JP2579238Y2 - 測量機の求心移動装置 - Google Patents

測量機の求心移動装置

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JP2579238Y2
JP2579238Y2 JP1992026100U JP2610092U JP2579238Y2 JP 2579238 Y2 JP2579238 Y2 JP 2579238Y2 JP 1992026100 U JP1992026100 U JP 1992026100U JP 2610092 U JP2610092 U JP 2610092U JP 2579238 Y2 JP2579238 Y2 JP 2579238Y2
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英郎 山田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は求心移動装置に係り、特
にトランシットやセオドライト或は光波距離計を併せも
つトータルステーションなどの測量機の求心移動装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】トランシットやセオドライト或は光波距
離計を併せもつトータルステーション等の測量機には求
心望遠鏡が設けられ、この求心望遠鏡を用いて所定の測
点を視準して、測量機を三脚の脚頭面で滑らせて測点鉛
直線上に、測量機を設置する作業を行なっている。この
求心作業は、求心移動と共に整準を交互に繰り返して行
なっており、作業が煩雑であった。そしてこのような求
心作業を行なうと、求心移動時に測量機本体を三脚に対
して、回転運動を加えながら移動してしまい、脚頭面を
鉛直軸に対し水平に立てることができず測量機の整準が
崩れてしまうため、再度整準作業を行なわなければなら
ないという問題があった。
【0003】この問題点を解決するためには、回転動作
を加えずに平行移動させる求心移動技術が必要である。
この技術として実開昭49−128259号公報で提案
された技術がある。この提案技術は、三脚上に、整準台
一体型測量機本体を組付け、三脚に固定した測量機側の
底板上に、この底板に対して一方向への直線往復移動の
み可能に案内板を設け、また案内板上に、この案内板に
対して前記案内板の直線往復移動方向に直行する方向に
のみ直線往復移動可能に整準台を設けた構成にして、整
準台を底板に対して回転することなく自在方向に求心移
動させる技術である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記提案技術は、測量
機の整準台の下側に案内板と底板を設けて直交移動する
ように、長孔と、この長孔に対しピンが係合移動する構
造であるため、ピンが長孔に沿って移動する場合は比較
的円滑に移動できるが、長孔に対し傾斜した方向に移動
する場合には、ピンと長孔との摩擦が大きく円滑に移動
させにくいという問題があった。また案内板を用いて長
孔を形成し、この長孔にガタがなく嵌合して円滑に移動
させるため、部品加工の精度が要求され、高価となると
いう問題があった。
【0005】また一般に、求心移動装置が組み込まれて
いる測量機は整準台と測量機本体が着脱できず、三脚上
に整準台を残して、ターゲット(プリズム)と測量機を
交互に置き換えて作業を進めていくトラバース測量等に
は不向きであるという問題があった。
【0006】本考案の目的は、部品加工の精度を要求さ
れず簡単な構成により、回転動作を与えずに、三脚脚頭
面の任意の位置に測量機を円滑に移動でき、且つ整準台
と測量機との着脱が可能な測量機の求心移動装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案に係る測量機の求
心移動装置は、定心桿を備えた三脚の脚頭に載置される
測量機の整準台であって、前記整準台を構成する下盤の
脚頭側面に一端が固定され、他端が前記脚頭側と連結さ
れた平行リンク機構を備え、前記下盤に設けられた取付
けねじに前記定心桿を螺着して前記平行リンクの移動を
固定した構成とするものである。
【0008】この平行リンク機構をより詳しく述べる
と、下盤に枢着されて水平揺動可能な一対の第1の杆体
と、連結板に枢着されて水平揺動可能な一対の第2の杆
体とが、共通杆体である第3の杆体に枢着されて第1の
杆体同志および第2の杆体同志をそれぞれ平行として構
成すると好適である。
【0009】
【作用】上記のように、整準台を構成する下盤の脚頭側
面に一端が固定され、他端が脚頭側と連結された平行リ
ンク機構を備え、下盤に設けられた取付けねじに定心桿
を螺着して平行リンクの移動を固定した構成としたの
で、三脚上で整準台を回転させずに移動して、定心桿と
整準台とを連結固定することができる。また三脚脚頭と
整準台の下盤に平行リンク機構を形成したので、測量機
本体と整準台とを着脱可能に構成することができる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本考案を
限定するものでなく、本考案の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。図1は本考案の一実施例
を示すものであり、図1において、符号10は測量機本
体、符号20は整準台、符号30は求心移動装置、符号
40は三脚を示すものである。上記測量機本体10の中
心位置には、竪軸11が設けられており、符号12は望
遠鏡,符号13は求心望遠鏡,符号49は測点48を視
準する求心望遠鏡13の視準軸であり、図1では光学系
を省略してある。
【0011】本例の三脚40の脚頭41には、三本の脚
部42,42,42が軸43を中心に回動自在に形成さ
れ、脚頭41の上面は摺接面41aとなっている。また
中央に定心桿45自体の移動を許容する孔44が形成さ
れている。この孔44には、定心桿45を支持する支持
部材46が脚頭41の裏面で、ネジ等の固着具47によ
って連結されている。支持部材46には定心桿45の所
定移動を許容すると共に規制する規制穴46aが形成さ
れている。
【0012】本例の定心桿45は周知の構成からなるの
ものであり、本例では把持部45aと、この把持部45
aから所定間隙をおいて形成された取付けねじ部45b
とから構成されており、取付けねじ部45bの基部には
係止突起45cが形成され、この係止突起45cと把持
部45aとの間に前記支持部材46を位置させて、定心
桿45を保持して脱落を防止している。また脚頭41の
上面側の所定位置には、図4で示すように、固着ねじ孔
47a,47aが2つ形成されている。
【0013】本例の整準台20は、下盤21,整準ねじ
22,上盤23(平行板),図示しない微動ねじ及び気
泡管等から構成されている。整準台20を構成する下盤
21には、中央部に三脚取付け雌ねじ21aが形成さ
れ、この三脚取付け雌ねじ21aの外周所定位置で脚頭
41側には後述する平行リンク機構31の配設空間21
bが形成されている。この配設空間21bにおける三脚
取付け雌ねじ21aの外周近傍位置には、平行リンク機
構31の一端側を枢支する枢着部21cが形成されてい
る。そして上記三脚取付け雌ねじ21aと、三脚の定心
桿45に形成された取付けねじ部45bとを螺着して、
整準台20を三脚40の脚頭41に取付けている。
【0014】また本例では、下盤21と上盤23が3個
の整準ねじ22によって係合され、整準ねじ22の軸の
先端部22aは、逆円錐形に形成され、この逆円錐形の
先端部22aの基部に、張出し部22bを形成し、水平
バネ22cと係合している。そして整準ねじ22を回動
させて、上盤23を水平にし、測量機本体10を鉛直に
据え付ける。
【0015】本例の測量機の求心移動装置30は、平行
リンク機構31と、取付けねじ32(32a,32b)
と、つまみ付ねじ33(33a,33b)とを構成要素
とするもので、取付けねじ32a,32bは平行リンク
機構31の一端側を整準台20の下盤21に連結し、つ
まみ付ねじ33は平行リンク機構31の他端側を三脚4
0の脚頭41に着脱可能に連結するものである。そして
本例における下盤21は、平行リンク機構31を構成す
る第1の杆体31a,31bを枢着するものである。
【0016】本例の平行リンク機構31は、図2で示す
ように、一対の第1の杆体31a,31bと、一対の第
2の杆体31c,31dと、第3の杆体31eとから構
成され、第1の杆体31a,31bは、取付けねじ32
a,32bにより下盤21に水平揺動可能に枢着され、
また第2の杆体31c,31dは、つまみ付ねじ33
a,33bにより脚頭41の固着ねじ孔47aと水平揺
動可能に枢着される。また第1の杆体31a,31bと
第2の杆体31c,31dは、共通杆体としての第3の
杆体31eに連結ピン34a,34bによって枢着され
て、第1の杆体31a,31b同志,及び第2の杆体3
1c,31d同志を、それぞれ平行として構成してい
る。本例の第1の杆体31aと31bの間隔と、第2の
杆体31cと31dの間隔は、同じ間隔Xとしている。
【0017】次に、上記実施例に係る求心移動装置の動
作について、図2で示す状態から図3で示す状態に整準
台20を移動する場合について説明する。先ず予め整準
台20に測量機本体10を取付けておき、三脚40に整
準台20を取付けるが、脚頭41の上に整準台20を載
置して、固着ねじ孔47aにつまみ付ねじ33a,33
bを螺合して固定させる。このとき定心桿45の取付け
ねじ部45bと三脚40の三脚取付け雌ねじ21aとを
定心桿45の移動が可能な状態にして螺合させる(いわ
ゆる生締め状態)。次に、測量機本体10の整準を行な
う。整準は、整準ねじ22を回して、従来周知と同様に
行なう。このようにして、測量機本体10は整準台20
と共に整準される。
【0018】次に、求心望遠鏡13を見ながら測量機本
体10を手で動かす。このとき定心桿45が移動可能な
状態となっており、整準台20は、平行リンク機構31
により、定心桿45と共に脚頭41の摺接面41a上を
平行移動することができる。そして測量機本体10の視
準軸49が、測点48の鉛直軸と一致したときに、定心
桿45の把持部45aを回動する。把手部45aを回動
すると、取付けねじ部45bと三脚取付け雌ねじ21a
とが螺合して、整準台20と支持部材46を定心桿45
で固定することができる。なお、定心桿45の把持部4
5aを回動して、取付けねじ部45bと三脚取付け雌ね
じ21aとの螺合を緩めることにより、整準台20は自
由になり、平行リンク機構31の原理により回転をする
ことなく水平面内を摺動することができる。
【0019】上記構成により、一度整準された整準台2
0は、整準が崩れることなく脚頭41上を水平移動する
ことができるので、トラバース測量等の場合のような測
量機とターゲット等とを交互に入れ替えて、再度求心作
業が必要となったときに、整準台(及び整準台に取付け
られた測量機)の整準を崩さずに求心作業を行なうこと
ができる。
【0020】図5は平行リンク機構の他の実施例を示す
ものであり、他の構成は上記実施例と同様である。この
他にも鉛直軸を平行移動できる構成であれば、各種の機
構を適用できることは勿論である。
【0021】なお、上記各実施例における各杆体は作動
時に、たわむことの無い適切な強度の材質から構成さ
れ、これらに対し取付けねじ、つまみ付ねじ、連結ピン
は適切なはめ合いがなされてガタが無く作動するもので
ある。
【0022】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、平行リン
ク機構を用いているので、測量機の整準台を回転させず
に三脚脚頭に対する円滑な移動が可能であり、測量機の
中心軸を鉛直に調整した後に、求心移動を行なっても測
量機の中心軸は鉛直に保たれて整準が崩れることがな
い。
【0023】また本考案では、測量機の整準台の回転を
防止するための構成部品には、加工精度が要求されず、
そして測量機の構成を殆ど変更せずに、測量機の整準の
崩れを防止をすることができる。このように三脚上で整
準台自体を平行移動することで、求心を容易に行なうこ
とができると共に、整準台と測量機とを着脱可能に構成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る一実施例を示す測量機の要部断面
図である。
【図2】図1のA−A線矢視図である。
【図3】求心移動をした状態を示す図2と同様なA−A
線矢視図である。
【図4】図1のB−B線矢視図である。
【図5】他の実施例を示す図2と同様なA−A線矢視図
である。
【符号の説明】
10 測量機本体 20 整準台 21 下盤 21a 三脚取付け雌ねじ(取付けねじ) 21b 配設空間 22 整準ねじ 23 上盤 30 求心移動装置 31 平行リンク機構 31a,31b 平行リンク機構(第1の杆体) 31c,31d 平行リンク機構(第2の杆体) 32,32a,32b 取付けねじ 33,33a,33b つまみ付ねじ 40 三脚 41 脚頭 41a 摺接面 42 脚部 44 孔 45 定心桿 46 支持部材 47a 固着ねじ孔 48 測点 49 視準軸

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定心桿を備えた三脚の脚頭に載置される
    測量機の整準台であって、前記整準台を構成する下盤の
    脚頭側面に一端が固定され、他端が前記脚頭側と連結さ
    れた平行リンク機構を備え、前記下盤に設けられた取付
    けねじに前記定心桿を螺着して前記平行リンクの移動を
    固定してなることを特徴とする測量機の求心移動装置。
  2. 【請求項2】 前記平行リンク機構は前記下盤に枢着さ
    れて水平揺動可能な一対の第1の杆体と、前記脚頭側に
    枢着されて水平揺動可能な一対の第2の杆体とが、共通
    杆体である第3の杆体に枢着されて第1の杆体同志およ
    び第2の杆体同志をそれぞれ平行としてなる請求項1記
    載の測量機の求心移動装置。
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