JP2581111Y2 - 基板搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、搬送手段により作業テ
ーブル上の基板を排出コンベアへ搬送する基板搬送装置
に関する。

【０００２】

【従来技術】此種の従来技術としては本出願人が先に出
願した特開平３−２３１３７号公報に開示されたものが
ある。これは、作業テーブル上で所定作業が完了した基
板を搬送レールに沿って排出コンベアへ搬送するもので
ある。

【０００３】しかし、搬送レールは扱う基板の最大長さ
に対応させているため、該搬送レールが半分で間に合う
ような短い基板を扱う場合でも作業完了後に同等距離搬
送しなければならず、無駄が生じていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、作業テーブ
ル上から排出コンベアへの基板の移載時間の短縮をはか
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、本考案は搬送手
段により作業テーブル上の基板を排出コンベアへ搬送す
る基板搬送装置に於いて、前記作業テーブル上で基板を
支持すると共に当該基板の基板長さに対応して分割可能
な基板支持具と、扱う基板の基板搬送方向の長さが所定
長さより短い場合に分割された当該基板支持具のうちの
基板を支持しない部分を搬送路から逃避させる移動機構
と、該移動機構により前記基板支持具の基板を支持しな
い部分が搬送路から逃避されたとき前記排出コンベアの
搬送路の全長を延長させて搬送路上の基板支持具の後端
にその先端を位置させる延長機構とを設けたものであ
る。

【０００６】

【作用】以上の構成から、作業テーブル上で所定作業が
完了した基板が搬送手段により排出コンベアへ搬送され
る。また、基板の長さが所定長さより短い基板を搬送す
る場合は、基板長さに対応して分割可能な基板支持具の
うちの基板を支持しない部分が移動機構により搬送路か
ら逃避され、延長機構により排出コンベアの搬送路の全
長が延長されて搬送路上の基板支持具の後端にその先端
が位置された後、搬送手段により該基板が搬送される。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例について図面に基づ
き詳述する。図３は電子部品装着装置の斜視図で、
（１）は該装着装置の基台である。（２）は図示しない
駆動源により間欠回転される回転盤で、その下端には図
示しない部品供給装置からチップ部品（図示せず）を取
り出す吸着ヘッド（３）が所定間隔を存して多数配置さ
れている。

【０００８】（４）、（５）前記吸着ヘッド（３）で取
り出された前記チップ部品が順次装着されるプリント基
板（６）をその溝部（７）、（８）（図５参照）で保持
する一対のシュートを構成する固定シュート及び可動シ
ュートで、該シュート（４）、（５）を載置した状態で
Ｘ軸モータ（９）及びＹ軸モータ（１０）の駆動により
ＸＹ移動するＸＹテーブル（１１）によりＸＹ移動され
る。

【０００９】該シュート（４）、（５）は、可動シュー
ト（５）が図示しない駆動モータの駆動により駆動プー
リ（１２）が回動され、該プーリ（１２）とベルト（１
３）が掛け渡された従動プーリ（１４）とにより夫々回
動される一対のボールネジ（１５）の回動により水平移
動するスライド部（１６）に固定されていて、該ボール
ネジ（１５）の回動によりスライド部（１６）を介して
固定シュート（４）に対しリニアガイド（１７）に沿っ
て接離移動されることにより、そのシュート幅が可変さ
れる。尚、駆動モータを介さずボールネジ（１５）の一
端に取り付けられたハンドル（１８）を介して該ボール
ネジ（１５）を回動させてシュート（４）、（５）幅を
変更させることもできる。

【００１０】以下、該シュート（４）、（５）について
図４及び図５を基に詳述する。（２０）は前記テーブル
（１１）がＸＹ移動する際には、後述する供給コンベア
（４０）、（４１）及び排出コンベア（５０）、（５
１）に影響されないようにシュート（４）、（５）を所
定高さ位置まで下降させておく該テーブル（１１）に埋
設された上下シリンダで、シュート保持台（２１）をガ
イド（２２）に沿って上下動させる。そして、シュート
保持台（２１）が下動された際バックアップ支持台（２
３）に多数穿設された挿入穴（図示せず）の所望位置に
立設されたバックアップピン（２４）により基板（６）
がバックアップされる。

【００１１】尚、前記シュート（４）、（５）は略半分
のところで前半部のシュート（４Ａ）、（５Ａ）と後半
部のシュート（４Ｂ）、（５Ｂ）に分離可能である。前
半部のシュート（４Ａ）、（５Ａ）の可動シュート（５
Ａ）は、図１及び図８に示すように溝（８）内に入り込
む基板（６）の側面のバラツキに対処可能に、その上部
はシュート支持板（２６）に長穴（２７）を介してボル
ト（２８）が挿入されシュート支持板（２６）にピン
（２９）止めされ、シュート（５Ａ）の側面に設けられ
た断面Ｌ字状の突片（３０）とこの上部との間に介在さ
れたバネ（３１）により基板（６）を固定シュート
（４）側へ押し付けるように付勢されていると共に基板
（６）により押し拡げられる可動片（３２）と成ってい
る。

【００１２】また、図６及び図７に示すように該可動片
（３２）の溝（８）内にはベアリング（３３）が挿入さ
れており、該ベアリング（３３）に基板（６）が当接さ
れる。また、シュート（５Ａ）は前述したように基板
（６）の側面が精度良く切断されているとは限らず平行
でない場合があるので、可動片（３２）を複数に分けて
夫々が基板（６）に当接するようにしている。

【００１３】（３４）は前記可動片（３２）が基板
（６）を支持していない場合の前記バネ（３１）の付勢
力による該可動片（３２）の基板押圧方向の前進位置を
決定するため前記突片（３０）に遊挿されたボルトで、
可動片（３２）が前進移動した際そのネジ頭（３５）が
突片（３０）に当接することにより位置決定されてい
る。後半部のシュート（４Ｂ）、（５Ｂ）は一対の揺動
機構（９０）により揺動されてシュート（４Ａ）、（５
Ａ）の搬送レベルから離れる（図１３参照）。

【００１４】前記揺動機構（９０）の一方は、前記固定
シュート（４）側のシュート保持台（２１）の側面に配
設されており、他方は前記スライド部（１６）を介して
水平移動する可動シュート（５）の基台（９１）に取付
け板（９２）を介して固定されている。該揺動機構（９
０）は、シリンダ（９３）の駆動によりロッド（９４）
に取り付けられた係合部（９５）が下動することによ
り、シュート支持板（２６）が図１３に示すようにシュ
ート保持台（２１）、基台（９１）に夫々設けられた突
片（９６）、（９７）の軸（９８）、（９９）を中心に
して揺動される。

【００１５】図１に於いて（４０）、（４１）は前記シ
ュート（４）、（５）（即ち、ＸＹテーブル（１１））
へ基板（６）を送る供給コンベアで、図示しない駆動モ
ータの駆動により駆動プーリ（図示せず）と従動プーリ
（４３）との間に掛け渡されたベルト（４４）の移動に
より図示しないストッパに当接する位置まで基板（６）
を搬送する。

【００１６】（５０）（５１）はＸＹテーブル（９）上
で部品装着作業が施された基板（６）が送られる排出コ
ンベアで、以下図１、図２、図１４及び図１７を基に説
明する。（５２）は図示しない基台に搭載されたコンベ
ア支持体で、駆動モータ（５３）の駆動による駆動プー
リ（５４）の回動がベルト（５５）を介して従動プーリ
（５６）に伝達され、該プーリ（５６）に従動プーリ
（５７）を介して掛け渡されたベルト（５８）の移動に
より基板（６）を搬送する。

【００１７】尚、該コンベア（５０）、（５１）は先端
部が分離可能で、図１７に示すようにシリンダ（６０）
の駆動によりロッド（６１）に取付け板（６２）を介し
て取り付けられた２段階に伸びるスライドレール（６
３）のスライド部（６４）が前記シュート（４）、
（５）方向に移動することによりコンベア（５０）、
（５１）の全長が伸びる。このとき、シュート（４
Ａ）、（５Ａ）はコンベア（５０）、（５１）の移動の
邪魔とならない位置へ前記揺動機構（９０）により揺動
されている。また、プーリ（５６）とプーリ（５７）間
に掛け渡されたベルト（５８）のテンションは不変とな
るように設定してある。尚、図１、図１２、図１７及び
図１８は便宜上ベルト（４４）、（５８）を省略してあ
る。

【００１８】尚、供給コンベア（４０）、（４１）から
テーブル（１１）へ、テーブル（１１）から排出コンベ
ア（５０）、（５１）への基板（６）の載せ換えは基板
送り部材であるトランスファ（７０）で行われる。該ト
ランスファ（７０）は、駆動モータ（７１）の駆動によ
り駆動プーリ（７２）が回動されベルト（７３）を介し
て掛け渡された従動プーリ（図示せず）が回動され、該
プーリと同軸の従動プーリ（７４）が回動されることに
より該プーリ（７４）と従動プーリ（７５）の間に掛け
渡されたベルト（７６）の移動により図示しない軸に沿
って水平移動される。また、該トランスファ（７０）は
図示しない回動機構により回動され、一対の送り爪（７
７）、（７８）が夫々供給コンベア（４０）、（４１）
上の基板（６）、テーブル（１１）上の基板（６）の後
端に当接される。従って、トランスファ（７０）は送り
爪（７７）、（７８）が基板（６）の後端に当接した状
態で、駆動モータ（７１）が駆動されることにより、基
板を下流側に搬送する。

【００１９】更に、該送り爪（７７）、（７８）の間隔
は送り爪保持板（７９）に固定された送り爪（７８）に
対し該板（７９）の長穴（８０）の所望位置に送り爪
（７７）を移動させ、ボルト（８１）止めすることによ
り変更可能である。以下、動作について説明する。ここ
で、扱う基板（６）の基板長さがシュート（４）、
（５）の半分以上の場合について説明する。

【００２０】先ず、図５に示すように下限位置で待機し
たシュート保持台（２１）が上下シリンダ（２０）によ
り上昇されて供給コンベア（４０）、（４１）とシュー
ト（４）、（５）と排出コンベア（５０）、（５１）と
が同一搬送レベルとなった後、上流側装置から供給コン
ベア（４０）、（４１）の所定位置まで搬送されて来た
基板（６）がトランスファ（７０）の移動により、シュ
ート（４）、（５）に保持される。

【００２１】上下シリンダ（２０）によりシュート保持
台（２１）が下降された後ＸＹテーブル（１１）のＸＹ
移動により所定位置に移動された基板（６）上に回転盤
（２）の間欠回転により部品を吸着した吸着ヘッド
（３）が移動されて来て、該基板（６）上に部品を装着
する。そして、同様にして基板（６）上に部品が順次装
着されていき、全装着点に部品が装着された基板（６）
は、テーブル（１１）上昇後供給コンベア（４０）、
（４１）上の基板（６）と共にトランスファ（７０）で
所定量移動されてテーブル（１１）及び排出コンベア
（５０）、（５１）上へ搬送される（図１２参照）。

【００２２】次に、扱う基板（６）の基板長さがシュー
ト（４）、（５）の半分以下の場合の基板搬送について
図５及び図１３乃至図１８に基づき説明する。揺動機構
（９０）のシリンダ（９３）の下動によりロッド（９
４）に取り付けられた係合部（９５）が下降されること
により、軸（９８）、（９９）を中心にシュート（４
Ｂ）、（５Ｂ）がシュート（４Ａ）、（５Ａ）の搬送路
から離れる方向に揺動される（図５及び図１３参照）。

【００２３】次に、シリンダ（６０）の駆動によりロッ
ド（６１）に取り付けられた取付け板（６２）を介して
スライドレール（６３）のスライド部（６４）が伸びて
図１４及び図１７に示すようにコンベア（５０）、（５
１）がシュート（４Ａ）、（５Ａ）方向に移動する。以
下、前述したように図１３に示すように下限位置で待機
したシュート保持台（２１）が上下シリンダ（２０）に
より上昇されて供給コンベア（４０）、（４１）とシュ
ート（４）、（５）と排出コンベア（５０）、（５１）
とが同一搬送レベルとなった後、上流側装置から供給コ
ンベア（４０）、（４１）の所定位置まで搬送されて来
た基板（６）がトランスファ（７０）の移動により、シ
ュート（４）、（５）に保持される（図１５参照）。

【００２４】次に、図１６に示すように上下シリンダ
（２０）によりシュート保持台（２１）が下降された後
ＸＹテーブル（１１）のＸＹ移動により所定位置に移動
された基板（６）上に回転盤（２）の間欠回転により部
品を吸着した吸着ヘッド（３）が移動されて来て、該基
板（６）上に部品を装着する。そして、同様にして基板
（６）上に部品が順次装着されていき、全装着点に部品
が装着された基板（６）は、テーブル（１１）上昇後供
給コンベア（４０）、（４１）上の基板（６）と共にト
ランスファ（７０）で所定量移動されてテーブル（１
１）及び排出コンベア（５０）、（５１）上へ搬送され
る（図１８参照）。

【００２５】また、本考案はトランスファ方式でなく、
ＸＹテーブル（１１）上の基板をベルトコンベア方式で
搬送するものに適用しても良いが、この場合コンベアは
分割したいだけ分けて設ける。更に、後半部のシュート
（４Ｂ）、（５Ｂ）を揺動させるだけに限らず、例えば
該シュート（４Ｂ）、（５Ｂ）を搬送路に対し平行に前
後移動させても良く、上下に移動させても良い。

【００２６】また、排出コンベア（５０）、（５１）が
シュート（４Ａ）、（５Ａ）側に接近して基板（６）を
受け取った後、排出コンベア（５０）、（５１）の下流
側装置側に移動して該装置に基板（６）を受け渡すよう
にしても良い。

【００２７】

【考案の効果】以上、本考案によれば作業テーブル上か
ら排出コンベアへの基板の移載時間の短縮がはかれ、生
産性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】基板搬送装置の平面図である。

【図２】基板搬送装置の正面図である。

【図３】電子部品装着装置の斜視図である。

【図４】揺動機構を示す正面図である。

【図５】揺動機構を示す側面図である。

【図６】シュートの平面図である。

【図７】シュートの側面図である。

【図８】シュートの側面図である。

【図９】シュートの平面図である。

【図１０】シュートの側面図である。

【図１１】シュートの側面図である。

【図１２】基板搬送装置の平面図である。

【図１３】揺動機構を示す側面図である。

【図１４】シュートの側面図である。

【図１５】揺動機構を示す側面図である。

【図１６】揺動機構を示す側面図である。

【図１７】揺動機構を示す側面図である。

【図１８】基板搬送装置の平面図である。

【符号の説明】

（４） 固定シュート （４Ａ） 前半部のシュート （４Ｂ） 後半部のシュート （５） 可動シュート （５Ａ） 前半部のシュート （５Ｂ） 後半部のシュート （６） プリント基板 （１１） ＸＹテーブル （２０） 上下シリンダ （２１） シュート保持台 （２６） シュート支持板 （４０） 供給コンベア （４１） 供給コンベア （５０） 排出コンベア （５１） 排出コンベア （５２） コンベア支持台 （６０） シリンダ （６４） スライド部 （９０） 揺動機構 （９１） 基台 （９３） シリンダ （９４） ロッド （９５） 係合部 （９６） 突片 （９７） 突片 （９８） 軸 （９９） 軸

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送手段により作業テーブル上の基板を
   排出コンベアへ搬送する基板搬送装置に於いて、前記作
   業テーブル上で基板を支持すると共に当該基板の基板長
   さに対応して分割可能な基板支持具と、扱う基板の基板
   搬送方向の長さが所定長さより短い場合に分割された当
   該基板支持具のうちの基板を支持しない部分を搬送路か
   ら逃避させる移動機構と、該移動機構により前記基板支
   持具の基板を支持しない部分が搬送路から逃避されたと
   き前記排出コンベアの搬送路の全長を延長させて搬送路
   上の基板支持具の後端にその先端を位置させる延長機構
   とを設けたことを特徴とする基板搬送装置。