JPH0736381B2 - 耐熱性治具とその製造方法 - Google Patents

耐熱性治具とその製造方法

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JPH0736381B2
JPH0736381B2 JP60053281A JP5328185A JPH0736381B2 JP H0736381 B2 JPH0736381 B2 JP H0736381B2 JP 60053281 A JP60053281 A JP 60053281A JP 5328185 A JP5328185 A JP 5328185A JP H0736381 B2 JPH0736381 B2 JP H0736381B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性治具とその製造方法に関し、特に本発
明は電子工業用の耐熱性治具例えば半導体の拡散・酸化
処理、ダイオードの接合、ガラス封着およびパツケージ
のリードフレームのロー付などの用途に適した耐熱性治
具とその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、電子工業用の耐熱性治具としては、例えば黒鉛基
材表面に炭化珪素被膜を形成させた炭素・炭化珪素複合
体、石英ガラスおよび炭化珪素成形体に金属シリコンを
充填させた複合体等が知られており、それぞれの用途に
応じて用いられている。
ところで、前記黒鉛基材表面に炭化珪素被膜を形成させ
た炭素・炭化珪素複合体はあらかじめ黒鉛基材をハロゲ
ンガス雰囲気中で高温熱処理を施す等の方法により純化
処理を施す必要があり、多額の費用を要するため経済的
でない。また前記石英ガラスは純度的には好ましいが耐
熱性がやや低く、軟化変形を生じ易い。また前記炭化珪
素成形体に金属シリコンを充填させた複合体は例えば特
開昭51−85374号公報に「プロセス管と、それに挿入さ
れ得る寸法・形状のパドルと、前記パドルに指示され得
る少なくとも1つの舟形容器とからなり、前記プロセス
管、パドルおよび舟形容器は5〜30重量%の高純度シリ
コン金属を含有する焼結シリコンカーバイドマトリツク
スを主体として成り、前記シリコン金属は前記管、パド
ルおよび船形容器に気体不透過性を与えてなる半導体拡
散炉。」および特開昭53−142183号公報に「重量割合で
炭化珪素35〜70%及び金属シリコン65〜30%を含有する
ガス不透過性シリコンウエハー用治具。」に係る発明が
開示されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前者の特開昭51−85374号公報記載の焼
結シリコンカーバイトマトリツクスは再結晶炭化珪素で
あり、出発原料として比較的粗粒の炭化珪素粒子を使用
するため、表面の面粗度が大きく、特に高い寸法精度の
要求される焼結体を格別の機械加工を施すことなく製造
することが困難であるばかりでなく、前記シリコンカー
バイドマトリツクスに充填されている金属シリコンの量
は5〜30重量%と比較的少ないものであつた。一方後者
の特開昭53−142183号公報記載のシリコンウエハー治具
は金属シリコンを重量で30〜65%と比較的多量に含有し
ているが、その明細書の実施例には炭素繊維を主体とす
る成形体を珪素化処理した特殊な多孔質炭化珪素体に金
属シリコンを含浸させた治具の製造方法と炭化珪素粉と
金属シリコン粉とフエノールレジン等から成る混合物を
加熱して得られる反応焼結法による治具の製造方法が記
載されており、これらの製造方法により得られる治具は
経済性および強度の両方を満足させることは困難である
と考えられる。
ところで、電子工業用の耐熱性治具は、主として半導体
等の高純度製品を取扱う用途に使用されるものであるた
め、高純度で製品汚染のないことおよび耐摩耗性に優れ
ていることが重要であることの他に、加熱・冷却がひん
ぱんに繰返される用途に使用されるものであるため、熱
伝導性および耐熱衝撃性に優れていることが好適である
が、このような種々の特性に優れた耐熱性治具を特に安
価に提供することは困難であつた。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者は、前述の如き従来知られた耐熱性治
具に比較して特に熱伝導性に優れ、良好な均熱性および
速い熱応答性を得ることのできる耐熱性治具を提供する
ことを目的として、種々研究を積重ねた結果、特に開放
気孔率が高く、かつ高強度の多孔質炭化珪素焼結体を得
るに到り、この多孔質炭化珪素焼結体に高純度の金属シ
リコンを含浸してところ、極めて熱伝導率の高い、前記
目的を満足することのできる炭化珪素質複合体を新規に
知見するに至り、本発明を完成した。
本発明は、開放気孔を有する多孔質炭化珪素焼結体の開
放気孔中に金属シリコンが介在してなる耐熱性治具にお
いて、前記多孔質炭化珪素焼結体を構成する炭化珪素結
晶の平均粒径は10μm以下であり、前記多孔質炭化珪素
焼結体中の金属シリコンが介在している容積ならびに空
隙気孔の容積の合計は前記治具の容積に対し38〜65容積
%であり、前記治具中に介在する金属シリコンの重量は
前記治具を構成する炭化珪素100重量部に対して45〜135
重量部であることを特徴とする耐熱性治具とその製造方
法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の耐熱性治具は、平均粒径が10μm以下の炭化珪
素結晶で構成されている多孔質炭化珪素焼結体(以下、
単に多孔質体と称す)を基材とすることが必要である。
本発明の耐熱性治具は、主として良好な均熱性および速
い熱応答性が要求される用途に使用されるものであり、
前記耐熱性治具を構成する多孔質体の開放気孔中に熱伝
導性の優れた金属シリコンを含浸せしめることにより、
高い熱伝導性および気体不透過性を付与せしめた複合体
である。したがつて、前記多孔質体はできるだけ開放気
孔率の高いものであることが望ましいが、多孔質体を構
成する炭化珪素結晶の平均粒径が10μmよりも大きいと
必然的に多孔質体内の粒と粒との結合箇所が少なくなる
ため、特に開放気孔率が高くかつ取扱い性に優れた多孔
質体を得ることは困難である。
本発明の多孔質体は、開放気孔を38〜65容積%有するも
のであることが必要である。前記開放気孔率を38〜65容
積%の範囲内に限定する理由は、前記開放気孔率が38容
積%よりも低いと必然的に金属シリコンの介在量が少な
くなるため、目的とする高い熱伝導率の耐熱性治具を得
ることができないからであり、一方65容積%よりも高い
と多孔質体自体の強度が弱く取扱い性に劣るからであ
る。
本発明の耐熱性治具中に介在する金属シリコンの重量は
前記治具を構成する炭化珪素100重量部に対して45〜135
重量部であることが必要である。その理由は、前記金属
シリコンの介在量が45重量部よりも少なくと本発明の目
的とする高い熱伝導性を有する耐熱性治具を得ることが
困難であるばかりでなく、気体不透過性を付与すること
が困難であるからであり、一方金属シリコンの介在量の
上限は多孔質体の開放気孔率の上限によつて決定される
値である。なお、前記金属シリコンの介在量は55〜135
重量部の範囲内がより好適である。
本発明の多孔質体は、β型結晶の炭化珪素を30重量%以
上含有するものであることが好ましい。その理由は、前
記多孔質体は結晶粒相互の結合が強固な三次元網目構造
であることが重要であり、β型結晶の炭化珪素の含有量
を30重量%以上とすることにより、前記結晶粒相互の結
合が強固な三次元網目構造を有する多孔質体を得ること
ができるからであり、なかでも50重量%以上であること
が有利である。
本発明の多孔質体は、実質的に収縮させることなく焼結
させた焼結体であつて、その焼結に伴う収縮率は2%以
下であることが有利である。その理由は、焼結時に収縮
を伴う通常の常圧焼結法による炭化珪素焼結体は強度お
よび耐摩耗性等の面では望ましいが、焼成収縮すると開
放気孔率が減少したり、気孔が独立気孔化し易くなるた
め、金属シリコンの充填が困難になるばかりでなく、本
発明の目的とする開放気孔率が40〜56容積%の開放気孔
率の大きな多孔質体を製造することが困難になるからで
ある。
本発明の多孔質体は平均曲げ強度が5kg/mm2以上である
ことが有利である。その理由は、前記多孔質体の平均曲
げ強度が5kg/mm2よりも低いと取扱い中に折れたり割れ
たりし易く、耐熱性治具を製造することが困難であるか
らである。
次に本発明の耐熱性治具を製造する方法について説明す
る。
本発明によれば、炭化珪素粉末を成形して生成形体とな
し、非酸化性雰囲気下で焼結した後、前記焼結して得ら
れた多孔質体の開放気孔中に金属シリコンを充填して耐
熱性治具を製造する方法において、前記炭化珪素として
平均粒径が5μm以下の粉末を使用し、前記生成形体の
嵩比重を1.12〜2.0g/cm3となし、前記焼結体の焼結温度
を1400〜2100℃となし、前記金属シリコンを前記治具を
構成する炭化珪素100重量部に対し、45〜136重量部充填
することによつて耐熱性治具を製造することができる。
本発明によれば、炭化珪素として平均粒径が5μm以下
の粉末を使用することが必要である。その理由は、平均
粒径が5μmより大きい粒度の炭化珪素粉末を使用する
と焼結体内の粒と粒との結合箇所が少なくなるため、高
強度の多孔質体を得ることが困難になるからである。
本発明によれば、従来知られた多孔質炭化珪素焼結体に
比較して低密度でかつ取扱い性に優れた高強度の多孔質
体を製造することが重要であり、加圧成形法により生成
形体を成形する場合には出発原料として炭化珪素粉末を
分散媒液中で解膠剤とともに均一分散させた後凍結乾燥
せしめた炭化珪素粉末を使用することが有利であり、ま
た鋳込み成形法により生成形体を成形する場合には出発
原料として炭化珪素粉末を分散媒液中で解膠剤とともに
均一分散させた懸濁液を使用することが有利である。
その理由は、炭化珪素粉末は凝集性が強いため通常個々
の粒子が多数密接して集合した2次粒子を形成し易いた
め、このような炭化珪素粉末を何らの分散処理を施すこ
となく出発原料として使用すると2次粒子の単位で結晶
粒の粗大化が生起して得られる多孔質体の三次元網目構
造が比較的粗い組織となり易く、低密度でなおかつ高強
度の多孔質体を得ることは困難であつた。しかしなが
ら、前述の如き分散媒液中で解膠剤とともに均一分散さ
せた後凍結乾燥させた炭化珪素粉末を使用して加圧成形
した生成形体および懸濁液を使用して鋳込み、成形した
生成形体はいずれも炭化珪素粉末の個々の粒子が極めて
均一に分散した状態で存在する生成形体を製造すること
ができるため、結晶の三次元網目構造を極めて微細でし
かも均一に発達させることができ、低密度でなおかつ高
強度の多孔質体を製造することができるからである。
本発明によれば、前記分散媒液としては種々のものを使
用することができるが、特に凍結乾燥させる場合に使用
するものは、融点が−5〜15℃の範囲内のものが有利に
使用でき、なかでもベンゼン,シクロヘキサンより選ば
れる少なくとも1種あるいは水を使用することが有利で
ある。
本発明によれば、前記炭化珪素粉末を分散媒液中に均一
分散させる手段として、振動ミル,アトライター,ボー
ルミル,コロイドミルおよび高速ミキサーの如き強い剪
断力を与えることのできる分散手段を用いることが有利
である。
本発明によれば、前記炭化珪素粉末を分散媒液中に均一
分散させる際に使用する解膠剤としては、分散媒液が有
機質の場合には例えば脂肪酸アミン塩,芳香族アミン
塩,複素環アミン塩,ポリアルキレンポリアミン誘導体
等の陽イオン界面活性剤,エステル型,エステルエーテ
ル型,エーテル型,含窒素型等の非イオン界面活性剤が
有効であり、分散媒液が水の場合には例えばしゆう酸ア
ンモニウム,アンモニア水等の無機解膠剤,ジエチルア
ミン,モノエチルアミン,ピリジン,エチルアミン,水
酸化四メチルアンモニウム,モノエタノールアミン等の
有機解膠剤が有効である。
本発明によれば、前記炭化珪素粉末を分散媒液中に均一
分散させた懸濁液を凍結乾燥する場合には分散媒液の融
点より低い温度に維持された雰囲気中へ懸濁液を噴霧し
て速やかに凍結させることが有利である。
ところで、前記炭化珪素の結晶系にはα型,β型および
非晶質のものがあるが、なかでもβ型のものは平均粒径
が5μm以下の微粉末を取得し易く、しかも比較的高強
度の多孔質体を容易に製造することができるため有利に
使用することができ、特にβ型炭化珪素を50重量%以上
含有する炭化珪素粉末を使用することが好ましい。
本発明によれば、前記生成形体の嵩比重を1.12〜2.0g/c
m3とすることが必要である。その理由は、前記嵩比重が
1.12g/cm3より小さいと炭化珪素粒子相互の結合箇所が
少ないため、得られる多孔質体の強度が低く取扱い性に
劣るからであり、一方2.0g/cm3より大きいと本発明の目
的とする開放気孔率の大きな多孔質体を製造することが
困難であり、熱伝導率の高い耐熱性治具を製造すること
が困難になるからである。
本発明によれば、前記焼結温度を1400〜2100℃とするこ
とが必要である。その理由は、前記温度が1400℃よりも
低いと粒と粒とを結合するネツクを充分に発達させるこ
とが困難で、高い強度を有する多孔質体を得ることがで
きず、一方2100℃より高いと一旦成長したネツクのうち
一方2100℃より高いと一旦成長したネツクのうち一定の
大きさよりも小さなネツクがくびれた形状となつたり、
著しい場合には消失したりして、むしろ強度が低くなる
からである。
本発明によれば、前記生成形体は炭化珪素を酸化せしめ
ることのない非酸化性雰囲気中、例えばアルゴン,ヘリ
ウム,ネオン,窒素,水素,一酸化炭素の中から選ばれ
る何れか少なくとも1種よりなるガス雰囲気中あるいは
真空中で焼成される。
本発明によれば、前記生成形体は非酸化性雰囲気中で実
質的に収縮させることなく焼成することが有利である。
その理由は、焼結時における収縮は多孔質体の強度を向
上させる上では望ましいが、焼成収縮すると開放気孔率
が減少したり、気孔が独立気孔化し易く金属シリコンの
充填が困難になるばかりでなく、寸法精度の高い多孔質
体を焼成収縮を生起させて製造することは困難であるか
らである。
なお、本発明によれば、金属シリコンの充填が容易でか
つ寸法精度の高い多孔質体を得る上で実質的に収縮させ
ることなく焼結する再の焼成収縮率は2%以下とするこ
とが好ましく、なかでも、1%以下であることがより好
適である。
また、本発明によれば、前記生成形体を焼成するに際
し、生成形体からの炭化珪素の揮散を抑制することが有
利である。その理由は、前記生成形体からの炭化珪素の
揮散を抑制することによつて、炭化珪素の粒と粒とを結
合するネツクを充分に発達させることができるからであ
り、特に高強度で取扱い性に優れた多孔質体を製造する
場合には、炭化珪素の揮散率を5重量%以下に制御する
ことが有利である。
前記生成形体からの炭化珪素の揮散を抑制する方法とし
ては、外気の侵入を遮断することのできる耐熱性の容器
内に生成形体を装入する方法が有効であり、前記耐熱性
の容器としては、黒鉛あるいは炭化珪素などの材質から
なる耐熱性の容器を使用することが好適である。
本発明によれば、前記金属シリコンを前記治具を構成す
る炭化珪素100重量部に対し、45〜136重量部充填するこ
とが必要である。前記金属シリコンを充填する理由は、
金属シリコンは炭化珪素とのなじみが良く、金属シリコ
ンを多孔質体の開放気孔内に充填することによつて強度
を向上せしめることができるばかりでなく、金属シリコ
ンは熱伝導性に優れているため、多孔質体の開放気孔中
に金属シリコンを充填することにより、高い熱伝導性お
よび気体不透過性を付与せしめた耐熱性治具となすこと
ができるからである。また前記金属シリコンの充填量を
45〜136重量部に限定する理由は、前記金属シリコンの
充填量が45重量部より少ないと本発明の目的とする高い
熱伝導性を有する耐熱性治具となすことが困難であるか
らであり、一方充填量の上限は多孔質体の開放気孔率に
よつて決定される。前記金属シリコンの充填量は55重量
部以上であることがより好適である。
前記金属シリコンを多孔質体の開放気孔中へ充填する方
法としては、金属シリコンを加熱溶融させて含浸する方
法あるいは微粉化した金属シリコンを分散媒液中に分散
し、この分散液を多孔質体に含浸し、乾燥した後、金属
シリコンの溶融温度以上に加熱する方法等が適用でき
る。
次に本発明を実施例および比較例によつて説明する。
実施例1 出発原料として使用した炭化珪素粉末は97.5重量%がβ
型結晶で残部は実質的に2H型結晶よりなる炭化珪素粉末
であつて、0.12重量%の遊離炭素、0.37重量%の酸素、
1.2×10-4重量%の鉄、1.4×10-4重量%のカルシウム、
8×10-5重量%のナトリウム、1×10-5重量%のカリウ
ムおよび痕跡量のアルミニウムを含有し、1.1μmの平
均粒径を有していた。
前記炭化珪素粉末100重量部に対し、ポリビニルアルコ
ール5重量部、モノエタノールアミン0.3重量部と水100
重量部を配合し、ボールミル中で5時間混合した後凍結
乾燥した。
この乾燥混合物を適量採取し、顆粒化した後、静水圧プ
レス機を用いて1300kg/cm2の圧力で生成形体を成形し
た。この成形形体の形状は直径が200mm、厚さが10mmの
円板状で、密度は1.73g/cm3(54容量%)であつた。
前記生成形体を黒鉛製ルツボに装入し、タンマン型焼結
炉を用いて1気圧の主としてアルゴンガス雰囲気中で焼
結した。昇温過程は450℃/時間で2000℃まで昇温し、
最高温度2000℃で15分間保持した。焼結中のCOガス分圧
は室温2000℃で15分間保持した。焼結中のCOガス分圧は
室温〜1700℃が80Pa以下、1700℃よりも高温域では300
±50Paの範囲内となるようにアルゴンガス流量を適宜調
整して制御した。
得られた焼結体は密度が1.70g/cm3、開放気孔率が47容
積%の多孔質体で、β型炭化珪素の含有率が92重量%で
残部は主として4H型と6H型のα型炭化珪素であつた。ま
たこの結晶構造は走査型電子顕微鏡によつて観察したと
ころ、ブロツク状の炭化珪素結晶が比較的太いネツクに
よつて複雑に絡み合つて結合された三次元構造を有して
おり、生成形体に対する線収縮率はいずれの方向に対し
ても0.3±0.1%の範囲内で、この焼結体の平均曲げ強度
は13.8kg/mm2と高い強度を有しており、3×10-4重量%
のアルミニウム、6×10-4重量%の鉄および4×10-4
量%のニツケルを含有していた。なお、クロム、カルシ
ウム、銅の含有量はいずれも痕跡量であり、ナトリウム
とカリウムはいずれも1×10-4重量%未満であつた。
次いで、前記多孔質体の表面に平均粒径が20μm、純度
が99.9999重量%以上の金属シリコン粉末100重量部と5
%アクリル酸エステル・ベンゼン溶液60重量部が混合さ
れたスラリーを塗布し、表面に金属シリコンを380gコー
テイングした。この金属シリコンをコーテイングした多
孔質体をアルゴンガス気流中で450℃/時間の昇温速度
で加熱し、最高温度1450℃で約1時間保持して前記多孔
質体の表面に塗布された金属シリコンを多孔質体中へ浸
透させ、炭化珪素質複合体を得た。
得られた炭化珪素質複合体の気孔率は2%で、気体不透
過性を有しており、寸法は金属シリコンを充填する前に
比較して0.03mm大きくなつただけであり、平均曲げ強度
は32.1kg/mm2と強く、熱伝導率は0.23cal/cm・sec℃と
極めて良好であり、耐熱性治具としての用途に極めて優
れていることが認められた。
比較例1 実施例1と同様であるが、出発原料として実施例1で使
用した炭化珪素粉末と市販のα型炭化珪素(GC#240、
平均粒径80μm)を3:7の重量比で混合した混合粉末を
使用して多孔質体を製造し、次いで金属シリコンを含浸
して炭化珪素質複合体を得た。
前記多孔質体は密度が2.37g/cm3、開放気孔率が26容積
%、平均曲げ強度は5.2kg/mm2と比較的低強度であつ
た。さらに金属シリコンを含浸することにより得られた
炭化珪素質複合体の気孔率は1.7%で気体不透過性を有
していたが、金属シリコンの金属シリコンの含有量は炭
化珪素100重量部に対して24重量部であり、熱伝導率は
0.21cal/cm・sec℃とそれ程良好ではなかつた。
実施例2 実施例1と同様であるが、出発原料として実施例1で使
用した炭化珪素粉末と市販のα型炭化珪素粉末(GC#60
00)を粉砕し、さらに精製、粒度分級した炭化珪素粉末
(平均粒径1.2μm)を種々の割合で混合した混合粉末
を使用して多孔質体を製造し、次いで前記多孔質体を黒
鉛製ルツボ中に設置し、純度が99.9999重量%以上の塊
状金属シリコンを硬質体の周囲に配置した後1450℃で加
熱して気体不透過性を有する炭化珪素質複合体を製造し
た。
得られた多孔質体および炭化珪素質複合体の特性は第1
表に示した。
第1表よりわかるように、β型炭化珪素粉末の混合比率
の高い炭化珪素粉末を出発原料として使用した多孔質体
は、密度の割りに強度が優れていた。
実施例3 実施例1と同様であるが、成形圧力を変えることにより
嵩比重の異なつた生成形体を製造して炭化珪素質複合体
を製造した。得られた多孔質体および炭化珪素質複合体
の特性は第2表に示した。
第2表よりわかるように、本発明の多孔質体は低密度で
も強度に優れている。
実施例4 実施例1で使用した炭化珪素粉末100重量部に対し、ポ
リアクリル酸エステル3重量部、水酸化テトラメチルア
ンモニウム0.4重量部と水60重量部を配合し、ボールミ
ル中で10時間混合した後、鋳込み成形し、外径60mm、内
径45mm、長さ300mm、密度1.63g/cm3の筒状生成形体を得
た。
次いで、実施例1と同様の条件で炭化珪素質複合体を製
造した。
得られた多孔質体および炭化珪素質複合体の特性は第1
表に示した。
〔発明の効果〕 以上述べた如く、本発明の耐熱性治具は多孔質炭化珪素
焼結体を骨格とする炭化珪素質複合体であつて耐摩耗性
に優れており、しかも熱伝導性および耐熱衝撃性に優れ
ているため、加熱・冷却がひんぱんに繰返される用途に
対しても極めて有利に適用することのできるものであつ
て、産業上極めて有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開放気孔を有する多孔質炭化珪素焼結体の
    開放気孔中に金属シリコンが介在してなる耐熱性治具に
    おいて、 前記多孔質炭化珪素焼結体を構成する炭化珪素結晶の平
    均粒径は10μm以下であり、前記多孔質炭化珪素焼結体
    中の金属シリコンが介在している容積ならびに空隙気孔
    の容積の合計は前記治具の容積に対し38〜65容積%であ
    り、前記治具中に介在する金属シリコンの重量は前記治
    具を構成する炭化珪素100重量部に対して45〜135重量部
    であることを特徴とする耐熱性治具。
  2. 【請求項2】前記多孔質炭化珪素焼結体は、β型結晶の
    炭化珪素を30重量%以上含有する特許請求の範囲第1項
    記載の耐熱性治具。
  3. 【請求項3】前記多孔質炭化珪素焼結体は、平均粒径が
    5μm以下の炭化珪素粉末を成形して、嵩比重が1.12〜
    2.0g/cm3の生成形体となし、1400〜2100℃の非酸化性雰
    囲気下で焼結して得られた多孔質炭化珪素焼結体である
    特許請求の範囲第1あるいは2項記載の耐熱性治具。
  4. 【請求項4】炭化珪素粉末を成形して生成形体となし、
    非酸化性雰囲気下で焼結した後、前記焼結して得られた
    多孔質炭化珪素焼結体の開放気孔中に金属シリコンを充
    填して耐熱性治具を製造する方法において、 前記炭化珪素として平均粒径が5μm以下の粉末を使用
    し、前記生成形体の嵩比重を1.12〜2.0g/cm3となし、前
    記焼結体の焼結温度を1400〜2100℃となし、前記金属シ
    リコンを前記治具を構成する炭化珪素100重量部に対
    し、45〜136重量部充填させることを特徴とする耐熱性
    治具の製造方法。
  5. 【請求項5】前記炭化珪素粉末は、β型結晶の炭化珪素
    を少なくとも50重量%含有する特許請求の範囲第4項記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】前記多孔質炭化珪素焼結体の焼結に伴う収
    縮率は2%以下とする特許請求の範囲第4あるいは5項
    記載の製造方法。
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