JP2588232B2 - 鉱物材料を破砕する方法及びプラント - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばセメント・クリンカの如き如何なる
鉱物材料も破砕即ち粉砕する方法に関する。

また、本発明は、上記方法を実施するためのプラント
即ち設備に関する。

〔従来の技術及び解決しようとする問題点〕

破砕作業を可能にしあるいはその効率を改善する観点
から、如何なる鉱物材料の破砕即ち粉砕も数段階におい
て実施可能であることが長年にわたり知られてきた。

このように、鉱物材料は、最初に破砕ロールを備えた
破砕機において緩やかな圧縮により破砕することがで
き、次いで予め破砕された材料を別の破砕機へ送って所
要の最終製品に至る。

このような破砕プロセスは、鉱物材料の予備的破砕段
階における多くの問題を免がれない。

実際に生じる破砕作用力の故に、予備的破砕工程を行
なう破砕機のロールには疲労が生じ、破砕機即ち粉砕機
のボール・ベアリングの寿命は制約を受ける。

更に、予備的破砕作業後に得られる粗い粒子の比率は
依然として高く、そのため特に最終段の破砕機がボール
・ミル即ち破砕機である場合、この破砕機がなければ、
固渋の危険があり、これが無論この破砕機の効率を低下
させることになる。

更にまた、予備的破砕作業の動力効率はその限界にあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の目的は、予備破砕工程における破砕作用力は
制限されるため、加えられる圧力、従って破砕機の構成
要素の疲労ができる限り制限されるという事実による上
記の欠陥を特に取除いて、予備破砕工程から生じる粒子
が最終的な破砕の最適の効率をもたらすに充分な細かさ
となる事実を専らにする改善された破砕方法及びプラン
ト即ち設備の提供にある。

この目的のためには、本発明の主題は、例えばセメン
ト・クリンカの如きどんな鉱物材料でも破砕し、かつ少
なくとも２つの工程、即ちかかる材料を徐々に破砕する
第１の工程と、所要の最終製品に至る第２の破砕工程で
材料を破砕することからなる形式の方法であって、前記
第１の破砕工程は、緩やかな破砕のいくつかのサイクル
間における完成品の中間的な抽出を行なうことなく材料
のこれらのサイクルを実施することからなり、前記完成
品は前記の第２の破砕工程のみにおいて抽出されること
を特徴とする。

従って、第１の破砕工程における材料を緩やかな破砕
の連続的なサイクルは上記の利点の全てを達成すること
が既に理解されよう。

本方法の別の特徴によれば、第１の工程間における材
料の緩やかな破砕のサイクル数は２乃至10の間にある。

本方法は更に、後続の緩やかな破砕サイクルに先立っ
て未処理鉱物材料の調質を行なう第１の緩やかな破砕サ
イクルを特徴とする。

この緩やかな破砕サイクルが材料の再循環からもたら
され得ることを特筆すべきことである。

本方法の更に別の特徴によれば、前記第２の破砕工程
の後、粗い粒子が完成品から分離され、少なくとも一部
が第１の破砕工程へ再び送られる。

本発明はまた、本方法を実施しかつ上記の特徴的な要
件ならびに緩やかな圧縮を経由する後部材料を破砕する
手段を含む形式のいずれかを満たすプラント即ち設備に
関するものであり、この手段は最終破砕機と結合され、
この破砕手段は少なくとも２つの相互に連通する緩やか
な圧縮破砕機により、あるいはまた材料をこの破砕機の
出口から入口に向って再循環させる装置が設けられた緩
やかな圧縮破砕機により、材料を緩やかに破砕するいく
つかのサイクルを実施することを可能にすることを特徴
としている。

この設備は更に、破砕手段が少なくとも２つの連通す
る破砕機からなる場合に、こ破砕機の少なくとも一方に
はこの破砕機の入口あるいは前段の破砕機のいずれかの
入口に向って再循環させる手段が設けられることを特徴
としている。

更に、未処理の鉱物材料を受取る第１の破砕機が、凹
部を持つことが望ましい破砕ロールを備えた破砕機から
なることを特筆すべきである。

最終段の破砕機の出口に関しては、これが、特に緩や
かな圧縮破砕器の１つの入口に結合された粒子分離器と
結合されることが望ましい。

ある特定の実施態様によれば、最終段の破砕機は、各
端部において緩速圧縮破砕機により中心部の出口が設け
られ、その出口は２つの独立的な粒子分離器と結合され
た破砕機であり、各分離器は緩速圧縮破砕機の１つ及び
最終段の破砕機の端部即ち入口の他の１つと結合されて
いる。

本発明については、他の目的、特徴及び詳細及び利点
と共に、限定とならない例示として示される図面に関し
て以降の説明を読み進めば更に明瞭となりよく理解され
よう。

〔実施例〕

第１図においては、本発明による設備は、少なくとも
１対のロール２が設けられた緩速圧縮破砕機１を含み、
この破砕機は、例えばセメント・クリンカの如き鉱物材
料が矢印４で示されるように供給される。

破砕ロール２は、その周部に破砕ロール２により破砕
される材料の流れを有効に調整即ち一定にする凹部３を
有することが望ましい。

破砕機１は、これもまた緩速圧縮破砕ロール７が設け
られた、即ち破砕機１から出てくる材料の緩やかな破砕
を可能にする第２の破砕機６内にホッパー等５を介して
開口している。

第１図において例示として示されるように、破砕機６
から出てくる材料は矢印８により示されるようにこの破
砕機の入口に向って再循環され、この再循環は例えば９
で略図的に示される昇降機等の揚上手段の如き適当な手
段の助けによって行なうことができることが理解されよ
う。

従って、破砕機６において材料を緩やかに破砕する連
続サイクルはこのように行なわれ、かつ材料の中間的な
抽出を行なうことなく行なわれることが明らかであろ
う。

このような連続的なサイクルは、前述の再循環による
のではなく、本発明の範囲から逸脱することなく他の方
法で、即ち一方の上方に他方が配置される６の如きプラ
ントのいくつかの破砕機において実施することもでき
る。

破砕機６から出てくる破砕された材料は、ライン10に
より破砕ボール・ミルであることが望ましい最終段の破
砕機11へ搬送される。完成品に至るこの最終段の破砕機
の効率は、鉱物材料が既に連続的な緩やかな破砕サイク
ルを経たものであり、従って最終段の破砕機11内での固
渋を回避する理想的な破砕作用を呈するという事実に照
して、必然的により高いものとなろう。

ここで、最終段の破砕前に行なわれる緩やかな破砕サ
イクル回数が２と10の間であることを知ることは重要で
ある。

最終段の破砕機11から出てくる製品は、以降の処理の
ため収集することができ、あるいは本例においては、例
えば12で略図的に示される昇降機等の揚上装置12の如き
適当な手段によって、例えば空圧形式の動的分離器でよ
い分離手段13内に搬送することもできる。

この分離器13は、このように圧力下の気体が供給さ
れ、昇降機12から供給される微細粒子がタービン14を介
して移動して15で示されるように分離器13から排出され
るが、ケージ14に入れない粗い粒子は配管即ちダクト16
に流入し得るようにタービン14を保有することができ
る。

このダクト16は、最終段の破砕機11の入口に至るダク
ト部分16a及び緩速圧縮破砕器６の入口に至るダクト部
分16bに分割され、これにより分離器13からの粗い粒子
を再循環させるようになっている。

第２図に示される実施態様においては、最終段破砕機
11は、独立的な緩やかな圧縮を行なう２つの破砕機６に
よりその端部11bの両方から供給され、中心出口11aを備
えた破砕機である。最終段の破砕機11のこの中心出口11
aは、12の如き２つの昇降器等の揚上手段によって、各
々が前に述べたような１つのタービン14を含む２つの独
立的な分離器13の入口と結合されている。各分離器13
は、第１図に関して述べたように、緩速圧縮破砕機６の
入口と結合されたダクト16b及び破砕ボール・ミル11の
端部即ち入口11bと結合されたダクト16aに分岐されるダ
クト16を含む。本発明の範囲から逸脱することなく、第
２図において16bで示されるように、各分離器13の出口
は最終段の破砕機11の両方の入口11bと結合されること
を指摘しなければならない。

これまでの記述から類推できるプラントの作動につい
て説明することは不要であろう。

しかし、本発明により提供される、最終段の破砕機11
の上流側で生じる予備的な破砕工程において主としても
たらされる多くの利点は強調されねばならない。

更に、これらの利点は、別個の破砕機の使用により、
あるいは材料が数回流過する破砕機に向けて材料を再循
環させることにより行なわれる材料の緩やかな破砕サイ
クルを使用することに存在する。

第１に、材料が連続的ないくつかの破砕サイクルに遭
遇するという事実が、一回の破砕サイクルに遭遇する材
料と比較して、微細化されない粗い粒子の比率の実質的
な低下をもたらすことになり、その結果最終段の破砕機
11は最適の条件下で作動することができるのである。

更に、材料に対して加えられる圧力は実質的に低減さ
れ、その結果破砕機の破砕ロールの疲労は最小限度に抑
えられ、破砕機のボール・ベアリングの使用寿命はこれ
に対応して増大する。

最後に、予備破砕操作の動力効率は、一回の緩速破砕
サイクルで得られる場合よりも実質的に高くなる。

従って、本発明によれば、例えばセメント・クリンカ
の処理のため特に有効かつ経済的な破砕の方法及びプラ
ントが提供されることになる。

本発明は、単に例示として示された実施態様に全く限
定されるものではないことを理解すべきである。

このように、破砕機の破砕ロールは、その周部におい
て凹部を含むこともでき、あるいは凹部がなくともよ
い。同様に、連続的な破砕サイクルが連続的な破砕機に
より行なわれる場合には、これらの破砕機の数はいくら
でもよい。もしこれらの連続的なサイクルが一回の再循
環プロセスにより行なわれるならば、この再循環プロセ
スは１つの破砕機または難題かの破砕機において行なう
ことができる。

従って、本発明は、その主旨に従って頭書の請求項の
範囲内で実施されるならば、本文に述べた手段ならびに
その組合せの全ての相等技術を構成するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の原理による設備即ちプラン
トの２つの実施態様をそれぞれ示している。 １……緩速圧縮破砕機、２……破砕ロール、３……凹
部、４、５……ホッパー、６……破砕機、７……破砕ロ
ール、９……揚上手段、10……ライン、11……最終段の
破砕機、12……揚上装置、13……分離器、14……タービ
ン、16……ダクト。

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】セメント・クリンカの如き鉱物材料を破砕
   する、少なくとも２つの段階即ち、材料を破砕する第１
   の破砕工程及び所要の最終製品を提供する第２の破砕工
   程からなる方法において、前記第１の破砕工程が前記材
   料の緩やかな破砕のいくつかのサイクル間に完成品の中
   間的な抽出を行なうことなくこれらサイクルを行なうこ
   とからなり、前記完成品は前記第２の破砕工程において
   のみ抽出されることを特徴とする方法。
2. 【請求項２】請求項第１項記載の方法において、前記第
   １の破砕工程の間に前記材料を緩やかに破砕するサイク
   ル回数が２と10の間にあることを特徴とする方法。
3. 【請求項３】請求項第１項記載の方法において、後続の
   緩やかな破砕サイクルに先立って、未処理の材料の調質
   を行なう第１の破砕サイクルを含むことを特徴とする方
   法。
4. 【請求項４】請求項第１項記載の方法において、前記緩
   やかな破砕サイクルが前記材料の再循環をもたらすこと
   を特徴とする方法。
5. 【請求項５】請求項第１項記載の方法において、前記第
   ２の破砕工程の後に、粗い粒子が完成品から分離され、
   少なくとも一部が前記第１の破砕工程に再循環させられ
   ることを特徴とする方法。
6. 【請求項６】緩速圧縮により鉱物材料を破砕する破砕手
   段が最終段の破砕機と結合される鉱物材料を破砕するプ
   ラントにおいて、前記破砕手段が、少なくとも２つの連
   通する緩速圧縮破砕機により、又は緩速圧縮破砕機の出
   口部から入口部に向って前記材料を再循環させる装置が
   設けられた緩速圧縮破砕機により、材料を緩速圧縮破砕
   する数回のサイクルを行なうようになっていることを特
   徴とするプラント。
7. 【請求項７】請求項第６項記載のプラントにおいて、前
   記破砕手段が少なくとも２つの連通する破砕機からな
   り、該破砕機の少なくとも一方には材料を該破砕機の入
   口部に向けて、又は前段の破砕機のいずれかの入口部に
   向けて再循環させる装置が設けられることを特徴とする
   プラント。
8. 【請求項８】請求項第６項記載のプラントにおいて、未
   処理の鉱物材料を受取る前記第１の破砕機が、凹部が形
   成されることが望ましい破砕ロールを備えた破砕機から
   なることを特徴とするプラント。
9. 【請求項９】請求項第６項記載のプラントにおいて、前
   記最終段の破砕機の出口が、前記緩速圧縮破砕機の１つ
   の入口と結合された粒子分離器と結合されることを特徴
   とするプラント。
10. 【請求項１０】請求項第６項記載のプラントにおいて、
    最終段の破砕機が、緩速圧縮破砕機により各端部から供
    給され、中心出口部を備える破砕機であり、最終段の破
    砕機の中心出口部は２つの独立的な粒子分離器と結合さ
    れ、各分離器は前記緩速圧縮破砕機の一方及び最終段の
    破砕機の端部のいずれかと結合されることを特徴とする
    プラント。