JP2581349Y2 - リヤシートのシートバック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はリヤシートのシートバッ
クに関し、更に詳細に説明すると、シートバックの一部
に凹陥部が形成され、該凹陥部に収納部を有する可動シ
ートを可動可能に嵌合させたリヤシートのシートバック
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より車両等のリヤシートのシートバ
ックにおいては、シートバックの一部を可動可能に構成
して車室とトランクルームとを連通し、車室側からトラ
ンクルーム内の荷物を出し入れしたり、スキー板等の長
尺な荷物を収納し得るようになされた、いわゆるトラン
クスルータイプのものが広く知られている。

【０００３】この様なトランクスルータイプのシートバ
ックは、例えば図４に示す如く、シートバック１の中央
部にトランクルームと連通する凹陥部２が形成され、こ
の凹 陥部２にシートバック１の一部をなす可動シート３
が嵌合され、この可動シート３の下端が枢支され、可動
シート３の上端側が前方に引出されるようになされてい
る。 また実開昭５９−１３３４２号公報や実開昭６０−
１１２５０号公報等に示されるような、可動シートに収
納部を形成したものも存在する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】然し乍ら従来のリヤシ
ートは、トランクスルーとした場合にはトランクルーム
内の収納部が固定されていなかったため、車両の動きに
伴って収納物が移動してしまい車室側から取出すのが困
難となる欠点を有していた。 また可動シートに収納物を
形成した場合、上記欠点は解消するも、可動シートが下
端側を中心に前後に回動する構成であったため、乗員が
荷物を出し入れするに際し反対側のシートや車外に移動
する必要があり、また車外からの荷物の出し入れが煩雑
となる虞れを有していた。 本考案の目的は、収納部への
荷物の収納及び取出しが容易なリヤシートのシートバッ
クを提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は上述せる課題に
鑑みてなされたもので、シートバックの一部に凹陥部が
形成され、該凹陥部に収納部を有する可動シートを可動
可能に嵌合させたリヤシートのシートバックにおいて、
前記可動シートはパッド材と該パッド材の後方に配設さ
れ且つ一側が開放された中空状のシートフレームとを備
え、該シートフレームに囲まれた空間部に一側に開口が
形成された収納部が形成され、前記凹陥部の中央側の上
端及び下端に固定ブラケットを設け、可動シートの中央
側の上端及び下端にリンクブラケットを設け、前記固定
ブラケットに長短２本のリンクの一端を枢支し、前記長
短２本のリンクの他端を前記リンクブラケットに枢支
し、前記長短２本のリンクにより可動シートの一側を前
後方向に可動し得るようになされ、前記凹陥部及び可動
シートに設けたロック機構により着座状態に支持される
ようになされていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】本考案に依れば、可動シートのシートフレーム
に一側が開口された収納部を形成し、この可動シートの
一側をシートバック中央側の長短２本のリンク機構によ
り前後方向に可動可能に構成したので、収納部にスーツ
ケース等を収納したり取出す際に、可動シートの一端を
必要最小限可動させればよく、乗員が反対側のシートや
車外に移動する必要がないものである。 また収納部のド
ア側を開放させておけば、車外から荷物を出し入れする
場合も作業を簡易迅速に行うことができる。

【０００７】

【実施例】以下本考案に係るリヤシートのシートバック
の一実施例の構成を図面を参照して詳述する。 図１乃至
図３には本考案の一実施例の概略が夫々示されており、
本実施例ではベンチ型のシートの一側部の着座部のシー
トバック１２について説明するが、他端部のシートバッ
クにも同様に本考案を適用できるものである。

【０００８】リヤシート１１のシートバック１２の一側
部の着座部の中央には凹陥部１４が形成され、この凹陥
部１４に後述する収納部２１を有する可動シート１５が
可動可能に嵌合されている。

【０００９】前記可動シート１５は、パッド材（図示せ
ず）及びこれを被覆する表皮材１６とパッド材の後方に
配設されるシートフレーム１７とから構成され、該シー
トフレーム１７はドア側の一側に開口が形成された中空
状に形成されている。この中空状のシートフレーム１７
に囲まれた空間部に収納部２１が形成され、スーツケー
ス等の荷物Ｘをドア側の一側の開口より可動シート１５
内に収納し得るようになされている。 尚、本実施例では
シートフレーム１７のドア側の一側に開口を設けた場合
として説明するが、反対側に設けることもできる。

【００１０】前記凹陥部１４の中央側の上端及び下端に
は固定ブラケット２３が夫々設けられ、また可動シート
１５の中央側の上端及び下端にはリンクブラケット２５
が夫々設けられている。この固定ブラケット２３とリン
クブラケット２５は長短２本のリンク２６，２７により
連結されている。

【００１１】前記２つのブラケット２３，２５の中央側
同志を連結するリンク２７は短く、ドア側同志を連結す
るリンク２６は長く形成されており、把手１９を引っ張
って可動シート１５を引出す場合にドア側の一側の可動
量が大きくなるようになされている。

【００１２】図示においては上側のリンク機構のみ示し
たが、下側も同様に構成されているものである。尚リン
ク２６，２７の形状、数等を適宜変更して用いることも
できる。また凹陥部１４は、下端がシートクッション１
３に近接するように形成するのが好ましい。

【００１３】可動シート１５は前記凹陥部１４及び可動
シート１５に設けたロック機構２９により着座状態に支
持されると共に、前記把手１９を引っ張ることによりロ
ック状態を解除し得るようになされている。ロック機構
２９としては、ストライカやロック爪等を用いた従来周
知のものを用いることができるものである。

【００１４】次に作用を簡単に説明すると、長短２本の
リンク２６，２７とリンクブラケット２５との枢支点は
夫々の長短２本のリンク２６，２７の長さだけ前方に移
動するので、可動シート１５は短いリンク２７で連結さ
れた中央側の一側に比べ、長いリンク２６で連結された
ドア側の一側の方がドア側前方へ大きく可動することと
なり、図３に示す荷物の収納、取出し状態とすることが
できる。

【００１５】

【考案の効果】以上が本考案に係るリヤシートのシート
バックの一実施例の構成であるが斯る 構成に依れば、可
動シートのシートフレームに、一側が開口された収納部
を形成し、この可動シートの一側をシートバック中央側
の長短２本のリンク機構により前後方向に可動可能に構
成したので、収納部にスーツケース等を収納したり取出
す際に、可動シートの一端を必要最小限可動させればよ
く、乗員が反対側のシートや車外に移動する必要がな
く、また収納部のドア側に開口を形成すれば、車外から
荷物を出し入れする場合も、作業を簡易迅速に行うこと
ができるリヤシートのシートバックを得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用したリヤシートの斜視図。

【図２】可動シートがシートバックに嵌合された着座状
態におけるリンク機構の説明図。

【図３】可動シートを可動させた場合のリンク機構の説
明図。

【図４】従来のリヤシートを示す斜視図。

【符号の説明】

１１ リヤシート １２ シートバック １４ 凹陥部 １５ 可動シート １７ シートフレーム ２１ 収納部 ２３ 固定ブラケット ２５ リンクブラケット ２６ リンク ２７ リンク ２９ ロック機構

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートバックの一部に凹陥部が形成さ
   れ、該凹陥部に収納部を有する可動シートを可動可能に
   嵌合させたリヤシートのシートバックにおいて、前記可
   動シートはパッド材と該パッド材の後方に配設され且つ
   一側が開放された中空状のシートフレームとを備え、該
   シートフレームに囲まれた空間部に一側に開口が形成さ
   れた収納部が形成され、前記凹陥部の中央側の上端及び
   下端に固定ブラケットを設け、可動シートの中央側の上
   端及び下端にリンクブラケットを設け、前記固定ブラケ
   ットに長短２本のリンクの一端を枢支し、前記長短２本
   のリンクの他端を前記リンクブラケットに枢支し、前記
   長短２本のリンクにより可動シートの一側を前後方向に
   可動し得るようになされ、前記凹陥部及び可動シートに
   設けたロック機構により着座状態に支持されるようにな
   されていることを特徴とするリヤシートのシートバッ
   ク。