JP2580070Y2 - 転造盤 - Google Patents

転造盤

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JP2580070Y2
JP2580070Y2 JP1993006678U JP667893U JP2580070Y2 JP 2580070 Y2 JP2580070 Y2 JP 2580070Y2 JP 1993006678 U JP1993006678 U JP 1993006678U JP 667893 U JP667893 U JP 667893U JP 2580070 Y2 JP2580070 Y2 JP 2580070Y2
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司朗 服部
信之 加藤
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朝明精工株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、竪型又は横型の形態
で、平形状の2個の刃具がワークを挟んで相反方向に加
圧移動することで、ワークを転動させ、この外周に刃具
の刃形を圧印するようにした転造盤に関する。ワークに
スプラインやおねじ等を形成する装置として利用され
る。
【0002】
【従来の技術】ガイドバー上を摺動する一対のテーブル
へホルダーを介して相対向するように取着した刃具を相
反方向に移動させ、この間に挿入したワークを転がし、
刃具の形を写し出す転造盤においては、一対の刃具を取
付けている2つのテーブルについてその送り速度、セン
ターピンの軸心との相互位置関係について同期をとる必
要がある。
【0003】この同期をとる方法は、従来、以下のよう
な構成によった。ひとつは、実公平3−18023号公
報,特開平2−187227号公報等に記載のごとく、
同期をとって相反方向に等速度に駆動制御した夫々2台
のサーボモータで一対のボールねじを回転させ、これら
のナットに固定した一対の刃具を等速でボールねじに沿
って移動させる構造である(従来技術1)。他に、特開
昭63−235036号公報で示すように、回転速度フ
ィードバック制御による電気式サーボモータを採用し、
ラックとピニオンとの連係構造によってテーブル位置の
同期制御を行う方法がある(従来技術2)。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、従来のいずれ
の構造も欠点があった。従来技術1は、サーボモータの
駆動でボールねじのナットがテーブルを移動させる推力
の役割を担うことになるが、この推力に係る反力がナッ
トを介してボールねじを伸縮させ、テーブルの送り速度
やテーブルとセンターピンの軸心との相互位置関係に狂
いを生じさせた。
【0005】一方、従来技術2も位置フィードバック制
御をせず、回転速度フィードバック制御のみ行い、ラッ
クとピニオンとに同期作動調整機能を依存しているた
め、加工精度に限界があった。刃具を取付けた2つのテ
ーブルの相互位置関係が制御されず、刃具の位置にズレ
が生じても修正がきかなかった。特に、同期をピニオン
とラックにのみ依存するため、時間経過と共にバックラ
ッシュが大きくなったり、両者刃具の推力にアンバラン
スが生じたりした場合に悪影響を及ぼした。
【0006】本考案は上記問題点を克服するもので、ラ
ックとピニオンとからなる噛合機構と、ボールねじによ
るテーブルの移動機構と、NC装置とを備えるようにし
て、刃具を取付けている双方のテーブルが、その送り速
度と、センターピンの軸心との相互位置関係につき完全
な同期をとって、高精度で優れた転造製品を造る転造盤
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案の転造盤は、フレ
ームに設けた一対のガイドバー上を摺動する一対のテー
ブルへホルダーを設け、該ホルダーに取着した一対の平
形状の刃具が相反方向に移動し、両刃具の間に挿入した
ワークを転動させ、該刃具の刃形を圧印する転造盤にあ
って、一対の上記テーブルに固着したラック(1a)
と、該ラックと噛み合い、ワークを回動自在に保持する
センターピンの基部に支持されるピニオン(1b)とか
らなる噛合機構(1)と、上記ガイドバーと平行にした
一対のボールねじのボルトをフレームへ回転自在に軸着
し、且つ該ボールねじのナットをサポータを介して夫々
のテーブルへ係着させたテーブルの移動機構(2)とを
具備すると共に、上記フレームに固着し、伝達機構を介
して上記各ボールねじを回転駆動させる一対のサーボモ
ータ(3)と、該サーボモータに取付けたエンコーダで
位置と速度とを検出し、これをフィードバックして、位
置制御と速度制御を行うNC装置(4)とを配設し、テ
ーブル移動時における双方のテーブルが、その送り速度
(A)と、センターピンの軸心との相互位置関係(B)
について同期をとるように構成したことを特徴とする。
【0008】
【作用】始動位置と、ワーク表面を加圧,転動した後、
停止する目標位置とを設定し、テーブルの送り速度をN
C装置に入力すると、この指令に基づいてサーボ制御ユ
ニットを通じてサーボモータが刻々と作動する。動いた
距離と速度は夫々フィードバックされ、指令された値と
の差が0になるよう制御されるので、加工精度を高く維
持する。そして、テーブルを移動させる推力に係る反力
がナットに作用し、ボールねじを弾性変形させ伸縮させ
ようとすると、テーブルに固着したラックとピニオンと
の噛合機構が弾性変形補償装置の役割を果たし、ナット
に加わる反力を弱め、これを抑制するようになる。一
方、ラックとピニオン間に発生するバックラッシュ等が
大きくなろうとすると、テーブルにナットを固着する移
動機構たるボールねじがこれを阻止する。こうして、噛
合機構と移動機構とが互いに補完しあい、しかも、速度
に加え位置も正確に検出してフィードバック制御が行わ
れると、2つのテーブルは完全に同期するようになる。
従って、機械の動きや時間の経過によって、機械の特性
が変化することもなく、安定して高い精度の転造加工を
達成する。
【0009】
【実施例】以下、本考案を実施例に基づいて詳述する。 (1)転造盤の構成 図1〜図3は、本考案に係る転造盤の一実施例を示す。
油圧シリンダで駆動する転造盤を改造したものである。
枠体を形成するフレーム5と、このフレーム5へ水平且
つ平行に設けた一対のガイドバー6,6と、夫々のガイ
ドバー6,6上を摺動する一対のテーブル7,7は,改
造される転造盤のものをそのまま使用している。
【0010】各テーブル7,7の一端にサポータ8,8
が形成され、このサポータ8にボールねじ9のナット9
aを固着する。ボールねじ9のボルト9bは、ガイドバ
ー6と平行にして、フレーム5の両サイドに設けた軸受
10,10で回転自在に支持され、このボルト9bを回
転することによってボールねじ9がテーブル7を動かす
移動機構2を構成する。
【0011】一対のテーブル7,7の対向面で、前方寄
りには、ホルダー11,11が対向するように設けら
る。符合12,12は、各ホルダー11,11の対向面
に取着された平形状の刃具を示す(図2)。これらの刃
具12,12が、心押台のセンターピン13,13で回
転自在に保持されたワーク14を挟み、相反方向に往復
動することで、ワーク14を転動させ、所望のスプライ
ン(又は、おねじ)を造るようになっている。図1に示
すごとく、刃具12,12は、平行にして、センターピ
ン13,13を通る軸心に対し軸対称(図1の平面図で
は点対称である。)となるよう相反する位置に配され
る。そして、夫々の刃具12,12の基準部12aを軸
心から等距離にしてテーブル7が配置される。一対のテ
ーブル7,7も、センターピン13,13を通る軸心に
対し、軸対称となるよう配置される。テーブル7,7が
反対方向へ移動し、転造する場合に荷重バランスがよい
からである。
【0012】符号1a,1aは、各テーブル7,7の後
面寄りに固着したラックを示す(図2)。ラック1a,
1aの対向面には刃形を形成し、ピニオン1bがこれら
のラック1aに挟まれるようにして噛み合う構成をと
る。このピニオン1bは、センターピン13の基部17
に支持される。かくのごとく、ラック1aとピニオン1
bとで噛合機構1を形成する。ボールねじ9にのみ依存
した場合、ワーク14に刃具12の刃形を圧印する推力
に係る反力がボルト9bに弾性変形を生ぜしめるが、こ
れを小さくするためである。
【0013】符号18,18は、軸受10で支持された
ボールねじ9,9のボルト9b,9bの片端に固着する
歯付きプーリを示す。そして、歯付きプーリ18側のフ
レーム5側面にブラケット19,19を設け、このブラ
ケット19,19に一対のサーボモータ3,3が取付け
られる。歯付きプーリ20は、サーボモータ3の軸にも
固着され、両歯付きプーリ18,20間に歯付ベルト2
1を掛けることで、伝達機構を形成する。斯る伝達機構
を介して、ボールねじ9へサーボモータ3の回転を正確
に伝達する。本実施例では、セミクローズドループ方式
を採用し、位置の検出をサーボモータ3の軸の回転角で
行う。ボールねじ9の精度エラー等があると、テーブル
7の実際の移動量はボールねじ9の回転角度に比例しな
い。そこで、噛合機構1がボールねじ9の静剛性を高め
る働きをする。また、噛合機構1によるピニオン,ラッ
ク間のバックラッシュ,ピニオン1bの楕円変形による
誤差量が大きくなろうとすると、移動機構2がこれを抑
制する。尚、サーボモータ3は、刃具12がワーク14
を転造成形するに必要な推力以上の推力を与える十分な
トルクを有する。
【0014】サーボモータ3は、ACサーボモータを用
い、この後部に位置検出器22と速度検出器23の機能
をもつエンコーダ25を取付けている。サーボモータ3
の軸の回転角を検出するものと、回転速度を検出するも
のである。各テーブル7,7の時々刻々と変化する送り
速度と位置をこの位置検出器22と速度検出器23によ
って正確に検出し、検出した電気的信号を夫々のサーボ
モータと接続するNC装置4にフィードバックする。一
対のテーブル7,7間で送り速度のバラツキとテーブル
7の相互の位置ズレをキャッチするためである。そし
て、NC装置4内部で比較処理された電気的信号は、サ
ーボモータ3を制御し、一対のテーブル7,7が、その
送り速度Aと、テーブル7とセンターピン13の軸心と
の相互位置関係Bについて同期をとる構成になってい
る。図3は、2つのテーブル7,7が、その送り速度A
と、テーブル7(具体的には基準部12aの位置にな
る。)とセンターピン13の軸心との相互位置関係Bに
ついて、いかに同期がとられているかそのNC制御シス
テムを表した図である。
【0015】(2)転造盤の操作と作用 次に、転造盤の操作と作用について説明する。まず、刃
具12の始動位置と、ワーク14を転造した後、停止す
る目標位置とをNC装置4に入力する。ここで、一対の
刃具12,12の移動距離を等しくなるよう設定する。
次に、相反方向へ動くテーブル7,7の送り速度を入力
する。
【0016】その後、ワーク14をセンターピン13,
13で回転自在に保持させ、NC装置4の始動スイッチ
を入れる。すると、2台のサーボモータ3,3が始動
し、一対のテーブル7,7が相反する方向へ互いの位置
関係と速度について同期をとりながら、ガイドバー6,
6に沿って移動する。こうして、刃具12,12がワー
ク14の外周部に達する。刃具12,12がワーク14
に達すると、刃具12は、その成形加工面をワーク14
表面に圧印しながら相反方向へ移動することで、ワーク
14を軸心を中心に転動させ、ワーク14表面にスプラ
イン(又は、おねじ)を転造形成する。
【0017】この転造過程で、一対の刃具12,12が
ワーク14に接圧する位置は、ワーク14に対し相反す
る場所にある。刃具12が移動することにより、ワーク
14は軸心を中心に転動し、ワーク14の一方の刃具1
2で成形された形状が他方の刃具12の成形加工面まで
送られるため、ワーク14の成形部と刃具12の刃形が
一致しないと高精度の転造成形品は得られない。
【0018】ところで、転造成形時には、テーブル7を
移動させる推力の反力がナット9aを介してボールねじ
9のボルト9bを伸縮させようとする。しかし、テーブ
ル7に固着したラック1aとピニオン1bとによる噛合
機構1が、別個に同期調整しているため、上記伸縮を阻
む。一方、ピニオン1bとラック1aの構成から派生す
るバックラッシュ等の誤差を大きくしようとすると、ボ
ールねじ9の移動機構2に係るボルト9bとナット9a
との嵌合状態がブレーキをかけ、これを抑止する。こう
して、NC制御システムの中で、エンコーダ25によっ
て速度と位置を正確に検出し、フィードバック制御をか
けるばかりでなく、メカニズムな面から噛合機構1と移
動機構2が相互に補完しあうので、双方のテーブル7,
7は、位置と送り速度について完全な同期をとるように
なる。従って、一方の刃具12で成形されたワーク14
の刃形は、ワーク14が転動すれば、他方の刃具12の
刃形に完全一致する。
【0019】その後、一対の刃具12,12がワーク1
4を通過し目標位置に到達すると、サーボモータ3は停
止して、テーブル7も止まる。最後に、ワーク14をセ
ンターピン13から外す。そして、サーボモータ3を逆
転駆動させることで、テーブル7が始動位置に復帰す
る。尚、上記一連の操作は自動化されている。
【0020】(4)実施例の効果 以上の態様からなる転造盤によれば、エンコーダ25で
位置と速度を検出してフィードバック制御を行っている
ので、回転速度フィードバック制御のみを行っている従
来のものに比べ、互いのテーブル7,7について、確度
の高い同期をとることができた。また、機械的にも移動
機構2のナット9a及び噛合機構1のラック1aが共に
テーブル7に固着されるので、一の機構が誤差を大きく
しようとすると、他の機構がこれを抑制する働きをな
し、2つのテーブル7,7について、位置と速度のの両
面でアンバランス化が進むのを是正した。この結果、ボ
ールねじ9単独による同期伝達構造よりも、また、ラッ
ク1aとピニオン1bだけの連係により同期制御を行う
構造よりも精度が一様で、対称性がよく、繰り返し精度
も高かった。そして、加工品に均一性があるために、斯
る転造品を用いた組立てが容易になった。更に、油圧シ
リンダで駆動する転造盤を改造したことで、古い装置の
更正復元を図るのみならず、油タンクが不要となり、作
業改善が図れた。そして、設計変更等も容易に対処で
き、機能を向上させることもできた。
【0021】尚、本考案においては、前記実施例に示す
ものに限られず、目的、用途に応じて本考案の範囲内で
種々変更できる。例えば、サーボモータ3とボールねじ
9との伝達機構は、実施例に限定せず、カップリングに
よる直結であってもよい。また、サーボモータは、交流
サーボモータに代え直流サーボモータを使用することが
できる。
【0022】
【考案の効果】以上のように本考案の転造盤は、刃具を
取付けている一対のテーブルが、制御システム系と機械
系の両面から、その送り速度,センターピンの軸心との
相互位置関係について、完全同期をとるよう構成したの
で、転造加工品の精度向上に優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた転造盤の正面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】実施例に係る転造盤で、一対のテーブルを同期
させる制御系を表わすブロック図である。
【符号の説明】
1 噛合機構 1a ラック 1b ピニオン 2 移動機構 3 サーボモータ 4 NC装置 5 フレーム 6 ガイドバー 7 テーブル 8 サポータ 9 ボールねじ 9a ナット 9b ボルト 11 ホルダー 12 刃具 13 センターピン 14 ワーク 15 ラック 16 ピニオン 17 基部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームに設けた一対のガイドバー上を
    摺動する一対のテーブルへホルダーを設け、該ホルダー
    に取着した一対の平形状の刃具が相反方向に移動し、両
    刃具の間に挿入したワークを転動させ、該刃具の刃形を
    圧印する転造盤にあって、 一対の上記テーブルに固着したラック(1a)と、該ラ
    ックと噛み合い、ワークを回動自在に保持するセンター
    ピンの基部に支持されるピニオン(1b)とからなる噛
    合機構(1)と、上記ガイドバーと平行にした一対のボ
    ールねじのボルトをフレームへ回転自在に軸着し、且つ
    該ボールねじのナットをサポータを介して夫々のテーブ
    ルへ係着させたテーブルの移動機構(2)とを具備する
    と共に、上記フレームに固着し、伝達機構を介して上記
    各ボールねじを回転駆動させる一対のサーボモータ
    (3)と、該サーボモータに取付けたエンコーダで位置
    と速度とを検出し、これをフィードバックして、位置制
    御と速度制御を行うNC装置(4)とを配設し、テーブ
    ル移動時における双方のテーブルが、その送り速度
    (A)と、センターピンの軸心との相互位置関係(B)
    について同期をとるように構成したことを特徴とする転
    造盤。
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JP5228707B2 (ja) * 2008-08-29 2013-07-03 株式会社不二越 平ダイス転造盤
JP5206275B2 (ja) * 2008-09-26 2013-06-12 株式会社不二越 平ダイス転造盤
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JPH02224838A (ja) * 1989-02-27 1990-09-06 Toyota Motor Corp 電気駆動式転造装置

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