JPH0612726U - ターボコンパウンドエンジンにおける過給システム - Google Patents

ターボコンパウンドエンジンにおける過給システム

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JPH0612726U
JPH0612726U JP057147U JP5714792U JPH0612726U JP H0612726 U JPH0612726 U JP H0612726U JP 057147 U JP057147 U JP 057147U JP 5714792 U JP5714792 U JP 5714792U JP H0612726 U JPH0612726 U JP H0612726U
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由紀夫 金内
順彦 保田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、エンジンにおける排気ターボ過給
機式過給システムをそなえたターボコンパウンドに関
し、特に機関クランク軸と排気ターボ過給機との間に配
設される歯車式伝動装置の改良に関する。 【構成】 排気ターボ過給機14と、排気ターボ過給機14
をエンジンのクランク軸10に連結するための2系統の並
列ギヤ列11a,11bよりなる減速ギヤ列11とをそなえた過
給システムを有するターボコンパウンドエンジンにおい
て、上記2系統の並列ギヤ列に矢印方向にのみ動力伝達
が可能なワンウエイクラッチ20a,20bを挿入し、各ワン
ウエイクラッチを、テーパーローラ式ワンウエイクラッ
チで構成するとともに、クランク軸10と減速ギヤ列11と
の間にトルクリミッタ30を介設する構成により、ワンウ
エイクラッチの空転時の空転摩耗の抑制と過大トルクに
よる減速ギヤ列の破損の防止とをはかった点に特徴を有
する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、一般車両用、荷役運搬機械用、建設機械用、特車用、舶用等に使用 される2サイクル、4サイクル式ディーゼル機関に広く利用可能な、エンジンに おける排気ターボ過給機式過給システムをそなえたターボコンパウンドに関し、 特に機関クランク軸と排気ターボ過給機との間に配設される歯車式伝動装置の改 良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の排気ターボ過給機をそなえたターボコンパウンドエンジンは、図9に示 すように、排気ターボ過給機14のタービン部において、タービン動翼16の外側に 可変静翼である可変ノズル18が円周上に配置され、この可変ノズル18の開度を変 更させる駆動リング17が、リンクを介して可変ノズル18に連結されている。
【0003】 排気ターボ過給機14は、減速ギヤ列11をそなえた動力伝達系を介して機関クラ ンク軸10に結合されている。この減速ギヤ列11は、排気ターボ過給機14とクラン ク軸10との間の動力伝達において、2系列の並列ギヤ列を有して構成されている 。これらのギヤ列相互間には、機関回転速度、負荷等の制御信号により油圧的に 断続可能な第1のクラッチ12a、第2のクラッチ12bと、このクラッチ12a,12bと それぞれシリーズに連結された第1のワンウエイクラッチ13a,第2のワンウエイ クラッチ13bが介装されている。二つのワンウエイクラッチ13a,13bは、ギヤ列11 を介しての排気ターボ過給機14とクランク軸10との間の動力伝達方向を、相互に 逆向きになるよう構成されている。すなわち、図中ワンウエイクラッチ13a,13b の矢印方向は、動力伝達方向を示しており、矢印と逆方向への動力伝達は行なわ れないようになっている。
【0004】 排気ターボ過給機14とクランク軸10とを結合する減速ギヤ列11に介装されたク ラッチ12a,12bは、機関6と排気ターボ過給機14の運転モード、すなわち、機関 6が排気ターボ過給機14を駆動するメカニカルドライブモード、排気ターボ過給 機14から機関6側へタービン排気エネルギーが回収されるターボコンパウンドモ ード、機関6と排気ターボ過給機14との間の機械的結合状態のないフルターボモ ードの3つの運転モードを機関の使用条件、負荷条件に応じて制御するもので、 機関回転速度、燃料噴射量、コンプレッサ出口圧力等に対応して望ましいモード の選択が3つの運転モードの中からコントローラとしてのマイクロコンピュータ (図示せず)により行なわれ、その制御信号により、クラッチ断続用アクチュエ ータ(図示せず)が作動してクラッチ12a,12bの断続が行なわれるようになって いる。なお図中の符号7は排気管を、符号8は給気冷却管を、符号9は給気管を 、符号15はコンプレッサをそれぞれ示している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、従来のターボコンパウンドエンジンの過給システムでは、上述のワ ンウエイクラッチとして、スプラグ式ワンウエイクラッチが使用されている。 このスプラグ式ワンウエイクラッチは、減速ギヤ列に伝達可能トルクよりも大 きい過大トルクが負荷された時、スプラグがロールオーバして減速ギヤ列に過大 トルクが負荷されるのを回避できる特性をそなえていて、ターボコンパウンドエ ンジンに好適なワンウエイクラッチではあるが、トルク伝達を行なわない作動状 態、つまりスプラグ部の噛合が解除されてスプラグの内外輪が逆方向に空転する 作動状態のとき(このときターボコンパウンドエンジンがフルターボ過給モード にある)、スプラグそのものがころがり機能を持たないため、スプラグの噛合曲 面の空転摩耗を引起こし、伝達トルク低下、寿命低下を引起こすという問題点が ある。
【0006】 この点をさらに詳述すると、図10はスプラグ式ワンウエイクラッチ40の側断面 を示しており、スプラグ式ワンウエイクラッチ40は、動力の入力歯車41をそなえ た外輪44と、これをころがり軸受47を介して回転可能に軸支し、動力の出力歯車 42をそなえた内輪43と、外輪44と内輪43との間に配設された複数のこま(スプラ グ)45とで構成されていて、動力伝達時〔図11(a)参照〕、外輪44と内輪43とは 同一方向に回転するが、内輪43の回転速度に対し外輪44の回転速度が大きいので 、こま45は内輪43との接触点を起点として矢印a方向に立ち上がり、“くさび作 用”をする状態となり、これにより外輪44と内輪43とは一体となって、動力伝達 が行なわれる。
【0007】 一方、内輪43に対して外輪44の回転速度が小さいとき〔図11(b)参照〕、こま45 は外輪44と内輪43との間でそれぞれすべり、外輪44と内輪43とはこま45を介して 空転する。こま45が空転することにより、こま45は外輪44と内輪43との接触点で 摩耗を引起こし、これがこま45の形状を微妙に変形して伝達トルクの低下および 寿命の低下の原因となる。 なお図10中の符号46はころがり軸受、47aは止め輪をそれぞれ示している。 また符号48は給油通路、49は排油通路をそれぞれ示していて、これらはスプラ グ部へ潤滑油の供給および排出を行なうために設けられている。
【0008】 上述のとおり、スプラグ式ワンウエイクラッチは、過大負荷トルクの伝達を阻 止できる長所を有するものの、空転時におけるスプラグの摩耗に起因した伝達ト ルク低下や寿命低下を引起こすという問題点や、潤滑油の供給および排出構造が 複雑であるという問題点がある。
【0009】 本考案は、このような問題点の解決をはかろうとするもので、ワンウエイクラ ッチとして空転時に軸受機能を有するテーパーローラ式ワンウエイクラッチを用 いるとともに、トルクリミッタを減速ギヤ列とエンジンのクランク軸との間に介 装して過大負荷トルクの伝達を阻止できるようにした、減速歯車装置をそなえた ターボコンパウンドエンジンにおける過給システムを提供することを目的とする 。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本考案のターボコンパウンドエンジンにおける過 給システムは、ターボコンパウンドエンジンにおいて、排気ターボ過給機と、同 排気ターボ過給機を上記エンジンのクランク軸に連結するための2系統の並列ギ ヤ列よりなる減速ギヤ列とをそなえた過給システムを有し、上記2系統の並列ギ ヤ列のうちの一方が上記エンジンのクランク軸から上記排気ターボ過給機を駆動 するギヤ列として構成され他方が排気ターボ過給機側から上記エンジンのクラン ク軸を駆動するギヤ列として構成されるとともに、それぞれのギヤ列に、駆動方 向に動力伝達が可能で反対方向に動力を伝達しないワンウエイクラッチが挿入さ れ、さらに上記エンジンの機関回転速度、負荷等の制御信号に応じて断続可能な クラッチが挿入され、上記各ワンウエイクラッチが、テーパーローラ式ワンウエ イクラッチで構成されるとともに、上記クランク軸と減速ギヤ列との間にトルク リミッタが介設されていることを特徴としている。
【0011】
【作用】
上述の本考案のターボコンパウンドエンジンにおける過給システムでは、ワン ウエイクラッチのテーパーローラが、ワンウエイクラッチの空転時に軸受として 機能する。 また、減速ギヤ列とエンジンのクランク軸との間に介設されているトルクリミ ッタが、減速ギヤ列に過大トルクが負荷されるのを阻止する作用を行なう。
【0014】
【実施例】
以下、図面により本考案の一実施例としてのターボコンパウンドエンジンにつ いて説明すると、図1は模式平面図、図2はワンウエイクラッチの側断面図、図 3は図2のA−A矢視断面図、図4はトルクリミッタの側断面図、図5乃至図8 はテーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動説明図である。なお図1中図9と 同じ符号はほぼ同一の部材を示している。
【0015】 この実施例のターボコンパウンドエンジンも、排気ターボ過給機14をそなえる とともに、この排気ターボ過給機14は減速ギヤ列11をそなえた動力伝達系を介し て機関クランク軸10に結合されている。この減速ギヤ列11は、排気ターボ過給機 14とクランク軸10との間の動力伝達において、2系列の並列に配設された第1お よび第2のギヤ列11aおよび11bを有して構成されている。すなわちこれらのギヤ 列相互間には、機関回転速度、負荷等の制御信号により油圧的に断続可能な第1 の断続クラッチ12a、第2の断続クラッチ12bとこの断続クラッチ12a,12bとそれ ぞれシリーズに連結された第1のテーパーローラ式ワンウエイクラッチ20a、第 2のテーパーローラ式ワンウエイクラッチ20bが挿入された第1および第2のギ ヤ列11a,11bが介装されている。第1および第2のテーパーローラ式ワンウエイ クラッチ20a,20bは、ギヤ列11を介しての排気ターボ過給機14とクランク軸10と の間の動力伝達方向を、相互に逆向きになるよう構成されている。つまり、図中 第1および第2のテーパーローラ式ワンウエイクラッチ20a,20bの矢印方向は、 動力伝達方向を示しており、矢印と逆方向への動力伝達は行なわれないようにな っている。したがって、第1のギヤ列11aは機関クランク軸10から気ターボ過給 機を駆動する機能を有し、また第2のギヤ列11bは排気ターボ過給機側から機関 クランク軸10を駆動する機能を有することになり、上述の従来例の場合と同様に 、断続クラッチ12a,12bのON,OFF操作により、機関6と排気ターボ過給機14の運 転モードすなわち、機関6が排気ターボ過給機14を駆動するメカニカルドライブ 過給モード、排気ターボ過給機14から機関6側へタービン排気エネルギーが回収 されるターボコンパウンドモード、機関6と排気ターボ過給機14との間の機械的 結合状態のないフルターボ過給モードの3つの運転モードが、機関の使用条件、 負荷条件に応じて選択されるように構成されている。
【0016】 さらに、減速ギヤ列とクランク軸10との間にトルクリミッタ30が介設されてい る。 ここで、まずテーパーローラ式ワンウエイクラッチ20について説明する。 テーパーローラ式ワンウエイクラッチとしては、例えば特公昭46-21126号公報 や特開昭52-60367号公報に記載されたものが知られているが、その1例を図2に より説明する。 図2において、テーパーローラ式ワンウエイクラッチ20は、入力歯車21にボー ル26を介して接続された外輪25と、入力歯車21をころがり軸受27を介して回転可 能に軸支し出力歯車22をそなえた軸23と、軸23と外輪25との間に介在されるテー パーローラ24とで構成されている。テーパーローラ24は図2において右端側を大 径部に形成されている。
【0017】 なお、図2中の符号24a,27aは保持器、符号24'は止め輪、符号28は皿ばね、符 号29はころがり軸受をそれぞれ示している。 入力歯車21と外輪25との間には、図3に示すように、ボール26が埋込まれてい るため、入力歯車21に伝わった外力は、ボール26に働く剪断力によって外輪25に 伝達される。 一方、外輪25と軸23との間にはテーパーローラ24が介設されているため、空転 時にテーパーローラ24がころがり軸受と作用し、空転時における摩耗を防止でき る。
【0018】 なお、油噴霧雰囲気で使用すれば、強制給油の必要がない。 ここで、テーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動について説明すると、図 5,図6において、符号1は内輪(これが図2の軸23に相当する)を、また符号 2は外輪(これが図2の外輪25に相当する)を、符号1a,2aはそれぞれ内輪1 、外輪2に形成した軌道面を、符号3はテーパーローラ(これが図2のテーパー ローラ24に相当する)、さらに符号4は内輪1の大径部に設けた鍔(これが図2 の保持器24aに相当する)をそれぞれ示している。
【0019】 テーパーローラ3は普通の円錐コロ軸受の転動体、すなわち円錐コロと同様に 截頭円錐体で構成され、円錐コロ軸受状に構成された内輪1と外輪2のそれぞれ の軌道面1a,2a間に、内輪1、外輪2を円錐コロ軸受状に構成する軌道面母線 aに対して、テーパーローラ3の軸線bが適当な角度θだけ傾き、かつテーパー ローラ3の大径端面を内輪1の鍔4の案内面に接触させて配設されている。一方 内輪1および外輪2の軌道面1a,2aは、前記のようにテーパーローラ3が截頭 円錐体であり、且つ内外輪の軌道面母線aに対してテーパーローラ3の軸線bが 傾けられているから、この傾き角θに適応して、テーパーローラ3の全長に亘っ て内外輪1,2が接触するように、軌道面1a,2aの断面が図5に示すように双 曲線断面で構成されている。なおこの双曲線は、テーパーローラ3の前記傾き角 θおよび頂角と、内外輪1,2の軌道面母線の頂角、さらにテーパーローラ3、 内外輪1,2の直径等によって定まる。
【0020】 いま図5に示すように、内輪1を矢印A方向に回転させると、テーパーローラ 3は矢印B方向に回転しようとする。そしてもしテーパーローラ3が矢印B方向 に回転するものとすれば、テーパーローラ3は内輪1の軌道に対しては、その軌 道面母線の円錐頂点pより離れる方向にころがり、外輪2の軌道に対しては、そ の軌道面母線の円錐頂点pに近づく方向にころがる。この関係をさらに詳しく示 せば、図7および図8に示すように、(図7は外輪軌道を内径側から見た展開図 であり、図8は内輪軌道を外径側から見た展開図である。)テーパーローラ3に B矢印方向の回転力が加わると、テーパーローラ3は外輪軌道面2a上を矢印m 方向に移動し、一方内輪軌道面1a上を矢印n方向に移動しようとする。ところ が内輪1にはその軌道面1a上に鍔4を突出させ、これにテーパーローラ3の大 径端面を接触させてあるから、テーパーローラ3はその周面と内輪軌道面1aと のスベリ摩擦力によって、鍔4に押し付けられるのみで内輪軌道面1a上での転 動を阻止され、テーパーローラ3と内輪1とが一体化したと同様の状態になる。 しかるに外輪2には鍔がないので、外輪軌道面2a上におけるm矢印方向への転 動が行なわれ、このとき外輪2の軌道母線の円錐角が前記スベリ摩擦における摩 擦角より小さいときは、外輪2の軌道面2aがクサビのメス孔の働きをもち、こ れに対して内輪1の鍔4で転動を阻止されるテーパーローラ3の外輪軌道面2a に接する面が、ねじり込まれてクサビ作用を発揮する。すなわち内輪1、外輪2 およびテーパーローラ3は、外輪2とテーパーローラ3とのクサビ作用による外 輪2の強大な締め付け力によって、内輪軌道面1aとテーパーローラ3の周面お よびテーパーローラ3の周面と外輪軌道面2aのそれぞれの間に強大な摩擦力を 発生しクラッチされる。
【0021】 一方内輪1を矢印Aとは反対の方向に回転させると、前記の説明から明らかな ように、テーパーローラ3には内輪軌道面1aに対しては、軌道面母線の円錐頂 点pに近づく方向の作用が働き、外輪軌道面2aに対しては、軌道面母線の円錐 頂点pより遠ざかる方向の作用が働く。ところがテーパーローラ3を軌道面母線 の円錐頂点に近づけようとする作用と遠ざけようとする作用とは、全く等しくな って正逆互いに打ち消し合い、しかもテーパーローラ3と内輪1とのスベリ摩擦 でテーパーローラ3を内輪鍔4に押し付けようとする作用は全く行なわれないか ら、テーパーローラ3を適当な保持器によって保持しておけば、テーパーローラ 3は保持器に保持された状態で、内輪軌道面1aと外輪軌道面2aに対してわずか なスベリ運動を伴ったころがり運動を行ない、普通の円錐コロ軸受と全く同様な ころがり軸受としての作用を行なう。(なお詳細な構造等については特公昭46-2 1126号公報参照)
【0022】 次に、トルクリミッタ30は、図4に示すように、入出力歯車31とこれにころが り軸受32を介して回転可能に軸支される入出力歯車33とをそなえ、入出力歯車31 の右端部に形成されたスプライン31aに内周部を係止された複数の摩擦板34と、 各摩擦板34間に配設されて入出力歯車33の内周部に形成されたスプライン33aに 嵌入されたプレート35と、ホルダ36を介してプレート35を右方へ押動可能なバネ 37とで構成されている。なお図4中の符号32aは保持器、符号38は摩擦板34とプ レート35とを締め上げるプレート、符号39は軸受をそれぞれ示している。 このトルクリミッタ30は、通常の状態では入出力軸が入出力歯車31に入力した 伝達トルクはスプライン31aにより摩擦板34に伝達され、その後バネ37をたわま せる力により発生する摩擦板34とプレート35の間の摩擦力によって伝えられる。 そしてプレート35より入出力歯車33へスプライン33aに伝達されて、外力の伝達 が行なわれる。
【0023】 この状態で入出力歯車軸31に過大負荷トルクが負荷したとき、プレート35と摩 擦板34との間にスベリが発生し、過大トルクが入出力歯車33に伝わるのが阻止さ れる。 このように、この実施例では、テーパーローラ式ワンウエイクラッチ20が空転 時にころがり軸受として作用して、空転摩耗を防止する作用が行なわれると共に 、減速ギヤ列に過大トルクが負荷されるのがトルクリミッタ30の作用で阻止でき て、過大トルクによる減速歯車列の保護がはかれる一方、テーパーローラ式ワン ウエイクラッチの固着を防止できることになる。
【0024】
【考案の効果】
以上詳述したように、本考案のターボコンパウンドエンジンにおける過給シス テムによれば、次のような効果ないし利点が得られる。 (1) ワンウエイクラッチが空転時にころがり軸受として作用するため、空転摩耗 による伝達トルクの低下および寿命低下がない。 (2) ワンウエイクラッチが空転時にころがり軸受として作用するため、強制給油 の必要がなくなり、組立時に封入されたグリース潤滑または間接的な飛抹潤滑程 度で十分となり、メンテナンス不要または給油構造が不要となる。 (3) 減速ギヤ列に過大負荷トルクが作用した場合、トルクリミッタが作用して減 速ギヤ列の保護がはかれるとともに、テーパーローラ式ワンウエイクラッチの過 大トルクによる固着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としてのターボコンパウンド
エンジンにおける過給システムの模式平面図。
【図2】同テーパーローラ式ワンウエイクラッチの側断
面図。
【図3】図2のA−A矢視断面図。
【図4】同トルクリミッタの側断面図。
【図5】,
【図6】,
【図7】,
【図8】テーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動説
明図。
【図9】従来のターボコンパウンドエンジンにおける過
給システムの模式平面図。
【図10】同スプラグ式ワンウエイクラッチの側断面図。
【図11】(a),(b) 同作動説明図。
【符号の説明】
6 機関 10 クランク軸 11 減速ギヤ列 12a,12b クラッチ 14 排気ターボ過給機 20,20a,20b テーパーローラ式ワンウエイクラッチ 24 テーパーローラ 30 トルクリミッタ 34 摩耗板 35 プレート
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としてのターボコンパウンド
エンジンにおける過給システムの模式平面図。
【図2】同テーパーローラ式ワンウエイクラッチの側断
面図。
【図3】図2のA−A矢視断面図。
【図4】同トルクリミッタの側断面図。
【図5】テーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動説
明図。
【図6】テーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動説
明図。
【図7】テーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動説
明図。
【図8】テーパーローラ式ワンウエイクラッチの作動説
明図。
【図9】従来のターボコンパウンドエンジンにおける過
給システムの模式平面図。
【図10】同スプラグ式ワンウエイクラッチの側断面
図。
【図11】(a)は動作動説明図、(b)は同作動説明
図。
【符号の説明】 6 機関 10 クランク軸 11 減速ギヤ列 12a,12b クラッチ 14 排気ターボ過給機 20,20a,20b テーパーローラ式ワンウエイク
ラッチ 24 テーパーローラ 30 トルクリミッタ 34 摩耗板 35 プレート
フロントページの続き (72)考案者 保田 順彦 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重工 業株式会社相模原製作所内 (72)考案者 高井 淳 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重工 業株式会社相模原製作所内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターボコンパウンドエンジンにおいて、
    排気ターボ過給機と、同排気ターボ過給機を上記エンジ
    ンのクランク軸に連結するための2系統の並列ギヤ列よ
    りなる減速ギヤ列とをそなえた過給システムを有し、上
    記2系統の並列ギヤ列のうちの一方が上記エンジンのク
    ランク軸から上記排気ターボ過給機を駆動するギヤ列と
    して構成され他方が排気ターボ過給機側から上記エンジ
    ンのクランク軸を駆動するギヤ列として構成されるとと
    もに、それぞれのギヤ列に、駆動方向に動力伝達が可能
    で反対方向に動力を伝達しないワンウエイクラッチが挿
    入され、さらに上記エンジンの機関回転速度、負荷等の
    制御信号に応じて断続可能なクラッチが挿入され、上記
    各ワンウエイクラッチが、テーパーローラ式ワンウエイ
    クラッチで構成されるとともに、上記クランク軸と減速
    ギヤ列との間にトルクリミッタが介設されていることを
    特徴とする、ターボコンパウンドエンジンにおける過給
    システム。
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