JP2584185C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ディジタル・オーディオ・システムに関する。更に具体的に言うな
らば、本発明は、MIDIシンセサイザを含むシステムに関する。更に具体的に
言うならば、本発明は、メモリの利用効率が高い、ディジタル・オーディオ及び
MIDIにより合成された音楽を出力する方法及び装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 MIDI(Musical Instrument Digital Int
erface)は、種々な楽器、例えばシーケンサ、コンピュータ、照明制御装
置、ミキサ等の他の装置の間で、楽譜、プログラム変更、表現制御等を含む情報
を交換することを可能にするハードウエア及びソフトウエアの仕様として制定さ
れた。データを転送しそして受け取るこの能力は最初生演奏を対象として考えら
れていたが、その後これが発展して録音スタヂオ、オーディオ及びビデオの制作
及び作曲の分野に対して大きな影響を与えるに至った。 【0003】 MIDIインターフェイスに対する標準は,MIDI製造者協会(MMA)及
び日本のMIDI標準委員会(JMSC)の間の共同開発の結果として準備され そして公開された。この標準は、JMSC及びMMAの間の同意により変更され
、そして現在は、1989年1月のMIDI1.0、Detailed Spe
sification,Document Version4.1として公開さ
れている。 【0004】 MIDIインターフェイスのハードウエア部分は、31.25Kボーで、非同
期で動作し、そして1つの開始ビット、8つのデータ・ビット及び1つの停止ビ
ットを伴う。これは、シリアル・バイト当たり320マイクロ秒の期間に合計1
0ビット送れる。開始ビットは論理0であり、そして停止ビットは論理1である
。 【0005】 バイトは最小有効ビットを最初に送ることにより伝送される。データビットは、
5ミリアンペアの電流ループを利用することによりMIDIインターフェイス内
で伝送される。論理0はターン・オンされつつある電流により表され、そして論
理1はターンオフされつつある電流により表される。この電流ループの立ち上が
り時間及び立ち下がり時間は2マイクロ秒よりも短い。この電流ループに対する
接続のために5ピンのDINコネクタが利用され、ここで2つのピンだけが電流
ループ信号を伝送するために利用される。代表的には、MIDIフォーマットを
利用して互いに結合される装置相互間の分離をするために、光アイソレータが利
用される。 【0006】 MIDIインターフェイスを利用する通信は、1つのステータス・バイト及び
これに続く1以上のデータ・バイトからなるマルチ・バイト・メッセージにより
行われる。このルールに対して或る例外がある。MIDIメッセージは、種々な
パフォーマンス情報のために利用されうる16のチャネルの任意を介して送られ
る。5つの代表的な型のMIDIメッセージがある。チャネル・ボイス、チャネ
ル・モード、システム・コモン、システム・リアル・タイム及びシステム・エク
スクルッシブである。MIDIのエベントは、メッセージとして送られ、そして
1以上のバイトからなる。 【0007】 MIDIシステムのチャネル・メッセージは、16のMIDIチャネルの1つ
へこのメッセージをアドレスするのにステータス・バイトの4ビットを利用しそ
してメッセージを限定するのに4ビットを利用する。これにより、チャネル・メ
ッセージは、ステータス・バイト内の解読されたチャネル番号と一致するチャネ
ル番号を有するシステムにより受け取られる。或る楽器は、1以上のチャネル上
にMIDIメッセージを受け取ることが出来る。その主なインストラクション、
例えばオンにされるべきプログラム番号及びモード指定等を受け取るチャネルは
、しばしば基本チャネルと呼ばれる。代表的な2つの型のチャネル・メッセージ
即ちボイス・メッセージ及びモード・メッセージがある。ボイス・メッセージは
楽器の音色を制御するのに利用され、そしてボイス・メッセージは代表的にはボ
イス・チャネルを介して送られる。モード・メッセージはボイス・メッセージに
対する楽器の応答を限定するために利用され、そしてモード・メッセージは一般
に楽器の基本チャネルを介して送られる。 【0008】 MIDIシステム内のシステム・メッセージは、共通メッセージ、リアルタイ
ム・メッセージ、及びエクスクルッシブ・メッセージを含みうる。共通メッセー
ジは、レシーバが関連しているチャネルに係わらず、システムの全てのレシーバ
に対して送られる。リアルタイム・メッセージは同期のために利用され、そして
システム内の、クロックに基づくユニットを対象としている。リアルタイム・メ
ッセージはステータス・バイトだけを含みそしてデータ・バイトを含まない。リ
アルタイム・メッセージは、いつでも送られることが出来る。即ち、異なるステ
ータスを有する或るメッセージのバイト相互間でさえも送られることが出来る。
エクスクルッシブ・メッセージは任意の数のデータ・バイトを含むことが出来、
そしてリアルタイム・メッセージを除き、エクスクルッシブ若しくは任意の他の
ステータス・バイトの終了により終了されることが出来る。エクスクルッシブの
終了は、システム・エクスクルッシブ・メッセージの終了時に送られなければな
らない。システム・エクスクルッシブ・メッセージは常に、製造者の識別コード
を含む。もしもレシーバが識別コードを認識できないと、これはこの後に続くデ
ータを無視する。 【0009】 音楽作品は、MIDI標準を利用してコード化されそして非常に少ないデータ
を利用して記憶され若しくは伝送されることが上述の説明から明かであろう。M
IDI標準は、例えば”ノート・オン”(Note on:鍵盤を押すに対応)
及び”ノート・オフ”(Note Off:鍵盤を離すに対応)のようなプログ
ラム・ステータス・メッセージ及びチャネル・メッセージのシリアル・リストを
制御メッセージとして使用させる。 【0010】 MIDIに制御される種々なサウンド発生装置若しくはモジュールに利用され
ると、音楽作品が記録されそして演奏されうる。 【0011】 後述のようにこれらのサウンド発生装置若しくはモジュールは種々な形を取り
うる。波形テーブル若しくは減算合成(subtractive synthe
sis)と呼ばれる一つの型においては、記憶されている波形(後述のようにサ
ンプルされるサウンド全体よりも短い)が、フィルタ、電圧制御される増幅器等
により動作されて、合成サウンドを発生する。この方法の利点は、性質的に存在
しないような新しく且つ異常なサウンドを生じることに加えて、比較的わずかな
メモリしか必要としないことであり、これはロウ・エンドのコンピュータ・シス
テムにおいては非常に貴重である。 【0012】 他の型のサウンド発生方式は、アナログ音響信号をサンプルし、ディジタル化
し、記憶しそして再生の間にアナログの形に変換する形を取る。この方式の他と
は別の利点は、従来の他の技法よりも更に現実性即ち真実性を持って合成音響波
形を発生することである。しかしながら、このような真実性を得るためにはコス
トが高くなる。このような簡単なサンプリング・システムに必要なデータは、巨
大な量となり、数万ビットのデータ及び関連メモリがオーディオ信号1秒につき
必要とされる。 【0013】 従って、このようなシステムに必要とされるデータの量を減少するために多数 のコード化システムが開発されてきた。例えば、最近の多くのディジタル・オー
ディオ・システムは、アナログ情報を表すのに種々なディジタル信号を使用する
パルス符号変調(PCM)を利用する。アナログ信号の変動を表すために、この
ようなシステムは、パルス振幅変調(PAM)、パルス幅変調(PDM)若しく
はパルス位置変調(PPM)を使用することが出来る。 【0014】 パルス符号変調の一つの変形であるデルタ・パルス符号変調(DPCM)は、
一つのサンプル及び次のサンプルの間の差だけを符号化することにより、更に高
いデータ圧縮を達成する。かくして、アナログ信号が相当なダイナミック・レン
ジを有していても、もしもサンプリング率が、隣接する信号相互間の差が大きく
ならないように十分に高いならば、この隣接する信号相互間の差のみを符号化す
る方法は相当なデータを節約する。更に、先行する信号の重みづけられた総和に
基づいて信号の値を予測する適応性若しくは予測性技法が、アナログ信号を表す
のに必要なデータの量を更に減少するためにしばしば利用される。 【0015】 これらのディジタル・オーディオ技術のそれぞれにおいては、音声若しくはオ
ーディオ信号は、これらの信号を記憶若しくは再生するために、簡潔な処理動作
及びディジタル・ツゥ・アナログ若しくはアナログ・ツゥ・ディジタル変換技術
を利用することによりサンプルされそしてディジタル化されることが出来る。 【0016】 上述のディジタル・オーディオ・システムは音声若しくは他のオーディオ信号
サンプルを正確に記憶するために利用されることが出来るが、上述のMIDIに
より制御される合成システムに比べて、データ圧縮と同様に、相当な記憶装置を
必要とするという問題点を有する。しかしながら、現実若しくは真実性のある人
間の音声若しくは他の音響サウンドを再生することが所望されるシステムのおい
ては、代替的技法はあまり存在しない。 【0017】 例えば、上述の波形テーブルによる合成及びサンプルされたサウンドのような
合成されたサウンドの利点を得ようとする従来の試みにおいて、組み合わせ的な アプローチがなされた。このような試みの一つにおいて、波形テーブル合成及び
サンプルされたサウンドの両方を並列的にハードウエア内に組み込まれたされた
。これの代表的なのは、ヤマハCorp.により製造されたSY77シンセサイ
ザである。このようなシンセサイザでは、波形テーブルで発生されたサウンドと
若しくはサンプルにより発生されたサウンドとの間を切り替えることがなされ、
そして或る制限された瞬間に、(例えば或るサンプルされたサウンドの再生を伴
う波形テーブル・シンセサイザのVFOを使用することにより)それぞれの特性
相互間をクロス接続することがなされた。かくして、サンプルされた合成及び波
形テーブルによる合成の両方の利点を得ることが出来たが、この並列的な組み込
みの明らかな欠点は、2つを並列に組み込むためのコストが増大することである
。 【0018】 波形テーブルによる合成及びサンプルされた合成の利点を得るための組み合わ
せ的なアプローチを与える他の試みにおいては、その発生された波形は、サンプ
ルされそして波形テーブルで発生された波形であった。これはこの分野ではLA
シンセサイザと呼ばれておりそしてRoland Corp.により製造された
種々なシンセサイザによりインプリメントされている。サウンドの特性の多くは
、波形の発声部分(attack.portion)に含まれている情報により
人間の耳において認識されることが音響心理学的に見いだされた。従って、この
技法によると、或る波形の最初の発声部分は、所望の楽器の実際のサンプルされ
た発声部分を再生することにより発生され、これによりサウンドに対して必要な
真実性を与えた。前述のように、妥当な分離性及び信号対雑音比を有するこのよ
うなサンプルされた波形は、例えば波形テーブル合成のような合成を利用するサ
ウンド発生技術よりも比較的大容量のメモリを必要とするので、メモリのコスト
が問題である。これにも係わらず、サウンドの発生部分だけが実際にサンプルさ
れたサウンドにより発生されたので、仮に波形全体がサンプル再生される場合に
使用されねばならないメモリは節約される。所望の波形の残りの部分は、第2技
法即ち、波形テーブル合成により発生され、これは所望の波形の一定即ち安定状
態をいくらか与える。この部分はメモリ容量をあまり必要としない波形テーブル
合成により発生されるので(もしもこの波形の部分がメモリに記憶されたサンプ
ル により発生されるならば大容量のメモリが必要とされる)、メモリの節約が実現
された。この組み合わせ的手法は、サンプルされたサウンドと波形テーブルから
発生された人工サウンドの組み合わせである新しいサウンドを発生するという顕
著な利点を有するが、これにも係わらずこの技法は深刻な欠点を有した。 【0019】 第1に、サウンドの全体を発生する他のサウンド発生モードを選択することが
出来なかった。この理由の一つは、このことが組み合わせ手法の目的を挫折させ
るからであり、何故ならば、サンプリングの場合には、サンプルされた波形の発
生部分のみならず波形の残りの部分の記憶をも必要としたからである(さもなけ
ればこの部分を生成するのに必要なメモリを節約するようにアプローチがなされ
た)。上記の手法の他の重大な欠点は、現存するサンプル部分及び波形テーブル
・パラメータを変更しそして追加することによるサウンドのアップ・ロード、変
更若しくはアップ・グレードがなされていないことである。 【0020】 2重のハードウエアを必要とし、新たなサウンドをアップ・グレードし、若し
くは完全なサンプル若しくは波形テーブル・サウンドを実現する際の制限を有す
る上述の手法の問題を解決する他の試みにおいて、開発の主点はディジタル信号
プロセッサ若しくはDSPサウンドの発生に絞られた。DSPがサウンドの発生
を実現するこのような試みにおいて、サンプルされたサウンド若しくは合成され
たサウンドのいずれかを、所望されるままに発生するようにDSPをダイナミッ
クに再構成する試みがなされた。特に高価なマルチ・タスクDSPシステムが与
えられていない際にこのようなことを行う場合には、波形テーブル若しくはサン
プルに基ずくサウンドの発生をオン・ザ・フライで実行し、そして入力されたM
IDIデータ・ストリームに基ずいてDSPのどのモードに切り替えるかを調べ
てこれらの種々な形のコードをダイナミックに切り替えるDSPコードをつめこ
む必要があることが見いだされた。 【0021】 このようなシステムを実現するのは非常に困難であり、一つの代替的方法は、
所望のモードに依存して、同時に利用可能なDSPコードの複数コピーを与える
。 【0022】 所望のサウンド発生技法に依存して、DSPコードをダイナミックに詰め込むと
いう問題点はマルチ・タスク・オペレーティング・システムにおいて更に大きく
なる。その理由は、進行中のタスク切り替えに基ずいていつが適切な時刻かそし
てDSPコードの詰め込み及び切り替えをどのように調整するかを知ることは、
不可能でないにしても困難であるからであり、この結果DSPコードの完全なセ
ットを詰め込みそしてマルチ・タスク・システムに切り替えをさせる必要が再び
生じる。 【0023】 【発明が解決しようとする課題】 マルチ・メディアは、近年急速に浮上したマーケットであり、ここではMID
I能力がキーのマルチ・メディア要素である。しかしながら、前述のように、家
庭及び学校で流行しつつあるロウ・エンド・システムに対する厳しい問題点は、
このシステムの価格を低く保つことであり、従ってメモリ・システムの大きさは
必然的に小さくなり、上述の問題を生じる。MIDIの使用が増大するにつれ、
装置の浪費が非常に制限されるロウ・エンド・ユーザにより採択される可能性が
増大する。かくして、小型で且つ低価格のシステム上で動作するマルチ・メディ
ア機能を与える技術例えばメモリを節約する技術が求められている。このような
ロウ・エンド・システムにおけるメモリ・コストは、低価格のものが多量に出回
る市場で成功するうえでのクリチカルな相違点である。特に、制限されたハード
ウエア上にサンプルされたサウンドを含ませる一方で、この低価格システムのこ
れらの束縛の中で高い品質のサウンドを生じるMIDIを提供する手段が必要と
されてきた。 【0024】 例えば人間の音声及び音響的な音楽サウンドのようなディジタル化されたオー
ディオ・サウンドを、両手法の利点を得るような方法で再生しそしてMIDIデ
ータ・ファイルを利用する合成音楽と組み合わせることができ、同時にロウ・エ
ンド・システムのメモリの利用可能性に課せられた厳格な制限に打ち勝つ方法及
び装置の必要性が存在することが明かである。 【0025】 更に具体的に言うならば、多数のサウンド発生モード、特に、合成された(例
えば波形テーブルによる)サウンド若しくはサンプルされたサウンド発生を実行
する単一のハードウエア構成を実現することが高く望まれてきた。更に、例えば
DSPコードのようなコードの動的な再詰め込みを必要とせず、そしてどのDS
Pコード・モジュールが実行されるかを調べるのに過度の時間を必要としないシ
ステムを実現することが望まれてきた。更に、合成されたサウンド及びサンプル
されたサウンドの両方の利点を備えたシステムを実現し、そして更に改善された
合成サウンド及びサンプルされたサウンドを生じるようにこのシステムをアップ
グレードする事が望まれてきた。受け入れられる基本的なサウンドのセット(例
えば一般的なMIDIで採用されている標準的な175のサウンド)が与えられ
そして例えば波形テーブル合成のようなシステムを満足する妥当なコストで具体
化されるようなシステム、そしてもしも所望されるならば、ユーザがこれらのサ
ウンドの質を、サンプルされたサウンドの質までアップグレードでき、しかもこ
のアップグレードがシステムのリソースが許す限り上記一般的なMIDI波形テ
ーブル合成サウンドを自動的に取り替えることにより行われるシステムを実現す
ることが望まれてきた。 【0026】 【課題を解決するための手段】 本発明によると、制限されたメモリ容量を有するコンピュータ化されたシステ
ムにより発生されるサウンドの質を改善するシステム及び方法が提供される。音
響波形を合成的に発生するのに利用されるデータが記憶される波形テーブル・シ
ンセサイザが実現される。それぞれディジタル化された音響波形を含む複数個の
データ・セットが又発生されそして記憶される。MIDIデータ・ストリームに
応答して、システムは、これに対応する記憶済みの適切な音響サンプルがシステ
ム・メモリ内に存在するか否かを調べる。もしも存在するならば、システムは、
この記憶された音響サンプルを用いて所望のサウンドを発生する。もしも存在し
なければ、システムは、音響サウンドに最も近似したサウンドを発生する適切な
波形テーブルデータ・セットを実時間で自動的に決定する。かくして、システム は、波形テーブル合成及び音響サンプル合成の間で実時間で動的に再構成し、そ
して適切な音響サンプルが存在しないときに前者に対応すべく構成される。 【0027】 【実施例】 図1を参照すると、本発明の方法及び装置を実現するのに利用されうるコンピ
ュータ・システム1のブロック図が示されている。サンプリング、MIDI、D
SP等に関して本発明を具現化する関連技術は、米国特許出願第608、111
号、第608、105号、第608、126号及び第770、494号に示され
ている。本発明に従い、図示のコンピュータ・システム1は、MIDI制御のも
とに、波形テーブルで合成されたサウンド及びサンプルされた音響サウンドを発
生する動的に構成されうるシンセサイザを実現する。コンピュータ・システム1
は、MIDIシンセサイザを実現できる適切なディジタル信号プロセッサを有す
る従来型のディジタル・コンピュータ・システムを利用して実現されることが出
来る。例えば、IBMオーディオ・キャプチャー&プレイバック・アダプタを含
むIBMPS/2型コンピュータを利用して実現されることが出来る。 【0028】 表示装置3がコンピュータ・システム1に含まれている。当業者により明らか
なように、表示装置3は、ディジタル・コンピュータ・システム内でオーディオ
信号を処理するのに利用されるコマンド及び制御機能を表示するのに使用される
。又、コンピュータ・システム1に結合されているのは、コンピュータ・キーボ
ード4であり、これは従来周知のように、データを入力するために、そしてコン
ピュータ・システム1内に記憶されている種々なファイルを選択するのに使用さ
れる。コマンドを入力し、そしてコンピュータ・システム1内の適切なファイル
を選択するために例えばマウス若しくはライト・ペンのようなグラフィック・ポ
インティング装置が使用されうることは明かである。 【0029】 コンピュータ・システム1はプロセッサ2を有する。プロセッサ2は、コンピ
ュータ・システム1の中央処理ユニットであり、本発明のこの説明中の実施例で
は、ディジタル信号プロセッサを利用することによりMIDIシンセサイザを実 現できるオーディオ・アダプタを含むことが望ましい。このような装置の一例は
、IBMオーディオ・キャプチャー&プレイバック・アダプタ(ACPA)であ
る。 【0030】 図示のように、MIDIファイル6及びディジタル・オーディオ・ファイル7
は、プロセッサ2内のメモリ内に記憶されている。各ファイルの出力はインター
フェイス/ドライバ回路8へ結合される。インターフェイス/ドライバ回路8は
、MIDIプロトコル・ファイル若しくはディジタル・オーディオ・ファイルを
アクセスし、そしてこれらのファイルをインターフェイス/ドライバ回路8内の
適切なデバイス・ドライバに結合する適切なオーディオ・アプリケーション・プ
ログラミング・インターフェイスを利用することにより実現されのが望ましい。 【0031】 この後に、インターフェイス/ドライバ回路8の出力はディジタル信号プロセ
ッサ(DSP)9に結合される。後述のように、ディジタル信号プロセッサ9は
、ディジタル・オーディオ及びMIDIで合成された音楽を出力しそしてこれの
出力をオーディオ出力装置5に結合するために使用される。オーディオ出力装置
5は、単一のオーディオ・スピーカでもよく、又はステレオ・ミュージック・フ
ァイルの場合には一対のスピーカでもよい。 【0032】 本発明を更によく理解するために、現存する(若しくは現存しない)楽器のサ
ウンドを発生するために今日ミュージック・シンセサイザの分野で利用されそし
てサンプリング合成と呼ばれている技術について図2を参照して説明する。サン
プラーとは、オシレータやジェネレータを使用せずに、あらかじめ記憶させた現
実音を音源として使用する。図2に示されているのは、このような楽器の機能ブ
ロック図である。最も簡単な場合には、現存する或る楽器の音がテープに録音さ
れ、言い換えると、単一の音色が楽器から入力され、そしてサンプル・データ1
0として示されるように、この音色が次いでディジタル化されてディジタル・メ
モリに記憶される。サンプラー装置によるこのサウンドの再生は、オリジナル・
テープの再生するのと同様にして行われる。多くの楽器のサウンドは可変の長さ
の期間を有する。例えば、クラリネットは、演奏者がマウスピースに息を吹き込 む続ける限りその音を継続する。これは、打たれた後かなり一定な時期に音が停
止するドラムに比べて対照的である。サンプラーは、ルーピングとして知られて
いる技術を用いて種々な長さの音色を発生させる。ディジタル波形のある部分が
反復的に再生され、かくして連続データの印象を与える。サウンドを改善するた
めに種々な機能がアナログ回路若しくはディジタル・ドメインにおいて使用され
る。例えば、サンプル・データ出力24に作用して、このサンプルから再生され
つつあるサウンドに対して所望のビブラートを与える出力信号26を生じる低周
波発信器14を設けることが出来る。補間発信器(interpolating
oscillator)12はサンプル・データ出力24及びビブラート・デ
ータ26を受け取り、所望の平均ピッチのビブラート変調されたオーディオ信号
を発生する。 【0033】 サンプラーにおいて一般に使用される再生中のサンプル・データを改良する他
の技法は、フィルタである。フィルタは、ディジタル化された波形の総合的な質
を変えるために利用される。これは、楽器が種々な音量で演奏されるときに生じ
るサウンドの変化を与える。一般に、楽器は大きな音量で演奏されるときには冴
えたサウンドを生じる。従って、フィルタは、小さな音量で演奏されるときに波
形から冴えた感じをいくらか取り除く。図2に示す代表的なサンプラーのブロッ
ク・ダイアグラムにおいて、補間発信器(interpolating osc
illator)12の出力28に働いてフィルタ出力32を生じるフィルタ1
6が設けられている。 【0034】 このようなサンプラーに対して要求される他の機能は、最終出力36の振幅を
制御することである。このことは、フィルタ16の出力32を受け取る増幅器2
0により行われ、これにより増幅器20は、フィルタ出力32に作用して所望に
出力36を発生する。このようなフィルタ16及び増幅器20の動作を電圧制御
により制御することが従来行われており、従ってADSR発生器18および22
が設けられそしてこれらの出力30及び34がフィルタ16及び増幅器20にそ
れぞれ与えられる。このようなADSR発生器は、アタック(attack:楽 器音の立ち上がりを表現する言葉)、ディケイ(decay)、サステイン(s
ustain)及びリリース(release:楽音などで、音の余韻の部分を
意味する言葉。鍵盤楽器では、キーから指を離しても音が残ることを指す)発生
器として知られているものであり、これは、この様なアタック・タイム、ディケ
イ・タイム、サステイン・レベル及びリリース・タイムを順番に含むエンベロー
プを生じ、そしてこれらは電圧値であり、そしてその振幅がフィルタ動作及び増
幅動作を調整する。このADSR方式では、エンベロープの要素を、A=アタッ
ク・タイム(音が出始めて最大音量に達するまでの時間)、D=ディケイ・タイ
ム(最大音量から持続音量まで減衰しつつ到達する時間),S=サステイン・レ
ベル(持続音のレベル。鍵盤を押している間は、この音量が持続する)及びR=
リリース・タイム(指を鍵盤から離した後、音が減衰しつつ消えるまでの時間)
の4つに分け、それぞれを独立して設定する。 【0035】 上述のサンプル技法の欠点は、これが各ディジタル化されたサウンドを記憶す
るために多量のメモリ10を必要とすることであり、そしてたとえこの様なメモ
リを減少する試みがなされたとしても、或る持続されたサウンドを得るためには
、同じデータをこの所望のサウンドの継続時間全体に亘って、何回も繰り返し読
み出してサウンドに変換しなければならない。パーソナル・コンピュータにDS
Pを取り付けて実現したシンセサイザにおいては、所定の量のメモリ10を楽器
のディジタル波形例えばサンプルの記憶に当てることが保証できなくなる。それ
にも係わらず、前述の一般的なMIDIモード標準は、175の楽器の基本セッ
ト及び特殊な効果音を利用可能にすることを要求する。175の全てのサウンド
に対するサンプルをメモリ10が保持できないならば、問題を生じる。 【0036】 図3を参照すると、本発明の理解を助けるために、従来の他のサウンド発生方
法が示されている。図3は、減算合成シンセサイザ(subtractive
synthesizer)として知られるシンセサイザの簡略化されたブロック
・ダイアグラムである。この様な減算合成は、1970年代の中間に広く用いら
れそして例えばMoogシンセサイザとして知られた。この型のシンセサイザは
、 例えば発信器出力52のような連続した固定周期の周期的波形を発生する発信器
40を利用する。図2のサンプリング合成の場合には、前述と同様な理由で低周
波発振器42が設けられており、これの出力54は、ビブラートを含む出力52
を生じるように発信器40を変調する。又図2に示したサンプリング合成と似て
いる点は、フィルタ44が設けられていて、ADSR発生器46の出力58に応
答して発信器出力52のハーモニック・センターを修正する。ADSR発生器4
6により修正されたハーモニック・センターを有する発信器52の出力を含むフ
ィルタの出力56は、図2のシンセサイザのように電圧制御される増幅器48に
送られ、これにより信号のエンベロープは第2ADSR発生器50の動作により
整形される。これの出力62は、増幅器48による増幅の量を制御して出力60
を発生させる。 【0037】 本発明の理解のために、波形テーブル合成として知られている第3のサウンド
発生方式について説明する。図2の減算合成の変形である波形テーブル合成は、
図4の機能的ブロック・ダイアグラムに示されている。この方のシンセサイザは
、図3のシンセサイザと非常によく似たものとして認められている。更に具体的
に述べると、低周波発信器74からのビブラート出力86に応答して、サウンド
・データ84に作用する補間発信器72が設けられており、この結果変調された
出力88がフィルタ76に送られる。代表例では、このフィルタ76はADSR
78からの制御信号92に応答して発信器出力88に作用し、そして結果的なフ
ィルタ出力90が電圧制御型増幅器80に送られる。前述のシンセサイザ技術と
同様に、第2ADSR82が設けられ、これの電圧制御信号出力96は、増幅器
80の増幅量を制御し、かくして出力94を生じる。図3及び図4の技術を比較
すると、この様な減算合成及び波形テーブル合成の間に相違があることが判る。
図4の波形テーブル合成の場合には、図3の減算合成の発信器40により連続的
な固定の周期的波形が発生されるのではなく、この連続的な固定の周期的波形は
、ルック・アップ・波形テーブル70から発生され、そしてこれの出力84はこ
の分野で周知な方法で、所望の固定の周期的な波形を発生する。 【0038】 図5は、前述のいくかの型のミュージック合成を単一のサウンド発生システム
内で行うことが出来る本発明の方法及びシステムを示す。既に述べたように、こ
れは、利用可能なサンプル・メモリの量に係わりなく、楽器のサウンドのフル・
アレイを使用することを可能にする。 【0039】 更に、本発明は、この様なメモリを要求するサンプラを用いる場合の上述の問
題に対する解決策を実現し、ここで、本発明のシステム及び方法は、サンプル・
データが利用できる場合はこのサンプル・データを利用し、そしてメモリ容量が
不十分でサンプル・データを詰め込めないためにこのサンプル・データを入手で
きない場合でも、楽器のサウンドを合成できるシンセサイザを実現する。言い換
えると、本発明の一つの実施例では、図2に示すサンプリング合成が図3の減算
合成更に言うと図4の波形テーブル合成と有機的に結合されて図5の構成を生じ
る。減算合成は波形テーブル合成において改善されることに注目されたい。後述
するように、楽器のサウンドが合成される時、もしもこれのサンプル・データが
存在するならば、このサンプル・データが利用される。しかしながら、これの代
わりに波形テーブル・パラメータが利用されてサウンドが発生される。 【0040】 図5を更に詳細に参照すると、本発明の動的即ちダイナミック・シンセサイザ
が機能的なブロック・ダイアグラムで示されている。これは図1に示すシステム
によりそして更に図9に詳細に示すシステムにより具体化されることが出来る。
図5のシステムは、前述のシステムに類似する点が幾つかある。特に、図2のサ
ンブリング合成の場合のように、補間発信器106、低周波発信器108、フィ
ルタ110、増幅器114、並びにADSR発生器112及び116が図2で述
べたと同じ理由にもとづいて設けられている。これらの機能ブロックはそれぞれ
出力126−136を有する。同様に、サンプル・データのための記憶装置即ち
メモリ100が設けられており、そして波形データ即ちパラメータのための複数
個の記憶装置102及び104等が設けられている。概念的に述べると、もしも
電子的若しくはディジタル型の高速スイッチが設けられると、サウンドは、サン
プル・データ記憶装置100からのサンプル・データ若しくは波形データ記憶装 置102、104等からの波形パラメータにより発生されることが出来、これに
よりサウンドはサンプル・データ若しくは波形データに基づいて発生されること
が出来る。スイッチ125として概念的に示されているこの様な切り替え機能が
、図5のダイナミック・シンセサイザに設けられており、このスイッチの出力1
24は、サンプル・データ若しくは波形データを、サウンドへ変換するために補
間発信器106へ択一的に送る。多極のこのスイッチはソフトウエアにより回転
されて、サンプル・データ記憶装置100若しくは波形データ記憶装置102、
104のそれぞれからの線118、120、122等上のサンプル・データ若し
くは波形データを選択的に検索する。図5に示されている本発明のダイナミック
・シンセサイザのブロック図は、機能的で且つ概念的なものであることに注目さ
れたい。例えばスイッチ125は、システム1が、コード化された波形データ1
02及び104のいずれかのアドレス、若しくはサンプル・データを含むメモリ
の大きな部分のアドレス(このサンプル・データが詰め込まれたときにシステム
・メモリから割り当てられたアドレス)を択一的に与えることを概略的に表す。 【0041】 図6を参照すると、ダイナミック合成を行う本発明のシステムの更に詳細な機
能ブロック・ダイアグラムが示されている。MIDIBLK192、194及び
196は、現時点で選択されているプログラム変更番号、ピッチ・ベンド(pi
tch bend)及びボリュームを含むMIDIチャネルのステータスに関す
る情報を保持するために使用される。特定なMIDIチャネルに対するノート・
オンMIDIエベント190が受け取られると、このMIDIチャネル222に
対するMIDIBLK192、194若しくは196からのプログラム変更番号
が、コマンド220でプログラム198乃至202を選択する。MIDIチャネ
ル10に場合には、ノート・オン・キー番号190は、ドラム(DRUMKIT
)ブロック204乃至206を直接選択するのに使用される。ノート・オン・キ
ー番号が特定なドラム・サウンドを指定するようにして、MIDIチャネル10
がこのドラム・キットに対して使用されることが明かであろう。各プログラム・
ブロック198乃至206は、図7に示すように、シンセサイザを制御するのに
必要な全てのシンセサイザ・パラメータを含む。更に、これはサンプル・テーブ
ル 208へのインデックス即ちポインタ224を含む。サンプル・テーブル208
は、システムに詰め込まれたサンプル・データ214及び218の各セットのそ
れぞれに対する波形ブロック(WAVEFORMBLK)212、216へのポ
インタ226及び228を含む。波形ブロック212及び216は、波形若しく
はサンプル214及び218についての情報、例えばロケーション、長さ、ルー
プ・ポイント及びループ・タイプ等を含む。最初、このシステムは、ボイス・デ
ータ198ー206を含むことが出来、これらは簡単なあらかじめ規定された波
形212ー218のみを利用し、最小のシステム・メモリ210しか必要としな
い。ユーザが追加のサンプルをシステムに詰め込むと、追加のエントリィがサン
プル・テーブル208に形成され、そして新たな波形ブロック212及び216
を指し示し、そしてこれはこのサンプル・データがコピーされる動的に割り当て
られたメモリ部分214及び218を230及び232により指し示す。更に、
この新たに詰め込まれたサンプル・データに関連するプログラム198ー206
が、この新たに生成されたサンプル・テーブル・エントリィ208を指し示す(
224による)ように更新される。 【0042】 図7を参照すると、図6において参照された制御情報をサウンドに変換するの
に使用されるシンセサイザ・エンジンを示す機能的なブロック・ダイアグラムが
示されている。このエンジンは図2、3及び4に示された共通的なシンセサイザ
の構成要素を利用し、そして図6の下側の6つのブロックを実現する。本発明の
良好な実施例では、図6は、図1のプロセッサ2における実行のためにホスト・
システム・プログラミングを使用して具現化され、一方図7に示す構成要素は図
1のDSP9に導入されている。図7に示す構成要素はどれも、サンプリング合
成若しくは波形テーブル合成を行うのに何の変更をも必要としないことに注目さ
れたい。制御動作は図6に示す論理回路により厳格に行われ、かくして図7のD
SP構成要素の再構成は必要でない。更に、図7では、ADSR240及び24
2並びに低周波発振器(LFO)244により発生される信号258、260及
び261が、オーディオ処理ブロック246、248及び252のそれぞれに制
御されて送られる。 【0043】 レート(rate:LFOの周波数を表す)信号254及び利得信号256が
、低周波発振器(LFO)244の周波数及び利得を制御するために利用されう
る。ADSRの出力260は又これらのレート及び利得信号を調整するために利
用されることが出来、そしてこれは、ADSR242の出力260により制御さ
れる減衰器262及び264により示されている。更に、発振器246及び24
8の中心周波数Fo294及び300の正確な値は、制御信号258、260及
び261の大きさにより制御されることが出来る。従って、このことは減衰器2
66ー274を設けることにより機能的に示されており、上述のように、ADS
R240及び242並びに低周波発振器244により各発振器246及び248
の中心周波数294及び300を可変的に制御する。同様に、フィルタ250の
Q(302)及びDCA252の利得(304)が、ADSR240及び242
若しくはLFO244からのパラメータの大きさにより制御されることが出来る
。かくして、ADSR若しくはLFOにより制御される可変減衰器276ー28
4が図7に概念的に示され、そしてこれら可変的なQ信号302若しくは利得信
号304を与えて、フィルタ250若しくはDCA252のQ若しくは利得を制
御する。発振器246及びフィルタ250の間の接続296並びにフィルタ25
0及びDCA252の間の接続298が示されており、これらは、発振器の出力
296がフィルタ250により所望のようにフィルタされ、そしてフィルタの出
力298の振幅が、制御可能型の増幅器252により変調されることを示す。 【0044】 図8を参照すると。前述の本発明の目的を達成するために、図1及び図9のシ
ステムを制御する所望のソフトウエア・システムの動作を示す簡略化されたブロ
ック・ダイアグラムである。更に具体的に述べると、このソフトウエアは、以下
に述べるように図1のプロセッサ2を用いて実行される。ブロック310におい
て示されるように、ノート・オン(note on)信号がキーボード4により
発生されるときにプロセッサ2はこれをノート・オン・メッセージ320として
検出する。次いで、ブロック312において、プロセッサ2は、このノート・オ
ン情報320から、この所望のノートに対応するサンプル・データがこのプロセ ッサ2のメモリ内に存在するか否かを調べる。出力328により示すようにこの
様なサンプル・データが存在すると、ブロック318において、プロセッサ2は
、所望のサンプル・データ100(図5)及び関連するパラメータを取り出し、
そして処理動作は線326により示すようにブロック316に進み、ここでシス
テム1がブロック318で取り出したサンプル・データ及びパラメータに基づき
所望のサウンドの発生を開始する。 【0045】 ここで再びブロック312に戻ると、もしもプロセッサ2がソフトウエアの制
御の基に、ブロック310からのノート・オン情報により規定される適切なサン
プル・データ100がサンプル・データ記憶装置内に存在しないことを見いだす
と、処理動作は線322に沿ってブロック314に進み、ここでプロセッサ2は
、ブロック310において発生されたこの特定なノート・オン・メッセージに対
応する適切な波形データ及びパラメータを図5の対応する波形データ記憶装置1
02、104等から選択して取り出す。線324により示されるように動作はブ
ロック316に進み、ブロック318からのデータに基づくサウンドの発生と同
様にしてサウンドが発生される。ブロック314からのデータに基づくこの例の
場合には、サウンドの発生は波形ルック・アップ・テーブル及び図4の波形テー
ブル・シンセサイザ技術により行われ、一方、ブロック318において適切な音
響的なディジタル化されたサンプルが存在することが判明すると、ブロック31
6において、図1及び9のシステムが図2に関して述べたサンプリング合成技術
でサウンドを合成する。 【0046】 図9を参照すると、本発明の方法及び装置を実施するのに使用されるディジタ
ル信号プロセッサ(DSP)154を含むオーディオ・アダプタのブロック図が
示されている。上述のように、このオーディオ・アダプタは、商業的に入手でき
るIBMオーディオ・キャプチャー・プレイバック・アダプタ(ACPA)を利
用して実現されることが出来る。ディジタル信号プロセッサ154として、Te
xas Instruments社のTMS320c25を使用することが出来
る。 【0047】 図9のI/Oバス(即ち入出力バス)140は、このオーディオ・サブシステ
ムとP/S2若しくは他のパーソナル・コンピュータとの間の通信を行わせるマ
イクロ・チャネル若しくはPCのI/Oバスである。I/Oバスを用いて、ホス
ト・コンピュータはこのオーディオ・サブシステムに情報を与え、そしてオーデ
ィオ・サブシステムは、ホスト・コマンド・レジスタ144、ホスト・ステータ
ス・レジスタ146、アドレス・ハイ・バイト・カウンタ142、アドレス・ロ
ウ・バイト・カウンタ158、データ・ハイ・バイト双方向ラッチ148及びデ
ータ・ロウ・バイト双方向ラッチ150を使用する。 【0048】 ホスト・コマンド・レジスタ及びホスト・ステータス・レジスタは、コマンド
を与えそしてこのオーディオ・サブシステムのステータスをモニターするために
ホストにより使用される。アドレス及びデータ・ラッチは、オーディオ・サブシ
ステム内の8Kx16ビットの高速静的RAMである共用メモリ152をアクセ
スするためにホストにより使用される。共用メモリ152は、ホスト(パーソナ
ル・コンピュータ若しくはPS/2)とディジタル信号プロセッサ(DSP)1
54との間を連絡する手段である。このメモリは共用される。即ちホスト・コン
ピュータ及びDSP154の両方がこれをアクセスすることが出来る。 【0049】 制御論理回路166の一部分であるメモリ・アービタは、ホスト及びDSP1
54がメモリを同時にアクセスすることを防ぐ。共用メモリ152は、情報の一
部がDSP154を制御するロジックとなるように分割されることが出来る。D
SP154は、コマンドを与えそしてこのオーディオ・サブシステムの他の部分
のステータスをモニターするためのこれ自身の制御及びステータス・レジスタ1
56を有する。 【0050】 このオーディオ・サブシステムは、RAMであるサンプル・メモリ162を含
む。サンプル・メモリ162は、2Kx16ビットの静的RAMであり、そして
DSPは、再生されるために出ていくサンプル信号及びホスト・コンピュータへ の転送のために入ってくるサンプル信号を記憶するためにこのメモリを使用する
。 【0051】 ディジタル・ツゥ・アナログ変換器(ADC)168及びアナログ・ツゥ・デ
ィジタル変換器(ADC)170は、ホスト・コンピュータ及びオーディオ・サ
ブシステムのディジタルの世界とサウンドのアナログの世界との間のインターフ
ェイスである。DAC168は、サンプル・メモリ162からディジタル・サン
プルを得て、これらのサンプルをアナログ信号に変換し、そしてこれらの信号を
アナログ・パス181Aを介してアナログ出力セクション172へ送る。アナロ
グ・セクション172は、この信号をスピーカ190若しくはヘッドフォンへ接
続される出力コネクタ188へ送る。DAC168は、両出力へ連続的出力を与
えるためにマルチプレックスされる。 【0052】 ADC170は、DAC168と逆の動作をする。ADC170は、マイクロ
フォン、ステレオプレーヤ、ミキサー等の入力コネクタ184、186から受け
取られるアナログ信号を、アナログ入力セクション174及び線181Bを介し
て受け取り、これらのアナログ信号をディジタル・サンプルに変換し、そしてこ
れらをサンプル・メモリ162に記憶する。制御論理回路166は、他のタスク
の間に、DSPインターラプト・リクエストの後にインターラプトをホスト・コ
ンピュータへ出し、入力選択スイッチを制御し、そして種々なラッチ並びにサン
プル及び共用メモリに読み取り、書き込み及びイネーブル・ストローブを送る。 【0053】 このオーディオ・サブシステムの概要を把握するために、アナログ信号が如何
にサンプルされそして記憶されるかを説明する。ホスト・コンピュータはI/O
バスを介してDSP154に、このオーディオ・アダプタがアナログ信号をディ
ジタル化すべきことを知らせる。DSP154は、これの制御レジスタ156を
使用してADC170をイネーブルする。ADC170は、入来する信号をディ
ジタル化してそしてこのサンプルをサンプル・メモリ162に記憶する。DSP
154はサンプル・メモリ162からサンプルを取り出しそしてこれを共用メモ
リ152に送る。次いで、DSP154は、I/Oバス140を介してホスト・ コンピュータに、ディジタル・サンプルの用意が出来てホストがこれを読みとれ
ることを知らせる。ホストはI/Oバス140を介してこれらのサンプルを受け
取りそしてこれをホスト・コンピュータのRAM若しくは磁気記録ディスクに記
憶する。 【0054】 これらの舞台裏で多くの事柄が生じる。制御論理回路166は、ホスト・コン
ピュータ及びDSP154が共用メモリ152を同時にアクセスすることを防止
する。制御論理回路166は又、ホスト・コンピュータ及びDSP154が共用
メモリ152を同時にアクセスすることを防止する。制御論理回路166は又、
DSP154及びDAC168がサンプル・メモリ162を同時にアクセスする
ことを防止し、アナログ信号のサンプリングを制御し、そして他の機能を行う。
上述の事柄は、連続的動作である。ホスト・コンピュータが共用メモリ152か
らディジタル・サンプルを読み出している間に、ADC170は新たなデータを
サンプル・メモリ162に入力し、そしてDSP154は、サンプル・メモリ1
62から共用メモリ152へデータを転送する。 【0055】 ディジタル化されたオーディオ・データの再生は、大体同じようにして行われ
る。ホスト・コンピュータはDSP154に、オーディオ・サブシステムがディ
ジタル化されたデータを再生すべきであることを通知する。本発明においては、
ホスト・コンピュータはDSP154を制御するコード及びディジタル・オーデ
ィオ・サンプルをこれのメモリ若しくはディスクから読み出し、そしてこれらを
I/Oバス140を介して共用メモリ152に送る。これらのコードの制御の基
に、DSP154は、サンプルを得て、これらのサンプルをコードの制御の基に
対数値を表す整数値の変換し、そしてこれらをサンプル・メモリ162に記憶す
る。次いで、DSP154は、DAC140を付勢し、そしてこれはディジタル
・サンプルをオーディオ信号に変換する。オーディオ再生回路はオーディオ信号
を付勢してそしてこれを出力コネクタに送る。この再生も又連続的動作である。 【0056】 連続的な記録及び再生の間、DAC168及びADC170が動作し、DSP 154はサンプル及び共用メモリの間でサンプルを両方向に転送し、そしてホス
ト・コンピュータはI/Oバス140を介してサンプルを両方向に転送する。か
くして、オーディオ・サブシステムは、異なるサウンドを同時に再生しそして記
録することが出来る。ホスト・コンピュータがサンプル。メモリ162を直接的
にアクセスできず、DSP154を介してディジタル・データを得る理由は、D
SP154が、データをサンプルメモリ162に記憶する前にこのデータを処理
するからである。DSPの処理の一つの態様は、サウンド情報のリニアな整数表
現を、本当のアナログ・サウンド信号に変換するDAC168へ入力するための
サウンド情報の対数の整数表現に変換することである。 【0057】 図9においては、アナログ・パス181、データ・バス176、アドレス・バ
ス178、制御バス180及びアナログ・パス181A、181B、184ー1
90は、これらの区別を明確にするために異なる線により示されている。又標準
的なアービトレイション論理回路が、アドレス・バス及びデータ・バス上の情報
を従来のようにアービトレーションするために設けられている。制御論理回路1
66は、プロセッサ2及びDSP9がメモリを同時にアクセスしてメモリのデッ
ド・ロック等が生じるのを防ぐために論理回路160及び164を使用する。 【0058】 【発明の効果】 本発明によると、制限されたメモリ容量を有するコンピュータ化されたシステ
ムにより、質が改善されたサウンドを発生することが出来る。
らば、本発明は、MIDIシンセサイザを含むシステムに関する。更に具体的に
言うならば、本発明は、メモリの利用効率が高い、ディジタル・オーディオ及び
MIDIにより合成された音楽を出力する方法及び装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 MIDI(Musical Instrument Digital Int
erface)は、種々な楽器、例えばシーケンサ、コンピュータ、照明制御装
置、ミキサ等の他の装置の間で、楽譜、プログラム変更、表現制御等を含む情報
を交換することを可能にするハードウエア及びソフトウエアの仕様として制定さ
れた。データを転送しそして受け取るこの能力は最初生演奏を対象として考えら
れていたが、その後これが発展して録音スタヂオ、オーディオ及びビデオの制作
及び作曲の分野に対して大きな影響を与えるに至った。 【0003】 MIDIインターフェイスに対する標準は,MIDI製造者協会(MMA)及
び日本のMIDI標準委員会(JMSC)の間の共同開発の結果として準備され そして公開された。この標準は、JMSC及びMMAの間の同意により変更され
、そして現在は、1989年1月のMIDI1.0、Detailed Spe
sification,Document Version4.1として公開さ
れている。 【0004】 MIDIインターフェイスのハードウエア部分は、31.25Kボーで、非同
期で動作し、そして1つの開始ビット、8つのデータ・ビット及び1つの停止ビ
ットを伴う。これは、シリアル・バイト当たり320マイクロ秒の期間に合計1
0ビット送れる。開始ビットは論理0であり、そして停止ビットは論理1である
。 【0005】 バイトは最小有効ビットを最初に送ることにより伝送される。データビットは、
5ミリアンペアの電流ループを利用することによりMIDIインターフェイス内
で伝送される。論理0はターン・オンされつつある電流により表され、そして論
理1はターンオフされつつある電流により表される。この電流ループの立ち上が
り時間及び立ち下がり時間は2マイクロ秒よりも短い。この電流ループに対する
接続のために5ピンのDINコネクタが利用され、ここで2つのピンだけが電流
ループ信号を伝送するために利用される。代表的には、MIDIフォーマットを
利用して互いに結合される装置相互間の分離をするために、光アイソレータが利
用される。 【0006】 MIDIインターフェイスを利用する通信は、1つのステータス・バイト及び
これに続く1以上のデータ・バイトからなるマルチ・バイト・メッセージにより
行われる。このルールに対して或る例外がある。MIDIメッセージは、種々な
パフォーマンス情報のために利用されうる16のチャネルの任意を介して送られ
る。5つの代表的な型のMIDIメッセージがある。チャネル・ボイス、チャネ
ル・モード、システム・コモン、システム・リアル・タイム及びシステム・エク
スクルッシブである。MIDIのエベントは、メッセージとして送られ、そして
1以上のバイトからなる。 【0007】 MIDIシステムのチャネル・メッセージは、16のMIDIチャネルの1つ
へこのメッセージをアドレスするのにステータス・バイトの4ビットを利用しそ
してメッセージを限定するのに4ビットを利用する。これにより、チャネル・メ
ッセージは、ステータス・バイト内の解読されたチャネル番号と一致するチャネ
ル番号を有するシステムにより受け取られる。或る楽器は、1以上のチャネル上
にMIDIメッセージを受け取ることが出来る。その主なインストラクション、
例えばオンにされるべきプログラム番号及びモード指定等を受け取るチャネルは
、しばしば基本チャネルと呼ばれる。代表的な2つの型のチャネル・メッセージ
即ちボイス・メッセージ及びモード・メッセージがある。ボイス・メッセージは
楽器の音色を制御するのに利用され、そしてボイス・メッセージは代表的にはボ
イス・チャネルを介して送られる。モード・メッセージはボイス・メッセージに
対する楽器の応答を限定するために利用され、そしてモード・メッセージは一般
に楽器の基本チャネルを介して送られる。 【0008】 MIDIシステム内のシステム・メッセージは、共通メッセージ、リアルタイ
ム・メッセージ、及びエクスクルッシブ・メッセージを含みうる。共通メッセー
ジは、レシーバが関連しているチャネルに係わらず、システムの全てのレシーバ
に対して送られる。リアルタイム・メッセージは同期のために利用され、そして
システム内の、クロックに基づくユニットを対象としている。リアルタイム・メ
ッセージはステータス・バイトだけを含みそしてデータ・バイトを含まない。リ
アルタイム・メッセージは、いつでも送られることが出来る。即ち、異なるステ
ータスを有する或るメッセージのバイト相互間でさえも送られることが出来る。
エクスクルッシブ・メッセージは任意の数のデータ・バイトを含むことが出来、
そしてリアルタイム・メッセージを除き、エクスクルッシブ若しくは任意の他の
ステータス・バイトの終了により終了されることが出来る。エクスクルッシブの
終了は、システム・エクスクルッシブ・メッセージの終了時に送られなければな
らない。システム・エクスクルッシブ・メッセージは常に、製造者の識別コード
を含む。もしもレシーバが識別コードを認識できないと、これはこの後に続くデ
ータを無視する。 【0009】 音楽作品は、MIDI標準を利用してコード化されそして非常に少ないデータ
を利用して記憶され若しくは伝送されることが上述の説明から明かであろう。M
IDI標準は、例えば”ノート・オン”(Note on:鍵盤を押すに対応)
及び”ノート・オフ”(Note Off:鍵盤を離すに対応)のようなプログ
ラム・ステータス・メッセージ及びチャネル・メッセージのシリアル・リストを
制御メッセージとして使用させる。 【0010】 MIDIに制御される種々なサウンド発生装置若しくはモジュールに利用され
ると、音楽作品が記録されそして演奏されうる。 【0011】 後述のようにこれらのサウンド発生装置若しくはモジュールは種々な形を取り
うる。波形テーブル若しくは減算合成(subtractive synthe
sis)と呼ばれる一つの型においては、記憶されている波形(後述のようにサ
ンプルされるサウンド全体よりも短い)が、フィルタ、電圧制御される増幅器等
により動作されて、合成サウンドを発生する。この方法の利点は、性質的に存在
しないような新しく且つ異常なサウンドを生じることに加えて、比較的わずかな
メモリしか必要としないことであり、これはロウ・エンドのコンピュータ・シス
テムにおいては非常に貴重である。 【0012】 他の型のサウンド発生方式は、アナログ音響信号をサンプルし、ディジタル化
し、記憶しそして再生の間にアナログの形に変換する形を取る。この方式の他と
は別の利点は、従来の他の技法よりも更に現実性即ち真実性を持って合成音響波
形を発生することである。しかしながら、このような真実性を得るためにはコス
トが高くなる。このような簡単なサンプリング・システムに必要なデータは、巨
大な量となり、数万ビットのデータ及び関連メモリがオーディオ信号1秒につき
必要とされる。 【0013】 従って、このようなシステムに必要とされるデータの量を減少するために多数 のコード化システムが開発されてきた。例えば、最近の多くのディジタル・オー
ディオ・システムは、アナログ情報を表すのに種々なディジタル信号を使用する
パルス符号変調(PCM)を利用する。アナログ信号の変動を表すために、この
ようなシステムは、パルス振幅変調(PAM)、パルス幅変調(PDM)若しく
はパルス位置変調(PPM)を使用することが出来る。 【0014】 パルス符号変調の一つの変形であるデルタ・パルス符号変調(DPCM)は、
一つのサンプル及び次のサンプルの間の差だけを符号化することにより、更に高
いデータ圧縮を達成する。かくして、アナログ信号が相当なダイナミック・レン
ジを有していても、もしもサンプリング率が、隣接する信号相互間の差が大きく
ならないように十分に高いならば、この隣接する信号相互間の差のみを符号化す
る方法は相当なデータを節約する。更に、先行する信号の重みづけられた総和に
基づいて信号の値を予測する適応性若しくは予測性技法が、アナログ信号を表す
のに必要なデータの量を更に減少するためにしばしば利用される。 【0015】 これらのディジタル・オーディオ技術のそれぞれにおいては、音声若しくはオ
ーディオ信号は、これらの信号を記憶若しくは再生するために、簡潔な処理動作
及びディジタル・ツゥ・アナログ若しくはアナログ・ツゥ・ディジタル変換技術
を利用することによりサンプルされそしてディジタル化されることが出来る。 【0016】 上述のディジタル・オーディオ・システムは音声若しくは他のオーディオ信号
サンプルを正確に記憶するために利用されることが出来るが、上述のMIDIに
より制御される合成システムに比べて、データ圧縮と同様に、相当な記憶装置を
必要とするという問題点を有する。しかしながら、現実若しくは真実性のある人
間の音声若しくは他の音響サウンドを再生することが所望されるシステムのおい
ては、代替的技法はあまり存在しない。 【0017】 例えば、上述の波形テーブルによる合成及びサンプルされたサウンドのような
合成されたサウンドの利点を得ようとする従来の試みにおいて、組み合わせ的な アプローチがなされた。このような試みの一つにおいて、波形テーブル合成及び
サンプルされたサウンドの両方を並列的にハードウエア内に組み込まれたされた
。これの代表的なのは、ヤマハCorp.により製造されたSY77シンセサイ
ザである。このようなシンセサイザでは、波形テーブルで発生されたサウンドと
若しくはサンプルにより発生されたサウンドとの間を切り替えることがなされ、
そして或る制限された瞬間に、(例えば或るサンプルされたサウンドの再生を伴
う波形テーブル・シンセサイザのVFOを使用することにより)それぞれの特性
相互間をクロス接続することがなされた。かくして、サンプルされた合成及び波
形テーブルによる合成の両方の利点を得ることが出来たが、この並列的な組み込
みの明らかな欠点は、2つを並列に組み込むためのコストが増大することである
。 【0018】 波形テーブルによる合成及びサンプルされた合成の利点を得るための組み合わ
せ的なアプローチを与える他の試みにおいては、その発生された波形は、サンプ
ルされそして波形テーブルで発生された波形であった。これはこの分野ではLA
シンセサイザと呼ばれておりそしてRoland Corp.により製造された
種々なシンセサイザによりインプリメントされている。サウンドの特性の多くは
、波形の発声部分(attack.portion)に含まれている情報により
人間の耳において認識されることが音響心理学的に見いだされた。従って、この
技法によると、或る波形の最初の発声部分は、所望の楽器の実際のサンプルされ
た発声部分を再生することにより発生され、これによりサウンドに対して必要な
真実性を与えた。前述のように、妥当な分離性及び信号対雑音比を有するこのよ
うなサンプルされた波形は、例えば波形テーブル合成のような合成を利用するサ
ウンド発生技術よりも比較的大容量のメモリを必要とするので、メモリのコスト
が問題である。これにも係わらず、サウンドの発生部分だけが実際にサンプルさ
れたサウンドにより発生されたので、仮に波形全体がサンプル再生される場合に
使用されねばならないメモリは節約される。所望の波形の残りの部分は、第2技
法即ち、波形テーブル合成により発生され、これは所望の波形の一定即ち安定状
態をいくらか与える。この部分はメモリ容量をあまり必要としない波形テーブル
合成により発生されるので(もしもこの波形の部分がメモリに記憶されたサンプ
ル により発生されるならば大容量のメモリが必要とされる)、メモリの節約が実現
された。この組み合わせ的手法は、サンプルされたサウンドと波形テーブルから
発生された人工サウンドの組み合わせである新しいサウンドを発生するという顕
著な利点を有するが、これにも係わらずこの技法は深刻な欠点を有した。 【0019】 第1に、サウンドの全体を発生する他のサウンド発生モードを選択することが
出来なかった。この理由の一つは、このことが組み合わせ手法の目的を挫折させ
るからであり、何故ならば、サンプリングの場合には、サンプルされた波形の発
生部分のみならず波形の残りの部分の記憶をも必要としたからである(さもなけ
ればこの部分を生成するのに必要なメモリを節約するようにアプローチがなされ
た)。上記の手法の他の重大な欠点は、現存するサンプル部分及び波形テーブル
・パラメータを変更しそして追加することによるサウンドのアップ・ロード、変
更若しくはアップ・グレードがなされていないことである。 【0020】 2重のハードウエアを必要とし、新たなサウンドをアップ・グレードし、若し
くは完全なサンプル若しくは波形テーブル・サウンドを実現する際の制限を有す
る上述の手法の問題を解決する他の試みにおいて、開発の主点はディジタル信号
プロセッサ若しくはDSPサウンドの発生に絞られた。DSPがサウンドの発生
を実現するこのような試みにおいて、サンプルされたサウンド若しくは合成され
たサウンドのいずれかを、所望されるままに発生するようにDSPをダイナミッ
クに再構成する試みがなされた。特に高価なマルチ・タスクDSPシステムが与
えられていない際にこのようなことを行う場合には、波形テーブル若しくはサン
プルに基ずくサウンドの発生をオン・ザ・フライで実行し、そして入力されたM
IDIデータ・ストリームに基ずいてDSPのどのモードに切り替えるかを調べ
てこれらの種々な形のコードをダイナミックに切り替えるDSPコードをつめこ
む必要があることが見いだされた。 【0021】 このようなシステムを実現するのは非常に困難であり、一つの代替的方法は、
所望のモードに依存して、同時に利用可能なDSPコードの複数コピーを与える
。 【0022】 所望のサウンド発生技法に依存して、DSPコードをダイナミックに詰め込むと
いう問題点はマルチ・タスク・オペレーティング・システムにおいて更に大きく
なる。その理由は、進行中のタスク切り替えに基ずいていつが適切な時刻かそし
てDSPコードの詰め込み及び切り替えをどのように調整するかを知ることは、
不可能でないにしても困難であるからであり、この結果DSPコードの完全なセ
ットを詰め込みそしてマルチ・タスク・システムに切り替えをさせる必要が再び
生じる。 【0023】 【発明が解決しようとする課題】 マルチ・メディアは、近年急速に浮上したマーケットであり、ここではMID
I能力がキーのマルチ・メディア要素である。しかしながら、前述のように、家
庭及び学校で流行しつつあるロウ・エンド・システムに対する厳しい問題点は、
このシステムの価格を低く保つことであり、従ってメモリ・システムの大きさは
必然的に小さくなり、上述の問題を生じる。MIDIの使用が増大するにつれ、
装置の浪費が非常に制限されるロウ・エンド・ユーザにより採択される可能性が
増大する。かくして、小型で且つ低価格のシステム上で動作するマルチ・メディ
ア機能を与える技術例えばメモリを節約する技術が求められている。このような
ロウ・エンド・システムにおけるメモリ・コストは、低価格のものが多量に出回
る市場で成功するうえでのクリチカルな相違点である。特に、制限されたハード
ウエア上にサンプルされたサウンドを含ませる一方で、この低価格システムのこ
れらの束縛の中で高い品質のサウンドを生じるMIDIを提供する手段が必要と
されてきた。 【0024】 例えば人間の音声及び音響的な音楽サウンドのようなディジタル化されたオー
ディオ・サウンドを、両手法の利点を得るような方法で再生しそしてMIDIデ
ータ・ファイルを利用する合成音楽と組み合わせることができ、同時にロウ・エ
ンド・システムのメモリの利用可能性に課せられた厳格な制限に打ち勝つ方法及
び装置の必要性が存在することが明かである。 【0025】 更に具体的に言うならば、多数のサウンド発生モード、特に、合成された(例
えば波形テーブルによる)サウンド若しくはサンプルされたサウンド発生を実行
する単一のハードウエア構成を実現することが高く望まれてきた。更に、例えば
DSPコードのようなコードの動的な再詰め込みを必要とせず、そしてどのDS
Pコード・モジュールが実行されるかを調べるのに過度の時間を必要としないシ
ステムを実現することが望まれてきた。更に、合成されたサウンド及びサンプル
されたサウンドの両方の利点を備えたシステムを実現し、そして更に改善された
合成サウンド及びサンプルされたサウンドを生じるようにこのシステムをアップ
グレードする事が望まれてきた。受け入れられる基本的なサウンドのセット(例
えば一般的なMIDIで採用されている標準的な175のサウンド)が与えられ
そして例えば波形テーブル合成のようなシステムを満足する妥当なコストで具体
化されるようなシステム、そしてもしも所望されるならば、ユーザがこれらのサ
ウンドの質を、サンプルされたサウンドの質までアップグレードでき、しかもこ
のアップグレードがシステムのリソースが許す限り上記一般的なMIDI波形テ
ーブル合成サウンドを自動的に取り替えることにより行われるシステムを実現す
ることが望まれてきた。 【0026】 【課題を解決するための手段】 本発明によると、制限されたメモリ容量を有するコンピュータ化されたシステ
ムにより発生されるサウンドの質を改善するシステム及び方法が提供される。音
響波形を合成的に発生するのに利用されるデータが記憶される波形テーブル・シ
ンセサイザが実現される。それぞれディジタル化された音響波形を含む複数個の
データ・セットが又発生されそして記憶される。MIDIデータ・ストリームに
応答して、システムは、これに対応する記憶済みの適切な音響サンプルがシステ
ム・メモリ内に存在するか否かを調べる。もしも存在するならば、システムは、
この記憶された音響サンプルを用いて所望のサウンドを発生する。もしも存在し
なければ、システムは、音響サウンドに最も近似したサウンドを発生する適切な
波形テーブルデータ・セットを実時間で自動的に決定する。かくして、システム は、波形テーブル合成及び音響サンプル合成の間で実時間で動的に再構成し、そ
して適切な音響サンプルが存在しないときに前者に対応すべく構成される。 【0027】 【実施例】 図1を参照すると、本発明の方法及び装置を実現するのに利用されうるコンピ
ュータ・システム1のブロック図が示されている。サンプリング、MIDI、D
SP等に関して本発明を具現化する関連技術は、米国特許出願第608、111
号、第608、105号、第608、126号及び第770、494号に示され
ている。本発明に従い、図示のコンピュータ・システム1は、MIDI制御のも
とに、波形テーブルで合成されたサウンド及びサンプルされた音響サウンドを発
生する動的に構成されうるシンセサイザを実現する。コンピュータ・システム1
は、MIDIシンセサイザを実現できる適切なディジタル信号プロセッサを有す
る従来型のディジタル・コンピュータ・システムを利用して実現されることが出
来る。例えば、IBMオーディオ・キャプチャー&プレイバック・アダプタを含
むIBMPS/2型コンピュータを利用して実現されることが出来る。 【0028】 表示装置3がコンピュータ・システム1に含まれている。当業者により明らか
なように、表示装置3は、ディジタル・コンピュータ・システム内でオーディオ
信号を処理するのに利用されるコマンド及び制御機能を表示するのに使用される
。又、コンピュータ・システム1に結合されているのは、コンピュータ・キーボ
ード4であり、これは従来周知のように、データを入力するために、そしてコン
ピュータ・システム1内に記憶されている種々なファイルを選択するのに使用さ
れる。コマンドを入力し、そしてコンピュータ・システム1内の適切なファイル
を選択するために例えばマウス若しくはライト・ペンのようなグラフィック・ポ
インティング装置が使用されうることは明かである。 【0029】 コンピュータ・システム1はプロセッサ2を有する。プロセッサ2は、コンピ
ュータ・システム1の中央処理ユニットであり、本発明のこの説明中の実施例で
は、ディジタル信号プロセッサを利用することによりMIDIシンセサイザを実 現できるオーディオ・アダプタを含むことが望ましい。このような装置の一例は
、IBMオーディオ・キャプチャー&プレイバック・アダプタ(ACPA)であ
る。 【0030】 図示のように、MIDIファイル6及びディジタル・オーディオ・ファイル7
は、プロセッサ2内のメモリ内に記憶されている。各ファイルの出力はインター
フェイス/ドライバ回路8へ結合される。インターフェイス/ドライバ回路8は
、MIDIプロトコル・ファイル若しくはディジタル・オーディオ・ファイルを
アクセスし、そしてこれらのファイルをインターフェイス/ドライバ回路8内の
適切なデバイス・ドライバに結合する適切なオーディオ・アプリケーション・プ
ログラミング・インターフェイスを利用することにより実現されのが望ましい。 【0031】 この後に、インターフェイス/ドライバ回路8の出力はディジタル信号プロセ
ッサ(DSP)9に結合される。後述のように、ディジタル信号プロセッサ9は
、ディジタル・オーディオ及びMIDIで合成された音楽を出力しそしてこれの
出力をオーディオ出力装置5に結合するために使用される。オーディオ出力装置
5は、単一のオーディオ・スピーカでもよく、又はステレオ・ミュージック・フ
ァイルの場合には一対のスピーカでもよい。 【0032】 本発明を更によく理解するために、現存する(若しくは現存しない)楽器のサ
ウンドを発生するために今日ミュージック・シンセサイザの分野で利用されそし
てサンプリング合成と呼ばれている技術について図2を参照して説明する。サン
プラーとは、オシレータやジェネレータを使用せずに、あらかじめ記憶させた現
実音を音源として使用する。図2に示されているのは、このような楽器の機能ブ
ロック図である。最も簡単な場合には、現存する或る楽器の音がテープに録音さ
れ、言い換えると、単一の音色が楽器から入力され、そしてサンプル・データ1
0として示されるように、この音色が次いでディジタル化されてディジタル・メ
モリに記憶される。サンプラー装置によるこのサウンドの再生は、オリジナル・
テープの再生するのと同様にして行われる。多くの楽器のサウンドは可変の長さ
の期間を有する。例えば、クラリネットは、演奏者がマウスピースに息を吹き込 む続ける限りその音を継続する。これは、打たれた後かなり一定な時期に音が停
止するドラムに比べて対照的である。サンプラーは、ルーピングとして知られて
いる技術を用いて種々な長さの音色を発生させる。ディジタル波形のある部分が
反復的に再生され、かくして連続データの印象を与える。サウンドを改善するた
めに種々な機能がアナログ回路若しくはディジタル・ドメインにおいて使用され
る。例えば、サンプル・データ出力24に作用して、このサンプルから再生され
つつあるサウンドに対して所望のビブラートを与える出力信号26を生じる低周
波発信器14を設けることが出来る。補間発信器(interpolating
oscillator)12はサンプル・データ出力24及びビブラート・デ
ータ26を受け取り、所望の平均ピッチのビブラート変調されたオーディオ信号
を発生する。 【0033】 サンプラーにおいて一般に使用される再生中のサンプル・データを改良する他
の技法は、フィルタである。フィルタは、ディジタル化された波形の総合的な質
を変えるために利用される。これは、楽器が種々な音量で演奏されるときに生じ
るサウンドの変化を与える。一般に、楽器は大きな音量で演奏されるときには冴
えたサウンドを生じる。従って、フィルタは、小さな音量で演奏されるときに波
形から冴えた感じをいくらか取り除く。図2に示す代表的なサンプラーのブロッ
ク・ダイアグラムにおいて、補間発信器(interpolating osc
illator)12の出力28に働いてフィルタ出力32を生じるフィルタ1
6が設けられている。 【0034】 このようなサンプラーに対して要求される他の機能は、最終出力36の振幅を
制御することである。このことは、フィルタ16の出力32を受け取る増幅器2
0により行われ、これにより増幅器20は、フィルタ出力32に作用して所望に
出力36を発生する。このようなフィルタ16及び増幅器20の動作を電圧制御
により制御することが従来行われており、従ってADSR発生器18および22
が設けられそしてこれらの出力30及び34がフィルタ16及び増幅器20にそ
れぞれ与えられる。このようなADSR発生器は、アタック(attack:楽 器音の立ち上がりを表現する言葉)、ディケイ(decay)、サステイン(s
ustain)及びリリース(release:楽音などで、音の余韻の部分を
意味する言葉。鍵盤楽器では、キーから指を離しても音が残ることを指す)発生
器として知られているものであり、これは、この様なアタック・タイム、ディケ
イ・タイム、サステイン・レベル及びリリース・タイムを順番に含むエンベロー
プを生じ、そしてこれらは電圧値であり、そしてその振幅がフィルタ動作及び増
幅動作を調整する。このADSR方式では、エンベロープの要素を、A=アタッ
ク・タイム(音が出始めて最大音量に達するまでの時間)、D=ディケイ・タイ
ム(最大音量から持続音量まで減衰しつつ到達する時間),S=サステイン・レ
ベル(持続音のレベル。鍵盤を押している間は、この音量が持続する)及びR=
リリース・タイム(指を鍵盤から離した後、音が減衰しつつ消えるまでの時間)
の4つに分け、それぞれを独立して設定する。 【0035】 上述のサンプル技法の欠点は、これが各ディジタル化されたサウンドを記憶す
るために多量のメモリ10を必要とすることであり、そしてたとえこの様なメモ
リを減少する試みがなされたとしても、或る持続されたサウンドを得るためには
、同じデータをこの所望のサウンドの継続時間全体に亘って、何回も繰り返し読
み出してサウンドに変換しなければならない。パーソナル・コンピュータにDS
Pを取り付けて実現したシンセサイザにおいては、所定の量のメモリ10を楽器
のディジタル波形例えばサンプルの記憶に当てることが保証できなくなる。それ
にも係わらず、前述の一般的なMIDIモード標準は、175の楽器の基本セッ
ト及び特殊な効果音を利用可能にすることを要求する。175の全てのサウンド
に対するサンプルをメモリ10が保持できないならば、問題を生じる。 【0036】 図3を参照すると、本発明の理解を助けるために、従来の他のサウンド発生方
法が示されている。図3は、減算合成シンセサイザ(subtractive
synthesizer)として知られるシンセサイザの簡略化されたブロック
・ダイアグラムである。この様な減算合成は、1970年代の中間に広く用いら
れそして例えばMoogシンセサイザとして知られた。この型のシンセサイザは
、 例えば発信器出力52のような連続した固定周期の周期的波形を発生する発信器
40を利用する。図2のサンプリング合成の場合には、前述と同様な理由で低周
波発振器42が設けられており、これの出力54は、ビブラートを含む出力52
を生じるように発信器40を変調する。又図2に示したサンプリング合成と似て
いる点は、フィルタ44が設けられていて、ADSR発生器46の出力58に応
答して発信器出力52のハーモニック・センターを修正する。ADSR発生器4
6により修正されたハーモニック・センターを有する発信器52の出力を含むフ
ィルタの出力56は、図2のシンセサイザのように電圧制御される増幅器48に
送られ、これにより信号のエンベロープは第2ADSR発生器50の動作により
整形される。これの出力62は、増幅器48による増幅の量を制御して出力60
を発生させる。 【0037】 本発明の理解のために、波形テーブル合成として知られている第3のサウンド
発生方式について説明する。図2の減算合成の変形である波形テーブル合成は、
図4の機能的ブロック・ダイアグラムに示されている。この方のシンセサイザは
、図3のシンセサイザと非常によく似たものとして認められている。更に具体的
に述べると、低周波発信器74からのビブラート出力86に応答して、サウンド
・データ84に作用する補間発信器72が設けられており、この結果変調された
出力88がフィルタ76に送られる。代表例では、このフィルタ76はADSR
78からの制御信号92に応答して発信器出力88に作用し、そして結果的なフ
ィルタ出力90が電圧制御型増幅器80に送られる。前述のシンセサイザ技術と
同様に、第2ADSR82が設けられ、これの電圧制御信号出力96は、増幅器
80の増幅量を制御し、かくして出力94を生じる。図3及び図4の技術を比較
すると、この様な減算合成及び波形テーブル合成の間に相違があることが判る。
図4の波形テーブル合成の場合には、図3の減算合成の発信器40により連続的
な固定の周期的波形が発生されるのではなく、この連続的な固定の周期的波形は
、ルック・アップ・波形テーブル70から発生され、そしてこれの出力84はこ
の分野で周知な方法で、所望の固定の周期的な波形を発生する。 【0038】 図5は、前述のいくかの型のミュージック合成を単一のサウンド発生システム
内で行うことが出来る本発明の方法及びシステムを示す。既に述べたように、こ
れは、利用可能なサンプル・メモリの量に係わりなく、楽器のサウンドのフル・
アレイを使用することを可能にする。 【0039】 更に、本発明は、この様なメモリを要求するサンプラを用いる場合の上述の問
題に対する解決策を実現し、ここで、本発明のシステム及び方法は、サンプル・
データが利用できる場合はこのサンプル・データを利用し、そしてメモリ容量が
不十分でサンプル・データを詰め込めないためにこのサンプル・データを入手で
きない場合でも、楽器のサウンドを合成できるシンセサイザを実現する。言い換
えると、本発明の一つの実施例では、図2に示すサンプリング合成が図3の減算
合成更に言うと図4の波形テーブル合成と有機的に結合されて図5の構成を生じ
る。減算合成は波形テーブル合成において改善されることに注目されたい。後述
するように、楽器のサウンドが合成される時、もしもこれのサンプル・データが
存在するならば、このサンプル・データが利用される。しかしながら、これの代
わりに波形テーブル・パラメータが利用されてサウンドが発生される。 【0040】 図5を更に詳細に参照すると、本発明の動的即ちダイナミック・シンセサイザ
が機能的なブロック・ダイアグラムで示されている。これは図1に示すシステム
によりそして更に図9に詳細に示すシステムにより具体化されることが出来る。
図5のシステムは、前述のシステムに類似する点が幾つかある。特に、図2のサ
ンブリング合成の場合のように、補間発信器106、低周波発信器108、フィ
ルタ110、増幅器114、並びにADSR発生器112及び116が図2で述
べたと同じ理由にもとづいて設けられている。これらの機能ブロックはそれぞれ
出力126−136を有する。同様に、サンプル・データのための記憶装置即ち
メモリ100が設けられており、そして波形データ即ちパラメータのための複数
個の記憶装置102及び104等が設けられている。概念的に述べると、もしも
電子的若しくはディジタル型の高速スイッチが設けられると、サウンドは、サン
プル・データ記憶装置100からのサンプル・データ若しくは波形データ記憶装 置102、104等からの波形パラメータにより発生されることが出来、これに
よりサウンドはサンプル・データ若しくは波形データに基づいて発生されること
が出来る。スイッチ125として概念的に示されているこの様な切り替え機能が
、図5のダイナミック・シンセサイザに設けられており、このスイッチの出力1
24は、サンプル・データ若しくは波形データを、サウンドへ変換するために補
間発信器106へ択一的に送る。多極のこのスイッチはソフトウエアにより回転
されて、サンプル・データ記憶装置100若しくは波形データ記憶装置102、
104のそれぞれからの線118、120、122等上のサンプル・データ若し
くは波形データを選択的に検索する。図5に示されている本発明のダイナミック
・シンセサイザのブロック図は、機能的で且つ概念的なものであることに注目さ
れたい。例えばスイッチ125は、システム1が、コード化された波形データ1
02及び104のいずれかのアドレス、若しくはサンプル・データを含むメモリ
の大きな部分のアドレス(このサンプル・データが詰め込まれたときにシステム
・メモリから割り当てられたアドレス)を択一的に与えることを概略的に表す。 【0041】 図6を参照すると、ダイナミック合成を行う本発明のシステムの更に詳細な機
能ブロック・ダイアグラムが示されている。MIDIBLK192、194及び
196は、現時点で選択されているプログラム変更番号、ピッチ・ベンド(pi
tch bend)及びボリュームを含むMIDIチャネルのステータスに関す
る情報を保持するために使用される。特定なMIDIチャネルに対するノート・
オンMIDIエベント190が受け取られると、このMIDIチャネル222に
対するMIDIBLK192、194若しくは196からのプログラム変更番号
が、コマンド220でプログラム198乃至202を選択する。MIDIチャネ
ル10に場合には、ノート・オン・キー番号190は、ドラム(DRUMKIT
)ブロック204乃至206を直接選択するのに使用される。ノート・オン・キ
ー番号が特定なドラム・サウンドを指定するようにして、MIDIチャネル10
がこのドラム・キットに対して使用されることが明かであろう。各プログラム・
ブロック198乃至206は、図7に示すように、シンセサイザを制御するのに
必要な全てのシンセサイザ・パラメータを含む。更に、これはサンプル・テーブ
ル 208へのインデックス即ちポインタ224を含む。サンプル・テーブル208
は、システムに詰め込まれたサンプル・データ214及び218の各セットのそ
れぞれに対する波形ブロック(WAVEFORMBLK)212、216へのポ
インタ226及び228を含む。波形ブロック212及び216は、波形若しく
はサンプル214及び218についての情報、例えばロケーション、長さ、ルー
プ・ポイント及びループ・タイプ等を含む。最初、このシステムは、ボイス・デ
ータ198ー206を含むことが出来、これらは簡単なあらかじめ規定された波
形212ー218のみを利用し、最小のシステム・メモリ210しか必要としな
い。ユーザが追加のサンプルをシステムに詰め込むと、追加のエントリィがサン
プル・テーブル208に形成され、そして新たな波形ブロック212及び216
を指し示し、そしてこれはこのサンプル・データがコピーされる動的に割り当て
られたメモリ部分214及び218を230及び232により指し示す。更に、
この新たに詰め込まれたサンプル・データに関連するプログラム198ー206
が、この新たに生成されたサンプル・テーブル・エントリィ208を指し示す(
224による)ように更新される。 【0042】 図7を参照すると、図6において参照された制御情報をサウンドに変換するの
に使用されるシンセサイザ・エンジンを示す機能的なブロック・ダイアグラムが
示されている。このエンジンは図2、3及び4に示された共通的なシンセサイザ
の構成要素を利用し、そして図6の下側の6つのブロックを実現する。本発明の
良好な実施例では、図6は、図1のプロセッサ2における実行のためにホスト・
システム・プログラミングを使用して具現化され、一方図7に示す構成要素は図
1のDSP9に導入されている。図7に示す構成要素はどれも、サンプリング合
成若しくは波形テーブル合成を行うのに何の変更をも必要としないことに注目さ
れたい。制御動作は図6に示す論理回路により厳格に行われ、かくして図7のD
SP構成要素の再構成は必要でない。更に、図7では、ADSR240及び24
2並びに低周波発振器(LFO)244により発生される信号258、260及
び261が、オーディオ処理ブロック246、248及び252のそれぞれに制
御されて送られる。 【0043】 レート(rate:LFOの周波数を表す)信号254及び利得信号256が
、低周波発振器(LFO)244の周波数及び利得を制御するために利用されう
る。ADSRの出力260は又これらのレート及び利得信号を調整するために利
用されることが出来、そしてこれは、ADSR242の出力260により制御さ
れる減衰器262及び264により示されている。更に、発振器246及び24
8の中心周波数Fo294及び300の正確な値は、制御信号258、260及
び261の大きさにより制御されることが出来る。従って、このことは減衰器2
66ー274を設けることにより機能的に示されており、上述のように、ADS
R240及び242並びに低周波発振器244により各発振器246及び248
の中心周波数294及び300を可変的に制御する。同様に、フィルタ250の
Q(302)及びDCA252の利得(304)が、ADSR240及び242
若しくはLFO244からのパラメータの大きさにより制御されることが出来る
。かくして、ADSR若しくはLFOにより制御される可変減衰器276ー28
4が図7に概念的に示され、そしてこれら可変的なQ信号302若しくは利得信
号304を与えて、フィルタ250若しくはDCA252のQ若しくは利得を制
御する。発振器246及びフィルタ250の間の接続296並びにフィルタ25
0及びDCA252の間の接続298が示されており、これらは、発振器の出力
296がフィルタ250により所望のようにフィルタされ、そしてフィルタの出
力298の振幅が、制御可能型の増幅器252により変調されることを示す。 【0044】 図8を参照すると。前述の本発明の目的を達成するために、図1及び図9のシ
ステムを制御する所望のソフトウエア・システムの動作を示す簡略化されたブロ
ック・ダイアグラムである。更に具体的に述べると、このソフトウエアは、以下
に述べるように図1のプロセッサ2を用いて実行される。ブロック310におい
て示されるように、ノート・オン(note on)信号がキーボード4により
発生されるときにプロセッサ2はこれをノート・オン・メッセージ320として
検出する。次いで、ブロック312において、プロセッサ2は、このノート・オ
ン情報320から、この所望のノートに対応するサンプル・データがこのプロセ ッサ2のメモリ内に存在するか否かを調べる。出力328により示すようにこの
様なサンプル・データが存在すると、ブロック318において、プロセッサ2は
、所望のサンプル・データ100(図5)及び関連するパラメータを取り出し、
そして処理動作は線326により示すようにブロック316に進み、ここでシス
テム1がブロック318で取り出したサンプル・データ及びパラメータに基づき
所望のサウンドの発生を開始する。 【0045】 ここで再びブロック312に戻ると、もしもプロセッサ2がソフトウエアの制
御の基に、ブロック310からのノート・オン情報により規定される適切なサン
プル・データ100がサンプル・データ記憶装置内に存在しないことを見いだす
と、処理動作は線322に沿ってブロック314に進み、ここでプロセッサ2は
、ブロック310において発生されたこの特定なノート・オン・メッセージに対
応する適切な波形データ及びパラメータを図5の対応する波形データ記憶装置1
02、104等から選択して取り出す。線324により示されるように動作はブ
ロック316に進み、ブロック318からのデータに基づくサウンドの発生と同
様にしてサウンドが発生される。ブロック314からのデータに基づくこの例の
場合には、サウンドの発生は波形ルック・アップ・テーブル及び図4の波形テー
ブル・シンセサイザ技術により行われ、一方、ブロック318において適切な音
響的なディジタル化されたサンプルが存在することが判明すると、ブロック31
6において、図1及び9のシステムが図2に関して述べたサンプリング合成技術
でサウンドを合成する。 【0046】 図9を参照すると、本発明の方法及び装置を実施するのに使用されるディジタ
ル信号プロセッサ(DSP)154を含むオーディオ・アダプタのブロック図が
示されている。上述のように、このオーディオ・アダプタは、商業的に入手でき
るIBMオーディオ・キャプチャー・プレイバック・アダプタ(ACPA)を利
用して実現されることが出来る。ディジタル信号プロセッサ154として、Te
xas Instruments社のTMS320c25を使用することが出来
る。 【0047】 図9のI/Oバス(即ち入出力バス)140は、このオーディオ・サブシステ
ムとP/S2若しくは他のパーソナル・コンピュータとの間の通信を行わせるマ
イクロ・チャネル若しくはPCのI/Oバスである。I/Oバスを用いて、ホス
ト・コンピュータはこのオーディオ・サブシステムに情報を与え、そしてオーデ
ィオ・サブシステムは、ホスト・コマンド・レジスタ144、ホスト・ステータ
ス・レジスタ146、アドレス・ハイ・バイト・カウンタ142、アドレス・ロ
ウ・バイト・カウンタ158、データ・ハイ・バイト双方向ラッチ148及びデ
ータ・ロウ・バイト双方向ラッチ150を使用する。 【0048】 ホスト・コマンド・レジスタ及びホスト・ステータス・レジスタは、コマンド
を与えそしてこのオーディオ・サブシステムのステータスをモニターするために
ホストにより使用される。アドレス及びデータ・ラッチは、オーディオ・サブシ
ステム内の8Kx16ビットの高速静的RAMである共用メモリ152をアクセ
スするためにホストにより使用される。共用メモリ152は、ホスト(パーソナ
ル・コンピュータ若しくはPS/2)とディジタル信号プロセッサ(DSP)1
54との間を連絡する手段である。このメモリは共用される。即ちホスト・コン
ピュータ及びDSP154の両方がこれをアクセスすることが出来る。 【0049】 制御論理回路166の一部分であるメモリ・アービタは、ホスト及びDSP1
54がメモリを同時にアクセスすることを防ぐ。共用メモリ152は、情報の一
部がDSP154を制御するロジックとなるように分割されることが出来る。D
SP154は、コマンドを与えそしてこのオーディオ・サブシステムの他の部分
のステータスをモニターするためのこれ自身の制御及びステータス・レジスタ1
56を有する。 【0050】 このオーディオ・サブシステムは、RAMであるサンプル・メモリ162を含
む。サンプル・メモリ162は、2Kx16ビットの静的RAMであり、そして
DSPは、再生されるために出ていくサンプル信号及びホスト・コンピュータへ の転送のために入ってくるサンプル信号を記憶するためにこのメモリを使用する
。 【0051】 ディジタル・ツゥ・アナログ変換器(ADC)168及びアナログ・ツゥ・デ
ィジタル変換器(ADC)170は、ホスト・コンピュータ及びオーディオ・サ
ブシステムのディジタルの世界とサウンドのアナログの世界との間のインターフ
ェイスである。DAC168は、サンプル・メモリ162からディジタル・サン
プルを得て、これらのサンプルをアナログ信号に変換し、そしてこれらの信号を
アナログ・パス181Aを介してアナログ出力セクション172へ送る。アナロ
グ・セクション172は、この信号をスピーカ190若しくはヘッドフォンへ接
続される出力コネクタ188へ送る。DAC168は、両出力へ連続的出力を与
えるためにマルチプレックスされる。 【0052】 ADC170は、DAC168と逆の動作をする。ADC170は、マイクロ
フォン、ステレオプレーヤ、ミキサー等の入力コネクタ184、186から受け
取られるアナログ信号を、アナログ入力セクション174及び線181Bを介し
て受け取り、これらのアナログ信号をディジタル・サンプルに変換し、そしてこ
れらをサンプル・メモリ162に記憶する。制御論理回路166は、他のタスク
の間に、DSPインターラプト・リクエストの後にインターラプトをホスト・コ
ンピュータへ出し、入力選択スイッチを制御し、そして種々なラッチ並びにサン
プル及び共用メモリに読み取り、書き込み及びイネーブル・ストローブを送る。 【0053】 このオーディオ・サブシステムの概要を把握するために、アナログ信号が如何
にサンプルされそして記憶されるかを説明する。ホスト・コンピュータはI/O
バスを介してDSP154に、このオーディオ・アダプタがアナログ信号をディ
ジタル化すべきことを知らせる。DSP154は、これの制御レジスタ156を
使用してADC170をイネーブルする。ADC170は、入来する信号をディ
ジタル化してそしてこのサンプルをサンプル・メモリ162に記憶する。DSP
154はサンプル・メモリ162からサンプルを取り出しそしてこれを共用メモ
リ152に送る。次いで、DSP154は、I/Oバス140を介してホスト・ コンピュータに、ディジタル・サンプルの用意が出来てホストがこれを読みとれ
ることを知らせる。ホストはI/Oバス140を介してこれらのサンプルを受け
取りそしてこれをホスト・コンピュータのRAM若しくは磁気記録ディスクに記
憶する。 【0054】 これらの舞台裏で多くの事柄が生じる。制御論理回路166は、ホスト・コン
ピュータ及びDSP154が共用メモリ152を同時にアクセスすることを防止
する。制御論理回路166は又、ホスト・コンピュータ及びDSP154が共用
メモリ152を同時にアクセスすることを防止する。制御論理回路166は又、
DSP154及びDAC168がサンプル・メモリ162を同時にアクセスする
ことを防止し、アナログ信号のサンプリングを制御し、そして他の機能を行う。
上述の事柄は、連続的動作である。ホスト・コンピュータが共用メモリ152か
らディジタル・サンプルを読み出している間に、ADC170は新たなデータを
サンプル・メモリ162に入力し、そしてDSP154は、サンプル・メモリ1
62から共用メモリ152へデータを転送する。 【0055】 ディジタル化されたオーディオ・データの再生は、大体同じようにして行われ
る。ホスト・コンピュータはDSP154に、オーディオ・サブシステムがディ
ジタル化されたデータを再生すべきであることを通知する。本発明においては、
ホスト・コンピュータはDSP154を制御するコード及びディジタル・オーデ
ィオ・サンプルをこれのメモリ若しくはディスクから読み出し、そしてこれらを
I/Oバス140を介して共用メモリ152に送る。これらのコードの制御の基
に、DSP154は、サンプルを得て、これらのサンプルをコードの制御の基に
対数値を表す整数値の変換し、そしてこれらをサンプル・メモリ162に記憶す
る。次いで、DSP154は、DAC140を付勢し、そしてこれはディジタル
・サンプルをオーディオ信号に変換する。オーディオ再生回路はオーディオ信号
を付勢してそしてこれを出力コネクタに送る。この再生も又連続的動作である。 【0056】 連続的な記録及び再生の間、DAC168及びADC170が動作し、DSP 154はサンプル及び共用メモリの間でサンプルを両方向に転送し、そしてホス
ト・コンピュータはI/Oバス140を介してサンプルを両方向に転送する。か
くして、オーディオ・サブシステムは、異なるサウンドを同時に再生しそして記
録することが出来る。ホスト・コンピュータがサンプル。メモリ162を直接的
にアクセスできず、DSP154を介してディジタル・データを得る理由は、D
SP154が、データをサンプルメモリ162に記憶する前にこのデータを処理
するからである。DSPの処理の一つの態様は、サウンド情報のリニアな整数表
現を、本当のアナログ・サウンド信号に変換するDAC168へ入力するための
サウンド情報の対数の整数表現に変換することである。 【0057】 図9においては、アナログ・パス181、データ・バス176、アドレス・バ
ス178、制御バス180及びアナログ・パス181A、181B、184ー1
90は、これらの区別を明確にするために異なる線により示されている。又標準
的なアービトレイション論理回路が、アドレス・バス及びデータ・バス上の情報
を従来のようにアービトレーションするために設けられている。制御論理回路1
66は、プロセッサ2及びDSP9がメモリを同時にアクセスしてメモリのデッ
ド・ロック等が生じるのを防ぐために論理回路160及び164を使用する。 【0058】 【発明の効果】 本発明によると、制限されたメモリ容量を有するコンピュータ化されたシステ
ムにより、質が改善されたサウンドを発生することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の方法及び装置を実現するのに使用されうるコンピュータ・システムの
ブロック図である。 【図2】 サンプリング合成を行う従来のシステムのブロック図である。 【図3】 減算合成を行う従来のシステムのブロック図である。 【図4】 波形合成を行う従来のシステムのブロック図である。 【図5】 本発明に従う動的な合成を行うシステム及び方法を示すブロック図である。 【図6】 ボイス・パラメータ及び波形若しくはサンプルの選択を行うMIDIエベント
の変換において使用される制御構造のブロック図である。 【図7】 ADSR及びLFOが、発振器、フィルタ、及びディジタル的に制御される増
幅器の間で如何に共通的に使用されるかを示すブロック図である。 【図8】 本発明の方法及び装置の処理ステップを示すフローチャートである。 【図9】 本発明の方法及び装置を具現化するのに使用される図1のコンピュータ・シス
テムの内、ディジタル信号プロセッサ並びにディジタル・ツゥ・オーディオ及び
オーディオ・ツゥ・ディジタル変換器を含むオーディオ・アダプタのブロック図
である。 【符号の説明】 1・・・・コンピュータ・システム 2・・・・プロセッサ 3・・・・表示装置 4・・・・キーボード 5・・・・スピーカ 6・・・・MIDIファイル 7・・・・ディジタル・オーディオ・ファイル 8・・・・インターフェイス・ドライバ回路 9・・・・DSP 100・・サンプル・データ記憶装置 102、104・・波形データ記憶装置 106・・補間発振器 108・・低周波発振器 110・・フイルタ 112、116・・ADSR 114・・増幅器
ブロック図である。 【図2】 サンプリング合成を行う従来のシステムのブロック図である。 【図3】 減算合成を行う従来のシステムのブロック図である。 【図4】 波形合成を行う従来のシステムのブロック図である。 【図5】 本発明に従う動的な合成を行うシステム及び方法を示すブロック図である。 【図6】 ボイス・パラメータ及び波形若しくはサンプルの選択を行うMIDIエベント
の変換において使用される制御構造のブロック図である。 【図7】 ADSR及びLFOが、発振器、フィルタ、及びディジタル的に制御される増
幅器の間で如何に共通的に使用されるかを示すブロック図である。 【図8】 本発明の方法及び装置の処理ステップを示すフローチャートである。 【図9】 本発明の方法及び装置を具現化するのに使用される図1のコンピュータ・シス
テムの内、ディジタル信号プロセッサ並びにディジタル・ツゥ・オーディオ及び
オーディオ・ツゥ・ディジタル変換器を含むオーディオ・アダプタのブロック図
である。 【符号の説明】 1・・・・コンピュータ・システム 2・・・・プロセッサ 3・・・・表示装置 4・・・・キーボード 5・・・・スピーカ 6・・・・MIDIファイル 7・・・・ディジタル・オーディオ・ファイル 8・・・・インターフェイス・ドライバ回路 9・・・・DSP 100・・サンプル・データ記憶装置 102、104・・波形データ記憶装置 106・・補間発振器 108・・低周波発振器 110・・フイルタ 112、116・・ADSR 114・・増幅器
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 オーディオ信号をサンプリング合成モード及び波形テーブル合成モードのうち
いずれか一方のモードで発生するオーディオ信号発生方法において、 上記サンプリング合成モードで使用する音響サンプル・データ及び上記波形テ
ーブル合成モードで使用する波形テーブル・データのうちいずれか一方のデータ
を記憶手段に記憶し、 上記オーディオ信号の発生に関連するパラメータを規定するデータ・ストリー
ムを発生し、 該データ・ストリームに応答して上記記憶手段を調べ、上記音響サンプル・デ
ータのみが記憶されていることを検出して該音響サンプル・データを用いて上記
サンプリング合成モードで上記オーディオ信号を発生し、上記波形テーブル・デ
ータのみが記憶されていることを検出して該波形テーブル・データを用いて上記
波形テーブル合成モードで上記オーディオ信号を発生することを特徴とするオー
ディオ信号発生方法。 【請求項2】 上記データ・ストリームはMIDIデータ・ストリームであることを特徴とす
る請求項1に記載のオーディオ信号発生方法。 【請求項3】 オーディオ信号をサンプリング合成モード及び波形テーブル合成モードのうち
いずれか一方のモードで発生するオーディオ信号発生装置において、 上記サンプリング合成モードで使用する音響サンプル・データ及び上記波形テ
ーブル合成モードで使用する波形テーブル・データのうちいずれか一方のデータ
・セットを記憶する記憶手段と、 上記オーディオ信号の発生に関連するパラメータを規定するデータ・ストリー ムを発生する手段と、 該データ・ストリームに応答して上記記憶手段を調べ、上記音響サンプル・デ
ータのみが記憶されていることを検出して該音響サンプル・データを用いて上記
サンプリング合成モードで上記オーディオ信号を発生し、上記波形テーブル・デ
ータのみが記憶されていることを検出して該波形テーブル・データを用いて上記
波形テーブル合成モードで上記オーディオ信号を発生する手段とを備えるオーデ
ィオ信号発生装置。 【請求項4】 上記データ・ストリームはMIDIデータ・ストリームであることを特徴とす
る請求項3に記載のオーディオ信号発生装置。
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