JP2580223B2 - 印刷監視装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は被覆電線の表面に複数の文字又は記号により
構成された複数のパターンを連続的に印刷する印刷ロー
ルを備えた被覆電線表面印刷システム用の印刷監視装置
に関する。

［従来の技術］ 本発明者らは先に第８図に示すような被覆電線表面に
複数のパターンを連続的にエンボス印刷する印刷ロール
を備えた被覆電線表面印刷システム用のエンボス印刷監
視装置を開発した。

このエンボス印刷監視装置40は、印刷パターン特定手
段20と、画像データ処理手段30と、パターン入力手段４
とを備えてなり、画像データ処理手段30には、各々図示
のように照明手段６及び表示部７が連結装備されてい
る。16はエンボス印刷用の印刷ロールを示す。

８はサプライ,9は押出機,10は補助水槽,11は主水槽,1
2は引取りローラ,13は巻取機,15は被覆電線を各々示
す。

印刷ロール16は被覆電線15に押圧され、その表面に第
６図に示すように３つの文字パターンK₁,K₂,K₃をエンボ
ス印刷する機能をもっており、その印刷ロール２彫印面
に各文字パターンK₁,K₂,K₃を印刷するための溝P₁〜P₃が
設けられている（第５図参照）。そして、その側面には
各々パターンの先頭文字の位置を示すためのマーク51,5
2,53が第４図に示すように付加されている。

このように構成されたエンボス印刷監視装置40は次の
ように動作する。

印刷パターン特定手段20は各マーク51,52,53を各々検
出する毎に画像データ処理手段30に各パターンK₁,K₂,K₃
入力用の制御信号（A₁）を出力し、画像データ処理手段
30はこれを画像ラッチ信号（B₁）としてパターン入力手
段４に送る。これによってパターン入力手段４は印刷ロ
ール16によってエンボス印刷された各パターンK₁,K₂,K₃
を各々画像データに変換し画像データ処理手段30に送
る。画像データ処理手段30は各画像データを一時記憶
し、その記憶内容（画像データ）を表示部７に送り、表
示部７はこれら画像データを順次静止画像として表示す
る。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記従来技術におけるエンボス印刷監
視装置40は前述したように印刷パターン特定手段20によ
りマーク51,52,53を検知すると、略同時に各パターン
K₁,K₂,K₃をパターン入力手段４にて画像データに変換す
るための制御信号（A₁）（画像ラッチ信号（B₁））を出
力するようになっている。ところが実際には第８図に示
すようにそのシステム構成上、印刷ロール16とパターン
入力手段４とは離れた位置に設置されるため、印刷ロー
ル16に設けられたマーク51,52,53検知後、直ちに制御信
号（A₁）をパターン入力手段４に出力すると、検出した
マーク51,52,53に対応した文字パターンK₁,K₂,K₃を表示
部７で表示できない事態を生じ、エンボス印刷装置40の
信頼性が著しく低下するという不都合があった。

［発明の目的］ 本発明はかかる従来技術の問題点を改善し、印刷ロー
ルとパターン入力手段との設置位置が離れていても確実
に意図する文字パターンを表示することができる信頼性
の高いエンボス印刷監視装置を提供することを、目的と
する。

［問題点を解決すめるための手段］ そこで本発明では被覆電線の表面に連続的に複数の文
字又は記号パターンを印刷する印刷ロールに連結装備さ
れ印刷された各パターンを特定するとともに各パターン
を画像化するための制御信号を出力する印刷パターン特
定手段と、前記各パターンを前記制御信号に応答して画
像データとして入力するパターン入力手段と、この画像
データを前記制御信号が入力される毎に記憶しその記憶
内容を外部端末に出力し、次の制御信号が入力されると
その記憶内容を更新する画像データ処理手段とを具備し
た印刷監視装置において、前記画像データ処理手段が印
刷ロールとパターン入力手段との間の距離に起因する時
間的遅れを補正する制御信号補正回路を含むという構成
を採り、これによって前記目的を達成しようとするもの
である。

［実施例］ 以下、本発明にかかるエンボス印刷監視装置の一実施
例を第１図ないし第７図に基づいて説明する。ここで前
述した従来例と同一の構成部材には同一の付号を付すも
のとする。

第１図に示すエンボス印刷監視装置１は、印刷パター
ン特定手段２と、画像データ処理手段３と、パターン入
力手段４と、照明手段と表示部７とを各々具備してい
る。画像データ処理手段３には各々図示のように照明手
段６及び表示部７が連結装備されている。16は印刷ロー
ルを示し、これらは上述した従来例と略同様に構成され
ている。

一方、８はサプライ,9は押出機,10は補助水槽,11は主
水槽,12は引取りローラ,13は巻取機、15は被覆電線を各
々示す。

印刷パターン特定手段２は、図示のように印刷ロール
16に連結装備され、印刷ロール16の側面に設けられた各
マーク51,52,53を順次検知して、予め定められたタイミ
ングで各パターンを個別にパターン入力手段４にて画像
データとして入力するための制御信号Ａを出力する機能
をもっている。具体的にはこの印刷パターン特定手段２
は、第３図に示すように各マーク51,52,53を検出するセ
ンサ部12と、このセンサ部12からの信号を下記に示す
（１）式に基づいて演算し、この信号をＦ回検知する毎
に順次制御信号Ａを画像データ処理手段３を介してパタ
ーン入力手段４に送る機能を有する制御信号演算回路11
とにより構成されている。

Ｆ＝（Ｇ×Ｈ）＋１ ……（１）式 ここで、Ｇは印刷ロール16の側面に設けられたマーク
数,Hは印刷ロール16が何回転したら１度制御信号Ａを出
力するかを示す数字である。

例えば本実施例の場合、Ｇ＝3,H＝８を制御信号演算
回路11に入力すれば、Ｆは（１）式よりＦ＝25となり、
センサ部12よりマーク検知信号を25回入力する毎に１
回、制御信号演算回路11は制御信号Ａを画像データ処理
手段３に出力することになる。すなわち、これは、マー
ク51を９回検知したら、その９回目に１度、制御信号Ａ
を出力し、次にマーク52を９回検知したら、その９回目
に１度制御信号Ａを出力し、以下マーク53についても同
様の演算を行い、これによって被覆電線15の移動速度が
速くなっても次々にパターン入力手段４で画像化するパ
ターンが更新されることを回避している。

画像データ処理手段３は前記制御信号Ａを入力し、こ
れを所定時間遅延させてパターン入力手段４に画像ラッ
チ信号Ｂとして出力する機能をもつ制御信号補正回路31
と、パターン入力手段４から画像ラッチ信号Ｂに基づい
て送られてくるパターンK₁又はK₂又はK₃を示す画像デー
タを一時記憶し、次の画像ラッチ信号Ｂが入力されると
その内容を順次更新する機能をもつ画像データ記憶部32
と、パターン入力手段４近傍に設けられ、各パターンK₁
〜K₃の画像化をサポートする照明手段６の明るさを制御
する照明制御部33とにより構成されている。制御信号補
正回路31は具体的には印刷ロール16とパターン入力手段
４との設置間隔に基づく各パターンK₁〜K₃の画像化のタ
イミングのズレを補正する機能をもっている。例えば、
印刷ロール16が８回転し、印刷パターン特定手段２より
パターンK₁を特定する制御信号Ａが出力された場合、実
際にそのパターンK₂がパターン入力手段４のカメラの視
野に入るのは、t₁（秒）後であるため、その間、制御信
号Ａの出力を遅らせ、パターン入力手段４で画像化でき
るタイミングで制御信号，すなわち画像ラッチ信号Ｂを
パターン入力手段４に送るように調整する。これによ
り、各パターンK₁〜K₃を適確に画像化できるようにな
る。

パターン入力手段４は各パターンK₁,K₂,K₃を各々画像
ラッチ信号Ｂに基づいて、瞬時に画像データとして入力
する機能をもっている。

次に本実施例の具体的な動作を第４図ないし第７図に
基づいて説明する。

まず初めに被覆電線15が第５図Ｙ方向に線速Ｔ［m/
s］で移動し、印刷パターン特定手段２は、印刷ロール1
6のマーク51〜53を９回検出する毎に制御信号Ａを出力
するものとする。

印刷ロール16が第４図Ｘ方向に回転し、文字パターン
K₁,K₂,K₃を順次被覆電線15の表面にエンボス印刷する。
この場合、前述したようにセンサ部12はマーク51を検知
する毎に、その検出信号を制御信号演算回路11に送る。
続いて、制御信号演算回路11は検知信号を９回カウント
したら制御信号Ａを制御信号補正回路31に送る。制御信
号補正回路は、この制御信号Ａ入力後これを例えばt
₁［秒］遅延させて、画像ラッチ信号Ｂをパターン入力
手段４に送る。これによって、パターン入力手段４は第
６図に示すように図中a₁点を中心に文字パターンK₁を画
像データとして入力する。S₁はパターン入力手段４の視
野を示す。そして、画像データ記憶部32、文字パターン
K₁を一時記憶し、その記憶内容を表示部７に送る。第７
図（ａ）はこの場合の表示内容を示す。

続いて、センサ部12は文字パターンK₁に対応する制御
信号Ａを出力後、今度は文字パターンK₂に対するマーク
52を検知し、その検知信号を制御信号演算回路11に送
る。制御信号演算回路11及び制御信号補正回路31は前述
した動作を繰返し、画像ラッチ信号Ｂをパターン入力手
段４に送る。そして、パターン入力手段４は文字パター
ンK₂,K₃を画像ラッチ信号Ｂ入力毎に画像化して、画像
データ記憶部32に送る。画像データ記憶部32は文字パタ
ーンK₂,K₃を順次記憶し、表示部７に送る。表示部７は
これに基づいて、文字パターンK₂,K₃を第７図（ｂ），
（ｃ）のように表示する。この表示部７の表示は前述し
たように各マーク51,52,53を各々印刷ロール16が８回転
したら１回、その表示内容が第７図ａ→ｂ→ｃと変化す
るので、被覆電線15の移動速度が速くなっても、制御信
号演算回路11の設定をそれに応じて調整すれば、表示部
７の表示内容の変化を十分目視可能な時間間隔に設定で
きる。本実施例では２〜３秒間隔で変化するように設定
している。

本実施例では以上のように構成されているので、被覆
電線15にエンボス印刷された文字やパターンK₁,K₂,K₃の
目視による監視が容易にできるようになり、印刷作業中
であっても印刷不良を発見すれば、印刷ロール５の押圧
を調整する等の一次的な印刷不良回避作業が実行できる
ので、実用的である。

なお、エンボス印刷の場合、印刷ロール５の彫印溝が
目づまりすることにより印刷不良となることが多いので
必ずしも被覆電線15へ印刷される全文字パターンK₁,K₂,
K₃の全てをその都度監視しなくても十分その目的は達成
できる。また、本実施例はエンボス印刷について述べた
が、これは通常のインクによる印刷装置に適用してもよ
い。

［発明の効果］ 本発明は以上のように構成されているので、これによ
ると、制御信号補正回路の働きにより印刷ロールとパタ
ーン入力手段との設置位置が離れていても、確実に意図
する文字パターンを表示できる信頼性の高い印刷監視装
置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の全体を示すシステム構成説
明図、第２図は第１図の一部を構成する画像データ処理
手段の詳細を示すブロック構成説明図、第３図は第１図
の一部を構成する印刷パターン特定手段の詳細を示すブ
ロック構成説明図、第４図は第１図の一部を構成する印
刷ロールの拡大説明図、第５図は印刷ロールの動作説明
図、第６図はパターン入力手段の動作説明図、第７図は
表示部の動作説明図、第８図は従来技術を示すシステム
構成説明図である。 １……エンボス印刷監視装置 ２……印刷パターン特定手段 ３……画像データ処理手段 ４……パターン入力手段 ７……表示部 12……センサ部 11……制御信号演算部 15……被覆電線 16……印刷ロール 31……制御信号補正回路 51〜53……マーク K₁,K₂,K₃……文字パターン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 一郎 神奈川県川崎市川崎区小田栄２丁目１番 １号 昭和電線電纜株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−289682（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−135252（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−111057（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−44653（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−151844（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被覆電線の表面に連続的に複数の文字又は
   記号パターンを印刷する印刷ロールに連結装備され印刷
   された各パターンを特定するとともに各パターンを画像
   化するための制御信号を出力する印刷パターン特定手段
   と、前記各パターンを前記制御信号に応答して画像デー
   タとして入力するパターン入力手段と、この画像データ
   を前記制御信号が入力される毎に記憶しその記憶内容を
   外部端末に出力し、次の制御信号が入力されるとその記
   憶内容を更新する画像データ処理手段とを具備した印刷
   監視装置において、前記画像データ処理手段が印刷ロー
   ルとパターン入力手段との間の距離に起因する時間的遅
   れを補正する制御信号補正回路を含むことを特徴とする
   印刷監視装置。