JP2583546B2 - 硫黄含有熱分解石油残油のヒドロホルミル化法およびその新規生成物 - Google Patents

硫黄含有熱分解石油残油のヒドロホルミル化法およびその新規生成物

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明はオレフィン成分とCOおよびH2との反応により
一定の所望半直鎖性アルデヒドおよびアルコールを製造
するために低コストで容易に入手できる一定のオレフィ
ン性硫黄含有熱分解石油留出物をヒドロホルミル化する
接触法に関する。触媒は、好ましくは溶解した遷移金属
カルボニル錯体である。殊に好ましい触媒はカルボニル
配位子の若干が三価リン配位子により置換された水素化
コバルトおよびロジウムカルボニルである。好ましいフ
ィードは減圧残油の高温熱分解により、殊にフルードコ
ーキングおよびフレキシコーキングにより生成される。
開示の1観点は石油残油の熱分解により生成される化
合物の型および構造の記載である。流動床プロセスにお
ける減圧残油の分解により誘導されたナフサおよび軽油
留出物留分を高分解能毛管ガスクロマトグラフィー、質
量分光測定および該磁気共鳴分光法の組合せにより研究
した。種々の型のオレフィン反応物および潜在的硫黄化
合物抑制物質を個々に分析した。留出物フィード中の硫
黄化合物成分の分布は硫黄特異検出器の使用により分析
した。
開示の他の観点はフィードの1−n−オレフィンおよ
び直鎖内部オレフィン反応物成分の構造および用いた種
々の型の遷移金属錯体触媒と半直鎖性アルデヒドおよび
アルコール生成物の特有構造との相関である。C5〜C15
ナフサおよび軽油留出物留分の高圧コバルトカルボニル
錯体触媒ヒドロホルミル化および生じた主に相当するn
−アルデヒド、2−メチル枝分れアルデヒド並びに2−
置換エチルおよびより高級のn−アルキルアルデヒドか
らなるアルデヒド生成物混合物が個々に記載される。ア
ルデヒドおよびそれらのアルコール誘導体の微量硫黄含
有成分もまた硫黄特異ガスクロマトグラフィーにより研
究した。
開示の他の観点はこのアルデヒドおよびアルコール生
成物の反応の説明である。特有性質を有するフタル酸エ
ステル可塑剤を生ずるアルコールのエステル化が殊に論
議される。アルコールのエトキシル化界面活性剤誘導体
もまたかなり詳細に記載される。
本発明と対比した従来技術 ヒドロキシル化は純オレフィン流をCOおよびH2でアル
デヒドへ転化するよく知られた反応であるが、しかし、
一般に高濃度の硫黄化合物および若干の窒素化合物を含
む希オレフィン流、例えば石油留出物に対する使用は示
唆されなかった。これらの硫黄および窒素を含む不純物
を含有する流れはヒドロホルミル化装入原料として不適
当であると考えられた。
ヒドロホルミル化に対するこのオレフィンフィードは
主にプロピレンおよびそのオリゴマープラスエチレンオ
リゴマーである。プロピレンオリゴマーおよびプロピレ
ン/ブテンコポリマーから誘導されたC7〜C13アルコー
ルは一般に高度に枝分れしている。対照的にエチレンオ
リゴマーから誘導されたC9〜C15アルコールは通常高度
に線状である。両型の高級アルコールは可塑剤エステル
およびエトキシル化界面活性剤の製造に広く使用される
中間体である。多くの用途に対し直鎖または半直鎖アル
コール中間体が好ましい。しかし、直鎖アルコール製造
のエチレンオリゴマーフィードはC3/C4オレフィンから
誘導された枝分れオレフィンフィードよりも非常に高価
である。
本発明の一部として、熱分解石油留出物、殊にフルー
ドコーキングおよびフレキシコーキングにより残渣燃料
油から誘導されたものが意外に多量の直鎖オレフィンを
含有することが見出された。これらのオレフィンは、そ
のような分解留出物が硫黄化合物の高い濃度を有し、そ
れらを留出物燃料として使用できる前に広範に水素化し
なければならないので、留出物燃料コスト以下に評価さ
れる。オレフィン成分はそのような水素化の間にパラフ
ィンに転化される。
さらに、本発明においてそのような熱分解石油留出物
中の硫黄化合物が触媒阻害性メルカプタン類よりはむし
ろ一般に無害の芳香族チオフェン型化合物であることが
見出された。この発見は、硫黄化合物を含有する熱分解
石油留出物の直鎖および軽枝分れオレフィン成分とCOお
よびH2とを反応させて半直鎖性アルデヒドおよびアルコ
ールを生成させることを含むこのヒドロホルミル化法の
発見を生じた。
そのようなオレフィン成分をCO/H2と、コバルトカル
ボニル錯体触媒の存在下に高圧で反応させたときに、主
要アルデヒド生成物が、濃度の低下する順序でn−アル
デヒド、2−メチルおよび3−メチル置換アルデヒド、
2−エチルおよびより高級のアルキル置換アルデヒドで
あった。
従って、この方法は新規な非常に望ましい半直鎖性化
学中間体を低コストで生成する。この分解留出物フィー
ドの特有オレフィン組成のために、化合物の特有の混合
物は公知方法により製造することができない。
ナフサ蒸留範囲の熱分解石油残油を用いたときに特定
の1−n−オレフィンに富む狭沸留出物の使用が殊に有
利であることが見出された。そのような留出物は主に分
子当り同数の炭素原子を有する化合物を含有する。それ
らは2−メチル−1−オレフィンおよび直鎖内部オレフ
ィンに富むことが見出された。それらは広範囲ナフサフ
ィードに比べて一層低い芳香族炭化水素およびチオフェ
ン硫黄濃度を有する。それらはまた広範囲カット留出物
フィードよりも直鎖特性のヒドロホルミル化生成物を与
える。
本発明の方法は、分解石油留出物が10〜20個の炭素原
子を毎分子に含む高沸軽油留分であるときに殊に有利で
ある。C3/C4オレフィンのオリゴマー化により誘導され
る高分子量枝分れオレフィンとは対照的に、これらの軽
油は前処理なく、ヒドロホルミル化に対して意外に反応
性のフィードである。
以前にはヒドロホルミル化フィードとして考慮されな
かった好ましい熱分解留出物の群は流動コーキング装置
で生じたナフサおよび軽油留分を含む。連続流動コーキ
ング法例えばフルードコーキングおよびフレキシコーキ
ングは残渣燃料油を転化する優れた精製法である。フル
ードコーキングおよびフレキシコーキングの熱分解段階
は同一である。しかし、フルードコーキングはコーカー
留出物とともに生じた残留コークスを利用しないが、フ
レキシコーキングは低熱価ガスの生成のためにコークス
副生物を用いる。これらの方法の論議は米国特許第2,81
3,916号;第2,905,629号;第2,905,733号;第3,661,543
号;第3,816,084号;第4,055,484号および第4,497,705
号中に見出され、それらが参照される。
好ましいフルードコーキングおよびフレキシコーキン
グ法は低苛酷度熱分解運転である。低苛酷度は通常、温
度を482〜538℃(900〜1000°F)の範囲内に比較的低
く保ち、同様に約20〜60秒の長い滞留、すなわち接触、
時間を用いることにより行なわれる。あるいは低苛酷度
は538〜705℃(1000〜1300°F)程度の高温および5秒
未満の接触時間を用いて行なうことができる。長滞留時
間中に、分解ライン中へ重質軽油留出物生成物を再注入
することにより所望オレフィン成分の追加量を生成させ
ることができる。
上記分解法に対する残渣油燃料フィードは通常原油の
大部分が精油所蒸留工程により除去された後に残る減圧
残油である。従って、これらの残油は典型的には565℃
(1050°F)以上の沸点を有し、15%以上のコンラドソ
ン炭素含量を有する。これらの残油は原油の望ましくな
い成分、すなわち硫黄および窒素化合物、並びに金属複
合体の大部分を含有する。コーキングにおいて硫黄の多
くは留出物生成物中になる。高温熱分解の結果、主要量
のオレフィン成分もまた形成され、そのような留出物の
主要成分になる。それらの高いモノオレフィン含量にも
かゝわらず、そのような留出物は一般に、それらの高い
硫黄および共役ジオレフィン含量のためにヒドロホルミ
ル化フィードとして考慮されなかった。
コーキングに対する他の残渣油燃料型フィードは重質
アスファルト油およびタールサンドから生成される。重
質タール油の熱分解により生成される高オレフィン性留
出物は本発明の方法に適するフィードである。殊に魅力
的なフィードは、硫黄化合物の前除去のないコールド・
レークおよびアタバスカタールサンド油残渣油のコーキ
ングにより生成される。
残渣油の高温熱分解から生じたコーカーナフサおよび
軽油留出物をそのまゝヒドロホルミル化できるけれど
も、それらの一層の分別が好ましい。これは優れたアル
デヒドおよびアルコール生成物を生ずる改良されたヒド
ロホルミル化法のフィードを生ずる。
このヒドロホルミル化法のアルデヒドおよびアルコー
ル生成物は20重量%またはそれ以上の直鎖すなわちノル
マル異性体を含有する。好ましい生成物は20〜50%のノ
ルマル異性体、3〜20%の2−メチル枝分れ化合物およ
び3〜15%の3−メチル枝分れ化合物を含む。2−エチ
ルおよびより高級の2−アルキル枝分れ化合物は他の有
意な型の成分を示す。残部はモノ枝分れアルデヒドまた
はアルコールおよび少量のジ枝分れアルデヒドまたはア
ルコールからなる。生成物分子当りのアルキル分枝の平
均数は1未満である。従って、生成物は特有に枝分れし
た半直鎖特性を有する。それらは新規生成物であると考
えられ、本発明の他の態様を構成する。
本発明の半直鎖性アルコール生成物は可塑剤および界
面活性剤製品に対する魅力的中間体である。これらの製
品の性質はアルコール中間体の分枝度に臨界的に依存す
る。ジアルキルフタラートエステル可塑剤は低温特性お
よび熱安定性の望ましい組合せを示した。エトキシル化
アルコール界面活性剤は優れた湿潤特性を有した。これ
らの半直鎖性アルコールの界面活性剤および可塑剤誘導
体は本発明の他の態様である。
硫黄化合物は一般に触媒抑制物質とみなされたけれど
も、若干の製油所流のオレフィン成分のヒドロホルミル
化によるアルコールまたはアルデヒドの生成が前に示唆
された。例えば1984年6月12日に発行されたオスワルド
(Oswald)ほかに対する米国特許第4,454,353号は「パ
ラフィン副生物例えばC1〜C20パラフィンを含むオレフ
ィンの製油所流……」でトリヒドロカルビルシリル置換
した水素化ジアリールホスフィン遷移金属カルボニル錯
体ヒドロホルミル化触媒の使用を教示している。
ハーグおよびホワイトハースト(Haag and Whitehurs
t)は米国特許第4,098,727号および第4,487,972号中
に、第VIII族金属と窒素、硫黄、ホスフィンおよびアル
シン配位子との不溶性ポリマー固着錯体の存在下のオレ
フィン流のヒドロホルミル化によるアルデヒドおよびア
ルコールの製造を開示している。実施例32は230ppmの硫
黄を含む分解ガソリンフィードの、スチレン−ジビニル
ベンゼンコポリマーに付着させたロジウムアミン錯体の
存在下のヒドロホルミル化を示す。
アンゲビン(Angevine)ほかに対する米国特許第4,41
7,973号に開示された方法は種々の直鎖オレフィン含有
装入原料、例えばけつ岩油、FCC軽質循環油およびコー
カー液の枝分れオレフィンへの「品質向上」に対するも
のである。その方法には、好ましくは不均質担持Co/Mo
触媒の存在下のヒドロホルミル化および水素化処理/水
素還元の連連続段階が含まれる。ヒドロホルミル化段階
の反応生成物は分離も確認もされなかった。最終生成物
は枝分れパラフィンである。種々の装入原料の硫黄含量
が実施例中に0.29〜1.33重量%であると示されている。
コバルト基均質触媒の使用を論議する他の開示が知ら
れている。
例えば、マルコ(Marco)ほかによる一連の論文は二
コバルトオクタカルボニル、ヒドロホルミル化触媒前駆
物質、と元素硫黄および有機硫黄化合物との反応を教示
している。種々の硫黄含有コバルト錯体が分離された。
硫黄との反応は〔Co2S(CO)5nおよびCo3S(CO)9を生じ
た。Chem.Ber.,94、847〜850(1961);Chem.Ind.,1491
〜1492(1961);Chem.Ber.,96、955〜964(1963)参
照。硫化水素は反応して同様の錯体を生ずるといわれ
る。メルカプタンおよびジスルフィドは主にコバルト三
量体および四量体のスルフィド誘導体を生ずる。マルコ
(Marco)ほかは、ヒドロホルミル化条件のもとで、こ
れらの錯体がすべて触媒的に不活性の硫化コバルトに転
化されると述べている〔Chem.Ber.,97、926〜933(196
4)〕。コバルトチオエーテル錯体もまたヒドロホルミ
ル化において不活性または不置換二コバルトオクタカル
ボニルより活性が低いといわれる〔Acta Chim.Sci.Hun
g.,59、389〜396(1969)〕。
マルコ(Marco)および共同研究者による他の一連の
論文に分解ガソリン中に存在するC6/C8オレフィンのヒ
ドロホルミル化/水素化が記載されている。それらの論
文には分解ガソリンの硫黄含有C7留分を、1対2比の水
素対−酸化炭素を用いて200℃で300atm(4,409psi)圧
下に転化して85%オクチルアルコール、ジオクチルフタ
ラート可塑剤用中間体、を10%高沸副生物形成で生成さ
せる方法が記載されている〔J.Berty,E.Oltay and L.Ma
rco,Chem.Tech.,(Berlin)、283〜286(1957);M.Fr
eund,L.Marko and J.Laky,Acta Chem.Acad.Sci.Hung.,3
1、77〜84(1962)〕。これらの反応条件のもとで、シ
クロヘキセンをモデルオレフィンとして使用し、エチル
メルカプタンおよびジエチルジスルフィドが少量でもヒ
ドロホルミル化の強い抑制物質であると認められたが、
ジエチルスルフィドおよびチオフェンはコバルトの10倍
までのモル濃度で影響を有しなかった〔L.Marko,Proc.S
ymp.Coordn.Chem.Tihang,Hungary,271〜279(196
9)〕。類似の、しかしより著しい効果がアルデヒド中
間体のアルコールへの水素化で観察された〔J.Laky,P.S
zabo and L.Marko,Acta Chim.Acad.Sci.Hung.,46、247
〜254(1965)〕。例えば式、Co3(CO)9SおよびCo3(CO)6
(S)(SR)の硫黄含有コバルト三量体が活性Co2(CO)8の可
溶性の不活性CoSへの転化における中間体と仮定された
〔L.Marko and M.Freund,Acta Chem.Acad.Sci.Hung.,5
7、445〜451(1968)〕。
ロシヤの研究者、殊にルドコフスキイ(Rudkovskii)
および共同研究者もまた石油留出物中のオレフィン成分
の二コバルトオクタカルボニル触媒によるヒドロホルミ
ル化に関する一連の論文を発表した。これらの留出物は
化学的には確認されなかった。1論文にはコンタクトコ
ーキングの高沸留出物留分からのC11〜C17アルコールの
製造が記載されている。その方法は、好ましくは170℃
および300atm(4409psi)におけるヒドロホルミル化、
次に2NiS・WS2触媒上の未反応炭化水素との混合物にお
ける水素化を課する〔K.A.Alekseeva,D.M.Rudkovskii,
M.I.Riskin and A.G.Trifel,Khim.i Tekhnol.Topliv i
Masel,、(5)、14〜18(1959)〕。他の論文に低分
子量分解ガソリンオレフィンの類似のヒドロホルミル化
が記載されている〔D.Rudkovskii,A.G.Trifel and K.A.
Alekseeva,Khim.i Tekhnol.Topliv i Masel,3(6)、1
7〜24(1958)〕。石油留分、フェノール抽出物および
石油の混合物の熱分解からの適当なC7〜C8ナフサフィー
ドが後に記載された〔P.K.Zmiewski,T.N.Klyukanova an
d G.M.Kusakina,Neft.i Gas Pram.,Inform.Nauchn.Tekh
n.Sb.(4)48〜49(1964)〕。
他の雑誌論文がロシヤの雑誌、Khim.i Tekhnol.Goryu
ch.Slantsev i Produktov ikh Pererabotki.,1964年の1
3号、325〜332頁に現われ、N.I.Zeleninおよび共同研究
者により著わされた。この発表はけつ岩ガソリンおよび
ディーゼル留分のオレフィン成分の、可塑剤および界面
活性剤アルコールを製造するためのヒドロホルミル化を
考慮した。それは殊にヒドロホルミル化抑制物質である
ことができる硫黄化合物の除去を論議している。
研究報告、Forschungsbericht T−84−064がジャーマ
ン・フェデラル・デパートメント・オブ・リサーチ・ア
ンド・テクノロジー(German Federal Department of R
esearch and Technology)に1984年4月になされた。著
者、フェルほか(B.Fell,U.Buller,H.Classen,J.Schulz
and J.Egenolf)はC5〜C6分解ガソリンの150〜175℃、
200atm(2939psi)における0.4〜0.2%コバルトの存在
下のヒドロホルミル化が65%選択率でオキソ生成物を与
えることを開示している。トリフェニルホスフィンロジ
ウム錯体基触媒系のこの高圧における使用は低い転化を
生ずることが報告された。
ルールヘミー(Ruhrchemie)のファルベ(Falbe)お
よび共同研究者による一酸化炭素の有機化学における2
つのモノグラフにヒドロホルミル化に関する主要な章が
含まれている。コバルト触媒毒、殊に硫黄化合物のヒド
ロホルミル化の影響が第1モノグラフの18〜22頁に要約
されている〔ファルベ(J.Falbe)、有機合成における
一酸化炭素(Carbon Monoxide in Organic Synthesi
s)、I章、ヒドロホルミル化反応(オキソ反応/ルー
レン(Roelen)反応)、1〜75頁、スプリンガー・フェ
ルラグ(Springer Verlag,NewYork)、(1970)〕。第
2モノグラフもまた変性ロジウム触媒に対する毒の影響
を評論し、これらの触媒がそれらの低濃度のために一層
被毒され易いと結論している〔一酸化炭素による新合成
(New Synthesis with Carbon Monoxide)、ファベル
(J.Falbe)編、コーニルス(B.Cornils)によるI章、
1〜224頁、殊に73頁、スプリンガー・フェルラグ(Spr
inger Verlag,New York)、1980〕。
ヒドロホルミル化により誘導された高級アルデヒドは
公知の有用な化学中間体である。それらは第一級アルコ
ール、カルボン酸およびアミンの合成に利用される。い
わゆるオキソアルコールは最も重要な生成物である。そ
れらはフタル酸エステル可塑剤および界面活性剤の製造
に最も広く使用される。しかし、オキソアルデヒドおよ
びアルコールの公知製造法は炭素数および(または)生
成物直鎖性の限界を有する。
高度に線状のオキソアルコールは多くの用途に最も望
まれる。しかし、それらの製造は多くの用途に対して禁
止的に高価である。エチレンから誘導された完全に直鎖
のオレフィンフィードを必要とする。プロピレンオリゴ
マーのヒドロホルミル化により誘導される高度に枝分れ
したオキソアルコールは製造コストが低いが、しかしそ
れらの可塑剤誘導体が一層劣る低温特性を有し、またそ
れらの界面活性剤誘導体が低生分解性である。
より最近、フォスターほか(D.Forster,G.F.Schaefer
and G.E.Barker)による米国特許第4,598,162号には2
位にわずかの枝分れを含むオキソアルデヒドのアルドー
ル化によるアルデヒドおよびアルコールの製造が開示さ
れている。この経路を経由して誘導されたアルコールは
従来技術の枝分れ化合物より生分解性である。しかし、
それらの製造は追加工程を必要とし、1個以上の分枝を
毎分子に有する生成物を生ずる。
全体として、従来技術は本発明のヒドロホルミル化法
を示唆するよりはむしろそれを教示しない。一般に、高
濃度の硫黄を含む分解石油留出物の使用を回避すべきで
あった。三価リン配位子を含む可溶性遷移金属カルボニ
ル錯体は、かってそのような留出物のヒドロホルミル化
に満足に使用されなかった。公知の低圧ヒドロホルミル
化法はフィードに対して低い硫黄限界を有する。
比較的低い硫黄含量の分解ガソリンの高圧ヒドロホル
ミル化がマルコ(Marko)ほかにより添加二コバルトオ
クタカルボニルの存在下に広く研究されたけれども、こ
の方法のフィードおよび条件は使用も示唆もされなかっ
た。高い直鎖オレフィンおよび硫黄化合物含量のコーカ
ー留出物フィードをヒドロホルミル化によるアルデヒド
およびアルコールの製造に用いることは提案されなかっ
た。マルコ(Marko)ほかが開発した高圧コバルト触媒C
7ガソリンヒドロホルミル化/水素化法は200℃で運転さ
れ、1段階でC8アルコールを生成する。対照的にこの高
圧コバルト触媒法の温度範囲は110〜180℃、好ましくは
120〜145℃であり、主生成物はアルデヒドである。この
方法における純アルコール生成物は別の段階で製造され
る。
このコバルトカルボニル錯体触媒高圧法は減圧残油の
高温フルードコーキングにより生成されるC8/C20留出
物フィードを用いる。これらのフィードは0.1%以上の
硫黄、20%以上の特有異性体組成のオレフィンを含有す
る。存在する全オレフィンの30%以上がI型である。オ
レフィンの10%以上がII型である。最も優勢なIII型オ
レフィン成分は2−メチル−1−オレフィンである。
このフィードの特異直鎖性オレフィン特性のために、
そのようなヒドロホルミル化は分子当り1個未満の分枝
を有する半直鎖特性の特有のアルデヒドおよびアルコー
ル生成物を生ずる。一次アルデヒド生成物の主要成分は
n−アルデヒド、3−メチル枝分れアルデヒドおよび2
−メチル枝分れアルデヒドである。残部の多くは2−エ
チルまたはより高級の2−n−アルキル枝分れアルデヒ
ドである。しかし、高級2−アルキル枝分れ化合物の量
はアルドール化により製造された従来技術の組成物中よ
り非常に少ない。水素化でそれらは相当するアルコール
を与える。そのようなアルデヒドおよびアルコール組成
物は他の方法によって直接製造することができない。適
当な成分の混合によるそれらの製造は経済的に禁止的で
あろう。
本発明の新規半直鎖生アルコール生成物は特有性質の
エステル可塑剤およびエトキシル化界面活性剤に転化さ
せることができる。C6〜C13アルコールは枝分れアルコ
ール誘導体に比べて優れた低温特性および高温安定性の
組合せを有する相当するジアルキルフタラートを与え
る。C9〜C30アルコールは高い生分解性および優れた湿
潤特性のエトキシル化界面活性剤を生ずる。両方の可塑
剤および界面活性剤の場合における特有の性質はアルコ
ール前駆物質の特有半直鎖性構造に帰着される。
ジアルキルフタラートエステルはポリ塩化ビニルに対
する可塑剤のよく知られた多量群である。従ってそれら
は、それらの性質およびコストを基にして競合する。所
望特性の大部分、殊に可塑化PVCの低温特性、の見地か
ら、直鎖アルコールから誘導されたフタル酸エステルは
高枝分れ第一級アルコールの誘導体から優れている。し
かし高枝分れアルコールは直鎖アルコールのコストより
有意に低いコストで広い炭素範囲で製造することができ
る。従って、低コスト、低枝分れ第一級アルコールおよ
びそれらの混合物の製造に対して継続する努力が存在し
た。しかし今日まで、分子当り1個未満の分枝を有する
低コスト第一級可塑剤アルコールを入手できない。
エトキシル化高級アルコールは非イオン界面活性剤の
非常に重要な種類である。それらは生分解性が重要であ
る洗剤工業において優位を占めつゝある。それらはまた
硫酸塩誘導体として広く使用される。多くのエトキシル
化高級アルコールはそれらの生分解性を高めるために高
価な直鎖アルコールから誘導される。高級直鎖アルコー
ルは固体であり、従って取扱いが困難である。対照的
に、この洗剤範囲半直鎖性アルコールは生分解特性の低
コスト液体である。従って、それらは枝分れおよび直鎖
アルコール界面活性剤中間体の両方の利点を組合せる。
参照文献のいずれも、単独または組合せて、こゝに記
載され、特許請求される方法および(または)生成物を
教示しない。
図面の説明 第1図はC4〜C12範囲のフルードコーカーナフサフィ
ードの毛管ガスクロマトグラムを、フレームイオン化検
出器による主要1−n−オレフィンおよびn−パラフィ
ン成分、並びに硫黄特異検出器による主要チオフェン成
分を指示して示す。
参照文献のいずれも単独または組合せて、こゝに記載
され、特許請求される方法および生成物を教示しない。
第2図はフルードコーカーナフサフィードのオレフィ
ンプロトンの400MHzプロトン核磁気共鳴スペクトルを、
種々の型のオレフィンの化学シフト領域を指示して示
す。
第3図はフルードコーカーナフサフィードのC6留分の
毛管ガスクロマトグラムを主要オレフィンおよびパラフ
ィン成分を指示して示す。
第4図はフレキシコーカーナフサフィードのC8留分の
毛管ガスクロマトグラムを、主要炭化水素成分を指示し
て示す。
第5図はフレキシコーカーナフサの狭範囲および広範
囲C8留分の硫黄特異毛管ガスクロマトグラムを主要メチ
ルチオフェンおよびジメチルチオフェン成分を指示して
示す。
第6図はフルードコーカーナフサフィードのC10留分
の毛管ガスクロマトグラムを、主要オレフィン、パラフ
ィンおよび芳香族成分を指示して示す。
第7図はC9〜C16範囲内の軽質フルードコーカー軽油
フィードの毛管ガスクロマトグラムを主要1−n−オレ
フィンおよびパラフィン成分を指示して示す。
第8図は軽質フルードコーカー軽油フィードの500MHz
プロトン核磁気共鳴スペクトルを、オレフィン、パラフ
ィンおよび芳香族成分を指示して示す。
第9図は軽質フルードコーカー軽油のC12留分の高極
性カラム上の毛管ガスクロマトグラムを、種々の型の脂
肪族および芳香族成分並びに硫黄化合物を分離して示
す。
第10図はフルードコーカー軽質軽油混合物のトリオク
チルホスフィンコバルト錯体触媒ヒドロホルミル化後の
毛管ガスクロマトグラムを、主要n−パラフィンおよび
キャップドn−アルコール成分を指示して示す。
第11図はC10フルードコーカー軽油のトリエチルホス
フィンコバルト錯体触媒ヒドロホルミル化後の毛管ガス
クロマトグラムを、形成された異性体C11アルコール生
成物を指示して示す。
第12図はフルードコーカーナフサ混合物のコバルト触
媒ヒドロホルミル化後の毛管ガスクロマトグラムを、主
要n−パラフィンおよびn−アルデヒド成分を指示して
示す。
第13図はC6フルードコーカーナフサ留分のコバルト触
媒ヒドロホルミル化で得られた反応混合物のアルデヒド
領域の毛管ガスクロマトグラムを示す。
第14図はC8フレキシコーカーナフサ留分のコバルト触
媒ヒドロホルミル化により生じた反応混合物のフレーム
イオン化および硫黄特異検出器による毛管ガスクロマト
グラムを示す。
第15図はC10フルードコーカーナフサのコバルト触媒
ヒドロホルミル化後の毛管ガスクロマトグラムを、形成
された異性体C11アルデヒド生成物を指示して示す。
第16図はC10フルードコーカーナフサのコバルト触媒
ヒドロホルミル化後の充填カラムガスクロマトグラム
を、C11アルデヒド生成物並びに二量体および三量体副
生物を指示して示す。
第17図はフルードコーカー軽質軽油混合物のコバルト
触媒ヒドロホルミル化後の毛管ガスクロマトグラムを、
主要n−パラフィンおよびn−アルデヒド成分を指示し
て示す。
第18図はC12フルードコーカー軽質軽油留分のコバル
ト触媒ヒドロホルミル化で得られた反応混合物のアルデ
ヒド領域の毛管ガスクロマトグラムを示す。
発明の概要 本発明は、実質量の1−n−オレフィンおよび硫黄帯
有化合物を含む分解石油留出物留分のオレフィン成分を
一酸化炭素および水素と、均質第VIII族遷移金属カルボ
ニル錯体触媒の存在下に反応させるヒドロホルミル化法
を記載する。本発明はまた、この方法の新規組成物に関
する。これらの生成物は主に直鎖特性のアルデヒドおよ
び(または)アルコールであり、従って、好ましくは平
均で分子当り1個未満のアルキル分枝を有する。生成物
は蒸留により留出物フィードの未反応成分から分離する
ことができる。
好ましい触媒は可溶性ロジウムまたはコバルトカルボ
ニル錯体触媒である。錯体は三価のリン、ヒ素、窒素お
よび(または)硫黄原子により変性することができる。
トリオルガノホスフィン配位子が最も好ましい。コバル
トカルボニル触媒は、リン配位子の添加なく使用するこ
とが望ましいことができる。
フィードをヒドロホルミル化できる反応条件は広範囲
にわたる。50〜250℃の範囲内の温度および実質的に大
気〜5000psi(340atm)の範囲内の圧力を用いることが
できる。より好ましい条件は反応させるオレフィンの型
および用いる遷移金属触媒の型による。
リン配位子ロジウム錯体基触媒を用いるとき、50〜20
00psi(3.4〜136atm)、好ましくは100〜1500psi(6.8
〜102atm)の低圧が使用される。好ましくは50〜250
℃、より好ましくは80〜200℃の広範囲の温度を使用で
きる。
ホスフィンコバルト錯体触媒は、有利には500〜4500p
si(34〜306atm)、好ましくは500〜2500psi(34〜170a
tm)の圧力および150〜200℃の反応温度で使用できる。
添加配位子の存在しない高圧コバルト触媒は2500〜60
00psi(170〜408atm)、好ましくは3000〜4500psi(204
〜306atm)の圧力を必要とする。それらは好ましくは10
0〜180℃、より好ましくは110〜170℃、最も好ましくは
120〜145℃の間で使用される。高圧の反応物ガス、特定
的にはCO、が触媒の分解および(または)失活なく一層
高い反応温度の使用を可能にする。
総括的に、使用される触媒系の型に対する反応条件の
依存性は次表により示される: この方法において、高圧コバルト触媒に対するフィー
ドは1−n−オレフィンを主要型のオレフィンとして含
み、フレキシコーキングによる石油残油から、または等
価の高温熱分解から誘導される。このフィードで出発す
るすると、この方法は平均で分子当り1個未満のアルキ
ル分枝を有する高直鎖特性のアルデヒドおよび(また
は)アルコールを与える。このフィードおよび生成物は
他の触媒に対してもまた好ましい。
好ましい熱分解留出物フィードはさらに高い1−n−
オレフィン含量並びに低い芳香族炭化水素および硫黄含
量を有する。C6〜C10フィード範囲において、これは主
に直鎖の脂肪族炭化水素を含む狭範囲フィード留分を、
チオフェン類を含め芳香族化合物主要量を含む留分から
分離する分解ナフサの分留をさらに含む方法により有利
に達成される。
このヒドロホルミル化法の好ましい高圧コバルト触媒
法はこのフィードのオレフィンの、親オレフィンより1
個多い炭素を有する新規半直鎖性アルデヒドへの転化に
殊に適する。分子当り1個未満のアルキル分枝を含むア
ルデヒドの構造は出発オレフィンの特有混合物を反映す
る。好ましいアルデヒド組成物の主要成分はフィードの
主要1−n−オレフィンおよび1−メチル−1−オレフ
ィン成分から誘導されたn−アルデヒド、2−メチル−
アルデヒドおよび3−メチル−アルデヒドである。
本発明はまた一次アルデヒド生成物の誘導体に関す
る。これらのアルデヒドはヒドロホルミル化工程中、お
よび(または)その後水素化して相当する半直鎖性アル
コールの混合物を与えることができる。アルデヒドまた
はアルコールは相当するアミンおよび第四級アンモニウ
ム化合物に転化することができる。
新規アルコール組成物は有用なエステル可塑剤および
エトキシル化界面活性剤に転化させることかできる。フ
タル酸エステルで可塑化したポリ塩化ビニルは、この半
直鎖性アルコール中間体に帰着できる低温たわみ性、高
温安定性および低揮発性の特有の組合せを示す。同様
に、これらのアルコールのエトキシル化およびプロポキ
シル化界面活性剤誘導体は生分解性および湿潤特性の望
ましい組合せを示す。そのような界面活性剤は一般に半
直鎖性アルコールの分子当り約1〜30モルのエチレンオ
キシドまたはプロピレンオキシドを含む。
好ましい態様の説明 本発明は主に直鎖特性のアルデヒドおよび(または)
アルコール、すなわち、好ましくは平均して分子当り1
個未満のアルキル分枝を有する生成物流を、実質量の1
−n−オレフィンおよび硫黄化合物を含有する分解石油
留出物装入原料から製造するヒドロホルミル化法を記載
する。その方法は留出物とCO/H2とを第VIII族遷移金属
錯体触媒の存在下に反応させることを含む。
従って、このヒドロホルミル化法は水素および一酸化
炭素を、好ましくは石油残油から高温熱分解により製造
された殊にC8〜C35炭素範囲の、1−n−オレフィンを
主要型のオレフィン成分として含むオレフィン性分解石
油留出物フィードであって、I型オレフィンの百分率は
好ましくは30%以上であり、また好ましくは0.1%以上
の、より好ましくは1%以上の濃度で有機硫黄化合物を
含むフィードと反応させることを含む。
ヒドロホルミル化反応は、用いる個々の触媒により約
50〜250℃の温度および50〜6000psi(3.4〜408atm)の
範囲内の圧力で行なわれる。
反応は、好ましくはFe、Co、Rh、Ru、IrおよびOs、よ
り好ましくはRh、Co、RuおよびIr、最も好ましくはCoま
たはRhの群から選ばれる第VIII族遷移金属カルボニル錯
体触媒の有効量の存在下に起り、錯体の好ましい群は、
三価リン配位子、好ましくはトリオルガノホスフィンま
たは亜リン酸エステルにより変性される。
そのようなヒドロホルミル化は半直鎖性特性の、好ま
しくは分子当り平均1個未満のアルキル分枝を有するア
ルデヒドおよび(または)アルコール、好ましくはアル
デヒドを生ずる。これらの生成物は、より好ましくはn
−アルデヒド、2−メチルおよび3−メチル枝分れアル
デヒドを主要生成物として含み、残りの大部分は主に種
々の2−エチルまたはより高級の2−n−アルキル枝分
れアルデヒドである。これらのアルデヒドの水素による
相当するアルコールへの還元は、好ましくは別の段階
で、好ましくはCo、Mo、Ni、Wを基にした硫化物化形態
の硫黄不感受性触媒の存在下に行なわれる。
従って本発明の他の観点によれば、ヒドロホルミル化
−水素化法は前記オレフィン性分解石油留出物フィード
と一酸化炭素および水素とを既に示した条件下に反応さ
せて前記アルデヒドを生成させ、次いで前記アルデヒド
を100〜220℃の温度で、有効量の触媒の存在下に反応さ
せて分子当り平均1個未満のアルキル分枝を有する半直
鎖特性の相当するアルコールを生成させることを含む。
本発明の他の観点によれば、この方法により製造され
た新規アルデヒドおよびアルコール組成物が記載され
る。これらの異性体アルデヒド組成物は分子当り平均1
個未満のアルキル分枝を有する半直鎖特性の、大部分飽
和されたC7〜C21脂肪族アルデヒド混合物を含む。それ
らは30%以上のノルマルアルカナール並びに多量の2−
メチルアルカナールおよび3−メチルアルカナール、並
びに少量の2−エチルおよびより高級の2−n−アルキ
ルアルカナールを含む。同様に、異性体アルコール組成
物は分子当り平均1個未満の分枝を有する半直鎖特性の
C7〜C21飽和脂肪族アルコール混合物を含む。これらの
アルコールは20%以上、好ましくは30%以上のノルマル
アルコール、多量の2−メチルアルカノールおよび3−
メチルアルカノール、並びに少量の2−エチルおよびよ
り高級の2−n−アルキルアルカノールを含む。
留出物フィード このヒドロホルミル化法の分解石油留出物フィード
は、好ましくは熱分解により誘導される。熱分解法は接
触分解より一層直鎖オレフィン特性の炭化水素を生ず
る。分解留出物中の直鎖オレフィン成分、殊に1−n−
オレフィンの存在がヒドロホルミル化を用いるノルマル
非枝分れアルデヒドおよびモノ枝分れアルデヒドの生成
に重要である。例えば、1−ヘキセンのヒドロホルミル
化はn−ヘプタナールを主n−アルデヒド生成物とし
て、および2−メチルヘキサナールを少量イソ−アルデ
ヒド生成物として生成することができる。これらは次に
相当するアルコールに水素化されることができる。
直鎖ノルマルアルデヒドおよびアルコール生成物は一
般に、高品質可塑剤および界面活性剤を製造する中間体
として枝分れイソ化合物より望ましい。イソ化合物中、
2−メチル枝分れ生成物は生成物品質に対して最小の不
利な影響を有する。
熱分解石油留出物の1−n−オレフィン成分のパーセ
ントは一般に分解の温度とともに増加する。従って、高
温熱分解法例えばフルードコーキングおよびフレキシコ
ーキングの留出物生成物はこの方法に対する好ましいフ
ィードである。通常低い温度で運転されるディレードコ
ーキングもまた十分高い温度で運転されるとこの方法に
適するフィードを生成することができる。他のそれほど
好ましくはない温和な分解法例えば軽油の熱分解および
減圧残留物のビスブレーキングもまたこの方法に対する
留出物フィードを生成することができる。適当な留出物
フィードはまた複数の分解帯域を異なる温度で用いる熱
分解法で製造することができる。そのような方法は米国
特許第4,477,334号および第4,487,686号に記載されてい
る。これらの熱分解法のそれぞれはそれらの留出物生成
物のオレフィン含量を増加させるように調整することが
できる。水蒸気分解の高級留出物留分もまたこの方法に
フィードとして使用できる。
本発明の分解留出物フィードのオレフィン含量は20%
以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上で
ある。好ましくは1−n−オレフィンがオレフィン成分
の主要型である。
コバルトカルボニル錯体を添加オレフィン配位子なく
用いるこの方法の高圧運転において、フィードは1−n
−オレフィンを主要オレフィン型として含む熱分解留出
物であるべきである。これらの装入原料は、好ましくは
フレキシコーキング法またはフルードコーキング法およ
び類似の高温コーキング法により製造される。
分解法の留出物留分は前精製なくヒドロホルミル化す
ることができる。しかし、分解装置留出物フィードはヒ
ドロホルミル化工程の前に一定の硫黄および窒素化合物
の濃度を低下させるために処理することができる。これ
らの不純物、殊にメルカプタン類はヒドロホルミル化段
階に対する抑制物質として作用することができる。開示
方法は不純物の存在下に運転できるが、しかし、触媒水
準および(または)反応物ガス分圧(殊にCO圧)に対す
る調整が、好ましくは硫黄化合物による抑制を相殺する
ようになされる。
メルカプタン類を除去する1つの方法は選択的抽出で
ある。抽出法の多くは塩基性溶媒を用いる。そのような
方法の例には水性およびメタノール性水酸化ナトリウ
ム、カルボン酸ナトリウム(イソ酪酸塩、ナフテン酸
塩)、ナトリウムフェノラート(クレソラート)および
リン酸三カリウムの使用が含まれる。注意深く制御した
濃度および温度の硫酸もまた使用できるが、しかしそれ
はカセイより選択性が低い。例えば10〜15°の12%H2SO
4による30分処理を用いることができる。
このフィードの好ましい分解留出物は比較的高い量の
有機硫黄化合物を含む。硫黄濃度は好ましくは0.1%(1
000ppm)以上、より好ましくは1%(10000ppm)以上で
ある。これらのフィード中の優勢な硫黄化合物は芳香
族、主にチオフェノールである。最も好ましくは芳香族
硫黄化合物が全体の90%以上を示す。この発見はチオフ
ェン類、ベンゾチオフェン類および類似の芳香族硫黄化
合物がヒドロホルミル化を抑制しないので、この方法に
対し重要である。
硫黄および窒素化合物の除去に対し、カラムに充填し
た極性固体、例えばシリカ、フラー土、ボーキサイト、
上の吸着もまた使用できる。そのような吸着性固体を含
む処理カラムは、例えば水蒸気により再生することがで
きる。あるいは、ゼオライトを用いてこのフィードの1
−n−オレフィンおよびn−パラフィンを高めることが
できる。
フィードの芳香族炭化水素成分はまた、好ましくは脂
肪族成分に比べて高い芳香族の極性を基にする方法によ
り芳香族硫黄化合物とともに除去することができる。極
性溶媒例えばアセトニトリルを用いる選択的溶媒抽出法
を極性成分の抽出に用いることができる。抽出に対する
フィードとして、好ましくは3個までの炭素範囲の狭範
囲留分が使用される。
最後に、硫黄化合物はまた分解留出物をボーキサイト
またはフラー土あるいは粘土の、好ましくは700〜750℃
の高温固定床に通すことにより容易に除去できる硫化水
素に転化させることができる。この接触脱硫法の1利点
はオレフィンの同時異性化である。
分解製油所留出物フィードは、好ましくはヒドロホル
ミル化前に種々の留分に分離される。分留は分離の好ま
しい方法である。異なる留出物留分は異なる割合の異な
る型のオレフィン反応物を含み、異なる抑制物質濃度を
有する。熱分解フィードの好ましい炭素範囲はC5〜C35
である。C8〜C25範囲がより好ましい。最も好ましい範
囲はC11〜C20である。所与留出物フィードの炭素数範囲
を有効な分留により5炭素、好ましくは3炭素、より好
ましくは1炭素に限定して未反応装入原料からの生成物
の有効な分離を可能にすることが望ましい。
例えば、分解留出物装入原料留分はC7〜C9範囲内の炭
化水素を含むことができる。そのような留分の主成分は
C8炭化水素であろう。そのような留分のオレフィン成分
をヒドロホルミル化するとC8〜C10(主にC9)アルデヒ
ドおよびアルコールが得られる。これらの酸素化生成物
はすべて出発C7〜C9炭化水素より高温で沸騰する。従っ
て生成物は蒸留により未反応フィード留分から分離する
ことができる。
可塑剤アルコールの製造に対して5〜12個の炭素原子
を含むオレフィンフィードが好ましい。これらはC6〜C
13アルデヒドに、次いでC6〜C13アルコールに転化され
ることができる。より好ましいフィードはC8〜C12オレ
フィンを含み、従ってC9〜C13アルコールを与える。最
も好ましいフィードはC10〜C12オレフィンである。その
アルコールは無水フタル酸と反応させて適当な揮発性の
ジアルキルフタラート可塑剤を生成させることができ
る。用いるアルコールの特性が直鎖であるほど、可塑化
生成物例えば可塑化PVCの低温特性が良好である。本発
明の好ましいフィードは高価値可塑剤の誘導に対する低
コストオレフィンを提供することに特有の利点がある。
界面活性剤の製造には高分子量オレフィンが通常好ま
しい。それらの分子当りの炭素数はC6〜C35の範囲にあ
る。これらのフィードはC9〜C36アルデヒドの誘導に用
いることができ、C13〜C21界面活性剤アルコールを生ず
るC12〜C21オレフィンフィードが一層好ましい。これら
のアルデヒドは水素により相当するアルコールに還元
し、または酸素により相当するカルボン酸に酸化するこ
とができる。次いでアルコールを、例えばエトキシル化
により非イオン界面活性剤に、例えばスルホン化により
アニオン界面活性剤に、およびアミノ化またはシアノエ
チル化し次いで水素化することによりカチオン界面活性
剤に、転化させることができる。
オレフィン反応物化合物 このフィードの主オレフィン反応物成分は次式(R=
ヒドロカルビル、好ましくは非枝分れアルキル)により
示されるように非枝分れIおよびII型、またはモノ枝分
れIIIおよびIV型である: I型オレフィンの濃度は好ましくは全オレフィン濃度
の30%以上である。II型オレフィンのパーセントは15%
以上である。式、R2C=CR2のV型オレフィンは実質的に
存在しない。
n−アルキル置換I型オレフィン、すなわち1−n−
オレフィン、は一般に熱分解留出物中に種々のオレフィ
ン種の中で最高の濃度に存在する。1−n−オレフィン
ヒドロホルミル化の主生成物は反応物より1個多い炭素
を有する相当するn−アルデヒドである。II型直鎖内部
オレフィンおよびIII型モノ枝分れ末端オレフィンのヒ
ドロホルミル化はモノ枝分れアルデヒド、次いでアルコ
ールを与える: IV型モノ枝分れオレフィンのヒドロホルミル化はジ枝
分れ生成物を生ずる。
特性的に、IIIおよびIV型オレフィンのアルキル分枝
は主にメチル基である。長アルキル分枝のないことがこ
れらのフィード成分のオキソ誘導体の性質の決定に重要
である。I、II、IIIおよびIV型オレフィンはこの順序
で低下する反応性を有する。従って、本発明の選択的接
触法を用いて、I型、またはI型およびII型、あるいは
I〜III型オレフィンを分子当り(平均で)1個未満の
分枝を含む生成物に選択的に転化することが可能であ
る。もちろん、最も直鎖性の生成物はI型オレフィンの
みのヒドロホルミル化により誘導されることができる。
II型直鎖内部オレフィンはまたこの方法により枝分れ
のないアルデヒドおよびアルコールに転化させることが
できる。この転化を達成するため、組合せ異性化−ヒド
ロホルミル化を行なうことができる。この方法は内部対
末端オレフィン異性化段階、次いで一層反応性の末端オ
レフィン異性体の選択的ヒドロホルミル化を用いる。例
えば3−ヘキセンの場合に次の反応が包含される: 末端オレフィンは、その一層大きい反応性のために、
その平衡濃度が内部オレフィン異性体より小さくても選
択的にヒドロホルミル化される。コバルト−ホスフィン
錯体基触媒系は異性化およびヒドロホルミル化反応の結
合に対して殊に有効である。
Co/H2合成ガスフィード このフィードのオレフィン成分をヒドロホルミル化す
る反応物ガスとして、H2とCOとの混合物を、好ましくは
1〜2:10〜1の範囲内の比で用いることができる。1〜
2の比が好ましい。高級オレフィンを反応させるとき、
全反応容器圧の大部分はH2およびCOの圧力である。高H2
/CO圧、殊に高CO圧、が通常触媒系を安定化する。COは
配位子として遷移金属に対する配位に対し硫黄化合物配
位子と競合し、金属カルボニル錯体触媒を形成する。一
酸化炭素の分圧は異なる安定性および選択性の触媒錯体
間の平衡に影響を及ぼす。従って、それはまた直鎖およ
び枝分れ生成物の比(n/i)並びに副反応例えば水素化
の程度に影響を及ぼす。
高CO分圧は高圧コバルトヒドロホルミル化の所望カル
ボニル錯体触媒の形成および安定化に殊に重要である。
それらはフィードの硫黄含有成分による失活に対して触
媒錯体を安定化する。好ましい運転において、活性触媒
系は低H2/CO比で生成される。その後触媒は増加H2/CO比
で運転される。
アルデヒドおよびアルコール生成物のn/i比に対するC
O分圧の効果は三価リン配位子、殊にホスフィン類のロ
ジウム錯体の存在下に殊に重要である。ホスフィン配位
子はロジウムに対するCO配位子の強度を増加する。従っ
て、触媒錯体の安定化に対する高いCO分圧の必要が低下
される。高CO分圧はCOによるホスフィン配位子の高置換
を生じ、すなわちロジウム錯体が低いn/iを生ずる。高n
/i比の生成物を生成させるためにはRh当り単に1個のCO
を含むロジウム錯体が好ましい。従って、この場合にCO
の分圧は、好ましくは500psi以下である。
触媒錯体および選択的フィード転化 このヒドロホルミル化法において使用に適する触媒
は、好ましくはFe、Co、Rh、IrおよびOsの群から選ばれ
る遷移金属カルボニル錯体を含む。より好ましい遷移金
属はロジウム、コバルト、ルテニウムおよびイリジウム
である。ロジウムおよびコバルト錯体が最も好ましい。
触媒の好ましい群は水素化遷移金属カルボニルからな
る。これらの錯体のカルボニル配位子の若干は三価リ
ン、三価窒素、トリオルガノアルシンおよび三価硫黄化
合物のような配位子により置換されることができる。三
価リン配位子、殊にトリオルガノホスフィン、および亜
リン酸エステルが好ましい。
好ましいトリオルガノホスフィン配位子には置換およ
び不置換トリアリールホスフィン、ジアリールアルキル
ホスフィン、ジアルキルアリールホスフィンおよびトリ
アルキルホスフィンが含まれる。これらのホスフィン類
は部分または完全開鎖あるいは環式、直鎖または枝分れ
であることができる。それらは種々の置換基、例えばオ
スワルド(Oswald)ほかにより米国特許第4,669,809号
に開示されたもの、を有することができ、該特許がこゝ
に参照される。
一般に、本発明の安定な、しかし直接活性でない触媒
錯体は配位的に飽和された水素化遷移金属カルボニルで
ある。それらには水素化金属カルボニルクラスターが含
まれる。Co、RhおよびIrの場合に、それらは式: LpM(CO)qH (式中、Lは配位子、好ましくはP、NまたはAs配位
子、であり、Mは遷移金属であり、pは0〜3であり、
qは1〜4であってp+q=4である) のものである。これらの錯体はLおよび(または)CO配
位子解離、 により触媒的に活性な配位不飽和化合物を生ずる。
本発明の硫黄含有オレフィンフィードの存在下に、CO
および(または)他の配位子の若干がヒドロホルミル化
中に適当な硫黄配位子と交換されることができる。
錯体触媒の好ましい亜属は一般式: (R3P)xRh(CO)yH (式中、RはC1〜C30不置換または置換アルキルであり;
xは2または3であり、yは1または2であって、x+
yは4である) の五配位水素化トリアルキルホスフィンロジウムカルボ
ニルからなる。アルキル基は同一かまたは異なり;直鎖
または環式、置換又は不置換であることができる。触媒
錯体のトリアルキルホスフィンロジウムカルボニル錯体
亜属は過剰のトリアルキルホスフィン配位子の存在下に
低圧でも顕著な熱安定性を示す。従って、それは140〜2
00℃の温度で100〜1000psiの範囲内の圧力下に有利に使
用できる。この型のトリ−n−アルキルホスフィン錯体
はI型オレフィンの選択的ヒドロホルミル化に使用でき
る。
一般に、低立体要求のリン配位子例えばトリ−n−ア
ルキルホスフィンおよびn−アルキルジアリールホスフ
ィンはロジウム触媒ヒドロホルミル化においてI型オレ
フィンから誘導された高n/i生成物比を生ずることがで
き、これは触媒系中の高P/Ph比およびCOの低分圧を必要
とする。
α−または(および)β−炭素上に枝分れを有するト
リアルキルホスフィンは高立体要求を有する。それらは
II型およびIII型オレフィンに対して高い反応性を有す
る構造の触媒錯体を形成する傾向がある。例えば、α−
枝分れトリシクロヘキシルホスフィンおよびβ−枝分れ
トリ−i−ブチルホスフィン、 はこの型の魅力的触媒配位子である。これらの触媒は高
活性であるけれども、高n/i生成物比を与えない。
ロジウムに対するリン配位子の他の好ましい型は低立
体要求のアルキルジアリールホスフィンからなる。これ
らの配位子の水素化トリス−ホスフィンロジウムカルボ
ニルは使用中のヒドロホルミル化触媒安定性および高n/
i生成物比に対する選択性の望ましい組合せを示す。
一般に、ホスフィンロジウムカルボニル錯体の水素化
活性は比較的低い。従って、これらの錯体の存在下に、
ヒドロホルミル化のアルデヒド生成物を、殊に低温で多
量のアルコールおよび(または)パラフィンを形成しな
いで高選択率で製造できる。
適当な触媒錯体の他の金属は式、 (R3P)uCo(CO)vH (式中、Rは好ましくは前記のようなC1〜C30アルキル
であり、uは1または2であり、vは2または3であっ
て、u+vは4である) の五配位水素化トリアルキルホスフィンコバルトカルボ
ニルである。トリ−n−アルキルホスフィン配位子は、
それらがこの分解フィードの1−n−オレフィンおよび
直鎖内部オレフィン成分をヒドロホルミル化するときに
ノルマルアルコール生成物の生成に高選択性を与えるの
で、これらのコバルトホスフィン触媒中で殊に有利であ
る。トリ−n−アルキルホスフィン配位子にはn−アル
キル置換基がリンを含む環式構造の部分であるもの、例
えば、 が含まれる。これらの触媒を用いるときに高温で運転す
ることが好ましい。従って、好ましい温度は500〜4500p
siの圧力で160〜200℃である。より好ましい圧力範囲は
1000〜3000psiである。1000〜2000psiの範囲の低中位圧
力が最も好ましい。
触媒の他の亜属はリン配位子を含まないコバルトカル
ボニル錯体により示される。これらの触媒には二コバル
トオクタカルボニルおよび水素化テトラカルボニルコバ
ルト: Co2(CO)8およびCo2(CO)4H が包含される。後者の化合物は触媒活性種の直接前駆物
質であると思われる。コバルトカルボニル触媒はヒドロ
ホルミル化中に2000〜6000psi(136〜408atm)の範囲内
の高CO/H2圧により安定化される。それらは、好ましく
は100〜180℃の温度範囲内で使用される。I型オレフィ
ンの選択的転化に対し145℃までの低い温度が使用され
る。
上記コバルトカルボニル錯体はコバルトまたはコバル
ト塩とCOおよびH2との反応により発生させることができ
る。カルボン酸コバルトをコバルトカルボニル触媒前駆
物質の発生に対する反応物として用いることは殊に有利
である。
コバルト触媒ヒドロホルミル化が終ると、コバルトカ
ルボニル錯体はCo0、すなわち金属コバルト、またはCo
2+例えばコバルトギ酸塩または酢酸塩、に転化される。
酢酸コバルトへの転化は熱水性酢酸および分子酸素(空
気)で有利に行なうことができる。これは水相中のコバ
ルトの回収を可能にする。酢酸コバルトは次いで油浴性
高分子量カルボン酸塩に転化して回収することができ
る。コバルト回収および再循環の種々の方法のより広範
な説明に対しファルブ(Falb)の文献の162〜165頁が参
照される。
高硫黄フィードを用いる本発明の高圧コバルト触媒反
応において二コバルトオクタカルボニルは次の図式によ
り示されるように、部分硫黄配位子置換成分に転化され
る: これらおよび類似の錯体およびそれらの水素化誘導体
は二コバルトオクタカルボニルおよび水素化テトラカル
ボニルコバルトとの平衡を形成する。生じた触媒系は硫
黄を有し、または有しない活性触媒を与える。硫黄含有
種はまた不溶性、従って不活性CoSを生ずることができ
る。この方法の条件、殊にCO分圧はCoS形成を抑制する
ように設定される。
一般に、本発明の遷移金属錯体ヒドロホルミル化触媒
はアルデヒドおよび(または)アルコールへの所望オレ
フィン転化の達成に有効な量で使用される。触媒濃度
は、典型的には高硫黄含量のフィードを用いるこの方法
において純オレフィンフィードを用いる他の類似の方法
におけるより高い。遷移金属濃度は0.001〜5%の範囲
内であることができる。より好ましい濃度は主に用いる
金属による。コバルト濃度は0.01〜5%、好ましくは0.
01〜5%、より好ましくは0.05〜1%の範囲内にある。
ロジウム濃度は約0.001〜0.5%の範囲内にある。最適触
媒濃度を決定する他の因子はフィードのオレフィンの濃
度および型、並びに所望のオレフィン転化率である。1
−n−オレフィンは一般に最も反応性である。枝分れオ
レフィンの完全な転化には高い触媒濃度が必要である。
リン、窒素およびヒ素含有触媒配位子は過剰に使用さ
れる。高過剰配位子濃度は触媒錯体に対する安定化効果
を有する。殊にリン配位子の場合に、最低3対1の配位
子対遷移金属比を用いることが好ましい。ホスフィンロ
ジウム錯体の場合には最低P/Rh比は好ましくは10以上で
ある。P/Rh比は1000程度に高いことができる。硫黄含有
配位子はフィード中に与えることができる。
P−、N−およびAs−含有配位子、殊にオレフィン配
位子は高い触媒安定性および直鎖生成物形成に対する選
択性を生ずる。同時に、活性が通常低下する。従って、
金属対配位子比の選択は触媒安定性、選択性および活性
の所望のバランスに依存する。S含有配位子はこの方法
のアルデヒド選択性を改善できる。
高圧低温度コバルト触媒ヒドロホルミル化 安定化性添加配位子例えばホスフィン類の存在しない
高圧コバルト触媒ヒドロホルミル化は、好ましくはヒド
ロホルミル化中のアルデヒド生成物のアルコールへの還
元およびアルデヒドのアルドール二量化が低下する180
℃以下の低温度で行なわれる。
アルデヒド一次生成物は一般に半直鎖特性のものであ
る。直鎖n−アルデヒドは生成物中に存在する最大のシ
ングルアルデヒドである。水素化のアルコール生成物の
直鎖性は、もちろん親アルデヒド混合物の直鎖性により
決定される。アルデヒド生成物の直鎖性は次に主にこの
方法の特有フィード並びに触媒および転化条件に依存す
る。次にアルデヒド生成物混合物がさらに、殊にコバル
ト触媒ヒドロホルミル化に対して確認される。
主要型のアルデヒドはn−アルデヒド、2−メチル枝
分れアルデヒドおよび3−メチル枝分れアルデヒドであ
る。残余のアルデヒドの多くは2−エチルまたはより高
級のn−アルキル枝分れアルデヒドである。一般に、ノ
ルマル、2−メチルおよび3−メチル枝分れ生成物が、
好ましくは全体の40%以上を示す。
低温度、100〜145℃、でこのフィードの主要成分のI
型オレフィンは、より低い反応性の内部II型オレフィン
に有効に異性化されない。従って、最も反応性の末端I
型オレフィンの高い濃度が維持される。さらに低温度が
I型オレフィンのヒドロホルミル化生成物の高いn/i比
に有利である: 従って、低温度の使用がこの方法の所望n−アルデヒ
ドおよび2−メチル置換i−アルデヒド生成物への選択
性を最大にした。II型直鎖内部オレフィンに対して2−
メチル、2−エチル、2−プロピルなどの置換アルデヒ
ドが次の図式(R=C1〜C31アルキル)により示される
ように低下する濃度で形成される: ノルマルおよび2−アルキル置換i−アルデヒドのこ
の生成物分布がこの方法の特徴であることがコンバイン
ドGC/MS研究により立証された。
3−メチル置換アルデヒドはフィードのIII型オレフ
ィン成分の大部分を構成する2−メチル−1−オレフィ
ンから誘導される。2−メチル−1−オレフィンの若干
は内部、メチル枝分れIV型オレフィンに異性化され、他
の異性体メチル枝分れアルデヒドを、例えば次のように
生ずる: 低温度コバルト触媒法はそれらのオレフィン前駆物質
より1個多い炭素を有するアルデヒドに対する高選択性
を生ずる。アルデヒド生成物のわずかなアルドール付加
がそのようなヒドロホルミル化の間に生ずる。従って、
主にアルドール縮合生成物からなるいわゆる二量体副生
物は最少である。同様に、アセタールおよびアルドール
付加物のティチェンコ(Tischeko)反応の生成物からな
る三量体の量が低下される。
低温度運動の混在的不利益はII型およびIII型、殊にI
II型オレフィンの比較的低い反応性である。これは低温
度支配期間中のI型オレフィンのヒドロホルミル化およ
び高温度支配期間、145〜180℃中のIII型オレフィンの
ヒドロホルミル化を含む段階運転で克服することができ
る。
低温度運転はI型オレフィンの高直鎖性アルデヒドへ
の選択的転化に有効に使用できる。低温度で一次アルデ
ヒド生成物の相当する二次アルコール生成物への水素化
は些少である。従って、アルデヒドを分離し、有用な化
学中間体として種々の反応に利用できる。
この方法の条件下に、フィードのオレフィン成分の所
望ヒドロホルミル化がチオフェン芳香族硫黄化合物の有
意な転化なく選択的に生ずる。脂肪族硫黄化合物、殊に
チオールおよびジスルフィド成分は、おそらく硫化水素
を経由して一連の転化をする。無極性毛管GCカラムを用
いる反応混合物の硫黄特異ガスクロマトグラフィ(SG
C)により、形成された微量硫黄化合物の大部分がアル
デヒド生成物沸騰範囲以上であることが示された。GC/M
Sにより、これらの硫黄化合物がチオールエステルおよ
びアルキルスルフィドであったことが見出された。それ
らのアルキル基はオレフィン反応物より1個多い炭素を
有した。これは、それらがおそらくアルデヒド生成物か
らそれぞれチオールおよびH2Sとの次の反応を経て誘導
されたことを示した。
2 RCHO + RSH → RCOSR + RCH2OH 2 RCHO + H2S + 2H2 → (RCH2)2S ヒドロホルミル化反応混合物は長時間放置するとさら
に反応した。これはアルデヒド範囲内で沸騰する若干の
ものを含む有意量の高沸点硫黄化合物の形成を生じた。
低硫黄含量のアルデヒドおよび誘導体を得るために、反
応混合物をコバルト除去後あまり遅延せず蒸留すること
が好ましい。
コバルト存在下のヒドロホルミル化−アセタール化 低温度、高圧コバルト触媒ヒドロホルミル化は添加C1
〜C6モノアルコール、ジオールまたはトリオール例えば
メタノール、エタノール、1,6−ヘキサンジオール、グ
リセリンの存在下に有利に行なうことができる。好まし
くは過剰に用いたこれらの低級アルコールの存在下に、
ヒドロホルミル化のアルデヒド生成物はコバルトカルボ
ニル錯体により触媒されてジアセタールを形成する。高
分子量のアルコールを用いるほど高沸アセタールが形成
される。コバルト触媒の除去後、これらは分解留出物フ
ィードの反応した成分から分留により容易に除去され
る。その後アセタールは添加水の存在下に水素化されて
一般反応図式: により示されるように相当するアルコールを生ずる。添
加低級アルコールは水溶性コバルト錯体を形成し、従っ
てまた、そのように組合せたヒドロホルミル化アセター
ルは化反応後のコバルト触媒の除去を容易にする。
他の配列の運転において、ヒドロホルミル化を、添加
アルコールの存在なく、また化学量論量未満の存在下に
行ない反応容器容積を最小にすることができる。次いで
追加量のアルコールをヒドロホルミル化後の反応混合物
に加えてアセタール化を終らせる。
添加アルコールの使用は触媒系の安定性および反応速
度を増大する。速やかなアセタール形成のためにアルデ
ヒド反応生成物の他の二次反応例えばアルドール化が抑
制される。アセタール誘導体を生成させる他の主要利点
はそれらの分離が容易なことである。蒸留中の加熱でア
ルドール化するアルデヒドとは対照的に、本発明のアセ
タールは分留により有意な収率減なく分離することがで
きる。
本発明のヒドロホルミル化−アセタール化法には前記
フィードを初めにCOおよびH2と前記のヒドロホルミル化
条下に反応させることが含まれる。次いでアルデヒド生
成物をC1〜C6アルコールと15〜250℃の温度および0〜5
000psigの圧力で前記ヒドロホルミル化の間および(ま
たは)後に反応させる。アセタール化をヒドロホルミル
化後に行ないまたは終らせるならば、条件は一層穏やか
であり、好ましくは大気圧で室温〜100℃の範囲内であ
る。
ヒドロホルミル化−水素化 ヒドロホルミル化のアルデヒドおよびアルデヒドプラ
スアルコール生成物は通常水素化によりアルデヒドを実
質的に含まないアルコールに還元される。水素化触媒
は、好ましくは、第VIII族金属好ましちはコバルト、モ
リブデン、ニッケルおよびタングステンを基にした硫黄
耐性不均一組成物である。硫化コバルトおよび硫化モリ
ブデンが殊に好ましい。それらは好ましくは液相におい
て、約50〜250℃好ましくは120〜220℃の温度および50
〜6000psi(3.4〜408atm)、好ましくは300〜4000psi
(204〜272atm)で使用される。
本発明のアルデヒド混合物の水素化は可変温度で有利
に行なわれ、n−アルデヒドが初めに、i−アルデヒド
に必要な温度より低い温度でアルコールに還元される。
n−アルデヒド成分は高反応性であり、高温で低有用性
のn−パラフィン副生物およびアルドール縮合−水素化
生成物に転化される。2−アルキル枝分れアルデヒドは
それらの所望アルデヒドへの還元に一層高い温度を必要
とするが、しかしパラフィンおよびアルドール副生物を
形成する傾向が少ない。従って、CoS/MoS2基触媒の存在
下のこのアルデヒドに対する好ましい選択的水素化法は
130〜190℃の温度範囲内においてn−アルデヒド成分の
大部分を水素化し、次いで残余のアルデヒドを170〜220
℃で水素化することを含む。もちろん、用いる温度はま
た用いる触媒および反応時間に依存する。大部分の水素
化が連続的方法で行なわれるので、時間基準液空間速度
は水素化における他の重要な因子である。
所望アルコール生成物の収率を増加させるために、水
素化は少量の、好ましくはアルデヒド反応物を基にして
1〜10%の水の存在下に行なわれる。水の上部水準は触
媒の感受性により制限される。水は水素化中のアルデヒ
ド二量体の形成を抑制し、ヒドロホルミル化の二量体、
三量体およびギ酸エステル副生物のアルコールへの転化
を容易にする。
このアルデヒドフィードの水素化は芳香族硫黄化合
物、チオフェン類およびベンゾチオフェン類に影響を与
えない条件下に行なわれる。好ましい運転において、コ
バルトヒドロホルミル化触媒が除去され、コバルトを含
まないヒドロホルミル化混合物が蒸留され、未反応炭化
水素および芳香族硫黄化合物が分離される。生じたアル
デヒド留出物またはアルデヒド蒸留残留物が次に水素化
される。
反応混合物の硫黄特異GC分析により、意外にもアルデ
ヒド沸騰範囲の硫黄化合物の大部分が水素化中にアルデ
ヒド二量体誘導体範囲の揮発性の少ない誘導体に転化さ
れることが見出された。従って、次の分留により実質的
に硫黄を含まないアルコールを得ることができた。
アルデヒド生成物の硫黄含量によって、種々の硫黄感
受性の触媒を使用できる。そのような触媒組成物にはH2
またはCOにより還元されたCuOおよびZnOが包含される。
低炭素数のC5〜C10アルデヒドの還元には液相よりはむ
しろ気相水素化法を使用することができる。
連続ヒドロホルミル化 この方法を運転する好ましい方式は明らかに回分式よ
りはむしろ連続式である。しかし、連続および回分式の
反応条件は同様である。連続ヒドロホルミル化は1個の
反応器または一連の反応器中で、生成物および未反応フ
ィード成分からの触媒の種々の分離法を用いて行なうこ
とができる。かくはん、充填およびプラグ流反応器を用
いて行なうことができる。反応物は連続的に導入され
る。
添加した安定化配位子(例えば不揮発性ホスフィン)
が使用されるとき、生成物および未反応フィードをフラ
ッシュ蒸発により触媒から分離することができる。低圧
ヒドロホルミル化において反応容器からの直接生成物蒸
発分離を用いることができる。高圧においては再循環蒸
発分離方式の運転が好ましい。この後者の方法には反応
器からの液体反応混合物の連続的移動が包含されよう。
この液体は次に減圧され、大気圧または減圧でフラッシ
ュ蒸発される。触媒の残留溶液は次いで反応器に返すこ
とができる。親水特性の安定化配位子もまた炭化水素よ
りは水河溶性の遷移金属錯体にするのに用いることがで
きる。これは、かくはんした水−炭化水素フィード混合
物中の二相触媒作用並びに次の触媒水溶液の分離および
反応混合物への返還を可能にする。
安定化配位子のないときに、反応混合物は反応器およ
び水溶性の、通常不活性形態に化学的に転化された遷移
金属カルボニル錯体触媒から連続的に抜とることができ
る。水溶液の分離後遷移金属化合物は活性触媒の前駆物
質に再び転化され、次いでそれが反応器へ再循環され
る。
種々の反応器配列を連続反応器中のオレフィン反応物
の最適転化のために使用できる。例えば互いに連結した
反応器に異なる触媒系を使用できる。第1反応器は1−
n−オレフィンを選択的に転化し、直接生成物蒸発分離
を用いるホスフィン−ロジウム錯体触媒を用いる。これ
は、直鎖内部オレフィンを異性化−ヒドロホルミル化に
より転化するホスフィンコバルト錯体触媒を入れた第2
反応器に連結することができる。あるいは、コバルト単
独を第1反応器に、次いでホスフィンコバルト錯体を用
いることができる。
ヒドロホルミル化−アルドール化 この方法の他の変形は生成物アルデヒドのアルドール
化である。塩基の存在下のヒドロホルミル化プラスアル
ドール段階と次の水素化段階でCn+2オレフィンをC2n+6
アルデヒドおよびアルコールに転化する。これはI型オ
レフィンの例により次の一般図式中に示される。
式中、ヒドロホルミル化のシングルn−アルデヒド生
成物は「n−アール」であり、アルドール化の熱不安定
一次生成物は「n−ヒドロキシアナール」であり、アル
ドール化から生じた不飽和アルデヒドは「n,n−エナー
ル」であり、選択的に水素化した飽和アルコールは「n,
n−アナール」であり、最後の水素化した飽和アルコー
ルは「n,n−アノール」である。n,n−接頭辞はアルドー
ル化合物の両セグメントが水素化の未満、すなわちノル
マル、生成物から誘導されることを示す。
ヒドロホルミル化の水素化飽和アルコール生成物はま
たヒドロホルミル化の一次アルデヒド生成物から生じた
アルコールのゲルベ(Guerbet)反応、例えば、 により誘導することができる。
ゲルベ反応または塩基および金属触媒転化である。そ
れは高温で水縮合生成物の除去と同時に行なわれる。
アルデヒド生成物混合物の少量のイソアルデヒド成分
はまたノルマルアルデヒドとのいわゆるクロスアルドー
ル反応で転化させることができる: 上記クロスアルドールプロセスの速度は単純アルドー
ル化より遅い。しかし、クロスアルドール化の相対速度
は温度上昇およびn/iアルデヒドの低下で増加する。後
者は反応混合物に対する過剰のi−アルデヒドの添加に
より達成することができる。
アルドール化段階はアルデヒド生成物中間体の塩基触
媒の存在下の縮合により別個に行なうことができる。ヒ
ドロホルミル化およびアルドール化プラス水素化は前記
遷移金属錯体基触媒プラス塩基アルドール化触媒の存在
下にヒドロホルミル化を行なうことにより組合せること
ができる。
組合せヒドロホルミル化−アルドール化の好ましい方
式は水素化トリアルキルホスフィンロジウムカルボニル
プラス過剰トリアルキルホスフィンヒドロホルミル化触
媒系プラス塩基アルドール化触媒例えば水酸化カリウム
の存在下に行なわれる。
この組合せヒドロホルミル化−アルドール化法を好ま
しい均質液相で行なうには溶媒の選択が重要である。好
ましい溶媒は反応系の多様の成分をすべて溶解する。従
って、無極性オレフィン反応物および極性カセイ触媒並
びに水副生物に対する溶解力が重要である。アルコー
ル、殊にヒドロカルビルオキシエチルアルコール、は優
秀な選択物である。それらは式、 J(OCH2CH2)jOH (式中、J=C1〜C4アルキル、好ましくは第一級アルキ
ル、最も好ましくはメチル、C6〜C10置換又は不置換フ
ェニル、好ましくはフェニル、であり、jは1〜8、好
ましくは3〜8である) のものであることができる。望ましい溶媒にはメトキシ
トリグリコール、CH3(OCH2CH2)3OH、およびフェノキシ
エタノール、PhOCH2CH2OH、が含まれる。一般に、比較
的無極性のヒドロカルビルセグメントJと高極性オリゴ
(−オキシエチル)アルコールセグメントとの重量比が
反応混合物の無極性対極性成分の相対溶媒力を決定す
る。従って、この型の溶媒は、この方法の任意の特定適
用に対して容易に最適化されることができる。
連続的な組合せヒドロホルミル化−アルドール化法に
おいて、生成物の蒸発分離は、アルドール縮合生成物の
高い沸点のために実現が一層困難である。従って、直接
生成物蒸発分離は一般に容易でない。再循環蒸発分離、
水性触媒分離および化学的触媒回収が好ましい。アルド
ール縮合生成物の高沸点のために、分留による留出物フ
ィードの未反応成分からの分離が容易になされる。従っ
て、広い炭素範囲の留出物フィードが分留によるアルド
ールアルデヒドまたはアルドールアルコールの分離に適
する反応混合物を与えることができる。
高いアルドール化速度が組合せ法に達成できるので、
容易に反応パラメーターを調整して不飽和または飽和ア
ルデヒドを主生成物として与えることができる。短い反
応時間および低い、好ましくは50%以下、のオレフィン
転化率、プラス高塩基濃度が不飽和アルデヒドに対して
有利である。しかし、一般に飽和アルドール縮合生成物
が望まれる。もちろん、これは有利な高転化生成物であ
る。
このトリアルキルホスフィンロジウム錯体ヒドロホル
ミル化触媒の改良された熱安定性のために、アルドール
縮合生成物を触媒に影響を与えないで蒸発分離または蒸
留することができる。しかし、強塩基は系の熱安定性に
対して不利な影響を有する。これらは蒸留前に除去する
かまたは弱塩基アルドール化触媒例えばアミンおよびシ
ッフ(Schiff)塩基で代えることができる。例えば塩基
性イオン交換樹脂は濾去することができる。公知の適用
可能なアルドール化触媒は、モノグラフ「有機反応(Or
ganic Reactions)」、コープ(Cope)ほか編、ワイリ
・アンド・サンズ社(wiley & Sons,Inc.New York,N.
Y.)発行、1968、の16巻、1章が参照される。
強有機塩基、すなわちアルカリ水酸化物アルドール化
触媒の好ましい濃度は低く、約0.01〜1%、好ましくは
0.05〜0.5%である。もちろん、小カセイ濃度は反応系
の安定性に対する不利な影響が少ない。
アルデヒド生成物および誘導体 このヒドロホルミル化法、殊に高圧コバルト触媒反
応、はアルデヒドの特有半直鎖性混合物を生ずる。ヒド
ロホルミル化フィード中に見出されたオレフィンの特定
混合物のために、他の方法で経済的に製造できないアル
デヒドの混合物を現在得ることが可能である。本発明の
アルデヒド生成物は有用な化学中間体である。それらは
容易にアルコール、アセタール、カルボン酸およびアミ
ンに転化させることができる。これらの混合物並びにそ
れらのエステル可塑剤およびエトキシル化界面活性剤誘
導体の性質は異なり、望ましい。それらは、それらのア
ルデヒド前駆物質の半直鎖性特性を反映する。
半直鎖性アルデヒド組成物は分子当り1個未満の分枝
を有する。それらは、好ましくは分子当りC5〜C21、よ
り好ましくはC7〜C21、最も好ましくはC9〜C18炭素原子
を有する。それらは好ましくはそれらの主要成分である
15〜50重量%のノルマルアルデヒドを含む。他の有意成
分は3〜20%の3−メチル枝分れアルデヒドおよび3〜
20%の2−メチル枝分れアルデヒドである。これらの成
分は、好ましくは全体の40%以上、より好ましくは50%
以上を構成する。高級半直鎖性C7〜C21アルデヒドはま
た好ましくは3〜20%の2−エチルおよびより高級のn
−アルキル枝分れ成分を含む。
半直鎖性C5〜C15アルデヒドの混合物は、それらを有
利な低温特性を有するエステル可塑剤の製造に適する中
間体にするアルキル部分を有する。同様に、半直鎖性C
10〜C21アルデヒドの類似混合物は、それらを適当な生
分解性を有する界面活性剤に適する中間体にするアルキ
ル部分を有する。
このアルデヒド混合物の形成を生ずる反応は前に記載
した。鍵アルデヒド成分の構造およびパーセントは次表
により示される: 好例のアルデヒド混合物は、分子当り1個未満の分枝
を有し、15〜50%のノルマルウンデカナール、3〜20%
の3−メチルウンデカナールおよび3〜20%の2−メチ
ルウンデカナールを含み、前記C11アルデヒドが合せて
全体の40%またはそれ以上を構成する半直鎖性異性体C
11アルデヒドである。他の好例の組成物は分子当り1個
未満の分子を有し、15〜50%のノルマルトリデカナー
ル、3〜20%の3−メチルドデカナールおよび3〜20%
の2−メチルドデカナールを含み、前記C13アルデヒド
が合せて全体の40%またはそれ以上を構成する半直鎖性
異性体C13アルデヒドである。パーセントは重量であ
る。
それらのオレフィン性フィード前駆物質の高硫黄含量
にもかゝわらず、このアルデヒド混合物は好ましくは低
硫黄含量である。それらは1000ppm以下、より好ましく
は200ppm以下の硫黄を有する。主に同炭素数の異性体ア
ルデヒドを含む狭い沸騰範囲の蒸留したアルデヒド混合
物は好ましい低硫黄組成物である。
このアルデヒド混合物の誘導体の好ましい型は相当す
る第一級アルコール混合物である。それらは分子当り1
個未満の分枝を有し、15〜50%のノルマルアルコール、
3〜20%の3−メチル枝分れアルコールおよび3〜20%
の2−メケル枝分アルコールを含む半直鎖性C5〜C21
ルコール混合物を含む。C7〜C21アルコールはまた好ま
しくは3〜20%の2−エチルおよびより高級の2−アル
キル枝分れアルコールを含有する。これらのアルコール
成分およびそれらの重量パーセントは次表の式により示
される: これらのアルコール混合物の好ましい亜群はそれらの
アルデヒド前駆物質の亜群と同様である。上記III型の
成分は好ましくは、全体の40%以上、好ましくは50%以
上を構成する。半直鎖性C5〜C15第一級アルコール混合
物は有利な低温特性を有するエステル可塑剤を与える。
同様に、C10〜C21アルコールは生分解性界面活性剤の中
間体である。
好例のアルコール混合物は分子当り1個未満の分枝を
有し、15〜60%のノルマルノナノール、3〜20%の3−
メチルオクタノールおよび3〜20%の2−メチルオクタ
ノールを含み、前記C9アルコールが全アルキル基の40%
またはそれ以上を構成する。同様に、異性体第一級C7
ルコール混合物は分子当り1個未満のアルキルを分枝有
し、15〜60%のノルマルヘプタノール、3〜20%の3−
メチルヘキサノールおよび3〜20%の2−メチルヘキサ
ノールを含む。前記C7アルコールはまた全体の40%また
はそれ以上を構成する。
このアルコールを基にした可塑剤エステルは一、二お
よび三塩基カルボン酸並びにリン酸例えばリン酸、亜リ
ン酸およびホスホン酸の中性アルキルエステルである。
平均でそれらのアルキル基は1個未満のアルキル分枝を
有し、15〜50%のノルマルアルキル、3〜20%の3−メ
チル枝分れアルキルおよび3〜20%の2−メチル枝分れ
アルキル基を含み、合せてそれらは好ましくは全体の40
%以上を示す。
この可塑剤組成物の好例のかつ好ましい型は安息香酸
アルキル、フタル酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキ
ル、トリメリト酸トリアルキル、リン酸トリアルキル、
亜リン酸トリアルキル、ベンゼンホスホン酸ジアルキル
である。
このアルコールの最も好ましい可塑剤エステル誘導体
はジアルキルフタラートエステルである。それらはC5
C15アルコール混合物と無水フタル酸との公知方法によ
る反応により製造される。これらのエステルの2アルキ
ル基は平均1個未満のアルキル分枝を有し、15〜50%の
ノルマルアルキル、3〜20%の3−メチル枝分れアルキ
ル、3〜20%の2−メチル枝分れアルキル部分を含む。
それらは合せて、好ましくは全体の40%またはそれ以上
を示す。
本発明の好ましい好例のフタラートエステルは平均1
個未満のアルキル分枝を有し、15〜50%のノルマルトリ
デシル、3〜20%の3−メチルドデシルおよび3〜20%
の2−メチルドデシル基を含み、前記トリデシル基が合
せて全体の40%またはそれ以上を示すトリデシル基を有
するジトリデシルフタラートである。
本発明の半直鎖性アルコールの可塑剤エステルは熱可
塑性樹脂、殊にビニル樹脂、の可塑化に使用できる。適
当な樹脂には塩化ビニルモノマーから誘導されたPVC樹
脂、並びに塩化ビニルおよびそれと共重合できる他のモ
ノ−およびジ−オレフィン性不飽和モノマーのコポリマ
ーが含まれる。可塑剤はまた、例えばポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ塩
化ビニリデン、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸
メチルおよびポリメタクリル酸メチルを含む他のポリマ
ーまたはそれらの混合物とともに使用できる。ハロゲン
化ビニル例えばポリ塩化ビニルおよびハロゲン化ビニル
のコポリマー例えば少くとも70重量%のハロゲン化ビニ
ル例えば塩化ビニルを含むものが好ましい。可塑剤は有
効可塑化量で、一般に重量で樹脂100部当り可塑剤約1
〜200部(phr)、好ましくは10〜100phrで使用される。
本発明のエステルを含む可塑化樹脂は優れた低温たわみ
性、高温安定性および低い揮発度を示す。
この半直鎖性C6〜C12アルコールのモノカルボン酸の
エステルの若干、殊に酢酸エステルはまた溶媒として有
用である。これらのエステルのアルキル基もまた分子当
り1個未満の分枝を有し、15〜50%のノルマルアルキ
ル、3〜20%の3−メチル枝分れアルキルおよび3〜20
%の2−メチル枝分れアルキル基を含む。
本発明の半直鎖性C8〜C21第一級アルコールはエトキ
シル化および(または)プロポキシル化非イオン界面活
性剤に対する魅力的中間体である。このアルコールか
ら、またはそのエトキシル化および(または)プロポキ
シル化誘導体から誘導された硫酸塩化またはスルホン酸
塩化界面活性剤はアニオン特性のものである。これらの
アルコールの好ましいカチオン界面活性剤は第一級、第
二級および第三級アミン、エトキシル化および(また
は)プロポキシル化第三級アミン並びにそれらの第四級
アンモニウム誘導体、殊にそれらのアンモニウム形態で
ある。アルコール前駆物質の半直鎖性アルキル部分は3
種類の界面活性剤すべての生分解性に有利に影響を及ぼ
す。親水性−親油性バランスのほかに、本発明の非イオ
ン、アニオンおよびカチオン界面活性剤混合物の性質は
このアルコールから誘導された半直鎖性C10〜C21異性体
主要アルキル基の存在による。
この半直鎖性アルコールの非イオン、アニオンおよび
カチオン界面活性剤は公知方法により誘導される。それ
らの誘導は次の反応図式により例示され、式中、C8〜C
21アルコール反応物の記号はRCH2OHである。
上記図式の生成物の式により示されるように、好まし
い半直鎖性界面活性剤はエトキシル化および(または)
プロポキシル化アルコールからなる非イオン界面活性剤
の群;アルキル硫酸塩、エトキシル化および(または)
プロポキシル化アルキル硫酸塩またはアルカンスルホン
酸塩からなるアニオン界面活性剤の群;アルキルアミ
ン、エトキシル化および(または)プロポキシル化アル
キルアミン、エトキシル化および(または)プロポキシ
ル化アルコキシプロピルアミン並びに前記アルキルアミ
ンおよびアルキルオキシプロピルアミンの第四級塩から
なるカチオン界面活性剤の群から選ばれ、前記界面活性
剤のそれぞれの異性体C8〜C21アルキル基は平均で1個
未満の分枝を有し、15〜50%のノルマルアルキル、3〜
20%の3−メチルアルキル、3〜20%の2−メチルアル
キル並びに3〜20%の2−エチルおよびより高級のn−
アルキル基を含み、合せて全体の50%以上を示す。これ
らの化合物は好ましくは完全に置換された、すなわち第
四級炭素を含まない。
この界面活性剤の好ましいサブクラスは、アルキル基
が半直鎖性であって上記のように示され、エトキシル化
部分が1〜30エトキシル単位を含むエトキシル化高級C8
〜C21、好ましくは高級C12〜C16アルコールのものであ
る。これらのエトキシル化半直鎖性アルコールは相当す
るエトキシル化枝分れおよび直鎖アルコールとよく比較
される。それらは直鎖誘導体より良好な湿潤剤である。
実際的見地からそれらの生分解性はより高価な直鎖化合
物と同程度である。
特に好ましいので、非イオン界面活性剤は異性体トリ
デシル基が上記のように示される1〜30エトキシ単位を
含む半直鎖性異性体エトキシル化トリデシルアルコール
である。
本発明の半直鎖性C8〜C21アルデヒドはまた界面活性
剤の製造に有利に使用できる。アニオン型のカルボン酸
界面活性剤はこれらのアルデヒドまたはそれらのアルド
ールアルデヒド誘導体の塩基存在下の分子酸素による酸
化により製造できる。例えば、ノルマルアルデヒド成分
では次の転化が行なわれる: カチオン界面活性剤は半直鎖性アルデヒドから還元ア
ミノ化により誘導することができる。
アミンはまた熱分解オレフィン流からロジウム錯体触
媒の存在下のヒドロアミノ化、例えば、 (式中、R′はC1〜C8アルキルおよび置換アルキル例え
ば2−ヒドロキシエチルである) により直接製造することができる。
実施例 以下、実施例は特許請求するヒドロホルミル化法を例
示するために与えられ、しかし発明の限定ではない。実
施例の前に分解留出物装入原料が記載される。装入原料
の記載は存在する反応性オレフィンの構造型および量の
詳細であり、この情報は本発明の鍵要素である。その後
用いる低圧および高圧ヒドロホルミル化法および生成物
処理が略示される。次いで実際のヒドロホルミル化実験
の実施例が、用いるフィードおよび触媒による群で与え
られる。これらの実験の要約結果もまた表中に与えられ
る。
分解留出物留分のコバルト触媒高圧ヒドロホルミル化
が殊に詳細に記載される。種々の炭素数の半直鎖性アル
デヒド生成物が確認される。それらの相当するアルコー
ルへの水素化もまた示される。最後に、アルコールのフ
タル酸エステル可塑剤およびエトキシル化界面活面活性
剤への転化が論議される。可塑剤および界面活性剤性質
の若干の比較データもまた与えられる。
装入原料 次の実施例に用いた装入原料はフルードコーキングお
よびフレキシコーキングにより482〜538℃(900〜1000
°F)の温度範囲内で生成された液体留出物の留分であ
った。高温熱分解法として、フルードコーキングおよび
フレキシコーキングは減圧残油から留出物液体および残
留コークスを生ずる。フルードコーキングにおいて留出
物生成物のみが利用される。フルードコーキングおよび
フレキシコーキングの減圧残油フィードおよび熱分解段
階は等しい。しかし、フレキシコーキシコーキングはさ
らにコークスを用いて低熱価ガスを製造することにより
製油所中に統合される。フレキシコーキングは米国特許
第2,905,629号、第2,905,733号および第2,813,916号中
に開示され、それらは前に論議した。フレキシコーキン
グは米国特許第3,661,543号、第3,816,084号、第4,055,
484号および第4,497,705号中に記載され、それらが参照
される。
この高オレフィン性フィードの生成における鍵因子は
高温熱分解である。しかし、他の重要な因子は分解され
る石油残油の由来および前処理である。フィード中のn
−アルキル基の存在に依存するこのフィードの主要n−
オレフィン成分の存在が望まれる。これらのオレフィン
はn−アルキル芳香族およびパラフィンの分解および脱
水素により形成される。過去には高沸コーカー留出物の
分子構造は知られなかった。従って本発明の望ましいフ
ィードは認識されなかった。
フィードコーカー留出物フィードは北西アメリカ原油
から誘導された。フレキシコーカー留出物は南西アメリ
カおよび中東由来の混合原油から生成された。それらの
組成および異なる由来の他の分解留出物の組成と著しく
類似した。
本発明の重要な階段は好ましい留出物フィードの構造
分析および確認であった。これらのフィードが異常に複
数であるので若干の分析技術を用いた、フィードは充填
カラムおよび毛管カラムガスクロマトグラフ(GC)を用
いて分析した。毛管GCは、個々の成分を決定するために
メチルシリコーンでコートした50mまたは30m融解石英カ
ラムを装備した。硫黄化合物成分もまた二元検出系を用
いる毛管GCにより分析した。カラム流出物は等分割して
フレームイオン化検出器(FID)および硫黄特異検出器
に向かわせた。硫黄は硫黄に対し直線応答を与えるホー
ル(HallTM)電解伝導率検出器、または硫黄濃度に対し
てほゞ平方依存するヒューレット−パッカード(Hewlet
t−Packard)フレーム測光検出器により検出した。
高分解能400MHzプロトン共鳴分光計(NMR)を種々の
型の炭化水素、殊にオレフィン、の評価に用いた。
鍵フィード成分および生成物の構造はコンバインドガ
スクロマトグラフィー/質量分光測定(GC/MS)により
決定した。フィニガン(Finnigan)TSQ−46B3段四電極G
C/MS/MSを単段階方式で用いた。電子衝撃イオン化(E
I)および化学イオン化(CI)の両方を成分の確認に用
いた。EIは分子フラグメントの構造に関する情報を与え
た。それはマクラファティ(McLafferty)転位から生ず
るフラグメントを基にした2−アルキル枝分れアルデヒ
ドの構造の決定に殊に好結果であった。試薬ガスとして
アンモニアおよび重水素化アンモニアを用いるCIを成分
の分子量および化合物種類の決定に用いた。
硫黄含有イオンは関連同位体ピークの出現を基にして
確認した。34S同位体の天然存在割合は32S同位体の約4
%である。従って、32Sフラグメントに対するピークの
ほかに、2高いm/z値を有する適当な弱いピークが同位
34S部分に対して示される。
元素および金属分析法を全硫黄、メルカプタン硫黄お
よび全窒素含量の決定に用いた。
コーカーナフサ 若干のコーカーナフサ留出物の組成を昇温30および50
mカラムを用いる毛管GCにより分析した。混合物の鍵成
分はGC/MSにより、必要であれば標準の助けをかりて確
認した。
第1図の毛管ガスクロマトグラムは30mカラムを用い
てFIDおよびS検出器で得られ、フレキシコーカーナフ
サ中の炭化水素および硫黄化合物の分布を示す。
図の底部における炭化水素(および一般に有機化合
物)のGCはC6〜C10範囲中の成分の最大単型が1−n−
オレフィン(Cn =)、次いでn−パラフィン(Cn′)で
あることを示す。この比は約1.3である。この比は分解
条件、殊に温度に非常に鋭敏である。芳香族化合物中、
トルエン、キシレンおよびトリメチル−ベンゼン類がこ
の炭素範囲中の主成分である。
上部硫黄特異クロマトグラムは、存在する主要硫黄化
合物が芳香族:チオフェン、モノー、ジ−およびトリ−
メチルチオフェン、であったことを示す。少硫黄化合物
は脂肪族チオールであった。
第1図はチオフェン硫黄化合物のGC保持時間および芳
香族炭化水素成分のそれが大部分一致することを示す。
両者は、存在する主要オレフィンの沸騰範囲とは異な
る。
従って、芳香族硫黄化合物を実質的に含まない高オレ
フィン性C6、C7およびC8留出物留分を図の陰影部によっ
て示されるように分離することが可能である。これらの
留分の少量のチオール成分はセカイ洗浄により、または
それらを次に蒸留により容易に分離できる高沸化合物に
酸化的方法により転化することにより除去することがで
きる。
フルードコーカーナフサの炭化水素組成を、成分の高
分解能を与える50mカラムを備えた毛管GCで分析した。
1−n−オレフィンおよびn−オレフィンが再びその順
序における主要型の成分であった。完全クロマトグラム
は親出願の第1図により示される。
フルードコーカーナフサの相当する1−n−オレフィ
ンとn−パラフィンとの比は表Iにより示される。C6
C12範囲内でこれらの比は約1.1〜2.1の範囲内にある。
一般に、1−n−オレフィンとパラフィンとの比は炭素
数が増加すると増加する。
表Iにより要約されるように、C3〜C12範囲中に、ナ
フサは12.3%の1−n−オレフィンおよび9.8%のn−
パラフィンを含有した。従って、全体の1−n−オレフ
ィンとn−パラフィンとの比は1.25であった。
1−n−オレフィンとn−パラフィンとの比は所与熱
分解留出物が、殊にコバルト基触媒の場合に、この方法
に適するフィードであるかどうかを示す主因子である。
その比は1以上、好ましくは1.2以上であるべきであ
る。
低分解温度は低オレフィン/パラフィン比を生ずる。
例えばフルードコーキングより低い温度で行なわれるデ
ィレードコーキングは低比の留出物を与える。ディレー
ドコーカーからのナフサ留分の分析は表IIにより示され
るように平均0.3の1−n−オレフィン/n−パラフィン
比を与えた。
表Iおよび表IIのオレフィンパラフィン比を比較する
とフルードコキングがディレードコーキングより約4倍
大きいオレフィン/パラフィン比を与えることが示され
る。
ナフサの多くの成分もまた確認した。若干の例証詳細
は一定留出物留分の論議中に示される。
広範囲C13〜C12コーカーナフサ留分を還流比10で15理
論段に相当する塔を用いて分別的に蒸留し、特定炭素数
のオレフィンおよびパラフィンに富む留出物を生成させ
た。蒸留で得られた留出物留分の沸騰範囲および量は表
IIIおよびIVにより示される。存在する1−n−オレフ
ィンおよびn−パラフィン成分並びに若干の鍵芳香族炭
化炭化水素もまた示される。結果はC5〜C10範囲中に個
々の1−n−オレフィン約15.1〜29.6%を含む留出物を
生成させることができたことを示す。高沸留分の場合
に、分離が一層困難であり、従って1−ドデセンの場合
に最大1−n−オレフィンパーセントは12.7%であっ
た。C10、C11およびC12留分の分離は蒸留容器中の水の
存在により不利に影響された。これは減圧で水を除去す
ることにより排除できた。
C4〜C12ナフサおよびその選択留出物留分はまたJEOLG
X400MHz分光計を用いるプロトンNMRにより研究した。第
2図はナフサのオレフィン領域のNMRスペクトルを、オ
レフィンの種々の型のビニルプロトンに帰属する化学シ
フト領域を指示して示す。種々の型のオレフィンのオレ
フィンプロトンの定量測定値をオレフィン直鎖性の評価
に用いた。種々の炭素数のオレフィンの相対モルパーセ
ントは異なる型のオレフィンプロトンの量を基にして計
算した。これらの計算の結果は表Vに示される。
表VのデータはI型オレフィンすなわち一置換エチレ
ンがすべての留出物留分中並びに出発C4〜C12ナフサ中
の主要型のオレフィンであることを示す。しかし、蒸留
残留物中のI型オレフィンのパーセントはもとの1/2以
下に低下される。この結果は高温蒸留中の1−n−オレ
フィン転化のためであると思われる。32〜50%の少しの
変動もまた留出物カットのI型オレフィン含量中に認め
られる。この変動の理由は知られていない。C8およびよ
り高炭素の留分中に示されたI型オレフィンのみが1−
n−オレフィンである。
第2の最も大きいオレフィン型がナフサ中に存在し、
その留出物は1,2−二置換エチレンからなる。これらのI
I型オレフィンのパーセントは18〜26%の間で変動す
る。これらのオレフィンの、すべてでないとしてもその
多くは直鎖、内部オレフィンである。
III型オレフィンすなわち1,1−二置換エチレンは12〜
17%の範囲内の量で存在することが認められた。この型
の主要オレフィンは2−メチル置換末端オレフィンであ
った。これらのオレフィンから誘導されたアルデヒドの
MS研究に基づいて、それらの枝分れが主にビニル炭素に
生ずると思われる。
IV型オレフィンすなわち三置換エチレンはこれらの留
出物の最少モノオレフィン成分であった。それらの相対
モル濃度は6〜12%の範囲内にある。興味深いことには
C8留分が試験した留分内でこれらのオレフィンを最少に
含有した。
V型オレフィンすなわち四置換エチレンはプロトンNM
Rによって測定できなかった。それらは、それらがヒド
ロホルミル化において明らかに不活性であるので、本発
明においてほとんど関心がない。
最後に、表Vはまた少量の、しかし有意量(8〜16
%)の共役ジオレフィンを示す。これらのオレフィンに
対して示された量は、共役オレフィンが共役の位置およ
びビニル位置における枝分れの存在により分子当り異な
る数のビニル水素を有することができるので近似であ
る。
ナフサ留分のNMRスペクトルはまた芳香族およびパラ
フィン性プロトンの領域で分析し、オレフィンの量を評
価した。結果は表VIに要約される。それは種々の型の水
素のパーセント分布を示す。これらの留分のこの分布お
よび元素分析から種々の型の化合物の重量パーセントを
評価した。
I型オレフィン、主に1−n−オレフィン、はこれら
の留分中に18.7〜28.3%の範囲内で存在すると評価され
た。これらのパーセントは研究したオレフィン性留分の
炭素数、および個々の通常狭い沸騰範囲の両方に依存す
る。C6〜C10範囲中で、I型オレフィンのこれらの値はG
Cにより1−n−オレフィンに対して得られた値に近似
的に相当する。
これらの留分の全オレフィン含量はNMRにより測定し
て47〜62%の範囲内にある。共役ジオレフィンはそれら
がヒドロホルミル化条件のもとで、または前の温和な水
素化によりモノオレフィンに転化されるので、このパー
セント中に包含される。パラフィンの量は一般に炭素数
の増加につれて減少するが、しかし芳香族の量は一般に
増加する。
このナフサフィードの詳細な組成を例示するため、よ
り詳細なデータがGCおよびGC/MS分析を基にしてC8およ
びC10留分に対して与えられる。
ハートカット(heart cut)C6フィードコーカー留出
物留分の組成が表VIIにより示される。この留分は広範
囲C6カットの15段塔および10対1還流比(15/10)を用
いた再蒸留により得られた。それは56〜65℃(133〜149
°F)の間で蒸留された。表VIIは蒸留の広範囲カット
フィードおよびハートカット生成物の組成を示す。
表VIIはフィードおよびハートカットの両方の最大成
分が1−n−ヘキセン(n−H=)およびn−ヘキサン
(n−H)てあったことを示す。またハートカット中に
有意量の直鎖内部ヘキセン類(16.7%)およびメチルペ
ンテン類(9.4%プラス2−メチルペンテン−1)が存
在した。さらに、1.9%の4−メチルシクロペンテンお
よび0.5%の3−メチルシクロペンテンが確認された。
従って、直鎖内部およびモノ枝分れオレフィンの量は約
28.5%である。単に0.8%のジ枝分れオレフィン、2,3−
ジメチルブテンが見出された。
ハートカットの成分は第3図のガスクロマトグラムに
より例示される。それらの成分は表VII中に記載した記
号により確認される。第3図はまたハートカットのヒド
ロホルミル化後に残る未転化炭化水素のクロマトグラム
を示す。主要未転化成分は予想どおりn−ヘキサン、メ
チルペンタン類およびベンゼンであった。ヒドロホルミ
ル化フィードおよび最終反応混合物の炭化水素成分のク
ロマトグラムの比較がフィード成分の確認に非常に役立
った。
表VIIIはフルードコーカーナフサの2つのC8留分の比
較を示す。主要1−オクテンのほかに直鎖内部オクテン
異性体の有意量が存在することが明らかである。オクテ
ン−2,−3および−4のトランス異性体が確認された。
2−メチルヘプテン−1は最大シングル枝分れオクテン
として確認された。トルエン、エチルベンゼンおよびキ
シレンもまた存在した。
1留分は1−n−オクテン、他はn−オクテンに豊
む。これらの留分中の確認されたオレフィンの合計はそ
れぞれ33.1%および20.1%である。オクテン異性体類の
若干は確認されなかった。オレフィンのより多い第1留
分をC8ナフサヒドロホルミル化実験にフィードとして用
いた。
C8フレキシコーカーナフサ留分の組成はまた若干詳細
に研究した。初めに広範囲C8カットを15/10分留により1
10〜135℃(230〜275°F)の間で得た。この広範囲カ
ットの一部を次に36段カラムで20の還流比を用いて再蒸
留した(36/20)。117〜124℃(243〜255°F)で沸騰
する36/20蒸留の留分を合せて約42%収率で狭範囲カッ
トが得られた。
表IXは上記広範囲および狭範囲C8フレキシコーカーナ
フサ留分の組成を示す。表VIIIおよびIXの毛管GCデータ
ーを比較するとこれらのフルードコーカーおよびフレキ
シコーカーナフサの組成がそれらの異なる原油源にかゝ
わらず類似することが示される。狭範囲フレキシコーカ
ーナフサフィードは広範囲留分により高量の直鎖オクテ
ン類を含有する(36.45対16.09)。最も有意には狭範囲
カット中の1−n−オクテンのパーセントが28.12%で
あるが、それは広範囲カット中で単に11.07%である。
広範囲カットナフサは開鎖および枝分れ特性のC7およ
びC9化合物を含む枝分れオレフィンに一層富む、狭範囲
留分とは対照的に、広範囲カットは有意量の芳香族化合
物:6.39%のトルエン、3.22%のエチルベンゼン、7.05
%のキシレン、を有した。
広範囲カットナフサ中の高数のモノ枝分れオレフィン
の少量の存在が示された。これらの最大の2−メチル−
1−ヘプテンは広範囲および狭範囲カットの両方にそれ
ぞれ4.08%および7.82%の濃度で存在する。他のメチル
枝分れした主に末端のメチルへプテン類もまた存在す
る。しかし、これらの化合物の正確な構造は確かには知
られていない。さらに、枝分れしたシクロオレフィン、
殊にメチルシクロヘキセンおよびジメチルシクロヘキセ
ンが存在する。
第4図は狭範囲カットC8フレキシコーカーナフサの組
成を示す。オレフィン成分の大部分は直鎖またはモノ枝
分れ化合物である。環式オレフィンは大部分この留分か
ら排除される。
広範囲C8留分の硫黄含量は1%であるが、狭範囲C8
分のそれは0.2%である。主硫黄含有化合物すなわちメ
チルチオフェン類およびジメチルチオフェン類の濃度は
狭範囲留分中には激しくカットされる。2留分中の硫黄
化合物の分布は第5図の硫黄特異ガスクロマトグラムに
より示される。検出器の硫黄応答は直線よりはむしろ二
次に近いけれども、図はチオフェン硫黄が分別により狭
範囲留分から大部分除去されたことを示す。
2%の水を含むメタノール中の30%KOH溶液による狭
範囲カットの抽出はさらに硫黄含量の低下を生じた。ペ
ンタンチオール成分が完全に除去されたことが硫黄GCに
より明確に示された。
第6図はC10ナフサ留分の組成を示す。示されるよう
に、主1−n−デセン成分のほかに若干の直鎖デセン類
および2−メチル−ノネン−1が確認された。インデ
ン、反応性芳香族シクロオレフィン。もまたこの留分中
に存在することもまた示された。主芳香族炭化水素留分
はトリメチルベンゼン類およびインダンである。
ナフサおよびその留出物留分もまた硫黄および窒素化
合物について分析した。表Xは炭素、水素、メルカプタ
ンおよび全硫黄プラス全窒素含量を示す。
C8およびより高級の留分のメルカプタン含量は硝酸銀
によるメルカプタン滴定により測定したときの高全硫黄
含量に比べて意外に低い。これは、一部はメルカプタン
類および活性化オレフィンの平易な共酸化のためである
と思われる。全硫黄含量は一般にC6留分から上方へ留出
物の炭素数の増加とともに増加した。種々の留分の硫黄
化合物が相当する炭化水素化合物より分子当り2個少な
い炭素を有したと仮定してC5〜C12範囲中で硫黄化合物
の近似パーセントが0.4%から7%に増加したと結論さ
れた。C4〜C12留分の全窒素含量は一般に160ppm以下で
あった。
2つの合せたC8留分のメルカプタン含量(表Xに示さ
れる)はまた差により決定された。初めに全硫黄が硫黄
特異GCにより決定された。次いでメルカプタン類がそれ
らを銀メルカプチドとして沈澱させることにより除去さ
れた。そのような分析を基にして次のppm濃度が種々の
硫黄化合物について、それらの保持時間の順序で得られ
た:2−メチル−および3−メチルチオフェン、962およ
び612;n−ペンタンおよびn−ヘキサンチオール、106お
よび78;C6枝分れチオエーテル、200;1−ヘキサンチオー
ル、384;2,5−、2,4−、2,3−、3,4−ジメチルチオフェ
ン、1245、945、728、289;未知硫黄化合物11。従って、
この分析は5560ppmの全硫黄含量および568ppmのメルカ
プタン含量を与えた。硫黄化合物の主群は3781ppmの濃
度のチオフェン類であった。
コーカー軽油 同様の確認を、コーカーナフサを得たと同一のフルー
ドコーキング装置により生成された軽質コーカー軽油で
行なった。
第7図はC9〜C16範囲中の軽質軽油の毛管GCを示す。
成分の約90%はC10〜C15炭素範囲内にある。C11〜C13
分が殊に大きい。明らかに、この組成と広範囲カットナ
フサの組成との間に若干の重なりがある。
図の記号により示されるように、主成分は1−n−オ
レフィン類およびn−パラフィン類である。一般に、1
−n−オレフィン類の濃度は相当するパラフィン類の濃
度より大きい。1−n−オレフィン類対n−パラフィン
比は明らかに炭素数の増加で維持される。
軽質軽油留分を分別的に蒸留して特定炭素数の狭範囲
カット留出物を生成させた。得られた留分を次いでGCに
より分析した。データは表XIおよびXIIに要約される。
それらの表は個々のカットの量、主パラフィンおよびオ
レフィン成分のパーセント濃度を示し、また一定炭素数
の1−n−オレフィンの、殊に高含量のハートカットを
別個に示す。これらのハートカットは後のヒドロホルミ
ル化実験に用いた。
表のデータは留出物の54%(44,439g)がC12〜C15
レフィン範囲中にあったことを示す。1−n−オレフィ
ンおよびn−パラフィン成分に対するパーセント値が相
対的であることが認められる。絶対値は決定できなかっ
た。これらの留分の分子量の増加とともに異性体の数が
鋭敏に増加する。従って、GC分解能が低下し、絶対精度
が低下する。しかし、少くとも定性的な意味で1−n−
オレフィン濃度が繊維されると思われる。
C9〜C16軽油および選んだ留出物留分はまたプロトンN
MRにより研究した。結果は芳香族、オレフィンおよびパ
ラフィン水素を示す第8図のスペクトルにより示され
る。スペクトルの定量分析は、この軽油が、混合物中の
水素の88.2%が飽和炭素上にあり、6.2%がオレフィン
性不飽和炭素上に、および単に5.6%が芳香族環上にあ
る点で強脂肪族特性を有する非常にオレフィン性である
ことを示した。全体としては軽油は、次表により示され
るようにコーカーナフサよりも直鎖オレフィンの有意に
高いパーセントを有する: I型オレフィンは軽油中に全オレフィン含量の約40%
を、ナフサ中に約37%を示す。I型オレフィンの大部分
は1−n−オレフィンであり、それはそれらの炭化水素
鎖上どこにも枝分れを有しない。質量分光測定データは
枝分れが主にビニル二重結合上のメチル基によることを
示した。
軽質軽油の選んだ留出物カットもまた同様にNMRによ
り分析した。それらのビニル水素の分布を殊に研究して
存在する種々の型のオレフィンの相対量を決定した。結
果は表XIIIに要約される。
表XIIIのデータは留出物カットの相対オレフィンパー
セントが変動することを示す。しかし、所望の1−n−
オレフィンを含むI型オレフィンのパーセントが一般に
全体の1/3以上である。直鎖オレフィンのすべてを含む
I型およびII型オレフィンが合せて全体の55%以上を示
す。ビニル的に枝分れしたオレフィンは35%未満の量で
存在する。共役ジエン類のパーセントは、それらがヒド
ロホルミル化の間にモノオレフィンに転化されるので表
中に含まれている。しかし、ジエン構造は不確実であ
り、従って近似値である。
表XIIIはまた4狭範囲カットC12留出物留分の場合に
おけるオレフィン型の分布を示す。予想どおり、異なる
沸点の異なる型のオレフィンの変動量が存在すると認め
られた。従ってI型オレフィンの割合が45.5%から33.8
%まで変化した。
種々の型のオレフィン水素のパーセントが表XIVによ
り示される。水素分布から種々の型のオレフィンの重量
%を推定した。表XIIにより示されるように、ジエン類
を含む全オレフィンの推定は50.4〜61.7%である。61.7
%の値は分解とともに蒸留されたC16留分に対すること
が注意される。分解の結果、この留分はC16だけでなく
低分子量オレフィンもまた含有した。C12範囲の場合
に、4つの狭範囲カット留分を分析して種々の型の化合
物の割合の変化を決定した。単に穏やかな変化が全オレ
フィン濃度に認められた(45.5〜54.4%)。
この軽油フィードの詳細な組成を示すために、詳細な
データがGC/MS分析を基にして狭範囲C12留分に与えられ
る。そのようなカットは無極性(沸点)メチルシリコー
ンGCカラムで分離できない。しかし、高極性型CP Sil88
カラム(シアノプロピル化シリコーン固定相を有する)
が種々の型の成分をそれらの極性により分離したことが
認められた。〔このカラムは、それが高い使用温度限界
(約275℃)を有するので高沸留分の分析に殊に適す
る〕。これらの成分は次いで。GC/MS研究により大部分
確認できた。確認された成分の群よによる2毛管GCトレ
ースが第9図により示される。
上記極性毛管カラムの流出物を分割してフレームイオ
ン化および硫黄特異検出器に導いた。フレームイオン化
検出器のクロマトグラムは図の下方に極性による有機化
合物の分布を示す。硫黄特異検出器により生じた上方の
クロマトグラムは硫黄化合物の溶離をそれらの極性の順
序で示す。
第9図の下方のGCはC12留分の脂肪族、モノ芳香族お
よびジ芳香族炭化水素成分の良好な分離を示す。GC/MS
の助けをかりて脂肪族成分をパラフィン、オレフィンプ
ラスジオレフィンに分解することができる。それらのパ
ーセントはそれぞれ18.6%および50.5%であった。モノ
芳香族はアルキルベンゼン類、ナフテノベンゼン類およ
び微量のアルキルチオフェン類を包含した。モノ芳香族
の全量は28.2%であった。主ジ芳香族化合物はインデ
ン、ナフタレンおよびベンゾチオフェンであった。意外
にも、微量のトリメチルフェノール類もまた認められ
た。
第6図の上方硫黄特異GCはC12留分の実質的にすべて
の硫黄化合物が芳香族であったことを示す。大部分はア
ルキルチオフェン類であった。ベンゾチオフェンもまた
有意量で存在した。
C14留分の同様の分析は、それらの極性による成分の
一層良好な分離を示した。この場合に、脂肪族成分の分
布は類似したが、しかし主要芳香族成分は複核:メチル
ナフタレン類およびメチルベンゾチオフェン類、であっ
た。
軽質軽油の留出物留分はまた元素組成について、殊に
硫黄および窒素化合物並びにメルカプタン類について分
析した。得られたデータは表XV中に要約される。
炭素および水素のパーセントは分子量の増加に関して
むしろ良く維持された。それらは軽油の脂肪族特性が全
く維持されたことを示す。全硫黄含量はC9〜C12範囲内
で約1%に保たれた。その後、C16留分中の2.82%まで
の硫黄の急増があった。これらの留分の蒸留中に高い分
解があったことが認められる。C16留分を再蒸留したと
きに1−n−オレフィンの広い分子量範囲が留出物中に
認められた。これは不揮発性脂肪族硫黄化合物が分解し
てオレフィンおよびメルカプタン類を生ずることを示唆
する。
留出物の全窒素含量は全硫黄の含量より1桁以上低
い。メルカプタン含量は一般に一層低い。しかし、窒素
およびメルカプタン含量はともにC15およびC16留分中に
鋭敏に上昇した。
実験操作 実施例中に特記したものを除いて、これらの実施例中
に見出される方法は下記実験操作を用いて行なった。
低圧および中圧ヒドロホルミル化 低圧および中圧ヒドロホルミル化実験はそれぞれ300m
lおよび150ml鋼オートクレーブを用いた。両オートクレ
ーブは1500rpmで運転されるインペラー型かくはん機を
装備した。全液体フィードはそれぞれ100gおよび50gで
あった。
標準ヒドロホルミル化実験において、フィードの80%
をオートクレーブ中に置き、窒素による反復与圧により
脱酸素した。次いで大気窒素圧で溶液を密封し、1:1のH
2/COで反応圧の50%に加圧した。
触媒前駆物質、すなわちロジウムカルボニルアセチル
アセトナート、二コバルトテトラカルボニルまたは二コ
バルトオクタカルボニルプラス適当なリン配位子、をフ
ィードの20%に溶解し、初期H2/COフィードラインおよ
びオートクレーブに連結した圧力容器中に置いた。
次いでオートクレーブを反応温度に加熱した。その後
触媒溶液、オートクレーブの容積により約40mlまたは80
ml、を初期フィードガスによりオートクレーブ中へ圧入
し、所望反応圧力をかくはんしないで確立した。
その後、H2/COの適当な混合物をより高い初期圧力で
含む既知容積のフィードガス圧力容器にスイッチを入れ
た。次いで反応混合物のかくはんを開始した。これは気
体H2/COと液体反応混合物との有効な触媒を生じた。反
応の進行とともにH2/CO反応物ガスの消費のために反応
器圧力が低下した。応答において、フィードガスが反応
器中の圧力の維持に必要になると自動的に与えられた。
フィードガスは主ヒドロホルミル化反応に対してだけで
なく、水素化副反応に対してもH2を与えるように1以上
の適当に高いH2/CO比を有した。
ヒドロホルミル化の進行は消費されたCOおよびH2を基
にして追跡した。後者は1のH2/COシリンダー中の圧
力降下を基にして計算した。反応物の転化はCO消費を反
応時間に対してプロットすることにより評価した。若干
の場合に、複雑なフィードを無視して評価し、毎分当り
消費された理論H2/COの分数として示した。反応速度定
数は金属濃度に対する一次速度依存関係を仮定して1M遷
移金属濃度に対して正規化した。
反応を中止したときにH2/CO弁を閉じ、オートクレー
ブを直ちに水により冷却した。オートクレーブのヘッド
スペース中の合成ガスを分析してH2対CO比を決定した。
過剰のH2/COの放出後、残留液体反応混合物もまた分析
し、転化選択性を決定した。これらの分析に対し、50m
融解石英カラムを有する毛管ガスクロマトグラフを用い
た。
反応物転化率および生成物選択率はまた反応混合物の
ガスクロマトグラムを基にして評価した。1−n−オレ
フィンの転化は通常不活性パラフィンのピークと比較し
たそれらのピーク強度の低下を基にして決定できた。こ
れらの転化は相当するn−アルデヒドおよび2−メチル
枝分れアルデヒド生成物の形成と相関させることができ
た。炭化水素シグナル強度とアルデヒドおよびアルコー
ルのシグナル強度とを比較するとき0.7の補正係数を酸
素化化合物に対して仮定した。
このヒドロホルミル化法の主要生成物がアルコールで
あったとき、例えばコバルト−ホスフィン触媒系反応に
おいて、反応混合物の試料をGC分析の前にシリル化し
た。過剰のN−メチル−O−トリメチルシリル−トリフ
ルオロアセトアミドを用いてアルコールをトリメチルシ
リル誘導体に転化させた: これらの高保持時間の誘導体はそれらのアルコール前
駆物質より容易にクロマトグラフで分割および決定され
る。
高圧ヒドロホルミル化 高圧ヒドロホルミル化実験において、1および1ガ
ロンのかくはんオートクレーブを用いた。これらの実験
において、消費された合成ガスの量は定量的にモニター
しなかった。しかし、液体反応混合物を、通常10、30、
120および180分後にサンプリングし、分析してオレフィ
ン転化および生成物選択率を決定した。また相対反応物
速度を、定期的に合成ガス反応物供給を止めて反応器中
の圧力降下毎分の速度を測定することにより推定した。
1オートクレーブにおいて、熱分解留出物を通常等
量のn−ヘキサンで希釈して標準実験に対するヒドロホ
ルミル化フィードを与えた。しかし、約20%の希釈剤
を、触媒、通常二コバルトオクタカルボニル、の溶解に
使用した。1ガロンオートクレーブにおいては分解留出
物をそのまゝ溶媒なく置いた。触媒は通常、留出物反応
物の約5%になるとトルエン溶媒に溶解した。
高圧実験は基本的には低圧実験に用いたと同様に行な
った。留出物反応物は、典型的には最終反応圧力の約3/
4に等しい初期H2/CO圧下にかくはんしながら反応温度に
予熱した。次いで触媒溶液を初期H2/COを用いて反応圧
力でかくはん混合物に圧入し、反応が進行すると圧力を
追加のH2/COフィードガスで維持した。液体混合物の定
期的サンプリングの間にH2/COの有意な喪失が生じ、従
って、その後のH2/CO比は初期ガスよりはむしろフィー
ドガスの比であった。実験の終りに反応混合物をH2/CO
圧下に速やかに冷却し、冷却したときに取出した。
高圧コバルトヒドロホルミル化の生成物、殊に1ガロ
ン反応器において生成したもの、の若干の一層詳細な研
究のため、反応混合物を分別的に蒸留した。分解を避け
るためにコバルトを熱水性酢酸プラス空気処理により酢
酸コバルトとして除去した。典型的な操作において、20
0%過剰の酢酸を約6%水溶液として用いる。反応容器
としては機械かくはん機、半融ガラスバブラー、還流冷
却器および液体抜出し用の底部バルブを備えた三口ガラ
ス容器を用いた。
コバルトヒドロホルミル化反応混合物および理論量の
水性酢酸のかくはん混合物を、空気を導入しながら還流
温度に加熱した。その後還流しながらかくはんおよび通
気を20分間続けた。反応混合物の色の薄まりにより示さ
れて、コバルトの転化は通常還流を開始したときまでに
実質的に終った。次いで混合物を冷却し、沈降させた。
その後、底部のピンク色水相を分離した。次いで有機相
を再び同様に処理した。第2の酸洗浄後、固体が存在す
れば混合物を濾過した。その後蒸留水で2回洗浄した。
水性洗液の色のないことがコバルトの完全な前除去を示
した。
コバルトを含まない有機相を長さ1〜2ftのガラスビ
ーズ充填ガラスまたは22理論段を有するオルダショー
(Oldershaw)カラムを用いて減圧で分留した。留出物
留分の組成は適切な分別を助けるために毛管GCによりモ
ニターした。留分の多くはまた硫黄特異GC検出器により
分析した。選んだ留分はまたコンバインドガスクロマト
グラフィー/質量分光測定(GC/MS)により分析した。
アルデヒドのアルコールを生成させる水素化 典型的なアルデヒド水素化は約1800gの反応物を用い
て1ガロン(3.8l)揺動オートクレーブ中で、3000psi
(206atm)圧力で行なった。アルデヒド反応物はそのま
ゝ、または炭化水素溶液で用いた。5重量%の水をアル
デヒドに加えて水素化中の二量体および三量体副成物の
形成を抑制した。
好ましい水素化触媒として、アルミナ上の硫化コバル
ト−硫化モリブデンを用いた。あるいは炭素担体上の硫
化モリブデンを用いた。触媒10重量%を用いた。CoS/Mo
S基触媒の存在下に水素化を130〜170℃の範囲内の低温
度で行なうことができた。低温度はアルデヒドの望まく
ないパラフィンへの転化および硫黄含有副生物を生ずる
金属硫化物からの硫黄移動を避けるために重量である。
硫化モリブデンの存在下の水素化は232℃(450°F)で
行なった。この温度においてパラフィンの形成はかなり
であった(10〜30%)。
水素化は5時間内に実質的に終った。しかし、それら
は一般にアルデヒドの完全な転化を保証するために20〜
24時間の全期間続けた。アルコール生成物は通常無色ま
たは色が非常に薄かった。それらはGCおよびGC/MSによ
り確認され、減圧で分別的に蒸留すると無色液体を与え
た。アルコールの若干は10%水性水酸化ナトリウムで洗
浄して硫化水素および他の潜在的な酸性不純物を除去し
た。
ホスフィン−ロジウム錯体の存在下のC4〜C12ナフサ留
分の低圧ヒドロホルミル化(実施例1〜12) 前記C4〜C12フルードコーカーナフサおよびその留出
物留分を前処理なく種々のホスフィンのロジウム錯体の
存在下に種々の低圧条件下にヒドロホルミル化した。
用いたロジウム触媒系および用いた反応条件並びに配
位に対する若干の結果が表XVI中に要約される。一般
に、十分量のホスフィン−ロジウム触媒錯体の存在下
に、速やかなかつ選択的なヒドロホルミル化が低圧で生
ずる。非常にわずかの水素化が生ずる。GC分析は2つの
主要アルデヒド生成物の定量的測定および全アルデヒド
生成物のより定性的な評価を与える。低圧で全アルデヒ
ド生成物は消費H2/COを基にして、測定値を1−n−オ
レフィン成分の転化に対して計算した量と比較すること
により一層信頼性に評価できた。H2/CO消費の初速度
(0〜1分)を基にして、最も反応性の1−n−オレフ
ィン成分のヒドロホルミル化速度はまた種々の触媒錯体
の存在下で比較した。
C10ナフサ留分をフィードとした比較1−n−デセン
ヒドロホルミル化実験はロジウム錯体触媒の活性および
選択性を個々の実施例に論議するように、加えたホスフ
ィン配位子の化学組成および過剰濃度により制御するこ
とができることを示した。
実施例1 トリブチルホスフィンロジウム触媒によるC4〜C12ナフ
サのヒドロホルミル化 前記広範囲ナフサカットを、ジカルボニルアセチルア
セトナートとして用いた10mMのロジウムおよび0.14Mの
トリ−n−ブチルホスフィンを含む触媒系の存在下にヒ
ドロホルミル化した。反応は180°で1000psi(6900kP
a)圧力下に40分間行なった。初期H2/CO比は1であり、
実験中に用いたH2/COフィード比は1.22で、最終ヘッド
スペース比は1.95であった。実験中のH2/CO比の増加
は、水素化副反応が非常にわずかしか生じなかったこと
を示した。
最終反応混合物をGCにより分析した。クロマトグラム
は1−n−オレフィン成分のないことを示し、それらの
完全な転化を示した。主生成物はn−アルデヒドであっ
た。少量アルデヒド生成物中、2−メチル置換アルデヒ
ドは容易に識別できた。表XVIIはこれらの2つの型のア
ルデヒド生成物のシグナル強度およびn−パラフィン成
分のそれを示す。パラフィン成分は出発反応物中に、相
当する炭素数の1−n−オレフィン反応物に比較できる
量で存在した多元内部標準を意味する。表のデータは1
−n−オレフィンの転化が予想したノルマルアルデヒド
および2−メチル枝分れアルデヒド生成物の形成を生じ
たことを定性的に示す。
これらの直鎖対枝分れアルデヒドのn/i比は約2であ
る。この触媒系および条件を用いると、この比は純1−
n−オレフィンおよび一般にI型オレフィンのヒドロホ
ルミル化で得られたn/i値の範囲内にある。1−n−オ
レフィンが転化されるにつれて反応速度が低下し、反応
は止んだ。従って、この実施例の結果は留出物フィード
の1−n−オレフィン成分をホスフィンロジウム錯体基
触媒の存在下に選択的にヒドロホルミル化できることを
示す。
実施例2 トリ−n−オクチルホスフィンロジウム錯体による1000
psiにおけるC10ナフサのヒドロホルミル化 フルードコーカーナフサの前記C10留分を低圧操作を
用いて、1000psi下に180℃でヒドロホルミル化した。触
媒系は2mMロジウムジカルボニルアセチルアセトナート
および0.14Mトリ−n−オクチルホスフィンから誘導さ
れた。反応時間は60分であった。初期H2/CO比は1であ
り、H2/COフィードは51対49比であった。ヘッドスペー
スの最終H2/CO比は52対48であり、事実上水素化がなか
ったことを示した。
反応は約5分の初期期間の間非常に速く、次に反応は
次第に遅くなった。明らかに、フィードの1−n−デセ
ン成分が速やかにヒドロホルミル化されたが、異性体II
型およびIII型のデセンは反応に対し一層緩慢であっ
た。
最終反応混合物のGC分析は1−n−デセンが存在しな
かったことを示した。明らかに、それが反応してウンデ
カナールおよび2−メチルデカナールを形成した。後者
の化合物は形成された全アルデヒドの約69%を構成し
た。生じたノルマル対イソアルデヒドの比は1.88であっ
た。
フィード中の1−n−デセンの原濃度を基にしてC11
アルデヒドの理論量を計算した。全アルデヒドは1−n
−デセンから誘導されることができた量の171%であっ
た。明らかにフィードのII型デセン成分の主要量もまた
はヒドロホルミル化された。一方、GCは2−メチルノネ
ンが反応混合物中になお実質的に未転化であったことを
示した。これはフィードのIII型オレフィンがこの触媒
系の存在下に低反応性であることを示した。
実施例3 350psiにおけるトリ−n−オクチルホスフィンロジウム
錯体によるC10ナフサのヒドロホルミル化 実施例2の実験を1000psiの代りに350psiを用いて繰
返した。定性的に、反応は非常に類似した。反応速度が
単に多少低かっただけであった。ヘッドスペース中の最
終H2/CO比は51/49であった。
2つの主要生成物、n−ウンデカナールと2−メチル
デカナールとの比は約2であった。これらの2アルデヒ
ドは出発1−n−デセンを基にした計算収量の119%を
示す。全アルデヒド収率は1−デセンを基にした値の18
7%である。従って、上記2アルデヒドの量は全体の約6
2%である。
実施例4 トリ−i−オクチルホスフィンロジウム錯体によるC10
ナフサのヒドロホルミル化 実施例2を、トリ−i−オクチルホスフィン〔トリス
−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)ホスフィン〕のロ
ジウム錯体を、トリ−n−オクチルホスフィンのそれの
代りに触媒として用いて繰返した。反応は実施例2の反
応と非常に類似したが、しかし2主生成物は低n/i比で
あった。n−ウンデカナールと2−メチルデカナールと
の比はこの実験で1.64であったが、1.88の比が実施例2
で認められた。低下したn/i比は明らかに大きいトリ−
i−オクチルホスフィン配位子の立体密集効果の結果で
あった。
2つの主アルデヒド生成物はフィードの1−n−デセ
ン含量を基にした理論値の94%を示す。同基準で全アル
デヒドの収率は128%であると認められた。従って、2
つの主アルデヒドは生じた全アルデヒドの約74%になっ
た。
実施例5〜7 トリ−n−ブチルホスフィンロジウム錯体によるC7ナフ
サのヒドロホルミル化 フィードコーカーナフサの前記C7留分を1000psiの圧
力下に180℃で、標準低圧操作で1/1のH2/COを反応物と
して用いてヒドロホルミル化した。ヒドロホルミル化実
験は、0.14M濃度の過剰のトリ−n−ブチルホスフィン
の存在下のロジウムの異なる濃度を用いて行なった。ロ
ジウムはジカルボニルアセチルアセトナール誘導体とし
て1、2および10mM濃度で与えた。妥当な速い反応が2m
Mロジウムで生じた。この実験(実施例5)の結果が初
めに論議される。
ガス消費データは、初めに反応速度が非常に高かった
が、しかし2分間内に低下し初めたことを示す。反応を
12分後に中止したとき、吸又吸収は最小であった。H2/C
O比は反応中、1近くに保たれた。
ガスクロマトグラフィーはフィードの1−n−ヘプテ
ン成分の42%が反応したことを示した。生成物の1−n
−ヘプテン由来成分は大部分n−オクタナールおよび2
−メチルヘプタナールであった。これらの生成物のn/i
比は2.3であった。2成分の量は転化したn−1−ヘプ
テンを基にした計算値の115%であった。全アルデヒド
生成物はその値の133%に相当した。明らかに、1−n
−ヘプテンのほかに少量の他のヘプテン異性体もまた反
応した。
他の実験(実施例6)において、同様の反応を10mMロ
ジウムの存在下に行なった。これは非常に早い反応を生
じた。H2/CO混合物の約0.645モルが1分の反応時間内に
消費された。用いたランガスは52/48比を有した。H2/CO
の最終比は1.47であり、初期H2/CO比の1より実質的に
増大した。明らかに有意な水素化が生じなかった。
反応混合物のガスクロマトグラムは1−n−ヘプテン
がすべて転化したことを示した。2主生成物は再び2.15
の比のn−オクタナールおよび1−メチルヘプタナール
であった。これら2生成物の合計は1−ヘプテンから理
論的に誘導されることができた量より18%多い量に相当
する。アルデヒド生成物の全量は1−ヘプテンから誘導
できる量の165%であった。従って、形成されたn−オ
クタナールは形成された全アルデヒドの48%に等しい。
第3の実験(実施例7)において、単に1mMのロジウ
ムを用いた。この低触媒濃度で反応はわずかに生じた。
20分間中に1−n−ヘプテンの単に15%が消費された。
2主生成物のn/i比は2.3であった。
実施例8 1Mトリブチルホスフィンの存在下のロジウム錯体による
C10ナフサのヒドロホルミル化 コーカーナフサのC10留分を実施例2の条件下にヒド
ロホルミル化した。しかし、1Mトリ−n−ブチルホスフ
ィンを0.14Mトリ−n−オクチルホスフィンの代りに用
いてホスフィン配位子の高過剰の効果を確認した。また
2mMの代りに4mMのロジウムを用いて添加配位子の抑制効
果を相殺した。
初期反応は非常に速かった。1−n−デセンはすべて
約140秒内に転化された。その後内部デセンが一層遅い
速度で転化された。60分で、CO/H2消費速度は全く低か
った。反応は60分後に中止した。
反応混合物のGC分析は2主反応生成物、n−ウンデカ
ナールおよび2−メチルノナナールが高比で形成された
ことを示した。高過剰のトリアルキルホスフィン配位子
濃度のために、n/i値は有意に高く、2.02であった。
(小配位子濃度の存在下の実施例3で、n/i比は1.88で
あった)。2主要生成物の量は1−n−デセンとして誘
導できる量に対して計算された値の102%であった。形
成されたアルデヒド生成物の全量は1−n−デセンに対
して計算された理論値の130%であった。
実施例9 ロジウムカルボニルアセチルアセトナートによるC10
フサのヒドロホルミル化 同一C10ナフサを、また前記実施例の条件下に、しか
しホスフィン触媒変性剤を用いないでヒドロホルミル化
した。この実施例において、通常のロジウム触媒前駆物
質、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナートを単独
で、2mMロジウム濃度に相当する量で用いた。
明らかに、ホスフィン変性配位子がないために反応は
遅かった。反応時間を120分に増加したけれども、フィ
ードの最も反応性のオレフィン成分、1−n−デセンの
転化さえ不完全であった。また消費されたCO/H2反応物
ガスの量は前記実施例の約1/2にすぎなかった。(H2/CO
の1/1比が反応の間よく維持された)。
反応の主生成物は再び1−n−デセンから誘導された
ウンデカナールおよび2−メチルデカナールであった。
それらはアルデヒド生成物の約77%を示した。アルコー
ル生成物は認められなかった。2主生成物のn/i比は1.9
3であった。
実施例10 350psi 5/1H2/CO圧におけるトリ−n−ブチルホスフィ
ンロジウム錯体によるC10ナフサのヒドロホルミル化 C10ナフサを実施例8の条件下に、しかし低圧で、5/1
H2/COの350psiでヒドロホルミル化した。ロジウムの量
は2mMに減らした。トリ−n−ブチルホスフィン濃度は
同様の1Mであった。5/1のH2/CO比が53/47のフィードガ
ス比により維持された。
この反応の鋭く低下したCO分圧は2主要アルデヒド生
成物のn/i比を、反応速度の大きい低下なく有意に高め
た。
実施例8に比べて、2主生成物のn/i比は2.02から3.2
に高まった。これらの2生成物は全アルデヒド収量の6
8.5%を示した。アルコールは60分の反応時間中に形成
されなかった。1−デセンを基にした収率は2主アルデ
ヒドに対して101%であった。全アルデヒドは1−デセ
ンを基にした計算収量の147%になり、フィードの他の
オレフィン成分の若干の有意な転化を示した。1−デセ
ンのすべてのヒドロホルミル化に要したH2/COの量は実
験の初めの7分の間に消費された。
実施例11 145℃におけるn−オクタデシルジフェニルホスフィン
のロジウム錯体によるC10ナフサのヒドロホルミル化 C10ナフサ留分をアルキルジアリールホスフィンのロ
ジアウム錯体でヒドロホルミル化してノルマル対イソア
ルデヒド生成物の高比を生成させた。触媒系を誘導する
ために2mMロジウムおよび1Mn−オクタデシルジフェニル
ホスフィンを用いた。反応は145℃で、350psiの5/1のH2
/CO圧下に行なった。反応中、H2/COの53/47混合物をフ
ィードした。このフィードガスが60分の運転中、初期H2
/CO比以上に維持した。最終H2/CO比は5.75であり、大き
い水素化副反応のないことを示した。前記実施例と比較
した差異は用いたホスフィン配位子の型および反応温度
にある。
アルキルジアリールホスフィン配位子の使用はn−ウ
ンデカナールへの1−n−デセンのヒドロホルミル化の
非常に高い選択率を生じた。2主アルデヒド生成物のn/
i比は6.76であった。またこの配位子の存在下で一層速
いヒドロホルミル化速度が認められた。すべての1−n
−デセンの転化に十分なH2/COの量が3分以内に消費さ
れた。
60分の反応時間後、GC分析は2主アルデヒド生成物の
量が1−n−デセンに対する計算収量の106%であった
ことを示した。全アルデヒド生成物はこの収量の164%
であり、アルコールは形成されなかった。
実施例12 トリ−i−ブチルホスフィンのロジウム錯体によるC10
ナフサのヒドロホルミル化 C7ナフサ留分を実施例2と同様の条件下に、すなわち
180℃で1000psiの1/1H2/CO圧下にヒドロホルミル化し
た。しかし、トリ−n−アルキルホスフィンの代りに立
体的に密集したトリ−i−アルキルホスフィン、トリ−
2−メチルプロピルホスフィン(トリ−i−ブチルホス
フィン)、を用いた。ホスフィン配位子の濃度は0.14モ
ルであり、ロジウム濃度は2mMであった。例のようにH2/
COの51/49混合物のフィードが60分の反応時間の間等モ
ル合成ガス反応物混合物を維持した。
トリ−i−ブチルホスフィン配位子の使用が低n/i選
択性の速い反応を生じた。反応混合物中のすべての1−
n−デセンの転化に十分なH2/CO反応物が反応の初めの
1分の間に消費された。2主アルデヒド生成物のn/i比
は1.25であった。運転が終った後、GCは2主生成物の合
計収量が1−n−デセンに対して計算した値の90%であ
ったことを示した。全アルデヒドの収量はこの値の161
%に相当した。この反応において、少量のアルコールも
また形成された。従って、アルデヒドとアルコールとの
合計収量は1−n−デセン成分のヒドロホルミル化の理
論収量の165%であった。
実施例13 180℃および1000psiにおけるトリ−i−ブチルホスフィ
ンロジウム錯体によるC16〜C18軽油のヒドロホルミル化 フルードコーカーからの広範囲カット軽質軽油を減圧
で蒸留して0.1mmで74〜82℃の沸騰範囲を有するC16〜C
18留分を得た。この留分の毛管GC分析はそれが近似的に
1−n−オレフィン(Cn =)およびn−パラフィン
(Cn o)の次のパーセントを含むことを示した:C15 =
0.30;C15 o、0.28;C16 =、10.06;C16 o、6.25;C17 =、9.55;
C17 o、7.90;C18 =、3.34;C18 o、3.10;C19 =、0.78;C19 o
0.62。
上記留出物フィード約100gを低圧ヒドロホルミル化操
作を用いて2mMロジウムおよび140mMトリイソブチルホス
フィンの存在下に1000psiの1/1H2/CO圧下に180℃でヒド
ロホルミル化した。
ガス消費データは非常に速い初期反応、明らかに1−
n−オレフィン成分の非常に有効な転化を示した。この
初期段階後、反応性の低いオレフィンが転化されるので
速度が定常的に衰えた。50%オレフィン含量のC17フィ
ードの50%転化について計算されたガス消費で反応を中
止した。
反応混合物の毛管GC分析は1−n−オレフィンの完全
な転化、親オレフィンより1個多い炭素を有する相当す
る1−n−アルデヒドおよび2−メチル置換アルデヒド
の形成を示した。これらのn−およびi−アルデヒド生
成物の比は1.35であった。同時にそれらが、形成された
全アルデヒドの69%を示した。2主要型のアルデヒド生
成物およびn−パラフィンのピークの強度を比較すると
これらのアルデヒドの収量が1−n−オレフィンに対し
て計算された値の約61%であることを示した。従って、
有意な1−n−オレフィンの内部オレフィンへの異性化
がヒドロホルミル化の間に生じた。形成された直鎖オレ
フィンは少量のC17〜C19アルデヒド生成物の大部分を構
成する2−エチルおよびより高級のアルキル置換アルデ
ヒドに転化された。
反応混合物を減圧で蒸留して生成物からフィードを分
離した。0.05mmで102〜124℃の範囲内で沸騰する透明帯
黄緑色生成物約15gが留出物として得られた。
ホスフィン−コバルト錯体の存在下の中圧ヒドロホルミ
ル化(実施例14〜18) 前記不処理C4〜C12フルードコーカーナフサおよびそ
の留出物留分を、またトリアルキルホスフィン錯体のコ
バルト錯体の存在下にヒドロホルミル化した。用いた反
応条件および得られた結果は表XVIIIに要約される。
一般に、これらのホスフィン錯体触媒系中のロジウム
に対するコバルトの置換は、系の活性および選択性を変
化させる。コバルト系の固有活性は約2桁の大きさ小さ
い。ロジウムとは対照的に、コバルト錯体は多官能触媒
である。オレフィン異性化が広範で、これが生成物のn/
i比の増大を生ずる。アルデヒドのアルコールへの水素
化もまた広範である。主要生成物はアルコールであり、
反応が低圧よりはむしろ中圧で行なわれるので、オレフ
ィン転化に基く合成ガス消費は絶対値よりはむしろ相対
的である。
実施例14 トリブチルホスフィンコバルト錯体によるC4〜C12ナフ
サのヒドロホルミル化 前記広範囲カットナフサフィード約93.8gを、二コバ
ルトオクタカルボニルとして加えたコバルト80mMおよび
トリ−n−ブチルホスフィン0.24M(P/Co=3)を含む
触媒系の存在下にヒドロホルミル化した。反応は第1実
施例の条件(180℃、1000psi)下に、しかしより長時間
(60分)行なった。初期H2/CO比は再び1/1であったけれ
ども、運転の間に加えた合成ガスは3/2の有意に高いH2/
COを有した。コバルトホスフィン錯体がアルデヒドへの
オレフィンヒドロホルミル化およびアルコールのアルデ
ヒド還元をともに触媒するのでこの高いランダム比を用
いた。
反応の間に約1モルのH2/CO混合物が消費された。第
1実施例とは対照的に、反応速度の有意な低下が認めら
れなかった。H2/COの最終ヘッドスペース比は0.68に降
下し、水素化が過半の程度に生じたことを示す。
最終反応混合物を再びGCにより分析した。得られたク
ロマトグラムは1−n−オレフィン成分の実質的に完全
な転化および相当するn−アルデヒドおよびアルコール
の主要量の形成を示した。
実施例15 1500psiにおけるトリ−n−オクチルホスフィンコバル
ト錯体によるC10ナフサのヒドロホルミル化 前の実施例に用いたフルードコーカーナフサのC10
分を、またコバルトオクタカルボニルおよびトリ−n−
オクチルホスフィンを基にした触媒系を用いてヒドロホ
ルミル化した。濃度は40mMコバルトおよび120mMホスフ
ィン配位子(P/Co=6)であった。反応は180℃で1500p
si下に2時間行なった。初期H2/CO比は1であった。運
転の間60/40のH2/CO比を用いた。ヘッドスペースの最終
H2/CO比は48/50であった。反応の間にヒドロホルミル化
速度の明らかな低下がなかった。最大速度は約10分後に
到達された。120分中に消費されたH2/COフィードは1−
n−デセン成分をウンデシルアルコールに転化するのに
理論的に必要な量の約155%であった。
最終反応混合物のガスクロマトグラムは有意量の1−
n−デセンの存在を示さなかった。しかし、他のデセン
異性体が、同時異性化−ヒドロホルミル化の結果として
増加量で存在すると思われる。
ヒドロホルミル化は1−n−デセンから誘導された予
期された2有意アルデヒド生成物を生じた。しかし、こ
れらは反応図式: により示されるように大部分相当するアルコールに水素
化されてた。
上記4生成物の量は1−デセンに対する計算収量の約
75.5%である。
アルデヒドプラスアルコールの全収量もまた最終反応
混合物の毛管GC分析を基にして推定した。それは1−n
−デセン成分の完全転化に対して計算された生成物の13
9%であった。n−アルデヒドプラスn−アルコールは
全生成物の52.1%になった。生成物の大部分、92.1%、
はアルコールであった。単に約7.9%がアルデヒドであ
った。主に1−n−デセンから誘導された4主要生成物
のn/i比は高く、7.62であった。
実施例16 トリブチルホスフィンコバルト錯体によるC7ナフサのヒ
ドロホルミル化 実施例5、6および7において用いたフルードコーカ
ーナフサのC7留分はまた二コバルトオクタカルボニルお
よびトリオクチルホスフィンから誘導された触媒系でヒ
ドロホルミル化した。40mMコバルトおよび0.12mM配位子
を用いた(P/Co=3)。反応条件は実施例6のそれに類
似し:180℃、1500psiおよび60/40比のランガスを用いて
1時間であった。反応器中のH2/COの初期および最終比
はともに1に非常に近かった。消費されたH2/COフィ−
ドは1−n−ヘプテン成分のオクタノールへの転化に対
して計算された量の約70%であった。
GCによれば反応混合物中に残った未反応1−n−ヘプ
テンがなかった。ヒドロホルミル化のほかに異性化が起
った。存在する主要ヒドロホルミル化生成物はn−オク
タナール、3−メチルヘプタナールおよび相当するアル
コール水素化生成物であった。これらの生成物の全n/i
比は約10.06である。これらの4生成物が全アルデヒド
およびアルコール生成物の約56%を示す。全生成物の約
58.3%がアルコールであった。存在するアルデヒドの有
意パーセント、41.7%、は水素化反応が不完全であった
ことを示した。
実施例17および18 トリ−n−ブチルホスフィンコバルト錯体によるC10
フサのヒドロホルミル化 コーカーナフサのC10留分を、P/Co比3を有する二コ
バルトオクタカルボニルプラストリ−n−ブチルホスフ
ィン触媒系の存在下にヒドロホルミル化した。反応は15
00psiの1/1 H2/CO圧下に180℃で行なった。高H2/CO比が
反応の間の60/40フィードガス混合物の添加により維持
された。
H2/CO反応ガスの吸収の速度は反応が触媒の濃度に依
存する初期抑制期を有することを示した。40mMコバルト
で、この抑制期が約5分であり;120mM Coでそれは1分
未満である。40mMコバルト(実施例16)で、ナフサカッ
トの1−n−デセン成分の完全転化に十分なH2/COの消
費に約35分を要する。120mMコバルト(実施例17)で、
この転化の達成に単に約10分が必要であるにすぎない。
吸収の速度はコバルト濃度に関して一次反応速度依存関
係を示す。
40mMコバルトによる最初の反応(実施例16)は合計12
90分間行なった。その時間中に0.254モルのH2/COが消費
された。これは1−デセン成分の相当するアルデヒドへ
の転化に必要な量の約2.5倍である。しかし、一次アル
デヒド生成物の大部分が相当するアルコールに還元され
た。2主アルデヒド生成物および相当するアルコールが
1−デセンから、実施例14に記載した結合異性化ヒドロ
ホルミル化により誘導される。毛管GCは全酸素化生成物
の収量が1−デセン成分の完全転化に対して計算された
値の63.2%であったことを示した。生成物の大部分、9
1.2%はアルデヒドよりはむしろアルコールであった。
4主要生成物のn/i比は7であった。
120mMコバルトによる第2の反応(実施例17)は合計6
0分間行なわれ、0.292モルのH2/COが消費された。これ
は1−デセンのアルデヒドへの転化に必要な量の約3倍
である。再び、形成されたアルデヒドの大部分がアルコ
ールに還元された。毛管GCは、高触媒濃度が1−n−デ
センフィード成分に対する計算値の129%まで、全生成
物収量が約2倍になったことを示した。1−n−デセン
から誘導できた4主要生成物の収率は64.8%であった。
これらの生成物のn/i比は8.45であった。全生成物の約4
8.8%が完全に直鎖であった。
実施例19および20 トリ−n−ブチルホスフィンコバルト錯体および添加チ
オールによる2−ブテンのヒドロホルミル化 チオール抑制を、この方法におけるコバルトホスフィ
ン錯体触媒の使用により克服できることを示すために比
較ヒドロホルミル化実験を、2−ブテンをモデルオレフ
ィン反応物として実施例13の条件下に行なった。
2反応はそれぞれ2−ブテン20g(0.1モル)、トリ−
n−ブチルホスフィン2.43g(12ミリモル)および二コ
バルトオクタカルボニル0.68g(2ミリモル)を、溶媒
としての酢酸2−エチルヘキシル中に含む反応混合物10
0gで開始した。反応混合物の1つはまた200ppmのメルカ
プタン硫黄を与えるエチルメルカプタル38.8mg(0.626
ミリモル)を含有した。両反応物溶液を1/1 H2/COと、1
000psi圧下に180℃で反応させた。反応中に追加H2/COを
3/2比で供給することにより等モル比のH2/COを運転の間
維持した。
両反応混合物は類似の選択性でヒドロホルミル化され
た。唯一つの有意な差異は反応速度であった。2−ブテ
ンはエタンチオールの存在しないときに一層反応性であ
った。チオールの存在しないとき、50%オレフィン転化
が18分以内に達成された。チオールの存在下では同様の
転化に36分を要した。
反応後、両混合物を分析した。混合物時間の最も有意
な差異は1−ブテンに対する選択性、チオールの存在し
ないときの10.5%対その存在下の5.8%、であった。こ
れは、2−ブテンの、一層反応性の1−ブテンを生じ、
それが次いでヒドロホルミル化されて高選択性でn−バ
レルアルデヒドを生ずる異性化のチオールによる抑制を
示した。n−バレルアルデヒドは水素化により大部分n
−アミルアルコールに転化される。
種々の酸素化生成物への選択性はチオールの不在および
存在下で類似した:全n/i、8.15対8.92;アルコール/ア
ルデヒド0.52対0.57;アルデヒドn/i、6.81対7.34;アル
コールn/i、12.6対13.8。
実施例21 トリオクチルホスフィンコバルト錯体によるC9〜C16
質軽油のヒドロホルミル化 前に記載したC9〜C16軽質軽油を、トリ−n−オクチ
ルホスフィンコバルト錯体基触媒系を用いて180℃で100
0psi圧および3/2のH2/CO反応物比下にヒドロホルミル化
した。コバルトカルボニルを触媒前駆物質として用い:
その濃度は40mMすなわち0.0472%コバルト金属であっ
た。ホスフィン配位子は240mM濃度を用いて3/1のP/Co比
を与えた。それはコバルトの安定化および一層直鎖性の
生成物を得るために加えた。
反応は溶媒を用いないで行なった。誘導期は認められ
なかった。H2/CO吸収が反応期間中続いたけれども反応
は60分後に中止した。消費されたH2およびCO量はヒドロ
ホルミル化および水素化の両方が大きい程度に生じたこ
とを示した。GCは、生成物が主にアルコールであったこ
とを示した。GCにおけるアルコール生成物の分析を強化
するために反応混合物を、アルコールの−CH2OH基を−C
H2OSi(CH3)3基に転化する作用をするシリル化試薬の過
剰で処理した。生じたキャップドアルコールのGCカラム
中の保持時間は有意に高められる。保持時間のシリカ化
によるシフトが、主生成物がアルコールであったことを
立証した。
最終シリル化反応混合物のGCは第10図により示され
る。GCはフィードの1−n−オレフィン成分が生成物流
中に残留しないことを示す。キャップドアルコール生成
物は主にn−アルコール誘導体である。多くの枝分れア
ルコール誘導体が存在するけれども、それらは大部分小
量である。それらの高保持時間のため、キャップドアル
コールの大部分のピークが炭化水素フィードのそれを越
える。
軽油から誘導されたキャップドn−アルコール生成物
のピーク高さを比較すると出発1−n−オレフィン(お
よびパラフィン)のピークの高さに類似する分布を示し
た。従って、フィード1−n−オレフィンの反応性はホ
スフィンコバルト錯体触媒の存在下でオレフィンの炭素
数に実質的に依存しない。
実施例22 トリエチルホスフィンコバルト錯体によるC10軽油のヒ
ドロホルミル化 前に記載したC10コーカー軽油留分のヒドロホルミル
化を、またトリ−n−アルキルホスフィンコバルト錯体
触媒の存在下に高圧、すなわち3000psi、で試みた。実
施例14〜18は我々にホスフィンコバルト錯体が、低圧す
なわち1000psi下180℃で、および中圧すなわち1500psi
下180℃でコーカーナフサヒドロホルミル化を触媒する
ことを示した。この実験の目的は触媒系の安定性および
選択性に対する圧力の影響を決定することであった。
トリエチルホスフィンは、それがこの高温法に潜在的
に適用できるので選択された。トリエチルホスフィンは
かなり揮発性(沸点130℃)であり、従って、過剰の配
位子は、望むならば蒸留により前留として除去できる。
トリエチルホスフィンはまた容易に水性酸洗浄により反
応混合物から除去し、次いで塩基の添加により回収する
ことができる。
ホスフィン錯体の前駆物質として二コバルトオクタカ
ルボニルを用いた。0.472%Coに等価の量を用いた〔0.0
4M CO2(CO)8〕。加えたトリエチルホスフィンは2.9%
(0.24M)であった。従ってP/Co比は3であった。トリ
エチルホスフィン触媒をナフサフィードに溶解し、それ
をH2/CO圧下に加熱した。反応条件下に、二コバルトオ
クタカルボニルの濃溶液を反応混合物に加えて触媒を前
もって形成し、反応を開始させた。
反応は10、30、60、120および180分後にとった試料の
毛管GC分析により追跡した。1−n−デセンの内部デセ
ンへの広範な異性化が30分内に生じた。アルデヒドのヒ
ドロホルミル化および水素化はむしろ遅かった。予想ど
おりコバルトのホスフィン錯体は一層安定な、しかし活
性の低いヒドロホルミル化触媒である。
アルコールに対するGCおよびGC/MS感受性を高め、ま
たそれらの保持時間を高めるために反応混合物をシリル
化剤で処理した。生じた混合物の毛管GCは第11図により
示される。
GC/MSは反応生成物の大部分が第一級アルコールであ
ったことを証明した。存在する単に検出可能なアルデヒ
ド成分は少量のn−ウンデカナールおよび2−メチルデ
カナールであった。それらは全酸素化生成物の5%未満
の量で存在する。
図から明らかなように、反応の主生成物はn−C11
ルコール、ウンデカノール、であった。それは全反応混
合物の50%を示す。従って、生成物の約50%のみが枝分
れを有した。有意量の2−メチルデカノールもまた形成
された。これらの2生成物のn/i比は約10であった。こ
れは1−デセンのヒドロホルミル化が、これらの化合物
がともにそれから誘導されたので非常に選択的であった
ことを意味する。少量のアルコール成分は、それらの質
量スペクトルにおける類似性のために確認できなかっ
た。比較的短かいGC保持時間に基くと異性体C12アルコ
ールはおそらくジ枝分れ化合物であった。
反応混合物はまた形成された重質物の量を評価するた
めに充填カラムGCを用いて分析した。重質量は残留生成
物中に約0.3%にすぎなかった。ホスフィン配位子の存
在は明らかに重質副生成物の形成を抑制した。
反応は180分後に停止した。その後残留する1704gの生
成物触媒混合物を処理した。過剰のホスフィン、次いで
未反応成分を初めに高真空で室温で除去した。しかし、
過剰のホスフィンの存在しないときに残留生成物プラス
触媒混合物は真空で90℃に加熱したときに不安定であっ
た。熱分解が真空の減少により示された。従って、試み
た蒸留を中止し、触媒を例のように水性酢酸プラス空気
処理により残留物から除去した。水−有機混合物をヘキ
サンで希釈して有機相の分離を容易にした。真空で溶媒
を除去した後残留生成物は420gであった。これは粗反応
混合物の約25重量%である。反応中のオレフィン反応混
合物の重量増加を無視すると全酸素化生成物の上記の量
はフィードとして用いた軽油留分の25%の転化に相当す
る。
コバルトを含まない残留生成物を0.12mm圧下に蒸留し
た。異性体ウンデシルアルコール生成物が80〜90℃の間
に透明無色液体留出物として得られた。暗色残留重質副
生物は全酸素化物の約5%であった。
実施例23〜25 180℃および1500psiにおけるトリエチルホスフィンコバ
ルト錯体によるC16〜C18軽油のヒドロホルミル化に対す
るエージングの効果 前の実施例の広範囲カット軽質軽油を0.23Mのコバル
トおよび0.72Mのトリエチルホスフィンの存在下に中圧
操作を用いてヒドロホルミル化した。反応は初期1/1 H2
/CO反応物を1500psiの圧で用いて180℃で行なった。圧
力は3/2 H2/CO比のフィードガスで維持した。
第1の実施例(23)において速やかな初期反応が起っ
た。GC分析はフィードに対する50%のオレフィン含量を
仮定してオレフィンの約が12分内にヒドロホルミ
ル化されたことを示した。主要反応生成物はn/i比約5
のC17〜C19n−アルデヒドおよび2−メチルアルデヒド
であった。
第2の実施例(24)において同一フィードを同一条件
下に、しかし酸化防止剤を用いないで室温で1ケ月貯蔵
した後用いた。反応は起らなかった。コバルトが沈殿し
た。エージングしたフィードの過酸化物についての試験
は陽性であった。
第3の実施例(25)においてエージングしたフィード
を同一条件下の他のヒドロホルミル化実験に用いる前に
減圧で蒸留した。再蒸留フィードによる結果は実施例23
の新フィードの結果とほゞ同様であった。
コバルト錯体の存在下のC4〜C12ナフサ留分の高圧ヒド
ロホルミル化(実施例26〜47) 1−n−オレフィンを主要型のオレフィン反応物とし
て含む前に記載したC4〜C12フルードコーカーナフサは
また、ホスフィン変性剤を用いないコバルト錯体の存在
下に高圧で良好にヒドロホルミル化された。C10およびC
8フィードを詳細に研究した。用いた反応条件および得
られた結果の若干が表XIX中に要約される。
一般に、これらのコバルトカルボニル錯体触媒からの
トリアルキルホスフィン変性配位子の省略が一層大きい
ヒドロホルミル化活性を生じた。しかし、n−アルデヒ
ド対2−メチル枝分れアルデヒドの比は約1.9〜3.2の値
に激しく低下した。コバルト触媒は高温度だけでなく低
温でもまた使用できた。110〜145℃の低温度領域で、そ
の方法がこれらの主要アルデヒド異性体の生成に対して
選択的であった。オレフィン異性化の速度は激しく低下
した。生成物のn/i比並びに二量体および三量体生成物
の量は反応温度に反比例した。
実施例26 150℃および4500psiにおけるH2/COと二コバルトオクタ
カルボニルによるC4〜C12ナフサのヒドロホルミル化 前に記載した広範囲ナフサカットをヘキサンとの1/1
混合物として0.2%Coの存在下に150℃で、H2とCOとの約
55対45混合物により4500psiで、高圧操作を用いてヒド
ロホルミル化した。反応混合物は10、30、60、120およ
び180分後にサンプリングし、毛管GC分析により反応の
進行を追跡した。
GCデータは長い誘導期を示した。30分までn−1−オ
レフィンの転化が認められなかった。例えば、n−1−
デセン対n−デカン成分の比は同様に保たれた。しかし
その後速い反応が起った。120分試料のGCはすべての1
−n−オレフィン成分が完全に転化したことを示した。
GCの主要生成物ピークは相当するn−アルデヒドのピー
クである。少量しかし明らかなアルデヒド生成物は2−
メチル置換アルデヒドである。これらの主要生成物のn/
i比は約2.8である。
最終反応混合物のGCは第12図により示される。それは
形成された主要C5〜C13アルデヒド生成物およびC5〜C12
n−パラフィンを明確に示す。図の炭化水素領域と第1
図のナフサフィードとの比較が明らかにヒドロホルミル
化で1−n−オレフィン成分が実質的に完全に転化して
主にn−アルデヒド生成物を与えたことを示す。第7図
もまたC9〜C12n−パラフィン領域中のフィードの炭化
水素および硫黄化合物成分のピークがC7〜C10アルデヒ
ド生成物のピークと重なることを示す。成分のGC保持時
間がそれらの沸点に近似的に比例するので、これは重な
る成分が分留により分離できないことを示す。
実施例26および実施例27 130℃および3000psiにおける1/1 H2/COと0.2%コバルト
によるC5ナフサのヒドロホルミル化並びにC6アルデヒド
生成物の水素化 24〜34℃の沸騰範囲(bp)を有する広範囲C5フレキシ
コーカーナフサ留分約2500gを冷25%NaOH水溶液1250ml
で3回および蒸留水で1回洗浄してチオール成分を除去
した。その後、それを25段オルダショーカラムを用いて
分別的に蒸留し、高沸ジスルフィドを含まないヒドロホ
ルミル化フィードを得た。フィード組成および2ヒドロ
ホルミル化実験の結果は表XXおよびXXI中に示される。
1−ペンテン約33%およびn−ペンタン13%を含むbp
25〜28℃のC5フィードを、Co2(CO)8として加えた0.2%C
oの存在下に130℃で、H2/COの1/1混合物により3000psi
で6時間ヒドロホルミル化した。反応混合物を充填カラ
ムおよび毛管GC分析のために定期的にサンプリングし
た。1−n−ペンテン約31%およびn−ペンタン20%を
含むbp28〜32℃の高沸C5を同様に転化した。
表XXの充填GCデータはオレフィン成分のアルデヒドへ
の選択的転化を示す。観察圧力低下の速度は最大反応速
度が1〜3時間に到達されたことを示す。4時間の反応
期間の終りまでにヒドロホルミル化が実際に終り、GCに
よれば最終反応混合物が60%以上のC6アルデヒドを含有
した。
表XXIの毛管GCデータはオレフィン転化の選択性およ
び形成されたアルデヒド生成物の異性体組成を示す。
C5フィードの主要炭化水素組成物の分布の変化は1−
ペンテン、2−ペンテンおよびメチル置換1−ブテンが
n−ヘキサナール並びに相当する2−、3−および4−
メチル枝分れペンタナールに転化されることを示す。2
−メチル−1−ブテン成分は反応性が非常に低く、従っ
て用いた反応条件下で一部転化されるにすぎない。
主アルデヒド生成物はn−ヘキサナールである。毛管
GCによればそれはC6アルデヒド生成物の45%以上であ
る。3つのメチル枝分れアルデヒド、2−、3−および
4−メチルペンタナール、は匹敵する量で存在し、GCに
より完全に分離されない。n−ペンタナールおよびこれ
らのモノ枝分れアルデヒドは反応混合物の95%以上にな
る。1%より少し多い2−エチルブタナールが存在す
る。同様の量の2,3−ジメチルブタノールが認められ
る。
反応混合物の硫黄特異GCはアルデヒド範囲中に硫黄含
有不純物を示さなかった。しかし、フィード範囲中にH2
Sを含めて低沸硫黄化合物が存在する。
反応混合物を蒸留して生成物を分離した。C6アルデヒ
ドは約50/mm圧で47〜51℃の間に得られた。蒸留の間に
コバルト錯体触媒の大部分が分解し、沈殿した。有意な
アルデヒドの二量体および三量体が蒸留の間に副反物と
して生じた。回収されたC5炭化水素フィードは硫黄を含
まず、コバルトによる脱硫もまた蒸留の間に生じたこと
を示す。
蒸留されたアルデヒド生成物は、充填GCによれば37.8
%のn−ヘキサナール、55.8%のイソヘキサナール、1.
8%のアルコール、および4.6%のホルマートを含有し
た。反応混合物に比べて留出物中のn−ヘキサナールの
低いパーセントはそのイソヘキサナールに比べて優先的
なアルドール化のためであった。
蒸留されたアルデヒドを10%水酸化ナトリウム水溶液
で洗浄して分離の間に同時蒸留された少量のHCo(CO)4
除去した。洗浄されたアルデヒド(1730g)プラス5%
蒸留水(86.5g)を次いで160g(270ml)のCoS/MoS基触
媒の存在下に水素化した。反応混合物を水素で1500psi
(103atm)に加圧し、130℃に加熱した。圧力を3000psi
に調節し、温度を毎時10℃上昇させた。温度が160℃に
達した後、それをそこで20時間の全反応時間保持した。
その後毛管GCおよび400MHz1HNMR分析は、実質的にすべ
てのアルデヒドが相当するアルコールに水素化されたこ
とを示した。毛管GCは形成されたC6アルコールの38.4%
がn−ヘキサノールであったことを示した。充填GCによ
れば、二量体および三量体副生物が匹敵可能量形成され
た。それらは反応混合物の約15%になった。パラフィン
副生物は認められなかった。硫黄特異GCで硫黄が検出さ
れなかった。
粗、C6アルコール生成物の2対1混合物をNaOHの10%
水溶液、次いで水で洗浄した。MgSO4上で乾燥した後、
アルコールを蒸留するとヘキサノールが透明無色液体混
合物として200mmで109〜115℃の間に回収された。留出
物生成物のn−ヘキサノール含量は35.8%であった。二
量体副生物は12mmで蒸留された。それは無色液体として
103〜113℃の間に得られた。毛管GCはそれが異性体C12
アルドールアルコールを含有したことを示した。蒸留残
留物は主に、おそらくティチェンコ(Tichenko)の反応
によりアルデヒドのアルドール付加物から形成された三
量体であった: 類似の三量化副反応がこの方法の他のアルデヒド生成物
を生ずる。
実施例28および29 3000psi下の130および150℃における1/1 H2/COとコバ
ルトによるC6ナフサのヒドロホルミル化およびC7アルデ
ヒド生成物の水素化 bp56〜65℃留分のハートカットC6フルードコーカーナ
フサをヒドロホルミル化のフィードとして用いた。それ
は1−ヘキセン約47%を含有した。その詳細な組成は先
に論議され第3図に示された。反応はH2およびCOの等モ
ル混合物で3000psi(206atm)で行なった。約2000gのフ
ィードを毎運転に用いた。触媒としてCo2(CO)8をベンゼ
ン溶液で加えた。最初の実験において触媒のコバルト当
量は0.4%であり、反応温度は130℃であった。第2の実
験において0.2%Coを150℃で用いた。速いオレフィン転
化が両実験で認められた。
充填カラムGCによる反応混合物の定期的試料の分析値
は表XXIIにより示される。表の圧力低下データは、ヒド
ロホルミル化が両実験において180分内に実質的に終っ
たことを示す。そのときまでに反応混合物中に未転化炭
化水素のパーセントが30%範囲中の最低近くに低下し
た。アルデヒドプラス若干のアルコールおよびギ酸エス
テル生成物の合計パーセントが約180分中に最大に達し
た。より多くのアルデヒド(62.3%)が150℃(53.6
%)よりも130℃で得られた。360分後に有意に低下した
アルデヒド濃度(それぞれ52.1%および37.6%)は明ら
かにそれぞれ二量体および三量形成(19.4%および33.4
%)のためである。
毛管GCは反応混合物の揮発性異性体成分の有効な分離
を与えた。異性体C7アルデヒド、C7アルコールおよびC7
アルキルホルマートエステル生成物の大部分が毛管およ
び質量分光法(MS)の組合せにより確認できた。第13図
により示される異性体アルデヒド生成物の毛管GCにおい
て、直鎖ヘキセンから誘導されることができるアルデヒ
ドのすべておよびモノ枝分れプテンから誘導された4つ
のアルデヒドが分離され、確認された。種々のヘプタノ
ール異性体を生ずる仮定ホルミル化の反応図式が次に示
される: 毛管GCはまた少量のヘプチルアルコールおよびヘプチ
ルホルマート二次生成物の存在を示した。主異性体は次
の反応図式: により示されるように、ノルマルヘプタナールおよび2
−メチルヘキサナールから誘導されたノルマルヘプチル
および2−メチルキキシル誘導体であった。
アルコール副生物の場合に、単にノルマルヘプタナー
ルおよび2−メチルヘキサノールの2つの主異性体が確
認された。しかし、唯一の有意な異性体ヘプチルホルマ
ート副生物はそれらのGCピークピークパターンが相当す
るアルデヒドのそれと同様であったので認めることがで
きた。
130℃および150℃ヒドロホルミル化の反応混合物から
定期的にとった試料の毛管GCによる分析は反応および副
反応の進行に関する詳細な情報を与えた。得られたデー
タは表XXIIIに要約される。
一般に、毛管GCの結果はまた主反応すなわちヒドロホ
ルミル化が180分内に実質的に完結したことを示す。こ
の時間中に混合物の炭化水素含量が約35%に低下した。
未反応3−メチルペンタン成分の濃度と相対的な1−ヘ
キセンおよび3−ヘキセンの濃度の測定が速やかなオレ
フィン転化を示した。1−ヘキセン転化が1時間内に実
質的に完結したことを示す。3−ヘキセンの転化は約3
時間を要した。その時間中に2−メチル−1−ヘプテン
もまた反応した。3時間後の炭化水素フィードの残留オ
レフィン含量は約5%であった。従って全オレフィン転
化率は約92%であった。
150℃反応混合物中の3−ヘキセン濃度の測定は初め
の1時間中に減少よりはむしろ多少の増加を示した。こ
の増加は明らかにヒドロホルミル化と同時の1−ヘキセ
ンの内部ヘキセンへの異性化のためである。オレフィン
異性化は130℃で非常に低下する。
ヒドロホルミル化は、130℃および150℃ともに6時間
(360分)の全反応時間続けた。最後の3時間中に主に
二次的反応が起った。ギ酸エステルの濃度が2倍以上に
なった。ギ酸エステルは130℃で酸素化生成物の7.1%、
および150℃で8.2%であった。
アルコール濃度は150℃において最後の3時間の間に
3.2%から1.7%に低下した。これは明らかに毛管GCによ
り認めることができない重質副生物の形成のたであっ
た。
表XXIIIはまた反応混合物中の主アルデヒド生成物の
パーセント分布を示す。3時間の反応時間後、主アルデ
ヒド生成物は130℃で全酸素化物の93.1%および150℃で
95.7%になった。n−アルデヒド成分はそれぞれ36.2%
および31.2%であった。予想どおり、n−アルデヒド濃
度は反応時間が増すにつれて低下した。内部および枝分
れオレフィン成分がますます反応して他の枝分れアルデ
ヒドを生じた。
表XXIIIは3異性体ヘプタナール、すなわちn−ヘプ
タナール、2−メチルヘキサナールおよび2−エチルペ
ンタナール、の酸素化物中のパーセントを個々に示す。
これらのアルデヒドは直鎖へキセンから、先に反応図式
により示されたように誘導される。それらの3時間後の
合計パーセントは130℃で57.3%および150℃で52.6%で
ある。これらのパーセントがフィードの全確認オレフィ
ン中の直鎖オレフィンのパーセント(86%)よりかなり
低いことが認められる。n−アルデヒド成分の、この、
予想より低いパーセントは、フィード中の未確認メチル
シクロペンテンの有意量の存在および一次ノルマルアル
デヒド異性体生成物の高沸二次副生物への優先的転化の
ためである。
確認された低沸酸素化化合物のパーセント分布が表XX
IVに示される。この表中、180分中の直鎖ヘキセンから
誘導されたアルデヒド(ノルマル、2−Meおよび2−E
t)の合計は130℃で65.6%および150℃で61.1%である
ことが認められる。これらの高パーセントは環状C7−ア
ルデヒド生成物を計算から除外したためである。
C6オレフィンコーカー留出物フィードのヒドロホルミ
ル化の一次C7アルデヒド生成物およびこれらのアルデヒ
ドの縮合により誘導された二次生成物を、後の研究のた
めに蒸留により分離した。初めにC6オレフィンナフサ留
分の130℃および150℃におけるヒドロホルミル化から生
じた2反応混合物を別々に、例のように水性酢酸プラス
空気処理で脱コバルトした。沈殿または分離問題に遭遇
しなかった。150℃反応混合物の場合に、二量体プラス
三量体のパーセントが脱コバルトの間に、おそらくアセ
タールおよびエステル加水分解のために、33.4%から1
8.5%に低下した。
脱コバルト黄色液体反応混合物(1834gおよび2288g)
を2フィート充填塔を用いて大気圧下に分別的に蒸留し
た。
未転化炭化水素の大部分は、120〜130℃の加熱浴を用
いて55〜65℃の間に沸騰する液体留出物として反応混合
物から除去された。その後アルデヒド生成物を減圧で蒸
留した。130℃反応混合物からのアルデヒドは0.2mm下に
29〜31℃で蒸留された。140℃ヒドロホルミル化のもの
は10mm圧で30〜50℃の間に得られた。殊に常圧蒸留の間
の加熱は追加量の二量体および三量体の形成を生じた。
130℃反応混合物の場合に、重質副合物は蒸留の間に60
%(18.9%〜31.9%へ)増加した。150℃反応混合物の
場合に増加は82%(18.5%〜33.6%へ)であった。
2−ヒドロホルミル化試験の蒸留したC7アルデヒド生
成物を合せると1353g(11.87モル)のアルデヒド中間体
が得られた。種々のヘプタナール異性体の分布を有する
この合せた生成物の組成が表XXVに与えられる。
ギ酸ヘプチルに富む留出物留分もまた合せて水素化の
ための他の中間体396gが得られた。その沸騰範囲は10mm
で43〜65℃である。残りはアルデヒドおよびアルコール
並びにそれらの縮合生成物である。従って、生成物は約
3モルに等しい。従って、それはヘキセン252g(3モ
ル)のヒドロホルミル化に対する計算量である。このギ
酸エステルに富む生成物の異性体組成は表XXVのアルデ
ヒドのそれと比較できる。
アルデヒド生成物は約90%のアルデヒド、9%のギ酸
エステルおよび1%のアルコールからなる。アルデヒド
留分の全成分の約82.6%が特定的に確認された。全確認
アルデヒドの35.2%はn−ヘプタナールである。アルデ
ヒドのn/i比は0.54である。イソ−アルデヒドの大部分
はモノ枝分れC7−アルデヒドである。たゞ1つのジ枝分
れアルデヒド、2,4−ジメチルペンタナール、が認めら
れた。平均でアルデヒド生成物混合物は分子当り0.63分
枝を含有した。
高沸のギ酸エステルに富む留分(E−7170−II)は毛
管GCにより単に部分的に分析できた。高沸二量体および
三量体成分は毛管カラムから溶出されなかった。充填カ
ラムGCによれば、ギ酸エスエル留分は少量の二量体(約
2%)を含有したが、しかし多量の三量体(約30%)を
含有した。これらの成分間のギ酸エステルの相対パーセ
ントは60%である。これらの異性体ヘプチルホルマート
は一次アルデヒド生成物のそれに相当することが認めら
れることは興味深い。
アルデヒドの大部分の留出後、残留反応混合物を合
せ、それらの分留を18in.充填塔を用いて10mmで続け
た。高量のC7アルコールおよびギ酸ヘプチル二次反応生
成物を含む他の留出物留分が10mmで50〜66℃の間に得ら
れた。蒸留の間に加熱浴の温度が150℃に上昇するにつ
れてギ酸エステルの熱分解が次第に増加して生じた。従
って、最後の小留出物留分(11g)は70%のヘプタノー
ル類、12%の二量体および18%の三量体から構成され
た。
ギ酸エステル副生物の分解後、残余残留物を1フィー
トカラムを用いて0.1mmで蒸留した。約70%の二量体お
よび21%のアルコールからなる留出物約640gが55〜74℃
で沸騰する透明淡黄色液体として得られた。その後三量
体に富む留分(80%)および四量体に富む留分(58%)
もまた黄色液体留出物として得られた。「三量体」留分
は0.1mmで130〜132℃で分解を伴なって蒸留された。
最後の蒸留残留物は116g、すなわち出発反応混合物の
2.8%、にすぎなかった。しかし、純粋な留出物の回収
はギ酸エステルおよび重質副生物の同時分解のために十
分ではなかった。この結果は、コバルト除去の直後の全
反応混合物の水素化を示唆する。これは所望ヘプタノー
ル類の非常に改良された回収を生ずるであろう。
C6オレフィンコーカーナフサフィードおよびヒドロホ
ルミル化フィードの硫黄化合物成分はまた主に沸点によ
り硫黄分布を決定するために研究した。フィードプラス
選定生成物および副生物留分の全硫黄含量が次表により
示される: データはフィードの硫黄化合物の若干が高沸化合物に転
化されることを示す。アルデヒド生成物は比較的低い硫
黄含量を有する。
GC/MSによる硫黄分布の研究はフィードのチオール成
分が主にH2Sおよび高沸硫黄化合物に転化され、一方チ
オフェン成分が大部分未転化のまゝであったことを示し
た。アルデヒド留分中の主硫黄化合物不純物は不十分な
分離のためにチオフェンであった。
二量体留分中の硫黄含有化合物はチオールヘプタン酸
プロピルおよびブチルエステルであった。それはプロピ
ルエステルがフィードのプロパンチオール成分とC7アル
デヒド生成物との反応により誘導されたと思われる: 2C6H13CHO+C3H7SH→C6H13COSR+C6H13CHO 相当するブチルエステルは次の仮定セットの反応式によ
りチオフェンから誘導されたブタジエンを経由して誘導
されることができよう: 2C6H13CHO→C6H13CO2H+C6H13CO2OH C6H13CO2H+H2S→C6H13COSH+H2O 上記仮定はモデル実験により支持される。1−ヘキセ
ンおよびチオフェンの9対1混合物は0.02%コバルトの
存在下に、前に用いた条件のもとで140〜185℃の間の高
発熱反応でヒドロホルミル化さた。GC/MS研究はチオフ
ェンの5%がチオールヘプタン酸ブチルおよびチオヘプ
タン酸プロピルに転化されたことを示した。
三量体留分の主硫黄含有成分はジヘプチルスルフィド
であると認められた。これらは、おそらく次の仮定列の
反応により示されるようにヘプタナール生成物から誘導
された: 硫黄化合物転化の過程の上記仮定が正しいかまたは誤り
であっても、この実施例は、この方法においてフィード
の硫黄化合物がアルデヒド沸騰範囲の硫黄化合物よりは
むしろ高沸チオールエステルおよびスルフィドに一部転
化されることを示す。従って、低硫黄含量のアルデヒド
を分留により分離することができる。
アルデヒド生成物をトルエンとの2:1混合物として5
%の水および10%のCoS/MoS基触媒の存在下に3000psi下
に160℃で20時間水素化した。おそらく用いた高温の結
果、有意な二量化が起った。充填カラムGCによれば、最
終反応混合物の酸素化成分の分布は次のとおりであっ
た:56%アルコール、39%二量体アルドールアルコール
および5%三量体。硫黄特異GCはアルコール範囲中に硫
黄を示さず、しかしH2Sおよび二量体範囲中に高沸硫黄
化合物を示した。
粗アルコール生成物をさらにトルエンで希釈して1対
1混合物を生成させた。これを10%水性水酸化ナトリウ
ム、次いで水で洗浄してH2Sおよび他の酸性不純物を除
去した。生じた有機相を次いで24段オルダショーカラム
を用いて分留した。ヘプタノール生成物は55mmで98〜10
3℃の間に無色快臭液体として得られた。二量体アルド
ールアルコールは3mmで74〜99℃範囲内で蒸留された。
三量体副生物は蒸留残渣として保持された。硫黄はアル
コール生成物中にGCにより検出できず、しかし少量の硫
黄不純物が二量体中に記録された。
22%n−ノルマル異性体を含むハートカットヘプタノ
ール生成物は半直鎖性ジヘプチルフタラートに転化さ
れ、それが可塑剤として評価された。
実施例30 3,000psi下の130℃における1/1H2/COと0.2%コバルトに
よるC7ナフサのヒドロホルミル化およびC8アルデヒド生
成物の水素化 広範囲カットC7フルードコーカーナフサを、オレフィ
ン濃縮オキソフィードを与えるために再蒸留した。15/1
0蒸留の88〜94℃の間に沸騰する狭範囲留分を用いた。
それは約6.5%の2−メチルヘプテン、30%の1−n−
ヘプテン、12%のn−ヘプタン、4.3%のトランス−2
−ヘプテン、2.8%のシス−2−ヘプテンを含有した。
単に少量の芳香族炭化水素が存在した:0.1%ベンゼンお
よび0.5%トルエン、フィードとして用いる前のこの留
出物の硫黄特異GCは若干の硫黄含有成分が高沸化合物に
転化されたことを示した。
上記フィードのヒドロホルミル化を、前の実施例中に
記載したように、フィード中のCo2(CO)8の溶液として添
加した0.2%Co触媒で、H2/COの1対1混合物を用いて30
00psi下に130℃で行なった。圧力低下の最大速度が反応
の開始約1時間後に認められた。1−ヘプテンの転化は
2時間中に実質的に終った。反応は4時間で終えた。反
応はアルデヒドに対して非常に選択性であった。充填カ
ラムGCによる最終反応混合物の種々の型の成分の分布は
次のとおりであった:33.7%の未転化C7炭化水素、59.1
%のC8アルデヒド、4.2%のC7アルコールおよびC7アル
キルホルマート、プラス3%の二量体および三量体。毛
管GCは次のC7アルデヒドを与えた:43.8%n−オクタナ
ール、11.7%2−メチルヘプタナール、8%3−メチル
ヘプタナール、5.8%2−エチルヘキサナールおよび1.7
%2−プロピルペンタナール。反応混合物の硫黄GCはH2
S、C7フィード範囲中に若干の揮発性硫黄化合物、およ
び二量体範囲中に少量の不揮発性硫黄化合物を示した。
アルデヒド範囲中に測定可能な硫黄化合物が存在しなか
った。
ヒドロホルミル化反応混合物を通気と熱水性酢酸とに
より脱コバルトした。その後コバルトを含まない混合物
を、未反応C7炭化水素および揮発性硫黄化合物を予め除
去しないで水素化した。2水素化実験を10%CoS/MoS基
触媒および5%の水の存在下に300psi(206atm)の圧力
下に行なった。第1試験は150℃で行なった。20時間
後、単に約1/2のアルデヒドが還元されたにすぎなかっ
た。従って、反応は40時間で終えた。第2実験は130℃
から160℃へ4時間中に上昇する温度で、実施例26およ
び27に記載したように行なった。160℃における追加の1
6時間後に水素化を終えた。
150℃における水素化は多量の二量体の形成を生じ
た。反応混合物中のC8アルコール対C16アルドールアル
コールの比は64対37であった。またC7およびC8炭化水素
の78/22比によって示されるように有意なC8パラフィン
形成があった。対照的に、良好に制御した可変温度ヒド
ロホルミル化は高度に選択性であった:C7アルコール対
二量体アルコールの比は91対9であり、C7対C8炭化水素
比は92対8であった。n−アルデヒド反応物は好ましく
二量体化された。150℃における水素化は36.4%のn−
オクタノールを含むC8アルコールを生じたが、より制御
された可変温度反応は40.3%のノルマル異性体を含むC8
アルコールを与えた。
粗C8アルコールを10%水性NaOH、次に水で洗浄した。
その後混合物を22段オルダショーカラムを用いて分別的
に蒸留した。C8アルコール生成物は13mmで81〜87℃の間
に透明無色液体として得られた。それは33%のn−オク
タノールを含有した。GCにより硫黄を検出できなかっ
た。化合物は半直鎖性ジオクチルフタラート可塑剤に転
化された。
実施例31〜34 300℃および3000psiにおけるコバルトの存在下1/1 H2/C
Oによる、予備カセイ処理および処理のない広範囲およ
び狭範囲カットナフサ留分のヒドロホルミル化 前に表IX並びに第4図および第4図に記載した広範囲
および狭範囲カットC8フレキシコーカーナフサをオキソ
フィードとして用いた。これらのフィードのそれぞれの
1/2の2%の水を含むメタノール中の30%KOHで抽出して
チオール成分を除いた。次いでカセイ処理留分を水で洗
浄し、不処理留分と同条件下にヒドロホルミル化した。
合成ガス反応物は1対1のCO/H2混合物であった。反応
は3000psi(207atm)で130℃(266°F)で行なった。
触媒前駆物質としてCo2(CO)8を6%トルエン溶液とし
て反応条件下に加えた。触媒添加は一般に0.1%コバル
トを反応混合物に与える増分であった。ヒドロホルミル
化の発生は合成ガス供給を止めて圧力低下の速度を観察
することにより試験した。一般に、若干の圧力低下が触
媒添加で常に観察されたが、しかしそれはコバルトの量
が不十分であれば維持されなかった。そのような場合
に、追加の0.1%コバルトを維持反応が生ずるまで60分
毎に加えた。十分な量のコバルトで、圧力低下が触媒の
前形成の間に増大し、次いでオレフィン反応物の消耗に
つれて徐々に減少した。
反応混合物の試料を定期的にとり、充填カラムおよび
毛管ガスクロマトグラフィー(GC)により分析した。圧
力低下および充填カラムGCデータは反応速度、フィード
転化並びにアルデヒド、アルコールプラスギ酸エステル
およびアルデヒド二量体プラス三量体への全選択性の評
価に用いた。毛管GCにより得られた結果は表XXVI中に要
約される。
表XXXVIは4フィード、不処理広範囲、カセイ洗浄広
範囲、不処理狭範囲およびカセイ洗浄狭範囲、がこの順
序で増加する反応性を示したことを示す。これらの4フ
ィードに対するコバルト触媒の最小有効濃度はそれぞれ
0.4、0.4、0.3および0.2%であった。有効触媒濃度が不
処理およびカセイ洗浄フィードの両方に対して0.4%コ
バルトであったけれども、カセイ洗浄フィードはより反
応性であった。
表XXVIの充填GCデータは反応の終りまでの全オキソ生
成物のGCパーセントが約39.3〜約58.6%の範囲内であっ
たことを示す。アルデヒドに対するGC応答係数が約1.3
であるので、これらのGCパーセントはそれぞれ45.7重量
%および64.8重量%オキソ生成物に相当した。
狭範囲オレフィンフィードから誘導されたオキソ生成
物のパーセントは広範囲フィードのそれより高い。これ
は2型のフィードの異なるオレフィン反応物含量に基い
て予想される。全アルデヒドに対する選択性もまた狭範
囲フィードの場合に高いことは予想外である。狭範囲フ
ィードから誘導された反応混合物中の副生物の低い量は
用いたコバルト触媒の低いパーセントのためであると思
われる。選択性は明らかに、最少触媒を用いた狭範囲カ
セイ処理フィードの場合に最高であった。
ヒドロホルミル化反応混合物の組成をさらに毛管ガス
クロマトグラフィーおよび質量分光測定の組合せを用い
て研究した。主アルデヒド生成物は主にマクラファティ
転位を含む特性MSフラグメンテーションパターンを基に
して確認した。ヒドロホルミル化によりフィードのC8
レフィンから認められた異性体C9アルデヒド異性体の形
成は次の反応図式により略示される: 2対のC8フィードから誘導されたC8アルデヒドの直鎖
性は表XXXVIIの毛管GCデータにより説明される。予想ど
おり、高パーセントのノルマルアルデヒドを含むC9アル
デヒドが広範囲フィードよりは狭範囲フィードから誘導
された。狭範囲フィード由来生成物に対する最終n−ノ
ナナールパーセントは37.2%および40%である。広範囲
フィードから28%および23.7%のn−ノナナールを含む
最終生成物が誘導された。同一炭化水素組成の不処理お
よびカセイ洗浄フィードから誘導された生成物間の差異
はそれらの異なる転化度のためである。
転化の増加とともに生成物の直鎖性が低下する。初め
に多量のn−ノナナールおよび2−メチルヘプタナール
(2−Me)が最も反応性の1−n−オクテンフィード成
分から形成される。次第に多くの低反応性内部および枝
分れオクテンがヒドロホルミル化されると、ノルマル対
イソ−アルデヒド比が低下する。広範囲フィードの場合
に最終n/i比は0.39および0.31である。狭範囲フィード
中の高パーセントの1−n−オクテンのためにアルデヒ
ドの最終n/i比は0.59および0.67である。
反応混合物の少量の枝分れアルデヒド成分の中で、有
意量の2−エチルヘプタナール(2−Et:3.75〜5.09
%)および2−プロピルヘキサナール(2−Pr)が形成
される。(2−プロピルヘキサノールのパーセントは重
複ピークに対するGC応答を含む。)これらの2アルデヒ
ドおよび2−メチルヘプタナールプラスn−ノナナール
はすべて直鎖オクテンから誘導される。
2つの主要環状C9アルデヒド(環状1および2)もま
たC8オキソ生成物の16.40〜18.23%の範囲内の有意量で
形成された。これらと比較して、単に少量の確認された
ジ枝分れアルデヒド、2,6−ジメチルヘプタナール(2,6
−Di−Me)および2−メチル−5−エチルペンタナール
(2,5−Me,Et)が認められた。それらを合せて合計2.89
〜4.25%の範囲内にあった。
広範囲C8フィードから誘導された生成物の中に、また
有意量の2−プロピル−4−メチル−ペンタナール(2,
4−Me,Pr)および環状C8アルデヒドが存在した。しか
し、これらの低沸アルデヒドは、それらの誘導の大部分
が、明らかに狭範囲フィード中に有意量で存在しない環
式C7オレフィンによるので表に挙げなかった。
n−ノナナールより長い保持時間を有する若干の副生
物の全パーセントもまた表II中に示される。これらの成
分は環状C9アルデヒド、C9アルコールおよびC9アルキル
ホルマートである。広範囲カットC8フィードから誘導さ
れた最終反応混合物中のそれらの合計は18.9%および1
7.2%である。狭範囲C8フィードから誘導された同様の
副生物は単にそれぞれ6.42%および4.41%である。広範
囲フィード由来副生物の大きい量は多量の環状アルデヒ
ドの形成のためである。
ヒドロホルミル化反応混合物の後の加工性を評価する
ために、それらをさらに有機化合物に対するフレームイ
オン化検出器(FID)および硫黄特異検出器(SSD)の両
方を二次応答で用いる毛管GCにより分析した。予想どお
り、2つの異なる型のクロマトグラムが広範囲および狭
範囲フィードから誘導された反応混合物に対して得られ
た。フィードがカセイ処理されたかどうかにかゝわら
ず、反応混合物の組成に関連する限り目立った差異を生
じなかった。不処理フィードのペンタンチオール成分は
ヒドロホルミル化中に実質的にすべて転化された。チオ
フェン硫黄化合物はすべての場合に実質的に変化なく保
たれた。
単に微量の、C9アルデヒド範囲内で沸騰する硫黄化合
物(5〜50ppm範囲)がヒドロホルミル化中に形成され
た。硫黄特異GCはそれらの形成がヒドロホルミル化の初
期の早い段階と同時であったことを示した。高沸硫黄化
合物は反応混合物中に検出できなかった。二量体および
三量体の量が用いた温和なヒドロホルミル化条件下で最
少であることが想起される。
以下において、反応混合物の組成が第14図により示さ
れ、FIDおよびSSD検出に基く比較できるクロマトグラム
が示される。第14図はメタノール性水酸化カリウム洗浄
狭範囲フィードから誘導された最終未処理混合物のクロ
マトグラムを示す。
第14図の下方FIDトレースは、狭範囲カットフィード
の場合に高沸C8芳香族炭化水素フィード成分と低沸ジ枝
分れC9アルデヒド生成物との間に広い分離があることを
示す。全アルデヒド生成物選択性が高いこともまた注意
される。反応混合物中に単に少量の高沸二量体および三
量体副生物が存在するだけである。
第14図の上方SSDトレースは、硫黄の大部分が未転化
炭化水素の領域内にあることを示す。フィードのチオフ
ェン硫黄成分は変化なく保持された。しかし、若干の他
の硫黄成分が主に未知構造の硫黄化合物に転化された。
また2つの非常に少量の高沸硫黄化合物が存在する。そ
れらはアルデヒド生成物より多少大きいGC保持時間を有
する。これら2つの硫黄化合物の硫黄濃度は約20ppmで
あり、炭化水素領域中の硫黄濃度は約2,000ppmである。
4反応混合物のすべてを還流水性酢酸の存在下に通気
してコバルト化合物を水溶性酢酸コバルトに転化した。
不処理広範囲カットフィードから誘導された反応混合物
の場合に、放置すると若干の暗色沈殿が形成された。こ
れはコバルト除去操作の間に完全には溶解しなかった。
従って混合物を濾過してそれを除去した。他の反応混合
物はすべて複雑なことなく脱コバルトされた。狭範囲フ
ィードから誘導された生成物は処理が一層容易であっ
た。メタノール性KOH処理フィードはカセイ洗浄後の相
分離が殊に容易であった混合物を与えた。
コバルトを含まない反応混合物の毛管GCは脱コバルト
中に有意な変化のないことを示した。しかし、脱コバル
ト混合物は貯蔵安定性であると思われない。室温で2ケ
月の放置中に高沸硫黄化合物の形成が、不処理広範囲カ
ットフィードから誘導された脱コバルト反応混合物の硫
黄特異GC分析により認められた。また、より多くの二量
体形成が、脱コバルトアルデヒドを経時させれば蒸留中
に生じた。(蒸留したアルデヒドもまた長時間貯蔵中に
徐々に二量化、すなわちアルドール化、する傾向がある
こともまた認められる。さらに、経時したアルデヒドは
水素化中に一層重質のものを形成する。) 脱コバルトアルデヒドの蒸留を、熱誘導二量化を避け
るために非常に低い圧力で行なった。初めに未転化C8
化水素が1.2mm圧下に約20〜25℃で蒸留された。広範囲
カットフィードの炭化水素留分の大部分、および狭範囲
カットフィードの炭化水素留出物のすべてが無色であっ
た。その後真空を0.1mmに下げ、アルデヒドを蒸留させ
た。広範囲カットから誘導されたアルデヒドは約20〜35
℃の間に分別されたが、狭範囲カットのそれは23〜31℃
の間に得られた。若干のアルデヒド留分がとられた。そ
れらの大部分は無色であったが、しかしそれらの若干は
少し黄色であった。アルコールおよびギ酸エステルは0.
1mmで約31〜42℃の間に蒸留された。それらは透明無色
の液体であった。しかし、高温(すなわち高い圧力下)
におけるギ酸エステルの蒸留は分解および多少黄色の留
出物を生じた。純アルコールおよびギ酸エステル留分を
得る試みはしなかった。
種々のヒドロホルミル化混合物の蒸留の結果を要約し
比較した。アルデヒドプラスアルコールおよびギ酸エス
テル留出物をそれぞれの場合に合せてオキソ生成物とし
て示した。結果を基にしてオキソ生成物および残留重質
(二量体および三量体)副生物の反応生成物1000g当り
の収量を計算した。得られた比較データが次に表示され
る: 表は反応混合物1000g当りの蒸留アルデヒドの収量が
広く、394gから534gまで変化したことを示す。予想どお
り、蒸留されたオキソ生成物のより大きい収量が広範囲
C8留分からよりも高オレフィン含量の狭範囲C8カットフ
ィードから得られた。2広範囲カットから、カセイ処理
が、高フィード転化のために不処理より非常に高い収量
を生じた(表I参照)。
異なるC8フレキシコーカーナフサ留分から得られたC9
アルデヒド留出物(90%またはそれ以上)を大部分合せ
て、相当するC9アルコール生成物を生成させる水素化に
対するフィードを与えた。
狭範囲不処理留出物から誘導された生成物の場合に、
狭範囲カットフィード由来生成物中よりノルマルn−ノ
ナナール含量が一般に低く、高沸成分が優勢であったこ
とが認められる。水素化はすべて前に記載したように5
%の水および10%のCoS/MoS基触媒の存在下、3000psiの
圧力下に160℃で20時間行なった。
水素化反応混合物の充填および毛管GCによる分析はC9
アルデヒドが選択的に相当するC9アルコールに還元され
たことを示した。アルコール選択性は85〜97%の範囲内
であった。
充填GCによれば、広範囲C8留分から誘導されたアルデ
ヒドの水素化が2%未満の二量体形成を生じた。狭範囲
カット誘導アルデヒドの場合に二量体形成は約15%であ
った。
毛管GCはパラフィン形成がすべての場合に最小、5%
未満、であったことを示した。n−ノナンが断然最大の
パラフィン副生物であった。その濃度がはルコール生成
物の4%未満であった。一般に、異性体ノニルアルコー
ル生成物に対する選択性が非常に高かった。
硫黄特異GCは低沸硫黄不純物の大部分がジメチルチオ
フェン、すなわち広範囲カットC8フィードの成分、であ
ることを示す。アルコール保持時間範囲内に硫黄はなか
った。しかし、混合物はすべて二量体範囲内に若干の硫
黄の存在を示した。明らかにフィード中に存在した少量
のアルデヒド範囲硫黄化合物が水素化の間に低揮発性硫
黄誘導体に転化された。
アルデヒドフィードおよびアルコール生成物の混合物
の低沸成分の組成を毛管GCにより研究し、表XXVIII中に
比較した。表XXVIIIのデータは広範囲C8カットから誘導
されたフィードおよび生成物がともに狭範囲フィードよ
り少量のノルマル、すなわちC9直鎖、酸素化物およびよ
り高沸成分を含有することを示す。n−ノニルアルコー
ル生成物の濃度は一般にそれらのn−ノナナール前駆物
質の濃度より低い。これはn−ノナナールの相当する二
量体を与える好ましいアルドール化のためである。二量
体の正確な濃度はそれらの限定された揮発性のために毛
管により決定できなかった。揮発性C8パラフィン副生物
の濃度は表XXIIIにより示されるように、一般に非常に
低く、0〜4%であった。
水素化反応混合物を10%水酸化ナトリウム溶液、次に
水で洗浄して硫化水素およびカルボン酸副生物を除去し
た。水相と有機相との分離が速やかに生じた。最後の水
洗浄後混合物を分別的に蒸留してアルコール生成物を回
収した。
24段オルダショーカラムをアルコール生成物留分から
の炭化水素溶媒および副生物の分離に用いた。二量体お
よび三量体副生物は通常蒸留残留物として得られた。分
留は減圧下に200℃以下の加熱浴を用いて行ない、硫黄
含有二量体副生物の分解を回避した。
C9アルコール留出物はすべて無色透明液体であった。
広範囲留分から誘導された反応混合物のアルコール留分
は18mmで91〜111℃間に蒸留された。予想どおり、狭範
囲C8フィードから誘導されたアルコール留出物は狭い沸
騰範囲を有した。それらは18mmで95〜107℃の間に得ら
れた。狭範囲C8フィードから誘導された二量体副生物も
また蒸留された。それは0.05mmで88〜98℃の間に透明無
色液体として得られた。
4つのC8フレキシコーカーフィードのそれぞれから誘
導されたアルコール留出物生成物を毛管GCにより分析
し、合せて4アルコール生成物を与えた。未蒸留アルコ
ール、二量体および三量体からなる蒸留残留物を充填カ
ラムGCを用いて分析した。粗生成物および副生物から得
られ、炭化水素の蒸留後粗生成物混合物から得られた生
成物および副生物の収量は、合せたアルコール留出物の
収量とともに次表に示される: 上記データにより示されるように、アルコール留出物
の収率は58〜90%の範囲内にある。C9アルコール収量の
大きな差異は明らかに異なる程度の二量体副生物形成の
ためである。二量体はアルデヒド反応物からアルドール
化水素化により誘導される。不処理C8フィードから誘導
されたアルデヒドからの、二量体形成が、おそらくアル
ドール化抑制物質の存在のために、少ないことが注意さ
れる。
遊離アルコールの組成の、それらの毛管GCによる比較
確認のためにn−ノニルアルコールより短保持時間を有
する成分の濃度を加えた。同様に、長保持時間を有する
成分の全パーセントを決定した。これらのパーセントを
次にn−ノニルアルコール成分のパーセントと比較し
た。それらが4アルコール生成物のすべてに対して次表
に示される: 表のデータは広範囲C8フィード由来アルコールが狭範
囲C8フィードを基にしたものより低パーセントのn−ノ
ニルアルコール成分を有することを示す。不処理および
カセイ処理C8フィードから誘導された蒸留アルコール生
成物のn−ノナナール含量間の差異はアルコール回収の
差異のためであると思われる。高沸アルコール成分の蒸
留はカセイ処理フィードから誘導された生成物混合物か
らそれほど完全でなかった。
上記4C9アルコール留出物は、用いた毛管GC法により
検出できる硫黄を含まなかった(この方法は5ppm濃度ま
たはそれ以上存在する単硫黄化合物を検出する)。これ
らの留出物の試料を全硫黄分析にかけた。広範囲不処理
および処理留出物は22ppmおよび43ppmの硫黄を含有する
と認められたが、狭範囲カットフィードから誘導された
相当する留出物はそれぞれ13ppmおよび31ppmを含有し
た。全体として上記分析結果および他の観察は二量体副
生物範囲で蒸留される硫黄化合物の大部分がアルデヒド
のアルコールへの水素化の間に形成されたことを示唆す
る。
一連の比較臭試験をアルコール生成物で行なった。結
果はこれらのアルコールが一般に典型的なC9オキソアル
コールの臭を有したことを示した。
アルコールを半直鎖性ジヘプチルフタラートに転化
し、それを可塑剤として評価した。
実施例35および36 130〜150℃の温度範囲で3000psiにおけるH2/CO比とコ
バルトによるナフサのC9オレフィン留分のヒドロホルミ
ル化 このヒドロホルミル化実験のためのC9オレフィンフィ
ードはダブル15/10型蒸留によりC4〜C12フルードコーカ
ーナフサから誘導された。二次蒸留はbp145〜155℃の広
範囲C10カットで開始し、bp143〜148℃の狭範囲カット
を約40%収率で生成した。広範囲および狭範囲沸騰留分
の主要成分の濃度は次表により示される: 二次15/10蒸留が狭範囲1−n−ノネンに富む留分を
高収量で生ずるのに十分有効でなかったことは明らかで
ある。しかし、低蒸留収率を許容することによりそれが
狭範囲ノネン留分から芳香族成分の大部分を排除するこ
とが可能であった。硫黄GCはジメチルチオフェンおよび
トリメチルチオフェンの大部分が第二分別の間にそれぞ
れキシレンおよび1−メチル−3−エチルベンゼンとと
もに除去されたことを示した。硫黄含量が約1.5%から
0.2%に低下された。
C9フルードコーカーナフサ(E−7285)の狭範囲オレ
フィン留分を0.2%Coの存在下にH2およびCOの1/1混合物
を用いてヒドロホルミル化した。コバルト触媒はその前
駆物質、CO2(CO)8、のトルエン中の13%溶液として導入
した。反応は3000psiで可変温度で行なった。温度は反
応の過程中に上昇させ、種々の型のオレフィンをそれら
の最低反応温度で転化させた。
CO2(CO)8触媒前駆物質の溶液は120℃で加えた。この
反応温度を1時間維持した。その後反応温度を130℃に
あげた。同様に温度を140℃に、次に150℃にそれぞれ1
時間および2時間後にあげた。4時間の全反応時間後に
反応を中止した。
ヒドロホルミル化の結果は表XXIXにより示される。比
較のため、表XXIXはまた同一方法で、0.1%触媒で行な
った実験で得られたデータの若干を示す。
充填GCによる反応混合物の組成はアルデヒドに対し高
選択性であったことを示した。0.2%Coの存在下に4時
間後にヒドロホルミル化反応は実質的に終った。GCによ
れば反応混合物中のアルデヒドの濃度は45%に達した。
n−デカン、n−デカナール、n−デカナール混合物に
よるGC応答係数を決定する実験は45%GC応答が約50重量
%のアルデヒドに相当することを示した。このアルデヒ
ド濃度に達するためにフィード中の最低44.7%のオレフ
ィンがヒドロホルミル化されるべきであった。この時点
に反応混合物はなお単に約5%のアルコールプラスギ酸
エステルおよび約3%の二量体および三量体を含有し
た。
毛管GCによる異性体C10アルデヒド分布はn−デカナ
ールが断然最も優勢なオキソ生成物であったことを示し
た。もちろん、n−デカナールは主にフィードの最も反
応性の1−n−ノネンオレフィン成分から誘導された。
従って、全オキソ生成物のそのパーセントは反応の初期
期の間に殊に高かった(58.2%)。反応の終りにn−デ
カナールのパーセントは44.8%であった。第2の最大C
10アルデヒド異性体、2−メチルノナナールのパーセン
トは16.2%であった。従って1−n−ノネンから誘導で
きるこれらの2つのアルデヒド異性体はオキソ生成物の
61%を構成した。予想どおり、直鎖内部オクテンから誘
導された他の2−アルキル置換C10アルデヒド(2−エ
チルオクタナール、3−プロピルヘプタナールおよび4
−ブチルオクタナール)は71.3%の全濃度中の他の有意
な生成物異性体であった。従って直鎖オレフィンから誘
導されたオキソ生成物の全濃度は約84.8%である。
毛管GCはまた異性体デカナール生成物に相当するアル
キル構造を有する異性体アルコールおよびそれらのギ酸
エステルの匹敵量の形成を示した。これらの二次副生物
はノルマル異性体、殊にギ酸アルキル中に豊富であっ
た。
脱コバルトし、合せたヒドロホルミル化反応混合物を
2フィート充填塔を用いて減圧で分別的に蒸留した。初
めに1160.5g(34.7%)の未反応炭化水素成分が1mm圧力
下に室温付近で除去された。その後残りの2184.5g(65.
3%)の酸素化生成物の混合物が分別された。異性体C10
アルデヒド生成物の大部分が0.5mmで43〜49℃の間に得
られた。アルデヒド留出物の全量は1197.5g(反応混合
物の35.8%)であった。C10アルコールおよびC10アルキ
ルホルマート生成物を分離する試みは行なわなかった。
それらは0.05mmで40〜55℃で蒸留され、無色ないし淡黄
色液体466.5g(14%)として得られた。従って、反応混
合物中のアルコールおよびアルコール前駆物質の合計重
量パーセントは49.8%であった。アルデヒド縮合のC20
二量体生成物は0.05mmで118〜122℃の間に主に蒸留され
た。約296g(11.8%)のこれらの二量体は淡黄色液体と
して得られた。最後に102.5g(3.2%)のC30三量体がま
た主に0.5mmで約215℃で透明黄色留出物として得られ
た。最後の三量体は若干分解を伴なって蒸留された。蒸
留残留物は反応混合物の22g(0.5%)であった。
所望半直鎖性C10アルコールを生成させるため、次の
組成の組合せC10アルデヒドフィードを用いた。
このフィード中のn−デカナールのパーセント(23.4
%)は蒸留の間のその優先的縮合およびn−デカナール
の他の副反応のために低い。このアルデヒドの硫黄GCは
アルデヒド中に硫黄化合物を示さなかった。トリメチル
チオフェンは約40ppmの濃度で存在し、蒸留によるフィ
ード炭化水素の生成物アルデヒドからの不完全な分離を
示した。
上記C10アルデヒドフィードを3000psi(307atm)下に
150℃(302°F)で、0.5%の水、10.7重量%のCoS/MoS
触媒の存在下に40時間水素化した。所望アルデヒドのア
ルコールへの転化は完全であった。コンバインドGC/MS
分析はアルデヒドが存在しないことを示した。
粗生成物中のn−デシルアルコールのパーセントは2
9.6%であった。このパーセントはアルデヒドフィード
中のn−デカナール、n−デシルホルマートプラスn−
デシルアルコールの合計濃度に相当する。
粗アルコールの硫黄GCはトリメチルチオフェンが主成
分(61%)であったことを示した。しかし、少量の硫黄
(39%、約14ppm)もまたアルコール範囲中に存在し
た。この後者の硫黄化合物は明らかに水素化の間に低分
子量硫黄化合物から形成された。
粗C10アルコール水素化生成物(1356g)の大部分を24
段オルダショーカラムを用いて分別的に蒸留した。芳香
族炭化水素およびトリメチルチオフェンを含む初期生成
物留分(47g)が19mmで21〜110℃の間に得られた。
上記留分の後、6無色透明異性体デシルアルコール留
出物留分が得られた。それらの量、沸騰範囲、直鎖性お
よび全硫黄含量は次に示される: n−デシルアルコールより長い保持時間を有する高級ア
ルコールはおそらくジ枝分れウンデカノールである。
上表は直鎖アルコールに富む留分を得ることができる
ことを示す。留分VI、VIIおよびVIIIは可塑剤として評
価される半直鎖性ジデシルフタラートエステルへの転化
のためのハートカットして選ばれた。
全体で1230g(86%)の透明無色アルコール生成物が
蒸留により19mmで111〜121℃の間に回収された。約45g
(フィードの3.4重量%)の透明黄色留出物が広い二量
体範囲中に回収された。明らかに若干のアルデヒド縮合
が水素化の間に生じた。二量体の大部分は0.1mmで165〜
172℃の間に蒸留された。蒸留残留物(18g)の充填GCは
その揮発性成分が三量体範囲内にあったことを示した。
アルデヒド留分はGCにより検出できる硫黄を有しなかっ
た。しかし、二量体アルドールアルコールは約1.2%の
硫黄を含有した。
実施例37および38 130℃および3000psiにおける3/2H2/COと0.2%および1
%コバルトによるC10ナフサのヒドロホルミル化 フルードコーカーナフサの前に記載したC10留分をヘ
キサンとの1/1混合物として、高圧操作を用いて、3000p
siでH2/COの約60/40混合物により130℃でヒドロホルミ
ル化した。触媒前駆物質は二コバルトカルボニルであっ
た。
最初の実験において、用いたコバルト錯体触媒は0.2
%コバルト、すなわち34mMに等しかった。反応混合物を
定期的にサンプリングし、毛管GCにより分析した。反応
の進行は消費された1−デセン反応物およびアルデヒド
生成物の両方の測定により追跡した。主アルデヒド生成
物は1−デセンから誘導されたn−アルデヒドおよび2
−メチル置換アルデヒドであった。得られたデータは次
に表示される: データから、1−n−デセンが初めに転化されたこと
が明らかである。しかし、2時間の反応時間の終りまで
に異性体デセンの有意な反応もまた生じた。形成された
2主要アルデヒドの最後の比は3.15であった。有意な二
次反応は生じなかった。アルコール形成は無視できた。
高沸副生物は事実上存在しなかった。
第2の実験において、同様の反応を1%コバルトの存
在下に行なった。これは非常に速い反応を生じた。10分
中に1−デセン成分が完全に転化された。形成された2
主要アルデヒドの量は1−デセンから誘導できる理論量
の105%であった。2主要アルデヒド生成物のn/i比は2.
71であった。
第2実験もまた2時間行なった。第2時間の間に多く
の水素化が生じた。第2時間の終りには実質的にすべて
の一次アルデヒド生成物が相当するアルコールに転化さ
れた。
実施例39および40 130℃におよび3000psiにおける3/2および1/1H2/COとコ
バルトによるC8ナフサのヒドロホルミル化 前に記載したナフサのC8留分を2実験で130℃および3
000psiで0.2%コバルトの存在下にヘキサン中でヒドロ
ホルミル化した。H2/CO反応物比は第1実験で約60/40で
あったが第2実験で合成ガスの等モル混合物を用い定性
的にこの実施例におけるオクテンの反応は前の実施例に
記載したデセンの反応と類似した。しかし、反応速度は
一般に低かった。60/40のH2O/COによる第1実験で得ら
れたデータの要約が次表により与えられる: 反応は第1時間の間に誘導期を有した。しかし、1−
n−オクテンおよび若干の異性体オクテンの転化は第2
時間中で速かった。形成されたアルデヒドの全量は1−
n−オクテンから生じた理論量の144%であった。しか
し、低反応温度のためにアルデヒドのアルコールへの水
素化が起らなかった。2主要生成物のn/i比は2.78であ
り、前の実施例の類似実験におけるより明らかに低い。
この実施例の第2実験は同一プロセス条件下に、しか
し、H2およびCO反応物の3/2混合物よりはむしろ1/1混合
物を用いて行なった。2実験の結果は非常に類似し、H2
/CO反応物比はこの温度で明らかな主要効果を有しなか
った。1/1のH2/COを用いた第2実験は多少長い誘導期を
有すると思われた。しかし、反応の第2時間中に速やか
な転化が生じた。第2時間の終りまでに1−n−オクテ
ンがすべて転化された。反応は第3時間の間続けた。さ
らに他の異性体の転化が生じた。3時間の反応時間後、
形成されたアルデヒドの全量はフィードの1−n−オク
テン成分に対して計算した理論収量の187%であった。
同基準で、2時間中に形成された全アルデヒドの収量は
125%であった。
実施例41〜42 150℃および3000psiにおける種々の比のH2/CO混合物と
二コバルトオクタデシルによるC8ナフサのヒドロホルミ
ル化 C8ナフサ留分を、例のように二コバルトオクタカルボ
ニルとして与えた0.2%コバルトの存在下にヘキサン溶
液中でヒドロホルミル化した。前の実施例に比較して、
唯一の有意な差異は高温、150℃、の使用であった。3
つの実験を種々の初期および最終H2/CO比で行なった。
最初の実験においてH2/COの3/2比を全反応を通じて用
い、ヒドロホルミル化の苛酷な抑制が認められた。1時
間および2時間の反応時間後、反応した1−n−オクテ
ンの量はそれぞれ20%および27%にすぎなかった。予想
どおり、有意な生成物はn−ノナナールおよび2−メチ
ルオクタナールであった。それらの比は3.48であった。
初期等モルのH2/CO反応物を用いた第2実験において
非常に速い反応が認められた。1−n−オクテン成分の
約20%が、GCによれば10分内に反応し;すべての1−オ
クテンが30分内に反応した。60分中に、多くの直鎖オク
テンおよび2−メチルヘプテン−1もまた転化された。
生成物試料のGC分析で得られた生成物データは次のとお
りであった。
データは有意量のオレフィン異性化がヒドロホルミル
化の間に生じたことを示す。反応の第1部分間に主要1
−n−オクテン成分が熱力学的に好ましい直鎖オクテン
に部分異性化した。従って、30分後に1−n−オクテン
から誘導できる生成物の単に59%が形成されても、1−
オクテンが反応混合物中に示されなかった。ヒドロホル
ミル化の大部分はその後の30分間に生じた。第2時間の
間の明らかな副反応はアルデヒド生成物の相当するアル
コールの水素化であった。反応の終りまでに、形成され
た全n−オクタナールの11%がn−オクタノールに転化
された。しかし、同期間の間の内部オクテンのヒドロホ
ルミル化は水素化による全アルデヒドの減少以上にそれ
を補った。水素化期間の第2の1/2の間に形成された全
アルデヒドが1−n−オクテンに対する計算収量の182
%から201%に増加した。反応の終りに、アルデヒドの1
/2未満が1−n−オクテンから誘導された。1−n−オ
クテンよりはむしろ異性体オクテンから形成されたアル
デヒドの量が時間とともに増加すると、2主アルデヒド
生成物のn/i比が2.59から1.92に低下した。形成された
2−メチルオクタノールの明らかな増加はGCピークの重
なりのためであった。しかし、追加量が2−オクテンか
ら形成された。
反応容器の加圧に用いた初期H2/CO混合物が等モルで
あったけれども、反応の間のフィードガスが約60/40のH
2/CO比を有したことが注意される。液体反応混合物がか
なりのガス損失で4回サンプリングされたので、反応の
終りまでにH2/COは60/40に上昇した。H2/COの初期の低
い値が反応抑制の克服に臨界的であったと思われる。
第3の実験において、初期およびラン合成ガスの両方
のH2/CO反応物比が等モルであった。しかし、低H2/CO比
の維持は前の実験に比べたときに低い反応速度を生じ
た。
10、30、60および120分後に転化された1−オクテン
の量はそれぞれ30、38、79および100%であった。60分
および120分後の2主要生成物、n−オクタナールプラ
ス2−メチルヘプタナール、の収量は1−n−オクテン
を基にしてそれぞれ44%および86%であった。同一の最
後の2期間の間に形成された全アルデヒドの収率は61%
および170%であった。2主要生成物のn/i比はそれぞれ
2.70および2.48であった。反応の終りまでにn−オクタ
ナールの3.5%がn−オクタノールに水素化された。全
体として得られたGCは1−オクテン転化が直ちに始まっ
たけれども、ヒドロホルミル化の最終程度が前の実施例
より低かったことを示した。高CO分圧が初期抑制の克服
に重要であったが、H2分圧は高ヒドロホルミル化速度の
保証に不十分であった。
実施例43 150℃および4500psiにおける3/2H2/COと二コバルトオク
タカルボニルによるC8ナフサのヒドロホルミル化 C8ナフサのヘキサン溶液を例のように0.2%コバルト
の存在下に、3/2のH2/COにより150℃および4500psiでヒ
ドロホルミル化した。条件は前の実施例の第1実験と同
様であったが、しかしこの実験において圧力を3000psi
から4500psiに高めた。これは激しく低下した開始期お
よび2時間の反応期の間のオレフィン成分の一層完全な
転化を生じた。
10分内に1−n−オクテンの19%が転化し、n−オク
タナールが出発1−n−オクテン反応物の11%に相当す
る量形成された。その後速やかな反応が起った。30分中
に実質的にすべての1−n−オクテンおよび2−メチル
ヘプテン−1が転化された。GC分析は形成された生成物
に対する次のデータを与えた。
30分中の1−n−オクテンの初期転化後、アルデヒド
の全収率は1−n−オクテンに対する計算量の149%か
ら291%に増加したことが殊に認められる。この増加は
内部オレフィンの転化のためである。2主要アルデヒド
生成物の最終n/i比は、内部オレフィンの高転化を考慮
するとかなり高かった(2.5)。
反応期間の第2の時間の間に混合物中の2主要アルデ
ヒドの多少の低下があった。これは明らかにアルデヒド
のアルコールへの水素化のためである。GCシグナル強度
を比較すると形成されたn−オクタナールの約16%がn
−オクタノールに転化されたことを示した。
従って、結果は3/2のH2/CO混合物の高い圧力で、COの
濃度が硫黄抑制の克服に十分であることを示す。水素の
高い分圧は1−n−オレフィンおよび内部オレフィンの
両方の高い反応速度を生ずる。
実施例44 変動比のH2/CO混合物およびコバルトの変動濃度によるC
10ナフサのヒドロホルミル化並びにC11アルデヒド生成
物の分離 用いたC10留分は高沸ナフサ留分であった。この留分
のGCによる1−デセン含量は約16%であった。NMR分析
に基くと、デセン成分の型分布は次のとおりであった: 1−デセンが存在する唯一のI型オレフィンであると仮
定するとオレフィン性不飽和の全パーセントは37%であ
った。
前に記載したものと同様のC10フルードコーカーナフ
サ留分、約1900部を1ガロン反応器中で有意量の添加溶
媒なくヒドロホルミル化した。コバルト触媒はトルエン
中の二コバルトオクタカルボニルの約10%溶液として加
えた。生じた実質的に希釈のないフィードはオレフィン
反応物および硫黄抑制物質ともに高い濃度を有した。従
ってそれらは有効な触媒作用に対して多量のコバルトを
必要とした。
触媒前駆物質として二コバルトオクタカルボニルを用
いて130℃で3000psi圧下に、それぞれ1/1のH2/COおよび
3/2のH2/CO反応物ガスで2実験を行なった。用いた触媒
の初期量は両方の場合に0.2%コバルトに等しかった。
触媒のこの量はどちらの場合も5時間内に有意なヒドロ
ホルミル化を生じなかった。その後それぞれ0.1%およ
び0.2%のコバルトを混合物の冷却後に加え、再び反応
を開始させた。
第1実験を合計0.3%コバルトの存在下に再び開始さ
せたときにヒドロホルミル化は中位の速さで生じた。1
−n−デセンのすべてが120分中に消費された。全反応
時間は5時間であった。最終反応混合物のGC分析はフィ
ード中の1−n−デセンの量を基にして約253%の全ア
ルデヒド生成物収率を示した。2主要アルデヒドのn/i
比は約2.7であった。全アルデヒド混合物中のこれらの
アルデヒドのパーセントは41%であった。合計0.4%の
コバルトを用いた第2実験(実施例30)の場合に、ヒド
ロホルミル化は速かった。1−デセンのすべてが10分以
内に転化された。この反応は高量のコバルトで3時間続
けた。
全体として、2実験は類似の結果を与え、初期少量の
コバルト触媒が失活されたが、しかし、従って抑制物質
が消費されたことを示す。従って、加えた量のコバルト
が高活性を示し、それが用いたH2/CO比にほとんど依存
しなかった。
合せた最終反応混合物の組成が毛管GCおよび充填カラ
ムGCによりそれぞれ第8図および第9図に示される。
第15図は主要量のn−パラフィンおよびn−アルデヒ
ドを含む典型的な反応混合物を示す。明らかに識別でき
る異性体アルデヒド生成物もまた示される。これらの2
−アルキル置換アルデヒドは明らかにフィードの種々の
直鎖オレフィン異性体から誘導される。それらの構造は
電子衝撃イオン化で形成された特性イオンを基にしてGC
/MS研究で確立された。スペクトルにより示されるよう
に、減少する量のメチル、エチル、プロピルおよびブチ
ル枝分れアルデヒドが存在する。
第16図は同一反応混合物の充填カラムGCを示す。この
GCは個々の成分の低い分離を示すが、しかし分析を高沸
アルデヒド二量体および三量体副生物まで拡大する。そ
れは、それらが単に全反応混合物の約2.9%になるにす
ぎないことを示す。
生成物のより詳細な研究のために、反応混合物を蒸留
することが決定された。2生成物を合せた。コバルトを
熱水性酢酸プラス空気処理により酢酸コバルトとして除
去した。次いで有機相(976g)を1フィート充填塔を用
いて減圧で分別的に蒸留した。未反応C10炭化水素は0.1
mmで室温で蒸留され、冷トラップ中に捕集された(491
g、50重量%)。その後、C10アルデヒドが蒸留された。
蒸留の間に残留液体(おそらくギ酸エステル副生物)の
若干の熱分解が生じた。その結果、真空が0.5mmに低下
した。しかし、浴温を徐々に100℃に高める間に分解が
止み、真空が改良され、C11アルデヒド生成物が0.1mmで
約50〜60℃の間に蒸留され、無色液体として受領された
(371g、38重量%)。残りの液体二量体および三量体は
112g、12重量%であった。充填GCはこの残留物の約2/3
が非常に高沸の成分、おそらく三量体から構成されたこ
とを示した。これらの重質副物の大きいパーセントは分
留の間の混合物の加熱で形成された。
蒸留結果は全酸素化生成物が、完全転化を仮定して45
%のオレフィン含量におけるフィードに対して計算され
た収量に相当したことを示した。分離されたアルデヒド
含量は少なく、それは全フィードの約36%の有効利用に
相当する。
留出物生成物の毛管GCは2主要アルデヒド生成物が1
−n−デセンのヒドロホルミル化により誘導されたこと
を示した: これらの2主要生成物、n−ウンデカナールおよび2−
メチルデカナール、はアルデヒドの49%を構成する。そ
れらの比は2.23である。他の少量アルデヒドもまたGC/M
Sにより確認された。
上記詳細な分析に基いて全酸素化生成物が分子当り0.
65分枝を含むことが計算された。
C11アルデヒド生成物を相当するC11アルコールに還元
し、それを半直鎖性ジウンデシルフタラートに転化させ
た。後者は可塑剤として評価された。
実施例45〜47 コバルトによる常圧および減圧蒸留C10ナフサのヒドロ
ホルミル化 一連の3ヒドロホルミル化実験を3つの異なるC10
フサ留分で、前の2実施例に記載したように行ない、ナ
フサフィードの分留の条件の反応性に対する影響を測定
した。フィードについての情報およびヒドロホルミル化
結果は表XXX中に要約される。
フィードとして用いた第1留分は342〜350°F(172
〜177℃)の間の常圧蒸留C10カットであった。毛管GCに
よればそれは10.9%の1−n−デセンおよび13.9%のn
−デカンを含有した。このカット成分の約55.5%はn−
デカンより長い保持時間を有した。これらの成分はイン
デンを含む。
第2留分は240mm下の減圧で得られた。それは17.0%
の1−n−デセンおよび15.0%のn−デカンプラス42.7
%の高沸成分を含有した。
第3留分は常圧蒸留C10留分からそれを50mmの減圧で
再蒸留することにより誘導された。この減圧蒸留留分は
主に1−n−デセン、n−デカンまたはそれ以下の範囲
中で沸騰する化合物から構成されたた。n−デセンおよ
びn−デカン含量はそれぞれ19.5%および16.5%であっ
た。この留分の23.1%がn−ウンデカンより大きいGC保
持時間を有した。
上記の若干異なる3つのC10留分を0.1%、次いで追加
の0.1%のCo触媒、ともにCo2(CO)8として加えた、の存
在下のヒドロホルミル化フィードとして用いた。各試験
は1/1のH2/CO反応物として用いて3000psi下に130℃(26
6°F)で行なった。反応混合物はときどきサンプリン
グし、充填および毛管GCカラムにより分析した。結果は
表XXX中に要約される。
表XXX中の一連の実験中の0.1%コバルトの存在下にヒ
ドロホルミル化した3つのC10反応混合物のGC組成デー
タは有意なヒドロホルミル化が360分中に生じなかった
ことを示す。小さい圧力低下および少量のアルデヒド形
成により示される若干の初期反応が初めの10分間の間に
あった。しかし、反応はすぐに事実上停止した。コバル
トカルボニルがC10コーカー留出物フィード中に存在す
る抑制物質により失活したことが明らかである。
0.1%コバルトの存在下に3つのC10留分を反応させる
試みに失敗した後、さらに0.1%のコバルトを反応混合
物に加えた。これは3場合のすべてに有効なヒドロホル
ミル化を生じた(実験のb列中)。しかし、ヒドロホル
ミル化速度は次に記載するように個々のC10フィードに
若干依存した。
常圧蒸留C10ナフサは最も反応性が低かった。増分コ
バルトの添加後でも、1時間中に形成された少量の生成
物により示されるように、反応は遅く始まり、緩慢であ
った。減圧蒸留ナフサ留分は有意に反応性であった。追
加量のコバルトを加えたとき、主要量のアルデヒド生成
物(29%)が1時間以内に形成された。反応は3時間中
に実質的に終った。減圧で再蒸留した常圧C10ナフサカ
ットは若干反応性であった。しかし、減圧蒸留ナフサは
減圧で再蒸留した常圧ナフサより反応性であった。これ
は常圧蒸留の間に形成された抑制物質が減圧の再蒸留で
除去されないことを示すと思われる。
表のデータはまたすべての場合に非常に少量の二量体
副生物の形成があったことを示す。これらの反応の間に
形成された二量体の量は主アルデヒド生成物の3%未満
であった。形成された三量体の量がこの一連の実験中に
測定されなかったけれども、一般に二量体よりかなり少
量の三量体が形成されることが認められる。
毛管GCによる分析は、予想どおりこれらのヒドロホル
ミル化の2つの主生成物が1−n−デセンから誘導され
たn−ウンデカナールおよび2−メチルデカナールであ
ったことを示す。表XXXに示されるように、最終反応混
合物中のこれら2主生成物のn/i比は2.9〜3.7の間にあ
った。もちろん、他の少量の枝分れアルデヒドが存在し
た。これらは内部および枝分れオレフィンから誘導され
た。完全に直鎖のアルデヒド、n−デカナール、の最終
反応混合物中の量は31.1〜38.3%の範囲内にある。この
変動は明らかにこれらのフィード中に存在する1−n−
デセンの異なるパーセントを反映する。同様に、異なる
フィード組成の結果、n−ウンデカナールおよび2−メ
チルデカナールの合せた量(n+i)は41.7%から51.1
%まで変化した。生成物の残りは主に他のモノ枝分れ2
−アルキル置換C11アルデヒド例えば2−エチルノナナ
ール、2−プロピルオクタナールおよび2−ブチルヘプ
タナールから構成された。これらのモノ枝分れアルデヒ
ドは明らかに異性体直鎖内部デセンから誘導された。
一般に、種々の間隔で反応混合物からとった試料の比
較は予想どおり1−n−デセン成分が最初に反応したこ
とを示す。従って、部分反応フィードの生成物は主にn
−ウンデカナールおよび2−メチルデカナールから構成
された。反応が進行し、内部および枝分れオレフィン成
分もまた転化されるにつれて、種々の枝分れアルデヒド
が形成され、1−n−デセンから誘導された2主要生成
物の相対量が低下した。
単に少量のアルデヒドヒドロホルミル化生成物が水素
化により相当するアルコールに還元された。唯一の確認
可能なアルコール副生物はn−ウンデカノールであっ
た。その量はC11アルデヒド生成物の1%以下であっ
た。
得られた3つの最終反応混合物は通常褐色であった。
常圧蒸留フィードから誘導された混合物の褐色の若干は
普通の水性酢酸、空気処理によるコバルトの除去後に残
存した。しかし、減圧蒸留フィードから誘導された混合
物の褐色はコバルト除去で暗黄色に変った。
コバルトを含まない反応混合物を2フィート充填塔を
用いて減圧で、0.1〜50 0.2mmの圧で分別的に蒸留し
た。未転化フィード成分はドライアイス冷却受器を用い
て、室温(20〜30℃)で黄色味を有する無色液体として
蒸留された。アルデヒド生成物は0.1mm圧で47〜57℃の
間に淡黄色液体として得られた。
比較的低い蒸留および加熱浴温度(100〜135℃浴)の
ために、比較的少ないアルデヒド二量化および三量化が
蒸留の間に生じた。例えば、減圧再蒸留フィードを用い
る実験において、1700gの粗反応生成物を蒸留して570g
の生成物および51gの蒸留残留物が得られた。GC分析は
この残留物が31%の生成物、43%の二量体および26%の
三量体を含有したことを示した。従って、二量体および
三量体を合せて35.2g、すなわち主生成物の約6%であ
った。
3実験のアルデヒド留出物生成物を合せた。合せた生
成物は37.1%のn−ウンデカナール、10.4%の2−メチ
ルデカナール、約8.6%の他の2−アルキル置換モノ枝
分れアルデヒド、約28.7%のn−デカナールより長い保
持時間を有するアルデヒドを含有した。これらの後者の
化合物にはジ枝分れ、おそらくC12アルデヒドが含まれ
た。n−ウンデカノールの量は最少、約0.2%であっ
た。
コバルトによるC9〜C15フルードコーカー軽質軽油留分
のヒドロホルミル化(実験例48〜64) 前に記載したC9〜C15軽質コーカー軽油およびその留
出物留分を前処理することなくコバルトの存在下に高圧
でヒドロホルミル化した。
非分別C9〜C16軽質軽油のヒドロホルミル化を添加ホ
スフィン配位子の存在下および存在なくコバルトで研究
した。その後、C11〜C15の狭範囲1炭素留出物部分のヒ
ドロホルミル化をコバルトの存在下に3000psiで研究し
た。一般に、軽油留分はナフサ留分、殊に減圧で蒸留し
たとき、より一層反応性であった。反応速度は110〜170
℃の範囲内で温度に正比例した。アルデヒド生成物のn/
i比は反応温度に反比例した。異性体アルデヒド生成物
は減圧で分留により反応混合物から分離された。生成物
の2主要型はn−アルデヒドおよび相当する2−メチル
アルデヒドであった。アルデヒド生成物は硫黄耐性Co/M
o触媒の存在下に相当するアルコールに還元された。
実施例48 150℃および4500psiにおけるコバルトによるC9〜C15
コーカー軽質軽油のヒドロホルミル化 前に記載したC9〜C15軽質軽油を溶媒なくH2/COの1:1
混合物によりヒドロホルミル化した。Co2(CO)8のトルエ
ン溶液を120℃の温度および3000psi圧で反応混合物に導
入し、0.4%のコバルト濃度を与えた。反応が起らなか
ったとき、条件を150℃および4500psiに変えた。30分の
開始期後、速やかなヒドロホルミル化反応が起った。こ
れは種々の硫黄置換コバルトカルボニル錯体間の平衡が
あるとの仮定を支持した。フィード中に存在する硫黄化
合物の型および量により、十分高い濃度のCOが不活性カ
ルボニルを含まない錯体の形成の回避に必要である。
3時間の全反応期間の後反応を中止した。生じた混合
物の毛管GCは第17図に示される。図から、軽油フィード
の顕著な1−n−オレフィンピークがヒドロカルビル化
後にないことが明らかである。1−n−オレフィンは主
にアルデヒドに転化され、それがGCの高保持領域中の目
立つピークとして示される。C11〜C16アルデヒドピーク
の相対強度は親C10〜C15オレフィンのそれとほゞ同一で
ある。1フィードの1−n−オレフィンはそれらの炭素
数に関係なく類似の反応性であると思われる。これは炭
素数の増加とともに反応性が速やかに低下する枝分れ高
級オレフィンの挙動とは対照的である。
実施例49〜51 コバルトによる常圧および減圧蒸留C11ナフサおよび軽
油留分のヒドロホルミル化 一連の3ヒドロホルミル化実験をフルードコーカー留
出物のナフサのC11留分および合せたC11軽質軽油留分で
実施例41〜45に記載したように行なった。実験は反応性
に対する軽油の蒸留の条件の影響が決定されるように設
計した。用いたフィードおよび得られたヒドロホルミル
化結果についての情報は表XXXIに要約される。詳細の若
干が次に記載される。
238mm圧下に63〜71℃(146〜150°F)の間に沸騰す
る狭範囲カットC11ナフサ留分を実施例49に用いた。実
施例50において、前に記載した軽質フルードコーカー軽
油の合せたC11留分を用いた。これらの留分は常圧で185
〜196℃(365〜385°F)の間に得られた。軽質コーカ
ー軽油の同じC11留分の一部を50mm圧で分別なく再蒸留
した。橙色C11留分のこの再蒸留は黄色留出物を与え、
実施例51においてヒドロホルミル化フィードとして用い
た。
上記C11フィードのそれぞれをCo2(CO)8として加えた
0.1%Coの存在下にヒドロホルミル化した。各試験は300
0psi下、130℃(266°F)の1/1のH2/COを用いて行なっ
た。反応混合物をときどきサンプリングし、充填および
毛管GCにより分析した。
表XIXの反応混合物のGC組成データはすべてのC11留分
が上記条件下に、しかし異なる速度でホルミル化される
ことができたことを示す。減圧蒸留ナフサ留分は常圧蒸
留軽油留分より反応性であった(実施例49および50、列
No.1および2)。減圧で再蒸留した軽油はすべての中で
最も反応性のC11留分であった(実施例51)。
認められた反応性から、常圧におけるより減圧の蒸留
が高い反応性を生じたことが明らかである。しかし、本
発明はこれらの発見に無関係である。我々は高温におけ
る常圧蒸留が若干のチオール成分がH2Sプラスオレフィ
ンへの熱分解を生ずることを仮定する。形成されたH2
の若干が常圧留出物中に溶解し、ヒドロホルミル化過程
を抑制することができる。
充填カラムのGCによる全反応混合物の分析はC11フィ
ードのパーセントの低下と同時に主にC12アルデヒドが
形成されたことを示す。非常に少量のアルデヒド二量体
および三量体の形成;主アルデヒド生成物の単に約3
%、が存在する。
毛管GCによる分析は2主生成物がフィードの1−n−
ウンデセン成分から誘導されたn−ドデカナールおよび
2−メチルウンデカナールであることを示す。表に示さ
れるように、最終反応混合物中のこれら2生成物の比は
2.7〜3.1の範囲内にある。もちろん、他の枝分れアルデ
ヒドが存在する。これらは内部および枝分れオレフィン
から誘導される。従って、完全に直鎖のアルデヒド、1
−n−ドデカナール、の量は全酸素化生成物の37.7〜3
9.4%の範囲内にある。1−n−ドデカナールおよび2
−メチルウンデカナールは合せて48.2〜51.9%を示す。
残りの生成物は主要量の他のモノ枝分れ2−アルキル置
換C12アルデヒド例えば2−エチルデカナール、2−プ
ロピルノナナール、2−ブチルオクタナールおよび2−
ペンチルヘプタナール、を含む。これらのモノ枝分れア
ルデヒドは明らかに異性体直鎖内部ウンデセンから誘導
された。単に最少量のアルデヒドヒドロホルミル化生成
物が水素により還元され、相当するアルコールを与え
る。唯一の確認できるアルコール副生物はn−ドデカナ
ールおよび2−メチルウンデカノールであった。それら
の合計濃度は全アルデヒドの単に1〜3%にすぎなかっ
た。
上記3実施のC11コーカー留出物ヒドロホルミル化で
得られた3反応混合物は実施例41〜45において記載した
と同様の方法で処理した。
減圧C11フィードから誘導された反応混合物は明らか
に常圧留出物フィードからのものより限定的に薄い褐色
であった。通常の水性酢酸および空気処理によるコバル
トの除去はすべての混合物の色を低下した。しかし、い
ま一般に淡色混合物間の差異が存続する。混合物はすべ
て透明で沈殿を含まなかった。
コバルトを含まない混合物を2フィート充填塔を用い
て約0.1mm圧で分別的に蒸留した。未転化フィード成分
は室温(20〜30℃)付近で蒸留された。アルデヒド生成
物は57〜67℃の間で得られた。両留出物は淡黄色透明液
体であった。アルデヒド生成物の比較的低い蒸留温度の
ために比較的少量のアルデヒドの二量化および三量化が
蒸留の間に生じた。残留二量体は形成された全酸素化生
成物の単に約2.5%にすぎなかった。三量体は1%以下
であったが、しかしGCによりそれらの正確な決定ができ
なかったことが認められる。
実施例52〜55 110〜150℃温度範囲におけるコバルトによるC12軽油の
ヒドロホルミル化 一連の4ヒドロホルミル化実験を、前に記載した軽油
の減圧蒸留した合せたC12留分で実施例44および45に記
載したように行ない、反応速度および選択性に対する温
度の影響を決定した。各試験は3000psiで1/1のH2/COを
用いて行なった。用いた反応温度は110、120、130およ
び150℃であった。反応混合物はときどきサンプリング
し、例のように充填および毛管GCにより分析した。結果
は表XXXII中に要約される。
表の結果はC12留分が同一フルードコーカー装置によ
り生成された低沸留分よりも反応性であったことを示
す。約0.1%コバルトがこの一連の初めの3試料で有効
であると認められたが、0.2〜0.4%コバルトが前の実験
で必要であった。
実施例52、53および54において温度が100℃から130℃
に高められると、反応速度が有意に高められた。実施例
4における150℃で、単に0.05%コバルトが使用され
た。しかし、ヒドロホルミル化が起り高い活性を示し
た。最終反応混合物の組成は130および150℃のヒドロホ
ルミル化においてフィードの約1/3がアルデヒドに転化
されたことを示した。
2主要アルデヒドの高いn/i比を生ずるヒドロホルミ
ル化の選択性は温度の上昇で低下した。また低温におけ
るより多いアルデヒド二量体副生物およびアルコール水
素化生成物が150℃で形成された。
良好なオレフィン転化でアルデヒドを選択的に生成さ
せるには、130℃程度の温度が好ましい。データは一般
に1−n−ドデセンが最初に選択的にヒドロホルミル化
され、n−トリデカナールと2−メチルドデカナールと
の高い比を生じたことを示す。その後直鎖内部オレフィ
ン成分が種々の2−アルキル置換アルデヒドに転化され
る。同時に少量の枝分れオレフィンのヒドロホルミル化
もまた起り、若干の他の枝分れアルデヒドを与える。従
って、転化が増加するとともに生成物直鎖性が低下す
る。例えば実施例54における130℃で、n−トリデカナ
ールのパーセントは未転化のパーセントが73%から66%
に低下すると55.6%から44.1%に低下する。
実施例53はさらに二コバルトオクタカルボニルよりは
むしろカルボン酸コバルトからの活性触媒種の低温発生
を示す。この実施例においてナフテン酸コバルトの120
℃における使用が、実施例52における110℃のCo2(CO)8
の使用とほゞ同様の転化を生じた。
この4実施例の4反応混合物を実施例44および45と同
様に処理して生成物を分離した。すべてのヒドロホルミ
ル化生成物混合物は沈殿を含まない透明暗褐色液体であ
った。それらは常法で水性酢酸プラス空気処理により容
易に脱コバルトされた。コバルトを含まない混合物はよ
り薄い褐色であった。それらを別々に処理した。
コバルトを含まない混合物の分留は未転化成分のほゞ
無色の留出物留分および無色〜淡黄色C13アルデヒド生
成物を生じた。アルデヒド生成物は1 1/2ftカラムを用
いて約0.1mm圧下に130〜160℃の油浴で、約70〜80℃の
間で蒸留された。約8時間の遅い蒸留の間に有意な追加
の不飽和アルデヒド二量体形成が生じた。これは分離し
た生成物収量の決定における主因子であった。アルコー
ルが所望生成物であれば、分留前の脱コバルト反応混合
物の水素化が好ましい。
4実施例の留出物アルデヒド生成物を合せて後の水素
化に十分な量を与えた。毛管GCによれば、合せた生成物
は40%のn−トリデカナール、14.4%の2−メチルドデ
カナールおよび17.6%の2−アルキル置換アルデヒドプ
ラス2%程度の少量のアルコールを含有した。
異性体アルデヒドの詳細な構造が第18図に示され、そ
れは反応混合物の毛管ガスクロマトグラムのアルデヒド
領域を示す。GC/MS研究を基にして図は主要n−トリデ
カナールのほかに2−メチルよりより高級2−アルキル
枝分れ異性体アルデヒドが減少量で存在することを示
す。質量分光測定研究もまた2−メチルドデカナール、
3−メチルドデカナールが匹敵量で存在することを示し
た。
実施例56 120〜150℃範囲における0.1%コバルト存在下のC12軽質
軽油とメタノールとのヒドロホルミル化−アセタール化 bp207〜217℃のC12フルードコーカーナフサ留分を300
0psi(207atm)でメタノールとの1対3モル混合物で、
Co2(CO)8のトルエン溶液として加えた0.1%コバルトの
存在下に130℃でヒドロホルミル化した。反応は直ちに
始まり、添加メタノールの存在しないときより速い速度
で進行した。しかし、枝分れオレフィン成分の反応を終
らせるために温度を2時間後に140℃、合計4時間後に1
50℃に上げた。反応を合計6時間後に中止した。室温に
放置した後反応混合物のGC分析はC13アルデヒド生成物
のジメチルアセタール誘導体の高選択的形成および無視
できる二量体形成を示した。
反応混合物を水性メタノールで希釈してコバルトを分
離し、次いで減圧で蒸留した。トリデカナール水素化生
成物のジメチルアセタールは2ft充填塔を用いて蒸留
し、0.05mmで80〜85℃の間で透明無色液体として得られ
た。毛管GC/MSは異性体分布がメタノールの存在しない
ときに認められたものに類似したことを示した。
実施例57〜60 130〜170℃の温度範囲におけるコバルトによるC13軽油
のヒドロホルミル化 一連の4ヒドロホルミル化実験を、実施例41〜45に記
載したように、前に記載した軽油の減圧蒸留組合せC13
留分で行なった。反応条件は前の実施例中と同様であっ
た。実験は170℃までの高い反応温度の影響を決定する
ためであった。結果は表XXXIII中に要約される。
表のデータは反応の速度が170℃まで正当に増加した
ことを示す。これはC8ナフサ留分の研究で認められたヒ
ドロホルミル化挙動とは反対である。
これらのデータにより示されるように、150℃以下の
反応温度がアルデヒドの選択的生成に有利であった(実
施例57および58)。二量体および三量体副生物のパーセ
ントは温度とともに増加した。170℃で多量のアルコー
ルが形成された(実施例60)。
全アルデヒド生成物のn−アルデヒド成分のパーセン
トが温度とともに低下したこともまた認められた。従っ
て、データは低反応温度が高い生成物直鎖性および低い
副生物形成を生ずることを示す。しかし、170℃反応混
合物の鋭敏に低下するn−アルデヒド含量が主にn−ア
ルコールへの水素化のためであることが認められるであ
ろう。170℃で、アルデヒド形成は60分中に実質的に終
る。その後優勢な反応はアルコールへのアルデヒドの水
素化である。
ヒドロホルミル化生成物混合物はすべて沈殿を含まな
い透明褐色液体であった。それらは常法で水性酢酸プラ
ス空気処理で容易に脱コバルトされた。アルデヒド生成
物の若干の追加二重化が2ft充填塔および約135℃の加熱
浴を用いた0.1mmにおける蒸留の間に生じた。アルデヒ
ドは0.1mmで75〜85℃の間に蒸留された。
反応混合物の蒸留の間に未転化成分およびアルデヒド
生成物の色がどちらも反応温度に依存したことが認めら
れることは興味深かった。130℃反応の混合物は両未転
化軽油成分およびアルデヒド生成物の黄色留出物を生じ
た。140℃および150℃反応の混合物は無色炭化水素留出
物を、しかし黄色アルデヒド生成物を与えた。170℃反
応混合物は両炭化水素およびアルデヒド留分の無色留出
物を生じた。
上記観察は、ヒドロホルミル化の間に二重結合の水素
化および水素化による脱硫が反応温度の上昇とともに次
第に有意な副反応になることを示す。しかし、これらの
水素化は反応混合物の後の水素化の間に良好に行なわ
れ、それが通常望まれる高級アルコール生成物を与える
と思われる。
蒸留アルデヒド生成物はすべてテトラデカナールおよ
び2−メチルトリデカナールを主要成分として含有し
た。前の実施例においても認められたように、他の2−
アルキル置換C14アルデヒドが、合わせたときに生成物
成分の第3群を構成した。GC/MSにより、これらのアル
デヒドの2−アルキル置換基がC2〜C6 n−アルキルの範
囲内にあったことを示した。
実施例61〜63 110〜130℃の温度範囲におけるコバルトによるC14軽油
のヒドロホルミル化 一連の3ヒドロホルミル化実験を、前に記載した軽油
の減圧蒸留組合せC14留分で、実施例44および45に記載
したように行なった。反応条件は実施例52〜54と同様で
あったが、しかし用いたコバルト触媒の量は0.1%から
0.3%に増加した。結果は表XXXIV中に示される。
データは110℃、実施例61の低温、で反応速度が最小
であったが、しかし生成物直鎖性が最大であったことを
示す。反対に、130℃、実施例49の最高温度、で反応速
度が最大であったが、しかし生成物直鎖性は最小であっ
た。反応温度が全3例中で比較的低かったので、有意な
アルデヒド二量体および三量体の形成がなかった。アル
コール水素化副生物の量もまた低く、アルデヒドの約3
%に保たれた。
生成物直鎖性は全酸素化生成物中のn−アルデヒド
(およびn−アルコール)のパーセントにより最もよく
示される。ヒドロホルミル化の終りに、この値は110℃
で45.2%、120℃で42.2%および130℃で40.8%であっ
た。1−n−オレフィン由来n−アルデヒドのパーセン
トは、枝分れアルデヒドを与える反応性の低い内部およ
び枝分れオレフィンのヒドロホルミル化に逆に依存し
た。。従って、n−アルデヒドパーセントは全オレフィ
ン転化に反比例した。
2主アルデヒド生成物、n−ペンタデカナール対2−
メチル−テトラデカナール、のn/i比は、これらの生成
物がともに反応性1−n−オレフィン成分、1−n−テ
トラデセン、から誘導されることができるので、オレフ
ィン転化に一層無関係であった。(2−メチル−テトラ
デカナールはまた2−テトラデセンから誘導されること
ができる)。このn/i比は主に温度に依存した。それは
表のデータにより示されるように反比例した。
これらおよび前の実施例のデータはヒドロホルミル化
の好ましい方法が、1−n−オレフィン成分を130℃ま
たはそれ以下で実質的に転化させ、他のオレフィンを主
に130℃以上、170℃までの温度で反応させる可変温度で
行なわれることを示唆する。そのような可変温度運転は
異なる温度で運転される反応器を含む反応系で行なうこ
とができる。
ヒドロホルミル化生成物混合物はすべて常法で水性酢
酸プラス空気処理で脱コバルトし、次いで減圧で分別的
に蒸留した。C15アルデヒド生成物は0.1mmで95〜111℃
の間で沸騰する透明黄色液体留出物として得られた。12
0〜140℃の比較的低温の浴を用いて比較的少ない、約5
%の、アルデヒドが蒸留の間に二量体および3量体に転
化された。
蒸留したC15アルデヒドの分析はそれが炭化水素不純
物を実質的に含まなかったことを示した。コンバインド
GC/MS研究は約47%のペンタデカナール、15.5%の2−
メチルテトラデカナールおよび16%の2−(C2〜C6アル
キル)置換アルデヒドの存在を示した。明らかなジ枝分
れC16アルデヒドもまた混合物中に約7.9%濃度で認めら
れた。少量(0.5%)のn−ペンタデカナールもまた存
在した。
実施例64 3000psi圧下、可変温度におけるH2/COとコバルトによる
軽質軽油のC14留分のヒドロホルミル化およびC15アルデ
ヒド生成物の水素化 このヒドロホルミル化に対するC14オレフィンフィー
ドはダブル15/10型蒸留により軽質フィードコーカー軽
油から分離した。それを0.2%または0.1%の存在下にヒ
ドロホルミル化した。触媒前駆物質としてCo2(CO)8を用
いた。それを120℃で異性体キシレン中の約6%溶液と
して導入した。温度は反応の過程間に120℃から150℃に
上げ、種々の型のオレフィンをそれらの最低反応温度で
転化させた。
それぞれ0.2%および0.1%コバルトを用いた両ヒドロ
ホルミル化実験の結果は表XXXVにより示される。良好な
オレフィン転化が両触媒濃度で達成された。反応混合物
の最大アルデヒド含量は約30%であった。しかし、n−
アルデヒド選択性は0.1%Coで多少高いと思われた。
示された反応時間による圧力低下の減少および充填GC
による反応混合物の組成は反応が4時間中に実質的に終
ったことを示した。予想どおり、反応は高触媒濃度で速
かった。最終反応混合物はなお単に最少量の副生物、2
〜3%の範囲内の二量体、を含有した。
毛管GCはn−ペンタデカナールが形成された最も優勢
なC15アルデヒドであったことを示した。もちろん、そ
れは主要な最も反応性のオフィン成分のフィードの1−
n−テトラデセンから主に誘導された。従って、そのパ
ーセント、56.0〜48.9%、は反応の初期段階中で最も高
かった。反応の終りに、n−ペンタンデカナール濃度は
異性体ペンタデカナールの33.1〜36.1%であった。
モノ枝分れペンタデカナールが枝分れ異性体から誘導
されその最大群であった。最大枝分れC15アルデヒド異
性体2−メチル−テトラデカナールのパーセントは12.0
〜13.5の範囲内にあった。第2の最大異性体、2−エチ
ルトリデカナールは5.7〜5.8%の範囲内の濃度で存在し
た。n−ペンタデセンから誘導された他のモノ枝分れC
15アルデヒドもまた1.8〜3.8%の範囲内の濃度で存在し
た。予想どおり、これらの少量アルデヒド異性体はn−
プロピル、n−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシ
ル分枝を2−位に有した。これらの少量の最大、2−プ
ロピル−トリデカナールは2.1〜3.9%濃度範囲で存在し
た。低フィード転化で、表中のこれらの少量異性体の記
録された濃度は、測定のGC法の限界のために低い。
1−ペンタデセン成分のヒドロホルミル化の選択性は
n−ペンタデカナールと2−メチルテトラデカナールと
の比(n−Me)により確認される。この比は約3.4の最
高値から反応温度およびオレフィン転化の増大で2.7に
低下した。全C15アルデヒドの直鎖性はノルマル異性体
と全イソすなわち枝分れアルデヒドの合計との比により
記載される。この比もまた1.27から0.49に低下する。
毛管GCは有意量の異性体C15アルコールおよびC15ホル
マートの反応混合物中の存在を示した。それらのGCピー
クは一部重なったが、しかしn−ペンタデカナールおよ
びn−ペンタデシルホルマートは区別できた。最終反応
混合物中のアルコールおよびホルマートの合計量は全酸
素化生成物の14.5〜17.0%の範囲内にあった。n−アル
コールとn−アルキルホルマートとの比は2.4〜3.5であ
った。
反応混合物の硫黄GCは硫黄化合物成分の大部分がC14
炭化水素フィードの保持時間領域中にあることを示し
た。相対的に非常に少ない量の硫黄がアルデヒド領域中
に認められた。
ヒドロホルミル化反応混合物は例のように通気水性酢
酸で脱コバルトした。次いでそれらを10%のCoS/MoS基
触媒および5%の水の存在下に3000psi(306atm)で、1
50〜170℃温度範囲中で水素化した。アルデヒドの還元
は20時間中に終った。硫黄GCはフィード領域中の硫黄化
合物の大部分が水素化の間不変で保たれたことを示し
た。
反応混合物のアルデヒド成分の水素化を多少詳細に研
究した。水素化を、上記反応混合物で1かくはんオー
トクレーブ中、3000psi圧下に150、155および160℃の比
較条件下に行なった。2、5および20時間後にとった試
料の毛管GCによりアルデヒドおよびアルコール含量につ
いて分析した。結果は表XXXVIにより示される。
表のデータは水素化が3温度のすべてで中位速度で起
ったことを示す。n−ペンタデカナールのn−ペンタデ
カナールへの転化は96%またはそれ以上であった。全異
性体アルデヒドの転化は最低約85〜90%である。(全転
化は、GCピークのアルデヒドとアルコールとの間の重な
りのために正確に決定できなかった。少アルコール成分
のこの重なりを無視して、n−ペンタデカナールより短
い保持時間を有する成分すべてをアルデヒドとして計算
した。) 表XXXVIのデータは温度の上昇とともに多少低いアル
デヒドのアルコールへの転化を示すことが注意される。
これは明らかに温度上昇の3実験中の触媒活性の多少の
低下のためである。n−ペンタデカノールから誘導され
たn−ペンタデカン二次生成物の量が温度とともに検出
以下の濃度からn−ペンタデカノールのそれの1.3%に
等しい量に増加したことを認めることは興味深い。n−
アルコールのn−パラフィンへの転化はn−アルデヒド
のn−アルコール転化よりも温度依存性であると思われ
る。
C14フルードコーカー軽質軽油留分のヒドロホルミル
化から水素化した反応混合物を合せて異性体C15アルコ
ール生成物を分離するために処理した。次いで合せた混
合物を10%水酸化ナトリウム水溶液50容積パーセントで
洗浄してH2Sおよびカルボン酸副生物を除去した。この
洗浄は乳濁液の形成を生じた。乳濁液相はキシレンの添
加により大部分破壊された。次いで有機相を水で洗浄
し、無水MgSO4上で乾燥した。次いでキシレン溶媒を減
圧フィルム蒸発により大部分除去し、残留液体を減圧で
分別的に蒸留した。
分留は未反応C14炭化水素を約0.1mmで61〜72℃の間の
透明無色液体として回収した。オキソ生成物残留物は約
1kgであった。その後の蒸留でC15アルコール生成物が0.
1mmで112〜129℃の間に蒸留された。オキソ生成物の約7
0%がC15アルコール留出物、無色透明液体、として得ら
れた。他の17%が129〜245℃の間に黄色液体留出物混合
物として得られた。この混合物はC15アルコールおよび
二量体を1対2の割合で含有した。残留物は約12%であ
った。
C15アルコールの蒸留の間にn−ペンタデカノールは
冷却すると高沸直鎖留分から結晶化したことが認められ
た。直鎖洗剤アルコールは明らかにこのアルコール混合
物から結晶化により分離することができる。
実施例65 140℃における0.1%コバルトによるC15軽油のヒドロホ
ルミル化 前に記載した軽油の減圧蒸留組合せC15留分を実施例4
1〜45に記載したように140℃で、実施例49〜52の条件下
に水素化した。結果は表XXXVII中に要約される。
表のデータは用いた低濃度の触媒で長い誘導期があっ
たことを示す。1時間の反応時間後、3%以下のアルデ
ヒドが形成された。3時間中、生成物留分はなお最少で
あった。合成ガス消費の速度により示されたヒドロホル
ミル化の最大速度は4時間後に到達された。1−n−ペ
ンタデセンフィード成分の完全な転化は5時間中に得ら
れた。6時間後、反応混合物中の生成物の量は29%であ
り、ガス消費は低かった。従って、反応を中止した。
反応生成物の分析はアルデヒドの高い選択性を示し
た。アルコールおよび二量体の量は最終反応混合物中で
約1%であった。主反応生成物は2.76のn/i比における
n−ヘキサデカナールおよび2−メチルペンタデカナー
ルであった。これら2生成物は全C16アルデヒド生成物
の73.5%になった。残りの大部分は2−アルキル置換C
16アルデヒドであった。
最終反応混合物を例のように脱コバルトし、0.1mmで
分別的に蒸留し、C16アルデヒド生成物を分離した。ア
ルデヒドは150〜160℃の加熱浴を用いて0.1mmで115〜12
5℃の間に沸騰する透明黄色液体留出物として得られ
た。分別蒸留の間に有意なアルデヒド二量体および三量
体の形成が生じた。反応混合物中に存在するC16アルデ
ヒドの単に70%が蒸留により回収された。
実施例66〜70 コーカー留出物から誘導されたC11〜C15アルデヒドの相
当するアルコールを生成する水素化 組合せ蒸留C11〜C15アルデヒド生成物を、前に実験操
作中に記載したように硫黄不感性コバルト/モリブデン
基水素化触媒の存在下に水素化した。300psi圧下、232
℃における約24時間の水素化後、反応混合物をGC/MSに
よりアルデヒド転化について分析した。(C15アルデヒ
ドの場合に反応時間は48時間であった。)アルデヒドが
完全に転化したことが認められた。生成物は主に相当す
るアルコールであった。しかし、おそらく主アルコール
生成物を経由するパラフィンへの若干の転化もまた生じ
た。
実施例で得られた生成物分布は次に挙げられる: GC/MSによるパラフィン生成物の異性体分布の試験は
親アルデヒドのn/iより高いノルマル対イソパラフィン
比を示した。これはn−アルデヒドおよびn−アルコー
ルがパラフィンに優先的に水素化されたことを示した。
従ってn−アルコールのパーセント、およびn−アルコ
ール対2−メチル置換アルコールのn/i比がフィードの
n−アルデヒドパーセントおよびアルデヒドn/i比より
若干低かった。パラフィンへの水素化が小副反応であっ
たので、アルコール型(ノルマル、2−メチル置換、2
−エチルおよびより高級のアルキル置換アルコール)の
減少する濃度の順序はアルデヒドフィードのそれと同様
に保たれた。
水素化の反応混合物を分別的に蒸留してアルコール生
成物をパラフィン副生物から分離した。ともに次の近似
沸騰範囲の無色液体留出物として得られた。
GC/MS研究はアルコールが定性的に親アルデヒドと同
様の異性体分布を有したことを示した。n−アルコール
および2−メチル枝分れアルコールが主成分であった。
GC/MSはパラフィンがアルデヒドフィードから構造の異
性化なく誘導されたことを示した。パラフィン形成副反
応は、n−パラフィンの優勢な形成により示されるよう
に、フィードの直鎖アルデヒド成分の場合に最高速度で
生じた。
半直鎖性ジアルキルフタラート可塑剤 本発明のC5〜C15半直鎖性アルコールは公知方法によ
り相当するジアルキルフタラートエステルに転化される
ことができる。アルコールは、好ましくは非酸化性触媒
例えばp−トルエンスルホン酸またはチタン酸アルキル
の存在下に無水フタル酸と反応させる。生ずるフタラー
トエステルは以下の実施例により示されるように可塑剤
性質の特有の組合せを有する。
実施例71 半直鎖性ジウンデシルフタラート可塑剤 半直鎖性ウンデシルフタラート、DUP−F、および直
鎖ウンデシルフタラート、ジェイフレックス(Jayfle
x)DUP、をジオン(Geon)30ポリ塩化ビニルおよび添加
剤と次の割合で配合した:部毎PVC100重量部、ジオン3
0、100;フタラート可塑剤、50;か焼粘度、10;ダイタル
(Dythal)XL、7;ステアリン酸、0.2。次いで生じた可
塑化組成物の物理的性質を試験した。得られたデータは
次のとおりである: DUP−F組成物の高い硬さおよびモジュラスが低い可
塑剤有効性を示す。類似の物理的性質を得るために、よ
り多量のDUP−Fを使用すべきである。可塑剤がPVCより
低いコスト/容積を有するので低可塑剤有効性は可塑化
PVCのコストを低下する。
DUP−FおよびジェイフレックスDUPはまたプラスチゾ
ル試験で、次の配合で比較した:ゼオン121、100;可塑
剤、70;マーク(Mark)7101、2。プラスチゾルを100°
F(38℃)でエージングした後比較ブルックフィールド
粘度データは次のとおりであった: DUP-F J-DUP 2時間後cps、 3rpm 4870 1970 30rpm 36850 15750 24時間後cps、 3rpm 6120 2060 30rpm 41800 17250 加工性を決定するために、熱板ゲル化試験および動的機
械的分析(10℃/分、1rad/分、1%ひずみ)を行なっ
た。比較結果は次のとおりであった: DUP-F J-DUP ゲル化点、℃ 247 264 ゲルオンセット、℃ 73 81 ゲル完全、℃ 144 144 融解完全、℃ 196 196 これらのデータはフレキシコーカーアルコール基、DUP
−F可塑剤に対する一層滑らかな加工を示す。
350°F(177℃)における加熱に対する色安定性はDU
P−FおよびJ−DUP組成物に対して同様であった。半直
鎖性DUP−Fの低温特性が直鎖J−DUPのそれより劣った
だけであった。この点で、半直鎖性DUP−Fの性質は相
当する枝分れおよび直鎖エステル組成物のものの間にあ
る。
実施例72 半直鎖性ジドデシルフタラート可塑剤 半直鎖性ドデシルフタラート、DDP−F、を可塑剤と
して枝分れジトリデシルフタラート、J−DTDPおよび枝
分れウンデシルフタラート、J−UDPと比較した。可塑
化PVC組成物を次のように配合した:ジオン30、100;可
塑剤、62;トリベース(Tribase)EXL(鉛シリケートサ
ルフェート安定剤);CaCO3、15;ステアリン酸、0.25;B
PA酸化防止剤、1。350°F(177℃)で混練り、360°
F(182°)で成形した後次の性質が認められた: これらの結果は半直鎖性ジドデシルフタラートが精密
可塑剤であることを示す。その重量減並びに低いクラッ
シバーグおよびベル脆性温度は関連枝分れフタラートエ
ステルより優れた揮発性および低温特性を示す。
実施例73 半直鎖性ジトリデシルフタラート可塑剤 半直鎖性トリデシルフタラート可塑剤、DTP−F、お
よび市販枝分れジトリデシルフタラート可塑剤、DTDP、
を前の実施例中に記載したPVG配合物中で、次の結果で
比較した: データはDTP−FがDTDPより優れた伸びの残率および
高温における耐久性並びに良好な低温特性を有する精密
可塑剤であることを示す。
半直鎖性界面活性剤 本発明の半直鎖性アルコールは公知方法により新規界
面活性剤に転化される。これらの方法はシックほか(M.
J.Schick and F.M.Fowkes)により編集され、マーセル
・デッカー社(Marcel Dekker,Inc.,NewYork)により発
行された界面活性剤科学双書の適当な巻およびその中の
参照文献中に記載され、リンフィールド(W.M.Linfiel
d)による1976年の7巻、パート1は「アニオン界面活
性剤」を論議し、「カチオン界面活性剤」はユンガーマ
ン(E.Jungermann)による1970年の4巻中に論議され
る。シック(M.J.Schick)による「非イオン界面活性
剤」は1966年の1巻中にある。これらの巻の関連資料が
参照される。
実施例74 ヘプタエトキシル化半直鎖性アルコール界面活性剤 本発明の半直鎖性C13およびC14アルコールを、塩基触
媒として水酸化ナトリウムの存在下にエトキシル化し、
平均9エトキシ基毎分子を有する非イオン界面活性剤を
得た。
C13H27(OHCH2CH2)9OH および C13H27(OCH2CH2)9OH C13−FO7 C14−FO7 枝分れアルドールアルコールの緩慢で不完全なエトキ
シル化とは対照的にこれらのエトキシル化は容易に完全
に進行した。
次いでこれらの界面活性剤を、同様にエトキシル化し
た直鎖C12〜C15アルコール、ネオドール(Neodol)25−
7と比較した。
これらの界面活性剤の水溶液のASTM D−1331試験法に
よる表面張力、78°F(25℃)におけるダイン毎cm、は
次のとおりであった: 0.0001% 0.001% 0.01% C13−FO7 57 36 30 C14−FO7 61 38 30 ネオドール25−7 5 34 30 これらのデータは実用濃度における類似の表面張力低下
を示す。
これらの反直鎖性および直鎖界面活性剤のASTM−D−
2024による1%水溶液の曇り点もまた類似した。
半直鎖性界面活性剤の0.1%水溶液の室温湿潤時間は
ドラベス(Draves)試験(ASTM−D2281)により直鎖界
面活性剤のそれより優れていた: 半直鎖性界面活性剤の水溶液はロスマイルス(Ross−
Miles)試験により明確に低い泡安定性を有した: これは多くの無発泡用途に有利である。
実施例75 ノナエトキシル化半直鎖性アルドール界面活性剤 半直鎖性C13およびC14アルコールをエトキシル化して
平均9エトキシ基を有する高親水特性の界面活性剤を得
た。これらの界面活性剤C13−FO9およびC14−FO9を類似
のエトキシル化直鎖アルコール、ネオドル25−9と、前
の実施例の試験で比較した。結果は次表により示され
る: 試験結果から、新規半直鎖性アルコールの界面活性剤
の性質がそれらの炭素数およびエトキシル化の程度によ
り有利に変更できることが明らかである。この半直鎖性
アルコールが一様および一様でない選択炭素数で容易に
製造できるので、それらはしばしば追加コストなく最適
特性の界面活性剤を与えることができる。
半直鎖性アルコールおよびそのエトキシル化誘導はと
もに容易に硫酸塩化およびスルホン酸塩化され、同様に
魅力的な界面活性剤性質のアニオン界面剤を与えた。
本発明は特定の態様および実施例により説明および例
示されたが、しかし多くの変形および改変が特許請求し
たその精神および範囲から逸脱することなく本発明内で
なし得ることを理解すべきである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 43/303 C07C 43/303 45/50 45/50 47/02 47/02 69/80 69/80 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 グリヴィッキー アレクサンドル ピー カナダ国 エヌ7ティー 2エル3 オ ンタリオ サーニア レイク ショア ロード 1220 (72)発明者 モゼルスキー エドマンド ジェイ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07830 カリフォン ホフマン ドライ ヴ アールディー3‐267 (72)発明者 フートン ジョン アール アメリカ合衆国 ルイジアナ州 70817 ベイトン ルージュ チッカモーガ アベニュー 15532 (72)発明者 ブルッゲマン バリー ジー アメリカ合衆国 ルイジアナ州 70815 ベイトン ルージュ ブローニング ドライヴ 10682 (72)発明者 スミス チャールズ エム アメリカ合衆国 ルイジアナ州 70816 ベイトン ルージュ タル ティンバ ー ロード 3010 (56)参考文献 特開 昭55−127324(JP,A)

Claims (34)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温熱分解により石油残油から生成され、
    1−n−オレフィンを主要型のオレフィン成分としてお
    よび有機硫黄化合物を0.1%硫黄を越える濃度で含むオ
    レフィン性石油留出物フィードを一酸化炭素および水素
    と、 50〜250℃の温度および50〜6000psi(3.4〜408atm)の
    範囲内の圧力で、 第VIII族遷移金属カルボニル錯体触媒の有効量の存在下
    に、 反応させて分子当り平均1個未満のアルキル分枝を有す
    る半直鎖性特性のアルデヒドおよび(または)アルコー
    ルを生成させることを含むヒドロホルミル化法。
  2. 【請求項2】フィードが減圧残油から生成される、請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】減圧残油をフルードコーカーまたはフレキ
    シコーカー装置中で分解してヒドロホルミル化用留出物
    フィードを生成させる、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】フィードが狭範囲沸騰留出物留分であり、
    生成物アルデヒドおよび(または)アルコールが未反応
    フィード成分から分留により分離される、請求項1記載
    の方法。
  5. 【請求項5】フィードの直鎖オレフィン成分を選択的に
    反応させる、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】触媒が均質第VIII族遷移金属カルボニル錯
    体である、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】錯体触媒が三価リン配位子により変性され
    る、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】触媒がロジウムの錯体である、請求項7記
    載の方法。
  9. 【請求項9】触媒がコバルトの錯体である、請求項7記
    載の方法。
  10. 【請求項10】触媒がトリアルキルホスフィンにより変
    性されたコバルト錯体である、請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】さらに、アルデヒド生成物をアルドール
    化する段階を含む、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】高温熱分解により減圧残油から生成さ
    れ、1−n−オレフィンを主要型のオレフィン成分とし
    て、および有機硫黄化合物を0.1%硫黄を越える濃度で
    含有するオレフィン性分解石油留出物を一酸化炭素およ
    び水素と、 100〜180℃の温度および2500〜6000psi(170〜408atm)
    の圧力で、 コバルトカルボニル錯体触媒の有効量の存在下に、反応
    させて、分子当り平均1個未満のアルキル分枝を有する
    半直鎖性特性のアルデヒドおよび(または)アルコール
    を生成させることを含む、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】減圧残油をフルードコーカーまたはフレ
    キシコーカー装置中で分解してヒドロホルミル化に対す
    る留出物フィードを生成させる、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】フィードが20%以上のオレフィンを含
    む、請求項12記載の方法。
  15. 【請求項15】フィード中の全オレフィンの30%以上が
    I型オレフィンである、請求項12記載の方法。
  16. 【請求項16】フィードのオレフィン成分が分子当り8
    〜35個の炭素を有する、請求項12記載の方法。
  17. 【請求項17】反応が120〜145℃で行なわれ、主生成物
    がアルデヒドである、請求項12記載の方法。
  18. 【請求項18】主生成物がn−アルデヒド、2−メチル
    枝分れアルデヒド並びに2−エチルおよびより高級のア
    ルキル枝分れアルデヒドである、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】アルデヒド生成物が硫黄不感性触媒の存
    在下に相当するアルコールに選択的に水素化される、請
    求項12記載の方法。
  20. 【請求項20】アルデヒド生成物を添加アルコールと反
    応させて相当するジアルキルアセタールを生成させる、
    請求項12記載の方法。
  21. 【請求項21】減圧残油からフルードコーカーまたはフ
    レキシコーカー装置中の高温熱分解により生成され、C8
    〜C20のオレフィンを20%以上含み、前記オレフィンの3
    0%以上がI型であり、さらに有機硫黄化合物を0.1%硫
    黄を越える濃度で含む軽油範囲中のオレフィン性分解石
    油留出物フィードを一酸化炭素および水素と、 100〜180℃の温度および2500〜6000psi(170〜408atm)
    の圧力で、 コバルトカルボニル錯体の有効量の存在下に、反応させ
    て分子当り1個未満の分枝を有し、モノ枝分れ生成物の
    主要成分が2−メチル枝分れであり、残りの大部分が2
    −エチルまたはより高級のn−アルキル枝分れである半
    直鎖性特性のアルデヒドおよび(または)アルコールを
    生成させることを含む、請求項12記載の方法。
  22. 【請求項22】有機硫黄化合物を0.1%硫黄を越える濃
    度で含むオレフィン性分解石油留出物フィードを一酸化
    炭素および水素と、50〜250℃の温度および50〜4500psi
    (3.4〜306atm)の範囲内の圧力で、 三価リン配位子により変性された第VIII族遷移金属カル
    ボニル錯体の有効量の存在下に、 反応させてアルデヒドおよび(または)アルコールを生
    成させることを含むヒドロホルミル化法。
  23. 【請求項23】オレフィン性フィードが高温熱分解によ
    り生成され、1−n−オレフィンを主要型のオレフィン
    成分として含み、アルデヒドおよび(または)アルコー
    ル生成物が分子当り平均1個未満のアルキル分枝を有す
    る、請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】留出物が軽油範囲内にある、請求項22記
    載の方法。
  25. 【請求項25】変性錯体触媒が第VIII族金属錯体であ
    る、請求項22記載の方法。
  26. 【請求項26】変性された触媒がロジウム錯体である、
    請求項22記載の方法。
  27. 【請求項27】変性された触媒がコバルト錯体である、
    請求項22記載の方法。
  28. 【請求項28】リン配位子変性剤がトリオルガノホスフ
    ィンである、請求項23記載の方法。
  29. 【請求項29】1−n−オレフィン成分を選択的に反応
    させる、請求項24記載の方法。
  30. 【請求項30】触媒がトリアルキルホスフィン、アルキ
    ルジアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィ
    ンおよびトリアルキルホスフィンの群から選ばれるホス
    フィンロジウムカルボニル錯体である、請求項25記載の
    方法。
  31. 【請求項31】触媒がトリアルキルホスフィンコバルト
    カルボニル錯体である、請求項26記載の方法。
  32. 【請求項32】石油残油から高温熱分解により生成さ
    れ、留出物が分留の結果、 主に同炭素数の、オレフィンの30%以上がI型であるオ
    レフィン、および実質的に低下されたチオフェン硫黄濃
    度を含む狭範囲留分である、ナフサ範囲内のオレフィン
    性分解石油留出物フィードを一酸化炭素および水素と、 50〜250℃の温度および50〜6000psi(3.4〜408atm)の
    範囲の圧力で、 第VIII族遷移金属カルボニル錯体触媒の有効量の存在下
    に、反応させて分子当り平均1個未満のアルキル分枝を
    有する半直鎖性特性のアルデヒドおよび(または)アル
    コールを生成させることを含むヒドロホルミル化法。
  33. 【請求項33】留出物フィードがオレフィン性C6、C7
    C8およびC9留分からなる群から選ばれる、請求項32記載
    の方法。
  34. 【請求項34】反応が100〜180℃の温度および2500〜60
    00psiの圧力で、コバルトカルボニル錯体触媒の存在下
    に行なわれる、請求項32記載の方法。
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