JP2000208095A - 多重極マスフィルタ - Google Patents

多重極マスフィルタ

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JP2000208095A
JP2000208095A JP11005780A JP578099A JP2000208095A JP 2000208095 A JP2000208095 A JP 2000208095A JP 11005780 A JP11005780 A JP 11005780A JP 578099 A JP578099 A JP 578099A JP 2000208095 A JP2000208095 A JP 2000208095A
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JP
Japan
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film
mass filter
electrodes
electrode
base
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JP11005780A
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English (en)
Inventor
Junichiro Ozaki
純一郎 小崎
Koji Wataya
浩司 渡谷
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内側電極にピンホール等の膜欠陥があっても、
また、マスフィルタヘの入射イオン化粒子のビーム径が
大きい場合でも、イオン化粒子を分離するための電界が
乱されることがない分解能が高い多重極マスフィルタを
提供する。 【解決手段】4面の凹状双曲面を有する管状の石英ガラ
ス基体202のすくなくとも内面に、減圧CVD法で高
抵抗膜205を形成し、その上に双曲凸面側の相対する
4箇所に化学蒸着法により高融点金属を堆積させた薄膜
を電極203として形成する。その電極203は管状端
面から基体202の外側の外側電極204につながって
いる。高抵抗膜205が基体202の内面に形成されて
いるため、イオンの電荷はすみやかに電極に流出し蓄積
することがない。また形成された電極203は極めて薄
く、厚みに精度があり、分解能が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多重極質量分析装
置に関し、特に多重極マスフィルター等に使用される双
曲線電極に関する。
【0002】
【従来の技術】多重極質量分析装置のうちもっとも一般
的な四重極質量分析装置の四重極マスフィルタは、電界
を用いて質量―電荷比によってイオン化粒子を分離し
て、物質の化学組成を分析する装置である。この四重極
マスフィルタは4個の並列に配置した電極の形状を、そ
の断面において共通の原点を中心とする各象限内の双曲
弧に近い形とし、対向する電極対を電気的に接続し、一
方の電極対に正の直流電位を重畳した高周波信号を印加
し、他方の電極対に負の直流電位を重畳した180度位
相のずれた高周波信号を印加し、この高周波成分と直流
成分を適当に設定することによって任意の質量のイオン
化粒子を分離し測定を行う。図4は従来の四重極質量分
析装置の双曲線電極101の構造を示す概略斜視図であ
る。双曲線電極101は、4つの双曲線を共通の原点を
中心とする各象限内に凹状の弧を形成する断面形状とし
て、軸方向に延ばした双曲線面で形成する絶縁材からな
る基体102を備える。基体102の内側面には、4つ
の窪みの近傍に互いに分離して軸方向に4個の電極10
3を形成する。これらの電極103は各々基体の外側面
に形成され対向する位置にある外側電極104に接続さ
れる。これらの外側電極104を通して、電極103の
対向する電極対の一方に(U+Vcosωt)の直流信
号と高周波信号の合成信号を印加し、他方の対向する電
極対に−(U+Vcosωt)の直流信号と高周波信号
の合成信号を印加することによって、イオン化粒子を分
離する電界が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の多重極マスフィ
ルタは以上のように構成されているが、電極103にピ
ンホール等の膜欠陥があると、この欠陥部に通過するイ
オンが衝突したとき、欠陥部は絶縁材であるため電荷が
蓄積し、この電荷による電界により、イオン化粒子を分
離するための電界が乱されることになる。また、マスフ
ィルタヘの入射イオン化粒子のビーム径が大きい場合、
基体102の内側面の4つの窪みの近傍周辺の絶縁材部
に、イオンが衝突する頻度が高くなり電荷が蓄積し、こ
の電荷による電界によりイオン化粒子を分離するための
電界が乱されることになる。つまりマスフィルタの分解
能が低下するという問題が生じる。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、電極103にピンホール等の膜欠陥が
あっても、また、マスフィルタヘの入射イオン化粒子の
ビーム径が大きい場合でも、絶縁部材上に電荷蓄積がな
くて、イオン化粒子を分離するための電界が乱されるこ
とがなく、分解能が高い多重極マスフィルタを提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1の多重極マスフィルタは、偶数個
の窪部を有し、隣接する窪部の間が双曲線または双曲線
に近似する曲線の形状の内側断面形状を有した絶縁材か
らなる基体と、前記基体の内側面に成膜された高抵抗材
料の膜と、前記高抵抗膜の上層に前記窪部を挟んで分離
し前記基体の軸方向に沿って形成される導電性の内側電
極と、前記基体の外側面に形成され、対向する位置にあ
る前記内側電極と接続する外側電極とを備えるものであ
る。
【0006】さらに、本発明の請求項2の多重極マスフ
ィルタは、請求項1の高抵抗材料としてシリコン膜ある
いは窒化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、酸化マグネシ
ウム膜を成膜形成する工程から成ることを特徴とする。
【0007】さらに本発明の請求項3の多重極マスフィ
ルタは、請求項2の高抵抗材料の膜がシリコン膜中にP
(燐)またはB(ボロン)等をドーピングすることによ
り、比抵抗を10〜10−2Ωcmの範囲で任意の値
に制御した膜から成ることを特徴とする。
【0008】本発明の多重極マスフィルタは上記のよう
に構成されており、電極にピンホール等の膜欠陥がある
と、この欠陥部に通過するイオンが衝突したとき、欠陥
部は高抵抗材であるためイオンの電荷はすみやかに電極
に流出し、蓄積することがない。また、マスフィルタヘ
の入射イオン化粒子のビーム径が大きい場合、基体の内
側面の4つの窪みの近傍周辺に、イオンが衝突する頻度
が高くなっても、高抵抗材であるためイオンの電荷はす
みやかに電極に流出し、蓄積することがない。したがっ
て、イオン化粒子を分離するために電極に印加する電圧
による電界は乱されることはなく、マスフィルタの分解
能の低下を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の多重極マスフィルタの一
実施例を図1を参照しながら説明する。本発明に係わる
多重極マスフィルタは、4面の凹状双曲面を有する管状
の石英ガラス基体202の内側に、4つの窪み近傍で互
いに分離され、基体202の長軸方向に伸びる4個の電
極203が形成されている。基体202は電気的に絶縁
性が要求され、しかも、検出感度等を考慮すると熱膨張
率が小さい石英ガラスが使われる。そして、石英ガラス
等から成る基体202の全表面もしくは内面に、減圧C
VD法もしくはスパッタ法で高抵抗膜205を形成し、
その上に双曲凸面側の相対する4箇所に、化学蒸着法に
より高融点金属を堆積させた薄膜を電極203とし、長
軸方向に細長く伸びる管状となっている。その電極20
3は管状端面から基体202の外側の外側電極204に
つながっている。これらの外側電極204を通して、電
極203の対向する電極対の一方に(U+Vcosω
t)の直流信号と高周波信号の合成信号を印加し、他方
の対向する電極対に−(U+Vcosωt)の直流信号
と高周波信号の合成信号を印加することによって、イオ
ン化粒子を分離する電界が形成される。
【0010】ここでは高抵抗膜を有する多重極マスフィ
ルタの一例として、シリコン系薄膜を使用した製造方法
を図2を参照して説明する。まず、石英ガラスを真空雰
囲気中で所定の形状に成形する(ステップ1)。成型さ
れた基体202の油脂などの汚れを除去(ステップ2)
した後、高温真空下の炉中に入れシリコン系薄膜の原料
となるガスを供給してやる(ステップ3)。原料ガスと
して、SiH、Si、SiHClなどをH
、Nまたは不活性ガスなどのキャリアガスと共に一
定時間供給する。いわゆる減圧CVD法であるが温度、
圧力等の条件は使用するガスの組合せにより変化する。
また、温度を低温から高温に変化させることにより、シ
リコン系薄膜はアモルファスから多結晶に組成が変化す
る。この手法で作製された膜は10〜10Ωcm程
度の比抵抗を有する為、高抵抗材としての機能を有す
る。さらに積極的にシリコン系薄膜の比抵抗を制御する
ために、アモルファス状態の膜を作製する条件下で、ガ
ス中にP(燐)やB(ボロン)を含むガス(PH、B
など)を一定量添加する(ステップ4)。あるい
は多結晶状態の薄膜を成膜後P、Bをイオン注入後、あ
るいはP、Bを含むペ一ストを塗布した後、熱拡散現象
を利用して比抵抗を10〜10−2Ωcmの範囲で任
意の値に制御することができる。同様のシリコン系薄膜
の製造方法としては常圧CVD法、プラズマCVD法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法なども可能
である。このようにして形成された高抵抗膜205が、
基体202の内面に形成されているため、イオン電荷は
すみやかに電極に流出し蓄積することがない。
【0011】次に電極形成方法について図3を参照しな
がら説明する。まず、高抵抗膜205が内面に成形され
た石英ガラスの基体202を、電極形成のために化学蒸
着を行なうための反応室内にセットし、反応室内の不純
物を取り除くために反応室を真空状態にする(ステップ
S11)。次に、基体202の温度を270〜380℃
程度にまで上昇させる(ステップS12)。更に、基体
202の温度を維持するように加熱を行ないつつ、反応
室内に六フッ化タングステン(WF)ガスを供給し封
入し、この状態を10〜60分問保持する(ステップS
13)。続いて、一旦反応室内のWFガスを排出し
(ステップS14)、水素(H)ガス及びWFガス
を供給してタングステン(W)の堆積を開始させる(ス
テップS15)。すなわち基体202の表面の酸化膜層
をWFガスによりエッチングしてWF分子を基体2
02及び高抵抗膜205の表面に吸着させ、水素
(H)ガスを用い水素還元を行なってフッ素を取り除
き、W分子のみを基体202及び高抵抗膜205表面上
に堆積させる。W膜を形成すると、0.2〜1μm程度
の極く薄い均一性の高い膜が得られる。その後、所望の
部分以外の金属膜を除去するためにウエットエッチング
処理を行なう(ステップS16)。すなわち、基体20
2の外側の金属膜、及び、基体202内側の高抵抗膜2
05の4つの窪みの近傍で、電極を互いに分離する絶縁
部の金属膜を除去するため、金属膜を残す部分の金属膜
上にレジスト材又はゴムを用いた治具でマスキングを施
し、過酸化水素(H)でマスキング部分以外の金
属膜を除去し、最後にレジスト材を取り除く。上記のよ
うな一連の処理により、石英ガラス基体202及び高抵
抗膜205に精度の良い電極204、203が形成され
る。なお、ステップS16のエッチング処理の代わり
に、金属膜の蒸着前に予め不要部分をマスキングするこ
とにより金属膜が形成されないようにしても良い。この
ようにして電極203、204は形成され、高抵抗膜2
05が基体202の内面に形成されているため、イオン
の電荷はすみやかに電極に流出し蓄積することがない。
また形成された電極203は極めて薄く、厚みに精度が
あり、分解能の高い多重極マスフィルタを提供すること
ができる。
【0012】
【発明の効果】本発明の多重極マスフィルタは上記のよ
うに構成されており、マスフィルタヘの入射イオン化粒
子のビーム径が大きく、マスフィルタ壁面への衝突する
頻度が高い場合でも、イオン化粒子の通過するマスフィ
ルタの内面において電極以外の部分が高抵抗膜で覆われ
ているのでイオン化粒子の電荷が蓄積されることがない
ので、マスフィルタの分解能が低下しない。また、内側
電極にピンホール等の膜欠陥が多少存在しても、下地が
高抵抗膜に覆われているのでイオン化粒子の衝突によっ
て電荷が蓄積されることがない。よってマスフィルタの
製造において電極膜形成時に多少の電極膜欠損があって
も良品として使用できるので製造歩留まりの向上がはか
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多重極マスフィルタの一実施例を示
す図である。
【図2】 本発明の多重極マスフィルタの高抵抗膜製作
方法を示す図である。
【図3】 本発明の多重極マスフィルタの電極の製作工
程を示す図である。
【図4】 従来の多重極マスフィルタを示す図である。
【符号の説明】
101…双曲線電極 102…基体 103…電極 104…外側電極 201…双曲線電極 202…基体 203…電極 204…外側電極 205…高抵抗膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偶数個の窪部を有し、隣接する窪部の間が
    双曲線または双曲線に近似する曲線の形状の内側断面形
    状を有した絶縁材からなる基体と、前記基体の全表面も
    しくは少なくとも内側面に成膜された高抵抗材料の膜
    と、前記高抵抗膜の上層に前記窪部を挟んで分離し前記
    基体の軸方向に沿って形成される導電性の内側電極と、
    前記基体の外側面に形成され、対向する位置にある前記
    内側電極と接続する外側電極とを備えることを特徴とす
    る多重極マスフィルタ。
  2. 【請求項2】上記の高抵抗材料の膜がシリコン膜あるい
    は窒化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、酸化マグネシウ
    ム膜から成ることを特徴とする請求項1記載の多重極マ
    スフィルタ。
  3. 【請求項3】上記の高抵抗材料の膜がシリコン膜中にP
    (燐)またはB(ボロン)等をドーピングすることによ
    り、比抵抗を10〜10−2Ωcmの範囲で任意の値
    に制御した膜から成ることを特徴とする請求項1記載の
    多重極マスフィルタ。
JP11005780A 1999-01-12 1999-01-12 多重極マスフィルタ Pending JP2000208095A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007529085A (ja) * 2003-06-27 2007-10-18 ブリガム・ヤング・ユニバーシティ 仮想イオントラップ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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