JP2586415B2 - 内燃機関用ノック制御装置 - Google Patents

内燃機関用ノック制御装置

Info

Publication number
JP2586415B2
JP2586415B2 JP5297973A JP29797393A JP2586415B2 JP 2586415 B2 JP2586415 B2 JP 2586415B2 JP 5297973 A JP5297973 A JP 5297973A JP 29797393 A JP29797393 A JP 29797393A JP 2586415 B2 JP2586415 B2 JP 2586415B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
knock
knock determination
determination level
value
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5297973A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06299938A (ja
Inventor
寛 原口
榊原  浩二
誠一郎 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP5297973A priority Critical patent/JP2586415B2/ja
Publication of JPH06299938A publication Critical patent/JPH06299938A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2586415B2 publication Critical patent/JP2586415B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は内燃機関(エンジン)に
発生するノックを検出して点火時期、空燃比、吸気圧等
のノック制御要因を制御する内燃機関用ノック制御装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、内燃機関に発生するノックを検出
するノック検出手段と、このノック検出手段の出力を増
幅する増幅手段と、ノック検出手段の出力が内燃機関の
回転数に応じて増加する傾向にあるのを利用して内燃機
関の回転数に応じてこの増幅手段の増幅率を複数段に段
階的に変化させる増幅率可変手段と、この増幅率可変手
段により決定された増幅率での増幅出力によってノック
を判別するノック判別手段と、このノック判別手段の判
別結果に応じて点火時期、空燃比、吸気圧等のノック制
御要因を制御するノック制御要因制御手段とを備えるも
のが知られている(例えば、特開昭60−35238号
公報)。 【0003】 【発明が解決しょうとする課題】ところが、上述した従
来のものでは、ノック検出手段の出力が内燃機関の回転
数に応じて増加する傾向にあるのを利用して、増幅手段
の増幅率を内燃機関の回転数に応じて複数段に切り換え
ているので、内燃機関の回転数とノック検出手段との出
力の大きさとが一義的なものでないことから、ノック検
出手段の出力に応じた最適な増幅率の切り換えができ
ず、特にノック判定レベル作成手段によるノック判定レ
ベルの精度が悪くなるという問題がある。 【0004】そこで本発明は、ノック判定レベルの作成
に最適な増幅率の切り換えができて、ノック判定レベル
の精度を向上することができ、より正確なノック判別を
可能にすることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】そのため本発明は図1に
示すごとく、内燃機関に発生するノックを検出するノッ
ク検出手段と、このノック検出手段の出力を増幅する増
幅手段と、所定のノック判定区間内の前記増幅手段の出
力によってノック判定レベルを気筒毎に作成するノック
判定レベル作成手段と、このノック判定レベル作成手段
のノック判定レベルと前記ノック判定区間内の前記増幅
手段の出力とを比較してノックを判別するノック判別手
段と、このノック判別手段の判別結果に応じて点火時
期、空燃比、吸気圧等のノック制御要因を制御するノッ
ク制御要因制御手段と、前記ノック判定レベル作成手段
のノック判定レベルに対して上側のしきい値と下側のし
きい値とを設定し、前記ノック判定レベルと前記各しき
との大小比較を実行してその結果に基づき前記ノッ
ク判定区間外のタイミングにおいて前記増幅手段の増幅
率を各気筒に対し個別に前記ノック判定レベルの方が前
記上側のしきい値より大きい場合には小さくする方向
に、前記ノック判定レベルの方が前記下側のしきい値よ
り小さい場合には大きくする方向にそれぞれ複数段にか
つ段階的に変化させる増幅率可変手段とを備える内燃機
関用ノック制御装置を提供するものである。 【0006】 【作用】これにより、ノック検出手段よりの所定のノッ
ク判定区間内の出力が増幅手段により増幅された後、ノ
ック判定レベル作成手段により気筒毎にノック判定レベ
ルが作成され、このノック判定レベルと増幅手段により
増幅されたノック検出手段よりのノック判定区間の出力
とが比較されてノック判別手段によりノックが判別され
る。また、ノック判定レベルと上側のしきい値および下
側のしきい値との大小比較応じてノック判定区間外のタ
イミングにおいて増幅率可変手段により増幅手段の増幅
率が各気筒に対し個別に前記ノック判定レベルの方が前
記上側のしきい値より大きい場合には小さくする方向
に、前記ノック判定レベルの方が前記下側のしきい値よ
り小さい場合には大きくする方向にそれぞれ複数段に段
階的に変化される。 【0007】 【発明の効果】本発明によれば、増幅手段により増幅さ
れたノック検出手段の出力によりノック判定レベルが作
成され、このノック判定レベルに応じた増幅手段の増幅
率が複数段に段階的に変化されるから、ノック判定レベ
ルの作成に最適な増幅率の切り換えができて、ノック判
定レベルの精度を向上することができ、より正確なノッ
ク判別が可能となるという優れた効果がある。さらに、
所定のノック判定区間内のノック検出手段よりの出力に
基づいたノック判定レベルの大きさで増幅率を変化させ
るため、内燃機関のバルブノイズ等の影響を受けず、か
つ内燃機関の振動レベルのばらつきやノック検出手段の
感度の影響も受けることがないのみならず、ノック判定
レベルが飽和することがないので、仮に増幅手段の出力
が飽和しても、その場合には必ず、増幅手段の出力の方
がノック判定レベルより高くなるような関係が成り立つ
ため、ノック判別ミスをすることなく、適切に増幅率を
設定することができるという優れた効果がある。また、
ノック判定区間外で増幅率を変化させるため、ノック判
定区間内での増幅率変化はなく、安定した状態でノック
判定をすることができると共に、各気筒に対し個別に前
記ノック判定レベルの方が前記上側のしきい値より大き
い場合には小さくする方向に、前記ノック判定レベルの
方が前記下側のしきい値より小さい場合には大きくする
方向にそれぞれ気筒毎に複数段にかつ段階的に増幅率を
変化させるので、各気筒に対し最適な増幅率でノック検
出手段の出力を増幅することができるという優れた効果
がある。 【0008】 【実施例】以下本発明を図に示す実施例について説明す
る。図2において、1はエンジンのノックを検出するた
めのノック検出手段をなすノックセンサ、2はエンジン
の点火時期、空燃比等を制御するためのエンジン制御用
電子制御ユニット(ECU)、3はECUからの点火制
御信号を受けて点火コイルの通電・遮断を行うイグナイ
タ、4はECU2からの空燃比制御信号を受けてエンジ
ンの吸気系に燃料を噴射するためのインジェクタであ
る。 【0009】また、ECU2において、21はノックセ
ンサ出力信号のうちノック特有の周波数成分のみを通過
させるフィルタ回路、22はフィルタ通過後の信号を所
定の増幅率にて増幅もしくは減衰させるための増幅手段
の一部を構成する増幅器、23は増幅器22の出力を所
定の増幅率でさらに増幅もしくは減衰させるための増幅
手段の一部を構成する増幅器、24はA/D変換器内蔵
型のマイクロコンピュータ、25は各種センサ及びマイ
クロコンピュータ24からのノック検出結果を受けて点
火時期、空燃比等を制御するためのホストコンピュータ
である。 【0010】ノックセンサ1は圧電式ノックセンサであ
り、ノックによって生じるエンジンブロックの振動を電
気信号に変換する。この電気信号はバンドパスフィルタ
21を通過することによりノイズ成分が除去され、ノッ
ク特有の周波数成分(たとえば8KHZ )のみが増幅器
22へ入力される。増幅器22の増幅率は使用するノッ
クセンサの出力特性あるいは後述するA/D変換器24
aのダイナミックレンジ等を考慮して決める。この増幅
器22の増幅率をG1 とすれば、G1 は1以上の場合も
1以下の場合もありうる。 【0011】増幅器22の出力は2つに分岐し、一方は
マイクロコンピュータ24(本実施例では1チップマイ
クロコンピュータとして富士通社製MB88413を用
いている)に内蔵されたA/D変換器24aのアナログ
入力ポートAN1に入力され、他方は増幅器23に入力
される。増幅器23は前段の増幅器22の出力をさらに
増幅するためのものであり、その増幅率はたとえば4倍
になっている。この増幅器23の出力はA/D変換器2
4aのもうひとつのアナログ入力ポートAN2に入力さ
れる。 【0012】こうすることにより相対的に4倍だけ異な
ったセンサ信号がA/D変換器24aの2つのポートA
N1,AN2に同時入力される(AN1は増幅率G1
AN2は増幅率G2 =4×G1 )。増幅器23の増幅率
については任意の値が可能であるが、2,3,8,……
あるいは1/2,1/4,1/8,……等の『2のべき
乗』に設定するのが望ましい。 【0013】なぜなら、マイクロコンピュータ24はセ
ンサ入力ポートAN1とAN2を適宜選択使用すること
によりノックセンサ1の入力ゲインを切替制御するが、
その時、計算値を補正する必要があり、2のべき乗の相
対比率になっていれば演算が簡単で実行時間の早いシフ
ト演算処理が使用できるからである。また、2のべき乗
にすることにより除算あるいは乗算機能のないマイクロ
コンピュータに広く適用することが可能となる。 【0014】なお、増幅器23を増幅器22の後段に設
置したが、これは相対信号比率(この例では4倍)の精
度を高く保つためである。すなわち、フィルタ21の出
力を2つに分岐させ増幅器22と増幅器23に並列に入
力し、その出力をポートAN1,AN2に入力しても機
能的には同じである。しかしながら、この場合、相対信
号比率(たとえば4倍)の精度を保つためには、増幅器
22の増幅率G1 と増幅器23の増幅率G2 の両方の精
度を高くする必要がある(この場合、G2 /G 1 が相対
信号比率になるため)。 【0015】これに対して実施例のようにすると、相対
信号比率は増幅器23だけで決まるので誤差を少なくで
きる。さて、マイクロコンピュータ24はその内部に、
A/D変換器24a、および図示しないが中央処理装置
(CPU)、記憶装置(ROM,RAM)、入出力装置
(1/0)等を備え、A/D変換用アナログ入力ポート
AN1,AN2から取り込んだノックセンサ信号値を基
にノック判定及びノックセンサフェイル検出を実行す
る。このノック判定結果及びノックセンサフェイルの結
果はマイクロコンピュータ24の出力ポートから出力さ
れ、適切なタイミングでエンジン制御用ホストコンピュ
ータ25にその入力ポートを通じて取り込まれる。 【0016】このホストコンピュータ25もやはりマイ
クロコンピュータであり、8ビット等の比較的高級なマ
イクロコンピュータを使用するのが良い。このエンジン
制御用マイクロコンピュータ25は公知のごとく図示し
ない回転角センサ、吸入空気量センサ(エアフローメー
タ)等のセンサ信号を基に基本点火時期、基本噴射時間
計算する。空燃比の制御は、基本噴射時間をベースにし
てこれに各種センサ(たとえば水温センサ)による補正
値を加えたり、あるいは噴射時間を酸素濃度(O2 )セ
ンサのリッチ・リーン信号によりフィードバック制御す
ることにより達成される。 【0017】一方、点火時期は基本点火時期を基準にし
てマイクロコンピュータ24のノック判定結果に応じて
進角、遅角させることにより、常にノック限界付近にコ
ントロールされる。また、マイクロコンピュータ24に
よってノックセンサ1のフェイルが検出された場合に
は、点火時期を最遅角にする等の処置もこのエンジン制
御用ホストコンピュータ25が実行する。また、マイク
ロコンピュータ24のリセット信号もホストコンピュー
タ25が管理する。すなわち、ホストコンピュータ25
の電源が投入されるとホストコンピュータ25はまず自
分自身のイニシャライズをしたのち、ノック検出用のマ
イクロコンピュータ24にリセット信号を送りこれをイ
ニシャライズする。 【0018】次に本実施例の作動説明を行う。図3は、
本実施例のノッキング検出、判定、センサフェイル検
出、遅角量演算出力のためのマイクロコンピュータ24
のタイミングチャートを示す。図4はマイクロコンピュ
ータ24の基本的なプログラムの流れを示すフローチャ
ートである。スタートのステップ220より始まるメイ
ンルーチンでは、内蔵タイマーでの点火周期T180の
計算(ステップ221)、その値に基づいてA/D変換
開始までの遅延時間(マスキング時間)T1、A/D変
換を行う時間(判定時間)T2、A/D変換値と比較す
る判定レベルを求める為にノックセンサ信号の平均値に
乗ずる為の予め実験的に定めた倍率(K値)の計算(ス
テップ222)及びノックセンサフェイル検出用のフェ
イル判定レベル(VF )の計算(ステップ223)が実
行される。 【0019】ホストコンピュータ25から出力される割
込み開始(IRQ)信号の立下り(図3の211)でマ
イクロコンピュータ24に割込みがかかる(図4のステ
ップ211−1)。本実施例ではエンジンの各気筒の上
死点前(BTDC)10°CAのタイミングでホストコ
ンピュータ25がIRQ信号を立ち下げる。割込ルーチ
ン開始後、割込処理(図3の212)に続きマスキング
時間T1(図3の213)の間、マイクロコンピュータ
24はA/D変換を待つ(図4のステップ213−1) マスキング時間終了後、時間T2(図3の214)の値
の期間だけ、アナログ入力ポートAN1またはAN2に
入力されるノックセンサ信号を繰り返しA−D変換し、
(図4のステップ214−1)、そのA−D変換値をな
まし処理した(図4のステップ214−2)後、毎回の
A/D変換値VADと前回計算の気筒別判定レベルVLE
を比較し、VLEV <VADの場合にはノックパルスをカウ
ントアップ(図4のステップ214−3)する。ステッ
プ214−2におけるA/D変換値のなまし処理は次の
ように行う。 【0020】 【数1】 ここで、VADi は今回のA/D変換値、VMADi-1は前回
までのなまし結果、V MADiは今回のなまし結果である。 【0021】次に、ステップ214−4にて最大値V
peak算出のためのデータ置換を実行する。すなわち、今
回のA/D変換値VADi が先回までの最大値Vpeakより
大きい場合にはVPeakを今回のVADi で置換し、VADi
がVPeakよりも小さい場合には先回までのVPeak値をそ
のまま保存する。これをT2 ループの間繰り返す(ステ
ップ214−5)ことにより、ノック判定区間(T2
内の最大波高値VPeakを求めることができる(図8参
照)。 【0022】また、A/D変換終了後、A/D変換器2
4aの平均値を図3の215のタイミングで算出し、さ
らに次判定区間用気筒別判定レベルを算出する(図4の
ステップ215−1,215−2)。ここで、ステップ
215−1の平均値算出は次のように行う。 【0023】 【数2】 ここで、VMAD はステップ214−2で計算された最終
的ななまし結果、VMEAN -iは前サイクルまでの平均値、
MEANは今回までの平均値である。 【0024】また、ステップ215−2の判定レベルV
LEV の計算は次のように行う。 【0025】 【数3】VLEV =K×(VMEAN+VMOS ) ここで、VMOS はA/D変換誤差、演算処理誤差等を補
正する定数であり、予め実験により求めておく。以上の
ようにして求められたノック判定レベルVLEV は、エン
ジン条件に応じて変化すると共に気筒毎にも変化する。
すなわち、VLEV の計算の基になる量V MEANはその気筒
だけのセンサ出力平均値に対応する量であり、従って、
仮にK値が全気筒で一定でもVLEV は気筒毎に変化す
る。 【0026】マイクロコンピュータ24は気筒毎に判定
レベル(たとえば、4気筒なら4つ)をRAMエリアに
保存・更新している。次に、図3の215のタイミング
内において図4のステップ215−3で以下のようにし
てフェイル出力を計算する。 【0027】 【数4】 ここで、VFaiLi は今回のフェイル出力結果、V
FaiLi-1 は先回までのフェイル出力、Vpeakは既出のと
おりノック判定区間内の最大波高値である。このVFa
ili はVMEANと同様に気筒毎に算出される。 【0028】次に図3の215のタイミング内における
図4のステップ215−4のA/D変換ポートの選択は
図10に示すフローチャートに従って次のようにして行
われる。まず、マイクロコンピュータ24がイニシャラ
イズされたときにはA/D変換ポートは相対的に増幅率
の大きな側のポートすなわちAN2に予め設定されてい
る。そして、エンジン条件が変化し、例えばエンジン回
転数が高くなるとセンサ出力が増大し、VMEANが大きく
なる。その結果、ノック判定レベル 【0029】 【数5】VLEV =K×(VMEAN+VMOS ) が所定値VMAX を超える気筒がでてくる。これを図9の
(a)を用いて補足説明する。例えば、比較的出力の大
きな気筒(j気筒とする)のノック判定レベルV LEV
エンジン回転数を上げていくとある回転数で所定値V
MAX を超える。 【0030】このとき、マイクロコンピュータ24はそ
の気筒のタイミングでのA/D変換ポートを増幅率の低
いAN1側に切り替える(ステップ261〜263)。
別の気筒については、その気筒のノック判定レベルV
LEV が所定値VMAX を超えた時点でA/D変換ポートを
AN2からAN1側へ切替える(図9の#k気筒参
照)。そして、ポートがAN2からAN1側へ切替わっ
た気筒についてはその気筒に対応するVMEAN,VLEV
してVFaiLを相対的信号比率分だけ修正する(ステップ
264)。この例では1/4にする。 【0031】このとき比率が2のべき乗に設定してある
とシフト演算で高速処理できる。すなわち、この場合に
はVMEAN,VLEV ,VFaiLを2ビットだけ右へシフトす
ることにより、値を1/4に高速に修正できる。さて今
度は逆にエンジン回転数が下がってきてVLEV が所定値
MIN を下まわるとA/D変換ポートを増幅率の大きい
側に切替える(すなわちAN1からAN2側に切替る:
ステップ261,265,266)と共に、その気筒の
LEV ,VMEAN,VFaiLを2ビットだけ左へシフト(す
なわち4倍:ステップ267)する。従って、例えばエ
ンジン回転数が一定の条件下では#j気筒がAN1側の
ポート選択、#k気筒がAN2側のポート選択になって
いる場合も存在する。 【0032】これをもう少し説明すると、例えば4気筒
のエンジンで点火順序が#1,#3,#4,#2気筒の
順であるとすると、#1気筒のノック検出のタイミング
ではAN2側のポートからのA/D変換値を取り込み、
次の#3気筒のノック検出のタイミングではAN1側の
ポートからのA/D変換値を取り込むようにするわけで
ある。このような操作により気筒毎にそしてセンサ信号
の出力レベルに応じて増幅率を切替ることができる。 【0033】なお、上下の切替用しきい値VMAX とV
MIN はその比が相対信号比率(この例では4倍)以上に
マージンをもって設定しておくと、ポートの切替特性に
ヒステリシスを持たすことができ、切替動作のハンチン
グを防ぐことができる(図9の(a)参照)。次に、A
/D変換部分とノック判定出力について詳細な動作説明
を図5,6,7と用いて行う。 【0034】図5中の301はノッキング検出信号の1
周期相当分である。前述の様に検出信号は8KHZ の正
弦波となっている。図6を参照し、A−D変換のプログ
ラムが開始(ステップ320)されると、1チップマイ
クロコンピュータ24内の比較機能であるコンパレータ
のモードが設定され0レベルに対しスレシホルドレベル
Thが設定される(ステップ321)。そしてコンパレ
ータをスタートさせ(ステップ322)、正弦波301
のThからの立下りの時刻TDOを検出し(ステップ3
23−1)、誤動作を防ぐ目的でさらにThレベルを確
認する(ステップ323−2)。Thレベル検出後は、
Thレベルからの立下りを検出するルーチンに移り(ス
テップ325)、立上り検出時刻TZ1から所定時間Δ
D遅延させ(ステップ326)、時刻TS1に到る。 【0035】なお、立上り検出ルーチン(ステップ32
5)では、判断を直列に配し、立上りが検出されなくて
も最終的にステップ326に移るようにして、演算処理
が無限ループに陥らないようにしている。続いて、時刻
TS1からA/D変換を開始する時刻が正弦波301の
ピーク310−1を中心として設定される。その際、正
弦波301のピーク付近のスロープは正弦波の立上り、
立下りのスロープに比べ、ほぼ一定と見なされ、遅延時
間ΔDをピークの近傍まで遅らす事によってA/D変換
を行っても(ステップ327)正弦波301のピーク値
P が得られる。 【0036】即ち変換開始時刻TSIで与えられる値
SI、終了時刻Tfiで与えられる値Vfiは、いずれもピ
ーク値VP に比べ、その差を極めて少なく、更に本例で
はA/D変換は逐次比較式A/D変換を用いていてる為
得られたA/D変換値はVSI,V fiよりVP に近づくも
のである。得られた変換値は読み取られたメモリに入れ
られ(ステップ328)、次の作動ステップ329に移
る。 【0037】図7は、ノック強度判定のためのパルスカ
ウント部分(図4のステップ214−3)のより詳細な
フローチャートである。A/D変換された値VADは、前
回までに求められた気筒別判定レベルVLEV (図4のス
テップ215−2)と比較され(ステップ331)、A
/D変換値が、気筒別判定レベルVLEV より低かった
ら、次の作動ステップ333に移る。気筒別判定レベル
LEV より大きいと判定した時は、ノックパルスカウン
タに1を加算(ステップ332)する。 【0038】このパルスカウントをノック判定区間の間
繰り返す(図4のステップ214−5のT2 ループ)こ
とにより1点火周期の間のパルス総数が求められる。こ
のパルス総数がノック強度に対応する量になる。例え
ば、パルス総数0〜1がノックなし、2〜5が小ノッ
ク、6〜9が中ノック、それ以上が大ノックというよう
にノック強度を分類して判定することができる。パルス
数1をノックなしに含めたのは、電気的な鋭いノイズが
入ってきたときにこれをノックと誤判断させないための
工夫である。 【0039】このようにして判断されたノックの強度の
結果は、図4のステップ216−1でマイクロコンピュ
ータ24の出力ポートからホストコンピュータ25に向
けて送信される。例えば、ノック強度を、なし、小、
中、大の4種類とすれば、これは2本の信号線の0,1
の組み合わせでホストコンピュータ25に送信すること
ができる。ホストコンピュータ25はこれを適切なタイ
ミングで読み取りこの情報によって点火時期の進遅角演
算を実行し、最終的にイグナイタ3に点火時期制御信号
を送ることによりノックコントロールされる。 【0040】次に図4のステップ216−2のフェイル
判定出力について図11のフローチャートを参照して詳
細に説明する。先に説明した通り、ノックセンサフェイ
ルの被検出信号はノック判定区間内の最大波高値Vpeak
のなまし値VFaiLi を使用している。このVFaiLi は気
筒毎に算出され(ステップ215−3)、これをステッ
プ216−2でフェイル判定レベルVF と比較する。こ
れを図9の(b)を用いて説明すると、フェイル判定レ
ベルVF はエンジン条件(例えばエンジン回転数)に応
じて変化するようになっている。 【0041】このフェイル判定レベルVF は気筒毎に変
化させても良いが、全気筒共通のフェイル判定レベルで
も実用上は特に問題ない。このフェイル判定レベルVF
と被検出信号VFaiLi を毎点火比較する(ステップ27
1)。そしてこのVFaiLi がフェイル判定レベルVF
り小さく、かつその気筒の増幅率が大きい側になってい
る場合(ステップ272で判別)に限り、フェイルカウ
ンタを1だけインクリメントする(ステップ273)。
そして、VFaiLi がVF を超える点火サイクルがきた場
合、もしくは増幅率が小さい側になっている気筒が巡っ
てきた場合にはそのフェイルカウンタを0にクリアする
(ステップ274)。 【0042】このようにしてフェイルカウンタの計数値
が所定値になったとき、例えば30点火連続してフェイ
ルカウンタがインクリメントされた時(ステップ275
で判別)には、センサフェイルと判定し、デジタル出力
ポートよりホストコンピュータ25にフェイル信号を送
る(ステップ276)。ホストコンピュータ25側で
は、この信号を受けとると、点火時期を最遅角にする等
の安全上の処置をとる。 【0043】なお、フェイル判定レベルVF はエンジン
の適合定数であるが、ノイズマージン等の理由によりあ
まり小さな値は使用できない。図9の(b)において、
この下限をVFminとすると、増幅率を切り替えないでフ
ェイル検出する従来のシステムではN1 以上の回転域で
しかフェイル検出できない。しかるに本実施例ではこれ
を低回転(N2 )までフェイル検出が可能になる。従っ
て、本実施例ではステップ270でエンジン回転数がN
2 以上か否かを判別し、N2 以上の回転域をフェイル検
出実行条件としている。 【0044】また、上述した実施例のごとく、センサ信
号が比較的大きくなるような燃焼区間(ノック判定区
間)内の最大波高値に関連した量をフェイル被判定信号
にすることにより、フェイル検出精度がさらに向上す
る。なお、上述した実施例では増幅率を気筒毎に切替え
ているので、マイクロコンピュータのソフトウェアのみ
で性能の高い気筒別ゲイン切替が達成できる。 【0045】また、上述した実施例では増幅率を2段階
に切替えたが、3段以上の多段階に切替ることももちろ
ん可能である。この時には例えば増幅率を大きい順にG
1 ,G2 ,G3 ……とすれば、G1 とG2 のときのみフ
ェイル検出し(G3 のときのみフェイル検出を禁止す
る)、さらに、フェイル判定レベルVF 自体をG1 とG
2 で切替ることも考えられる。 【0046】また、上述した実施例では増幅器22,2
3の出力を直接、同時にA/D変換器24aの入力ポー
トAN1,AN2に入力しているが、図12に示したご
とくアナログスイッチ26を介してA/D変換器24a
に選択入力することも考えられる。このときにはアナロ
グスイッチ26の切替制御はマイクロコンピュータ24
のデジタルポートにより実行することができる。 【0047】また上述した実施例ではフェイルの被検出
信号としてVpeakの16点火なまし値VFaiLi を使用し
ているが、Vpeakを直接、フェイル被検出信号として使
用することもできる。しかしながら、なまし値VFaiLi
を使用した方がフェイル検出の精度が高くなるため本実
施例の方が望ましい。また、VFaiLi は気筒別に作成し
ているが、これも全気筒共通に作成することも考えられ
る。 【0048】また、本実施例ではVpeakのなまし値を用
いてフェイル検出しているが、VME ANを用いてフェイル
検出することも考えられる。またVpeak分布を中央値
(累積50%点)を用いてフェイル判定することもでき
る。Vpeakの分布中央値Vseは、点火サイクル毎にV
peakがVseよりも大ならVse=Vse+ΔVse,逆にV
peakがVseよりも小さいならばVse=Vse−ΔVseのよ
うに逐次更新していくことにより求めることができる。 【0049】また、上述した実施例では増幅率が小さい
側に切替っているときにフェイルカウンタを0にクリア
し、全くフェイル検出をキャンセルしたが、増幅率が小
さい時にはフェイルカウンタのカウント値をホールドし
ておくことも考えられる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の特許請求の範囲対応図である。 【図2】本発明の一実施例を示すブロック図である。 【図3】図2図示装置の作動説明に供する演算出力のタ
イミングチャートである。 【図4】図2図示装置のマイクロコンピュータにおける
各種処理手順を示すフローチャートである。 【図5】図6図示フローチャートによるA/D変換タイ
ミングを示す図である。 【図6】図2図示装置のマイクロコンピュータにおける
各種処理手順を示すフローチャートである。 【図7】図2図示装置のマイクロコンピュータにおける
各種処理手順を示すフローチャートである。 【図8】図4図示フローチャートによる最大値の算出の
ための説明に供する図である。 【図9】図2図示装置におけるノックセンサ出力により
得られる気筒別判別出力信号及びフェイル判定用の被検
出信号を回転数に対応して示す特性図である。 【図10】図2図示装置のマイクロコンピュータにおけ
る各種処理手順を示すフローチャートである。 【図11】図2図示装置のマイクロコンピュータにおけ
る各種処理手順を示すフローチャートである。 【図12】本発明装置の他の実施例の要部構成を示すブ
ロック図である。 【符号の説明】 1 ノンク検出手段をなすノックセンサ 2 エンジン制御用電子制御ユニット 3 イグナイタ 4 インジェクタ 22,23 増幅手段を構成する増幅器 24 マイクロコンピュータ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 (1)内燃機関に発生するノックを検出するノック検出
    手段と、このノック検出手段の出力を増幅する増幅手段
    と、所定のノック判定区間内の前記増幅手段の出力によ
    ってノック判定レベルを気筒毎に作成するノック判定レ
    ベル作成手段と、このノック判定レベル作成手段のノッ
    ク判定レベルと前記ノック判定区間内の前記増幅手段の
    出力とを比較してノックを判別するノック判別手段と、
    このノック判別手段の判別結果に応じて点火時期、空燃
    比、吸気圧等のノック制御要因を制御するノック制御要
    因制御手段と、前記ノック判定レベル作成手段のノック
    判定レベルに対して上側のしきい値と下側のしきい値と
    を設定し、前記ノック判定レベルと前記各しきいとの
    大小比較を実行してその結果に基づき前記ノック判定
    外のタイミングにおいて前記増幅手段の増幅率を各気
    筒に対し個別に前記ノック判定レベルの方が前記上側の
    しきい値より大きい場合には小さくする方向に、前記ノ
    ック判定レベルの方が前記下側のしきい値より小さい場
    合には大きくする方向にそれぞれ複数段にかつ段階的に
    変化させる増幅率可変手段とを備える内燃機関用ノック
    制御装置。 (2)前記増幅手段は複数の増幅器を直列接続してな
    り、前段の増幅器と後段の増幅器とのそれぞれより複数
    段の増幅率の出力を取り出す特許請求の範囲第1項記載
    の内燃機関用ノック制御装置。 (3)前記複数段に段階的に変化させる増幅率は2のべ
    き乗に設定される特許請求の範囲第1項または第2項記
    載の内燃機関用ノック制御装置。
JP5297973A 1993-11-29 1993-11-29 内燃機関用ノック制御装置 Expired - Fee Related JP2586415B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5297973A JP2586415B2 (ja) 1993-11-29 1993-11-29 内燃機関用ノック制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5297973A JP2586415B2 (ja) 1993-11-29 1993-11-29 内燃機関用ノック制御装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1654687A Division JPH0631564B2 (ja) 1987-01-27 1987-01-27 内燃機関用ノツク制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06299938A JPH06299938A (ja) 1994-10-25
JP2586415B2 true JP2586415B2 (ja) 1997-02-26

Family

ID=17853494

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5297973A Expired - Fee Related JP2586415B2 (ja) 1993-11-29 1993-11-29 内燃機関用ノック制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2586415B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007049150A1 (de) * 2007-10-12 2009-04-16 Robert Bosch Gmbh Klopferkennungssystem sowie Verfahren für eine Verstärkungsregelung für ein Klopfsignal
JP6398780B2 (ja) * 2015-02-23 2018-10-03 株式会社デンソー 内燃機関用電子制御装置
KR101702116B1 (ko) * 2015-05-20 2017-02-02 김성훈 통합형 다기통 엔진 연소실 모니터링 시스템

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5738667A (en) * 1980-08-14 1982-03-03 Hitachi Ltd Knock controller
JPS59126929A (ja) * 1983-01-10 1984-07-21 Nissan Motor Co Ltd ノツキング検出装置
JPS6035238A (ja) * 1983-08-05 1985-02-23 Nippon Denso Co Ltd ノツキング検出装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5738667A (en) * 1980-08-14 1982-03-03 Hitachi Ltd Knock controller
JPS59126929A (ja) * 1983-01-10 1984-07-21 Nissan Motor Co Ltd ノツキング検出装置
JPS6035238A (ja) * 1983-08-05 1985-02-23 Nippon Denso Co Ltd ノツキング検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06299938A (ja) 1994-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4499330B2 (ja) ノッキング識別のための方法
GB2055426A (en) Device for controlling an internal combustion engine by detecting knock
US4399802A (en) Ignition energy control method and system
US5027775A (en) Apparatus for controlling combustion condition
JPH0211742B2 (ja)
US4541382A (en) Method and apparatus for ignition timing control of internal combustion engine
JP2586415B2 (ja) 内燃機関用ノック制御装置
JPS61237884A (ja) 内燃機関用ノツキング制御装置
JPS6341669A (ja) 内燃機関用ノツキング制御装置
JP2005090250A (ja) エンジンのノック制御装置
JPH04101068A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
US4452206A (en) Ignition timing control system for internal combustion engines
JPS6262225A (ja) 内燃機関のノツキング検出方法
JPH0631564B2 (ja) 内燃機関用ノツク制御装置
JP2706933B2 (ja) エンジンのノツキング制御装置
JP2701844B2 (ja) 内燃機関のノック制御装置
JPH07139415A (ja) 内燃機関用ノッキング検出装置
JP2551085B2 (ja) 内燃機関のノック制御装置
JPH0772527B2 (ja) 内燃機関用ノッキング検出装置
JPS6338686A (ja) 内燃機関用ノツク制御装置
JPS58152171A (ja) 内燃機関用点火時期制御装置
JPH05340331A (ja) 内燃機関のノッキング制御装置
JPH0721440B2 (ja) 内燃機関用ノッキング検出装置
JPS58180766A (ja) 内燃機関用点火時期制御装置
JP2579987B2 (ja) エンジンのノッキング検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960924

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees