JP2583772B2 - ホログラムカード - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はグレジットカード、バンクカード、キャッシ
ュディスペンサーカード、テレフォンカード等に使用可
能なホログラムカードに関し、さらに詳しくは、カード
上の記録媒体に記録されているホログラム情報を、光学
的手法により装置で用意に読み取ることができるホログ
ラムカードに関する。

〔従来の技術〕

従来、上記のカード等は、その偽造、盗用等を防止す
るために複雑な絵柄の印刷、磁気媒体による情報の記録
が行われている。

さらに、最近では回折格子やホログラムを、ガード上
又はカード内部に偽造、盗用等を防止手段として設けて
なるカードも実用化されるようになっている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ホログラムは高密度の情報記録ができるものである。
従って、これを偽造防止手段として用いたホログラムカ
ードは、そのホログラムによって記録された情報を機械
的に読み取ることができるならば、より、偽造や盗用防
止性の目的に対し有効な手段となる。また、このような
ホログラムカードは、その情報の読み取りが簡単な装置
で行え、かつ誤りの少ないものであることも、実用面で
は重要である。

しかしながら、現在使用されているホログラムカード
には、三次元ディスプレー的なホログラムしか用いられ
ていないのが実情である。

これらのカードは、ホログラムの像情報を目視によっ
て確認することで、カードの真偽を判別することはでき
るが、機械よってカードの真偽を判別することはできな
いので、信頼性が欠けるという問題がある。

又、回折格子を用いて、それを照明した時の回折光の
方向を検出し、機械的な判別を行なえるカードの例もあ
るが、回折格子では、記録可能なデータ量も小さく、簡
単なデータしか記録できないという問題がある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題を解決すべく種々研究の結果、ホログラムに
記録する情報は、機械的に簡単に読み取り可能とするた
めに２値化したデータのパターンとし、さらに、簡単な
装置でも誤りを少なく読めるように、各データのビット
に対応する周期を取るためのクロックパターンを前記デ
ータのパターンに隣接して設け、これら全体を明暗パタ
ーンに変換したものを単一のフレネルホログラムとして
記録媒体に記録し、この記録媒体をカードに付与するこ
とによって、ホログラムカードを作製すれば、上記の問
題を解決しうることを見出して本説明を完成したもので
ある。

すなわち、本願発明は、２値化された情報データであ
るデータパターンの集合であるデータパターン列と、前
記データパターンの周期を取るために前記データパター
ン対して１対１で存在するクロックパターンの集合であ
るクロックパターン列とを、平行かつ隣り合って結像再
生する単一のフレネルホログラムが、カード基材上に形
成されていることを特徴とするホログラムカードを要旨
とするものである。

〔作用〕

第４図に示すように、本発明のホログラムカード１に
形成される記録媒体３は、単色光４で照射された場合に
データパターン列11とクロクックパターン列21とからな
る情報パターンを空間に結像再生することができるフレ
ネルホログラムとして記録されているので、情報の読み
出しは単色光４を記録媒体３に照射し、再生された像の
パターン面を２つのフォトディテクタ６で走査すことに
より行うことができる。

〔実施例〕

以下に、本発明の一実施例について図面を用いて詳細
に説明する。

第１図は本発明のホログラムカード１の斜視図であ
り、カード基材２上にデータパターン列とクロックパタ
ーン列とからなる情報パターンがフレネルホログラムと
して記録されている記録媒体３が設けられている。記録
媒体３を設ける位置は特に限定されず、カードの表裏に
設けることもできる。また、記録媒体３の大きさはカー
ドに設けられている他の記録手段、例えば磁気テープ、
ICチップ等の機能を妨げない大きさであれば任意であ
る。

第２図はこの記録媒体３の部分断面を示すものであ
り、この記録媒体３はカード基材２と接着する接着材層
31上に金属薄膜からなる反射層32および樹脂からなり下
面にレリーフ面、すなわちフレネルホログラムの干渉縞
が凹凸形状で形成されているホログラム形成層33とから
構成されている。尚、図示はされていないが、ホログラ
ム形成層33上には、必要に応じて樹脂からなる保護層を
設けることができる。

このような記録媒体３は以下の方法により作成するこ
とができる。

まず、第３図に示すような、記録すべき情報、例えば
カードの有効期限、暗証番号、カード偽造チェック記号
等の情報が、２値化されてなるビットで構成されるデー
タパターン列10と、このデータパターン列10に隣接して
形成された、データビットの周期を取るためのとクロッ
クパターン列20とからなる情報パターン30をフレネルホ
ログラムとして感光材料に記録する。尚、図ではデータ
パターン列10とクロックパターン列20とが接している
が、データビットの周期を取るための妨げとならない程
度に、両者の間に隙間があってもかまわない。また、そ
の形状は特に限定されず、図示の長方形に限ることはな
い。

このパターン30をフレネルホログラムとして記録する
方法は、従来既知の方法により行うことができる。本発
明においては、記録に際して用いられる被写体として、
データパターン列とクロックパターン列とが、明暗のパ
ターンとして表されている銀塩フィルム等の透過原稿を
用い、さらに感光材料としてはフォトレジストを用い
て、このフォトレジスト上に前記明暗のパターンの干渉
縞が凹凸形状で記録されたレリーフ型のフレネルホログ
ラムとして記録する。

次に、このフォトレジストに記録された干渉縞の凹凸
形状面にニッケルメッキを行い、このメッキ膜を剥がし
て干渉縞の凹凸形状が表面に形成された金属板を作成
し、この金属板をエンボス版として用いて、エンボス複
製法により複数の記録媒体３が形成されたホログラム転
写箔を作成する。この方法により作成された記録媒体は
非常に薄い膜として形成されるので、カード基材に設け
るのに適したものとなる。このエンボス複製法は、本出
願人による特開昭60−254175号公報記載の方法を用いる
ことができる。

上記のようにして作成された転写箔を用いてホットス
タンプ法等により、記録媒体３をカード基材２上に転写
して本発明のホログラムカード１を得ることができる。

カード基材２としては、一般のカードをそのものを用
いることができ、例えば、クレジットカード、バンクカ
ード、IDカード、テレホンカード、オレンジカード等、
カードを構成する材質を選ぶことなく用いることができ
る。

第４図は、上記のようにして得られた本発明のホログ
ラムカードのデータの読み取り方法を概略的に示した図
である。

まず、ホログラムカード１の記録媒体３をレーザー光
等の単色光４で照射して、記録媒体３に記録されている
データパターン列11とクロックパターン列21の再生像を
所定の位置に再生させる。

次に、それぞれの再生されたパターンの配列線上にフ
ォトディテクタ５設置し、このフォトディテクタ５を、
再生されたパターンの配列に沿って走査する。その結
果、フォトディテクタ５を通して第５図に示すようなデ
ータ信号12とクロック信号22を光強度の強弱として得、
それを０、１、の信号としてとらえることができる。ま
た、フォトディテクタ５を走査するかわりに、カード１
自体をパターンの配列と平行方向に移動することによっ
てもフォトディテクタ５を通して上述したと同様な信号
を得ることができる。

得られたデータ信号の処理は、クロック信号22を基に
して行うことができるので、フォトディテクタ５の走査
速度あるいはカード１の移動速度と無関係に、すなわち
これらの速度にむらがあったとしても、誤りなくデータ
を読み取ることができる。

以上に述べたように、本発明のホログラムカードは、
データ信号とクロック信号とがフレネルホログラムとし
て記録された記録媒体をカードに付与してなるものであ
るから、クレジットカード、IDカード、バンクカード、
キャッシュカード等の身分証明を行うカードや、テレホ
ンカード、乗車券カード等のプリペイドカードとして使
用することができる。

〔発明の効果〕 本発明のホログラムカードは以下のような利点を有す
る。

ホログラムカードに形成された記録媒体には、情報が
フレネルホログラムとして記録されているので、記録の
冗長性が高く、キズ、汚れに対し、情報の保存性に優れ
ている。また、情報は通常の白色光では、その内容が読
み取れないため情報の機密性が高いものとなる。

情報は２値化されたビットとして記録されるので多量
の情報を記録することができ、かつ各ビットに対しクロ
ック信号を伴っているので、簡単な装置を用いて正確な
読み取りが可能となる。

ホログラムは複写等による偽造が困難であり、これを
カード上に設けることにより、カードの偽造に対し安全
性が増大する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のホログラムカードの一実施例を示す斜
視図、第２図は本発明に用いられる記録媒体の部分断面
図、第３図はホログラムとして記録される情報パターン
の平面図、第４図は本発明のホログラムカードの読み取
り方法を説明した説明図、第５図は第４図の方法により
検出された信号を表した図である。 １……ホログラムカード ２……カード基材 ３……記録媒体 ４……単色光 ５……フォトディテクタ 10……データパターン列 11……データパターン列の再生像 12……データ信号 20……クロックパターン列 21……クロックパターン列の再生像 22……クロック信号

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】２値化された情報データであるデータパタ
   ーンの集合であるデータパターン列と、前記データパタ
   ーンの周期を取るために前記データパターンに対して１
   対１で存在するクロックパターンの集合であるクロック
   パターン列とを、平行かつ隣り合って結像再生する単一
   のフレネルホログラムが、カード基材上に形成されてい
   ることを特徴とするホログラムカード。