JP2585030B2 - マスフィルター - Google Patents

マスフィルター

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JP2585030B2
JP2585030B2 JP62293881A JP29388187A JP2585030B2 JP 2585030 B2 JP2585030 B2 JP 2585030B2 JP 62293881 A JP62293881 A JP 62293881A JP 29388187 A JP29388187 A JP 29388187A JP 2585030 B2 JP2585030 B2 JP 2585030B2
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/42Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
    • H01J49/4205Device types
    • H01J49/421Mass filters, i.e. deviating unwanted ions without trapping
    • H01J49/4215Quadrupole mass filters

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は四重極マスフィルターを含むマスフィルター
に関し、特に、四重極のような、マスフィルター用の電
極アセンブリーに関する。
〔発明の技術的背景及びその問題点〕
マスフィルターは、たとえば電界を用い、質量−電荷
比によってイオン化粒子を分離して物質の化学組成を分
析するための装置である。高フィルタリング分解能は、
4個の並列に伸びた電極を備え断面が共通原点を中心と
した各象限内における双曲線弧に近い形をしている四重
極マスフィルターを用いて達成される。対向する電極対
は電気的に接続されている。
高周波電力増幅器(RFPA)は通常、2対の電極を駆動
するのに用いられる。一方の対は、正の直流(DC)電位
と加算された所定の高周波(RF)信号で駆動される。電
極の他方の対は第1の対に印加された高周波信号に対し
180゜位相がずれ、負のDCと加算されたRF信号によって
駆動される。
RFフィールド(field)は比較的軽いイオンの動きを
支配し、それらを四重極フィルターの機能的中心領域か
ら排出する。DCフィールドは比較的重いイオンを支配
し、それらは反対の極性(conductivity)を持つ電極の
1つによって除去に引きつけられ、吸収される。適当な
中間の重さのイオンは、RF効果とDC効果の相殺によって
四重極を通ってほぼ長手方向の軌道を通過することがで
きる。
こうして、四重極配列内部のフィールドのRF成分およ
びDC成分を適当に設定することによって、装置の動作範
囲内の任意の質量を検出、測定のために選択できる。し
たがって、単一設定を単一イオン測定(SIM)モードに
おいて用いることができる。これに対して、走査モード
では、RF成分およびDC成分は適当に関連づけられた態様
で掃引され、サンプル内の分子状粒子の分離スペクトル
を生成する。
四重極マスフィルターの4個の電極に対する理論的に
理想な断面はそれぞれの四分区間で無限に延びる4個の
双曲線である。通常は、原点近くの双曲線弧だけが近似
している。これらの弧は通常、固体金属(たとえばモリ
ブデンやステンレス鋼)の棒(ロッド)から所望の形状
に研削することによって実現される。4個の研削された
ロッドの所望の相対的配置は、たとえばセラミックまた
は他の硬い非導電性材料のハーネスによって保持され
る。
しかし、四重極フィルターをこのように4本のロッド
で実現するについてはいくつかの欠点(たとえば、高価
であること、重いこと、かさばること、配置ずれが起り
やすいことなど)がある。たとえば、4個の数インチ長
のモリブデン・ロッド上に同じ双曲線表面を研削するこ
とは時間の点でも材料の点でも割に合わない。また、電
気的に有用なのは双曲表面だけである。ロッドの体積
は、剛性を与えるような限られた作用を果たすにすぎな
い。セラミック・ハーネスの4個のロッドが衝撃を与え
られると、配置ずれが容易に起りやすい。さらに、この
配置ずれは肉眼では検出できず、その上、質量表示が予
測できない程ゆがめることがある。
これらの問題のいくつかを改善する一つの方法は四重
極ロッドを矩形管状のガラスフレームに入れることであ
る。個々のロッドがフレームに合わせられて、質量及び
容積が小さくなる。ガラスフレームはまた、力が加えら
れたときに剛性を維持するようにも働らく。しかしなが
ら、どの程度までこの方法のマイナーな理論上の利点が
実施に移せるかは明らかでない。また、重量、寸法、信
頼性についての改良もさらに要求される。最後に、大き
なコスト節約になるかどうかはこの方法では明らかでな
い。
もっと目新らしい代替方法はガラス四重極を使用する
ことである。このような四重極はHnleinに付与され
た米国特許第3328146号に開示されている。電極アセン
ブリの構造は四重極の基板として働らく適当な形状をし
たガラス管によって与えられる。電極の所望の双曲線形
状は、ガラス管の内面の双曲線輪郭に金属の薄いストリ
ップ(strip)を合わせることによって達成できる。
この方法は、上述した方法におけるロッドをガラスや
金属の薄いストリップで置換えることによって、寸法や
重さが大きく減少される。ガラスは安く入手でき、マン
ドレル上で真空成形できるのでコスト、労力が大きく減
少される。金属ロッドを研削するのにともなうコストお
よび時間は、マスフィルタ毎に4個の四重極を形成する
場合に対し再使用可能なマンドレルを形成するのに必要
なコストおよび時間へ減少される。
ガラスは四重極金属より、小さな非弾性的変形を受け
にくいので、そのガラスの構造的完全性が破られるとき
を除いて一般的に、有効な測定が得られる。ガラス四重
極に対する損傷は金属四重極より容易に目視で検出でき
る。こうして、有効な測定を与えているという印象のも
とでは動作しているガラス四重極の損傷の可能性は少な
い。
ガラス四重極の考え方はいくつかの大きな利点を示唆
するが、実施するには迂路がとられた。金属四重極マス
フィルターは商業的に発展させられたが、ガラス四重極
は始めから完成した技術に対抗することが要求される。
長年にわたるユーザのフィードバックおよびその結果と
しての調整、改造が必然的にガラス四重極マスフィルタ
の開発に組込まれる。
ガラス四重極は新しい材料とともに新しい形状を導入
する。たとえば、金属四重極およびガラス四重極の両方
とも、概念上のx軸およびy軸に無限大に向かって漸近
的に近づく4つの曲線で双曲線断面を近似するが、その
近似はお互いに相違する。金属四重極の場合は、断面
は、各ロッドにつき1つの割合で、4個の分離された閉
(closed)曲線から成る。ガラス四重極の場合は、基本
的な形状は、分離されるのではなく相互接続されてい
る、先端を切断された双曲線から成る。
理想的な双曲線断面は、双曲線を画定する、原点を通
って直交する軸の回りの円筒領域において、所定の理想
的な電界を与えるように決定される。金属及びガラス四
重極近似は共に理想とは異なり、完全な数学的特性化を
容易に受けない“非理想性”をこの領域に持込む。長年
の開発を通じて、金属四重極の非理想的性質によって導
入された電場の非理想性は広範囲にわたる実験によって
最小にされてきた。
そこで、ガラス四重極マスフィルターに関連して導入
された新しい材料および形状の性能に影響する特性を識
別したり、提供したり、補償したりすることが必要であ
る。
〔発明の目的〕
本発明の主目的は、熟成した金属四重極マスフィルタ
ーの性能を犠牲にすることなく、寸法、容積および信頼
性の利点を与えるマスフィルタを提供することである。
付随した本発明の目的は、このようなクォーツ(石英)
四重極フィルターの製造方法を提供することである。
〔発明の概要〕
本発明の追求の過程で、ガラス四重極マスフィルタに
関連した性能を制限する現象(実際上の、および潜在的
な)が確認された。確認された現象には電気的、熱的効
果の両方がある。
特に、ガラス四重極マスフィルターのいくつかの形式
において、高質量設定の後で定質量選択が設定されたと
きに性能がそこなわれることが発見された。このような
フィルターは正確な低質量表示が可能になる前に数分を
必要とすることがある。これは電気的な現象と考えら
れ、高質量設定の間に誘起された電荷蓄積が低質量設定
時の表示に悪影響を与え、またはマスクすることが推測
される。
この電荷蓄積は、小質量領域または単一イオン測定
(SIM)モードに限定されるマスフィルターに関しては
それ程問題でない。しかし、800amu(原子質量単位)以
上まで走査モードで動作する能力を有する高性能マスフ
ィルターでは、このような電荷蓄積によって生じたフィ
ールド歪は防止されるかまたはその影響は最小にされな
ければならない。
熱的な効果には、熱膨張によって生じた四重極の幾何
学的歪みのために測定が阻害されること、および四重極
の製造、動作の間の累積的なストレスによってガラス基
板が劣化することが含まれる。特に高質量設定で、RFエ
ネルギーがガラス内で失なわれるときに熱が発生する点
において熱的効果が電気的効果と関係することがある。
こうして、たとえば800amu以上の範囲をもった高性能マ
スフィルター用に設計されたガラス四重極は、これらの
電気的、熱的効果によって与えられた課題に対処しなけ
ればならないことになる。
本発明によれば、電極アセンブリーは石英基板を備え
ており、その基板はその伸びた凹部上に配置された導電
性ストリップを有している。金属酸化物のような低導電
性材料を導電性ストリップ間に付加して電荷蓄積による
電場歪を最小にすることができる。
石英はここで、少なくとも約90%のシリカを含むガラ
スとして定義される。たとえば、溶解シリカ、および93
%のシリカと7%の酸化チタンからなるチタニウム・シ
リケートを含む石英である。これらの材料は0.2%以下
の損失率、10-6cm/cm/℃以下の熱膨張率および100℃以
上の熱応力抵抗(耐性)を特徴としている。これら値の
組合せは、800amu以上まで動作する高性能マスフィルタ
ーに最適である。
石英は通常、複雑な形状を超精密に形成することが必
要な分野では避けられる。これは、主として、石英を形
成するに必要な高温度に耐える高融点金属を加工するの
が困難であるからである。条件が厳しくない分野では、
高精度に芯なし研削されたモリブデン・マンドレルを用
いて石英が形成されてきた。タングステン・ワイヤは通
常、微小の中央孔が必要なときに用いられる。
タングステンおよびモリブデンは、軟質ガラスを形成
するのに利用できる、ステンレス鋼、ニッケルのような
材料よりずっと加工が困難である。さらに、前述したよ
うに石英に対して要求される高温度のために、熱的端効
果がよりはっきり現われ、長い、したがって、より製造
しにくいマンドレルが必要になる。しかし、本発明によ
れば、形成の間の熱膨張効果を考慮した相応の公差を持
って、外部寸法が石英基板の所望の内部寸法と正確に一
致するように、高融点金属の適当なマンドレルが機械加
工、研削、研摩できるようになる。こうして、石英管を
このようなマンドレルおよび付加された導電性および低
導電性ストリップに適応させることができる。
基板を形成し、導電性ストリップを形成し、さらに低
導電性ストリップを形成する工程はどんな順序でもよ
い。例示的な方法では、基板は高融点金属マンドレルに
真空適合する。次に、銀ガラスフリット(frit)テープ
を基板の伸びた凹状内面に貼り、そのアセンブリを焼い
て隣接する基板表面へテープ内のガラスを溶かす。望ま
しくは接着剤を含んだ金属酸化物スラリー(slurry)を
導電性ストリップ間の内部表面部に塗付して導電性スト
リップの端部を重ねるのが望ましい。アセンブリをもう
一度焼いて低導電性材料を接着、固化する。
本発明の利点は、好ましい熱特性のために、導電性ス
トリップおよび付属材料の選択、付加に大きな許容度が
許されることである。軟質ガラスを損傷することがあっ
た高温プロセスを、基板を劣化させる危険なしに適用で
きる。石英の低損失率によって動作中に発生する熱が最
小になる一方、秀れた熱特性のために、発生したどんな
熱の効果も最小になる。最後に電荷蓄積によるフィール
ド歪(これは一部は本発明によって可能になった拡大質
量範囲の結果である)は導電性ストリップ間のブリッジ
(橋)部に低導電性ストリップを用いて軽減できる。
こうして、石英四重極およびそれと同様の物を製造す
る方法が提供される。他のガラス四重極を越える利点の
他に、石英四重極は、製造コストを減少させながら金属
四重極マスフィルターの性能を備える。すなわち、石英
四重極は、材料コストが低く、労働コストが低いため従
来のモリブデン四重極よりも安価である。さらに、得ら
れるフィルタは従来の四重極マスフィルターより軽量、
小型で信頼性も高い。石英四重極は取扱いに対して鋭敏
ではなく、この点で予測可能な性能が得られる。取扱い
に対する純感さのために、石英四重極がより容易に積出
し可能で、その間に損傷を受けにくいので、交換が容易
になる。また、石英四重極はセラミック・リングのよう
な高価な外部支持体は必要としない。
〔発明の実施例〕
本発明によれば、マスフィルター用の四重極11(電極
アセンブリ)は、第1図および第2図に示されるよう
に、石英基板13、4個の導電性ストリップ15および4個
の低導電性ストリッイプ17を含む。石英基板13は四重極
11に基本形状および構造的剛性を与える。導電性ストリ
ップ15は、電界が四重極11の内部に印加される際の電極
として働らく。低導線性ストリップ17は所望の電界にお
ける“非理想性”(これは、たとえば四重極の内部表面
での理想的双曲線形状からのずれによって生じる)を最
小にするために備えられる。
導電性ストリップ15は凹状双曲線19に沿って配置さ
れ、他方、低導線性ストリップ17は中間のカスプ(尖
頭)21に沿って配置される。低導電性ストリップ17は導
電性ストリップ15の隣接した長手方向に延びる端部23と
重なるのが望ましい。
四重極11が完全な四重極マスフィルターシステムに組
入れられるときは、イオン源およびイオン検出器は石英
基板13の反対側の開口25および27に配置される。導電性
ストリップ15は対向対においてRFPAおよびDC源に接続さ
れ振動電界を形成することが可能で、これによって四重
極11の内部を通るほぼ軸方向の軌道上のイオンのフィル
タリング動作が行なわれる。
基板の材料は、特に800amu以上の質量設定で、性能を
阻害する熱的および電気的影響を最小にするように選択
される。問題とするパラメータは、損失率、体積抵抗
率、熱応力耐性および熱膨張率である。
損失率は材料の誘電率と力率(損失角の正接)との積
である。この誘電率は分極された誘電体内の電気エネル
ギ蓄積の度合を決定する。損失角正接は、RFフィールド
中の双極子の運動によって熱の形で回復不能に失なわれ
るエネルギの割合である。一般に、基板の温度が増大す
るにつれて大きな割合のエネルギーが熱になって失われ
る。四重極マスフィルターは通常、800kHz〜4MHzの周波
数で動作する。ここで、損失率値は1MHz及び20℃におい
て与えられる。
マスフィルターにおける損失率の重要性は基板内の熱
暴走に関連する。熱暴走は、石英内に発生した熱の量が
ガラスから放射できる熱を越える時に起る。結果として
増大したガラス温度によってガラスの体積抵抗率が低下
し、損失率が増大し、RFPAはさらに電力を発生すること
が必要になり、それによってさらに大きな熱が発生す
る。この正のフィードバック・サイクルは熱暴走の特色
をなし、これは最終的には、供給可能な電力より多くの
電力が必要とする。
熱暴走の危険は高RF電圧が必要な高質量設定で増大す
る。したがって、高性能マスフィルタは低損失率を持つ
基板が必要になる。本発明では、基板材料は、1MHz、20
℃で0.2%以下、望ましくは0.01%以下の損失率をもつ
ように選択される。
体積抵抗率はガラスの絶縁性の尺度である。体積抵抗
率は増大した温度での絶縁破壊の危険を大きく左右す
る。すなわち、高体積抵抗率のガラスは絶縁破壊を受け
にくく、また許容できない程RFPAに負荷を与えにくい。
体積抵抗率はここでは、Ω・cm単位の体積抵抗率のlog
10の単位で表わされる。250℃で約10の体積抵抗率が高
性能応用に適当である。
熱応力抵抗(耐性)は加熱および冷却の間の損傷に耐
えるガラスの能力を意味する。ここで用いられた値は、
プレート・サンプルが加熱でき、破壊することなしに10
℃に水に入れられる最大の温度を指す。
この筋書きマスフィルタの環境内で厳密に繰返される
訳ではないが、熱応力抵抗は問題になっている他の熱変
数(たとえば、ひずみ点、アニール点、軟化点および動
作点)と充分に相関し、温度が変化する状態での耐久性
の一般的な指標として働く。一般に、熱応力抵抗はガラ
スの硬度または粘性と関係する。また、熱応力抵抗は、
導電性および低導電性ストリップを固定するのに用いら
れる焼成のような処理工程を通して基板の接続した一体
化に影響を与える。ここで考えている性能のためには、
少なくとも100℃、望ましくは少なくとも200℃での熱応
力抵抗が必要である。
熱膨張係数は加熱されたとき材料が膨張する度合いの
尺度である。この係数が負の場合はその材料は加熱され
たとき収縮する。このパラメータは、基板がプロセス中
の寸法を変えるマンドレルに増大した温度で整合させな
ければならないので基板の形成可能性に影響する。この
パラメータは、寸法変化が質量軸安定性およびフィルタ
分解能を阻害するので作業上重要である。高膨張係数
は、同調間の温度で変化する四重極は直径が大きく変化
し、その結果、質量割当ての大きな移動が生じることを
も意味する。形成および動作の両方における最高の簡便
さおよび信頼性のために、熱膨張率はできるだけゼロに
近くすべきである。今、問題にしている性能のために
は、熱膨張率は1×10-6cm/cm/℃以下でなければならな
い。
性能目標に合致するようにガラス四重極に対して要求
または所望される、損失率、体積抵抗率、熱応力抵抗お
よび熱膨張率のそれぞれの値の範囲を決定した後、本発
明に従った、石英(ここでは少なくとも90%のシリカを
含むガラスとして定義される)でできた基板を提供す
る。3つの典型的な石英は96.5%シリカと、3%ホウ酸
塩および0.5%アルミナからなる石英;微量の水を除け
ば純粋のシリカといえる溶融シリカ(99.9%SiO2,0.1%
H2O);93%シリカおよび7%TiO2からなる非常に小さな
熱膨張のチタニウム・シリケートなどである。
96.5%シリカ石英は、0.15%の損失率、9.7(log10Ω
・cm)の体積抵抗率、220℃の熱応力抵抗および0℃と3
00℃の間で7.5×10-7の熱膨張率を有する。溶融シリカ
に対して対応する値は、0.0038%,11.8(log10Ω・c
m),286℃および5.5×10-7である。非常に小さな熱膨張
のチタニウム・シリケートの対応する値は、0.008%,1
2.2(log10Ω・cm),3370℃および0.5×10-7である。こ
うして、これら3種類の石英は全部、本発明によって決
定された高性能パラメータの範囲内にある。
導電性ストリップ15は、基板13上に平行に配列され
る。各ストリップは平行な長手方向に延びる端部23を有
する。隣接する導電性ストリップの各対は同じ導電性ス
トリップを電気的かつ物理的に分離するギャップを画定
する。導電性ストリップは電気的連続性を確保するのに
充分な厚さである。導電性ストリップの厚さは均一で、
下にある基板部の相曲線形状が導電性ストリップの内部
表面と確実に整合するようにする。図示された導電性ス
トリップ15は0.5ミル(1/1000インチ)程度の厚さであ
る。
導電性ストリップは銀のような導電性材料を含む。導
電性ストリップの他の構成要素として接着剤を含んでい
てもよい。本実施例では、導電性ストリップは幾分かが
下にある基板の石英に溶融されるガラスを含む。
低導電性ストリップ17は、高性能マスフィルターにお
いて利用できる高質量設定で特に生じやすいフィールド
ひずみを改善するために付加される。いくつかのガラス
四重極マスフィルターに関しては、高質量設定の後で低
質量選択が設定されるときに性能が阻害されうることが
発見された。非帯電四重極は低質量で良好に動作するだ
ろう。しかし、低質量設定での信号は短時間の高質量設
定の後でも消失してしまう。そこで完全な回復には数分
を要した。
説明のために、そして限定するためではなく、無効な
低質量表示は導電性ストリップ15の隣接対間のカスプ21
での電荷蓄積の結果であるとされる。電荷蓄積は、高質
量設定でフィールドが最も強くなるからその設定で最も
大きくなる。歪は低質量設定で最も大きい(選択フィー
ルドの相対的な強さが小さくなるから)。すなわち、歪
んでいるフィールドは高質量設定で用いられるフィール
ドより、低質量設定で質量選択のために用いるフィール
ドで大きな割合を占める。こうして、特に、低質量設定
で、蓄積電荷は中央電界をひずませ、イオンの通過を禁
止するように働らく。
低導電性ストリップ17を備えていることによって、明
らかに、蓄積電荷の形成が遅れたり、蓄積電荷の消失が
促進されたりする(一方または両方)。その正確なメカ
ニズムはまだ解明されていない。しかし、経験的に、基
板13内に電界の理想性および再現性を高めることによっ
て、低導電性ストリップ17は実際の四重極石英フィルタ
ーに寄与する。
低導電性ストリップ17は隣接する導電性ストリップ15
の間で延びる。図示された実施例では、各低導電性スト
リップ17は隣接する導電性ストリップ15の隣接する長手
方向端部23に重なる。図示のように低導電性ストリップ
が含まれると、高質量設定に続く有効な低質量設定に必
要とされる回復時間は無視できる。
四重極内の電界歪を最小にすることに加えて、低導電
性ストリップは四重極の所望の動作温度範囲にわたって
熱的に安定していなければならない。また、低導電性ス
トリップは四重極の動作温度範囲にわたって基板の熱膨
張プロフィールと寸法的に両立しなければならない。ま
た、基板と同じく、低導電性ストリップは低い損失率を
有しているべきである。
従って、低導電性ストリップに適した材料は金属酸化
物を含むことができる。酸化ジルコニウムが特に有効で
あるが酸化クロムでもよい。これらの材料は金属酸化物
を帯びたスラリを焼成することによって次のようにして
付加することができる。低導電性ストリップはまた、基
板に対する接着性を確保するためカリウム・シリケート
のような接着剤を含むのがよい。
上述したような石英四重極を製造するには3つの基本
的な工程、すなわち、石英基板を形成する工程、導電性
ストリップを付加する工程、および低導電性ストリップ
を付加する工程、が存在する。本発明はこれの工程の順
序、詳細な大幅に変更が可能である。加えて、マンドレ
ル形成は準備工程と考えられることができる。
所望の形状をもった石英基板を経済的に形成するため
には、石英を形成するのに用いられる高温に繰返し露出
してもその完全性を維持できるマンドレルが必要であ
る。高融点金属(たとえば、モリブデン、タングステ
ン、ならびにハフニウム、カーボンおよびモリブデンの
合金(HCM))を用いることができる。本発明によっ
て、第3図に示された適当なマンドレル31を形成するの
に必要な適当な形状、寸法まで所要の精度で上記材料が
実際に加工、研削、研摩できることがわかった。
マンドレル31は、その外側寸法が形成温度で基板の内
側寸法と一致するような寸法になっている。金属は石英
より大きな熱膨張率をもつから、マンドレルは室温で所
望の基板上の内部よりやや小さくなければならない。好
適な方法では、マンドレルが形成され、基板がそれに合
わされた後、導電ストリップが形成され、それに続いて
低導電性ストリップが形成される。環状断面および適当
な直径、厚さの石英管を一端で閉じて切断する。正確に
加工、研削、研摩されたマンドレルが管中に軸方向に挿
入される。石英管の第2端は真空ポンプに接続される。
石英管は充分に加熱されるとき、大気圧によってマンド
レル上に密に押される。
石英がマンドレルと整合すると、石英およびマンドレ
ルは冷却できる。この工程で、マンドレルは基板より強
く収縮するので、マンドレルは簡単にはずすことができ
る。適当に形成した石英管は、図示の実施例において所
望の長さ8インチに調整できる。端部は研削、さもなけ
れば平滑にできる。この過程で第2図に示された断面を
もった基板13が生成される。このようにして基板を形成
して、銀ガラスフリートを内側の双曲線上表面部19の各
部に付加する。次に、テープは焼成してテープ内のガラ
スを基板の隣接した双曲線状表面に溶融させることがで
きる。導電性ストリップ15の隣接した対の隣接端23に平
行なギャップを置いて、テープのストリップが平行に配
列される。図示の実施例における導電性ストリップは金
属化テープによって被着される。テープは導電性ストリ
ップの正確な配置、均一な厚さのためのものである。そ
の金属化テープは、セロファンまたは他の担体層、銀ま
たは他の被覆層、接着剤層および紙保護層の四層を含
む。
テープを付加するために、紙層を除去して接着剤を露
出する。次にテープは基板に対して配置される。そのテ
ープは接着剤が粘着する基板上になめらかに押される。
4個全部の導電性ストリップが配置された後、セロファ
ン層が除去され、アセンブリはテープの永久な接着に充
分な温度で焼成される。
テープは基板の端部を包むように付加してRFPAコンタ
クト・ストリップに対する接続を容易にすることができ
る。この場合、内側ストリップに付加された手順に続い
て基板の外部にさらに別の組の導電性ストリップを付加
することができる。
導電性ストリップは他には種々の方法で付加すること
ができる。たとえば、基板のカスプまたはブリッジ部は
マスクして、基板を、マスクされない双曲線部が“鏡面
化”されるように銀メッキ溶液に浸してもよい。
好的な方法における次の工程は導電性ストリップ間の
ギャップに沿って低導電性ストリップを付加することで
ある。低導電性ストリップは、望ましくは接着剤を含ん
だ金属酸化物スラリーから形成できる。したがって、ス
ラリーはジルコニウム酸化物をカリウム・シリケート溶
液と水の中で混合することによって形成できる。好適な
ジルコニウム・スラリの代替物は、DA9(これはしばし
ば陰極線管の電荷蓄積を最小にするために用いられる)
のようなクロム酸化物スラリである。
このスラリは、低導電性ストリップが付加されるギャ
ップの長さにわたって同時に引張られるブラシまたは偏
平ノズルを通して注入できる。望ましくは、スラリは隣
接した導電性ストリップの隣接した長手方向端部と重な
るように付加して、組込まれたマスフィルターの高質量
設定の電荷の阻止するようにするのがよい。このスラリ
は空気中で乾燥し、その次にストリップが固化され、基
板に接着される焼成される。
完成したアセンブリはすぐに、高周波電力増幅器の接
続パッドの取付けに用いることができる。電極を形成す
るのに用いられる同じ導電性テープは各電極から石英管
の外表面上の点に至る導電路を形成するのに用いること
ができる。対向電極は、導電テープの付加的なストリッ
プを対応パッドを接合することによって電気的に接続で
きる。望ましくは、導電性ストリップ毎に別々に焼成し
て各層の石英管およびその下の導電層に対する適当な接
着を確保するのがよい。
RFPAに対する接続を与えるこの方法は、代替方法(こ
れにはネジまたはボルトで基板を貫通させることを含
む)に較べていつくかの利点を有する。テープは通常、
安価で、既に内部で用いられているから容易に利用可能
である。こうして、部品の備蓄が簡単になる。RFPA接続
は明らかに電界からはずれ、内部導電性ストリップによ
ってシールドされる。それでも、これらの接続ストリッ
プはアセンブリに対しほとんど容積および重量を加えな
い。最後に、テープはネジその他の代替物に比べて付加
の間に基板を損傷することがずっと少ない。接続を与え
るこの方法は代替の四重極にも応用できるが、本発明の
利点は、四重極それ自身を製造する際に用いた材料を用
いてこれらの接続を与えることである。
本発明の他の利点は、石英の変形温度が高いため、ス
ラリーおよびテープの内外ストリップの焼成プロセスの
間に基板はその正確な形状を維持することである。これ
らの焼成は、好適な石英の変形温度よりずっと低い温度
で起りうる。また、石英基板は、高温をともなう広い範
囲の処理工程に十分に耐えることができる。
上述した順序の他に、本発明は多くの変形が可能であ
る。導電性ストリップの前に低導電性ストリップを付加
することは極めて容易に実行できる。また、導電性スト
リップおよび低導電性ストリップを共同焼成と同時に、
または交互に付加することも可能である。
本発明によって提供される別の方法では、導電性材料
および低導電性材料のストリップは石英管をマンドレル
に整合させる間に付加される。これは、適当な材料およ
び担体をマンドレルそれ自身に付加して、石英のマンド
レルへの整合の際、または冷却の際、材料がマンドレル
にではなく石英に接着するようにして実現できる。この
方法は、導電性材料および低導電性材料の両方または一
方とともに用いることができる。一方の材料が基板形成
の間に付加される場合は、他方の材料は後で付加するこ
とができる。
さらに別の方法は、基板の形成の前に導電性材料およ
び低導電性材料の一方または両方を付加することであ
る。たとえば、マンドレルへの整合以前に石英基板(た
だし円筒形)に導電性ストリップを付加できる。これ
は、電極の表面が間接にではなく、直接に双曲線状マン
ドレルに整合するという利点がある。
こうして、前述の説明に従がって、他のガラスおよび
金属四重極の利点を組合せた改良された四重極が提供さ
れる。この石英四重極は上述したようにして製造して、
800amu以上に質量を走査できる高性能マスフィルタを生
成できる。当業者に明らかなように、提供された実施例
の多くの修正および変形が示唆される。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明を用いることにより、従
来の金属四重極マスフィルターの性能を損なうことな
く、寸法、容積、および信頼性の点で、より優れたマス
フィルターを製造・提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の、マスフィルター用四重極
の斜視図、第2図は第1図の線2−2に沿って取られた
断面図、第3図は本発明による四重極の製造方法に用い
られるマンドレルの斜視図である。 11:四重極、13:石英基板 15:導電性ストリップ、17:低導電性ストリップ 25,27:開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 キャロリン・ブロードベント アメリカ合衆国カリフォルニア州ロス・ アルトス フランセズ・ドライブ 214 (56)参考文献 特開 昭59−87743(JP,A) 米国特許3328146(US,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面が双曲線状の内面を有する4つの細長
    い凹状部と、隣接する前記凹状部を接続する橋絡内面を
    有するブリッジ部とを備えたガラス管と、 前記双曲線状の各内面に互いに平行に長手方向に設けら
    れた導電性ストリップ部材と、 金属酸化物を含む低導電性ストリップであって、該スト
    リップに備えられた接着剤により前記各橋絡内面に固着
    された低導電性ストリップ部材と、 を備えて成るマスフィルター。
  2. 【請求項2】前記低導電性ストリップ部材が、少なくと
    も部分的にはジルコニウム酸化物で構成されていること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のマスフィ
    ルター。
JP62293881A 1986-11-19 1987-11-19 マスフィルター Expired - Lifetime JP2585030B2 (ja)

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EP0268048A3 (en) 1989-07-26
EP0268048A2 (en) 1988-05-25
DE3784138D1 (de) 1993-03-25
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