JP2583557Y2 - 内燃機関のコネクティングロッド結合構造 - Google Patents
内燃機関のコネクティングロッド結合構造Info
- Publication number
- JP2583557Y2 JP2583557Y2 JP1991086483U JP8648391U JP2583557Y2 JP 2583557 Y2 JP2583557 Y2 JP 2583557Y2 JP 1991086483 U JP1991086483 U JP 1991086483U JP 8648391 U JP8648391 U JP 8648391U JP 2583557 Y2 JP2583557 Y2 JP 2583557Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- connecting rod
- piston pin
- insertion hole
- piston
- internal combustion
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- Expired - Lifetime
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- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、内燃機関において、コ
ネクティングロッドをピストンに結合する構造に関す
る。
ネクティングロッドをピストンに結合する構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、内燃機関、特に2気筒エンジ
ンにおいては、コネクティングロッドとピストンとの連
結部分(具体的にはコネクティングロッドの小端部とこ
の小端部に挿通されるピストンピンとの間)に転がり軸
受が装着されている。この転がり軸受としては、ピスト
ンピンを内輪とし、コネクティングロッドの小端部を外
輪とする内外軌道輪なしの針状ころ軸受(ケージアンド
ローラ)が採用されている。通常、針状ころと保持器は
いずれも金属材料で形成されており、針状ころは、SU
J2など、保持器はSCMなどの材料とされる。
ンにおいては、コネクティングロッドとピストンとの連
結部分(具体的にはコネクティングロッドの小端部とこ
の小端部に挿通されるピストンピンとの間)に転がり軸
受が装着されている。この転がり軸受としては、ピスト
ンピンを内輪とし、コネクティングロッドの小端部を外
輪とする内外軌道輪なしの針状ころ軸受(ケージアンド
ローラ)が採用されている。通常、針状ころと保持器は
いずれも金属材料で形成されており、針状ころは、SU
J2など、保持器はSCMなどの材料とされる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記小端部
に使用される針状ころ軸受は、高速回転で使用されるこ
と、燃焼室内の爆発に伴い高荷重が作用すること、高温
雰囲気にさらされること、さらにはクランク機構により
回転速度が加減変動されることなど厳しい条件下で使用
されるため、早期段階で針状ころに各種の損傷が発生
し、焼付き寿命が短くなる、という問題が発生してい
た。特に、小端部は大端部のような回転運動ではなく、
揺動運動であるために、針状ころにより、コネクティン
グロッドおよびピストンピンのころ端面対応部での段状
摩耗が激しく、寿命を短くしていた。
に使用される針状ころ軸受は、高速回転で使用されるこ
と、燃焼室内の爆発に伴い高荷重が作用すること、高温
雰囲気にさらされること、さらにはクランク機構により
回転速度が加減変動されることなど厳しい条件下で使用
されるため、早期段階で針状ころに各種の損傷が発生
し、焼付き寿命が短くなる、という問題が発生してい
た。特に、小端部は大端部のような回転運動ではなく、
揺動運動であるために、針状ころにより、コネクティン
グロッドおよびピストンピンのころ端面対応部での段状
摩耗が激しく、寿命を短くしていた。
【0004】また、エンジン出力と小端部の重量とは密
接な関係を有しており、エンジン出力向上のために小端
部の軽量化が重要な課題となっている。しかしながら、
針状ころ軸受は、通常、保持器と針状ころの両方が金属
製であって総重量が比較的重いため、小端部軽量化の妨
げとなっていた。そのうえ、針状ころ軸受は高速回転域
での回転バランスが不安定になりやすいことも指摘され
ていた。
接な関係を有しており、エンジン出力向上のために小端
部の軽量化が重要な課題となっている。しかしながら、
針状ころ軸受は、通常、保持器と針状ころの両方が金属
製であって総重量が比較的重いため、小端部軽量化の妨
げとなっていた。そのうえ、針状ころ軸受は高速回転域
での回転バランスが不安定になりやすいことも指摘され
ていた。
【0005】本考案はこのような事情に鑑みて創案され
たもので、コネクティングロッドの小端部側結合部の段
状摩耗防止と、小端部の軽量化が図れるコネクティング
ロッドの結合構造を提供することを目的としている。
たもので、コネクティングロッドの小端部側結合部の段
状摩耗防止と、小端部の軽量化が図れるコネクティング
ロッドの結合構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案はこのような課題
を達成するために、コネクティングロッドの小端部挿通
孔にピストンピンを挿通してコネクティングロッドをピ
ストンピン回りに揺動可能に取り付けた内燃機関のコネ
クティングロッド結合構造において、次のような構成を
とる。
を達成するために、コネクティングロッドの小端部挿通
孔にピストンピンを挿通してコネクティングロッドをピ
ストンピン回りに揺動可能に取り付けた内燃機関のコネ
クティングロッド結合構造において、次のような構成を
とる。
【0007】本考案の内燃機関のコネクティングロッド
結合構造は、前記ピストンピンを、その長手方向中央か
ら長手方向両端へ向けて漸次縮径するクラウニングが施
されたセラミックス丸棒体で形成し、前記コネクティン
グロッドのピストンピン挿通孔の内周面に、ピストンピ
ンが摺接する硬質膜を形成するとともに、前記ピストン
ピン挿通孔の両端開口部分の内周面にエッジクラウニン
グを形成したことに特徴を有する。
結合構造は、前記ピストンピンを、その長手方向中央か
ら長手方向両端へ向けて漸次縮径するクラウニングが施
されたセラミックス丸棒体で形成し、前記コネクティン
グロッドのピストンピン挿通孔の内周面に、ピストンピ
ンが摺接する硬質膜を形成するとともに、前記ピストン
ピン挿通孔の両端開口部分の内周面にエッジクラウニン
グを形成したことに特徴を有する。
【0008】
【作用】上記構成によれば、共に硬質な材質を備えたも
のどうしであるセラミックス製ピストンピンと挿通孔内
周面の硬質膜とが滑り軸受部として機能するようにな
る。そのため、これらによってコネクティングロッドは
支持され、転がり軸受を介装したのと同様に回動自在に
ピストンピンに結合されることになる。
のどうしであるセラミックス製ピストンピンと挿通孔内
周面の硬質膜とが滑り軸受部として機能するようにな
る。そのため、これらによってコネクティングロッドは
支持され、転がり軸受を介装したのと同様に回動自在に
ピストンピンに結合されることになる。
【0009】また、セラミックス製ピストンピンは高硬
度、耐熱性といった点で優れている。さらに、ピストン
ピンが摺接するコネクティングロッドの挿通孔内周面も
硬質膜を形成することによって高硬度化されている。そ
のため、両者の間で摩耗が発生しにくくなる。
度、耐熱性といった点で優れている。さらに、ピストン
ピンが摺接するコネクティングロッドの挿通孔内周面も
硬質膜を形成することによって高硬度化されている。そ
のため、両者の間で摩耗が発生しにくくなる。
【0010】さらに、コネクティングロッドとピストン
ピンとの間に転がり軸受を介装する必要がなく、そのう
え、ピストンピンもセラミックス化することによって軽
くなっている。そのため、コネクティングロッド小端部
における重量は軽量化される。さらにまた、ピストンピ
ンにその長手方向中央から長手方向両端へ向けて漸次縮
径するクラウニングを形成する一方、コネクティングロ
ッドのピストンピン挿通孔の両端開口部分の内周面にエ
ッジクラウニングを形成することにより、特にピストン
ピン挿通孔の両端開口部分とそこに対応するピストンピ
ンとの間に所要の隙間が形成されることになるから、従
来のようなピストンピンのたわみに起因する応力集中が
発生しにくくなるだけでなく、該隙間からピストン内の
僅かな潤滑油が導入されやすくなり、ピストンピンとピ
ストンピン挿通孔との摺動部分の潤滑性が良好となる。
ピンとの間に転がり軸受を介装する必要がなく、そのう
え、ピストンピンもセラミックス化することによって軽
くなっている。そのため、コネクティングロッド小端部
における重量は軽量化される。さらにまた、ピストンピ
ンにその長手方向中央から長手方向両端へ向けて漸次縮
径するクラウニングを形成する一方、コネクティングロ
ッドのピストンピン挿通孔の両端開口部分の内周面にエ
ッジクラウニングを形成することにより、特にピストン
ピン挿通孔の両端開口部分とそこに対応するピストンピ
ンとの間に所要の隙間が形成されることになるから、従
来のようなピストンピンのたわみに起因する応力集中が
発生しにくくなるだけでなく、該隙間からピストン内の
僅かな潤滑油が導入されやすくなり、ピストンピンとピ
ストンピン挿通孔との摺動部分の潤滑性が良好となる。
【0011】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
細に説明する。
【0012】図1および図2に本考案の一実施例を示し
ている。この内燃機関は2気筒エンジンであり、図中、
1はコネクティングロッド、2はピストン、3はピスト
ンピンである。
ている。この内燃機関は2気筒エンジンであり、図中、
1はコネクティングロッド、2はピストン、3はピスト
ンピンである。
【0013】コネクティングロッド1は、鍛造品からな
り侵炭処理が施されている。コネクティングロッド1
は、その両端に大端部1aと小端部1bとを備えてい
る。大端部1aはクランク5のクランク軸5aに連結さ
れている。また、小端部1bにはピストンピン挿通孔6
が形成されており、この挿通孔6にピストンピン3が挿
通されている。ピストンピン3はピストン2内部にほぼ
水平状態に配設されており、両端がピストン2側壁に支
持固定されている。そして、このようにしてコネクティ
ングロッド1を介して連結されたピストン2とクランク
5とが、ハウジング8内に収納されている。なお、図中
符号10は点火プラグ、11は吸気孔、12は排気孔、
13はハウジング8に設けられた放熱用フィンをそれぞ
れ示している。
り侵炭処理が施されている。コネクティングロッド1
は、その両端に大端部1aと小端部1bとを備えてい
る。大端部1aはクランク5のクランク軸5aに連結さ
れている。また、小端部1bにはピストンピン挿通孔6
が形成されており、この挿通孔6にピストンピン3が挿
通されている。ピストンピン3はピストン2内部にほぼ
水平状態に配設されており、両端がピストン2側壁に支
持固定されている。そして、このようにしてコネクティ
ングロッド1を介して連結されたピストン2とクランク
5とが、ハウジング8内に収納されている。なお、図中
符号10は点火プラグ、11は吸気孔、12は排気孔、
13はハウジング8に設けられた放熱用フィンをそれぞ
れ示している。
【0014】次に本実施例の特徴となるところを説明す
る。図2で示すように、ピストンピン3は、例えば窒化
けい素やアルミナなどを主体とするセラミックスからな
っており、中実の丸棒形状をしている。特にこのピスト
ンピン3は、その長手方向全長にわたるクラウニングが
施されることにより、その長手方向中央から長手方向両
端へ向けて漸次縮径していて、あたかも太鼓のような形
状になっている。そして、ピストンピン3は、その外径
が前記した挿通孔6の内径よりほんの少しだけ小さくな
っており、挿通孔6に隙間約10μmでルーズフィット
されている。また、コネクティングロッド1の挿通孔6
において両端の開口部分の内周面には外側へ向けて漸次
拡径するエッジクラウニングが施されている。
る。図2で示すように、ピストンピン3は、例えば窒化
けい素やアルミナなどを主体とするセラミックスからな
っており、中実の丸棒形状をしている。特にこのピスト
ンピン3は、その長手方向全長にわたるクラウニングが
施されることにより、その長手方向中央から長手方向両
端へ向けて漸次縮径していて、あたかも太鼓のような形
状になっている。そして、ピストンピン3は、その外径
が前記した挿通孔6の内径よりほんの少しだけ小さくな
っており、挿通孔6に隙間約10μmでルーズフィット
されている。また、コネクティングロッド1の挿通孔6
において両端の開口部分の内周面には外側へ向けて漸次
拡径するエッジクラウニングが施されている。
【0015】一方、コネクティングロッド1は挿通孔6
の内周面全面が、表面硬化処理されてメタル化してお
り、硬質膜9を形成している。表面硬化処理としては、
窒化チタンや酸化クロムのセラミックコーティングが適
当である。
の内周面全面が、表面硬化処理されてメタル化してお
り、硬質膜9を形成している。表面硬化処理としては、
窒化チタンや酸化クロムのセラミックコーティングが適
当である。
【0016】このように、挿通されるピストンピン3が
セラミックスで構成されるとともに、それを受け止める
挿通孔6の内周面に硬質膜9が形成されている。そし
て、これらが直接摺接しあうことによってコネクティン
グロッド1とピストンピン3とが連結されている。つま
り、コネクティングロッド1は、硬質膜9とセラミック
ス製のピストンピン6とで機能するいわば滑り軸受部を
介して、ピストンピン6に連結されることになる。した
がって、コネクティングロッド1は転がり軸受を介装し
たのと同様にスムーズに揺動することができる。また、
摺接しあうピストンピン3と硬質膜9とが共に高硬度化
しているので、コネクティングロッド1の揺動によって
互いに摩耗しあうことも防止されている。
セラミックスで構成されるとともに、それを受け止める
挿通孔6の内周面に硬質膜9が形成されている。そし
て、これらが直接摺接しあうことによってコネクティン
グロッド1とピストンピン3とが連結されている。つま
り、コネクティングロッド1は、硬質膜9とセラミック
ス製のピストンピン6とで機能するいわば滑り軸受部を
介して、ピストンピン6に連結されることになる。した
がって、コネクティングロッド1は転がり軸受を介装し
たのと同様にスムーズに揺動することができる。また、
摺接しあうピストンピン3と硬質膜9とが共に高硬度化
しているので、コネクティングロッド1の揺動によって
互いに摩耗しあうことも防止されている。
【0017】さらに、コネクティングロッド小端部1b
に別部材である針状ころ軸受等を介装していないうえ、
ピストンピン3もセラミックス化して軽くなっている。
そのため、コネクティングロッド小端部1bは軽量化し
ている。
に別部材である針状ころ軸受等を介装していないうえ、
ピストンピン3もセラミックス化して軽くなっている。
そのため、コネクティングロッド小端部1bは軽量化し
ている。
【0018】ところで、一般に、内燃機関においては、
小端部1bにおける特徴的な運動である揺動運動、特に
はピストン2内での爆発工程での振動等でピストンピン
3と挿通孔6との間の摺動状態が軸方向全面にわたって
傾くことがある。このような特徴を備えた内燃機関にお
いて、ピストンピン3をセラミックスで構成し、挿通孔
6の内周面に硬質膜9を形成したうえで、コネクティン
グロッド1をピストンピン3に連結した連結構造にする
と、次のような不都合が生じることが考えられる。すな
わち、上述したピストンピン3と挿通孔6との間の摺動
状態の傾きにより、ピストンピン3と挿通孔6との間の
摺動点における面圧が高くなり、ピストンピン3や挿通
孔6の摩耗が進行したり、損傷(欠け)が発生したりす
る。これに対して、本実施例においては、コネクティン
グロッド1の挿通孔6内周面にエッジクラウニングを施
すとともに、ピストンピン3の外周面にクラウニングを
施している。このようなクラウニング処理により、挿通
孔6の両端開口部分とそこに対応するピストンピン3と
の間に所要の隙間が形成されることになるから、ピスト
ンピン3のたわみに起因する上記応力集中が緩和され、
ピストンピン3やコネクティングロッド1の摩耗や損傷
は防止されることになる。
小端部1bにおける特徴的な運動である揺動運動、特に
はピストン2内での爆発工程での振動等でピストンピン
3と挿通孔6との間の摺動状態が軸方向全面にわたって
傾くことがある。このような特徴を備えた内燃機関にお
いて、ピストンピン3をセラミックスで構成し、挿通孔
6の内周面に硬質膜9を形成したうえで、コネクティン
グロッド1をピストンピン3に連結した連結構造にする
と、次のような不都合が生じることが考えられる。すな
わち、上述したピストンピン3と挿通孔6との間の摺動
状態の傾きにより、ピストンピン3と挿通孔6との間の
摺動点における面圧が高くなり、ピストンピン3や挿通
孔6の摩耗が進行したり、損傷(欠け)が発生したりす
る。これに対して、本実施例においては、コネクティン
グロッド1の挿通孔6内周面にエッジクラウニングを施
すとともに、ピストンピン3の外周面にクラウニングを
施している。このようなクラウニング処理により、挿通
孔6の両端開口部分とそこに対応するピストンピン3と
の間に所要の隙間が形成されることになるから、ピスト
ンピン3のたわみに起因する上記応力集中が緩和され、
ピストンピン3やコネクティングロッド1の摩耗や損傷
は防止されることになる。
【0019】
【考案の効果】以上のように、本考案では、要するに、
セラミックス製ピストンピンとコネクティングロッドの
ピストンピン挿通孔内周面の硬質膜とを摺動させるよう
にして、また、ピストンピンをその長手方向中央から長
手方向両端へ向けて漸次縮径するクラウニングを施した
丸棒形状とする一方、コネクティングロッドのピストン
ピン挿通孔の両端開口部分の内周面にエッジクラウニン
グを形成するようにしている。 この場合、ピストンピン
と挿通孔との間が硬質なものどうしの摺動となるので、
摩擦抵抗が軽減され、耐摩耗性が向上する。しかも、挿
通孔の両端開口部分とそこに対応するピストンピンとの
間に所要の隙間が形成されることになるから、この隙間
からピストン内の僅かな潤滑油が導入されやすくなり、
ピストンピンとピストンピン挿通孔との摺動部分の潤滑
性が良好となる。これらの結果、ピストンピンとコネク
ティングロッドのピストンピン挿通孔との間で摩耗が発
生しにくくなり、特に、従来のような針状ころ軸受を介
装した場合に問題となったコネクティングロッド小端部
での段状摩耗が発生しなくなり、長寿命化が達成される
ようになる。この他、挿通孔の両端開口部分とそこに対
応するピストンピンとの間に所要の隙間が形成されるこ
とになるから、ピストンピンのたわみに起因する応力集
中を回避できるようになり、応力集中により起こりうる
摩耗の進行や損傷(欠け等)といったセラミックス製の
ピストンピンや硬質膜を用いた場合に特に問題となる不
都合を未然に防止できるようになる。
セラミックス製ピストンピンとコネクティングロッドの
ピストンピン挿通孔内周面の硬質膜とを摺動させるよう
にして、また、ピストンピンをその長手方向中央から長
手方向両端へ向けて漸次縮径するクラウニングを施した
丸棒形状とする一方、コネクティングロッドのピストン
ピン挿通孔の両端開口部分の内周面にエッジクラウニン
グを形成するようにしている。 この場合、ピストンピン
と挿通孔との間が硬質なものどうしの摺動となるので、
摩擦抵抗が軽減され、耐摩耗性が向上する。しかも、挿
通孔の両端開口部分とそこに対応するピストンピンとの
間に所要の隙間が形成されることになるから、この隙間
からピストン内の僅かな潤滑油が導入されやすくなり、
ピストンピンとピストンピン挿通孔との摺動部分の潤滑
性が良好となる。これらの結果、ピストンピンとコネク
ティングロッドのピストンピン挿通孔との間で摩耗が発
生しにくくなり、特に、従来のような針状ころ軸受を介
装した場合に問題となったコネクティングロッド小端部
での段状摩耗が発生しなくなり、長寿命化が達成される
ようになる。この他、挿通孔の両端開口部分とそこに対
応するピストンピンとの間に所要の隙間が形成されるこ
とになるから、ピストンピンのたわみに起因する応力集
中を回避できるようになり、応力集中により起こりうる
摩耗の進行や損傷(欠け等)といったセラミックス製の
ピストンピンや硬質膜を用いた場合に特に問題となる不
都合を未然に防止できるようになる。
【0020】また、コネクティングロッドとピストンピ
ンとの間に針状ころ軸受を介装する必要がなく、そのう
え、ピストンピンもセラミックス化することによって軽
くなった。そのため、コネクティングロッドの小端部側
すなわち往復運動上端側での重量軽減が達成され、内燃
機関の高出力化が達成しやすくなった。
ンとの間に針状ころ軸受を介装する必要がなく、そのう
え、ピストンピンもセラミックス化することによって軽
くなった。そのため、コネクティングロッドの小端部側
すなわち往復運動上端側での重量軽減が達成され、内燃
機関の高出力化が達成しやすくなった。
【0021】おまけに、針状ころ軸受を介装していない
ので、高速回転域での運転を安定的に行えるようになっ
た。
ので、高速回転域での運転を安定的に行えるようになっ
た。
【0022】このように、本考案のコネクティングロッ
ド結合構造を用いれば、2サイクルエンジンのように混
合気の潤滑油分が少ないコネクティングロッドにおいて
も、従来の金属製針状ころ使用の場合に比べ、より長期
間安定的に動作させることができるようになるととも
に、高出力化にも寄与できるようになった。
ド結合構造を用いれば、2サイクルエンジンのように混
合気の潤滑油分が少ないコネクティングロッドにおいて
も、従来の金属製針状ころ使用の場合に比べ、より長期
間安定的に動作させることができるようになるととも
に、高出力化にも寄与できるようになった。
【図1】本考案の一実施例のコネクティングロッド結合
構造を用いた内燃機関を略示した断面図。
構造を用いた内燃機関を略示した断面図。
【図2】実施例のコネクティングロッド結合構造を示す
断面図である。
断面図である。
1 コネクティングロッド 1b 小端部 2 ピストン 3 ピストンピン 6 挿通孔 9 硬質膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−124564(JP,A) 特開 昭63−243570(JP,A) 実開 昭63−185963(JP,U) 実開 平2−62112(JP,U) 実開 昭61−13019(JP,U) 実開 昭48−21008(JP,U) 実開 昭56−97617(JP,U) 実開 平4−114172(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16J 1/00 - 10/04 F16C 3/00 - 9/06
Claims (1)
- 【請求項1】 コネクティングロッドの小端部挿通孔に
ピストンピンを挿通してコネクティングロッドをピスト
ンピン回りに揺動可能に取り付けた内燃機関のコネクテ
ィングロッド結合構造であって、 前記ピストンピンを、その長手方向中央から長手方向両
端へ向けて漸次縮径するクラウニングが施されたセラミ
ックス丸棒体で形成し、 前記コネクティングロッドのピストンピン挿通孔の内周
面に、ピストンピンが摺接する硬質膜を形成するととも
に、前記ピストンピン挿通孔の両端開口部分の内周面に
エッジクラウニングを形成したことを特徴とする内燃機
関のコネクティングロッド結合構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991086483U JP2583557Y2 (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 内燃機関のコネクティングロッド結合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991086483U JP2583557Y2 (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 内燃機関のコネクティングロッド結合構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0538458U JPH0538458U (ja) | 1993-05-25 |
JP2583557Y2 true JP2583557Y2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=13888229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991086483U Expired - Lifetime JP2583557Y2 (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 内燃機関のコネクティングロッド結合構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2583557Y2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2615212A1 (de) * | 1976-04-08 | 1977-10-13 | Schmidt Gmbh Karl | Kolbenbolzen |
JPS6113019U (ja) * | 1984-06-28 | 1986-01-25 | 小松ゼノア株式会社 | エンジンの連結杆 |
JPS63185963U (ja) * | 1987-05-22 | 1988-11-29 | ||
JPH0262112U (ja) * | 1988-10-31 | 1990-05-09 | ||
JPH04114172U (ja) * | 1991-03-26 | 1992-10-07 | アイシン精機株式会社 | ピストン |
-
1991
- 1991-10-23 JP JP1991086483U patent/JP2583557Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0538458U (ja) | 1993-05-25 |
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