JP2580682B2 - 高強度および高靭性を有するα+β型Ti合金部材の製造法 - Google Patents
高強度および高靭性を有するα+β型Ti合金部材の製造法Info
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- JP2580682B2 JP2580682B2 JP63046310A JP4631088A JP2580682B2 JP 2580682 B2 JP2580682 B2 JP 2580682B2 JP 63046310 A JP63046310 A JP 63046310A JP 4631088 A JP4631088 A JP 4631088A JP 2580682 B2 JP2580682 B2 JP 2580682B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、微細は初析等軸α相と針状変態β相の2
相組織とすることにより高強度と高靭性を具備せしめた
α+β型Ti合金部材の製造法に関するものである。
相組織とすることにより高強度と高靭性を具備せしめた
α+β型Ti合金部材の製造法に関するものである。
一般に、航空機のエンジン部品や機体などの構造部材
の製造に、代表的組成が、重量%で(以下、%は重量%
を示す)、Ti−6%Al−4%V、Ti−6%Al−6%V−
2%Sn、およびTi−6%Al−2%Sn−4%Zr−6%Moか
らなるα+β型Ti合金が用いられている。
の製造に、代表的組成が、重量%で(以下、%は重量%
を示す)、Ti−6%Al−4%V、Ti−6%Al−6%V−
2%Sn、およびTi−6%Al−2%Sn−4%Zr−6%Moか
らなるα+β型Ti合金が用いられている。
また、これらのα+β型Ti合金部材が、 (a) まず、これら合金鋳塊に分塊鍛造を施した後、 (b) 920〜970℃の範囲内の温度で恒温鍛造を行な
い、 (c) 引続いて705〜790℃の範囲内の温度で焼鈍を施
すことにより製造され、かつこの結果のα+β型Ti合金
部材が、初析等軸α相の結晶粒界にそってβ相が存在す
る組織をもつことも良く知られるところである。
い、 (c) 引続いて705〜790℃の範囲内の温度で焼鈍を施
すことにより製造され、かつこの結果のα+β型Ti合金
部材が、初析等軸α相の結晶粒界にそってβ相が存在す
る組織をもつことも良く知られるところである。
〔発明が解決しようとする課題〕 一方、近年の各種機器に対する高速化、省力化、およ
び軽量化の要求は激しく、これに伴ってこれらの構造部
材にもより一層の高強度および高靭性が要求されるよう
になっているが、上記の従来α+β型Ti合金部材では、
強度および靭性不足が原因で、これらの要求に十分対応
することができないのが現状である。
び軽量化の要求は激しく、これに伴ってこれらの構造部
材にもより一層の高強度および高靭性が要求されるよう
になっているが、上記の従来α+β型Ti合金部材では、
強度および靭性不足が原因で、これらの要求に十分対応
することができないのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記
の従来α+β型合金に着目し、これに高強度と高靭性を
付与せしめるべく研究を行なった結果、分塊鍛造後のα
+β型Ti合金に、従来の恒温鍛造温度よりも低温の830
〜870℃の範囲内の温度で恒温鍛造を行ない、引続いて
従来の焼鈍温度よりも高温の900〜965℃の範囲内の温度
で焼鈍を行なうと、前期低温での恒温鍛造にて微細化し
た初析等軸α相の一部が前記高温での焼鈍にて針状変態
β相に変化し、この結果の微細な初析等軸α相と針状変
態β相の相愛組織を有するα+β型Ti合金部材は、上記
の相対的に粗大な初析等軸β相の結晶粒界にそってβ相
が存在する組織を有する従来α+β型Ti合金部材に比し
て強度および靭性ともにすぐれているという研究結果を
得たのである。
の従来α+β型合金に着目し、これに高強度と高靭性を
付与せしめるべく研究を行なった結果、分塊鍛造後のα
+β型Ti合金に、従来の恒温鍛造温度よりも低温の830
〜870℃の範囲内の温度で恒温鍛造を行ない、引続いて
従来の焼鈍温度よりも高温の900〜965℃の範囲内の温度
で焼鈍を行なうと、前期低温での恒温鍛造にて微細化し
た初析等軸α相の一部が前記高温での焼鈍にて針状変態
β相に変化し、この結果の微細な初析等軸α相と針状変
態β相の相愛組織を有するα+β型Ti合金部材は、上記
の相対的に粗大な初析等軸β相の結晶粒界にそってβ相
が存在する組織を有する従来α+β型Ti合金部材に比し
て強度および靭性ともにすぐれているという研究結果を
得たのである。
この発明は、上記の研究結果にもとづいてなされたも
のであって、 α+β型Ti合金鋳塊に、分塊鍛造を施した後、 830〜870℃の範囲内の温度で恒温鍛造を施して初析等
軸α相の微細化をはかり、 引続いて、900〜965℃の範囲内の温度で焼鈍を施して
上記初析等軸α相の一部を針状変態β相に変化せしめ、
もって微細な初析等軸α相と針状変態β相の2相組織と
することにより高強度と高靭性を有するα+β型Ti合金
部材を製造する方法に特徴を有するものである。
のであって、 α+β型Ti合金鋳塊に、分塊鍛造を施した後、 830〜870℃の範囲内の温度で恒温鍛造を施して初析等
軸α相の微細化をはかり、 引続いて、900〜965℃の範囲内の温度で焼鈍を施して
上記初析等軸α相の一部を針状変態β相に変化せしめ、
もって微細な初析等軸α相と針状変態β相の2相組織と
することにより高強度と高靭性を有するα+β型Ti合金
部材を製造する方法に特徴を有するものである。
なお、この発明の方法において、恒温鍛造温度を830
〜870℃と定めたのは、その温度が830℃未満では合金の
変形抵抗が高くなって鍛造加工性が低下するようにな
り、一方その温度が870℃を越えると、初析等軸α相に
粗大化現象が現われ、微細化が抑制されるようになるこ
とから、所望の高強度を安定して確保することができな
くなるという理由からであり、また焼鈍温度を900〜965
℃と定めたのは、その温度が900℃未満では初析等軸α
相の針状変態β相への変化が遅く、所望の高靭性を得る
には長時間を要し、経済的でなく、一方その温度が965
℃を越えると、針状変態β相に対する初析等軸α相の割
合が少なくなりすぎて、所望の高強度を確保することが
できないという理由にもとづくものである。
〜870℃と定めたのは、その温度が830℃未満では合金の
変形抵抗が高くなって鍛造加工性が低下するようにな
り、一方その温度が870℃を越えると、初析等軸α相に
粗大化現象が現われ、微細化が抑制されるようになるこ
とから、所望の高強度を安定して確保することができな
くなるという理由からであり、また焼鈍温度を900〜965
℃と定めたのは、その温度が900℃未満では初析等軸α
相の針状変態β相への変化が遅く、所望の高靭性を得る
には長時間を要し、経済的でなく、一方その温度が965
℃を越えると、針状変態β相に対する初析等軸α相の割
合が少なくなりすぎて、所望の高強度を確保することが
できないという理由にもとづくものである。
つぎに、この発明の方法を実施例により具体的に説明
する。
する。
「いずれも直径:540mm×高さ:1800mmの寸法を有す
る、成分組成がTi−6%Al−4%V(β変態点:995℃)
のα+β型Ti合金鋳塊(以下、A鋳塊という)、および
同じく成分組成がTi−6%Al−6%V−2%Sn(β変態
点:945℃)のα+β型Ti合金鋳塊(以下、B鋳塊とい
う)」を用意し、前記A鋳塊には1200℃および前記B鋳
型には950℃の温度で分塊鍛造を施して直径:200mm×高
さ:150mmの寸法をもった予備成形体とし、ついで第1表
に示される温度で、かつ1×10-3S-1のひずみ速度で恒
温鍛造を行なって直径:450mm×高さ:30mmの鍛造材と
し、引続いて同じく第1表に示される温度に1時間保持
後空冷の条件で焼鈍を施すことによって本発明法1〜4
および従来法1,2を実施し、それぞれTi合金部材を製造
した。
る、成分組成がTi−6%Al−4%V(β変態点:995℃)
のα+β型Ti合金鋳塊(以下、A鋳塊という)、および
同じく成分組成がTi−6%Al−6%V−2%Sn(β変態
点:945℃)のα+β型Ti合金鋳塊(以下、B鋳塊とい
う)」を用意し、前記A鋳塊には1200℃および前記B鋳
型には950℃の温度で分塊鍛造を施して直径:200mm×高
さ:150mmの寸法をもった予備成形体とし、ついで第1表
に示される温度で、かつ1×10-3S-1のひずみ速度で恒
温鍛造を行なって直径:450mm×高さ:30mmの鍛造材と
し、引続いて同じく第1表に示される温度に1時間保持
後空冷の条件で焼鈍を施すことによって本発明法1〜4
および従来法1,2を実施し、それぞれTi合金部材を製造
した。
つぎに、この結果得られた各種のTi合金部材から試験
片を切出し、強度と靭性を評価する目的で引張特性とAS
TME399による破壊靭性値を測定した。これらの測定結果
を第1表に示した。
片を切出し、強度と靭性を評価する目的で引張特性とAS
TME399による破壊靭性値を測定した。これらの測定結果
を第1表に示した。
また、第1図には本発明法1により製造されたTi合金
部材の金属顕微鏡による組織写真(1000倍)を示し、第
2図に従来法1により製造したTi合金部材の同組織写真
を示した。
部材の金属顕微鏡による組織写真(1000倍)を示し、第
2図に従来法1により製造したTi合金部材の同組織写真
を示した。
第1表および第1,2図に示される通り、本発明法1〜
4によって製造されたTi合金部材は、微細な初析等軸α
相と針状変態β相からなる2相組織を有し、相対的に粗
大な初析等軸α相の結晶粒界にβ相が存在する組織を有
する従来法1,2で製造されたTi合金部材に比して、高強
度および高靭性を有することが明らかである。
4によって製造されたTi合金部材は、微細な初析等軸α
相と針状変態β相からなる2相組織を有し、相対的に粗
大な初析等軸α相の結晶粒界にβ相が存在する組織を有
する従来法1,2で製造されたTi合金部材に比して、高強
度および高靭性を有することが明らかである。
上述のように、この発明の方法によれば、従来α+β
相型Ti合金部材に比して強度および靭性のいずれもすぐ
れたα+β型Ti合金部材を製造することができるのであ
る。
相型Ti合金部材に比して強度および靭性のいずれもすぐ
れたα+β型Ti合金部材を製造することができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明法1で製造されたTi合金部材の金属顕微
鏡による組織写真(1000倍)、第2図は従来法1で製造
されたTi合金部材の同じく金属顕微鏡による組織写真
(1000倍)である。
鏡による組織写真(1000倍)、第2図は従来法1で製造
されたTi合金部材の同じく金属顕微鏡による組織写真
(1000倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−110756(JP,A) 特開 昭62−205253(JP,A) 特公 昭63−4908(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】α+β型Ti合金鋳塊に、分塊鍛造を施した
後、 830〜870℃の範囲内の温度で恒温鍛造を施して初析等軸
α相の微細化をはかり、 引続いて、900〜965℃の範囲内の温度で焼鈍を施して上
記初析等軸α相の一部を針状変態β相に変化せしめ、も
って微細な初析等軸α相と針状変態β相の2相組織とし
たことを特徴とする高強度および高靭性を有するα+β
型Ti合金部材の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63046310A JP2580682B2 (ja) | 1988-02-29 | 1988-02-29 | 高強度および高靭性を有するα+β型Ti合金部材の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63046310A JP2580682B2 (ja) | 1988-02-29 | 1988-02-29 | 高強度および高靭性を有するα+β型Ti合金部材の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01222038A JPH01222038A (ja) | 1989-09-05 |
JP2580682B2 true JP2580682B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=12743611
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63046310A Expired - Lifetime JP2580682B2 (ja) | 1988-02-29 | 1988-02-29 | 高強度および高靭性を有するα+β型Ti合金部材の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2580682B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100337426B1 (ko) * | 2000-07-01 | 2002-05-22 | 황해웅 | 저비용 고강도 α+β 티타늄 합금 및 그 제조방법 |
CN103966535A (zh) * | 2014-05-06 | 2014-08-06 | 西北工业大学 | 一种高损伤容限型钛合金TC4-DT的一种β相区近等温锻造 |
CN108754371B (zh) * | 2018-05-24 | 2020-07-17 | 太原理工大学 | 一种细化近α高温钛合金晶粒的制备方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61110756A (ja) * | 1984-11-05 | 1986-05-29 | Nippon Mining Co Ltd | チタン合金板の圧延方法 |
JPS62205253A (ja) * | 1986-03-05 | 1987-09-09 | Kobe Steel Ltd | Ti−8Al−1Mo−1V合金の熱処理方法 |
JPS634908A (ja) * | 1986-06-25 | 1988-01-09 | 松下電工株式会社 | 建築板の端部補強法 |
-
1988
- 1988-02-29 JP JP63046310A patent/JP2580682B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01222038A (ja) | 1989-09-05 |
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