JP2580709Y2 - ターボコンパウンドエンジンにおける過給システム - Google Patents

ターボコンパウンドエンジンにおける過給システム

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JP2580709Y2
JP2580709Y2 JP1992057147U JP5714792U JP2580709Y2 JP 2580709 Y2 JP2580709 Y2 JP 2580709Y2 JP 1992057147 U JP1992057147 U JP 1992057147U JP 5714792 U JP5714792 U JP 5714792U JP 2580709 Y2 JP2580709 Y2 JP 2580709Y2
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正俊 橋本
由紀夫 金内
順彦 保田
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、一般車両用、荷役運搬
機械用、建設機械用、特車用、舶用等に使用される2サ
イクル、4サイクル式ディーゼル機関に広く利用可能
な、エンジンにおける排気ターボ過給機式過給システム
をそなえたターボコンパウンドに関し、特に機関クラン
ク軸と排気ターボ過給機との間に配設される歯車式伝動
装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の排気ターボ過給機をそなえたター
ボコンパウンドエンジンは、図9に示すように、排気タ
ーボ過給機14のタービン部において、タービン動翼16の
外側に可変静翼である可変ノズル18が円周上に配置さ
れ、この可変ノズル18の開度を変更させる駆動リング17
が、リンクを介して可変ノズル18に連結されている。
【0003】排気ターボ過給機14は、減速ギヤ列11
をそなえた動力伝達系を介して機関クランク軸10に結
合されている。この減速ギヤ列11は、排気ターボ過給
機14とクランク軸10との間の動力伝達において、2
系列の並列ギヤ列を有して構成されている。これらのギ
ヤ列相互間には、機関回転速度、負荷等の制御信号によ
り油圧的に断続可能な第1のクラッチ12a、第2のク
ラッチ12bと、このクラッチ12a,12bとそれぞ
れシリーズに連結された第1のワンウエイクラッチ13
a,第2のワンウエイクラッチ13bが介装されてい
る。二つのワンウエイクラッチ13a,13bは、減速
ギヤ列11を介しての排気ターボ過給機14とクランク
軸10との間の動力伝達方向を、相互に逆向きになるよ
う構成されている。すなわち、図中ワンウエイクラッチ
13a,13bの矢印方向は、動力伝達方向を示してお
り、矢印と逆方向への動力伝達は行なわれないようにな
っている。
【0004】排気ターボ過給機14とクランク軸10と
を結合する減速ギヤ列11に介装されたクラッチ12
a,12bは、機関6と排気ターボ過給機14の運転モ
ード、すなわち、機関6が排気ターボ過給機14を駆動
するメカニカルドライブ過給モード、排気ターボ過給機
14から機関6側へタービン排気エネルギーが回収され
るターボコンパウンドモード、機関6と排気ターボ過給
機14との間の機械的結合状態のないフルターボ過給
ードの3つの運転モードを機関の使用条件、負荷条件に
応じて制御するもので、機関回転速度、燃料噴射量、コ
ンプレッサ出口圧力等に対応して望ましいモードの選択
が3つの運転モードの中からコントローラとしてのマイ
クロコンピュータ(図示せず)により行なわれ、その制
御信号により、クラッチ断続用アクチュエータ(図示せ
ず)が作動してクラッチ12a,12bの断続が行なわ
れるようになっている。なお図中の符号7は排気管を、
符号8は給気冷却を、符号9は給気管を、符号15は
コンプレッサをそれぞれ示している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、従来のター
ボコンパウンドエンジンの過給システムでは、上述のワ
ンウエイクラッチとして、スプラグ式ワンウエイクラッ
チが使用されている。このスプラグ式ワンウエイクラッ
チは、減速ギヤ列に伝達可能トルクよりも大きい過大ト
ルクが負荷された時、スプラグがロールオーバして減速
ギヤ列に過大トルクが負荷されるのを回避できる特性を
そなえていて、ターボコンパウンドエンジンに好適なワ
ンウエイクラッチではあるが、トルク伝達を行なわない
作動状態、つまりスプラグ部の噛合が解除されてスプラ
グの内外輪が逆方向に空転する作動状態のとき(このと
きターボコンパウンドエンジンがフルターボ過給モード
にある)、スプラグそのものがころがり機能を持たない
ため、スプラグの噛合曲面の空転摩耗を引起こし、伝達
トルク低下、寿命低下を引起こすという問題点がある。
【0006】この点をさらに詳述すると、図10はスプラ
グ式ワンウエイクラッチ40の側断面を示しており、スプ
ラグ式ワンウエイクラッチ40は、動力の入力歯車41をそ
なえた外輪44と、これをころがり軸受47を介して回転可
能に軸支し、動力の出力歯車42をそなえた内輪43と、外
輪44と内輪43との間に配設された複数のこま(スプラ
グ)45とで構成されていて、動力伝達時〔図11(a)参
照〕、外輪44と内輪43とは同一方向に回転するが、内輪
43の回転速度に対し外輪44の回転速度が大きいので、こ
ま45は内輪43との接触点を起点として矢印a方向に立ち
上がり、“くさび作用”をする状態となり、これにより
外輪44と内輪43とは一体となって、動力伝達が行なわれ
る。
【0007】一方、内輪43に対して外輪44の回転速度が
小さいとき〔図11(b)参照〕、こま45は外輪44と内輪43と
の間でそれぞれすべり、外輪44と内輪43とはこま45を介
して空転する。こま45が空転することにより、こま45は
外輪44と内輪43との接触点で摩耗を引起こし、これがこ
ま45の形状を微妙に変形して伝達トルクの低下および寿
命の低下の原因となる。なお図10中の符号46はころがり
軸受、47aは止め輪をそれぞれ示している。また符号48
は給油通路、49は排油通路をそれぞれ示していて、これ
らはスプラグ部へ潤滑油の供給および排出を行なうため
に設けられている。
【0008】上述のとおり、スプラグ式ワンウエイクラ
ッチは、過大負荷トルクの伝達を阻止できる長所を有す
るものの、空転時におけるスプラグの摩耗に起因した伝
達トルク低下や寿命低下を引起こすという問題点や、潤
滑油の供給および排出構造が複雑であるという問題点が
ある。
【0009】本考案は、このような問題点の解決をはか
ろうとするもので、ワンウエイクラッチとして空転時に
軸受機能を有するテーパーローラ式ワンウエイクラッチ
を用いるとともに、トルクリミッタを減速ギヤ列とエン
ジンのクランク軸との間に介装して過大負荷トルクの伝
達を阻止できるようにした、減速歯車装置をそなえたタ
ーボコンパウンドエンジンにおける過給システムを提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本考案のターボコンパウンドエンジンにおける過給
システムは、ターボコンパウンドエンジンにおいて、排
気ターボ過給機と、同排気ターボ過給機を上記エンジン
のクランク軸に連結するための2系統の並列ギヤ列より
なる減速ギヤ列とをそなえた過給システムを有し、上
記2系統の並列ギヤ列のうちの一方が上記エンジンのク
ランク軸から上記排気ターボ過給機を駆動するギヤ列と
して構成され他方が上記排気ターボ過給機から上記エン
ジンのクランク軸を駆動するギヤ列として構成されると
ともに、それぞれのギヤ列に、駆動方向に動力伝達が可
能で反対方向に動力を伝達しないワンウエイクラッチ
記エンジンの機関回転速度、負荷等の制御信号に応じ
て断続可能なクラッチ直列に介装され、上記各ワン
ウエイクラッチがテーパーローラ式ワンウエイクラッチ
で構成されるとともに、上記クランク軸と減速ギヤ列
との間にトルクリミッタが介されていることを特徴と
している。
【0011】
【作用】上述の本考案のターボコンパウンドエンジンに
おける過給システムでは、ターボコンパウンドエンジン
のクランク軸と排気ターボ過給機との間に設けられる2
系統のギヤ列のそれぞれに介装されたテーパーローラ式
ワンウエイクラッチが、ターボコンパウンドエンジンの
「フルターボ過給モード」におけるワンウエイクラッチ
の空転時に軸受けとして機能する。さらに、減速ギヤ列
とエンジンのクランク軸との間に介装されているトルク
リミッタが、過大負荷トルクによるテーパーローラ式ワ
ンウエイクラッチの固着を防止するとともに、減速ギヤ
列に過大トルクが負荷されるのを阻止する作用を行な
う。
【0014】
【実施例】以下、図面により本考案の一実施例としての
ターボコンパウンドエンジンについて説明すると、図1
は模式平面図、図2はワンウエイクラッチの側断面図、
図3は図2のA−A矢視断面図、図4はトルクリミッタ
の側断面図、図5乃至図8はテーパーローラ式ワンウエ
イクラッチの作動説明図である。なお図1中図9と同じ
符号はほぼ同一の部材を示している。
【0015】この実施例のターボコンパウンドエンジン
も、排気ターボ過給機14をそなえるとともに、この排
気ターボ過給機14は減速ギヤ列11をそなえた動力伝
達系を介して機関クランク軸10に結合されている。こ
の減速ギヤ列11は、排気ターボ過給機14とクランク
軸10との間の動力伝達において、2系列の並列に配設
された第1および第2のギヤ列11aおよび11bを有
して構成されている。すなわちこれらのギヤ列相互間に
は、機関回転速度、負荷等の制御信号により油圧的に断
続可能な第1の断続クラッチ12a、第2の断続クラッ
チ12bとこの断続クラッチ12a,12bとそれぞれ
シリーズに連結された第1のテーパーローラ式ワンウエ
イクラッチ20a、第2のテーパーローラ式ワンウエイ
クラッチ20bが挿入された第1および第2のギヤ列1
1a,11bが介装されている。第1および第2のテー
パーローラ式ワンウエイクラッチ20a,20bは、ギ
ヤ列11を介しての排気ターボ過給機14とクランク軸
10との間の動力伝達方向を、相互に逆向きになるよう
構成されている。つまり、図中第1および第2のテーパ
ーローラ式ワンウエイクラッチ20a,20bの矢印方
向は、動力伝達方向を示しており、矢印と逆方向への動
力伝達は行なわれないようになっている。したがって、
第1のギヤ列11aは機関クランク軸10から気ター
ボ過給機を駆動する機能を有し、また第2のギヤ列11
bは排気ターボ過給機側から機関クランク軸10を駆動
する機能を有することになり、上述の従来例の場合と同
様に、断続クラッチ12a,12bのON,OFF操作
により、機関6と排気ターボ過給機14の運転モードす
なわち、機関6が排気ターボ過給機14を駆動するメカ
ニカルドライブ過給モード、排気ターボ過給機14から
機関6側へタービン排気エネルギーが回収されるターボ
コンパウンドモード、機関6と排気ターボ過給機14と
の間の機械的結合状態のないフルターボ過給モードの3
つの運転モードが、機関の使用条件、負荷条件に応じて
選択されるように構成されている。
【0016】さらに、減速ギヤ列とクランク軸10との間
にトルクリミッタ30が介設されている。ここで、まずテ
ーパーローラ式ワンウエイクラッチ20について説明す
る。テーパーローラ式ワンウエイクラッチとしては、例
えば特公昭46-21126号公報や特開昭52-60367号公報に記
載されたものが知られているが、その1例を図2により
説明する。図2において、テーパーローラ式ワンウエイ
クラッチ20は、入力歯車21にボール26を介して接続され
た外輪25と、入力歯車21をころがり軸受27を介して回転
可能に軸支し出力歯車22をそなえた軸23と、軸23と外輪
25との間に介在されるテーパーローラ24とで構成されて
いる。テーパーローラ24は図2において右端側を大径部
に形成されている。
【0017】なお、図2中の符号24a,27aは保持器、符
号24'は止め輪、符号28は皿ばね、符号29はころがり軸
受をそれぞれ示している。入力歯車21と外輪25との間に
は、図3に示すように、ボール26が埋込まれているた
め、入力歯車21に伝わった外力は、ボール26に働く剪断
力によって外輪25に伝達される。一方、外輪25と軸23と
の間にはテーパーローラ24が介設されているため、空転
時にテーパーローラ24がころがり軸受と作用し、空転時
における摩耗を防止できる。
【0018】なお、油噴霧雰囲気で使用すれば、強制給
油の必要がない。ここで、テーパーローラ式ワンウエイ
クラッチの作動について説明すると、図5,図6におい
て、符号1は内輪(これが図2の軸23に相当する)を、
また符号2は外輪(これが図2の外輪25に相当する)
を、符号1a,2aはそれぞれ内輪1、外輪2に形成した
軌道面を、符号3はテーパーローラ(これが図2のテー
パーローラ24に相当する)、さらに符号4は内輪1の大
径部に設けた鍔(これが図2の保持器24aに相当する)
をそれぞれ示している。
【0019】テーパーローラ3は普通の円錐コロ軸受の
転動体、すなわち円錐コロと同様に截頭円錐体で構成さ
れ、円錐コロ軸受状に構成された内輪1と外輪2のそれ
ぞれの軌道面1a,2a間に、内輪1、外輪2を円錐コロ
軸受状に構成する軌道面母線aに対して、テーパーロー
ラ3の軸線bが適当な角度θだけ傾き、かつテーパーロ
ーラ3の大径端面を内輪1の鍔4の案内面に接触させて
配設されている。一方内輪1および外輪2の軌道面1a,
2aは、前記のようにテーパーローラ3が截頭円錐体で
あり、且つ内外輪の軌道面母線aに対してテーパーロー
ラ3の軸線bが傾けられているから、この傾き角θに適
応して、テーパーローラ3の全長に亘って内外輪1,2
が接触するように、軌道面1a,2aの断面が図5に示す
ように双曲線断面で構成されている。なおこの双曲線
は、テーパーローラ3の前記傾き角θおよび頂角と、内
外輪1,2の軌道面母線の頂角、さらにテーパーローラ
3、内外輪1,2の直径等によって定まる。
【0020】いま図5に示すように、内輪1を矢印A方
向に回転させると、テーパーローラ3は矢印B方向に回
転しようとする。そしてもしテーパーローラ3が矢印B
方向に回転するものとすれば、テーパーローラ3は内輪
1の軌道に対しては、その軌道面母線の円錐頂点pより
離れる方向にころがり、外輪2の軌道に対しては、その
軌道面母線の円錐頂点pに近づく方向にころがる。この
関係をさらに詳しく示せば、図7および図8に示すよう
に、(図7は外輪軌道を内径側から見た展開図であり、
図8は内輪軌道を外径側から見た展開図である。)テー
パーローラ3にB矢印方向の回転力が加わると、テーパ
ーローラ3は外輪軌道面2a上を矢印m方向に移動し、
一方内輪軌道面1a上を矢印n方向に移動しようとす
る。ところが内輪1にはその軌道面1a上に鍔4を突出
させ、これにテーパーローラ3の大径端面を接触させて
あるから、テーパーローラ3はその周面と内輪軌道面1
aとのスベリ摩擦力によって、鍔4に押し付けられるの
みで内輪軌道面1a上での転動を阻止され、テーパーロ
ーラ3と内輪1とが一体化したと同様の状態になる。し
かるに外輪2には鍔がないので、外輪軌道面2a上にお
けるm矢印方向への転動が行なわれ、このとき外輪2の
軌道母線の円錐角が前記スベリ摩擦における摩擦角より
小さいときは、外輪2の軌道面2aがクサビのメス孔の
働きをもち、これに対して内輪1の鍔4で転動を阻止さ
れるテーパーローラ3の外輪軌道面2aに接する面が、
ねじり込まれてクサビ作用を発揮する。すなわち内輪
1、外輪2およびテーパーローラ3は、外輪2とテーパ
ーローラ3とのクサビ作用による外輪2の強大な締め付
け力によって、内輪軌道面1aとテーパーローラ3の周
面およびテーパーローラ3の周面と外輪軌道面2aのそ
れぞれの間に強大な摩擦力を発生しクラッチされる。
【0021】一方内輪1を矢印Aとは反対の方向に回転
させると、前記の説明から明らかなように、テーパーロ
ーラ3には内輪軌道面1aに対しては、軌道面母線の円
錐頂点pに近づく方向の作用が働き、外輪軌道面2aに
対しては、軌道面母線の円錐頂点pより遠ざかる方向の
作用が働く。ところがテーパーローラ3を軌道面母線の
円錐頂点に近づけようとする作用と遠ざけようとする作
用とは、全く等しくなって正逆互いに打ち消し合い、し
かもテーパーローラ3と内輪1とのスベリ摩擦でテーパ
ーローラ3を内輪鍔4に押し付けようとする作用は全く
行なわれないから、テーパーローラ3を適当な保持器に
よって保持しておけば、テーパーローラ3は保持器に保
持された状態で、内輪軌道面1aと外輪軌道面2aに対し
てわずかなスベリ運動を伴ったころがり運動を行ない、
普通の円錐コロ軸受と全く同様なころがり軸受としての
作用を行なう。(なお詳細な構造等については特公昭46
-21126号公報参照)
【0022】次に、トルクリミッタ30は、図4に示すよ
うに、入出力歯車31とこれにころがり軸受32を介して回
転可能に軸支される入出力歯車33とをそなえ、入出力歯
車31の右端部に形成されたスプライン31aに内周部を係
止された複数の摩擦板34と、各摩擦板34間に配設されて
入出力歯車33の内周部に形成されたスプライン33aに嵌
入されたプレート35と、ホルダ36を介してプレート35を
右方へ押動可能なバネ37とで構成されている。なお図4
中の符号32aは保持器、符号38は摩擦板34とプレート35
とを締め上げるプレート、符号39は軸受をそれぞれ示し
ている。このトルクリミッタ30は、通常の状態では入出
力軸が入出力歯車31に入力した伝達トルクはスプライン
31aにより摩擦板34に伝達され、その後バネ37をたわま
せる力により発生する摩擦板34とプレート35の間の摩擦
力によって伝えられる。そしてプレート35より入出力歯
車33へスプライン33aに伝達されて、外力の伝達が行な
われる。
【0023】この状態で入出力歯車軸31に過大負荷トル
クが負荷したとき、プレート35と摩擦板34との間にスベ
リが発生し、過大トルクが入出力歯車33に伝わるのが阻
止される。このように、この実施例では、テーパーロー
ラ式ワンウエイクラッチ20が空転時にころがり軸受とし
て作用して、空転摩耗を防止する作用が行なわれると共
に、減速ギヤ列に過大トルクが負荷されるのがトルクリ
ミッタ30の作用で阻止できて、過大トルクによる減速歯
車列の保護がはかれる一方、テーパーローラ式ワンウエ
イクラッチの固着を防止できることになる。
【0024】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案のターボコ
ンパウンドエンジンにおける過給システムによれば、次
のような効果ないし利点が得られる。 (1)各ギヤ列に介装されるワンウエイクラッチとし
て、空転時にころがり軸受として機能するテーパーロー
ラ式ワンウエイクラッチを用いたことにより、エンジン
のクランク軸と排気ターボ過給機とが機械的に連結され
ない「フルターボ過給モード」時に上記ワンウエイクラ
ッチがころがり軸受として作用して、ワンウエイクラッ
チの空転摩耗による伝達トルクの低下および寿命低下
抑制できるほか、強制供給の必要がなくなり、組立て
時に封入されたグリース潤滑または間接的な飛沫潤滑程
度で十分となり、メンテナンス不要また給油機構不要と
なる。 ()減速ギヤ列に過大負荷トルクが作用したとき、エ
ンジンのクランク軸と減速ギヤ列との間に介装されたト
ルクリミッタが作用して、テーパーローラ式ワンウエイ
クラッチが過大トルクにより固着するのを防止できるた
め、ターボコンパウンドエンジンにおける過給システム
の減速ギヤ列に、テーパーローラ式ワンウエイクラッチ
の使用が可能となる。また、トルクリミッタによる減速
ギヤ列を過大負荷による破損から保護することも可能で
ある(3)ターボコンパウンドエンジンの減速ギヤ列に介装
されるワンウエイクラッチをテーパーローラ式ワンウエ
イクラッチとした構成と、エンジンのクランク軸と減速
ギヤ列との間にトルクリミッタを介装した構成とが相俟
って、ターボコンパウンドエンジンの信頼性を向上させ
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としてのターボコンパウンド
エンジンにおける過給システムの模式平面図。
【図2】同テーパーローラ式ワンウエイクラッチの側断
面図。
【図3】図2のA−A矢視断面図。
【図4】同トルクリミッタの側断面図。
【図5】テーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動説
明図。
【図6】テーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動説
明図。
【図7】テーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動説
明図。
【図8】テーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動説
明図。
【図9】従来のターボコンパウンドエンジンにおける過
給システムの模式平面図。
【図10】同スプラグ式ワンウエイクラッチの側断面
図。
【図11】(a)は動作動説明図、(b)は同作動説明
図。
【符号の説明】
6 機関 10 クランク軸 11 減速ギヤ列 12a,12b クラッチ 14 排気ターボ過給機 20,20a,20b テーパーローラ式ワンウエイク
ラッチ 24 テーパーローラ 30 トルクリミッタ 34 摩耗板 35 プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 高井 淳 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重 工業株式会社 相模原製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−103422(JP,A) 特開 昭52−60367(JP,A) 特公 昭46−21126(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 33/00 - 39/16 F02B 41/10 F16D 41/07

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターボコンパウンドエンジンにおいて、
    排気ターボ過給機と、同排気ターボ過給機を上記エンジ
    ンのクランク軸に連結するための2系統の並列ギヤ列よ
    りなる減速ギヤ列とをそなえた過給システムを有し、
    上記2系統の並列ギヤ列のうちの一方が上記エンジンの
    クランク軸から上記排気ターボ過給機を駆動するギヤ列
    として構成され他方が上記排気ターボ過給機から上記エ
    ンジンのクランク軸を駆動するギヤ列として構成される
    とともに、それぞれのギヤ列に、駆動方向に動力伝達が
    可能で反対方向に動力を伝達しないワンウエイクラッチ
    と上記エンジンの機関回転速度、負荷等の制御信号に応
    じて断続可能なクラッチ直列に介装され、上記各ワ
    ンウエイクラッチがテーパーローラ式ワンウエイクラッ
    チで構成されるとともに、上記クランク軸と減速ギヤ
    列との間にトルクリミッタが介されていることを特徴
    とする、ターボコンパウンドエンジンにおける過給シス
    テム。
JP1992057147U 1992-07-22 1992-07-22 ターボコンパウンドエンジンにおける過給システム Expired - Lifetime JP2580709Y2 (ja)

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