JP3090569B2 - 超磁歪式アクチュエータ - Google Patents

超磁歪式アクチュエータ

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JP3090569B2
JP3090569B2 JP06035282A JP3528294A JP3090569B2 JP 3090569 B2 JP3090569 B2 JP 3090569B2 JP 06035282 A JP06035282 A JP 06035282A JP 3528294 A JP3528294 A JP 3528294A JP 3090569 B2 JP3090569 B2 JP 3090569B2
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祐一 細川
一光 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば超磁歪式噴射弁
や開閉弁等に好適に用いられる超磁歪式アクチュエータ
に関し、特に、熱膨張により特性が変化するのを防止で
きるようにした超磁歪式アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、筒状のケーシングと、該ケーシ
ングの一端側に設けられる駆動対象物を駆動すべく、該
ケーシング内に軸方向に伸長して設けられ、一端側が前
記駆動対象物に取付けられる超磁歪シャフトと、該超磁
歪シャフトの周囲に位置して前記ケーシング内に設けら
れ、該超磁歪シャフトに磁場をかけることにより、該超
磁歪シャフトを軸方向に伸縮させる電磁コイルとからな
る超磁歪式アクチュエータを用いた燃料噴射弁は、例え
ば特開平3−243174号公報等によって知られてい
る。
【0003】この種の従来技術による燃料噴射弁では、
ケーシングの一端側に燃料の噴射口を有する弁座を設
け、該弁座に駆動対象物となる外開き式の弁体を着座さ
せるべく、該弁体を弁ばねにより常時閉弁方向に付勢す
ると共に、超磁歪シャフトの一端側を弁体に固着し、電
磁コイルからの磁場により該超磁歪シャフトが伸長した
ときに、該超磁歪シャフトにより弁体を弁ばねに抗して
リフトさせ、前記噴射口からケーシング内の燃料を外部
に向けて噴射させるようにしている。
【0004】また、ケーシングの他端側には、前記超磁
歪シャフトの他端側端面に当接する蓋体を設け、該蓋体
により超磁歪シャフトを前記弁体と共に弁座側に向けて
押圧し、前記弁ばねのばね荷重を調整するようにしてい
る。そして、超磁歪シャフトは電磁コイルからの磁場に
より縮小変形するときに、前記蓋体から離間するのを規
制され、弁体を弁ばねに抗して弁座から確実にリフトさ
せることができるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による燃料噴射弁では、ケーシングの一端側に駆
動対象物となる弁体を設け、ケーシングの他端側には蓋
体を設け、該蓋体と弁体との間で超磁歪シャフトをケー
シング内に位置決めするようにしているから、超磁歪シ
ャフトの周囲に設けた電磁コイルが外部からの給電によ
り発熱すると、このときの熱影響等によって超磁歪シャ
フトが前記蓋体と弁体との間で軸方向に熱膨張すること
がある。そして、蓋体はケーシングに一体的に固定され
ているので、超磁歪シャフトは熱膨張時に弁体側に向け
て伸びてしまい、超磁歪シャフトの熱膨張により弁体が
開弁方向に変位して弁座から離座することがあり、シー
ル不良等の原因になるという問題がある。
【0006】そこで、本出願人は先の特願平4−143
175号(以下、先行技術という)において、有底筒状
のシャフトカバーを超磁歪シャフトと電磁コイルとの間
に設け、該シャフトカバーの開口部側をケーシングの一
端側に固定し、シャフトカバーの底部が超磁歪シャフト
の基端部を保持した状態でケーシングの他端側に熱膨張
できる構成とした超磁歪式アクチュエータを提案した。
【0007】この先行技術による超磁歪式アクチュエー
タでは、シャフトカバーを超磁歪シャフトの熱膨張率に
対応する熱膨張率をもった非磁性材料により筒状に形成
し、筒状部の長さ寸法を超磁歪シャフトの全長に対応さ
せ、底部に設けたストッパ部に超磁歪シャフトの基端側
端面を押付け、超磁歪シャフトの位置決めを行うことに
より、超磁歪シャフトが熱膨張したときには、シャフト
カバーの筒状部も同様に熱膨張するから、シャフトカバ
ーのストッパ部側で超磁歪シャフトの熱膨張分を吸収し
て相殺できるようになっている。
【0008】然るに、上述した先行技術による超磁歪式
アクチュエータでは、シャフトカバーが超磁歪シャフト
よりも電磁コイルに近い位置に配設されるため、該電磁
コイルの発熱によってシャフトカバーが超磁歪シャフト
よりも先に熱膨張することがあり、この場合には超磁歪
シャフトの先端が弁体の押圧部から離れてしまい、超磁
歪シャフトを電磁コイルからの磁場で駆動しても、弁体
のリフト量が減少してしまうことになる。
【0009】本発明は上述した先行技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、周囲温度の上昇によって超磁
歪シャフトやシャフトカバーが熱膨張しても、駆動対象
物の変位量が過小となるのを防止でき、所定以上の変位
量を確保できるようにした超磁歪式アクチュエータを提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による超磁歪式アクチュエータは、筒状のケ
ーシングと、該ケーシング内に軸方向に伸長して設けら
れ、外側から磁場が作用したときに伸縮する超磁歪シャ
フトと、該超磁歪シャフトによって軸方向に駆動すべ
く、前記ケーシングの一端側に変位可能に設けられ、該
超磁歪シャフトの一端側に微小な一側ギャップを介して
対面した駆動対象物と、前記超磁歪シャフトを軸方向に
亘って収納する長さ寸法をもって筒状に形成され、開口
端となる一端側が前記ケーシングに固定され、閉塞端と
なる他端側が前記超磁歪シャフトの他端側に係合するシ
ャフトカバーと、該シャフトカバーとケーシングとの間
に設けられ、前記超磁歪シャフトに磁場を作用させる電
磁コイルと、前記ケーシングの他端側に設けられ、前記
シャフトカバーが熱膨張するのを規制すべく、前記シャ
フトカバーの閉塞端に微小な他側ギャップを介して対面
した規制部材とからなり、前記シャフトカバーは前記超
磁歪シャフトに熱膨張率が近似した材料によって形成
し、前記規制部材側の他側ギャップは前記駆動対象物側
の一側ギャップよりも大きなギャップ寸法をもって形成
する構成している。
【0011】また、請求項2の発明によると、前記駆動
対象物は前記ケーシング外に突出する外開き式の弁体に
よって構成し、該弁体を前記超磁歪シャフトの伸縮によ
って開,閉弁する構成としている。
【0012】また、請求項3の発明は、前記ケーシング
と超磁歪シャフトとの間に加圧流体の流路を形成し、こ
の流体を前記弁体の開,閉によってケーシング外に吐出
させる構成としている。
【0013】
【0014】
【作用】上記構成により、電磁コイルの発熱等によって
超磁歪シャフトが軸方向に伸びるように熱膨張したとき
には、これに対応してシャフトカバーも軸方向他端側に
熱膨張するようになり、この熱膨張分をシャフトカバー
の他端側の他側ギャップで相殺するように吸収すること
ができる。また、シャフトカバーが超磁歪シャフトより
先に大きく熱膨張した場合には、シャフトカバーが他側
ギャップ分だけ熱膨張したときに該シャフトカバーの閉
塞端が規制部材に当接し、シャフトカバーがそれ以上過
大に他端側に移動するのを防止できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図6に基
づき、超磁歪式噴射弁を例に挙げて説明する。
【0016】図において、1は電磁ステンレス鋼等の磁
性材料により段付円筒状に形成された筒状のケーシング
を示し、該ケーシング1は上,下両端側がカシメ部1
A,1Bとなり、内周側には該カシメ部1Bから所定寸
法上側に位置して環状突起1Cが設けられている。ま
た、該ケーシング1の上端側は薄肉に形成され、後述す
る規制部材17を蓋体15と共に位置決めするための環
状段部1Dが内周側に形成されている。さらに、前記環
状突起1Cと環状段部1Dとの間には燃料の流通穴1
E,1Eが径方向に穿設され、該各流通穴1Eは燃料配
管等を介して燃料ポンプ(いずれも図示せず)からの燃
料をケーシング1内に流通させるようになっている。
【0017】2はケーシング1の一部をなし、該ケーシ
ング1の下部内周側に設けられた有底筒状のバルブガイ
ドを示し、該バルブガイド2は、ケーシング1の内径に
対応する外径をもって円筒状に形成されたスペーサ筒3
と、該スペーサ筒3の下端側に設けられた後述する弁座
部材4とから大略構成されている。
【0018】4はケーシング1の下端側に設けられた弁
座部材を示し、該弁座部材4の上側中央には筒状突部4
Aが突出形成され、該筒状突部4Aの内周側は軸方向に
伸長する段付きの弁軸挿通穴4Bとなっている。また、
筒状突部4Aには径方向外側から弁軸挿通穴4Bに向け
て斜め下向きに燃料流入孔4C,4Cが穿設され、該各
燃料流入孔4Cからの燃料は後述の弁軸5Aと弁軸挿通
孔4Bとの間の隙間を介して後述の弁座部4E側に流入
する。なお、筒状突部4Aの周囲には環状の保持溝4D
が形成されている。
【0019】一方、弁座部材4の下面側には、弁軸挿通
孔4Bの下端側に位置して弁座部4Eが形成されてい
る。そして、前記バルブガイド2はケーシング1内に下
端側から嵌合され、スペーサ筒3の上端を後述するスト
ッパ筒11のフランジ部11Dを介して環状突起1Cに
当接させた状態で、弁座部材4の外周側下面をカシメ部
1Bで固定することにより、ケーシング1内に一体化さ
れている。
【0020】5は前記弁座部材4に軸方向に変位可能に
設けられた駆動対象物としての外開き式の弁体を示し、
該弁体5は、弁座部材4の弁軸挿通穴4B内を軸方向に
伸長する弁軸5Aと、該弁軸5Aの上端側に固着された
円板状のばね受板5Bと、前記弁軸5Aの下端側に一体
形成された半球形状の弁部5Cとから大略構成されてい
る。そして、該弁体5は弁軸5Aが弁座部材4の弁軸挿
通穴4B内に挿通され、弁部5Cの球面状をなす上面側
が弁座部4Eに離,着座する。また、該弁体5のばね受
板5Bと弁座部材4の保持溝4Dとの間には、筒状突部
4Aの周囲に位置して弁ばね6が配設され、該弁ばね6
は弁体5を常時上向きに閉弁方向へと付勢している。そ
して、弁体5が後述の超磁歪シャフト10により弁ばね
6に抗して開弁されるときには、バルブガイド2内の燃
料が筒状突部4Aの各燃料流入孔4Cを介して弁座部4
Eと弁部5Cとの間から外部に向けて噴射される。
【0021】7はバルブガイド2内に移動可能に設けら
れたばね受部材を示し、該ばね受部材7は中央の下側に
筒状凸部7Aが突設され、該筒状凸部7Aの径方向外側
には鍔状のばね受部7Bが形成されている。また、該ば
ね受部7Bには上下方向に燃料の流通孔7C,7C,…
が穿設されている。そして、該ばね受部材7の上側には
筒状凸部7A内にスぺーサ8を介して超磁歪シャフト1
0の下端側が当接し、該筒状凸部7Aの下端側は微小
(5μm前,後)な一側ギャップGa を介して前記弁体
5の弁軸5Aと対面し、超磁歪シャフト10の熱膨張時
等に弁部5Cが弁座部4Eから不用意に離座してしまう
のを防止している。ここで、スぺーサ8は磁性材料によ
り所要の厚みをもって円柱状に形成され、例えば超磁歪
シャフト10との合計寸法を調整することによって一側
ギャップGa の寸法を合わせるようになっている。
【0022】9はばね受部材7の筒状凸部7A周囲に位
置して、ばね受部材7とバルブガイド2の弁座部材4と
の間に配設された設定ばねを示し、該設定ばね9は超磁
歪シャフト10をばね受部材7等を介して常時上向きに
付勢することにより、超磁歪シャフト10に初期荷重を
付与している。
【0023】10はケーシング1内の中心部に軸方向に
伸長して設けられた超磁歪シャフトを示し、該超磁歪シ
ャフト10は、例えばネオジム(Nd)−鉄母合金また
はジスプロシウム(Dy)−鉄、テルビウム(Tb)−
鉄母合金等の超磁歪材料から細長い円柱形状をなすロッ
ドとして形成され、後述する電磁コイル12からの磁場
により、例えば常温(25℃)下では1kOe(キロエ
ルステッド)の磁場で全長Lに対して1000PPM
(1000×10-6)の比率で軸方向に伸び変形する。
【0024】また、該超磁歪シャフト10は1×10-5
/℃程度の熱膨張率α(線膨張係数)を有し、周囲温度
が1℃上昇する毎に全長Lに対して、軸方向に寸法(L
×α)だけ熱膨張する。さらに、該超磁歪シャフト10
の伸び(変形)量は図2に示す特性線aの如く、周囲温
度が1℃上昇する毎に約3PPMずつ減少する。例え
ば、超磁歪シャフト10は常温下に於ける全長Lを60
mmとした場合に、25℃では60μmの伸び量を有す
るが、100℃では46.5μmまで減少してしまう。
そして、該超磁歪シャフト10は後述するコイルボビン
13の摺動穴13A内にストッパ筒11を介して挿通さ
れている。
【0025】11はコイルボビン13の摺動穴13A内
に超磁歪シャフト10と共に挿嵌されたシャフトカバー
としてのストッパ筒を示し、該ストッパ筒11は超磁歪
シャフト10に近似する熱膨張率αをもった非磁性の金
属材料またはセラミック材料等により、前記超磁歪シャ
フト10を軸方向に亘って収納する長さ寸法をもって細
長い筒状に形成されている。そして、ストッパ筒11は
筒状部11Aの上端側が閉塞端となり、下面側が平坦な
当接面11Bとなった円板状のストッパ部11Cがロー
付等の手段により固着されている。そして、該ストッパ
筒11のストッパ部11Cは当接面11Bが前記超磁歪
シャフト10の上端側端面10Aに係合している。
【0026】一方、該ストッパ筒11の開口端側となる
筒状部11Aの下端側には径方向外向きに突出する大径
のフランジ部11Dが一体形成され、該フランジ部11
Dの外周側はケーシング1の環状突起1Cとバルブガイ
ド2のスペーサ筒3上端との間で挟持され、ケーシング
1に固定されている。また、該フランジ部11Dには、
前記ばね受部部材7の各流通孔7Cに対向する部位に上
下方向の流通孔11E,11E,…が穿設されている。
【0027】ここで、前記超磁歪シャフト10は上端側
端面10Aがストッパ筒11のストッパ部11Cに当接
して軸方向に位置決めされ、下端側がストッパ筒11の
開口端側から僅かに下向きに突出し、スぺーサ8を介し
てばね受部材7の筒状凸部7A内に嵌合されている。そ
して、超磁歪シャフト10は設定ばね9によりばね受部
材7を介して常時上向きに付勢され、その上端側がスト
ッパ筒11のストッパ部11Cに押付けられている。
【0028】12は前記ストッパ筒11とケーシング1
の間に設けられた電磁コイルを示し、該電磁コイル12
は鍔付円筒状のコイルボビン13に巻回され、コイルボ
ビン13の上端側に立設された端子ピン14,14を介
して外部から給電されることにより励磁される。そし
て、該電磁コイル12は超磁歪シャフト10に磁場を作
用させることにより、該超磁歪シャフト10を軸方向に
伸縮変形させ、弁体5を開閉弁方向に駆動する。また、
コイルボビン13の内周側には軸方向に伸長する摺動穴
13Aが形成され、該摺動穴13A内には前記ストッパ
筒11が挿嵌されている。
【0029】15はカシメ部1Aに当接してケーシング
1内の上端側に配設された蓋体を示し、該蓋体15は磁
性材料によって厚肉の円板状に形成され、後述の規制部
材17と共に磁路を形成している。ここで、該蓋体15
には各端子ピン14の周囲に小径筒状の絶縁部材16,
16が装着され、該各絶縁部材16は各端子ピン14と
蓋体15との間を絶縁し、ケーシング1の内部の燃料が
外部に漏れるのを防止している。
【0030】17は前記蓋体15の下端に当接して設け
られた規制部材を示し、該規制部材17は大略円板状に
形成され、該規制部材17の中央には下向きに円柱状の
突起部17Aが突出形成されている。そして、該規制部
材17は前記蓋体15と共に環状段部1Dとカシメ部1
Aとの間に固定され、このとき該規制部材17の突起部
17Aは前記ストッパ筒11のストッパ部11Cに、前
記一側ギャップGa よりも大きな微小な他側ギャップG
b (25μm前,後)を介して対面するようになってい
る。
【0031】本実施例による超磁歪式噴射弁は以上の如
く構成されるもので、次に、常温(25℃)下で全長L
=60mmの超磁歪シャフト10を用い、常温から10
0℃の温度範囲に亘って弁体5を最低限のリフト量Hm
(40μm)以上で駆動する場合の動作を説明する。
【0032】まず、常温下で電磁コイル12に図3中の
特性線18の如く噴射パルスを給電し、該電磁コイル1
2により超磁歪シャフト10に磁場をかけると、該超磁
歪シャフト10は上端側端面10Aがストッパ筒11の
ストッパ部11Cに当接して上向きの変位が規制されて
いるので、超磁歪シャフト10は下向きに60μm伸び
変形し、ばね受部材7をスーペサ8を介して下向きに変
位させる。この結果、弁体5は図4に示す如く、弁部5
Cを設定ばね9および弁ばね6に抗して弁座部4Eから
離座させ、バルブガイド2内の燃料を弁座部4Eと弁部
5Cとの間から外部に向けて噴射させる。この場合、弁
体5のリフト量は、超磁歪シャフト10の伸び(変形)
量60μmから一側ギャップGa (5μm前,後)の値
を差引いた55μm前,後となる(図2参照)。
【0033】ここで、弁体5は外開き式の構成であるか
ら、当該超磁歪式噴射弁を筒内直接噴射式の噴射弁とし
て用いた場合に、燃焼室(図示せず)内の圧力が弁体5
に外部から作用したときでも、弁体5は弁座部4Eに押
付けられて着座し続け、電磁コイル12に噴射パルスを
給電するまでは弁体5が不用意に開弁するのを防止でき
る。
【0034】また、超磁歪シャフト10の上端側端面1
0Aをストッパ筒11のストッパ部11Cに替えて、蓋
体等を介してケーシング1に固定した場合には、ケーシ
ング1は燃料や外気に直接接触して冷却されるのに対
し、超磁歪シャフト10は電磁コイル12によって温度
上昇が大きいので、該超磁歪シャフト10の熱膨張はケ
ーシング1の熱膨張よりも大きくなり、該超磁歪シャフ
ト10はストッパ部11Cによって上向きの伸びが規制
され、熱膨張で下向きに伸びてしまう。そして、超磁歪
シャフト10が下向きに熱膨張すると、これにより弁体
5が下向きに押動され、最悪の場合には弁体5の弁部5
Cが弁座部4Eから離座してシール不良の原因となった
り、弁体5を開弁させるときに超磁歪シャフト10の熱
膨張分が加算され、弁体5のリフト量が正規のリフト量
よりも過大となってしまう。
【0035】そこで、本実施例では、ストッパ筒11を
超磁歪シャフト10の熱膨張率αに近似する熱膨張率を
もった非磁性材料により筒状に形成し、筒状部11Aの
長さ寸法を超磁歪シャフト10の全長Lに対応させ、ス
トッパ部11Cに超磁歪シャフト10の上端側端面10
Aを押付け、該超磁歪シャフト10の位置決めを行うよ
うにしている。これにより、超磁歪シャフト10が熱膨
張したときには、ストッパ筒11の筒状部11Aも同様
に熱膨張するから、ストッパ筒11のストッパ部11C
側で超磁歪シャフト10の熱膨張分を吸収して相殺で
き、超磁歪シャフト10の熱膨張による上向きの伸びを
許し、下向きの伸びを防止できる。
【0036】しかし、ストッパ筒11は超磁歪シャフト
10よりも電磁コイル12に近い位置に配設されている
ため、該電磁コイル12の発熱によってストッパ筒11
が超磁歪シャフト10よりも先に、図2中の特性線b′
の如く熱膨張することがある。そして、この場合には超
磁歪シャフト10が設定ばね9により弁体5のリフト方
向とは逆向きに押動され、一側ギャップGa が図2中の
特性線Cの如く増大するから、超磁歪シャフト10を電
磁コイル12からの磁場で駆動しても、弁体5のリフト
量が図3中の特性線19(図2中の特性線d)の如く減
少してしまうことになる。
【0037】そこで、ストッパ筒11のストッパ部11
Cと規制部材17の突起部17Aとの間に一側ギャップ
Ga よりも大きな25μm前,後の隙間からなる他側ギ
ャップGb を形成し、電磁コイル12の発熱によってス
トッパ筒11が超磁歪シャフト10よりも先に熱膨張し
ても、他側ギャップGb として設けた隙間25μmを限
度としてストッパ筒11のストッパ部11Cが上向きに
伸びるのを許しつつ、ストッパ筒11の熱膨張が25μ
mに達したときには、これ以上の熱膨張を規制部材17
の突起部17Aで規制する。
【0038】即ち、他側ギャップGb は図2に示す特性
線bの如くストッパ筒11の熱膨張(特性線b′)に応
じて25μm前,後から漸次減少する。このとき、超磁
歪シャフト10の上端側端面10Aはストッパ筒11の
熱膨張分だけ、図1中の上方へ移動することによって、
一側ギャップGa は図2に示す特性線Cの如く、常温下
の設定値5μmから漸次増加する。
【0039】そして、周囲温度が70度前,後に達して
図5に示す如く、ストッパ筒11のストッパ部11Cが
規制部材17の突起部17Aに当接すると、他側ギャッ
プGb は図2中の特性線bのように零となり、このとき
一側ギャップGa は図2に示す如く最大となって、弁体
5のリフト量は特性線dの如く40μm前,後まで減少
することになる。
【0040】さらに、周囲温度が70℃よりもさらに上
昇したときには、他側ギャップGbは零のままで、スト
ッパ筒11の熱膨張による伸びは規制部材17により規
制されているから、超磁歪シャフト10自身の熱膨張に
より一側ギャップGaは減少し始めるものの、周囲温度
が100℃以上に上昇するまでは一側ギャップGa が図
6に示す如く零となることはない。そして、ストッパ筒
11と超磁歪シャフト10とは通常、70℃前,後の温
度下で熱平衡に達し、両者の温度が均一となった場合に
は、一側ギャップGa の減少と超磁歪シャフト10の伸
び量(図2中の特性線a)とを合わせて、弁体5のリフ
ト量を図3に示す最低限のリフト量Hm(40μm)以
上として確保することができる。
【0041】かくして、本実施例によれば、常温から1
00℃までの温度範囲で弁体5を40μm以上のリフト
量をもって駆動でき、超磁歪シャフト10が熱膨張して
弁体5が閉弁シール不良となったり、ストッパ筒11が
超磁歪シャフト10よりも先に熱膨張して弁体5のリフ
ト量が40μm以下まで低下するという問題を解消でき
る。
【0042】なお、前記実施例では、一側ギャップGa
を5μm前,後とし、他側ギャップGb を25μm前,
後にするものとして述べたが、これに替えて、一側ギャ
ップGa を5μm以下とし、他側ギャップGb を15〜
25μm程度としてもよい。
【0043】また、前記実施例では、外開き式の弁体5
を用いた超磁歪式噴射弁を例に挙げて説明したが、本発
明はこれに限らず、例えば特開平3−243174号公
報に記載のように内開き式の弁体を用いた超磁歪式噴射
弁に適用してもよく、この場合には磁場がかけられたと
きに軸方向に縮小変形する超磁歪シャフトを用いればよ
い。
【0044】さらに、本発明の超磁歪式アクチュエータ
は超磁歪式噴射弁に適用したものに限らず、例えば電磁
式開閉弁等の電磁ソレノイドに替えて当該超磁歪式アク
チュエータを用いてもよく、この場合には駆動対象物と
なるスプール弁体やポペット弁体等に超磁歪シャフトの
一端側を一側ギャップGa を介して取付けるようにすれ
ばよい。また、ディスクブレーキ等に適用してもよく、
この場合には超磁歪シャフトの伸縮変形を摩擦パッドに
伝えてディスクに制動力を付与する構成とすればよい。
【0045】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の
明によれば、電磁コイルと超磁歪シャフトとの間には、
開口端となる一端側がケーシングに固定され、閉塞端と
なる他端側が超磁歪シャフトの他端側に係合するシャフ
トカバーを設け、該シャフトカバーを前記超磁歪シャフ
トに熱膨張率が近似した材料によって形成すると共に、
前記ケーシングの他端側には該シャフトカバーの閉塞端
が熱膨張するのを規制する微小な他側ギャップを介して
対面する規制部材を設け、該規制部材側の他側ギャップ
は駆動対象物側の一側ギャップよりも大きなギャップ寸
法をもって形成する構成としたから、電磁コイルの発熱
等によって超磁歪シャフトが軸方向に伸びるように熱膨
張したときに、これに対応してシャフトカバーも軸方
向他端側に熱膨張させることにより、この熱膨張分を
シャフトカバー他端側で他側ギャップによって相殺
するように吸収することができる。また、シャフトカバ
ーが超磁歪シャフトより先に大きく熱膨張した場合で
も、シャフトカバーが他側ギャップ分だけ熱膨張したと
きに該シャフトカバーの閉塞端が規制部材に当接するか
ら、シャフトカバーがそれ以上過大に他端側に移動する
のを防止できる。
【0046】かくして、超磁歪シャフトが電磁コイルの
発熱等によって熱膨張したときや、シャフトカバーが時
間差をもって超磁歪シャフトより先に熱膨張したときで
も、シャフトカバーの熱膨張によって超磁歪シャフトの
熱膨張分を相殺できると共に、駆動対象物の変位量が過
小となるのを防止でき、少なくとも最低限の変位量を確
保して信頼性を大幅に向上させることができる。
【0047】また、請求項2に記載の発明は、駆動対象
物をケーシング外に突出する外開き式の弁体とし、該弁
体を超磁歪シャフトの伸縮によって開,閉弁する構成と
しているため、超磁歪式噴射弁を筒内直接噴射式の噴射
弁として用いた場合に、燃焼室内の圧力が弁体に外部か
ら作用したときでも、電磁コイルに給電するまでは弁体
が不用意に開弁するのを防止できる。そして、超磁歪式
噴射弁等に適用したときには、外開き式の弁体のリフト
量が熱膨張によって過小となるのを防止でき、例えば4
0μm以上のリフト量を確保できると共に、シール不良
等の発生をなくすことができる。さらに、請求項3に記
載の発明は、ケーシングと超磁歪シャフトとの間に加圧
流体の流路を形成し、この流体を弁体の開,閉によって
ケーシング外に吐出させる構成としているため、この流
体によってケーシング内を冷却でき、弁体の開,閉によ
って流体をケーシング外に吐出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による超磁歪式噴射弁を示す縦
断面図である。
【図2】磁界による超磁歪シャフトの伸び量、一側ギャ
ップ、他側ギャップおよび弁体のリフト量と周囲温度と
の関係を示す特性線図である。
【図3】噴射パルスと弁体のリフト量とを示す特性線図
である。
【図4】超磁歪式噴射弁が開弁した状態を示す図1と同
様の縦断面図である。
【図5】ストッパ筒が熱膨張して閉塞端が規制部材に当
接した状態を示す図1と同様の縦断面図である。
【図6】ストッパ筒および超磁歪シャフトが熱膨張し、
一側ギャップが減少した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 バルブガイド 5 弁体(駆動対象物) 5A 弁軸 10 超磁歪シャフト 11 ストッパ筒(シャフトカバー) 12 電磁コイル 17 規制部材 17A 突起部 Ga 一側ギャップ Gb 他側ギャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−22571(JP,A) 特開 平5−312118(JP,A) 特開 平5−288206(JP,A) 実開 平6−9160(JP,U) 実開 平6−9163(JP,U) 実開 平6−9164(JP,U) 実開 平6−50367(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のケーシングと、該ケーシング内に
    軸方向に伸長して設けられ、外側から磁場が作用したと
    きに伸縮する超磁歪シャフトと、該超磁歪シャフトによ
    って軸方向に駆動されるように、前記ケーシングの一端
    側に変位可能に設けられ、該超磁歪シャフトの一端側に
    微小な一側ギャップを介して対面した駆動対象物と、前
    記超磁歪シャフトを収納すべく軸方向に伸長し、開口端
    となる一端側が前記ケーシングに固定され、閉塞端とな
    る他端側が前記超磁歪シャフトの他端側に係合するシャ
    フトカバーと、該シャフトカバーとケーシングとの間に
    設けられ、前記超磁歪シャフトに磁場を作用させる電磁
    コイルと、前記ケーシングの他端側に設けられ、前記シ
    ャフトカバーが熱膨張するのを規制すべく、前記シャフ
    トカバーの閉塞端に微小な他側ギャップを介して対面し
    た規制部材とからなり、 前記シャフトカバーは前記超磁歪シャフトに熱膨張率が
    近似した材料によって形成し、前記規制部材側の他側ギ
    ャップは前記駆動対象物側の一側ギャップよりも大きな
    ギャップ寸法をもって形成する 構成してなる超磁歪式
    アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記駆動対象物は前記ケーシング外に突
    出する外開き式の弁体によって構成し、該弁体を前記超
    磁歪シャフトの伸縮によって開,閉弁する構成としてな
    る請求項1に記載の超磁歪式アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングと超磁歪シャフトとの間
    に加圧流体の流路を形成し、この流体を前記弁体の開,
    閉によってケーシング外に吐出させる構成としてなる請
    求項に記載の超磁歪アクチュエータ。
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