JP2587786B2 - 肥料用鶏糞の製造方法 - Google Patents
肥料用鶏糞の製造方法Info
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- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/40—Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肥料用鶏糞の製造方法
に関する。すなわち、稲を始め各種植物の肥料として使
用される、肥料用鶏糞の製造方法に関するものである。
に関する。すなわち、稲を始め各種植物の肥料として使
用される、肥料用鶏糞の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鶏糞は、窒素,リン酸,カリウム等を含
み、各種植物の育成に有益であるが、従来、肥料として
は助剤として使用されるに止まり、鶏糞による有機農法
は確立していなかった。すなわち、鶏糞の組成中には窒
素が重量比で6%程度含まれているが、その内訳は、
3.2%程度の尿酸(窒素中の構成比率は約53%)
と、1.9%程度のアミノ酸系の窒素(窒素中の構成比
率は約32%)と、0.9%程度のアンモニア(窒素中
の構成比率は約15%)と、からなる。そして、このよ
うな鶏糞を肥料として使用した場合には、その窒素中の
尿酸が、土壌中の微生物である線虫類つまりネマトーダ
群の餌となり、土壌中にネマトーダ群が大量に繁殖する
ようになる。ところで、このネマトーダ群は、根こぶ
病,炭そ病,白さび病等々の原因となり、連作障害を引
き起こす等、稲その他の植物にとって極めて有害である
ことが知られている。そこで従来は、このようなネマト
ーダ群による弊害に鑑み、その原因となる尿酸を含む鶏
糞は、肥料としての使用に限界が指摘され、例えば毎年
使用の場合は、10アール当たり60kg程度が限界と
される等、他の主肥料の助剤として使用されるに止ま
り、鶏糞による有機農法は実現困難とされていた。
み、各種植物の育成に有益であるが、従来、肥料として
は助剤として使用されるに止まり、鶏糞による有機農法
は確立していなかった。すなわち、鶏糞の組成中には窒
素が重量比で6%程度含まれているが、その内訳は、
3.2%程度の尿酸(窒素中の構成比率は約53%)
と、1.9%程度のアミノ酸系の窒素(窒素中の構成比
率は約32%)と、0.9%程度のアンモニア(窒素中
の構成比率は約15%)と、からなる。そして、このよ
うな鶏糞を肥料として使用した場合には、その窒素中の
尿酸が、土壌中の微生物である線虫類つまりネマトーダ
群の餌となり、土壌中にネマトーダ群が大量に繁殖する
ようになる。ところで、このネマトーダ群は、根こぶ
病,炭そ病,白さび病等々の原因となり、連作障害を引
き起こす等、稲その他の植物にとって極めて有害である
ことが知られている。そこで従来は、このようなネマト
ーダ群による弊害に鑑み、その原因となる尿酸を含む鶏
糞は、肥料としての使用に限界が指摘され、例えば毎年
使用の場合は、10アール当たり60kg程度が限界と
される等、他の主肥料の助剤として使用されるに止ま
り、鶏糞による有機農法は実現困難とされていた。
【0003】ところで、このような実情に鑑み、鶏糞中
から問題の尿酸を除去すべく、各種の技術が開発されて
いたが、このような従来技術は、いずれもコスト面,工
程管理面,安全性,品質等に難点があった。すなわち、
まず、鶏糞中の尿酸を硫酸にて別の化合物に反応処理
する、化学法とも称される従来技術は、設備が大がかり
となりコスト面に問題があると共に、硫酸を用いるので
危険を伴い安全性にも問題があった。又、焼却により
鶏糞中の尿酸を不活性窒素に分解する、焼却法とも称さ
れる従来技術は、条件設定が容易でなく複雑かつ面倒で
あり、工程管理面に問題があり、いまだ実験段階に過ぎ
ない。更に、てんぷら油その他の油で鶏糞中の尿酸を
揚げて分散させる従来技術は、特に工程管理面での困難
性と設備コスト面に問題が指摘されていた。そこで従来
、各種の酵母,酵素,バクテリア等を用いて、鶏糞中
の尿酸を分解,分散,除去する、発酵法とも称される従
来技術も、開発されていた。しかしながら、この従来技
術は、菌の選定,培養,増殖等々に際しコントロールが
極めて困難で、特に条件設定が容易でなく複雑かつ面倒
であり、工程管理面に問題が指摘されると共に、設備も
大がかりとなりコスト面にも問題あった。
から問題の尿酸を除去すべく、各種の技術が開発されて
いたが、このような従来技術は、いずれもコスト面,工
程管理面,安全性,品質等に難点があった。すなわち、
まず、鶏糞中の尿酸を硫酸にて別の化合物に反応処理
する、化学法とも称される従来技術は、設備が大がかり
となりコスト面に問題があると共に、硫酸を用いるので
危険を伴い安全性にも問題があった。又、焼却により
鶏糞中の尿酸を不活性窒素に分解する、焼却法とも称さ
れる従来技術は、条件設定が容易でなく複雑かつ面倒で
あり、工程管理面に問題があり、いまだ実験段階に過ぎ
ない。更に、てんぷら油その他の油で鶏糞中の尿酸を
揚げて分散させる従来技術は、特に工程管理面での困難
性と設備コスト面に問題が指摘されていた。そこで従来
、各種の酵母,酵素,バクテリア等を用いて、鶏糞中
の尿酸を分解,分散,除去する、発酵法とも称される従
来技術も、開発されていた。しかしながら、この従来技
術は、菌の選定,培養,増殖等々に際しコントロールが
極めて困難で、特に条件設定が容易でなく複雑かつ面倒
であり、工程管理面に問題が指摘されると共に、設備も
大がかりとなりコスト面にも問題あった。
【0004】しかも、上述した,,,の化学
法,焼却法,油揚げ法,発酵法等の従来技術にあって
は、いずれも、鶏糞中から尿酸が確実に除去されず、肥
料用鶏糞中に尿酸が多量に残留していることが多々あ
り、品質上致命的な問題とされていた。ところで、上述
したバクテリアを用いる発酵法とも称される従来技術に
おいて、放線菌を利用することは、従来困難視されてい
た。つまり、鶏糞中で放線菌を多量に培養,増殖させる
ことは、従来困難とされ、放線菌を利用する発酵法は採
用されていなかった。
法,焼却法,油揚げ法,発酵法等の従来技術にあって
は、いずれも、鶏糞中から尿酸が確実に除去されず、肥
料用鶏糞中に尿酸が多量に残留していることが多々あ
り、品質上致命的な問題とされていた。ところで、上述
したバクテリアを用いる発酵法とも称される従来技術に
おいて、放線菌を利用することは、従来困難視されてい
た。つまり、鶏糞中で放線菌を多量に培養,増殖させる
ことは、従来困難とされ、放線菌を利用する発酵法は採
用されていなかった。
【0005】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来技術の問題点を解決すべく、発明者の鋭意研究努力の
結果なされたものであって、所定の水分,温度,空気の
条件下で、予備発酵後に鶏糞に精製木酢酸を散布して発
酵させ、もって無胞芽放線菌を多量に培養,増殖させる
ようにしたこと等により、第1に、無胞芽放線菌に尿酸
が取り込まれ、鶏糞中から尿酸が確実に分解,除去され
る等、品質面に極めて優れると共に、第2に、しかもこ
れは、コスト面,工程管理面,安全性等にも優れて実現
される、肥料用鶏糞の製造方法を提案することを目的と
する。
来技術の問題点を解決すべく、発明者の鋭意研究努力の
結果なされたものであって、所定の水分,温度,空気の
条件下で、予備発酵後に鶏糞に精製木酢酸を散布して発
酵させ、もって無胞芽放線菌を多量に培養,増殖させる
ようにしたこと等により、第1に、無胞芽放線菌に尿酸
が取り込まれ、鶏糞中から尿酸が確実に分解,除去され
る等、品質面に極めて優れると共に、第2に、しかもこ
れは、コスト面,工程管理面,安全性等にも優れて実現
される、肥料用鶏糞の製造方法を提案することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を実現する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。すなわち、この
肥料用鶏糞の製造方法は、生状態の鶏糞を予め予備発酵
させる予備発酵工程と、予備発酵された鶏糞に精製木酢
酸を希釈して散布する散布工程と、しかる後このような
鶏糞を発酵させることにより、無胞芽放線菌を培養,増
殖させて尿酸を分解,除去せしめる主発酵工程と、を有
してなる。
明の技術的手段は、次のとおりである。すなわち、この
肥料用鶏糞の製造方法は、生状態の鶏糞を予め予備発酵
させる予備発酵工程と、予備発酵された鶏糞に精製木酢
酸を希釈して散布する散布工程と、しかる後このような
鶏糞を発酵させることにより、無胞芽放線菌を培養,増
殖させて尿酸を分解,除去せしめる主発酵工程と、を有
してなる。
【0007】
【0008】すなわち、この肥料用鶏糞の製造方法にお
いて、まず、該予備発酵工程では、生状態の鶏糞につい
て、空気を十分に混入,含有させて温度90℃程度以下
で発酵させつつ脱臭し、鶏糞の水分は重量比で25%か
ら40%程度となる。又、該散布工程では、木酢酸から
クロトン酸,油酸,タール等の有害物質を除去した精製
木酢酸、つまり、フェノール,カルボニル,酸性,中
性,塩基性の各物質を主成分とする精製木酢酸を、前述
により予備発酵された鶏糞に対し、希釈して散布し、鶏
糞の水分は重量比で35%から40%程度となる。更
に、該主発酵工程では、このように精製木酢酸が散布さ
れ水分が重量比で35%から40%程度の鶏糞につい
て、空気を十分に混入,含有させて温度60℃未満で発
酵させることにより、鶏糞中で無胞芽放線菌を多量に培
養,増殖させる。もって、このような無胞芽放線菌に鶏
糞中の尿酸が取り込まれて、鶏糞中から尿酸が分解,除
去された肥料用鶏糞が得られる。
いて、まず、該予備発酵工程では、生状態の鶏糞につい
て、空気を十分に混入,含有させて温度90℃程度以下
で発酵させつつ脱臭し、鶏糞の水分は重量比で25%か
ら40%程度となる。又、該散布工程では、木酢酸から
クロトン酸,油酸,タール等の有害物質を除去した精製
木酢酸、つまり、フェノール,カルボニル,酸性,中
性,塩基性の各物質を主成分とする精製木酢酸を、前述
により予備発酵された鶏糞に対し、希釈して散布し、鶏
糞の水分は重量比で35%から40%程度となる。更
に、該主発酵工程では、このように精製木酢酸が散布さ
れ水分が重量比で35%から40%程度の鶏糞につい
て、空気を十分に混入,含有させて温度60℃未満で発
酵させることにより、鶏糞中で無胞芽放線菌を多量に培
養,増殖させる。もって、このような無胞芽放線菌に鶏
糞中の尿酸が取り込まれて、鶏糞中から尿酸が分解,除
去された肥料用鶏糞が得られる。
【0009】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。すなわち、この肥料用鶏糞の製造方法
では、まず、所定の水分,温度,空気の条件下で鶏糞を
予備発酵させた後に、所定の精製木酢酸を希釈,散布し
てから、所定の水分,温度,空気の条件下で、このよう
な鶏糞を本発酵させ、無胞芽放線菌を多量に増殖させ
る。もって、この肥料用鶏糞の製造方法では、製造され
た肥料用鶏糞中に、無胞芽放線菌が多量に培養,増殖さ
れている。
ように作用する。すなわち、この肥料用鶏糞の製造方法
では、まず、所定の水分,温度,空気の条件下で鶏糞を
予備発酵させた後に、所定の精製木酢酸を希釈,散布し
てから、所定の水分,温度,空気の条件下で、このよう
な鶏糞を本発酵させ、無胞芽放線菌を多量に増殖させ
る。もって、この肥料用鶏糞の製造方法では、製造され
た肥料用鶏糞中に、無胞芽放線菌が多量に培養,増殖さ
れている。
【0010】従って第1に、この肥料用鶏糞では、尿酸
が多量の無胞芽放線菌に取り込まれ、残留することなく
確実に分解,除去されている。そこで、肥料として使用
された場合に、まず、土壌中の有害な微生物であるネ
マトーダ群に、その餌となる尿酸を提供することがな
く、ネマトーダ群の繁殖を抑えることができる。更に
、無胞芽放線菌は、有害なネマトーダ群を攻撃,除去
する。第2に、しかもこの製造方法によると、このよう
に優れた肥料用鶏糞が、簡単容易に製造される。すなわ
ちこの製造方法では、精製木酢酸の散布と、所定の水
分,温度,空気の条件設定により、このような肥料用鶏
糞が簡単容易に製造され、コスト面,工程管理面,安全
性等にも優れている。
が多量の無胞芽放線菌に取り込まれ、残留することなく
確実に分解,除去されている。そこで、肥料として使用
された場合に、まず、土壌中の有害な微生物であるネ
マトーダ群に、その餌となる尿酸を提供することがな
く、ネマトーダ群の繁殖を抑えることができる。更に
、無胞芽放線菌は、有害なネマトーダ群を攻撃,除去
する。第2に、しかもこの製造方法によると、このよう
に優れた肥料用鶏糞が、簡単容易に製造される。すなわ
ちこの製造方法では、精製木酢酸の散布と、所定の水
分,温度,空気の条件設定により、このような肥料用鶏
糞が簡単容易に製造され、コスト面,工程管理面,安全
性等にも優れている。
【0011】
【実施例】以下本発明を、図面等に示すその実施例に基
づいて、詳細に説明する。図1は、本発明の実施例を示
す工程ブロック図である。本発明の肥料用鶏糞の製造方
法は、鶏糞に精製木酢酸を散布した後、発酵させること
により、無胞芽放線菌を培養,増殖させ、もって尿酸を
分解,除去せしめるようになっている。
づいて、詳細に説明する。図1は、本発明の実施例を示
す工程ブロック図である。本発明の肥料用鶏糞の製造方
法は、鶏糞に精製木酢酸を散布した後、発酵させること
により、無胞芽放線菌を培養,増殖させ、もって尿酸を
分解,除去せしめるようになっている。
【0012】まず、本発明において用いられる精製木酢
酸について述べておく。この精製木酢酸は、木酢酸を原
料として、クロトン酸,油酸,タール等の有害物質を除
去したものであって、石炭酸たるフェノール、カルボニ
ルつまりカルボニル基を有する化合物、有機酸等の酸性
物質、バレリアン酸エチルやピロリン酸エチル等の中性
物質、ナトリウム系やカルシウム系の塩基性物質、等々
を主成分とする。なお、ここで木酢酸とは、木材を乾溜
した時に発生したガスを、冷却して得られた液体のこと
を言う。そしてこの精製木酢酸は、その比重が温度25
℃で約1.0程度、又、ペーハー値が約2.7程度、有
機酸含有率が約5.0%程度となっている。なお、次に
示した表1は、このような精製木酢酸の分析表である。
酸について述べておく。この精製木酢酸は、木酢酸を原
料として、クロトン酸,油酸,タール等の有害物質を除
去したものであって、石炭酸たるフェノール、カルボニ
ルつまりカルボニル基を有する化合物、有機酸等の酸性
物質、バレリアン酸エチルやピロリン酸エチル等の中性
物質、ナトリウム系やカルシウム系の塩基性物質、等々
を主成分とする。なお、ここで木酢酸とは、木材を乾溜
した時に発生したガスを、冷却して得られた液体のこと
を言う。そしてこの精製木酢酸は、その比重が温度25
℃で約1.0程度、又、ペーハー値が約2.7程度、有
機酸含有率が約5.0%程度となっている。なお、次に
示した表1は、このような精製木酢酸の分析表である。
【0013】
【表1】 *1 単位は、5成分中の重量%である。 *2 単位は、全体1g中の重量%×10-2である。
【0014】以下、図1の工程ブロック図に沿って説明
する。まず、工程ブロック図中のステップに示すよう
に、鶏舎から搬出された生状態の鶏糞が、コンベヤやダ
ンプトラック等にて搬入,準備,堆積される。このよう
な生状態の鶏糞は、周知のごとく、その組成中に窒素,
リン酸,カリウム等を含み、窒素は重量比で6%程度含
まれており、その内訳は、3.2%程度の尿酸と、1.
9%程度のアミノ酸系の窒素と、0.9%程度のアンモ
ニアと、からなる。又、このような鶏糞中には、後述の
無胞芽放線菌を始め、数万種類の各種菌等も含有されて
いる。そして、このような生状態の鶏糞の水分は、重量
比で70%から80%程度となっており、そのペーハー
値は8から9程度である。
する。まず、工程ブロック図中のステップに示すよう
に、鶏舎から搬出された生状態の鶏糞が、コンベヤやダ
ンプトラック等にて搬入,準備,堆積される。このよう
な生状態の鶏糞は、周知のごとく、その組成中に窒素,
リン酸,カリウム等を含み、窒素は重量比で6%程度含
まれており、その内訳は、3.2%程度の尿酸と、1.
9%程度のアミノ酸系の窒素と、0.9%程度のアンモ
ニアと、からなる。又、このような鶏糞中には、後述の
無胞芽放線菌を始め、数万種類の各種菌等も含有されて
いる。そして、このような生状態の鶏糞の水分は、重量
比で70%から80%程度となっており、そのペーハー
値は8から9程度である。
【0015】次に、図1の工程ブロック図のステップ
へと進み、このような生状態の鶏糞に対し、脱臭を主目
的として精製木酢酸が散布される。この精製木酢酸は、
脱臭剤の1例として使用されるものなので、100倍程
度に希釈された希釈水の状態にて、重量比で1%程度の
割合で散布する。そして、次に述べるステップ,の
1次予備発酵工程や2次予備発酵工程において、このよ
うに散布された精製木酢酸により、鶏糞中のアンモニア
が酢酸アンモニウムに反応変化され、脱臭が実施される
ことになる。
へと進み、このような生状態の鶏糞に対し、脱臭を主目
的として精製木酢酸が散布される。この精製木酢酸は、
脱臭剤の1例として使用されるものなので、100倍程
度に希釈された希釈水の状態にて、重量比で1%程度の
割合で散布する。そして、次に述べるステップ,の
1次予備発酵工程や2次予備発酵工程において、このよ
うに散布された精製木酢酸により、鶏糞中のアンモニア
が酢酸アンモニウムに反応変化され、脱臭が実施される
ことになる。
【0016】さて次に、工程ブロック図のステップの
1次予備発酵工程において、予備発酵が行われる。この
1次予備発酵工程では、生状態の鶏糞について、多量の
空気を十分に混入,含有させて、温度90℃程度以下で
発酵させつつ脱臭する。これらについて詳述すると、ま
ず、上述したステップ,で搬入,準備されると共に
精製木酢酸が散布された生状態の鶏糞は、発酵槽中に積
み込まれるが、その後、出来るだけ多量の空気が混入,
含有され、十分に酸素が供給されるように、ふんわりと
した状態で積み込まれる。そして、このように積み込ま
れた鶏糞上にシートが被せられるが、鶏糞中からの発生
ガスが抜けるように、ムシロ等の通気性のあるシートが
用いられる。このようにして発酵が開始され、2日から
3日が経過すると、発酵槽中に積み込まれた鶏糞は、中
心部分から発酵熱により温度が上昇するが、予備発酵で
あることに鑑み、出来るだけ温度が上がるようにし、最
高90℃程度まで温度を上昇せしめる。このような温度
上昇により、鶏糞中に含まれていた多くの多種の菌中か
ら、無胞芽放線菌等の放線菌群以外の余分な菌が殺傷,
除去される。これと共に、前述した脱臭も進行する。
1次予備発酵工程において、予備発酵が行われる。この
1次予備発酵工程では、生状態の鶏糞について、多量の
空気を十分に混入,含有させて、温度90℃程度以下で
発酵させつつ脱臭する。これらについて詳述すると、ま
ず、上述したステップ,で搬入,準備されると共に
精製木酢酸が散布された生状態の鶏糞は、発酵槽中に積
み込まれるが、その後、出来るだけ多量の空気が混入,
含有され、十分に酸素が供給されるように、ふんわりと
した状態で積み込まれる。そして、このように積み込ま
れた鶏糞上にシートが被せられるが、鶏糞中からの発生
ガスが抜けるように、ムシロ等の通気性のあるシートが
用いられる。このようにして発酵が開始され、2日から
3日が経過すると、発酵槽中に積み込まれた鶏糞は、中
心部分から発酵熱により温度が上昇するが、予備発酵で
あることに鑑み、出来るだけ温度が上がるようにし、最
高90℃程度まで温度を上昇せしめる。このような温度
上昇により、鶏糞中に含まれていた多くの多種の菌中か
ら、無胞芽放線菌等の放線菌群以外の余分な菌が殺傷,
除去される。これと共に、前述した脱臭も進行する。
【0017】次に、工程ブロック図のステップの2次
予備発酵工程について述べる。前述のステップの1次
予備発酵工程にて予備発酵が進行し、1週間程度経過し
て鶏糞の温度が安定した所で、鶏糞を切り返して,かく
拌する。このような2次予備発酵工程における切り返し
により、水蒸気が多量に出て、鶏糞の温度が低下すると
共に水分が不足するが、この2次予備発酵に必要な水分
は重量比で60%程度であるので、その不足分は、例え
ば前述した精製木酢酸の100倍程度の希釈水にて補充
する。このようにして2次予備発酵が開始され、1日か
ら2日が経過すると、発酵熱により鶏糞の温度が再び上
昇して50℃から60℃程度となるが、そのまま1週間
程度発酵させる。そして再度、鶏糞を切り返して,かく
拌するが、その際も水蒸気が多量に出て水分が不足する
ので、その不足分は上述と同様に、例えば精製木酢酸の
100倍程度の希釈水にて補充する。そして、甘い感じ
のエステル発酵臭が出た所で、この2次予備発酵は終了
する。
予備発酵工程について述べる。前述のステップの1次
予備発酵工程にて予備発酵が進行し、1週間程度経過し
て鶏糞の温度が安定した所で、鶏糞を切り返して,かく
拌する。このような2次予備発酵工程における切り返し
により、水蒸気が多量に出て、鶏糞の温度が低下すると
共に水分が不足するが、この2次予備発酵に必要な水分
は重量比で60%程度であるので、その不足分は、例え
ば前述した精製木酢酸の100倍程度の希釈水にて補充
する。このようにして2次予備発酵が開始され、1日か
ら2日が経過すると、発酵熱により鶏糞の温度が再び上
昇して50℃から60℃程度となるが、そのまま1週間
程度発酵させる。そして再度、鶏糞を切り返して,かく
拌するが、その際も水蒸気が多量に出て水分が不足する
ので、その不足分は上述と同様に、例えば精製木酢酸の
100倍程度の希釈水にて補充する。そして、甘い感じ
のエステル発酵臭が出た所で、この2次予備発酵は終了
する。
【0018】さて、このようにステップで搬入,準備
された生状態の鶏糞は、ステップ,,の精製木酢
酸の散布,1次予備発酵,2次予備発酵の各工程を辿る
ことにより、予備発酵されると共に脱臭され、その水分
は重量比で当初70%から80%程度であったものが、
25%から40%程度となる。なお、ステップ,の
1次,2次予備発酵に要する全体の日数は、例えば10
日間程度が代表的であるが、最短3日から最長20日間
程度となる場合も考えられ、更に長期間にわたることも
可能である。
された生状態の鶏糞は、ステップ,,の精製木酢
酸の散布,1次予備発酵,2次予備発酵の各工程を辿る
ことにより、予備発酵されると共に脱臭され、その水分
は重量比で当初70%から80%程度であったものが、
25%から40%程度となる。なお、ステップ,の
1次,2次予備発酵に要する全体の日数は、例えば10
日間程度が代表的であるが、最短3日から最長20日間
程度となる場合も考えられ、更に長期間にわたることも
可能である。
【0019】次に、図1の工程ブロック図のステップ
へと進み、上述のステップ,により予備発酵された
鶏糞に対し、精製木酢酸が、希釈して万遍なく散布され
る。この木酢酸散布工程にて用いられる精製木酢酸は、
予備発酵が終了した時点の鶏糞に対し重量比で1%程度
の割合で用いられ(なお、これによらず重量比で0.5
%から2%程度の割合も可能)、その希釈水の希釈率
は、次に示した表2により、予備発酵が終了した時点で
の鶏糞の水分に対応して、選択決定される。もって、更
にその次に示した表3や表4の例のように、その散布後
の鶏糞の水分は、重量比で35%から40%程度、代表
的には40%となる。
へと進み、上述のステップ,により予備発酵された
鶏糞に対し、精製木酢酸が、希釈して万遍なく散布され
る。この木酢酸散布工程にて用いられる精製木酢酸は、
予備発酵が終了した時点の鶏糞に対し重量比で1%程度
の割合で用いられ(なお、これによらず重量比で0.5
%から2%程度の割合も可能)、その希釈水の希釈率
は、次に示した表2により、予備発酵が終了した時点で
の鶏糞の水分に対応して、選択決定される。もって、更
にその次に示した表3や表4の例のように、その散布後
の鶏糞の水分は、重量比で35%から40%程度、代表
的には40%となる。
【0020】つまり、まず表3の例では、予備発酵され
た鶏糞が2,000kgで、その水分が重量比で30%
であったので、重量比で1%の精製木酢酸20kgに対
し水320kg(表2により16倍の希釈水が選択され
る)を混ぜ合わせた、340kgの希釈水が鶏糞に散布
され、鶏糞の水分は重量比で40%程度となる。又、表
4の例では、予備発酵された鶏糞が2,000kgで、
その水分が重量比で35%であったので、重量比で1%
の精製木酢酸20kgに対し水160kg(表2により
8倍の希釈水が選択される)を混ぜ合わせた、180k
gの希釈水が鶏糞に散布され、鶏糞の水分は重量比で4
0%程度となる。なお、このような散布に際し、鶏糞に
大きな塊がある場合には、これを細かく砕いてから散布
を行う。
た鶏糞が2,000kgで、その水分が重量比で30%
であったので、重量比で1%の精製木酢酸20kgに対
し水320kg(表2により16倍の希釈水が選択され
る)を混ぜ合わせた、340kgの希釈水が鶏糞に散布
され、鶏糞の水分は重量比で40%程度となる。又、表
4の例では、予備発酵された鶏糞が2,000kgで、
その水分が重量比で35%であったので、重量比で1%
の精製木酢酸20kgに対し水160kg(表2により
8倍の希釈水が選択される)を混ぜ合わせた、180k
gの希釈水が鶏糞に散布され、鶏糞の水分は重量比で4
0%程度となる。なお、このような散布に際し、鶏糞に
大きな塊がある場合には、これを細かく砕いてから散布
を行う。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】次に、図1の工程ブロック図のステップ
の主発酵工程について述べる。この主発酵工程では、こ
のようにステップで精製木酢酸が散布されると共に、
水分が重量比で35%から40%程度の鶏糞について、
空気を十分に混入,含有させて温度60℃未満で発酵さ
せることにより、鶏糞中で無胞芽放線菌を多量に培養,
増殖させ、もって、この無胞芽放線菌に鶏糞中の尿酸が
取り込まれ、尿酸が分解,除去された肥料用鶏糞が得ら
れる。
の主発酵工程について述べる。この主発酵工程では、こ
のようにステップで精製木酢酸が散布されると共に、
水分が重量比で35%から40%程度の鶏糞について、
空気を十分に混入,含有させて温度60℃未満で発酵さ
せることにより、鶏糞中で無胞芽放線菌を多量に培養,
増殖させ、もって、この無胞芽放線菌に鶏糞中の尿酸が
取り込まれ、尿酸が分解,除去された肥料用鶏糞が得ら
れる。
【0025】このような主発酵工程について、更に詳述
する。まずこの主発酵工程では、前述した木酢酸散布工
程において精製木酢酸が散布され、水分が例えば重量比
で40%とされた鶏糞について、前述した1次予備発酵
工程において述べた所に準じ、出来るだけ多量の空気が
混入,含有され、酸素が十分に供給されるように、ふん
わりとした状態とされつつ発酵槽中に再び積み込まれ
る。そして適宜、通気性のあるシートが被せられる。そ
して鶏糞の本発酵が開始され、1日から2日が経過する
と、発酵熱によりその温度が上昇し例えば50℃程度で
安定するが、温度は最低40℃以上で、50℃±5℃程
度が最適であり、もしも60℃を越えた場合には、切り
返して,かく拌することにより、温度を50℃前後まで
降下せしめる。
する。まずこの主発酵工程では、前述した木酢酸散布工
程において精製木酢酸が散布され、水分が例えば重量比
で40%とされた鶏糞について、前述した1次予備発酵
工程において述べた所に準じ、出来るだけ多量の空気が
混入,含有され、酸素が十分に供給されるように、ふん
わりとした状態とされつつ発酵槽中に再び積み込まれ
る。そして適宜、通気性のあるシートが被せられる。そ
して鶏糞の本発酵が開始され、1日から2日が経過する
と、発酵熱によりその温度が上昇し例えば50℃程度で
安定するが、温度は最低40℃以上で、50℃±5℃程
度が最適であり、もしも60℃を越えた場合には、切り
返して,かく拌することにより、温度を50℃前後まで
降下せしめる。
【0026】このように、a.水分が重量比で35%か
ら40%程度(40%程度が最適)、b.温度が40℃
から60℃程度(55℃程度が最適)、c.多量の空気
・酸素が存在する、等の発酵条件の下において、鶏糞中
にて無胞芽放線菌が多量に培養,増殖される可能性が生
じる。そして、このような無胞芽状態のアクチノミセス
たる無胞芽放線菌の培養,増殖は、更に前述したステッ
プで散布されていた精製木酢酸により、更に一段と促
進される。すなわち、上述したa,b,cの発酵条件に
加え、d.精製木酢酸中のフェノールにより、通性嫌気
性菌が除去されると共に、e.精製木酢酸中のカルボニ
ルにより、イオン化炭素が補強,増加される等により、
無胞芽放線菌が、非常に容易かつ多量に培養,増殖され
る。勿論、このような無胞芽放線菌の培養,増殖は、他
の放線菌群の培養,増殖と共に、その一環として行われ
る。
ら40%程度(40%程度が最適)、b.温度が40℃
から60℃程度(55℃程度が最適)、c.多量の空気
・酸素が存在する、等の発酵条件の下において、鶏糞中
にて無胞芽放線菌が多量に培養,増殖される可能性が生
じる。そして、このような無胞芽状態のアクチノミセス
たる無胞芽放線菌の培養,増殖は、更に前述したステッ
プで散布されていた精製木酢酸により、更に一段と促
進される。すなわち、上述したa,b,cの発酵条件に
加え、d.精製木酢酸中のフェノールにより、通性嫌気
性菌が除去されると共に、e.精製木酢酸中のカルボニ
ルにより、イオン化炭素が補強,増加される等により、
無胞芽放線菌が、非常に容易かつ多量に培養,増殖され
る。勿論、このような無胞芽放線菌の培養,増殖は、他
の放線菌群の培養,増殖と共に、その一環として行われ
る。
【0027】そして、この主発酵工程において1週間程
度が経過すると、鶏糞の表面の色がブルーがかった白色
となることにより、このような多量の無胞芽放線菌の培
養,増殖が確認される。そして一般的には、表面から1
0cm位下が最も培養,増殖が進行する位置であるが、
水分や空気等の条件次第では、10cm以下から150
cm程度までブルーがかった白色となり、多量の無胞芽
放線菌の培養,増殖が進行する。なお、第1に、発酵槽
は、深底のいわゆるバッジ型の場合には、深さ300c
m程度とされるが、浅底のいわゆる連続型の場合には、
深さ120cm程度でよい。なお第2に、無胞芽放線菌
は、動かない空気・酸素が多量に存することが、前述し
たようにその発酵条件となっており、動く空気つまり風
等には極めて弱いので、途中で空気・酸素を鶏糞中に送
風,補充する際は、定期的かつなるべく短時間のうちに
済ませるようにする。このように、多量の空気・酸素が
存すると共に、その空気・酸素が動かないことが、この
発酵にとっては極めて重要である。
度が経過すると、鶏糞の表面の色がブルーがかった白色
となることにより、このような多量の無胞芽放線菌の培
養,増殖が確認される。そして一般的には、表面から1
0cm位下が最も培養,増殖が進行する位置であるが、
水分や空気等の条件次第では、10cm以下から150
cm程度までブルーがかった白色となり、多量の無胞芽
放線菌の培養,増殖が進行する。なお、第1に、発酵槽
は、深底のいわゆるバッジ型の場合には、深さ300c
m程度とされるが、浅底のいわゆる連続型の場合には、
深さ120cm程度でよい。なお第2に、無胞芽放線菌
は、動かない空気・酸素が多量に存することが、前述し
たようにその発酵条件となっており、動く空気つまり風
等には極めて弱いので、途中で空気・酸素を鶏糞中に送
風,補充する際は、定期的かつなるべく短時間のうちに
済ませるようにする。このように、多量の空気・酸素が
存すると共に、その空気・酸素が動かないことが、この
発酵にとっては極めて重要である。
【0028】さて、この製造方法では、このようなステ
ップ,,,,を順に辿ることにより、所定の
肥料用鶏糞が製造される。そして、このように製造され
た肥料用鶏糞は、重量比で1.5%から1.9%程度の
窒素と、4.0%から5.8%程度のリン酸と、2.5
%から4.0%程度のカリウムと、23%から30%程
度の水分とを含み、そのペーハー値は7.5から8.2
程度となっている。これらについて詳述すると、まず窒
素は、前述した生状態の鶏糞では重量比で6%程度含ま
れていたのに対し、このように製造された肥料用鶏糞で
は1.5%から1.9%程度と1/3以下に減少してい
るが、これは主に、前述により多量に培養,増殖された
無胞芽放線菌が、窒素を構成する尿酸を体内に取り込
み,分解,除去したことによる。又、この肥料用鶏糞中
のリン酸には、有益な可溶性リン酸が多く含まれてい
る。更に、この肥料用鶏糞のペーハー値は7.5から
8.2程度であるが、前述した生状態の鶏糞のペーハー
値が8から9程度であったことに鑑み、ペーハー値が下
がっている。これは、精製木酢酸の散布や上述により尿
酸が無胞芽放線菌に取り込まれ,分解,除去されたこと
に起因して、水素イオン濃度が変化したことに基づく。
ップ,,,,を順に辿ることにより、所定の
肥料用鶏糞が製造される。そして、このように製造され
た肥料用鶏糞は、重量比で1.5%から1.9%程度の
窒素と、4.0%から5.8%程度のリン酸と、2.5
%から4.0%程度のカリウムと、23%から30%程
度の水分とを含み、そのペーハー値は7.5から8.2
程度となっている。これらについて詳述すると、まず窒
素は、前述した生状態の鶏糞では重量比で6%程度含ま
れていたのに対し、このように製造された肥料用鶏糞で
は1.5%から1.9%程度と1/3以下に減少してい
るが、これは主に、前述により多量に培養,増殖された
無胞芽放線菌が、窒素を構成する尿酸を体内に取り込
み,分解,除去したことによる。又、この肥料用鶏糞中
のリン酸には、有益な可溶性リン酸が多く含まれてい
る。更に、この肥料用鶏糞のペーハー値は7.5から
8.2程度であるが、前述した生状態の鶏糞のペーハー
値が8から9程度であったことに鑑み、ペーハー値が下
がっている。これは、精製木酢酸の散布や上述により尿
酸が無胞芽放線菌に取り込まれ,分解,除去されたこと
に起因して、水素イオン濃度が変化したことに基づく。
【0029】又、このように尿酸が取り込まれ、分解,
除去され残留しないことの判定は、指示薬法やタングス
テン法により容易に可能である。別紙添付した「試験検
査成績書」は、タングステン法で行われたものであり、
本発明の製造方法にて得られた肥料用鶏糞が「無胞芽ケ
イフン2号」として示されており、本発明の製造方法に
よらず得られた肥料用鶏糞が「無胞芽ケイフン1号」と
して示されているが、この試験検査結果にも明示された
ように、本発明の製造方法にて得られた肥料用鶏糞の場
合は、マイナスとなり、尿素が確実に除去されたことが
証明されている。
除去され残留しないことの判定は、指示薬法やタングス
テン法により容易に可能である。別紙添付した「試験検
査成績書」は、タングステン法で行われたものであり、
本発明の製造方法にて得られた肥料用鶏糞が「無胞芽ケ
イフン2号」として示されており、本発明の製造方法に
よらず得られた肥料用鶏糞が「無胞芽ケイフン1号」と
して示されているが、この試験検査結果にも明示された
ように、本発明の製造方法にて得られた肥料用鶏糞の場
合は、マイナスとなり、尿素が確実に除去されたことが
証明されている。
【0030】ところで、このように製造された肥料用鶏
糞は、図1の工程ブロック図では、次のステップ,
,を適宜辿る。すなわち、製造された肥料用鶏糞
は、適宜必要な場合には、ハウス式の乾燥機や乾燥場で
乾燥されたり、ロータリー式のふるい機等によりメッシ
ュを整え,粒の大きさが揃えられた後、例えば袋詰め装
置にて袋詰めされ、市場へと流通される。
糞は、図1の工程ブロック図では、次のステップ,
,を適宜辿る。すなわち、製造された肥料用鶏糞
は、適宜必要な場合には、ハウス式の乾燥機や乾燥場で
乾燥されたり、ロータリー式のふるい機等によりメッシ
ュを整え,粒の大きさが揃えられた後、例えば袋詰め装
置にて袋詰めされ、市場へと流通される。
【0031】本発明に係る肥料用鶏糞の製造方法は、以
上説明したようになっている。そこで以下のようにな
る。すなわち、この製造方法では、鶏糞に精製木酢酸を
散布して発酵させるが、更に詳しくは、生状態の鶏糞を
所定の水分,温度,空気の条件下で予備発酵させた後
に、精製木酢酸を希釈散布して、所定の水分,温度,空
気の条件下で本発酵させる。これらにより、無胞芽放線
菌が多量に培養,増殖され、もって無胞芽放線菌の体内
に尿酸が取り込まれた、肥料用鶏糞が得られる。そこ
で、次の第1,第2のようになる。
上説明したようになっている。そこで以下のようにな
る。すなわち、この製造方法では、鶏糞に精製木酢酸を
散布して発酵させるが、更に詳しくは、生状態の鶏糞を
所定の水分,温度,空気の条件下で予備発酵させた後
に、精製木酢酸を希釈散布して、所定の水分,温度,空
気の条件下で本発酵させる。これらにより、無胞芽放線
菌が多量に培養,増殖され、もって無胞芽放線菌の体内
に尿酸が取り込まれた、肥料用鶏糞が得られる。そこ
で、次の第1,第2のようになる。
【0032】第1に、この肥料用鶏糞では、このように
尿酸が多量の無胞芽放線菌の体内に取り込まれ、残留す
ることなく確実に分解,除去されている。そこでこの肥
料用鶏糞は、肥料として使用された場合には、次の,
のようになる。まず、土壌中の有害な微生物である
体節制をもたない線虫類つまりネマトーダ群に対し、餌
たる尿酸を提供することが阻止され、ネマトーダ群の繁
殖を抑えることができる。更に、このような無胞芽放
線菌は、硬質の物質を攻撃する特性があるので、有害な
ネマトーダ群を攻撃,除去してしまう。なお、上記,
のように、肥料として使用された場合に極めて有益で
ある無胞芽放線菌に比し、胞芽放線菌つまりカビとなっ
た放線菌の場合は、このような性質は具備しない。
尿酸が多量の無胞芽放線菌の体内に取り込まれ、残留す
ることなく確実に分解,除去されている。そこでこの肥
料用鶏糞は、肥料として使用された場合には、次の,
のようになる。まず、土壌中の有害な微生物である
体節制をもたない線虫類つまりネマトーダ群に対し、餌
たる尿酸を提供することが阻止され、ネマトーダ群の繁
殖を抑えることができる。更に、このような無胞芽放
線菌は、硬質の物質を攻撃する特性があるので、有害な
ネマトーダ群を攻撃,除去してしまう。なお、上記,
のように、肥料として使用された場合に極めて有益で
ある無胞芽放線菌に比し、胞芽放線菌つまりカビとなっ
た放線菌の場合は、このような性質は具備しない。
【0033】第2に、しかもこの製造方法によると、こ
のように優れた肥料用鶏糞が、簡単容易に得られる。つ
まり、精製木酢酸の散布と、所定の水分,温度,空気の
条件設定とにより、このような肥料用鶏糞が製造され、
大がかりな設備は不要でありコスト面に優れ、又、複雑
で面倒な条件設定も不要で工程管理も楽であり、更に、
硫酸のような危険な物質を用いるわけではなく安全でも
ある。
のように優れた肥料用鶏糞が、簡単容易に得られる。つ
まり、精製木酢酸の散布と、所定の水分,温度,空気の
条件設定とにより、このような肥料用鶏糞が製造され、
大がかりな設備は不要でありコスト面に優れ、又、複雑
で面倒な条件設定も不要で工程管理も楽であり、更に、
硫酸のような危険な物質を用いるわけではなく安全でも
ある。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る肥料用鶏糞の製造方法は、
以上説明したように、所定の水分,温度,空気の条件下
で、予備発酵後に鶏糞に精製木酢酸を散布して発酵さ
せ、もって無胞芽放線菌を多量に培養,増殖させるよう
にしたこと等により、次の効果を発揮する。
以上説明したように、所定の水分,温度,空気の条件下
で、予備発酵後に鶏糞に精製木酢酸を散布して発酵さ
せ、もって無胞芽放線菌を多量に培養,増殖させるよう
にしたこと等により、次の効果を発揮する。
【0035】第1に、尿酸が確実に分解,除去される
等、品質面に極めて優れた肥料用鶏糞が得られる。すな
わち、この肥料用鶏糞では、尿酸が無胞芽放線菌に取り
込まれ、残留することなく確実に分解,除去されてい
る。
等、品質面に極めて優れた肥料用鶏糞が得られる。すな
わち、この肥料用鶏糞では、尿酸が無胞芽放線菌に取り
込まれ、残留することなく確実に分解,除去されてい
る。
【0036】そこで肥料として使用された場合に、まず
、根こぶ病,炭そ病,白さび病等々の原因となり連作
障害を起こす土壌中のネマトーダ群に餌を提供すること
がなく、稲その他の植物にとって有害なネマトーダ群の
繁殖を抑えることができる。更に、無胞芽放線菌はネ
マトーダ群を攻撃,除去してしまう特性もある。
、根こぶ病,炭そ病,白さび病等々の原因となり連作
障害を起こす土壌中のネマトーダ群に餌を提供すること
がなく、稲その他の植物にとって有害なネマトーダ群の
繁殖を抑えることができる。更に、無胞芽放線菌はネ
マトーダ群を攻撃,除去してしまう特性もある。
【0037】もって、これら,により、この肥料用
鶏糞は極めて品質面に優れており、肥料として非常に有
効である。例えば毎年使用する場合でも、10アール当
たり6トン程度まで使用可能となる(つまり、前述した
この種従来技術の約100倍程度まで使用可能とな
る)。もって、懸案とされていた鶏糞による有機農法
が、一気に確立するに至る。
鶏糞は極めて品質面に優れており、肥料として非常に有
効である。例えば毎年使用する場合でも、10アール当
たり6トン程度まで使用可能となる(つまり、前述した
この種従来技術の約100倍程度まで使用可能とな
る)。もって、懸案とされていた鶏糞による有機農法
が、一気に確立するに至る。
【0038】第2に、しかもこれは、コスト面,工程管
理面,安全性等にも、問題を生じることなく実現され
る。すなわち、前述したこの種従来技術の化学法,焼却
法,油で揚げる方式や、酵母,酵素,バクテリア等を用
いた発酵法等々に比し、設備が大がかりとなることがな
くコスト面に優れ、又、条件設定が容易で工程管理面に
問題を生じることもなく、更に、硫酸のような危険な物
質を用いず、安全性にも優れて実現される。このよう
に、この種従来技術に存した問題点が一掃される等、本
発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
理面,安全性等にも、問題を生じることなく実現され
る。すなわち、前述したこの種従来技術の化学法,焼却
法,油で揚げる方式や、酵母,酵素,バクテリア等を用
いた発酵法等々に比し、設備が大がかりとなることがな
くコスト面に優れ、又、条件設定が容易で工程管理面に
問題を生じることもなく、更に、硫酸のような危険な物
質を用いず、安全性にも優れて実現される。このよう
に、この種従来技術に存した問題点が一掃される等、本
発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図1】本発明に係る肥料用鶏糞の製造方法の実施例を
示す、工程ブロック図である。
示す、工程ブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−117770(JP,A) 特開 昭52−136769(JP,A) 特開 昭48−18056(JP,A) 特開 平4−170383(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】 生状態の鶏糞を予め予備発酵させる予備
発酵工程と、予備発酵された鶏糞に精製木酢酸を希釈し
て散布する散布工程と、しかる後このような鶏糞を発酵
させることにより、無胞芽放線菌を培養,増殖させて尿
酸を分解,除去せしめる主発酵工程と、を有してなり、 該予備発酵工程では、生状態の鶏糞について空気を十分
に混入,含有させて温度90℃程度以下で発酵させつつ
脱臭し、鶏糞の水分が重量比で25%から40%程度と
なり、 該散布工程では、木酢酸からクロトン酸,油酸,タール
等の有害物質を除去した精製木酢酸、つまり、フェノー
ル,カルボニル,酸性,中性,塩基性の各物質を主成分
とする精製木酢酸を、前述により予備発酵された鶏糞に
対し希釈して散布し、鶏糞の水分が重量比で35%から
40%程度となり、 該主発酵工程では、このように精製木酢酸が散布され水
分が重量比で35%から40%程度の鶏糞について、空
気を十分に混入,含有させて温度60℃未満で発酵させ
ることにより、鶏糞中で無胞芽放線菌を多量に培養,増
殖させ、もって、この無胞芽放線菌に鶏糞中の尿酸が取
り込まれて、鶏糞中から尿酸が分解,除去された肥料用
鶏糞が得られること、を特徴とする肥料用鶏糞の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8407194A JP2587786B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 肥料用鶏糞の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8407194A JP2587786B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 肥料用鶏糞の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07267766A JPH07267766A (ja) | 1995-10-17 |
JP2587786B2 true JP2587786B2 (ja) | 1997-03-05 |
Family
ID=13820265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8407194A Expired - Lifetime JP2587786B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 肥料用鶏糞の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2587786B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TR200900465A2 (tr) * | 2009-01-22 | 2009-07-21 | Akan Yusuf | Doğal kaynaklı sıvı gübre ve elde edim yöntemi. |
KR101289019B1 (ko) * | 2011-12-16 | 2013-07-23 | 허관 | 분뇨처리시스템 구조체 |
CN102951973B (zh) * | 2012-11-26 | 2014-05-07 | 云南农业大学 | 木醋液与有机肥混合物土壤调理剂的制备方法及其调理方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52117770A (en) * | 1976-03-23 | 1977-10-03 | Nara Tanka Kougiyou Kk | Organic soil conditioner |
JPS52136769A (en) * | 1976-04-30 | 1977-11-15 | Hamada Tsuruki | Apparatus for producing odorless fertilizers |
JPH0747516B2 (ja) * | 1990-10-31 | 1995-05-24 | 隆介 飯島 | 菌糸体肥料及びその製法 |
-
1994
- 1994-03-30 JP JP8407194A patent/JP2587786B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07267766A (ja) | 1995-10-17 |
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