JP2586499B2 - 現像装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子写真複写機、およびプリンター等に使
用される現像装置、さらに詳しくは、静電潜像担持体に
対する接触および非接触を容易に切り替えることのでき
る一成分現像剤を用いた現像装置に関する。

従来の技術 電子写真複写機、およびプリンターを用いて現像を行
うには静電潜像の形成された感光体などの静電潜像担持
体に現像装置を用いて帯電トナーを供給する。

このような現像装置のうち現像ローラが感光体表面に
接触しながらトナーを供給する接触現像方式を用いて、
多色現像あるいは画像の色（トナー）の切替を行うに
は、感光体の周りに現像装置を複数設置してこれを切り
替える。かかる装置において、同時に２つ以上の現像装
置が感光体に接触していると、画像の混色が生じたり、
あるいは現像スリーブ、現像装置への他のトナーの混入
が生ずる。このため、従来は現像を行っている現像装置
のみを感光体に接触させ、不必要な他の現像装置は感光
体から後退させて非接触としておく方法が採用されてい
る。

また、単色の現像にあっても現像ユニットの交換によ
る色替え、あるいは保守作業時に現像装置を感光体の軸
方向に取り出す必要があり、このため一旦現像装置を感
光体から後退させ表面接触を解除する必要が生ずる。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の現像装置において感光体と現像
装置の接触を解除するには、現像装置全体を感光体に対
して移動させなければならず、装置の構造が簡単ではな
い。

本発明は、現像装置−感光体間の接触、非接触を現像
装置全体を移動させることなく簡単な機構を用いて迅速
に行い得る現像装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 すなわち、本発明は回転駆動する現像ローラ、該現像
ローラの周長に対し僅かの余剰周長を有し前記現像ロー
ラに外装され、現像ローラとの間に実質的に滑りのない
筒状の薄膜部材、前記現像ローラの現像領域の前後に設
けられ前記薄膜部材の表面に当接する圧接部材からな
り、該圧接部材のうちの少なくとも１つは回転制御の可
能な圧接ローラであることを特徴とする現像装置を提供
するものである。

作用 本発明の装置では、圧接ローラの停止、または回転に
より現像ローラに外装された薄膜部材の余剰部の位置が
移動する。

実施例 つぎに、本発明を実施例により図面を参照しながらさ
らに具体的に説明する。

第１図ａは本発明の現像装置１を示す断面図である。
現像装置１は矢印ａ方向に回転駆動する感光体100に隣
接して配置される。現像装置１は周長の僅かに長い筒状
のニッケル電鋳膜（膜厚:40μｍ）からなる薄膜部材２
を外装した現像ローラ３、該薄膜部材に表面が当接しト
ナーの帯電および薄膜規制を行う圧接ローラであるトナ
ー薄層規制ローラー４、感光体100と薄膜部材が接触す
る現像領域の後方にて薄膜部材に摺接し現像後の残存ト
ナーをクリーニングするイレーサー６、およびこれらを
収容しトナーを貯溜するケーシング７を有する。前記規
制ローラー４およびイレーサー６は現像ローラー３表面
上の薄膜部材２に当接する圧接部材を構成する。また、
ケーシング７には、トナー貯槽８が設けられる。該トナ
ー貯槽８には各々矢印ｃおよびｄ方向に回転するトナー
供給羽根９およびアジテータ10が設けられ、内部に貯溜
されたトナーToのブロッキングを防止しつつトナーの移
動を行う。

ここで規制ローラ４は、現像ローラ３に対して順回転
し、薄膜部材２を感光体100との対向面に向けて送り、
一方イレーサー６は現像領域の後方で薄膜部材２に当接
して、現像領域Ｘに薄膜部材の余剰部を形成して感光体
表面と薄膜部材との接触を生ずる。

すなわち、現像ローラ３の外周面と薄膜部材２の内周
面との摩擦係数をμ₁，薄膜部材２の外周面と規制ロー
ラ４またはイレーサ６との摩擦係数をμ₂とすると、
μ₁》μ₂の関係が付与されており、現像ローラ３が矢印
ｂ方向に回転すると、これに伴い薄膜部材２も同方向に
移動する。

また、トナー規制ローラ４は、弾性を有するゴムロー
ラ、または下層に発泡ウレタン層、ゴム弾性層を有する
表面樹脂層を備えたローラよりなる。該表面材料はトナ
ーに対して摩擦帯電系列上反対方向の材料を選択するこ
とにより効果的にトナーに所定の荷電を付与することが
できる。なお、現像ローラ３が弾性を有する場合、規制
ローラ４はAl等の金属ローラであってもよい。トナー規
制ローラ４は、現像装置の作動時、第１図ａに示すよう
に現像ローラに対し接触面にて同方向にすなわち順回転
する。一方、現像装置が休止する場合、規制ローラ４は
一定時間逆回転するか、もしくは停止して薄膜部材２の
余剰部を現像領域の反対側に生ずる。

なお、本発明現像装置の現像ローラは、ブラスト処理
して粗面化したアルミニウム等の金属で形成したもの、
また金属芯にカーボン等で導電性を付与したゴム、プラ
スチック等が被覆されているものでもよく、現像バイア
ス電圧が付加される。

また薄膜部材の材質としては、ポリカーボネート、ナ
イロン、テフロンなどを用いて軟質の樹脂シート、樹脂
にカーボン又は金属微粉末等を添加したシート（30〜20
0μ）、ニッケル又はアルミニウム、ステンレス鋼等の
金属薄膜（30〜50μ）、前記樹脂シートと金属薄膜とを
積層したシートなどが好ましい。これら材料のうち、特
に樹脂材料を用いた場合、プラストナーに対しては摩擦
帯電系列でより陰性の材料、マイナストナーに対しては
陽性の材料を用いるのが好ましい。例えば、プラストナ
ーに対してはエチレンテトラフルオロエチレン共重合体
（ETFE）、ポリテトラフルオロエチレン（PTFE）等のフ
ッ素系樹脂、マイナストナーに対してはナイロン等のポ
リアミド系樹脂が好適である。

なお、本発明装置にて用いられるトナーとしては、い
わゆる一成分系の非磁性トナーが好適に用いられるが、
磁性トナーなどであってもよい。

つぎに本発明装置を用いて現像を行なう場合の動作に
ついて第１図を用いて説明する。

現像時は第１図ａに示すごとく、現像ローラ３が矢印
（ｂ）方向に、また供給羽根９およびアジテータ10は矢
印（ｃ）、（ｄ）方向に、それぞれ駆動源（図示せず）
によって回転しトナーToを矢印（ｃ）方向に強制的に移
動させる。一方、薄膜部材２は、現像ローラ３との摩擦
力により現像ローラ３と共に矢印（ｂ）方向に回転移動
する。トナー貯槽８内のトナーToは、該薄膜部材２との
接触及び静電気力によって薄膜部材２の表面に付着し、
矢印（ｂ）方向へ搬送され、規制ローラ４の圧接部に達
する。該薄層規制ローラ４は現像ローラ３により駆動さ
れる薄膜部材２より大きな、あるいは小さな周速をもっ
て接触面にて同じ方向に回転し、薄膜部材２に付着、搬
送されるトナーの層厚規制および荷電付与を行う。

薄膜部材２上に自身の帯電による静電気力で保持され
た薄層トナーToは、さらに移動して感光体ドラム100と
の対向部（現像領域（Ｘ））に運ばれ、感光体ドラム10
0の表面に形成された静電潜像電位と現像ローラ３に印
加されているバイアス電圧との電位差に基づく電界によ
り、感光体ドラム100の表面の静電潜像上に移動してト
ナー像を形成し現像を行う。

ここで、感光体ドラム100と接する薄膜部材２は、現
像ローラ３との間に空間部Ｓを有しており現像ローラと
は非接触状態にあるため、薄膜部材２はそれ自身の鋼性
のみで感光体ドラム100にソフトに接触する。感光体ド
ラム100の静電潜像に対し、均一なトナー像を形成す
る。また、感光体ドラム100の周速と薄膜部材２の速度
との間に速度差もたせることも可能であり、一旦感光体
ドラム100上に形成されたトナー像が薄膜部材の摺擦力
等の物理力により破壊されることがない。特に薄膜部材
２の速度を感光体ドラム100の周速よりも大きく設定す
ることにより画像濃度を増加させることができ、地肌カ
ブリの防止に効果的である。

つぎに、現像領域Ｘにて薄膜部材２上に残留したトナ
ーToは引き続き薄膜部材２と共に矢印ｂ方向に搬送さ
れ、イレーサ６との間を通過する際に、現像領域Ｘで消
費されたトナーToの消費パターンが消去されて、表面残
留トナー層の均一化が図られる。

つぎに、薄膜部材２表面には再びトナー供給羽根９の
回転によりトナーToが供給され、規制ローラ４の圧接部
にて均一な帯電トナー薄層が形成される。

つぎに、現像装置１による現像を行わない場合は、第
１図ｂに示すごとく、規制ローラー４の駆動系（図示せ
ず）のクラッチを切り替えて規制ローラ４を逆回転する
か、もしくは規制ローラー４の回転を停止し、かつ一定
時間後に現像ローラーの駆動を停止することにより現像
ローラの現像領域Ｘと反対側に薄膜部材２を巻戻して余
剰部を形成し、感光体100と薄膜部材２との接触を解消
する。

第２図は本発明の他の具体例を示す概略断面図であ
る。第２図ａの現像装置においては、規制ブレード５が
圧接ローラ14とは別個に設けられており、第１図と同様
イレーサー６と共に圧接部材を形成する。したがって、
第２図ｂおよび第２図ｃに示すごとく、現像装置が現像
を停止するときは圧接ローラー14が前記第１図の場合と
同様クラッチ15の切り替えにより逆回転し、薄膜部材２
の余剰部を感光体対向面の反対側に発生させ、感光体10
0との接触を断つ。

また、他の具体例としては第２図ｄに示すごとく、ス
プリング15により上方に向け付勢されたストッパー16を
ソレノイド17の作動によりクラッチギヤ18を噛み合わせ
て自由回転する圧接ローラ14を停止させ、現像を中止さ
せてもよい。このとき薄膜部材２内面と現像ローラ３の
摩擦係数をμ₁、薄膜部材２外面とイレーサ６、規制ブ
レード５、および静止した圧接ローラ14との摩擦係数を
各々順にμ₂、μ₃およびμ₄とするとμ₁＞μ₄＞μ₂＞μ
₃に設定される。したがって圧接ローラ14停止時現像ロ
ーラ３の駆動により薄膜部材２の余剰部は感光体側から
その反対側へと移動し第２図ｂに示すごとく薄膜部材と
感光体との接触が解除される。

第３図ａは本発明のさらに他の具体例を示す概略断面
図である。第３図ａにおいて圧接ローラ24は、現像ロー
ラ３周囲の現像領域Ｘの後方に設けられ、規制ブレード
25と共に圧接部材を構成する。したがって第３図ａ示す
ごとく現像中、圧接ローラー24は前記第２図ｄと同様の
ストッパー（図示せず）の作用により回転を停止させら
れる。停止した圧接ローラ24は薄膜部材２を摩擦し、感
光体対向面に薄膜部材２の余剰部を生じ、現像ローラ３
との間に空間Ｓを生じて、感光体−薄膜部材間の接触が
保たれる。

一方、非現像時は圧接ローラー24がフリー回転し、第
３図ｂに示すごとく薄膜部材２の余剰部を現像ローラの
感光体対向面と反対側に生じ感光体100との間の接触を
解消する。

なお、規制ブレードの材質としては、磁性金属薄板材
料、またはステンレス鋼、リン青銅などの非磁性金属薄
板材料、テフロン、ナイロンなどのプラスチック材料、
テフロンゴム、シリコンゴム等軟弾性体またはそれらを
貼り合わせた複合材等、従来トナー層厚の規制ブレード
として用いられている材料がいずれも好適に用いられ、
弾性を有する材料であるのが好ましい。かかる材料は、
プラス（＋）トナーに対しては、摩擦帯電系列でより陰
性の材料、マイナス（−）トナーに対しては陽性の材料
を用いるのが好ましい。例えば、プラストナーに対して
は、テフロンなどのフッ素樹脂のシートまたはそのコー
ティング、マイナストナーに対してはナイロンなどのポ
リアミド系のフィルムまたはそのコーティングが好適で
ある。

第４図は本発明の現像装置２基を感光体の周囲に配置
した場合を示す概略断面図である。第１の現像装置31停
止時、規制ローラ34が逆回転した後に停止し、薄膜部材
２の余剰部を現像領域Ｘの反対側に形成し感光体100と
の接触を断っている。

一方、第２の現像装置33は規制ローラ34が順回転し、イ
レーサ36との組み合わせからなる圧接部材により現像ロ
ーラ３の感光体対向面に薄膜部材２の余剰部を生じ感光
体100と接触して現像を行なう。

発明の効果 本発明の現像装置によれば、現像装置−感光体間の接
触、非接触が現像装置全体を移動させることなく簡単か
つ迅速に行うことができる。したがって、混色なしにト
ナーの切り換えを容易に行うことができ、部分現像、分
割現像も容易となり、さらに保守も簡単になる。

【図面の簡単な説明】

第１図a,bは本発明現像装置の一具体例を示す概略断面
図、第２図a,bは他の具体例を示す概略断面図、第２図
c,dは圧接ローラの駆動系を示す斜視図、第３図a,bは本
発明装置のさらに他の具体例を示す概略断面図、第４図
は本発明現像装置を感光体の周りに２基設置したところ
をを示す概略断面図である。 図中の主な符号は、つぎのとおりである。 1:現像装置、2:薄膜部材、3:現像ローラ、4:規制ロー
ラ、5:規制ブレード、6:イレーサー、14:圧接ローラ。

フロントページの続き (72)発明者 山本 雅史 大阪府大阪市東区安土町２丁目30番地 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転駆動する現像ローラ、該現像ローラの
   周長に対し僅かの余剰周長を有し前記現像ローラに外装
   され、現像ローラとの間に実質的に滑りのない筒状の薄
   膜部材、前記現像ローラの現像領域の前後に設けられ前
   記薄膜部材の表面に当接する圧接部材からなり、該圧接
   部材のうちの少なくとも１つは回転制御の可能な圧接ロ
   ーラであることを特徴とする現像装置。