JP2588214Y2 - 超磁歪式アクチュエータ - Google Patents

超磁歪式アクチュエータ

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JP2588214Y2
JP2588214Y2 JP1992052464U JP5246492U JP2588214Y2 JP 2588214 Y2 JP2588214 Y2 JP 2588214Y2 JP 1992052464 U JP1992052464 U JP 1992052464U JP 5246492 U JP5246492 U JP 5246492U JP 2588214 Y2 JP2588214 Y2 JP 2588214Y2
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giant magnetostrictive
magnetostrictive rod
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rod
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智一 三澤
勝義 河内
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば超磁歪式噴射弁
や開閉弁等に好適に用いられる超磁歪式アクチュエータ
に関し、特に、熱膨張により特性が変化するのを防止で
きるようにした超磁歪式アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、筒状のケーシングと、該ケーシ
ングの軸方向に伸長して該ケーシング内に設けられ、該
ケーシングの一端側に設けられる駆動対象物を駆動すべ
く、磁場がかけられたときに軸方向に伸縮する超磁歪ロ
ッドと、該超磁歪ロッドの周囲に位置して前記ケーシン
グ内に設けられ、外部から通電されることにより該超磁
歪ロッドに磁場をかける電磁コイルと、前記ケーシング
の他端側に設けられ、該ケーシング内で前記超磁歪ロッ
ドを軸方向に位置決めする位置決め部材とからなる超磁
歪式アクチュエータを用いた燃料噴射弁は、例えば特開
平3−243174号公報等により知られている。
【0003】この種の従来技術による燃料噴射弁では、
ケーシングの一端側に燃料の噴射口を有する弁座を設
け、該弁座に駆動対象物となる内開き式の弁体を着座さ
せるべく、該弁体を弁ばねにより常時閉弁方向に付勢す
ると共に、超磁歪ロッドの一端側を弁体に固着し、電磁
コイルからの磁場により該超磁歪ロッドが縮小したとき
に、該超磁歪ロッドにより弁体を弁ばねに抗してリフト
させ、前記噴射口からケーシング内の燃料を外部に向け
て噴射させるようにしている。
【0004】また、ケーシングの他端側には、前記超磁
歪ロッドの他端側端面に当接する位置決め部材としての
蓋体を設け、該蓋体により超磁歪ロッドを前記弁体と共
に弁座側に向けて押圧し、前記弁ばねのばね荷重を調整
するようにしている。そして、超磁歪ロッドは電磁コイ
ルからの磁場により縮小変形するときに、前記蓋体から
離間するのを規制され、弁体を弁ばねに抗して確実にリ
フトさせるようになっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ケーシングの一端側に駆動対象物となる弁
体を設け、ケーシングの他端側には蓋体を設け、該蓋体
と弁体との間で超磁歪ロッドをケーシング内で軸方向に
位置決めするようにしているから、超磁歪ロッドの周囲
に設けた電磁コイルが外部からの通電により発熱する
と、このときの熱影響等によって超磁歪ロッドが前記蓋
体と弁体との間で軸方向に熱膨張することがある。そし
て、超磁歪ロッドはケーシングに比較して熱膨張率が大
きく、蓋体はケーシングに一体的に固定されているの
で、超磁歪ロッドは熱膨張時に弁体側に向けて伸びてし
まう。
【0006】このため従来技術では、超磁歪ロッドの熱
膨張によって弁ばねのばね荷重が変化するばかりでな
く、電磁コイルからの磁場によって超磁歪ロッドを変形
させたときに、弁体のリフト量が変化し、噴射流量の特
性等が熱影響によって変動するという問題がある。ま
た、駆動対象物となる弁体を外開き式とし、超磁歪ロッ
ドが伸び変形したときに弁体を開弁させる構成とする
と、超磁歪ロッドの熱膨張により弁体が開弁方向に変位
して弁座から離座することがあり、シール不良等の原因
になるという問題がある。
【0007】本考案は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本考案は超磁歪ロッドが熱膨張したとき
でも、この熱膨張分を確実に吸収でき、特性不良等が発
生するのを効果的に防止できる上に、例えば弁体等の駆
動対象物を安定して駆動できるようにした超磁歪式アク
チュエータを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本考案が採用する構成は、筒状のケーシングと、
該ケーシングの軸方向に伸長して該ケーシング内に設け
られ、該ケーシングの一端側に設けられる駆動対象物を
駆動すべく、磁場がかけられたときに軸方向に伸縮する
超磁歪ロッドと、該超磁歪ロッドの周囲に位置して前記
ケーシング内に設けられ、外部から通電されることによ
り該超磁歪ロッドに磁場をかける電磁コイルと、前記ケ
ーシングの他端側に設けられ、該ケーシング内で前記超
磁歪ロッドを軸方向に位置決めする位置決め手段とから
なる超磁歪式アクチュエータにおいて、前記位置決め手
段は前記超磁歪ロッドの熱膨張による長さ寸法の変化分
を吸収すべく、周囲温度に応じて形状が変化する感温性
変位吸収部材によって構成したことを特徴としている。
【0009】
【作用】上記構成により、電磁コイルの発熱等によって
超磁歪ロッドが軸方向に伸びるように熱膨張したときに
は、このときの周囲温度に応じて感温性変位吸収部材の
形状が変化し、超磁歪ロッドの熱膨張による長さ寸法の
変化分を感温性変位吸収部材の形状変化によって吸収で
き、超磁歪ロッドの熱膨張によりケーシングの一端側で
駆動対象物が変位してしまうのを防止することができ
る。
【0010】
【実施例】以下、本考案の実施例を図1ないし図6に基
づき説明する。
【0011】図1ないし図5は本考案の第1の実施例を
示している。
【0012】図において、1は電磁ステンレス鋼等の磁
性材料により段付円筒状に形成された筒状のケーシング
を示し、該ケーシング1は上、下両端側がカシメ部1
A,1Bとなり、該ケーシング1の内周側にはカシメ部
1A,1B間で軸方向にそれぞれ所定寸法離間して環状
段部1C,1D,1Eが形成されている。
【0013】2はケーシング1の下端側内周に設けられ
たロッドガイドを示し、該ロッドガイド2は耐摩耗性の
高い材料により比較的厚肉の円板状に形成され、その中
心側にはロッド挿通穴2Aが穿設されている。そして、
該ロッドガイド2はケーシング1のカシメ部1Bと環状
段部1Eとの間にカシメ固定され、ケーシング1の下端
側を閉塞している。
【0014】3はケーシング1の下端側に設けられた駆
動対象物としてのプッシュロッドを示し、該プッシュロ
ッド3は、ケーシング1の環状段部1D,1E間でケー
シング1内に摺動可能に挿嵌された円板状のばね受部3
Aと、該ばね受部3Aの下面中央から下向きに突設され
た円柱状のボス部3Bと、該ボス部3Bの下端側から下
向きに伸長し、ロッドガイド2のロッド挿通穴2Aを介
してケーシング1外に突出した小径の軸部3Cとから構
成され、ばね受部3Aの上面側中央には浅底の凹部3D
が形成されている。そして、該プッシュロッド3は凹部
3D内に後述する超磁歪ロッド8の下端が嵌合して取付
けられ、超磁歪ロッド8と一体的に変位するようになっ
ている。
【0015】4はプッシュロッド3のボス部3B周囲に
位置してばね受部3Aとロッドガイド2との間に配設さ
れた付勢手段としての設定ばねを示し、該設定ばね4は
プッシュロッド3のばね受部3Aを介して超磁歪ロッド
8を常時上向きに付勢し、超磁歪ロッド8に初期荷重を
付与している。ここで、プッシュロッド3の軸部3C先
端には、例えば自動車用エンジンの吸気弁または排気弁
の弁体(図示せず)が取付けられ、この弁体は超磁歪ロ
ッド8の伸縮時に開,閉弁される。
【0016】5はケーシング1内に配設された段付円筒
状のコイルボビン、6は該コイルボビン5に巻回された
電磁コイルを示し、該電磁コイル6はコイルボビン5の
上端側に立設された端子ピン7,7に接続され、外部か
らの通電により励磁されて磁場を発生させる。そして、
該電磁コイル6は超磁歪ロッド8に磁場をかけることに
よって、この超磁歪ロッド8を軸方向に伸び変形させ、
プッシュロッド3を前記弁体の開弁方向に駆動する。ま
た、コイルボビン5の内周側には軸方向に伸長する摺動
穴5Aが形成され、該摺動穴5A内には超磁歪ロッド8
が挿通されている。
【0017】8はコイルボビン5の摺動穴5A内に挿通
された超磁歪ロッドを示し、該超磁歪ロッド8は、例え
ばネオジム(Nd)−鉄母合金またはジスプロシウム
(Dy)−鉄、テルビウム(Tb)−鉄母合金等の超磁
歪材料から正の磁歪特性をもった細長い円柱状ロッドと
して形成され、該超磁歪ロッド8は電磁コイル6からの
磁場により、例えば1kOe(キロエルステッド)の磁
場で全長Lに対して1000PPM(1000×1
-6)の比率で軸方向に伸び変形する。また、該超磁歪
ロッド8は、例えば1×10-5/℃程度の熱膨張率α
(線膨張係数)を有し、周囲温度がt℃上昇したときに
全長Lに対して軸方向に寸法△L、
【0018】
【数1】△L=L×α×t だけ熱膨張する。
【0019】ここで、該超磁歪ロッド8は上端側端面が
コイルボビン5の摺動穴5Aから突出して後述のストッ
パ13に当接し、下端側が摺動穴5Aから下向きに突出
してプッシュロッド3の凹部3D内に嵌合されている。
そして、該超磁歪ロッド8は設定ばね4によりプッシュ
ロッド3を介して常時上向きに付勢され、該プッシュロ
ッド3とストッパ13との間でコイルボビン5内に軸方
向に位置決めされている。
【0020】9はコイルボビン5の上端に当接してケー
シング1内に配設されたリテーナを示し、該リテーナ9
は図2、図3に示す如く、ケーシング1の内径に対応す
る外径寸法をもって比較的厚肉の円板状に形成され、そ
の軸方向には略長円形状をなす貫通穴9Aが穿設されて
いる。また、該リテーナ9には貫通穴9Aの径方向一側
にストッパ13用の取付穴9Bが形成され、該取付穴9
Bと径方向で対向する他側には該取付穴9B内にストッ
パ13を差込むための断面コ字形状をなす差込み溝9C
が形成されている。
【0021】そして、該リテーナ9はケーシング1内に
上端側から圧入嵌合され、ケーシング1の環状段部1C
に当接することにより、コイルボビン5を環状段部1D
との間でケーシング1内に位置決めしている。また、該
リテーナ9には図1に示す如く貫通穴9Aの左右方向に
離間して一対の挿通穴9D,9Dが穿設され、該各挿通
穴9D内には前記各端子ピン7が小径筒状の各インシュ
レータ10を介して挿通されている。
【0022】11はリテーナ9上に位置してケーシング
1の上端側に固定された環状の蓋体を示し、該蓋体11
は磁性材料によって形成され、ケーシング1と共に電磁
コイル6の周囲に磁気回路を形成している。また、該蓋
体11には各端子ピン7の周囲に小径筒状のシール部材
12,12が装着され、該各シール部材12は各端子ピ
ン7と蓋体11との間を電気的に絶縁するようになって
いる。そして、該蓋体11はケーシング1内にカシメ部
1Aによってカシメ固定され、環状段部1Cとの間でリ
テーナ9をケーシング1内に位置決めしている。
【0023】さらに、13はケーシング1内で超磁歪ロ
ッド8を軸方向に位置決めする位置決め手段をリテーナ
9と共に構成したストッパを示し、該ストッパ13は図
2に示す如く、熱膨張率の異なる2枚の金属板を積層化
することによりバイメタルとして形成された略長方形状
の平板14,15と、該平板15の先端側下面に一体的
に設けられた略半球形状をなすストッパ突起16とから
なり、平板14,15が図3、図4に示す如く周囲温度
に応じて撓み変形する感温性変位吸収部材を構成してい
る。また、該ストッパ13の平板14,15は基端側端
面14A,15Aがリテーナ9の外径に対応する円弧面
として形成され、先端側端面14B,15Bがリテーナ
9の貫通穴9Aに対応して半円形面として形成され、平
板15の先端側下面からストッパ突起16が下向きに突
出している。
【0024】ここで、該ストッパ13は図2に示す如く
リテーナ9の差込み溝9Cを介して取付穴9B内に平板
14,15の基端側が嵌合固着され、ストッパ突起16
の下面が前記設定ばね4に抗して超磁歪ロッド8をプッ
シュロッド3側に押付けている。そして、該ストッパ1
3は周囲温度に応じて平板14よりも平板15がより大
きく熱膨張することにより、図4に示す如く平板14,
15が上向きに撓み変形して超磁歪ロッド8の熱膨張分
を吸収し、このときに超磁歪ロッド8がプッシュロッド
3を軸方向に変位させるのを防止している。この場合、
周囲温度がt℃上昇したときのストッパ13の撓み量
は、前記数1による超磁歪ロッド8の伸び寸法△Lに対
応し、該ストッパ13は周囲温度が変化したときでも、
設定ばね4からの初期荷重を超磁歪ロッド8に一定の荷
重として作用させるようになっている。
【0025】本実施例による超磁歪式アクチュエータは
上述の如き構成を有するもので、次にその作動について
説明する。
【0026】まず、電磁コイル6に図5中の特性線17
の如く駆動パルスを給電し、該電磁コイル6により超磁
歪ロッド8に磁場をかけると、該超磁歪ロッド8はこの
ときの磁場の強さに応じて伸び変形し、設定ばね4に抗
してプッシュロッド3を図5に示す特性線18の如きリ
フト量をもって下向きにリフトさせ、例えば該プッシュ
ロッド3の軸部3C先端に設けられる吸気弁または排気
弁の弁体を開弁方向に駆動する。この場合、超磁歪ロッ
ド8の上端側端面はストッパ13のストッパ突起16に
当接し、上向きの変位が規制されているので、超磁歪ロ
ッド8は下向きに伸び変形し、プッシュロッド3を設定
ばね4に抗して弁体の開弁方向に駆動する。
【0027】ところで、超磁歪ロッド8は電磁コイル6
の発熱等によって熱膨張し、該超磁歪ロッド8の全長L
は図4に示す如く、例えば周囲温度がt℃上昇したとき
に該超磁歪ロッド8の上端側端面が前記数1による寸法
△Lだけ軸方向に変位する。この場合、超磁歪ロッド8
の上端側端面をストッパ13に替えて、従来技術で述べ
た如く蓋体等を介してケーシング1に固定すると、超磁
歪ロッド8の熱膨張率αはケーシング1の熱膨張率より
も大きいから、超磁歪ロッド8は熱膨張による上向きの
伸びが規制され、下向きに伸びてしまう。
【0028】そして、超磁歪ロッド8が下向きに熱膨張
すると、これによりプッシュロッド3が下向きに押動さ
れ、最悪の場合にはプッシュロッド3が前記吸気弁また
は排気弁の弁体を弁座(図示せず)から離座させてシー
ル不良の原因となる。また、駆動パルスを電磁コイル6
に給電して超磁歪ロッド8を伸び変形させるときには、
超磁歪ロッド8の熱膨張分が伸び量に加算され、プッシ
ュロッド3は図5中に仮想線で示す特性線19の如くリ
フト量の特性が変化してしまう。
【0029】そこで、本実施例では、ケーシング1内で
超磁歪ロッド8を軸方向に位置決めするストッパ13
を、熱膨張率の異なる2枚の金属板からなる略長方形状
の平板14,15を積層化したバイメタルとして形成
し、該平板14,15を図3、図4に示す如く周囲温度
に応じて撓み変形させ、超磁歪ロッド8の熱膨張分を吸
収すると共に、平板15の先端側下面に一体に設けたス
トッパ突起16により設定ばね4に抗して超磁歪ロッド
8をプッシュロッド3側に常時押付けるようにしてい
る。
【0030】これにより、超磁歪ロッド8が図4に示す
如く寸法△Lだけ熱膨張したときには、ストッパ13が
このときの伸び寸法△Lに対応する撓み量をもって上向
きに撓み変形するから、ストッパ13のストッパ突起1
6側で超磁歪ロッド8の熱膨張分を吸収して相殺でき、
超磁歪ロッド8の熱膨張による上向きの伸びを許し、下
向きの伸びを防止できる。
【0031】従って、本実施例によれば、超磁歪ロッド
8の熱膨張によってプッシュロッド3のリフト量が変化
するのを効果的に防止でき、プッシュロッド3を図5中
の特性線18の如く正規のリフト量で駆動させ、弁体の
閉弁時にシール不良等の問題が発生するのを解消でき
る。また、設定ばね4のばね荷重が超磁歪ロッド8の熱
膨張によって変化するのを防止でき、超磁歪ロッド8に
一定の初期荷重を付与し続けることができる。
【0032】次に、図6は本考案の第2の実施例を示
し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとするに、
本実施例の特徴は、コイルボビン5内で超磁歪ロッド2
1を軸方向に位置決めする位置決め手段を、ケーシング
1の環状段部1Cを介して該ケーシング1内にコイルボ
ビン5と蓋体11との間で嵌合固着されたスペーサ22
と、該スペーサ22と超磁歪ロッド21との間に介装さ
れた感温性変位吸収部材としてのストッパ23とから構
成したことにある。
【0033】ここで、超磁歪ロッド21は前記第1の実
施例で述べた超磁歪ロッド8とほぼ同様に構成されてい
るものの、該超磁歪ロッド21はコイルボビン5の摺動
穴5A内に完全に収納される軸方向長さをもって形成さ
れている。また、スペーサ22は前記第1の実施例で述
べたリテーナ9に替えて用いられ、各インシュレータ1
0を介して各端子ピン7が挿嵌されているものの、該ス
ペーサ22にはその下面中央にコイルボビン5の摺動穴
5A内に嵌合する嵌合突起22Aが一体形成されてい
る。
【0034】そして、ストッパ23は周囲温度に応じて
硬さが変化することにより弾性変形可能となる感温性材
料、例えばナイロン系の樹脂材料等からコイルボビン5
の摺動穴5Aよりも小径の円柱状に形成され、超磁歪ロ
ッド21の熱膨張時に該超磁歪ロッド21の上端側端面
とスペーサ22の嵌合突起22Aとの間で圧縮変形され
ることにより、超磁歪ロッド21の熱膨張分を吸収する
ようになっている。
【0035】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、ストッパ23を感温
性を有するナイロン系の樹脂材料等から単純な形状に形
成でき、組立時の作業性等を簡略化することができる。
【0036】なお、前記各実施例では、超磁歪ロッド8
(21)を正の磁歪特性をもった超磁歪材料によって形
成するものとして述べたが、本考案はこれに限らず、例
えば超磁歪ロッドを負の磁歪特性をもった超磁歪材料に
よって形成し、この超磁歪ロッドに磁場がかけられたと
きに駆動対象物としてのプッシュロッド3等を所望のリ
フト量をもって駆動する構成としてもよい。
【0037】また、前記各実施例では、超磁歪式アクチ
ュエータをエンジンの吸気弁または排気弁等に適用した
場合を例に挙げて説明したが、本考案はこれに限らず、
例えば内開き式または外開き式の超磁歪式噴射弁等に適
用してもよく、この場合には駆動対象物となるニードル
弁体やポペット弁体等に超磁歪ロッドの一端側を取付け
るようにすればよい。また、ディスクブレーキ等に適用
してもよく、この場合には超磁歪ロッドの伸縮変形を摩
擦パッドに伝えてディスクに制動力を付与する構成とす
ればよい。
【0038】
【考案の効果】以上詳述した通り本考案によれば、ケー
シング内で超磁歪ロッドを軸方向に位置決めする位置決
め手段を、周囲温度に応じて形状が変化する感温性変位
吸収部材によって形成し、超磁歪ロッドの熱膨張による
長さ寸法の変化分を吸収する構成としたから、超磁歪ロ
ッドが電磁コイルの発熱等によって熱膨張したときで
も、感温性変位吸収部材によって超磁歪ロッドの熱膨張
分を吸収でき、特性不良等の発生を効果的に防止できる
上に、駆動対象物となるプッシュロッドや弁体等ののリ
フト量が超磁歪ロッドの熱膨張によって変化するのを防
止でき、シール不良等の発生もなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例による超磁歪式アクチュ
エータを示す縦断面図である。
【図2】図1に示すリテーナおよびストッパの分解斜視
図である。
【図3】図1中の矢示III-III 方向拡大断面図である。
【図4】ストッパの撓み変形時を示す図3と同様の断面
図である。
【図5】駆動パルスと弁体のリフト量とを示す特性線図
である。
【図6】第2の実施例による超磁歪式アクチュエータを
示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 ロッドガイド 3 プッシュロッド(駆動対象物) 4 設定ばね(付勢手段) 5 コイルボビン 6 電磁コイル 8,21 超磁歪ロッド 9 リテーナ(位置決め手段) 13,23 ストッパ(感温性変位吸収部材) 22 スペーサ(位置決め手段) L 全長(長さ寸法)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 41/12 F02M 51/00 F02M 51/06 H02N 2/00

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のケーシングと、該ケーシングの軸
    方向に伸長して該ケーシング内に設けられ、該ケーシン
    グの一端側に設けられる駆動対象物を駆動すべく、磁場
    がかけられたときに軸方向に伸縮する超磁歪ロッドと、
    該超磁歪ロッドの周囲に位置して前記ケーシング内に設
    けられ、外部から通電されることにより該超磁歪ロッド
    に磁場をかける電磁コイルと、前記ケーシングの他端側
    に設けられ、該ケーシング内で前記超磁歪ロッドを軸方
    向に位置決めする位置決め手段とからなる超磁歪式アク
    チュエータにおいて、前記位置決め手段は前記超磁歪ロ
    ッドの熱膨張による長さ寸法の変化分を吸収すべく、周
    囲温度に応じて形状が変化する感温性変位吸収部材によ
    って構成したことを特徴とする超磁歪式アクチュエー
    タ。
JP1992052464U 1992-07-02 1992-07-02 超磁歪式アクチュエータ Expired - Lifetime JP2588214Y2 (ja)

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