JP2584394B2 - 蛋白質分解物ペーストおよびそれを含有する食品 - Google Patents

蛋白質分解物ペーストおよびそれを含有する食品

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JP2584394B2
JP2584394B2 JP4251927A JP25192792A JP2584394B2 JP 2584394 B2 JP2584394 B2 JP 2584394B2 JP 4251927 A JP4251927 A JP 4251927A JP 25192792 A JP25192792 A JP 25192792A JP 2584394 B2 JP2584394 B2 JP 2584394B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エマルジョン様の食感
を有する蛋白系ペーストおよびそれを含有する食品に関
する。
【0002】
【従来の技術】食生活の欧風化により、カロリーの過剰
摂取がもたらされ、他の要因とも相まって成人病、肥満
が増加している。最近の食品の傾向としてはダイエット
食、特に脂肪の含有量を削減したものが強く望まれ、そ
れに対応して従来の脂肪含量を大幅に低下させた加工食
品、例えばマヨネーズ様食品、乳化液状ドレッシング、
マーガリン様食品等が開発されている。
【0003】ところで、油脂には独特の食感である「す
べり」を出す働きがあり、また特有の「うまみ」、「こ
くみ」を有していて、これらの特長は併せて食品および
食品素材として重要な要素となっている
【0004】マヨネーズ様食品やドレッシング様食品に
おいて油分を減らした場合、粘度が低下するが、特開平
3−277248号公報にみられるように、無脂肪ドレ
ッシング様食品で粘度低下を補うために、増粘剤として
天然ガム類やでんぷん類を多量に使用することが提案さ
れている。しかしながら、増粘剤を使用するため、かか
る食品は粉っぽく感じたり、糊っぽく感じたり、あるい
はザラつきを感じたりする欠点がある。マーガリンで
は、低カロリーマーガリンとして水分含量を高め、相対
的に油分含量を低下させているものがあるが、油分が少
なくなっているため、風味に乏しくなる。また、アイス
クリーム類では乳脂肪や植物油脂が特有のボディを与
え、風味を濃厚にする働きを持っているが、脂肪分を減
らすと独特の濃厚な風味が失われ、ざらついたシャーベ
ット様の食感となってしまう。
【0005】このように食品からの摂取カロリーを減ら
すために、油脂含有食品とくに乳化食品中の油脂含量を
減らすことがこれまでに種々試みられてきたが、いずれ
の方法でも味の濃厚さやなめらかさが失われてしまうと
いう欠点は改善されなかった。
【0006】しかしながら、最近、ドレッシング、マヨ
ネーズ、マーガリン、アイスクリーム等に含まれる油脂
の全部または一部をある種の蛋白質加工品で置き換える
ことによって、該食品が本来持っている食感、風味を失
わず、しかも低カロリーである食品を開発することが提
案されている。例えば、微粒子化蛋白質またはその水分
散液を食品中の油脂またはその水分散液と代替して使用
するものである(特開昭63−24857号、特開平1
−168244号、特表平2−502254号公報
等)。
【0007】すなわち、特開昭63−24857号およ
び特開平1−168244号公報には、酪農ホエー蛋
白、牛血清アルブミン、卵白アルブミン、大豆蛋白を原
料にし、これを90〜120℃の高温下で高剪断力をか
けて蛋白質微粒子含有懸濁液を製造する技術およびその
製造装置が開示されている。また、特表平2−5022
54号公報には、上記微粒子を核(例えばカゼインミセ
ル)とシェル(変性凝固蛋白)よりなる球形微粒子(マ
クロコロイド)にして食感をさらに改善すること、得ら
れる蛋白質微粒子の水分散液をクリーム代替成分として
用いること等が示されている。
【0008】しかしながら、かかる蛋白質微粒子の製造
には90〜120℃という高温下で高剪断力をかける特
殊な装置を用いることを必要とし、また目的とする微粒
子を得るためには処理温度と時間の関係の微妙なコント
ロールが必要となる等、容易に製造できるものではなか
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
汎用的な装置を用いて、マイルドな条件で製造できる蛋
白質系ペースト素材およびこれを利用した低カロリー食
品を提供することを目的とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、特定の分子量範囲にあ
る蛋白質の分解物を変性、凝集させた後、公知の乳化機
あるいは粉砕機等を用いて微粉砕処理することで、容易
に油脂に似たなめらかな食感を有する蛋白質系ペースト
が得られることを見いだした。さらに、この蛋白質系ペ
ーストを油脂含有食品の油脂の一部または全部と置き換
え、新規な乳化液状ドレッシング様、マヨネーズ様、ア
イスクリーム様あるいはマーガリン様の各食品が得られ
ることを見いだし本発明を完成した。
【0011】すなわち本発明は、分子量が1000〜2
0000の範囲にある蛋白質加水分解物の水溶液をpH
3.0〜6.0とした後、加熱して該蛋白質を変性、凝
集させ、ついで生じた凝集物を微粉砕する処理に付して
得られる粒子系が10μm 以下の粒子からなる蛋白質分
解物ペーストおよびかかる蛋白質分解物ペーストを油脂
含有食品の油脂の全部または一部と代替した食品に関す
るものである。
【0012】本発明で使用する蛋白質加水分解物の原料
である蛋白質としては種々の起源のものが利用できる
が、未変性の状態では水溶性であり、酸性領域、好まし
くはpH3.0〜6.0に等電点を持ち、さらに熱によ
り容易に変性する蛋白質が好適に用いられる。具体的に
は卵白アルブミン、乳カゼイン、血清アルブミン、大豆
蛋白質等がある。かかる蛋白質の加水分解処理は公知の
方法が利用でき、酵素、酸、アルカリ等のいずれでも常
法により行える。
【0013】本発明では加水分解後の蛋白質分解物の分
子量を1000〜20000の範囲に設定することが重
要である。分子量が20000を超えるものは、後述す
る加熱処理の際に非常に大きい凝集物が生成するため、
その後の微粉砕工程で十分な粉砕が行えず、結果として
得られる蛋白質分解物ペーストは舌ざわりがざらつき、
エマルション様の食感が得られず、油脂の代替として不
適である。また、加水分解処理で生成した分子量100
0未満の成分は食感には影響は少ないが、苦みを持つの
で除去する必要がある。分子量が1000未満および2
0000を超える成分の除去には遠心分離、UF膜ある
いはRO膜濾過、電気透析等が使われる。かくして得ら
れる分子量1000〜20000の蛋白質加水分解物
は、1〜50%(重量%、以下とくにことわらない限り
同様)、好ましくは10〜20%の水溶液とする。
【0014】この水溶液に酸を加え、pHを蛋白質の等
電点付近まで下げる。pHの範囲は、用いる蛋白質によ
り異なるが、pH3.0〜6.0の範囲で、好ましくは
当該蛋白質の等電点±0.5がよい。pHが3.0未満
または6.0を超えると、溶液となって凝集を起こさず
不適である。酸の種類としては、塩酸、硫酸、酢酸、ク
エン酸等を使うことができる。また、用途によってはp
H調整に食酢を使用してもよい。
【0015】次にこれを60〜100℃に1〜60分
間、好ましくは70〜90℃に5〜10分間加熱し、蛋
白質に不可逆的な変性を起こさせる。この処理により、
蛋白質は変性凝固し、溶液はスラリー状となる。この際
生じる凝集物は比較的粒子サイズが大きく小塊状であ
り、この溶液を静置すると、すみやかに固形物は沈澱す
る。
【0016】微粉砕処理は、スラリー状となった蛋白質
分解物の凝集物を微粒子化し、エマルション様の食感の
製品を得るためのもっとも重要な工程である。かかる微
粉砕処理には、公知の乳化機あるいは粉砕機等のなかで
比較的強力な剪断力を有する装置を用いる。例えば、マ
イクロフルイダイザー(みづほ工業(株)製)、ナノマ
イザー(ナノマイザ(株)製)、高圧ホモジナイザー
(ゴーリン(株)製)等が適している。
【0017】マイクロフイダイザーの機構は、高圧ポン
プで加圧された液体が細い導管を通り、相互作用の部屋
へ導入され、この中で一旦、2流路に分岐された液体を
再び合流させる方式で、この合流の際に生じるキャビテ
ーションと、それに伴う剪断力、衝撃力によって粒子が
微細化する。同様の機構と性能をもった装置として、ナ
ノマイザーも使用できる。また、高圧ホモジナイザーに
ついては、その装置と均質化機構はよく知られており、
例えばChemical Engineering13(5)86−92(1
974)にも記載されている。その機構は、高圧に加圧
された液体が非常に狭い間隙を通り、低圧力に開放され
る際のキャビテーションと、それに伴う剪断力、衝撃力
により粒子を微粒子化するものである。
【0018】前述の蛋白質分解物のスラリーをマイクロ
フルイダイザー、ナノマイザー、高圧ホモジナイザーで
処理することによって、大きな蛋白質分解物の凝集物が
粉砕され、粒子径10μm 以下の微粒子が得られる。こ
れによって、蛋白質分解物は均一に水溶液中に分散さ
れ、エマルション様の食感を有するようになる。
【0019】なお、これらの装置を用いる微粉砕処理
は、任意の圧力で行うことが可能であるが、できるだけ
高い方が効率がよく、例えばマイクロフルイダイザーで
は1000kg/cm2 以上、高圧ホモジナイザーでは40
0kg/cm2 以上の圧力で処理するとよい。また、1回の
処理で10μm 以下の微粒子化が行えないときは、目的
とする製品が得られるまで繰り返し処理すればよい。マ
イクロフルイダイザーの場合3〜6回、高圧ホモジナイ
ザーの場合5〜15回処理を繰り返すことで、充分にな
めらかであり、エマルション様の食感を有する蛋白質分
解物ペーストが得られる。
【0020】また、これらの装置とは別に、強力な磨砕
作用により微粒子化をはかる装置としてビーズミル(例
えばアペックスミル、コトブキ技研(株)製)も使用可
能である。これは、媒体(ビーズ)を密閉容器に入れ、
内在する回転翼であるローターの高速回転による攪拌に
よってこの媒体に強制的な運動を与え、ここに液体を強
制通過させて微粉砕化するものである。
【0021】本発明でビーズミルを使用する場合、媒体
は直径0.3〜3mmのものがよく、その材質は特に限定
されるものではなく、セラミック、アルミナ、ジルコニ
アまたはガラス等が用いられる。また媒体の大きさは、
小さいほど微粒子化を行いやすい。容器は円筒状のもの
が一般的であり、回転翼には様々な形状のものがあり、
その周速は5〜18m/sec が一般的である。この容器
の中に、媒体としてのビーズを70〜80容量%程度充
填し、ここに蛋白質分解物スラリーを通過させる。この
とき媒体どうしが強烈に作動し、この磨砕作用によって
蛋白質分解物の凝集物が10μm 以下に微粒子化され、
エマルション様食感を有する、なめらかな蛋白ペースト
が得られる。
【0022】なお、前述のマイクロフルイダイザー、ナ
ノマイザー、高圧ホモジナイザー、ビーズミルのいずれ
の装置を用いた処理でも、非常に大きなエネルギーが加
わるため、処理時に高温を発する。溶液の温度が80℃
を超えると、一旦微粒子化した蛋白質分解物が再度凝集
することがある。そのため、微粉砕化装置には冷却装置
を備え、溶液の温度が80℃を超えないようにする必要
がある。一方、20℃未満では処理効率が低下するので
好ましくない。このため、本発明の蛋白質分解物の凝集
物を微粉砕化する際の処理温度は20〜80℃に制御す
る。
【0023】このような処理をして得られた蛋白質分解
物ペーストは、エマルション様の非常になめらかな食感
となっており、静置しても分離を生じることなく、安定
しており、さらには水で希釈しても容易に分散し、均一
な状態を保っている。また、該ペースト中の微粒子の粒
子径は10μm 以下であることを必須とする。人の舌で
ざらつきを感じる粒子径の大きさは個人により差がある
が、10μm 以下では特に敏感な人を除いて、大部分の
人はなめらかなエマルション様と感じられ、問題ない。
本発明では前述のような微粉砕処理によって容易に粒子
径が10μm 以下の微粒子にすることができる。
【0024】本発明の蛋白質分解物ペーストは、油脂に
似たなめらかな食感を有しており、油脂を乳化物として
使用する食品中の油脂の全部または一部と置き換えて使
用することができる。乳化液状ドレッシング、マヨネー
ズにおける植物油の代替には、このペースト状物をその
まま、または適当に水で希釈して用いればよい。また、
アイスクリーム類における乳脂肪またはヤシ油、パーム
油等の植物油脂の代替に使用する場合は、蛋白質分解物
ペーストにアルカリを加え、pHを中性にし、必要に応
じて水で希釈して使用する。さらにまた、マーガリンに
おける硬化植物油脂の代替に使用する場合は、同じくア
ルカリを加えpHを中性にし、必要に応じて水で希釈し
て使用する。なお、油脂分を蛋白質分解物ペーストに置
き換えた上記の乳化液状ドレッシング、マヨネーズ類、
アイスクリーム類、マーガリンは相対的に水分含量が増
加するので、必要に応じて調味料などの量を加減する。
【0025】このようにして得られた上記食品は、油分
を全く含まないか、わずかしか含まないにもかかわら
ず、油分を含む本来の食品と風味、食感はなんら遜色な
く、しかもカロリーの低いものであった。
【0026】
【実施例】
実施例1 大豆蛋白質の酵素による加水分解物であるソルピー20
00(日清製油(株)製、分子量分布5000〜100
00)の12%水溶液10kgを調製した。これに食酢を
適当量加え、pHを4.0とした。これを攪拌しつつ加
熱し、80℃に達して5分間熱処理した。このものをマ
イクロフルイダイザー(みづほ工業(株)製)に供し、
1500kg/cm2 、80℃で3回通したところ、ペース
ト状の蛋白質分解物ペースト約10kgが得られた。この
蛋白質分解物ペーストは非常になめらかなエマルション
様の食感を有しており、口に入れても全くざらつきは感
じられなかった。また、室温で30日間静置しても分離
することなく、5倍量に希釈しても安定な均一状態を保
っていた。
【0027】比較例1 分離大豆蛋白(ソルピーK、日清製油(株)製。分子量
分布30000〜300000)を原料とし、濃度12
%の溶液10kgを調製した。このものを実施例1と同様
に加熱、粉砕処理を行った。得られた製品は、ペースト
状を呈していたものの、口に入れたところ、ざらつきが
感じられ、十分な油脂様の食感は得られなかった。
【0028】実施例2 乾燥卵白(キューピー(株)製)の10%水溶液に塩酸
を加え、pHを2.0に調製した後、ペプシン(Sigma
社製)を対乾燥卵白重量比で1/10000量加え、4
0℃、2時間、加水分解反応を行い、UF膜処理して分
子量分布が1000〜5000の分解物の溶液30kgを
得た。この溶液に水酸化ナトリウムを加え、pHを4.
5に調整した後、攪拌しつつ加熱し、85℃に達して1
0分間熱処理した。このスラリーを、高圧ホモジナイザ
ー(ゴーリン(株)製)に供し、600kg/cm2 、80
℃で8回処理を行った。このようにして得られた蛋白質
分解物ペースト(収量:約30kg)は、実施例1で得ら
れたものと同様に、非常になめらかなエマルション様の
食感を有しており、口に入れても全くざらつきは感じら
れなかった。また、これを室温で30日間静置したが分
離せず、5倍量に希釈しても均一な状態であった。
【0029】比較例2 実施例2において卵白(分子量分布40000〜500
00)を未分解のまま同様に処理した。こうして得られ
た製品は、ペースト状を呈していたものの、口に入れた
ところ、ざらつきが感じられた。
【0030】実施例3 乳カゼインの15%水溶液に、蛋白質分解酵素(アルカ
ラーゼ、ノボノルディスク社製)を対カゼイン重量比で
1/1000量加え、50℃で15分間、加水分解処理
を行い、分子量分布10000〜20000の分解物の
溶液(固形分15%)50kgを得た。この溶液に塩酸を
加え、pHを4.5とした後、加熱し、80℃、10分
間熱処理を行った。このスラリーをナノマイザー(ナノ
マイザー(株)製)に供し、1300kg/cm2 の圧力、
80℃で5回通液処理したところ、ペースト状の蛋白製
品約50kgが得られた。この蛋白質分解物ペーストは、
非常になめらかなエマルション様の食感を有しており、
口に入れても全くざらつきは感じられなかった。このも
のは室温で30日間以上安定で、5倍量に希釈しても均
一であった。
【0031】比較例3 実施例3において、乳カゼイン(分子量分布21000
〜30000)を加水分解処理せずに以下同様の処理を
行った。こうして得られた製品は、口に入れるとざらつ
きが感じられた。
【0032】実施例4 実施例1〜3および比較例1〜3で得られた製品の粒子
径をレーザー回折式粒度分布計(堀場製作所(株)製、
LA−500)で測定したところ、表1の結果が得られ
た。
【0033】
【表1】 表1に示すように、比較例1〜3の如く、分子量が20
000を超える蛋白質を加熱し、次いで粉砕したもの
は、加熱の際に非常に大きな凝集物となるため、十分な
微粉砕が行われず、本発明の目的に沿わない。これに対
し実施例1〜3のものは粒子径が10μm 以下であり、
好ましい食感が得られる。
【0034】実施例5 ノンオイル乳化液状ドレッシン
グ様食品 (処方) キサンタンガム 0.65% グルタミン酸ソーダ 0.43 粉末マスタード 0.65 米酢 8.7 果糖ブドウ糖液糖 2.9 食塩 3.5 蛋白質分解物ペースト(実施例1) 50.0 水 残部 水と実施例1で得た蛋白質分解物ペーストの混合物にキ
サンタンガムを加え、攪拌溶解した後、グルタミン酸ソ
ーダ、粉末マスタード、果糖ブドウ糖液糖、食塩を加
え、これらを溶解した後、米酢を加えた。次いで、この
溶液をホモミキサーで均質化した後、加熱殺菌(80
℃、10分)し、ノンオイル乳化液状ドレッシング様食
品を得た。このノンオイル乳化液状ドレッシング様食品
は、油を含有する乳化液状ドレッシングと同様の外観お
よび性状を示し、さらに口あたりもなめらかで、風味も
良好であった。安定性も通常の油脂含有製品と同程度で
あった。
【0035】実施例6 低カロリーマヨネーズ様食品 (処方) キサンタンガム 0.5% 10%加塩卵黄 8.2 グルタミン酸ソーダ 0.3 粉末マスタード 0.3 米酢 6.0 砂糖 0.9 食塩 1.0 蛋白質分解物ペースト(実施例2) 30.0 サラダ油 25.0 水 残部 水と実施例2で得た蛋白質分解物ペーストにキサンタン
ガムを溶解した後、さらに10%加塩卵黄、グルタミン
酸ソーダ、粉末マスタード、砂糖、食塩を添加し溶解し
た。この溶液をホモミキサーで攪拌しつつ、サラダ油を
徐々に添加した。充分に均質化した後、80℃、10分
加熱殺菌し、さらに脱気を行い、低カロリーマヨネーズ
様食品を得た。この低カロリーマヨネーズ様食品は、通
常の油脂を65%以上含むマヨネーズと比べて、外観、
性状および安定性に大きな違いはなく、さらには口あた
りもなめらかで、風味も良好であった。
【0036】実施例7 低カロリーマーガリン様食品 (処方) 大豆硬化油(35℃) 40% 蛋白質分解物ペーストの中和物(実施例3) 50 食塩 1.5 モノグリセリド 0.3 レシチン 0.2 ビタミンA 0.02 β−カロチン 0.002 トコフェロール 0.03 水 残部 実施例3で得た蛋白質分解物ペーストに水酸化ナトリウ
ム溶液を加えpHを7.0にした。水相成分としてこの
蛋白質分解物ペーストの中和物、食塩、水を混合し、6
0℃に加温した。油相成分として大豆硬化油、モノグリ
セリド、レシチン、ビタミンA、β−カロチン、トコフ
ェロールを混合し、60℃に加温した後、攪拌しつつ水
相成分を徐々に添加し、乳化物を得た。さらにこの乳化
物をコンビーネーターで急速に冷却した後、34℃で1
日間放置し、低カロリーマーガリン様食品を得た。この
低カロリーマーガリン様食品は、通常のマーガリンと比
べて外観、性状、安定性とも大きな違いはなく、さらに
は口あたりもなめらかで風味も良好であった。
【0037】実施例8 ノンオイルアイスクリーム様食
品 (処方) 砂糖 5.0% 水あめ 8.0 脱脂粉乳 7.5 脱脂乳 55.0 蛋白質分解物ペーストの中和物(実施例3) 8.8 アイスクリーム用安定剤 0.4 香料(バニラエキストラクト) 0.2 色素 1.0 水 残部 実施例3で得た蛋白質分解物ペーストに水酸化ナトリウ
ム溶液を加え、pHを7.0にした。その後、上記のう
ちフレーバー以外の成分を均一に混合しながら加温し、
85℃に達し3分間保持し殺菌した。殺菌終了後、直ち
に5℃まで冷却し、香料(バニラエキストラクト)を添
加した。このものをソフトクリームフリーザー(三菱重
工(株)製)を用い、オーバーラン60%程度に起泡、
凍結し、カップに充填し、アイスクリーム様食品を得
た。このものは脂肪をほとんど含んでいないにもかかわ
らず、通常のアイスクリームと同様な濃厚でクリーミー
な風味を呈し、口あたりも非常になめらかであった。
【0038】
【発明の効果】本発明により、特定の分子量をもつ蛋白
質分解物から、汎用的な乳化機あるいは粉砕機を用い
て、温和な条件下で、容易に、粒子径が10μm 以下の
微粒子からなり、エマルション様のなめらかな食感を有
し、ざらつきのない安定性に優れた蛋白質分解物ペース
トを得ることができる。さらに、この蛋白質分解物ペー
ストを油脂含有食品である乳化液状ドレッシング、マヨ
ネーズ、アイスクリーム類、マーガリン等の油脂成分の
全部または一部と置き換えることで、食感、風味、安定
性の良い低カロリーの上記食品を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23J 3/12 A23J 3/12 3/16 3/16 A23L 1/24 A23L 1/24 A (56)参考文献 特開 平4−229145(JP,A) 特開 平3−27254(JP,A) 特開 平2−86737(JP,A) 特開 平2−504586(JP,A) 特開 平2−502254(JP,A) 特開 平1−168244(JP,A) 特開 昭63−24857(JP,A) 特開 昭58−500270(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量が1000〜20000の範囲に
    ある蛋白質加水分解物の水溶液をpH3.0〜6.0と
    した後、加熱して該蛋白質分解物を変性、凝集させ、つ
    いで生じた凝集物を微粉砕する処理に付して得られる、
    粒子径が10μm 以下の粒子からなる蛋白質分解物ペー
    スト。
  2. 【請求項2】 蛋白質加水分解物の蛋白質が未変性のと
    き水に可溶で、pH3.0〜6.0の範囲に等電点を有
    し、熱で容易に変性する蛋白質である請求項1に記載の
    蛋白質分解物ペースト。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の蛋白質分解物
    ペーストを油脂含有食品の油脂の全部または一部と代替
    した食品。
  4. 【請求項4】 油脂含有食品が乳化液状ドレッシング、
    マヨネーズ、アイスクリーム類、マーガリン等の乳化食
    品である請求項3に記載の食品。
JP4251927A 1992-08-28 1992-08-28 蛋白質分解物ペーストおよびそれを含有する食品 Expired - Lifetime JP2584394B2 (ja)

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