳込み法、押し出し法、プ
レス法等、公知の方法で筒状体、板状体等を始め、種々
の形状に成形できる。
炭化珪素多孔質焼結体の開気孔率は、5〜20%が好ま
しい。5%未満では、開気孔中に充分な量の酸化物被膜
形成材を付着させることができず、20%を超えると、焼
結体自体の強度が低下し、構造部材としての使用に耐え
ない。
酸化物被膜は好ましくはガラス被膜である。ガラス被
膜形成材としては、マグネシウム、カルシウム等のアル
カリ土類金属の化合物、アルミニウムの化合物、珪素の
化合物等の各種化合物を単独で、又は混合物として用い
る。
同形成材として好ましい化合物としては硫酸マグネシ
ウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、酢酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、燐酸アルミニウム、乳
酸アルミニウム、コロイダルシリカ等を挙げることがで
きる。
ガラス被膜形成材の付着量に関しては、アルカリ土類
金属の化合物単独または同化合物を含む場合には焼結体
に対して酸化物換算で0.1〜0.6重量%が好ましく、アル
ミニウムの化合物と混合する場合は、アルカリ土類金属
の化合物に対しては酸化物換算で80〜30重量%が好まし
い。
また、酸化物被膜形成材として、硝酸アルミニウムを
含有させてもよい。これにより耐酸化性は更に向上す
る。
一方、硝酸アルミニウムはノックス除去の必要がある
ので、本来は好適な材料とは考えにくいものである。と
ころが、硝酸アルミニウムを酸化物被膜形成材として使
用すると、開気孔表面に極めて均一に付着した。このよ
うに、硝酸アルミニウムが予想外にも最適の材料である
ことが本発明者によって発見されたのである。
酸化物被膜形成材としては、上記した種々の化合物を
単独または組合せて用いるが、これらの化合物が水その
他の溶媒に可溶性である場合には溶液として用い、難溶
性である場合には懸濁液として用いる。この場合には化
合物を1μm以下、0.5μm前後の超微粉末として用い
ることが好ましい。
これらの溶液又は懸濁液を、開気孔中に圧入すること
が好ましい。圧入手段としては、焼結体および同形成材
の溶液または懸濁液を同一の容器に入れ、この容器を高
度に減圧することにより、溶液または懸濁液は焼結体の
開気孔中に容易に圧入される。また、加圧法によっても
同様に圧入を行なえる。
上記溶液・懸濁液の粘度は、0.5〜3.0ポイズとするこ
とが好ましい。これが0.5ポイズ未満の場合には、圧入
後流出したり、開気孔中で移動し、形成材の分布に斑を
生じる傾向がある。粘度が3.0ポイズを越える場合に
は、形成材の粘度が高く、焼結体の開気孔中に十分には
浸入しない。
上記溶液、懸濁液の液状媒体としては、水、ベンゼン
や低分子量のアルコール等が好ましい。
液状媒体は、融点より低い温度まで冷却して凍結させ
る。そして、好ましくは5トール以下まで減圧し、昇華
させる。昇華時の圧力が仮に5トールを越えると、固相
と気相(昇華中の液状媒体)との他に液相をも生じ、酸
化物被膜形成材が偏析することがある。
こうして開気孔に酸化物被膜形成材を付着させた後、
炭化珪素焼結多孔体の焼成を行う。この焼成は1200〜15
00℃の温度、酸素濃度2%以上の酸化雰囲気中で行なう
ことが好ましい。焼成温度が1200℃未満の場合には、酸
化物被膜が十分には形成されないおそれがあり、焼成温
度が1500℃を越えると、焼結体からの酸化珪素の生成が
多くなり、酸化物被膜の融出の原因になるとともに、寿
命を短くする。また、雰囲気中の酸素濃度に関しては、
2%未満の場合には、焼結体からの酸化珪素の生成がな
く、酸化物被膜が形成されにくくなる。
(実施例) 以下、具体的な実施例について説明する。
実施例1 炭化珪素の粗粒(平均粒径210μm)と微粒(平均粒
径0.6μm)とを1:1の割合で配合し水を15重量%添加
し、これをポットミルで混合してスラリーを作製した。
このスラリーを石膏型へ鋳込んで作った成形体をアルゴ
雰囲気中、2200℃の温度で焼成し、平板状の再結晶炭化
珪素多孔質焼結体を得た。この焼結体の開気孔率は15%
である。
また、表1に示す所定のガラス被膜形成材を酸化物換
算で0.5重量%の水溶液(粘度1.9ポイズ)とした。この
水溶液を、真空処理法によって上記各焼結体の開気孔中
に圧入、含浸させた。
そして、各焼結体を乾燥台上に12時間静置して乾燥す
るか、又は液体窒素を用いて水溶液を凍結させ、次いで
所定圧力の減圧下で昇華乾燥を行った。
次いで、各焼結体を空気中1300℃の温度で再焼成し
た。得られた焼結体の特性を表1に示す。なお、圧入量
は酸化物換算による重量%であり、また耐酸化性値は試
料を大気中1300℃で1000〜2000時間曝露した時の1時間
当たりの重量増加率(ppm/h)を示す。
実施例2 実施例1において、粗粒と微粒との混合割合を3:1、
6:1とし、それぞれにつき上記と同様に鋳込み成形、焼
成を行い、開気孔率20%、25%の再結晶炭化珪素多孔質
焼結体を得た。
また、炭化珪素の粗粒(平均粒径210μm)と微粒
(平均粒径0.6μm)とを1:1の割合で配合し、金型プレ
ス200kg/cm2又はラバープレス2.5トン/cm2で成形体を製
作した。この成形体を上記と同様にして焼成し、開気孔
率3%又は5%の再結晶炭化珪素多孔質焼結体を得た。
また、ガラス被膜形成材としては、酢酸カルシウム:
乳酸アルミニウム微粉末=1:1を用い、粘度は1.9ポイズ
とした。また、ガラス被膜形成材の水溶液は液体窒素を
用いて凍結させ、5トールの減圧下で昇華乾燥を行っ
た。他の点は実施例1と同様にして各焼結体を製作し、
強度、耐酸化性、ガラス融出を測定した。結果は下記表
2に示す。
曲げ強度は3×4×40mmのJISに基いて行う4点曲げ
状態によった。開気孔率はアルキメデス法により測定し
た。
実施例3 酢酸カルシウムと乳酸アルミニウムとの配合割合を表
3に示すように種々変化させ(酸化物換算:Al2O3 Ca
O)、また炭化珪素焼結多孔体としては開気孔率15%
(実施例1)のものを用いた。他は実施例2と同様にし
て表3に示す各焼結体を製作し、それぞれについて耐酸
化性、ガラス融出を測定した。結果を表3に示す。
実施例4 実施例1において、未圧入の焼結体の開気孔中に、ガ
ラス被膜形成材である乳酸アルミニウムと塩化カルシウ
ムとの1:1配合の5重量%水溶液を真空処理法にて圧
入、乾燥し、表4に示す各種の条件で再焼成した。得ら
れた炭化珪素多孔質焼結体の耐酸化性、ガラス融出度を
表4に示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高純度炭化珪素を焼成して炭化珪素多孔質
    焼結体を形成する工程と; 少なくとも液状媒体と酸化物被膜形成材とを含有する溶
    液又は懸濁液を、前記炭化珪素多孔質焼結体の少なくと
    も開気孔に浸入させる工程と; 前記液状媒体を凍結する工程と; 次いで、前記液状媒体を昇華させ、少なくとも前記開気
    孔の表面に前記酸化物被膜形成材を付着させる工程と; しかる後に前記炭化珪素多孔質焼結体を焼成し、少なく
    とも前記開気孔の表面に酸化物被膜を形成する工程と を有する炭化珪素多孔質焼結体の製造方法。
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