JP2587375Y2 - 穀物貯蔵装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は籾などを品質維持し乍ら
貯留する穀物貯蔵装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、特開昭５５−１４４８２４号公報
に示す如く、貯蔵室に乾燥ダクトと冷却ダクトを連結さ
せ、穀物を乾燥及び貯蔵させる技術がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】前記従来技術は、加温
装置、冷却装置、送風機などを開放空間に設置させてい
るから、除湿機及び送風機を設けて常温定湿空気を形成
して穀物を乾燥させる場合、前記の加温装置で温風を形
成して乾燥させる構造に比べ、穀物が変質して商 品価値
が低下するのを防止できるが、外気温及び温度の変化が
常温定湿空気の形成に大きく影響し、乾燥作業時の管理
の簡略化並びに乾燥運転コスト低下などを容易に行い得
ないと共に、貯蔵室の乾燥ダクト取付り部が常時開放さ
れているから、貯蔵室の断熱性を容易に向上させ得ず、
貯蔵室を冷却して穀物を低温貯蔵するとき、乾燥ダクト
の開口部から貯蔵室内部に外気から熱が伝わり易く、貯
蔵室内の温度を均一に低温維持し得ず、冷却損失の低減
並びに冷却運転コスト低下などを容易に行い得ない等の
問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】然るに、本考案は、穀物
を入れる貯蔵ビンを内設させる貯蔵室と、常温定湿空気
または冷却空気を形成する除湿機及び送風機を設置させ
る機械室を、断熱壁で形成する建屋内部に設けると共
に、貯蔵ビン内側に底部から常温定湿空気を送給してビ
ン内部の穀物を乾燥させる乾燥ダクトと、前記送風機を
乾燥ダクトに接続制御する乾燥ダンパと、前記貯蔵室に
冷却空気を送給して貯蔵室を冷却する冷却ダクトと、前
記送風機を冷却ダクトに接続制御する冷却ダンパを設け
る穀物貯蔵装置において、前記貯蔵室と機械室を仕切る
間仕切り壁に差圧ファンを設け、また機械室の外側壁に
換気ファンを設けると共に、前記乾燥ダンパを断熱材に
よって形成し、前記間仕切り壁を貫通する位置の乾燥ダ
クト内部に乾燥ダンパを取付けるもので、貯蔵室の空気
を機械室に差圧ファンによって戻すから、穀物を貯蔵ビ
ンで乾燥させる常温定湿空気を除湿機によって効率良く
形成し得、建屋外部の外気温度または湿度の変化による
悪影響を低減させて除湿乾燥管理の簡略化並びに除湿機
の運転コスト低下などを容易に行い得ると共に、断熱材
の乾燥ダンパによって間仕切り壁位置の乾燥ダクトを閉
塞させることにより、乾燥ダクトの断熱性を容易に向上
し得、貯蔵室の冷却損失を容易に低減し得、かつ差圧フ
ァンによって機械室に戻す冷却空気を再利用して貯蔵室
を冷却し得、貯蔵室の冷却運転コスト低下などを容易に
行い得るものである。

【０００５】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述
する。図１は除湿機設置説明図、図２は乾燥及び低温貯
蔵用の設備の側面図、図３は同平面図であり、断熱壁
（１）によって屋根及び側壁及び間仕切りを形成する建
屋（２）内部に穀物貯蔵室（３）及び機械室（４）を設
け、断熱材で形成する扉（５）の開閉により、籾などを
入れる穀物貯留手段である貯蔵ビン（６）…を貯蔵室
（３）に搬入出させ、貯蔵室（３）の床板（７）上面に
貯蔵ビン（６）…を定置させると共に、常温定湿空気ま
たは冷却空気を形成する除湿機（８）と、送風機（９）
を、前記機械室（４）に設置し、また前記除湿機（８）
で冷却空気を形成させる冷却用コンデンサ（１０）を屋
外に設置している。

【０００６】さらに、断熱材で形成する乾燥ダンパ（１
１）を介して送風機（９）の送風口に連通させる乾燥ダ
クト（１２）を備え、前記床板（７）下面のピット（１
３）に前記ダクト（１２）を延設させると共に、冷却ダ
ンパ（１４）を介して送風機（９）の送風口に連通させ
る冷却ダクト（１５）を備え、前記貯蔵室（３）の天井
付近に冷却ダクト（１５）を延設させるもので、前記貯
蔵室（３）と機械室（４）間の間仕切り壁（１６）の上
方位置に差圧ファン（１７）を取付け、貯蔵室（３）の
空気を機械室（４）に前記ファン（１７）によって移動
させると共に、機械室（４）の外側壁（１８）の上方及
び下方位置に換気ファン（１９）（２０）を取付け、各
ファン（１９）（２０）によって機械室（４）の空気を
排出させて外気を機械室（４）に取入れるように構成し
ている。

【０００７】さらに、図１に示す如く、冷却除湿用エバ
ポレータ（２１）、常温復元用コンデンサ（２２）、及
び有段出力調整自在な冷却用スクロールコンプレッサ
（２３）などを前記除湿機（８）に備えると共に、除湿
調節フラップ（２４）…を介して大気（湿り空気）を上
方側から取入れる外気取入ダクト（２５）を備え、コン
デンサ（２２）からの常温除湿空気と、ダクト（２５）
からの大気とを混合させて常温定湿空気を形成し、この
常温定湿空気を送風機（９）に吸込ませるもので、乾燥
ダンパ（１１）を開放して送風機（９）から常温定湿空
気を乾燥ダクト（１２）に送込み、モータ（２６）によ
って開閉させる送風ダンパ（２７）を介して前記ダクト
（１２）の送風口（２８）から常温定湿空気をピット
（１３）内に取出し、仕切板（２９）を介してその常温
定湿空気を床板（７）の開口（３０）から上方側に排出
させ、通気性底板（３１）を介して貯蔵ビン（６）内部
に常温定湿空気を供給し、前記ビン（６）の上部開口か
ら常温定湿空気を貯蔵室（３）内に排出させ、前記ビン
（６）に入れている籾などを乾燥させるように構成して
いる。

【０００８】また、空冷ファン（３２）を備える前記冷
却用コンデンサ（１０）を、常温復元用コンデンサ（２
２）に代え、前記エバポレータ（２１）及びコンプレッ
サ（２３）に接続させるように切換えることにより、エ
バポレータ（２１）によって形成する冷却空気を送風機
（９）に吸込ませるもので、冷却ダンパ（１４）を開放
して送風機（９）から冷却空気を冷却ダクト（１５）に
送込み、該ダクト（１５）を介して冷却空気を貯蔵室
（３）に供給し、貯蔵ビン（６）の籾などを低温貯蔵す
るように構成している。

【０００９】上記から明らかなように、前記エバポレー
タ（２１）及びコンプレッサ（２３）に対し、常温復元
用コンデンサ（２２）または冷却用コンデンサ（１０）
を切換えて択一的に接続させ、除湿機（８）によって常
温定湿空気または冷却空気を形成し、その常温定湿空気
または冷却空気を送風機（９）によってダクト（１２）
（１５）を介して貯蔵ビン（６）に供給し、前記貯蔵室
（３）を乾燥室または低温貯蔵室として使用し、貯蔵ビ
ン（６）の籾などの乾燥並びに低温貯蔵を行うもので、
穀物を入れる貯蔵ビン（６）を内設させる貯蔵室（３）
と、常温定湿空気または冷却空気を形成する除湿機
（８）及び送風機（９）を設置させる機械室（４）を、
断熱壁（１）で形成する建屋（２）内部に設けると共
に、貯蔵ビン（６）内側に底部から常温定湿空気を送給
してビン（６）内部の穀物を乾燥させる乾燥ダクト（１
２）と、前記送風機（９）を乾燥ダクト（１２）に接続
制御する乾燥ダンパ（１１）と、前記貯蔵室（３）に冷
却空気を送給して貯蔵室（３）を冷却する冷却ダクト
（１５）と、前記送風機（９）を冷却ダクト（１５）に
接続制御する冷却ダンパ（１４）を設ける穀物貯蔵装置
において、前記貯蔵室（３）と機械室（４）を仕切る間
仕切り壁（１６）に差圧ファン（１７）を設け、また 機
械室（４）の外側壁（１８）に換気ファン（１９）（２
０）を設けると共に、前記乾燥ダンパ（１１）を断熱材
によって形成し、前記間仕切り壁（１６）を貫通する位
置の乾燥ダクト（１２）内部に乾燥ダンパ（１１）を取
付け、貯蔵室（３）の空気を機械室（４）に差圧ファン
（１７）によって戻し、穀物を貯蔵ビン（６）で乾燥さ
せる常温定湿空気を除湿機（８）によって効率良く形成
し、建屋（３）外部の外気温度または湿度の変化による
悪影響を低減させて除湿乾燥管理の簡略化並びに除湿機
（８）の運転コスト低下などを行うと共に、断熱材の乾
燥ダンパ（１１）によって間仕切り壁（１６）位置の乾
燥ダクト（１２）を閉塞させ、乾燥ダクト（１２）の断
熱性を向上させ、貯蔵室（３）の冷却損失を低減し、か
つ差圧ファン（１７）によって機械室（４）に戻す冷却
空気を再利用して貯蔵室（３）を冷却し得、貯蔵室
（３）の冷却運転コスト低下などを行えるように構成し
ている。

【００１０】さらに、図４に示す如く、乾燥ダクト（１
２）に排気ダンパ（３３）を介して排気ダクト（３４）
を連接させ、該ダクト（３４）に排気ファン（３５）を
取付け、冷却ダクト（１５）から貯蔵室（３）に冷却空
気が供給されているとき、乾燥ダクト（１２）に排気ダ
クト（３４）を連通させ、各ダクト（１２）（３４）を
介して貯蔵ビン（６）内部の空気を前記ファン（３５）
によって排出させ、貯蔵ビン（６）内部に冷却空気を強
制供給し、例えば特定の貯蔵ビン（６）の冷却効率を上
げ、貯蔵ビン（６）の温度を所定温度にまで短時間で低
下させ、また局部的な低温貯蔵を効率良く行うことも可
能である。

【００１１】

【考案の効果】以上実施例から明らかなように本考案
は、穀物を入れる貯蔵ビン（６）を内設させる貯蔵室
（３）と、常温定湿空気または冷却空気を形成する除湿
機（８）及び送風機（９）を設置させる機械室（４）
を、断熱壁（１）で形成する建屋（２）内部に設けると
共に、貯蔵ビン（６）内側に底部から常温定湿空気を送
給してビン（６）内部の穀物を乾燥させる乾燥ダクト
（１２）と、前記送風機（９）を乾燥ダクト（１２）に
接続制御する乾燥ダンパ（１１）と、前記貯蔵室（３）
に冷却空気を送給して貯蔵室（３）を冷却する冷却ダク
ト（１５）と、前記送風機（９）を冷却ダクト（１５）
に接続制御する冷却ダンパ（１４）を設ける穀物貯蔵装
置において、前記貯蔵室（３）と機械室（４）を仕切る
間仕切り壁（１６）に差圧ファン（１７）を設け、また
機械室（４）の外側壁（１８）に換気ファン（１９）
（２０）を設けると共に、前記乾燥ダンパ（１１）を断
熱材によって形成し、前記間仕切り壁（１６）を貫通す
る位置の乾燥ダクト（１２）内部に乾燥ダンパ（１１）
を取付けたもので、貯蔵室（３）の空気を機械室（４）
に差圧ファン（１７）によって戻すから、穀物を貯蔵ビ
ン（６）で乾燥させる常温定湿空気を除湿機（８）によ
って効率良く形成でき、建屋（３）外部の外気温度また
は湿度の変化による悪影響を低減させて除湿乾燥管理の
簡略化並びに除湿機（８）の運転コスト低下などを容易
に行うことができると共に、断熱材の乾燥ダンパ（１
１）によって間仕切り壁（１６）位置の乾燥ダクト（１
２）を閉塞させることにより、乾燥ダクト（１２）の断
熱性を容易に向上でき、貯蔵室（３）の冷却損失を容易
に低減でき、かつ差圧ファン（１７）によって機械室
（４）に戻す冷却空気を再利用して貯蔵室（３）を冷却
でき、貯蔵室（３）の冷却運転コスト低下などを容易に
行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】除湿機設置説明図。

【図２】乾燥及び低温貯蔵用の設備の説明図。

【図３】同平面図。

【図４】図２の変形例を示す説明図。

【符号の説明】

（１） 断熱壁 （２） 建屋 （３） 貯蔵室 （４） 機械室 （６） 貯蔵ビン （８） 除湿機 （９） 送風機 （１１） 乾燥ダンパ （１２） 乾燥ダクト （１４） 冷却ダンパ （１５） 冷却ダクト（１６） 間仕切り壁 （１７） 差圧ファン （１８） 外側壁 （１９）（２０） 換気ファン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−144824（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−271924（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−365424（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01F 25/00 - 25/22 F26B 21/00

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 穀物を入れる貯蔵ビン（６）を内設させ
   る貯蔵室（３）と、常温定湿空気または冷却空気を形成
   する除湿機（８）及び送風機（９）を設置させる機械室
   （４）を、断熱壁（１）で形成する建屋（２）内部に設
   けると共に、貯蔵ビン（６）内側に底部から常温定湿空
   気を送給してビン（６）内部の穀物を乾燥させる乾燥ダ
   クト（１２）と、前記送風機（９）を乾燥ダクト（１
   ２）に接続制御する乾燥ダンパ（１１）と、前記貯蔵室
   （３）に冷却空気を送給して貯蔵室（３）を冷却する冷
   却ダクト（１５）と、前記送風機（９）を冷却ダクト
   （１５）に接続制御する冷却ダンパ（１４）を設ける穀
   物貯蔵装置において、前記貯蔵室（３）と機械室（４）
   を仕切る間仕切り壁（１６）に差圧ファン（１７）を設
   け、また機械室（４）の外側壁（１８）に換気ファン
   （１９）（２０）を設けると共に、前記乾燥ダンパ（１
   １）を断熱材によって形成し、前記間仕切り壁（１６）
   を貫通する位置の乾燥ダクト（１２）内部に乾燥ダンパ
   （１１）を取付けたことを特徴とする穀物貯蔵装置。