JP2584401B2 - ガス系消火装置のガス付臭装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ガス系消火装置にお
いて、消火用ガスに臭いを付ける装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】ガス系消火装置は、火災時に消火用ガス
を放出する前に、音声等により警報を発して、そのガス
の放射区域を密閉すると共に、人を退避させてからガス
を放射するようにしている。そして火災消火後にあって
もその区域内は火災によるガスや消火用ガスが充満して
いることから、不用意にその区域内に立ち入ることは極
めて危険である。そのため警告灯などにより警告するよ
うにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、消火後
この警告灯は見落とすことが多く、危険ガスの残留する
消火区域に立ち入り大事が発生することがある。この発
明は、放射ガスに人の忌避する臭いを付けることによ
り、その火災発生区域に人が立ち入らないようにして危
険を未然に防止する装置を得るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、すなわちガ
ス系消火装置において、ノズルの先端で臭い物質を収容
した容器の口を封板を介して密閉し、ノズルよりガスを
放出するに及んで、封板を開封すると共に容器内の臭い
物質を撹拌し、消火用ガスとこの臭い物質を、ノズル先
端よりノズル側部に通ずる側口から噴射することを特徴
とするガス付臭装置である。

【０００５】そして第２の発明は、最初に挙げた発明に
おいて、消火用ガスの一部を直接側口の途中に導くよう
にすることを特徴とするガス付臭装置である。

【０００６】

【作用】火災が発生すると、音声灯の警報によりその区
域内の人を退避させてその区域の扉窓等を閉止して密閉
し、消火装置を起動して消火用ガス（ＣＯ₂等のガス）
がノズルに送られる。ノズルはこのガス圧力でノズルの
先端の封板が開封し、容器内の臭い物質は放射用ガスで
撹拌され、消火用ガスに臭いが付きノズル側口か放射さ
れてその区域内に充満する。この臭いは消火後その区域
内の空気を完全に換しない限り残留し人を寄せ付けな
い。

【０００７】第２に挙げる発明のように、側口の途中に
消火用ガスの一部を直接導くことにより、側口に容器内
の臭い物質を吸い込み易くし、放射ガスに平均的に臭い
物質が付臭する。

【０００８】

【実施例】図１は第２に挙げる発明の実施例である。ノ
ズル１はその先端部３に、放出口２と、ノズル１外側に
通じる側口４とがあけてある。８はガス系消火装置のガ
ス供給管に接続する口で、５は側口４の開口部である。
このノズル１はその先端部３において、臭い物質を収容
する容器６の口と、互いに封板７をもって相対して容器
６を密閉している。放出口２は通路２ａにより側口４に
連通している。最初に挙げる発明では、この通路２ａは
設けていない。９はホーンで側口４の放出ガスを所定方
向に放射する。

【０００９】臭い物質には、例えばフルフリルメルカプ
タンを用いる。この物質は大気中に僅か数ｐｐｍあれば
容易に人を忌避する臭いを発する。ガス系消火装置にお
いては一つの装置に多数のノズルを設けることから、ノ
ズル設ける容器には僅か数ｃｃくらいであってこの装置
は極めて小型とすることができる。

【００１０】放射ガスで容器６の封板が容易に開封する
ように、容器６は必ず空気容積を残して臭い物質を収容
するようにする。

【００１１】

【発明の効果】この発明によれば、火災時消火用ガスに
人の忌避する臭いを付けることにより危険ガスの充満し
ている火災発生地区内に人を近付けず、危険を未然に防
ぐことができ確実な安全性有って、装置も従来設置して
あるガス系消火装置のノズル部分を改造するだけてよく
経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の装置の一実施例を示す縦断面図。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ノズルの先端で臭い物質を収容した容器の
   口を封板を介して密閉し、ノズルよりガスを放出するに
   及んで、封板を開封すると共に容器内の臭い物質を撹拌
   し、消火用ガスとこの臭い物質を、ノズル先端よりノズ
   ル側部に通ずる側口から噴射することを特徴とするガス
   系消火装置のガス付臭装置。
2. 【請求項２】消火用ガスの一部を直接側口の途中に導く
   ようにすることを特徴とする請求項１記載のガス系消火
   装置のガス付臭装置。