JP2580300B2 - 快削二相ステンレス鋳鋼 - Google Patents

快削二相ステンレス鋳鋼

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JP2580300B2 JP63315145A JP31514588A JP2580300B2 JP 2580300 B2 JP2580300 B2 JP 2580300B2 JP 63315145 A JP63315145 A JP 63315145A JP 31514588 A JP31514588 A JP 31514588A JP 2580300 B2 JP2580300 B2 JP 2580300B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は切削性に秀れ、高い腐食疲労強度を有し、特
に抄紙機のサクシヨンロールに有利に適用されるオース
テナイト・フエライト二相ステンレス鋳鋼に関する。
〔従来の技術〕
従来の快削ステンレス鋼としては、JIS SUS 303及びJ
IS SUS 303Seに代表されるS添加ステンレス鋼(重量%
で、C:0.15%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:
0.20%以下、S:0.15%以上、Ni:8.00〜10.00%、Cr:17.
00〜19.00%、Fe:残)及びSe添加ステンレス鋼(重量%
で、C:0.15%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:
0.20%以下、S:0.060%以下、Ni:8.00〜10.00%、Cr:1
7.00〜19.00%、Se:0.15以上、Fe:残)がある。
また、抄紙機サクシヨンロールのような抄紙白水中で
使用される腐食疲労強度の高いステンレス鋳鋼としては
本出願人が先に提案したステンレス鋳鋼があり(特公昭
56−36861号公報)、広く産業界において用いられてい
る。該鋳鋼は重量%で、C 0.1%以下、Si 1.5〜3%、M
n 2%以下、Ni 5〜11%、Cr 18〜28%、Ti 0.01〜0.5
%、及びMo 0.05〜2.0%、Cu 0.05〜2.5%のうち少なく
とも1種、残部がFeからなり、さらに F=Cr(%)+2.06Mo(%)+2.33Si(%) +6.1Ti(%) A=Ni(%)+26.6C(%)+0.53Mn(%) +0.3Cu(%)+18.5N(%) R=(2/3)F−A とした場合、R値が 6.5≦R≦13.5 を満たすことを特徴とするステンレス鋳鋼である。
〔発明が解決しようとする課題〕
抄紙機サクシヨンロールのような酸性水溶液環境にお
いて高い腐食疲労強度を有する従来材料としては先に提
案したステンレス鋳鋼は、旧来のマルテンサイト系ステ
ンレス鋳鋼CA15,SCS1もしくはSCS3〜5あるいはオース
テナイト系ステンレス鋳鋼のSCS13〜16に代る好適なサ
クシヨンロール用材料として広く産業界で用いられてお
り、この材料で製造された抄紙機用サクシヨンロールの
腐食疲労による折損事故は皆無である。しかしながら、
この材料は切削性が良好ではなく、抄紙機サクシヨンロ
ールのように極めて多数の吸引孔をドリル加工しなけれ
ばならない物に対しては機械加工費・期間がかさむとい
う難点があつた。
一方、快削ステンレス鋼として知られている上述した
JIS SUS303もしくはSUS303Se等の材料は多量のSもしく
はSeを含むため、切削性は良好であるが、抄紙機サクシ
ヨンロールのような酸性水溶液環境中における腐食疲労
強度は極めて低く、抄紙機サクシヨンロール用材料とし
ては適さないという問題点があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は前記の事情にかんがみてなされたもので、先
に提案したステンレス鋳鋼にさらに、重量%でSe:0.03
〜0.15%、Al:0.05%以下を含有させ、かつPse(%)=
Se(%)+2.926Al(%)として、Pse≦0.33(%)を満
たすことによつてその目的を達成するものである。
すなわち、本発明の重量%で、C:0.1%以下、Si:1.5
〜3%、Mn:2%以下、Ni:5〜11%、Cr:18〜28%、Se:0.
03〜0.15%、Al:0.05%以下、N:0.6%以下、Ti:0.01〜
0.5%及びMo:0.05〜2.5%とCu 0.05〜2.5のうちの少な
くとも1種、残部が実質的にFeからなり、さらに F=Cr(%)+2.06Mo(%)+2.33Si(%) +6.1Ti(%) A=Ni(%)+26.6C(%)+0.53Mn(%) +0.3Cu(%)+18.5N(%) R=(2/3)F−Aとした場合、R値が6.5≦R≦13.5を
満たすと共にPse(%)=Se(%)+2.926Al(%)とし
てPse≦0.33(%)を満たすことを特徴とするオーステ
ナイト・フェライト二相ステンレス鋳鋼である。
次に、本発明オーステナイト・フェライト二相ステン
レス鋳鋼に含有される各成分に組成限定理由を説明す
る。なお、以下、%は重量%を意味する。
Cは強力なオーステナイト生成元素であつて、その添
加量の増加によつて強度を増すことも可能ではあるが、
耐食性の劣化や靭性の低下を招くことにもなる。また、
C量はTi量との関係において限定されるべき面も有して
おり、0.1%以下に制限される。なお、C量はTi量との
関係において、 とすることが望ましい。
Siは有効な脱酸剤である。また、フエライト生成元素
であり、添加によつてフエライト量の調整及び強度の上
昇をはかることができるが、3%を越える添加は靭延性
を害する。また、1%以下のSiは一般鋼においても製鋼
過程から必然的に含有されているものであり、この程度
の添加量では鋼質の改善に対して多くを期待し得ない。
従つて1.5〜3%の範囲に制限する。
Mnは脱酸,脱硫の作用がありオーステナイト相を安定
する。また強度上昇にも有効であるが2〜3%を越える
添加は靭延性を害し耐食性に悪影響を及ぼす。従つて一
般ステンレス鋼と同様に2%以下に制限する。
Niはオーステナイト生成元素として主たるものであ
り、その添加量はCrその他のフエライト生成元素との関
連によつても限定されるが、5%未満では靭延性、耐食
性、オーステナイトの安定化の面で好ましい結果が得ら
れ難い。Ni量の増加は靭延性を増す反面組織バランスお
よび強度面から好ましくなく、また経済的に不利である
よつて5〜11%の範囲に限定した。
CrはNiと対比される主たるフエライト生成元素であ
り、その添加量はNiをはじめとするオーステナイト生成
元素との関連によつても限定されるがCr量が28%を越え
る付近において靭延性の急激な低下が起るので上限を28
%とした。また、組織バランス及びその安定性強度面か
ら下限値は18%に制限した。
Moはフエライト生成元素であり、耐食性の改善効果が
著しくまた、強度増加に対しても効果があるが、0.05%
未満では効果が少なく、また、2.5%を越える添加はσ
相の析出を促進し靭延性に対して悪影響を与えるため0.
05〜2.5%に制限する。
Cuはオーステナイト生成元素であり、耐食性及び本発
明鋼の諸特性に対しても有効な作用を与えるが、0.05%
未満では効果が少なく、また多量の添加は局部的な析出
により諸特性を害するので0.05〜2.5%に限定した。
Tiは強力な炭窒化物生成元素であるとともにフエライ
ト生成元素としても作用する。Ti添加は炭化物の固定及
び鋼中偏析の抑制、組織の微細化に対して有効であり、
他の炭化物生成元素、例えばNbの単独添加等ではなし得
ない好ましい特性を有する。0.01%未満では効果は少な
く、多量のTiの添加は鋼の清浄度の点から好ましくな
く、0.5%以下に制限される。従つてTi量を0.01〜0.5%
と限定した。
SeはSと共に切削性を改善する元素として知られてお
り、本発明ステンレス鋳鋼の切削性に対しても有効な作
用を与えるが前記JIS SUS 303Se等に代表される程多量
のSeを添加すると本発明鋼の特徴である腐食疲労強度が
著しく低下する。また、添加量が0.03%未満であると切
削性の改善効果は低い。このため、0.03〜0.15%に限定
した。さらに、Seの腐食疲労強度に及ぼす影響はAlとの
共存によつても変化するので、この面からの制限も加え
た。
Alは強力な脱酸剤であり、Nとの親和力も強く結晶粒
度の改善に効果がある。また、硫化物系非金属介在物及
びセレナイドの形状分布に効果があるが多重に存在する
と非金属介在物が増加して清浄度が悪化する。特に、本
発明ステンレス鋳鋼の場合、Seによる非金属介在物が存
在するためこれとの共存によつて著しい腐食疲労強度の
低下を起す。このためAlは0.05%以下に限定する。
Nは、通常不純物として含有されている元素である。
本発明ステンレス鋳鋼では不純物程度の含有で充分であ
るが、Nが強力なオーステナイト生成元素であり延性、
靭性の向上に寄与することから積極的に添加されてもよ
い。しかしながら、0.6%を超えて含有されると鋳造欠
陥を生じ易くなるので、0.6%以下と限定した。
個々の成分組成に関する限定は前記のとおりである
が、単に個々の成分組成を限定するのみでは本発明鋳鋼
の特性を発揮することはできず、これらの成分を組み合
せた場合において、 F=Cr(%)+2.06Mo(%)+2.33Si(%)+6.1
(%) A=Ni(%)+26.6C(%)+0.53Mn(%) +0.3Cu(%)+18.5N(%) R=(2/3)F−AとしてR値が、 6.5≦R≦13.5を満たすと共に、Pse(%)=Se(%)+
2.926Al(%)として、Pse≦0.33(%)を満たすことに
より、高い腐食疲労強度等の本発明鋳鋼の特性を発揮さ
せることができ、特に、Pse≦0.33(%)を満たすこと
により、前記特性を害しない清浄度を維持することがで
きる。
〔実施例〕
第1表に本発明ステンレス鋳鋼の実施例の化学成分を
比較ステンレス鋳鋼と共に示す。比較ステンレス鋳鋼4
は先に特公昭56−36861号公報で提案したステンレス鋳
鋼であり、比較ステンレス鋳鋼2,3及び本発明ステンレ
ス鋳鋼1,1′はこれにSe及びAlが添加されたものであ
る。また、比較ステンレス鋳鋼3はJIS SUS 303Seに限
定されるSe量と同等のSeを含有するものであり、比較ス
テンレス鋳鋼2及び本発明ステンレス鋳鋼1,1′のSe量
はJIS SUS 303Seに規定されるSe量以下である。
第1図は本発明ステンレス鋳鋼及び比較ステンレス鋳
鋼の応力繰返し数N=108回における腐食疲労強度を比
較したものである。第1図における縦軸は比較ステンレ
ス鋳鋼4の腐食疲労強度を1.0とした時の強度比(以
下、腐食疲労強度比という)で示している。
ここで腐食疲労強度比=各ステンレス鋳鋼のN=108
における腐食疲労強度/比較ステンレス鋳鋼4のN=10
8における腐食疲労強度である。
なお、ここでいう腐食疲労強度は、腐食環境として抄
紙白水を模擬した硫酸アルミニウムカリウム+食塩+硫
酸を用いて調整されたpH3.5,Cl-300ppm,液温40℃の人工
白水中での疲労強度である。
第2図はこの腐食疲労強度比と本発明の制約条件の1
つであるPse(%)=Se(%)+2.926Al(%)量との関
係を示したものである。第2図から、Pse(%)が0.33
%を越えると腐食疲労強度比が0.9を下まわることが分
る。
第3図は本発明ステンレス鋳鋼1,1′と比較ステンレ
ス鋳鋼4の機械加工性を比較したものである。なお、機
械加工性は両鋼を3.8φのドリルで同一条件で同一切削
長を孔明けした時のドリル摩耗量で評価しており、比較
ステンレス鋳鋼4を孔明けした時のドリルの摩耗量を1.
0とした時の摩耗比で示している。第3図から、本発明
ステンレス鋳鋼の機械加工性が極めて秀れていることが
分る。
〔発明の効果〕
本発明ステンレス鋳鋼は前記の通り、抄紙白水のよう
な酸性水溶液環境において先に特公昭56〜36861号公報
で提案したステンレス鋳鋼と同等の腐食疲労高度を有す
るばかりでなく、機械加工性において格段に秀れてお
り、抄紙機サクシヨンロールのような高い腐食疲労強度
が要求され、かつ、機械加工々数の極めて多いものに用
いて好適な材料であり、その経済的効果が高く、産業界
への寄与度大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明ステンレス鋳鋼及び比較ステンレス鋳鋼
の応力繰返し数N=108回における腐食疲労強度を比較
した図表、第2図は腐食疲労強度比とPse(%)値の関
係を示す図表、第3図は本発明ステンレス鋳鋼と比較ス
テンレス鋳鋼の機械加工性を比較した図表である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.1%以下、Si:1.5〜3%、M
    n:2%以下、Ni:5〜11%、Cr:18〜28%、Se:0.03〜0.15
    %、Al:0.05%以下、N:0.6%以下、Ti:0.01〜0.5%及び
    Mo:0.05〜2.5%とCu:0.05〜2.5%のうちの少なくとも1
    種、残部が実質的にFeからり、さらに F=Cr(%)+2.06Mo(%)+2.33Si(%) +6.1Ti(%) A=Ni(%)+26.6C(%)+0.53Mn(%) +0.3Cu(%)+18.5N(%) R=(2/3)F−A とした場合、R値が 6.5≦R≦13.5 を満たすと共に Pse(%)=Se(%)+2.926Al(%) として Pse≦0.33(%) を満たすことを特徴とするオーステナイト・フェライト
    二相ステンレス鋳鋼。
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