JP2581508B2 - 通気性圧縮成形体並びにその製造方法 - Google Patents

通気性圧縮成形体並びにその製造方法

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JP2581508B2 JP5290474A JP29047493A JP2581508B2 JP 2581508 B2 JP2581508 B2 JP 2581508B2 JP 5290474 A JP5290474 A JP 5290474A JP 29047493 A JP29047493 A JP 29047493A JP 2581508 B2 JP2581508 B2 JP 2581508B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体用,液体用のフィ
ルタ例えば車両の乗員保護用としてのガス発生器に付属
されるフィルタなどに用いられる通気性圧縮成形体並び
にその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のフィルタにおける典型的な先行
技術に、特公平5-1044号公報及び特公平5-1046号公報に
よって開示されてなる公知技術がある。これは、線径
0.1〜1.5mmの耐熱鋼線から成り波状またはコイ
ル状に屈曲加工した屈曲線材を積層し環状に圧縮成形し
て、かさ比重が1.0〜3.0のガス発生器フィルタに
形成したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の公知技術におい
ては、耐熱鋼線といえばSUS304などのステンレス
鋼線が一般的で汎用的である。ところが、このような耐
熱鋼線を屈曲成形し、また圧縮成形したときに材料その
ものが加工硬化して、そのために成形後のスプリングバ
ックが大きくて仕上がり寸法精度が低下する問題があ
る。この寸法精度低下の点に鑑みて成形後の形状復帰を
改善するべく、締結線を巻く方法が一応考えられるが、
機械化に際して種々の困難な問題が山積してコストアッ
プにつながり、実用化には程遠いのが現状である。
【0004】本発明は、このような問題点の解消を図る
ために成されたものであり、本発明の目的は、材料であ
るステンレス鋼線が持つ耐蝕性や耐熱性を損なわずに圧
縮成形加工後の寸法精度の向上を図らせ得る通気性圧縮
成形体並びにその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明は、硬化係数n×Y(但し、n:加工硬化
指数,Y:降伏応力)が15以下のステンレス鋼線か
ら成る屈曲線材を積層し圧縮して成形される復帰率が1
5%以下で、標準偏差と平均値の関係で表される寸法の
ばらつきがσ/ =0.006以下(但し、σ:寸法の
標準偏差,:成形後厚さ(t)の平均値)であるこ
とを特徴とする通気性圧縮成形体である。
【0006】本発明はまた、ステンレス鋼線の線径が、
φ0.1〜φ1.5mmであり、ステンレス鋼線の成形後
の充填率が、15〜40%の範囲である通気性圧縮成形
体である。
【0007】本発明はまた、硬化係数n×Y(但し、
n:加工硬化指数,Y:降伏応力)が15以下で線径
がφ0.1〜φ1.5mmのステンレス鋼線を波状、コ
イル状に曲げ加工して屈曲線材を形成し、この屈曲線材
を積層し圧縮成形して、充填率が15〜40%の範囲、
復帰率が15%以下で、かつ、標準偏差と平均値の関係
で表される寸法のばらつきがσ/ =0.006以下
(但し、寸法の標準偏差,:成形後厚さ(t)の平
均値)である通気性圧縮成形体の製造することを特徴と
する通気性圧縮成形体の製造方法である。
【0008】
【作用】本発明に従えば、硬化係数n×YS が15以下
のステンレス鋼線から成る屈曲線材を積層し圧縮して通
気性圧縮成形体を成形する。ところで、圧縮成形体の復
帰を抑えるには、材料となる素線の加工硬化を緩和して
成形体の弾性復帰率を抑えてやる必要がある。加工硬化
の度合いを示す指標として“n値”(加工硬化指数)が
あるが、このn値と降伏応力YS との積を硬化係数(n
×YS )とすると、該硬化係数が15以下の材料を用い
て成形すると、形状保持性の良好な、換言すると寸法精
度が高い圧縮成形体が得られることが知見された。各ス
テンレス鋼線の硬化係数(n×YS )と復帰率との関係
が図5に示されるが、該図5によると、硬化係数の値が
15を超えた付近から急激に復帰率が上昇し16を超え
ると復帰率が20%を超える。
【0009】 一方、復帰率と圧縮成形体における寸法のばらつき(σ
)との関係が図6に示される。この図6によると、
復帰率が20を超える付近から寸法のばらつき(σ/
)も急激に大きくなり、従って寸法精度が非常に悪い
ものとなり、例えばフィルタとして使用する際に通過流
体のショートパスや設計にそぐわない圧損を示すなど実
用上扱い難いものとなる。そこで、硬化係数(n×
)を15以下に抑えることによって復帰率およびば
らつきの少ない寸法精度が非常にすぐれた圧縮成形体が
得られる。
【0010】このような圧縮成形体の製造方法は、下記
の「表1」に表されるような化学成分の調整を行うこと
によって硬化係数を下げ、成形体を型から外したときの
形状の復帰する度合いを示す膨張率を最小限に抑え得る
ことが、種々検討を行った結果から明らかになった。
【0011】
【表1】
【0012】「表1」のように化学成分は、例えばNi
は硬化指数nを下げる為には、10%以上が好ましい
が、コスト面を考慮すると、10〜15%が良い。な
お、15%以下とするのは、これを超えたのでは経済性
で問題が生じるからに他ならない。Crは、耐熱・耐食
性の面で12〜25%が好ましい。Cuは、加工硬化を
抑えるのに寄与する材料である。但し、5%以上になる
と熱間脆性が悪化するので1〜5%の範囲が適当であ
る。Cは、多いと耐食性を劣化させるので0.1%以下
が好ましい。Siは、脱酸剤として0.2〜0.6%が
良い。Mnは、高いと硬化指数nが大きくなり、従って
2%以下が好ましい。P及びSは、コスト面からみて
0.3以下で充分である。以上のような成分調整によっ
て、素線のステンレス鋼線に対する硬化係数を抑えた、
つまりプレス成形後の形状保持性に非常に優れた積層圧
縮成形体を製造することが可能である。
【0013】また、本発明によれば、ステンレス鋼線の
線径がφ0.1mm未満では製造コスト的にみて使用可能
性に乏しく、φ1.5mm超過では、充填率の選択範囲が
非常に狭くなるため、非実用的であり、従って、線径は
φ0.1〜φ1.5mmの範囲が適切である。一方、充填
率については、15%未満では線同士の絡みが悪くて形
状保持性に問題があり、40%超過ではプレス加工が物
理的に不可能となり、よって、充填率は、15〜40%
の範囲であることが必要である。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照しながら説明する。図1は、本発明の実施例に係る通
気性圧縮成形体を形成する金属線の展開図、図2は、本
発明の製造方法に係る巻付け工程の説明図、図3は、本
発明の実施例に係る通気性圧縮成形体の完成前中間製品
を示す斜視図、図4は、同じく前記通気性圧縮成形体の
完成製品を示す斜視図である。先ず、ステンレス鋼線の
素線を長さ方向に2次元に波形加工して図1に示すよう
に波形線1を製造する。なお、この波形線1を更に紙面
と直交方向に波形に成形加工して3次元の波形線1にし
てもよい。
【0015】次いで、図2に示すように、前記波形線1
を実線示又は破線示の如く、円柱体からなる型3に螺旋
状に巻取って積層する。そして型3の外周面に所定量の
巻付けを行って図3に示すように、円筒体の成形品10
とした後、型3を該成形品10が巻付けられたままで中
型として、その外周の成形品10を型3の軸方向に圧縮
して成形することによって、ステンレス鋼線の波形線1
を互いに絡み合いによる結合をさせて、図4に示すよう
な環状体11とする。この圧縮成形によって、波形線1
は互いに結合し、そのままで内部に連通空隙が多数存在
して型崩れが生じない成形品となる。なお、一例として
成形された環状の通気性圧縮成形体の各部寸法を挙げる
と、外径:φ78.0mm,内径:φ55.3mm,厚さ:
10mm,充填率:30%,重量:56.9g,ただし、使
用線径:φ0.5mmのものが得られた。
【0016】上記の環状通気性圧縮成形体を、下記「表
2」に示される9種類のステンレス鋼線を素線として上
述する製造方法によって製作し、その厚さ方向の復帰率
を試験した結果は、下記「表3」に示される通りであ
る。なお、復帰率は下記「数1」に示す式で求められ
る。
【0017】
【数1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】表3の結果から判るように、n×Y(硬
化係数)が15以下の成形体は、復帰率、σ/ (ばら
つき)共に非常に小さくなっており、成分を調整してn
×Yを制限することは成形体の寸法精度の向上に著し
く寄与していることを明らかにしている。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ステン
レス鋼線の成分を適切に調整することによって、素線を
加工硬化し難くし、換言すれば圧縮成形後の素線のスプ
リングバックを最小限に抑制することが可能であって、
余分な形状保持機能を与えることなく、寸法精度が非常
に優れた通気性圧縮成形体を容易に、かつ低コストで得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る通気性圧縮成形体を形成
する金属線の展開図である。
【図2】本発明の製造方法に係る巻付け工程の説明図で
ある。
【図3】本発明の実施例に係る通気性圧縮成形体の完成
前中間製品の斜視図である。
【図4】本発明の実施例に係る通気性圧縮成形体の完成
製品の斜視図である。
【図5】ステンレス鋼線の硬化係数(n×YS )と該鋼
線によって形成される圧縮成形体における復帰率との関
係が示される線図である。
【図6】ステンレス鋼線によって形成される圧縮成形体
における復帰率と寸法のばらつき(σ/ )との関係が
示される線図である。
【符号の説明】
1…波形線、 3…型、 10…成形品、 11
…環状体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岡 幸男 尼崎市中浜町10番地1 神鋼鋼線工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 平5−285578(JP,A) 特開 平3−297528(JP,A) 特公 平5−1044(JP,B2) 特公 平5−1046(JP,B2) 特公 昭63−63012(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化係数n×Y(但し、n:加工硬化
    指数,Y:降伏応力)が15以下のステンレス鋼線か
    ら成る屈曲線材を積層し圧縮して成形される復帰率が1
    5%以下で、標準偏差と平均値の関係で表される寸法の
    ばらつきがσ / =0.006以下(但し、σ:寸法の標準偏差,
    :成形後厚さ(t)の平均値)であることを特徴と
    する通気性圧縮成形体。
  2. 【請求項2】 ステンレス鋼線の線径が、φ0.1〜φ
    1.5mmであり、ステンレス鋼線の成形後の充填率
    が、15〜40%の範囲であることを特徴とする請求項
    1記載の通気性圧縮成形体。
  3. 【請求項3】 硬化係数n×Y(但し、n:加工硬化
    指数,Y:降伏応力)が15以下で線径がφ0.1〜
    φ1.5mmのステンレス鋼線を波状、コイル状に曲げ
    加工して屈曲線材を形成し、この屈曲線材を積層し圧縮
    成形して、充填率が15〜40%の範囲、復帰率が15
    %以下で、かつ、標準偏差と平均値の関係で表される
    法のばらつきがσ/ =0.006以下(但し、σ:
    法の標準偏差,:成形後厚さ(t)の平均値)であ
    る通気性圧縮成形体を製造することを特徴とする通気性
    圧縮成形体の製造方法。
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EP4008422A1 (en) * 2014-10-30 2022-06-08 Fuji Filter Manufacturing Co., Ltd. Hollow cylindrical filter and manufacturing apparatus
WO2022079883A1 (ja) * 2020-10-16 2022-04-21 富士フィルター工業株式会社 中空筒状体、及び中空筒状体の製造方法

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