JP2581613B2 - 硬化性の優れたアリル系オリゴマー - Google Patents
硬化性の優れたアリル系オリゴマーInfo
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- JP2581613B2 JP2581613B2 JP2270057A JP27005790A JP2581613B2 JP 2581613 B2 JP2581613 B2 JP 2581613B2 JP 2270057 A JP2270057 A JP 2270057A JP 27005790 A JP27005790 A JP 27005790A JP 2581613 B2 JP2581613 B2 JP 2581613B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、硬化性に優れた新規なアリル系オリゴマー
に関する。
に関する。
[従来の技術] ジアリルフタレート(以下、DAPと略す)をモノマー
として用いたDAP樹脂は、成形材料、化粧板、積層板等
に広く使用されており、高温、高湿下においての電気的
特性が長時間に亘って低下しない点に信頼を集めてい
る。
として用いたDAP樹脂は、成形材料、化粧板、積層板等
に広く使用されており、高温、高湿下においての電気的
特性が長時間に亘って低下しない点に信頼を集めてい
る。
しかし、使用する機械、電気部品の高性能化に伴い、
現在の優れた性能を保持したまま、さらに耐熱性、機械
的強度、耐衝撃性を向上した樹脂を望む声が高まってき
ている。
現在の優れた性能を保持したまま、さらに耐熱性、機械
的強度、耐衝撃性を向上した樹脂を望む声が高まってき
ている。
また、DAP樹脂は、モノマーが二重結合を二個持って
おり普通に集合させたのでは、低転化率の時点でゲル化
してしまうため、重合をゲル化前に一旦止めて得られる
ポリマーをプレポリマーとして取り出し、そのプレポリ
マーに重合開始剤や充填材を添加して実際の使用に供す
るという使われ方をされている。よって、プレポリマー
をいかに効率良く生産するかということも重要な問題で
あり、現状ではまだ充分とはいえず効率的な製造法の開
発が望まれていた。
おり普通に集合させたのでは、低転化率の時点でゲル化
してしまうため、重合をゲル化前に一旦止めて得られる
ポリマーをプレポリマーとして取り出し、そのプレポリ
マーに重合開始剤や充填材を添加して実際の使用に供す
るという使われ方をされている。よって、プレポリマー
をいかに効率良く生産するかということも重要な問題で
あり、現状ではまだ充分とはいえず効率的な製造法の開
発が望まれていた。
[発明が解決しようとする課題] モノマーとして対称性の優れたジアリルテレフタレー
ト(以下、DATと略す)を用いた場合には、耐熱性の向
上が期待できるが、現状ではDATの二次硬化物は、脆い
など、機械的性質が劣ることが知られ、未だ実用化され
ていない。
ト(以下、DATと略す)を用いた場合には、耐熱性の向
上が期待できるが、現状ではDATの二次硬化物は、脆い
など、機械的性質が劣ることが知られ、未だ実用化され
ていない。
また特開昭59−80409号公報には、DATとトルエン、キ
シレン等のベンジル位置に少なくとも一個の水素原子を
有する芳香族炭化水素を共重合させて、耐熱性が優れし
かも機械的強度の高い硬化物が得られるプレポリマーの
合成法が記載されている。しかし、このような共重合体
を得るためには、高速撹拌下にモノマー、開始剤、芳香
族炭化水素を、特殊なノズルから吹き出さねばならない
などの重合方法や反応装置に工夫を要する。しかもこの
方法では多量の開始剤を必要とし、ラジカル共重合であ
るためにモノマーの再使用が不可能でないにしても難し
いという欠点を有する。
シレン等のベンジル位置に少なくとも一個の水素原子を
有する芳香族炭化水素を共重合させて、耐熱性が優れし
かも機械的強度の高い硬化物が得られるプレポリマーの
合成法が記載されている。しかし、このような共重合体
を得るためには、高速撹拌下にモノマー、開始剤、芳香
族炭化水素を、特殊なノズルから吹き出さねばならない
などの重合方法や反応装置に工夫を要する。しかもこの
方法では多量の開始剤を必要とし、ラジカル共重合であ
るためにモノマーの再使用が不可能でないにしても難し
いという欠点を有する。
その他にも連鎖移動定数が比較的高いハロゲン化炭化
水素、アルデヒド誘導体などを使用して重合を行うこと
も考えられるが、この場合にも溶媒から生じたラジカル
がアリル基に付加してしまい、いわゆるテロメリゼーシ
ョンを起こしてしまいポリマーとしての性能は低下して
しまう。
水素、アルデヒド誘導体などを使用して重合を行うこと
も考えられるが、この場合にも溶媒から生じたラジカル
がアリル基に付加してしまい、いわゆるテロメリゼーシ
ョンを起こしてしまいポリマーとしての性能は低下して
しまう。
このほか、ジアリルイソフタレート樹脂も高耐熱性を
有する樹脂として知られているが、これは工業的に生産
されているとはいえモノマー価格が非常に高く実際的で
ない。
有する樹脂として知られているが、これは工業的に生産
されているとはいえモノマー価格が非常に高く実際的で
ない。
その他、ナフタレンジカルボン酸ジアリルエステル等
の特殊なモノマーを使用する方法も特許で提案されてい
るが、これもモノマー価格が高く実用化されていない。
の特殊なモノマーを使用する方法も特許で提案されてい
るが、これもモノマー価格が高く実用化されていない。
まだ、いずれの方法にしてもプレポリマーの生産性に
ついては改善されているとは言い難い。
ついては改善されているとは言い難い。
DAPモノマーと他の二重結合を有するモノマーとを共
重合させる試みも行われており、エチレンとの共重合体
等物性の良いものも知られている。しかし、これもDAP
モノマーが二重結合を二個持っているために、途中でゲ
ル化してしまうので途中で重合を止めねばならず、例え
物性が向上したとしてもモノマーのリサイクル等、かえ
って生産性等の点で不利になる場合が多い。
重合させる試みも行われており、エチレンとの共重合体
等物性の良いものも知られている。しかし、これもDAP
モノマーが二重結合を二個持っているために、途中でゲ
ル化してしまうので途中で重合を止めねばならず、例え
物性が向上したとしてもモノマーのリサイクル等、かえ
って生産性等の点で不利になる場合が多い。
テレフタール酸をベースとする不飽和ポリエステルも
知られているがこの場合には、不飽和成分として無水マ
レイン酸やフマル酸を入れねばならず、この部分の耐熱
性が不十分でガラス転移点(Tgと略す)もさほど高くは
ならない。
知られているがこの場合には、不飽和成分として無水マ
レイン酸やフマル酸を入れねばならず、この部分の耐熱
性が不十分でガラス転移点(Tgと略す)もさほど高くは
ならない。
また、未満にアリルエステル基を有し、内部が多価飽
和カルボン酸と多価飽和アルコールから誘導された次の
構造を持つアリルエステルオリゴマーも知られている。
和カルボン酸と多価飽和アルコールから誘導された次の
構造を持つアリルエステルオリゴマーも知られている。
CH2=CHCH2O(COR′COOBO)nCOR′COOCH2CH=CH2 ここで、R′は多価飽和カルボン酸から誘導された有
機残基、Bは多価飽和アルコールから誘導された有機残
基を表す。
機残基、Bは多価飽和アルコールから誘導された有機残
基を表す。
この場合特に対称性に優れたテレフタル酸を多価飽和
カルボン酸として用いると、非常に優れた物性を持つ硬
化物を与える。しかし、物性を上げるためにはある程度
以上高分子量にする必要があるが、高分子量になるほど
二重結合濃度が低下して、重合速度が極端に遅くなると
いう欠点を抱えている。
カルボン酸として用いると、非常に優れた物性を持つ硬
化物を与える。しかし、物性を上げるためにはある程度
以上高分子量にする必要があるが、高分子量になるほど
二重結合濃度が低下して、重合速度が極端に遅くなると
いう欠点を抱えている。
特開平1−217024号公報には3価アルコールを必須成
分とし、内部にフマル酸またはマレイン酸骨格をもった
ポリアリルポリエステル樹脂が開示されている。しかし
この場合フマル酸またはマレイン酸骨格が樹脂の内部に
片寄りすぎてしまい、硬化時に歪みが入りやすい。ま
た、無水マレイン酸を原料に使用するので、反応液の着
色がひどい上に、反応後の酸価、水酸基価が高くなって
しまい、電気特性が悪くなってしまう。
分とし、内部にフマル酸またはマレイン酸骨格をもった
ポリアリルポリエステル樹脂が開示されている。しかし
この場合フマル酸またはマレイン酸骨格が樹脂の内部に
片寄りすぎてしまい、硬化時に歪みが入りやすい。ま
た、無水マレイン酸を原料に使用するので、反応液の着
色がひどい上に、反応後の酸価、水酸基価が高くなって
しまい、電気特性が悪くなってしまう。
[課題を解決するための手段] 上述のように、末端にアリルエステル基を有し、内部
が多価飽和カルボン酸と多価飽和アルコールから誘導さ
れたアリルエステルオリゴマーのうちで、対称性に優れ
たテレフタル酸を多価飽和カルボン酸として用いたアリ
ルエステルオリゴマーは、硬化速度が極端に遅くなると
いう欠点を有するものの、非常に優れた物性を持つ硬化
物を与える。
が多価飽和カルボン酸と多価飽和アルコールから誘導さ
れたアリルエステルオリゴマーのうちで、対称性に優れ
たテレフタル酸を多価飽和カルボン酸として用いたアリ
ルエステルオリゴマーは、硬化速度が極端に遅くなると
いう欠点を有するものの、非常に優れた物性を持つ硬化
物を与える。
そこで、この欠点を解消することを検討した結果、下
記アリルエステルオリゴマーが、従来のアリルエステル
樹脂の長所を保持したまま、硬化性について著しく改善
されることが明らかになった。
記アリルエステルオリゴマーが、従来のアリルエステル
樹脂の長所を保持したまま、硬化性について著しく改善
されることが明らかになった。
請求項(1)のオリゴマーは、 エステル交換反応触媒の存在下、下記(a)、(b)
および(c)からなる原料を下記の関係式(i,ii)で表
わされるモル分率で仕込んで反応させてアリルアルコー
ルを留去することにより得られる、GPC(ゲル・パーミ
エーシヨン・クロマトグラフイー)法で測定したポリス
チレン換算数平均分子量(Mn)が500〜50000であり、重
量平均分子量(Mw)が1000〜1000000であることを特徴
とする末端にアリルエステルを有するオリゴマーであ
る。
および(c)からなる原料を下記の関係式(i,ii)で表
わされるモル分率で仕込んで反応させてアリルアルコー
ルを留去することにより得られる、GPC(ゲル・パーミ
エーシヨン・クロマトグラフイー)法で測定したポリス
チレン換算数平均分子量(Mn)が500〜50000であり、重
量平均分子量(Mw)が1000〜1000000であることを特徴
とする末端にアリルエステルを有するオリゴマーであ
る。
原料 (a)CH2=CHCH2OCOArCOOCH2CH=CH2 (b)R′OC0−CH=CH−COOR′(シスまたはトラン
ス) (c)HOZ−(OH)x ただし、 Arは1,2−、1,3−または1,4−フエニレン基、あるい
は2,6−、2,3−または1,5−ナフタレン基を表し、R′
は炭素数3以下の低級アルコールより誘導された有機残
基を表し、Zはx+1個(xは1以上8以下の整数)の
水酸基を有するポリオールから誘導された炭素数が2〜
20からなる有機残基を表す。
ス) (c)HOZ−(OH)x ただし、 Arは1,2−、1,3−または1,4−フエニレン基、あるい
は2,6−、2,3−または1,5−ナフタレン基を表し、R′
は炭素数3以下の低級アルコールより誘導された有機残
基を表し、Zはx+1個(xは1以上8以下の整数)の
水酸基を有するポリオールから誘導された炭素数が2〜
20からなる有機残基を表す。
関係式 i.a≠0、b≠0 ii.1.02≦(a+b)/c≦10 ただし、a、bおよびcはそれぞれ原料(a)、
(b)および(c)のモル分率を表す。
(b)および(c)のモル分率を表す。
請求項(2)のオリゴマーは、 エステル交換反応触媒の存在下、下記(a′)、
(b)、(c)および(d)からなる原料を下記の関係
式(i,iiおよびiii)で表わされるモル分率で仕込で反
応させてROH、R′OHを留去することにより得られる、G
PC(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグラフイー)法
で測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が500
〜50000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜1000000
であることを特徴とする末端にアリルエステルを有する
オリゴマーである。
(b)、(c)および(d)からなる原料を下記の関係
式(i,iiおよびiii)で表わされるモル分率で仕込で反
応させてROH、R′OHを留去することにより得られる、G
PC(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグラフイー)法
で測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が500
〜50000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜1000000
であることを特徴とする末端にアリルエステルを有する
オリゴマーである。
原料 (a′)ROCOArCOOR (b)R′OC0−CH=CH−COOR′(シスまたはトラン
ス) (c)HOZ−(OH)x (d)アリルアルコール ただし、 Arは1,2−、1,3−または1,4−フエニレン基、あるい
は2,6−、2,3−または1,5−ナフタレン基を表し、R、
R′は炭素数3以下の低級アルコールより誘導された有
機残基を表し、Zはx+1個(xは1以上8以下の整
数)の水酸基を有するポリオールから誘導された炭素数
が2〜20からなる有機残基を表す。
ス) (c)HOZ−(OH)x (d)アリルアルコール ただし、 Arは1,2−、1,3−または1,4−フエニレン基、あるい
は2,6−、2,3−または1,5−ナフタレン基を表し、R、
R′は炭素数3以下の低級アルコールより誘導された有
機残基を表し、Zはx+1個(xは1以上8以下の整
数)の水酸基を有するポリオールから誘導された炭素数
が2〜20からなる有機残基を表す。
関係式 i.a≠0、b≠0 ii.1.02≦(a′+b)/c≦10 iii.2(a′−c)<d<16(a′+b) ただし、a′、b、cおよびdはそれぞれ原料
(a′)、(b)、(c)および(d)のモル分率を表
す。
(a′)、(b)、(c)および(d)のモル分率を表
す。
ここで(a)の化合物としては具体的には、ジアリル
テレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルフ
タレート、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエス
テル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエステ
ル、2,3−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエステル等
があり、これらは一種類だけ用いてもよいし、数種以上
を同時に用いてオリゴマーを合成してもよい。また、差
し支えのない範囲でアジピン酸ジアリルのような脂肪族
のジアリルエステルを共存させてもよい。
テレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルフ
タレート、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエス
テル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエステ
ル、2,3−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエステル等
があり、これらは一種類だけ用いてもよいし、数種以上
を同時に用いてオリゴマーを合成してもよい。また、差
し支えのない範囲でアジピン酸ジアリルのような脂肪族
のジアリルエステルを共存させてもよい。
(b)の化合物としては具体的には、マレイン酸ジア
リル、フマル酸ジアリル、マレイン酸ジメチル、フマル
酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジイソプロ
ピル等があり、これらは、一種類だけ用いてもよいし、
数種以上に同時に用いてオリゴマーを合成してもよい。
リル、フマル酸ジアリル、マレイン酸ジメチル、フマル
酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジイソプロ
ピル等があり、これらは、一種類だけ用いてもよいし、
数種以上に同時に用いてオリゴマーを合成してもよい。
また、(c)の水酸基を二個以上持つポリオールとし
ては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘ
キサンジオール、p−キシリレングリコール、スチレン
グリコール等の脂肪族または芳香族環を含んだ二価アル
コール;ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノール−Aのプロピレンオキサイド付加
物、ハイドロキノンのエチレンオキサイド付加物、ハイ
ドロキノンのプロピレンオキサイド付加物、レゾルシノ
ールのエチレンオキサイド付加物等のジフェノール類の
アルキレンオキサイド付加物;ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
エーテルを含んだジオール類;グリセリン、トリメチロ
ールプロパン等の脂肪族三価アルコール;ペンタエリス
リトール、ソルビトール等の脂肪族の四価以上のアルコ
ール等が挙げられる。これらは、一種類だけで用いても
よいし、数種類以上を同時に用いてオリゴマーを合成し
てもよい。
ては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘ
キサンジオール、p−キシリレングリコール、スチレン
グリコール等の脂肪族または芳香族環を含んだ二価アル
コール;ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノール−Aのプロピレンオキサイド付加
物、ハイドロキノンのエチレンオキサイド付加物、ハイ
ドロキノンのプロピレンオキサイド付加物、レゾルシノ
ールのエチレンオキサイド付加物等のジフェノール類の
アルキレンオキサイド付加物;ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
エーテルを含んだジオール類;グリセリン、トリメチロ
ールプロパン等の脂肪族三価アルコール;ペンタエリス
リトール、ソルビトール等の脂肪族の四価以上のアルコ
ール等が挙げられる。これらは、一種類だけで用いても
よいし、数種類以上を同時に用いてオリゴマーを合成し
てもよい。
また、工業上有用な方法として、(a)のジアリルエ
ステルの代わりに、対応するジカルボン酸のジアルキル
エステル[以下(a′)とする]とアリルアルコール
[以下(d)とする]とを、エステル交換触媒の存在下
で、生成するアルカノールを留去しながら反応させるこ
とにより、上記のアリルエステルオリゴマーを得ること
ができる。
ステルの代わりに、対応するジカルボン酸のジアルキル
エステル[以下(a′)とする]とアリルアルコール
[以下(d)とする]とを、エステル交換触媒の存在下
で、生成するアルカノールを留去しながら反応させるこ
とにより、上記のアリルエステルオリゴマーを得ること
ができる。
ここで用いるアルキル基としては、アリルアルコール
よりも沸点の低いアルコールを誘導するものが望まし
く、このようなものとしてメチル基、エチル基、イソプ
ロピル基等がある。
よりも沸点の低いアルコールを誘導するものが望まし
く、このようなものとしてメチル基、エチル基、イソプ
ロピル基等がある。
また、得られるオリゴマーの分子量は、仕込み組成を
変えることで調節可能である。分子量が余りに高い場合
には、縮重合反応中に、重合液の粘度があまりに高くな
りすぎて熱重合を起こす危険性が高くなりすぎる。ま
た、あまりに低すぎる場合には、期待される物性値がで
ない。
変えることで調節可能である。分子量が余りに高い場合
には、縮重合反応中に、重合液の粘度があまりに高くな
りすぎて熱重合を起こす危険性が高くなりすぎる。ま
た、あまりに低すぎる場合には、期待される物性値がで
ない。
そこで得られたオリゴマーの分子量としては、GPC
(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグラフイー)法で
測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)で500〜5
0000、より望ましくは800〜10000であり、重量平均分子
量(Mw)は1000〜100000、好ましくは1500〜1000000の
範囲に入ることが望ましい。
(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグラフイー)法で
測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)で500〜5
0000、より望ましくは800〜10000であり、重量平均分子
量(Mw)は1000〜100000、好ましくは1500〜1000000の
範囲に入ることが望ましい。
使用するエステル交換反応触媒としては、従来から知
られているエステル交換反応触媒が使用できるが、特に
好ましいのはアルカリ金属、アルカリ土類金属、および
それらの酸化物、および弱酸塩、Mn、U、Zn、Cd、Zr、
Pb、Ti、CoおよびSnの酸化物、水酸化物、無機酸塩、ア
ルコラート、有機酸塩、ジブチル錫オキサイド、ジオク
チル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫
化合物等である。
られているエステル交換反応触媒が使用できるが、特に
好ましいのはアルカリ金属、アルカリ土類金属、および
それらの酸化物、および弱酸塩、Mn、U、Zn、Cd、Zr、
Pb、Ti、CoおよびSnの酸化物、水酸化物、無機酸塩、ア
ルコラート、有機酸塩、ジブチル錫オキサイド、ジオク
チル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫
化合物等である。
使用量としては、触媒活性によっても違うが適度な速
度でアリルアルコールを留出させ得るような量を使用す
べきである。一般的には、ジカルボン酸のジアルキルエ
ステルに対し0.0001〜1重量%、特に好ましくは0.001
〜0.1重量%程度を使用することである。
度でアリルアルコールを留出させ得るような量を使用す
べきである。一般的には、ジカルボン酸のジアルキルエ
ステルに対し0.0001〜1重量%、特に好ましくは0.001
〜0.1重量%程度を使用することである。
反応の実施形態としてはアリルエステルを原料とした
場合には、アリルアルコールの沸点以上、アルキルエス
テルを用いた場合には対応するアルカノールの沸点以上
に加熱して、エステル交換を行わせ、オリゴマーの生成
に有利なように生成するアリルアルコールまたはアルカ
ノールを反応蒸留により反応器から系外に留去する。一
般に蒸圧か、加圧下に反応を行なうが、反応の転化率が
上がってくると共に、反応系内を減圧にしてアリルアル
コールまたはアルカノールの留去を速やかに行う方法も
効果的である。
場合には、アリルアルコールの沸点以上、アルキルエス
テルを用いた場合には対応するアルカノールの沸点以上
に加熱して、エステル交換を行わせ、オリゴマーの生成
に有利なように生成するアリルアルコールまたはアルカ
ノールを反応蒸留により反応器から系外に留去する。一
般に蒸圧か、加圧下に反応を行なうが、反応の転化率が
上がってくると共に、反応系内を減圧にしてアリルアル
コールまたはアルカノールの留去を速やかに行う方法も
効果的である。
反応温度は上で述べたようにアリルエステルを用いた
場合は、アリルアルコールの沸点以下であるとアリルア
ルコールの留去を効果的に行うことができず、また、あ
まりに温度が高いと熱重合等の問題があるので、一般に
は100〜300℃の間、より好ましくは130〜250℃の間から
選択される。
場合は、アリルアルコールの沸点以下であるとアリルア
ルコールの留去を効果的に行うことができず、また、あ
まりに温度が高いと熱重合等の問題があるので、一般に
は100〜300℃の間、より好ましくは130〜250℃の間から
選択される。
アルキルエステルを用いた場合には、生成するアルカ
ノールと反応させるアリルアルコールの沸点が近いため
に反応初期から余りに高温に加熱したのでは、アリルア
ルコールがアルカノールと共に留出してしまう恐れがあ
る。そこで、効率の良い精留塔を付けるとともに、反応
温度としては、一般には反応初期の段階では80〜150℃
の間、より好ましくは90〜130℃の間、アルカノールの
大半が留出した後に100〜300℃の間、より好ましくは13
0〜250℃の間から選択したほうがよい。
ノールと反応させるアリルアルコールの沸点が近いため
に反応初期から余りに高温に加熱したのでは、アリルア
ルコールがアルカノールと共に留出してしまう恐れがあ
る。そこで、効率の良い精留塔を付けるとともに、反応
温度としては、一般には反応初期の段階では80〜150℃
の間、より好ましくは90〜130℃の間、アルカノールの
大半が留出した後に100〜300℃の間、より好ましくは13
0〜250℃の間から選択したほうがよい。
また、反応温度によってはハイドロキノンのような重
合禁止剤や、着色防止剤を反応液中に共存させてもよ
い。
合禁止剤や、着色防止剤を反応液中に共存させてもよ
い。
ここで使用する原料のモル比についてはある制限のも
とに使用する必要がある。すなわち、(c)の化合物を
(a)[または(a′)]、(b)に対してあまりに過
剰に用いた場合には、オリゴマー末端がすべてOH基にな
ってしまい硬化できなくなってしまう。また、あまりに
少なすぎる場合には残存モノマーが極端に多くなり、物
性改良の意味もないので好ましくない。
とに使用する必要がある。すなわち、(c)の化合物を
(a)[または(a′)]、(b)に対してあまりに過
剰に用いた場合には、オリゴマー末端がすべてOH基にな
ってしまい硬化できなくなってしまう。また、あまりに
少なすぎる場合には残存モノマーが極端に多くなり、物
性改良の意味もないので好ましくない。
そこで(a)[または(a′)]、(b)、(c)の
使用モル比としては以下の関係式で表わされる範囲から
選んだほうがよい。
使用モル比としては以下の関係式で表わされる範囲から
選んだほうがよい。
1.02≦(a+b)/c≦10 より好ましくは 1.1≦(a+b)/c≦2 また、(a′)のジアルキルエステルを原料に用いた
場合の使用するアリルアルコール(d)量としては、余
りに過剰に用いた場合には、反応終了後の残有アリルア
ルコール濃度が高くなるので好ましくない。逆に極端に
少なすぎる場合には、生成したオリゴマー末端がアリル
エステル基にならないので好ましくない。
場合の使用するアリルアルコール(d)量としては、余
りに過剰に用いた場合には、反応終了後の残有アリルア
ルコール濃度が高くなるので好ましくない。逆に極端に
少なすぎる場合には、生成したオリゴマー末端がアリル
エステル基にならないので好ましくない。
そこで使用量としては、(a′)、(b)、(c)、
(d)の使用モル比としては以下の関係式で表わされる
範囲になるように仕込むことが望ましい。
(d)の使用モル比としては以下の関係式で表わされる
範囲になるように仕込むことが望ましい。
2(a′−c)<d<16(a′+b) より好ましくは 4(a′−c)<d<8(a′+b) また、(a)[または(a′)]、(b)の比率も
(a)[または(a′)]が余りに多いと、硬化速度が
充分に向上せず、(b)の比率が余りに多いと熱分解温
度などの耐熱性、機械物性等が著しく悪くなってしまう
ので、(a)[または(a′)]、(b)のモル比が、 0.3<a/b<100 より好ましくは 1<a/b<50 で表わされる範囲になるように仕込むことが望ましい。
(a)[または(a′)]が余りに多いと、硬化速度が
充分に向上せず、(b)の比率が余りに多いと熱分解温
度などの耐熱性、機械物性等が著しく悪くなってしまう
ので、(a)[または(a′)]、(b)のモル比が、 0.3<a/b<100 より好ましくは 1<a/b<50 で表わされる範囲になるように仕込むことが望ましい。
このようにエステルだけを原料にしてエステル交換反
応により得られる分子内部に二重結合を持ったアリルエ
ステルオリゴマーは、酸価と水酸基価が非常に低いこと
が特徴として挙げられる。この特徴により、絶縁抵抗、
誘電率、耐アーク性などの電気特性に優れた性能を発揮
する。また、耐アルカリ性などの加水分解特性などにも
優れている。
応により得られる分子内部に二重結合を持ったアリルエ
ステルオリゴマーは、酸価と水酸基価が非常に低いこと
が特徴として挙げられる。この特徴により、絶縁抵抗、
誘電率、耐アーク性などの電気特性に優れた性能を発揮
する。また、耐アルカリ性などの加水分解特性などにも
優れている。
また、反応原料として無水マレイン酸のような非常に
着色し易い化合物を使用しないので、反応終了後のアリ
ルエステルオリゴマーは無色透明なものを得ることがで
きる。
着色し易い化合物を使用しないので、反応終了後のアリ
ルエステルオリゴマーは無色透明なものを得ることがで
きる。
反応終了後のオリゴマーの取り出し方法としては、種
々の方法が実施できる。例えば、ジオールとしてエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールのような芳香族ジカルボン酸と結晶性の
高いポリエステルを与えるものを用いた場合には、未反
応のモノマーを必要に応じて減圧下に留去した後、冷
却、固化させて粉砕することも可能である。この際、モ
ノマーを留去させる必要がある場合には、あまり高温で
操作すると、生成したアリルエステルオリゴマーの熱重
合が生起する可能性があるので、少なくとも10mmHg以
下、より好ましくは5mmHg以下の圧力で300℃以下、さら
に好ましくは250℃以下の温度で留去したほうがよい。
その後、留去後の反応液を冷却固化させ、粉砕機にかけ
て、容易に粉末状にすることが出来る。
々の方法が実施できる。例えば、ジオールとしてエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールのような芳香族ジカルボン酸と結晶性の
高いポリエステルを与えるものを用いた場合には、未反
応のモノマーを必要に応じて減圧下に留去した後、冷
却、固化させて粉砕することも可能である。この際、モ
ノマーを留去させる必要がある場合には、あまり高温で
操作すると、生成したアリルエステルオリゴマーの熱重
合が生起する可能性があるので、少なくとも10mmHg以
下、より好ましくは5mmHg以下の圧力で300℃以下、さら
に好ましくは250℃以下の温度で留去したほうがよい。
その後、留去後の反応液を冷却固化させ、粉砕機にかけ
て、容易に粉末状にすることが出来る。
使用する粉砕機としては、ジヨークラッシヤー、ジヤ
イレトリークラッシヤー、ロータリークラッシヤー、ア
トリッシヨンミル、エッジランナー、リングロールミ
ル、ボールミル、塔式摩砕機、ハンマークラッシヤー、
ミクロンミル、マイクロナイザーなどが使用できる。
イレトリークラッシヤー、ロータリークラッシヤー、ア
トリッシヨンミル、エッジランナー、リングロールミ
ル、ボールミル、塔式摩砕機、ハンマークラッシヤー、
ミクロンミル、マイクロナイザーなどが使用できる。
また、反応終了後、反応液を直接貧溶媒に移液、沈殿
させて取り出すことも可能である。この際使用する貧溶
媒としては原料のアルキルエステルやジオールを溶解
し、生成するアリルエステルオリゴマーを溶解しないも
のが望ましく、このようなものといては脂肪族の飽和ア
ルコールまたは炭化水素類が適している。脂肪族飽和ア
ルコールまたは炭化水素類としては、乾燥等の後処理を
考えると沸点が200℃以下、好ましくは150℃以下が望ま
しく、このようなものとしては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2
−ブチルアルコール、tert−ブタノール、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル等があり、
特にメタノール、石油エーテルが好ましい。
させて取り出すことも可能である。この際使用する貧溶
媒としては原料のアルキルエステルやジオールを溶解
し、生成するアリルエステルオリゴマーを溶解しないも
のが望ましく、このようなものといては脂肪族の飽和ア
ルコールまたは炭化水素類が適している。脂肪族飽和ア
ルコールまたは炭化水素類としては、乾燥等の後処理を
考えると沸点が200℃以下、好ましくは150℃以下が望ま
しく、このようなものとしては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2
−ブチルアルコール、tert−ブタノール、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル等があり、
特にメタノール、石油エーテルが好ましい。
貧溶媒の使用量としてはあまりに少なすぎる場合は、
効果的に未反応原料を回収出来ないばかりか、オリゴマ
ーが団子状になって粉末体として得ることができない。
また、あまりに大過剰に用いることは、経済的に考える
と好ましくなく、反応液に対して重量で1.5〜20倍、よ
り好ましくは2〜10倍程度使用することが望ましい。反
応液を移液する温度としては、反応液のほうは少なくと
も流動が可能な温度であることが必要である。また余り
に高い温度ではオリゴマーの熱重合が起きる心配がある
ので、80〜300℃の間、より好ましくは100〜250℃の間
から選ぶことが望ましい。貧溶媒側の温度は、あまりに
高温であると、オリゴマーの粉末化を達成することがで
きないし、あまりに低い温度は冷却の費用等を考えると
経済的な方法でなく、0〜100℃、より好ましくは10〜8
0℃が望ましい。
効果的に未反応原料を回収出来ないばかりか、オリゴマ
ーが団子状になって粉末体として得ることができない。
また、あまりに大過剰に用いることは、経済的に考える
と好ましくなく、反応液に対して重量で1.5〜20倍、よ
り好ましくは2〜10倍程度使用することが望ましい。反
応液を移液する温度としては、反応液のほうは少なくと
も流動が可能な温度であることが必要である。また余り
に高い温度ではオリゴマーの熱重合が起きる心配がある
ので、80〜300℃の間、より好ましくは100〜250℃の間
から選ぶことが望ましい。貧溶媒側の温度は、あまりに
高温であると、オリゴマーの粉末化を達成することがで
きないし、あまりに低い温度は冷却の費用等を考えると
経済的な方法でなく、0〜100℃、より好ましくは10〜8
0℃が望ましい。
また、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオ
ールのようなジオールを原料として用いたり、生成した
アリルエステルオリゴマーの分子量が小さいと、常温で
粘稠な液状であり、このようなものは減圧蒸留、抽出に
よって精製することができる。
ールのようなジオールを原料として用いたり、生成した
アリルエステルオリゴマーの分子量が小さいと、常温で
粘稠な液状であり、このようなものは減圧蒸留、抽出に
よって精製することができる。
また、ジアリルエステルモノマーが共存した状態で使
用することも出来、工業的にはこちらのほうが有利であ
る。
用することも出来、工業的にはこちらのほうが有利であ
る。
ここで述べたオリゴマーのGPCによる分子量の測定は
以下の方法によって行った。
以下の方法によって行った。
SHODEXカラムAC−80P、802、804、806各1本をこの順
序に直列に接続して用い、クロロホルムを溶媒とし、カ
ラム温度25℃、流量1.0ml/minで測定する。
序に直列に接続して用い、クロロホルムを溶媒とし、カ
ラム温度25℃、流量1.0ml/minで測定する。
先ず、平均分子量が判っている市販標準ポリスチレ
ンを少なくとも10種類以上使用して、DATモノマーと共
にそれぞれの保持時間を求めた。平均分子量と保持時間
との関係を3次曲線、または折れ線で近似して検量線を
作成した。
ンを少なくとも10種類以上使用して、DATモノマーと共
にそれぞれの保持時間を求めた。平均分子量と保持時間
との関係を3次曲線、または折れ線で近似して検量線を
作成した。
試料20mgをクロロホルム20mlに溶解し、ループイン
ジェクターを用いて0.5mlをラインフイルターを通して
カラムに注入する。得られた溶出曲線データを、で作
成した検量線に基づいて、島津CR−3Aのようなデータ処
理機内で自動的に計算しMnおよびMwを求める。ここで
は、ピークを10秒間隔で分割し、それぞれの分割点の分
子量をMi、ピークの高さをHiとして次式により算出し
た。
ジェクターを用いて0.5mlをラインフイルターを通して
カラムに注入する。得られた溶出曲線データを、で作
成した検量線に基づいて、島津CR−3Aのようなデータ処
理機内で自動的に計算しMnおよびMwを求める。ここで
は、ピークを10秒間隔で分割し、それぞれの分割点の分
子量をMi、ピークの高さをHiとして次式により算出し
た。
このようにして得られたオリゴマーは、曲げ強度、耐
衝撃性に優れると同時に、硬化速度も速い。
衝撃性に優れると同時に、硬化速度も速い。
この新規なオリゴマーは、所望に応じて充填剤、重合
促進剤、重合禁止剤、内部離型剤、カップリング剤、顔
料、その他の添加剤を物性の損なわれない程度に配合し
て用いて、成形加工性または成形品の物性を改善するこ
とができる。
促進剤、重合禁止剤、内部離型剤、カップリング剤、顔
料、その他の添加剤を物性の損なわれない程度に配合し
て用いて、成形加工性または成形品の物性を改善するこ
とができる。
また、このオリゴマーは適度に二重結合を持っている
ので、不飽和ポリエステル樹脂、シアリルフタレート樹
脂と混合して使用することもできるし、EPR、エラスレ
ン、合成ゴム等の架橋剤としても使用できる。
ので、不飽和ポリエステル樹脂、シアリルフタレート樹
脂と混合して使用することもできるし、EPR、エラスレ
ン、合成ゴム等の架橋剤としても使用できる。
以下に本発明を更に具体的に説明する。
[実施例] 実施例1 蒸留装置のついた1の三ッ口フラスコにジアリルテ
レフタレートを400g、ジメチルフマレート46.8g、プロ
ピレングリコール98.9g、ジブチル錫オキサイド0.40gを
仕込んで窒素気流下で170℃に加熱し、生成してくるメ
タノールを留去した。留出液が100g程度になったところ
で、反応系内を徐々に50mmHgまで減圧にし、メタノー
ル、アリルアルコールの留出速度を速めた。留出液が殆
ど出なくなったところで、反応系内を2mmHgにし、さら
に1時間反応させて、反応物を冷却した。
レフタレートを400g、ジメチルフマレート46.8g、プロ
ピレングリコール98.9g、ジブチル錫オキサイド0.40gを
仕込んで窒素気流下で170℃に加熱し、生成してくるメ
タノールを留去した。留出液が100g程度になったところ
で、反応系内を徐々に50mmHgまで減圧にし、メタノー
ル、アリルアルコールの留出速度を速めた。留出液が殆
ど出なくなったところで、反応系内を2mmHgにし、さら
に1時間反応させて、反応物を冷却した。
表−1に、得られたオリゴマーの物性値を示す。
実施例2〜6、比較例1 表−1に示したように芳香族ジアリルエステル(モノ
マーa)、不飽和二塩基酸ジアルキルエステル(モノマ
ーb)、ポリオール1、2(モノマーc)を変えた以外
は実施例1とほぼ同様にして合成して得られたオリゴマ
ーの物性値を表−1に合わせて示す。
マーa)、不飽和二塩基酸ジアルキルエステル(モノマ
ーb)、ポリオール1、2(モノマーc)を変えた以外
は実施例1とほぼ同様にして合成して得られたオリゴマ
ーの物性値を表−1に合わせて示す。
実施例7 蒸留装置のついた2の三ッ口フラスコにジメチルテ
レフタレートを315.4g、ジメチルフマレート46.8g、プ
ロピレングリコール98.9g、アリルアルコール400g、ジ
ブチル錫オキサイド1.5gを仕込んで窒素気流下で150℃
に加熱し、生成してくるメタノールを留去した(この際
アリルアルコールが同伴されて留出するので失われた分
だけ補った)。留出液のメタノールがなくなったところ
で、反応温度を180℃まで上げて、アリルアルコールを
留去した。アリルアルコールの留出速度が遅くなった段
階で、反応系内を50mmHgまで減圧にし、アリルアルコー
ルの留出速度を速めた。過剰のアリルアルコールが留出
した後、さらに1時間反応させて、反応物を冷却し、実
施例1とほぼ同様のアリル系オリゴマーを得た。
レフタレートを315.4g、ジメチルフマレート46.8g、プ
ロピレングリコール98.9g、アリルアルコール400g、ジ
ブチル錫オキサイド1.5gを仕込んで窒素気流下で150℃
に加熱し、生成してくるメタノールを留去した(この際
アリルアルコールが同伴されて留出するので失われた分
だけ補った)。留出液のメタノールがなくなったところ
で、反応温度を180℃まで上げて、アリルアルコールを
留去した。アリルアルコールの留出速度が遅くなった段
階で、反応系内を50mmHgまで減圧にし、アリルアルコー
ルの留出速度を速めた。過剰のアリルアルコールが留出
した後、さらに1時間反応させて、反応物を冷却し、実
施例1とほぼ同様のアリル系オリゴマーを得た。
硬化用サンプルの調製 上記実施例1〜6および比較例1で得たオリゴマーを
それぞれ200gとり、ジクミルペルオキシド4.0gを加え、
50℃で溶解した。
それぞれ200gとり、ジクミルペルオキシド4.0gを加え、
50℃で溶解した。
注型による成形 上で得られた組成物を160℃の加熱板上にのせ、糸引
きしなくなるまでの時間を調べ、ゲルタイムとした。
きしなくなるまでの時間を調べ、ゲルタイムとした。
また硬化用サンプルを所定量とり、セロハン張りのガ
ラス板を用いて注型重合により160℃で硬化した。
ラス板を用いて注型重合により160℃で硬化した。
得られた成形品の物性値も表−1に示した。
[発明の効果] 本発明は、安価な原料を用い、労力の少ない方法で得
られる硬化性の優れた新規なアリル系オリゴマーを提供
するものであり、その硬化物は諸物性に優れている。
られる硬化性の優れた新規なアリル系オリゴマーを提供
するものであり、その硬化物は諸物性に優れている。
Claims (2)
- 【請求項1】エステル交換反応触媒の存在下、下記
(a)、(b)および(c)からなる原料を下記の関係
式(i,ii)で表わされるモル分率で仕込で反応させてア
リルアルコールを留去することにより得られる、GPC
(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグラフイー)法で
測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が500〜5
0000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜1000000で
あることを特徴とする末端にアリルエステルを有するオ
リゴマー。 原料 (a)CH2=CHCH2OCOArCOOCH2CH=CH2 (b)R′OC0−CH=CH−COOR′(シスまたはトラン
ス) (c)HOZ−(CH)x ただし、 Arは1,2−、1,3−または1,4−フエニレン基、あるいは
2,6−、2,3−または1,5−ナフタレン基を表し、R′は
炭素数3以下の低級アルコールより誘導された有機残基
を表し、Zはx+1個(xは1以上8以下の整数)の水
酸基を有するポリオールから誘導された炭素数が2〜20
からなる有機残基を表す。 関係式 i.a≠0、b≠0 ii.1.02≦(a+b)/c≦10 ただし、a、bおよびcはそれぞれ原料(a)、(b)
および(c)のモル分率を表す。 - 【請求項2】エステル交換反応触媒の存在下、下記
(a′)、(b)、(c)および(d)からなる原料を
下記の関係式(i,iiおよびiii)で表わされるモル分率
で仕込で反応させてROH、R′OHを留去することにより
得られる、GPC(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグ
ラフイー)法で測定したポリスチレン換算数平均分子量
(Mn)が500〜50000であり、重量平均分子量(Mw)が10
00〜1000000であることを特徴とする末端にアリルエス
テルを有するオリゴマー。 原料 (a′)ROCOArCOOR (b)R′OC0−CH=CH−COOR′(シスまたはトラン
ス) (c)HOZ−(OH)x (d)アリルアルコール ただし、 Arは1,2−、1,3−または1,4−フエニレン基、あるいは
2,6−、2,3−または1,5−ナフタレン基を表し、R、
R′は炭素数3以下の低級アルコールより誘導された有
機残基を表し、Zはx+1個(xは1以上8以下の整
数)の水酸基を有するポリオールから誘導された炭素数
が2〜20からなる有機残基を表す。 関係式 i.a≠0、b≠0 ii.1.02≦(a′+b)/c≦10 iii.2(a′−c)<d<16(a′+b) ただし、a′、b、cおよびdはそれぞれ原料
(a′)、(b)、(c)および(d)のモル分率を表
す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2270057A JP2581613B2 (ja) | 1990-10-08 | 1990-10-08 | 硬化性の優れたアリル系オリゴマー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2270057A JP2581613B2 (ja) | 1990-10-08 | 1990-10-08 | 硬化性の優れたアリル系オリゴマー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04146919A JPH04146919A (ja) | 1992-05-20 |
JP2581613B2 true JP2581613B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=17480923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2270057A Expired - Lifetime JP2581613B2 (ja) | 1990-10-08 | 1990-10-08 | 硬化性の優れたアリル系オリゴマー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2581613B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6443991B2 (ja) | 2013-06-17 | 2018-12-26 | 昭和電工株式会社 | エンチオール系硬化性組成物およびその硬化物 |
CN114213640B (zh) * | 2021-10-29 | 2024-01-12 | 闵羿皓 | 一种不饱和聚酯树脂的制备方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5491590A (en) * | 1977-12-29 | 1979-07-20 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | Polyester oligomer having allyl-type unsaturated group |
JPS5525451A (en) * | 1978-08-14 | 1980-02-23 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Preparation of unsaturated polyester |
JP2540351B2 (ja) * | 1988-02-26 | 1996-10-02 | ダイソー 株式会社 | ポリアリルポリエステル樹脂組成物及びその用途 |
-
1990
- 1990-10-08 JP JP2270057A patent/JP2581613B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04146919A (ja) | 1992-05-20 |
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---|---|---|---|
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