JP2586246Y2 - まくらぎ保護弾性カバー - Google Patents

まくらぎ保護弾性カバー

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JP2586246Y2
JP2586246Y2 JP114093U JP114093U JP2586246Y2 JP 2586246 Y2 JP2586246 Y2 JP 2586246Y2 JP 114093 U JP114093 U JP 114093U JP 114093 U JP114093 U JP 114093U JP 2586246 Y2 JP2586246 Y2 JP 2586246Y2
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elastic
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庄▲衛▼ 中村
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Central Japan Railway Co
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、鉄道軌道のまくらぎを
保護するためのまくらぎ保護弾性カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄道軌道から発生する振動や
騒音およびまくらぎが受ける輪重を軽減するものとし
て、有道床弾性まくらぎや有道床まくらぎパッドが知ら
れている。このうち有道床弾性まくらぎ30は、図3に
示すように、弾性材32でまくらぎ34をその上面を除
いて被覆したもので、まくらぎ34と弾性材32は一体
として製造される。また有道床まくらぎパッド38は板
状の弾性材であり、図4に示すように、まくらぎ36の
底部にパッド38を接着剤等ではりつけて使用される。
【0003】これらは、まくらぎと道床の間に弾性層を
設けることにより、まくらぎを道床砕石から保護し、ま
くらぎの受ける輪重を道床に対して均一に荷重分散し、
弾性層の緩衝、振動減衰効果により振動を吸収すること
により、まくらぎと道床砕石との接触による双方の圧潰
や摩滅の防止、輪重の軽減、振動や騒音の抑止といった
効果を得るものである。また弾性層を設けることでレー
ルと道床との間の摩擦抵抗力が増加するので、まくらぎ
がレールの長手方向にずれるいわゆるレールふく進を防
止する効果もある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、有道床弾性ま
くらぎは、通常のまくらぎを製造した後、さらにまくら
ぎの表面に弾性層を形成することが必要なため、その製
造工程が複雑になり手間とコストがかる。また、敷設済
みのまくらぎを利用することができないので、有道床弾
性まくらぎを使用する場合はまくらぎを置き換えること
となり、その作業量も膨大なものとなる。
【0005】一方、有道床まくらぎパッドは、パッドを
接着するまくらぎの底面が均一でなければ接着が困難で
あるという欠点を持つ。つまり既に敷設済みのまくらぎ
は道床砕石により底面が傷つけられているため、パッド
がまくらぎに接着されにくく、これを敷設済みのまくら
ぎに適用するのは困難であった。本考案は、上記問題点
を解決するために、良好な防振、防音性能を保持しつ
つ、既に敷設済みのまくらぎに対しても問題なく適用で
きる安価なまくらぎ保護弾性カバーを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本考案の構成は、まくらぎのレール取付位置であるレ
ール座面付近のまくらぎの周囲を被覆する弾性材からな
る被覆部材と、上記まくらぎの上面に当接する部分にお
いて上記被覆部材を筒状に繋ぎ合わせる取付部材とを備
え、上記被覆部材の上記レール座面に対応する部分を切
り欠き、さらに該切り欠き部分の両側に残された被覆部
材の上面の各々を上記まくらぎの軸方向に切り開き、該
切り開き部分の両側に上記取付部材により接合される一
対の接合部を形成してなることを特徴とするまくらぎ保
護弾性カバーを要旨とする。
【0007】
【作用】このように本考案のまくらぎ保護弾性カバー
は、被覆部材に切り欠き部分があり、その切り欠き部分
の両側に残された被覆部材の上面がまくらぎの軸方向に
沿って切り開かれ、その切り開き部分に一対の接合部が
設けられているので、まず被覆部材の切り欠き部分をま
くらぎのレール座面に対応させ、レール座面が切り欠き
部分から露出するように被覆部材によりまくらぎの底面
および側面を被覆した後、まくらぎの上面において対に
なる接合部を取付部材により繋ぎ合わせ、被覆部材を筒
状に固定するといった手順で行なうことにより、まくら
ぎに取り付けられる。従って、まくらぎの表面の状態に
左右されることなく、まくらぎ保護弾性カバーはまくら
ぎに取り付けられる。また、このようにまくらぎを被覆
した際には、被覆部材がまくらぎと道床の間の弾性層と
して働くので、この弾性層により軌道から発生する振動
や騒音およびまくらぎの受ける輪重を軽減することがで
きる。
【0008】
【実施例】以下に本考案の実施例を図面と共に説明す
る。図1は、本考案の一実施例としてのまくらぎ保護弾
性カバー10を表す斜視図である。図1に示すように、
本実施例のまくらぎ保護弾性カバー10は、被覆部材1
2と、被覆部材12の上面で被覆部材12を筒状に固定
するための、金具板26とボルト28と図示しないナッ
トとによる二対の取付部材16とからなる。
【0009】被覆部材12は、断面が四角の筒状に形成
されており、図示した状態において、その上面から側面
にかけて、切り欠き部14が設けられている。そして切
り欠き部14によって二つに分断された被覆部材12の
上面の各々には、被覆部材12の軸方向に沿った切込み
が形成されており、この切込み部分で筒状の被覆部材1
0は切り開かれている。切込み部分により切り離された
部分の各々には、一対の接合部18が被覆部材12と一
体に形成されている。そしてこの接合部18には、対に
なる接合部18を突き合わせた状態で固定するための、
ボルト28を挿通可能な図示しない一対の挿通孔が各々
形成されている。
【0010】なお被覆部材12は、被覆部材12の内面
がまくらぎの底面、側面、上面に密着するようにまくら
ぎの形状に対応して予め作製された型枠に、液状ウレタ
ンを流し込み、常温または加熱硬化させる方法で製造さ
れている。また被覆部材12を構成する液状ウレタンに
は、硬化した際のバネ定数が、10[cm]×10[c
m]×2[cm]の供試体で、7[t/cm]であるも
のが使用されている。
【0011】またさらに、被覆部材12の底面での厚さ
は20[mm]、側面および上面での厚さは10[m
m]となっている。次に、図2は、本考案の一実施例で
あるまくらぎ保護弾性カバー10がまくらぎ22に取り
付けられた状態を示す説明図である。図2に示すよう
に、まくらぎ保護弾性カバー10は、まず被覆部材12
の切り欠き部14をまくらぎ22のレール座面24に対
応させて、レール座面24が切り欠き部14において露
出するように被覆部材12をまくらぎ22の底面、側
面、上面にまきつけた後、その上面に形成された二対の
接合部18をそれぞれ突き合わせ、各接合部18をそれ
ぞれ一対の金具板26(裏側の金具板は図示しない)に
より両側から挟み込み、金具板26と接合部18とに設
けられた図示しない挿通孔にボルト28を挿通し、図示
しないナットで固定するといった手順で、レール座面2
4付近のまくらぎ22の周囲に固定されている。
【0012】この結果、レール座面24付近のまくらぎ
22の周囲は被覆部材12で被覆され、この被覆部材1
2がまくらぎと道床との間の弾性層の役目を果たし、こ
の弾性層により、まくらぎと道床との双方の劣化防止、
まくらぎが受ける輪重の軽減、軌道から発生する騒音や
振動の抑止、レールふく進の防止といった有道床弾性ま
くらぎと同様の効果が得られる。
【0013】このため、本実施例のまくらぎ保護弾性カ
バーは、例えば、レール溶接箇所、接着絶縁継目箇所の
前後(各5本)および伸縮継目前後(各100m)、無
道床橋梁前後(各50m)、レール軸力の不均等により
発生するレール可動区間等の、振動や騒音を抑える必要
のある区域、まくらぎが著大な輪重を受けやすい箇所、
レールふく進が起こり易い区間に敷設すれば効果的であ
る。
【0014】そして本実施例のまくらぎ保護弾性カバー
10は、取付部材16により被覆部材12を筒状に固定
することでまくらぎ22に取り付けるという構造のた
め、まくらぎ22の表面の状態に左右されることなく、
まくらぎ保護弾性カバー10をまくらぎ22に取り付け
ることができる。つまり有道床まくらぎパッド38と違
い、既に敷設され表面が傷んでいるまくらぎに対しても
問題なく取り付けることができる。
【0015】また、まくらぎ保護弾性カバー10は、レ
ール座面24に相当する切り欠き部14が設けられ、そ
の両側で筒状の被覆部材12が軸方向に沿って切り開か
れているという構造のため、レールが設置されている敷
設済みのまくらぎに対しても、まくらぎ22のレール座
面24周辺下の部分の道床を取り除き、まくらぎの下側
からまくらぎの底面および側面に被覆部材12を巻き付
け、上面においてレール座面を挟んだ両側で接合部18
を突き合せ、取付部材16により固定し、まくらぎ22
のレール座面24周辺下の部分の道床を元に戻すことに
より、レールが邪魔になることもなく、またまくらぎ全
体を掘り起こすこともなく、敷設済みのまくらぎに取り
付けることができる。つまり既に敷設済みのまくらぎに
対しても敷設されたままの状態でまくらぎ保護弾性カバ
ーを着脱することができる。このため、まくらぎ保護弾
性カバーは、まくらぎ自体を取り替える必要のある有道
床弾性まくらぎと比較して、敷設に要する作業量を著し
く少なくすることができる。またこのように敷設済みの
まくらぎに簡単に取り付けることができるので、まくら
ぎ保護弾性カバーの取付作業は、敷設済みのまくらぎに
取り付ける場合、例えば、まくらぎの保守作業と一緒に
行うこともできる。
【0016】また、まくらぎ保護弾性カバー10は、有
道床弾性まくらぎ30のようにまくらぎと一体成形する
必要はなく、まくらぎの一部を弾性体で被覆するもので
あり、まくらぎとは別体で製造できるため、その製造も
容易に行なうことができる。またさらに、まくらぎ保護
弾性カバー10をまくらぎ22に取り付けた状態もコン
パクトであるため、道床を機械などによりつき固めるマ
ルタイ作業などの保守作業の邪魔になることもない。
【0017】なお、本実施例では、まくらぎ保護弾性カ
バーの断面が長方形になっているが、これはまくらぎの
断面の形状に合わせたためであり、例えばまくらぎの断
面が台形ならば、台形にすればよい。また、まくらぎ保
護弾性カバーの被覆部材の外面またはまくらぎに接する
内面のいずれか一方または両方に溝を設けてもよい。こ
の場合、道床との接地面積が大きくなったり、空気の弾
性層が設けられたりするため、まくらぎの受ける輪重の
軽減や振動の抑止効果をより向上できる。
【0018】また、まくらぎ保護弾性カバーの製造方法
としては、弾性カバーの型枠に生ゴムと添加剤等を加え
て、加熱圧縮成形する方法、および弾性カバーの型枠に
ゴムタイヤの粉末と接着剤を加えて常温または加熱圧縮
成形する方法などもあり、使用する弾性材は所望の強度
とバネ定数が得られるのであればどのようなものでも用
いることができる。
【0019】
【考案の効果】以上説明したように、本考案のまくらぎ
保護弾性カバーは、被覆部材でまくらぎを被覆すること
により、まくらぎと道床の間に弾性層を形成するように
構成されている。従ってこの弾性層により、まくらぎと
道床との双方の劣化防止、まくらぎが受ける輪重の軽
減、軌道から発生する騒音と振動の抑止、レールふく進
の防止といった有道床弾性まくらぎと同様の効果を得る
ことができる。
【0020】そしてまくらぎへの取付は、被覆部材を筒
状にまきつけ、その上部を取付部材によって固定すると
いった手順で簡単に行うことができるため、まくらぎの
表面の状態に左右されることなくまくらぎ保護弾性カバ
ーを取り付けることができ、しかも敷設済みのまくらぎ
にも問題なく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例のまくらぎ保護弾性カバーを表す斜
視図である。
【図2】 本実施例のまくらぎ保護弾性カバーがまくら
ぎに取り付けられていることを表す説明図である。
【図3】 従来の有道床弾性まくらぎを表す説明図であ
る。
【図4】 従来の有道床まくらぎパッドがまくらぎに取
り付けられていることを表す説明図である。
【符号の説明】
10…まくらぎ保護弾性カバー 12…被覆部材 1
4…切り欠き部 16…取付部材 18…接合部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 まくらぎのレール取付位置であるレール
    座面付近のまくらぎの周囲を被覆する弾性材からなる被
    覆部材と、上記まくらぎの上面に当接する部分において
    上記被覆部材を筒状に繋ぎ合わせる取付部材とを備え、 上記被覆部材の上記レール座面に対応する部分を切り欠
    き、さらに該切り欠き部分の両側に残された被覆部材の
    上面の各々を上記まくらぎの軸方向に切り開き、該切り
    開き部分の両側に上記取付部材により接合される一対の
    接合部を形成してなることを特徴とするまくらぎ保護弾
    性カバー。
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