JP2587768Y2 - 土質試験用供試体の局所変形測定装置 - Google Patents

土質試験用供試体の局所変形測定装置

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JP2587768Y2
JP2587768Y2 JP1993014786U JP1478693U JP2587768Y2 JP 2587768 Y2 JP2587768 Y2 JP 2587768Y2 JP 1993014786 U JP1993014786 U JP 1993014786U JP 1478693 U JP1478693 U JP 1478693U JP 2587768 Y2 JP2587768 Y2 JP 2587768Y2
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聡 後藤
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、供試体を用いて室内で
土質の局所変形を測定する測定装置に係り、供試体の軸
差応力と軸ひずみの直線性を正確に測定し得る土質試験
用供試体の局所変形測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に示すように、室内土質試験に使用
される供試体6は円筒形状のものからなり、土質6aと
それを囲繞するゴム膜6bを有し上下端面を平坦に形成
するものからなる。従来、供試体6の軸差応力と軸ひず
みを測定する測定方法としては図6に示すように供試体
6をベース台9上に固定されるペデスタル7上に載置
し、その上端面にキャップ8を当接係合せしめ、押圧力
Pでキャップ8を供試体6側に押し、キャップ8に連結
した載荷ロッド17の変位を測定するものが採用されて
いた。しかしながら、この測定方法の場合には図6に示
すように供試体6の上下端とキャップ8,ペデスタル7
との当接部位にゆるみ層18,19が存在したり、図7
に示すように不完全接触部20,21が生じたり、図8
に示すように端面摩擦減層22,23の存在等により載
荷ロッド17の変位ε1を測定しても供試体6のひずみ
を測定したことにならず、測定誤差(ベッディングエラ
ーという)が大きかった。
【0003】図5は縦軸に軸差応力q[kgf/c
2]をとり、横軸に軸ひずみε1[%]を表示したもの
である。図に示すように、図6の測定方法の場合には軸
差応力と軸ひずみとは曲線Bのように非直線的に表示さ
れるが、理論値として想定される直線近似線とは異な
り、ベッディングエラーが大きいことがわかり改良する
余地がある。
【0004】そこで従来技術においても図9乃至図13
に示す各種の測定装置が採用されている。図9は供試体
6の外周側にその上下端を供試体6側に固定するりん青
銅板24を軸線方向に沿って配設し、りん青銅板24の
ほぼ中間位置に歪ゲージ25を貼着したものである。図
11は供試体6の外周の軸線方向に沿う上下の2箇所に
針26,26を刺し、その間に変位計27をセットした
測定装置を示す。針26,26の変位差を求めることに
より供試体6の局所変形を測定することが出来る。次
に、図12は供試体6にリンク28,29の一端部を図
示のようにヒンジ結合し、リンク28,29の他端部を
ヒンジ結合すると共に水平に配設されるリンク28に傾
斜計30を取り付けた測定装置である。供試体6の変形
により傾斜計30が回転し、その回転角から供試体6の
局所変形を求めることが出来る。また、図13は供試体
6の外周の上下に水平方向に沿って張り出したターゲッ
ト31,32の基端部を固定すると共に、ベース台9上
に載置される変位計33の測定子34,35をターゲッ
ト31,32に当接係合する測定装置である。測定子3
4,35の出力の差から供試体6の局所変形を求めるこ
とが出来る。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】図9に示した測定装置
の場合には図10にも示すように供試体6の軸変形に伴
ってりん青銅板24が座屈し、軸差応力と軸ひずみとの
関係が直線的にならず、供試体6の局所変形を高精度
に、かつ正確に測定し得ない問題点がある。図11に示
した測定装置は針26を供試体6に刺すため図4に示し
た供試体6のゴム膜6bに孔が開けられゴム膜6bから
土が漏れ、高精度測定が出来ない問題点があると共に測
定作業が複雑になる問題点があった。また、図12に示
す測定装置はリンク28,29のヒンジ部分の加工精度
が悪いと測定精度が低下すると共に、傾斜計30が重く
供試体6側に余計な力を付加する問題点がある。更に、
図13に示す測定装置はターゲット31,32のセット
と変位計33とターゲット31,32との係合作業に時
間がかかる問題点があり、かつ高精度測定が出来ない問
題点もあった。
【0006】本考案は、以上の各測定装置の問題点を解
決すべく創案されたもので、高精度測定が出来、装置の
取り付けが容易に出来、軽量で取り扱い易く安価に実施
出来る土質試験用供試体の局所変形測定装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、以上の目的を
達成するために、土質試験用供試体をペデスタル上に載
置し上端面に当接するキャップを介して前記供試体を押
圧して局所変形を測定するための測定装置であって、前
記供試体の外周から水平方向に張り出す耐錆性の弾性部
材と、該弾性部材の両端にその一端部を連結すると共に
他端部のピンエンドを前記供試体の外周側に設けたヒン
ジに当接係合する長短の軽量部材と、前記弾性部材に貼
着される歪ゲージを設けてなる土質試験用供試体の局所
変形測定装置を構成するものであり、更に具体的には前
記弾性部材としてりん青銅を採用し、軽量部材としてア
ルミニウムを採用する土質試験用供試体の局所変形測定
装置を特徴とするものである。
【0008】
【作用】供試体の外周から水平方向に沿って張り出すり
ん青銅のような耐錆性の弾性部材をアルミニウム等の長
短の軽量部材でその両端を支持し、当該軽量部材をピン
エンドを介して供試体側のヒンジに当接係合させる構造
を採用することにより、弾性部材はほぼ片持ち支持構造
に近い状態で支持される。そのため、弾性部材に歪ゲー
ジを貼着することにより供試体の局所変形がほぼ直線性
を保持して測定される。また、軽量部材は前記したよう
に供試体側にピンエンドにより当接係合するため、供試
体の変形が正確に軽量部材を介して弾性部材側に伝わ
る。それにより高精度測定が出来る。
【0009】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明
する。図1は本実施例の全体構造を示す軸断面図、図2
は測定部の詳細構造を示す部分軸断面図、図3は測定部
の測定理論を説明するための部分正面図、図4は供試体
の斜視図、図5は本実施例の効果を示す軸差応力−軸ひ
ずみ線図である。
【0010】図4に示した供試体6の軸ひずみを測定す
る土質試験用測定装置は図1に示すように供試体6の下
面を支持しベース台9上に固持されるペデスタル7と、
供試体6の上面に当接して搭載されるキャップ8と、供
試体6の外周に相対向して配設される一対の測定部1等
から構成される。図略の押圧手段によりキャップ8を介
して供試体を押圧し、測定部1の歪ゲージ5により歪を
測定し、押圧力と歪から軸差応力と軸ひずみとの関係を
求めるように形成される。
【0011】図2に示すように、測定部1は、水平方向
に沿って張り出すりん青銅の弾性部材2と、弾性部材2
の供試体6側の端部に連結される短長軽量部材3と、弾
性部材2の他端部に連結される長目のアーム状軽量部材
4と、弾性部材2のほぼ中間に貼着される歪ゲージ5等
から構成される。更に詳細構造としては短長軽量部材3
は先端部にピンエンド12を形成しりん青銅からなる支
持板部材11と、支持板部材11の基端側が固定される
と共に弾性部材2側に連結されるアルミニウムのブロッ
ク部材13から形成される。一方、アーム状軽量部材4
は先端部にピンエンド15を形成しアーム状に伸延する
アルミニウムのアーム14と、弾性部材2とアーム14
間に介設されるアルミニウムのブロック部材16から形
成される。
【0012】一方、図1に示すようにペデスタル7およ
びキャップ8にはヒンジ10の基端側が固定される。ヒ
ンジ10は先端部をV形状に開口したものからなり、供
試体6の外周にV形状の一片側を沿わせて配設される。
図1および図2に示すように、ヒンジ10のV形状の開
口部内には短長軽量部材3およびアーム状軽量部材4の
ピンエンド12および15が当接係合する。それによ
り、測定部1は上下のヒンジ10,10間で支持され
る。
【0013】前記したように測定部1は短長軽量部材3
により供試体6側の端部を支持され、長目のアーム状軽
量部材4により他の端部を支持されると共に両軽量部材
3,4はピンエンド12,15を介して供試体6側に支
持される構造のものからなるため、力学的には概要図3
に示した構造に近いものから形成される。すなわち、弾
性部材2が供試体6に一端部を支持され先端部を自由状
態にした片持ち梁として力学的に代用することが出来
る。そして、先端部のたわみδが供試体6の局所変形に
相当する。歪ゲージ5は弾性部材2の中間部位に貼着さ
れているため、たわみδが小さい場合には歪ゲージ5に
よる測定値は直線的な値として計測される。
【0014】図5は縦軸に軸差応力q(kgf/c
2)をとり、横軸に軸ひずみε1[%]を表示したもの
であり、本実施例の測定結果はA線で示される。前記し
たように、図6で示した従来の測定方法による測定結果
のB曲線とA線の値は極端に相異すると共に、A線はほ
ぼ直線的に変化しB曲線と異なる測定結果が得られるこ
とがわかる。また、本実施例の測定部1は前記したよう
に一体的に組み上げられた測定部1のピンエンド12,
15を供試体6側のヒンジ10,10に当接係合するだ
けでよく、前記した各種の測定装置に較べて極めて取り
扱い容易である。
【0015】
【考案の効果】本考案によれば、次のような顕著な効果
を奏する。 1)従来の測定装置に取り付け,取り外しが極めて容易
に出来る。 2)軸差応力と軸ひずみの比から求められるヤング率が
直線的であり、かつ測定結果にバラツキが少なく高精度
測定が可能である。 3)ピンエンドとヒンジとの当接係合の構造を採用し、
各部を軽量部材から形成することにより約1μm以上の
変位の測定が可能である。 4)測定部をりん青銅やアルミニウムで形成し得るため
軽量で取り扱い易く、かつ安価に実施することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の全体構造を示す正面図。
【図2】本実施例の測定部の詳細構造を示す部分正面
図。
【図3】実施例の測定理論を説明するための説明用正面
図。
【図4】供試体の斜視図。
【図5】本実施例と従来技術との効果を比較するための
軸差応力−軸ひずみ線図。
【図6】従来の測定方法を示す正面図。
【図7】図6の場合の問題点を説明するための正面図。
【図8】図6の場合の問題点を説明するための正面図。
【図9】従来の測定装置の概要構造を示す正面図。
【図10】従来の測定装置の概要構造を示す正面図。
【図11】従来の測定装置の概要構造を示す正面図。
【図12】従来の測定装置の概要構造を示す正面図。
【図13】従来の測定装置の概要構造を示す正面図。
【符号の説明】
1 測定部 2 弾性部材 3 短長軽量部材 4 アーム状軽量部材 5 歪ゲージ 6 供試体 6a 土質 6b ゴム膜 7 ペデスタル 8 キャップ 9 ベース台 10 ヒンジ 11 支持板部材 12 ピンエンド 13 ブロック部材 14 アーム 15 ピンエンド 16 ブロック部材 17 載荷ロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01L 5/00 G01N 3/00

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土質試験用供試体をペデスタル上に載置
    し上端面に当接するキャップを介して前記供試体を押圧
    して局所変形を測定するための測定装置であって、前記
    供試体の外周から水平方向に張り出す耐錆性の弾性部材
    と、該弾性部材の両端にその一端部を連結すると共に他
    端部のピンエンドを前記供試体の外周側に設けたヒンジ
    に当接係合する長短の軽量部材と、前記弾性部材に貼着
    される歪ゲージを設けることを特徴とする土質試験用供
    試体の局所変形測定装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材がりん青銅からなる請求項
    1の土質試験用供試体の局所変形測定装置。
  3. 【請求項3】 前記軽量部材がアルミニウムからなる請
    求項1の土質試験用供試体の局所変形測定装置。
JP1993014786U 1993-03-29 1993-03-29 土質試験用供試体の局所変形測定装置 Expired - Lifetime JP2587768Y2 (ja)

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