JP2579238B2 - 弗化水素と1,1,1―トリクロロエタンを液相で連続反応させ、1,1―ジクロロ―1フルオロエタン及び1―クロロ―1,1―ジフルオロエタンの混合物を提供する為の製造方法 - Google Patents

弗化水素と1,1,1―トリクロロエタンを液相で連続反応させ、1,1―ジクロロ―1フルオロエタン及び1―クロロ―1,1―ジフルオロエタンの混合物を提供する為の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、一般に1,1−ジクロロ−1−フルオロエタ
ン及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの生産、特
に1,1,1−トリクロロエタンを弗化水素で弗素化する事
により1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン及び1−ク
ロロ−1,1−ジフルオロエタンを製造する為の製造方法
に関する。
[従来の技術] 1,1,1−トリクロロエタンの液相弗化水素処理により
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン及び1−クロロ−
1,1−ジフルオロエタンを製造できる。反応排出液は、
主にこれらのヒドロクロロフルオロカーボン及び1,1,1
−トリクロロエタンを完全に反応させる為に必要とされ
る化学量論量より過剰の弗化水素を含む。様々な触媒が
反応を触媒化する為に提案されるが、系には十分な反応
性があるので触媒を必要としない。
米国特許第3,833,676号には、1,1,1−トリクロロメタ
ンを弗化水素で弗素化する為の無触媒のバッチプロセス
が記載されている。弗化水素/1,1,1−トリクロロエタン
の比が高いことが1,1,1−トリクロロエタンの転化を最
大にする為に推奨される。
[発明が解決しようとする課題] 米国特許第3,833,676号の製造方法は、いくつかの欠
点を有する。生産性は、該特許で開示された生産方法が
回分式であることにより制限される。かなり過剰な弗化
水素が反応生成物に残る。米国特許第3,833,676号は、
1,1,1−トリクロロエタンに対する弗化水素のモリ比が
約4〜30の範囲内を好適とするが、反応速度が遅く、こ
の様な低率では1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの
高選択性が不可能である事を示している。反応が米国特
許第3,833,676号に記載されている回分式の方法におい
て操作された時、HF/1,1,1−トリクロロエタンのモル比
が低い場合におそらく相分離が起こる。
本発明はこうした回分式の方法の欠点を解決する効率
の良い連続方法を提供する事を目的とする。
様々な特許に、反応体を反応性液相に投入し、生成物
をガスとして取り出す工程が記載されている。米国特許
第2,450,414号及び同第2,058,453号参照。しかしながら
従来は、これらの系は、1,1−ジクロロ−1−フルオロ
エタン、或いは1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンと
1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの混合物を製造す
る為の1,1,1−トリクロロエタンと弗化水素との反応に
用いられなかった。
[発明を解決する為の手段] 1,1,1−トリクロロエタンから1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタン及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン
の混合物を製造する為の連続的無触媒工程が提供され
る。選択されたモル供給比の弗化水素及び1,1,1−トリ
クロロエタンは、反応区域中で液相の弗化水素処理され
る反応混合物を形成する為に連続的に反応域に供給され
る。気相の反応生成物は連続的に反応域から取り出さ
れ、弗化水素は連続的に気相の反応生成物から弗化水素
処理反応混合物へ循環される、1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタン及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン
の混合物が気相の反応生成物から得られる。
選択された弗化水素/1,1,1−トリクロロエタンのモル
供給比は、 (i)約3.0〜約5.2の範囲内である、 (ii)式:M=2.7X+4.2Y (ここで、Xは生成する1.1−ジクロロ−1−フルオロ
エタン/1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン混合物中の
1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの所望されるモル
分率であり、 Yは、生成する1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン/
1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの混合物中の1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタンの所望されるモル分率で
ある)、 によって決定される数値Mよりも大きい。
好ましくは、反応生成物として除去された気体:反応
混合物に循環された気体の比は重量を基準として1:1で
ある。
本発明の工程において、弗化水素及び1,1,1−トリク
ロロエタンは、液相反応が起こるだけでなく気体状態に
おける反応生成物の除去を可能にする条件下で容器中に
おいて反応させられる。ガス状生成物が、部分精留さ
れ、(例えば蒸溜塔中などで)、そしてそれは弗化水素
の選択的凝縮及び反応容器への循環を可能にする。反応
容器からガス状の反応生成物を除去する事により、生成
物が液体として除去される場合よりも生成物はよりずっ
と少量の弗化水素を含む。定常状態の反応条件下で、液
体反応相中の弗化水素の比率が、反応生成ガス中の弗化
水素の割合よりも高い。液相の反応混合物に気体状生成
物の一部を循環する事により、本発明の工程は、液体が
1,1,1−トリクロロエタンに対して大過剰の弗化水素を
含むことを保証する。1,1,1−トリクロロエタンが弗化
水素中に低い溶解度を有するために、過剰の弗化水素が
単一反応相を保持するのに必要である。1,1,1−トリク
ロロエタンに対して大モル過剰の弗化水素は反応混合物
からの1,1,1−トリクロロエタンの沈殿を妨げ、その結
果弗化水素処理生成物への1,1,1−トリクロロエタンの
転化の減少を防ぐ。
弗化水素中への1,1,1−トリクロロエタンの溶解度が
小さい影響は、撹拌により部分的に埋め合わせられる
が、酸が撹拌機を強く腐食させるので、一般に弗化水素
を含む系においては撹拌を避ける事が望ましい。従って
本発明は、撹拌がないときでさえ1,1,1−トリクロロエ
タンの高転化率を維持する。1,1,1−トリクロロエタン
に対して弗化水素が大モル過剰で連続的に液相の反応混
合物中に含まれるので撹拌は必要とされず、それによっ
て1,1,1−トリクロロエタンの沈殿及び反応器の「ター
ル」の形成が最小にされる。
本発明は、化学量論的及び熱力学的弗化水素処理反応
により必要とされる最小の弗化水素/1,1,1−トリクロロ
エタンのモル供給比で連続的に定常状態の1,1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタン/1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタン混合物の生成方法を提供する。反応容器への弗
化水素の供給を最小量に維持する事及び選択的に気相化
合物から液相の反応混合物に弗化水素を循環する事によ
り、反応生成物から弗化水素を除去する為の分離装置の
費用が最小にされる。しかしながら同時に、弗化水素/
1,1,1−トリクロロエタンの相対的に低い約3.0〜5.2の
モル供給比で、98%〜100%の1,1,1−トリクロロエタン
の転化率と15%〜85%の1,1−ジクロロ−1−フルオロ
エタンの選択性を本発明の工程は提供する。
好ましくは、約50重量%〜約85重量%、更に好ましく
は約75重量%〜約85重量%の1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタンを含む1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
と1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの混合物を得る
為にこの製造方法が利用される。
本発明の製造工程は、図に説明される。弗化水素及び
1,1,1−トリクロロエタンの液相反応の為の反応区域
は、反応容器10により形成される。気相生成物は、管路
20中に集められる。容器は当業者に公知の、ハロカーボ
ンの連続弗化水素処理のための典型的な構造を有するこ
とが可能である。弗化水素及び1,1,1−トリクロロエタ
ンを各々管路12及び14から連続的供給を開始する前に、
反応容器は初めに弗化水素で満たされる。
反応容器10は、好ましくはジャケット付きのタイプで
ある。一定のレベルで反応容器内が好ましい圧力で維持
される様に、水蒸気が反応ジャケットに送られる。
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−
1,1−ジフルオロエタン、塩化水素、弗化水素、及び少
量の非選択性反応生成物を含む気相の反応生成物が、連
続的に反応容器10から蒸留塔16中に取り出される。例え
ば、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン/1−クロロ−
1,1−ジフルオロエタンのモル比が80/20に対して、例え
ば蒸留塔16は塔頂部の温度が約66℃(約150psig)、塔
底部の温度が約82℃(約180゜F)及び圧力が792.9kPa
(ゲージ圧)(115psig)で操作される。循環冷却器18
は、選択的に弗化水素を凝集して、液体弗化水素を塔16
を通じて反応容器10に循環する。気相生成物は、管路20
中に集められる。循環条件は好ましくは、上部で得られ
る気体の1重量部につき、気体の約1重量部が循環され
る様に調整される。弗化水素及び1,1,1−トリクロロエ
タンの反応物質が管路12及び14に供給される流量の総量
におよそ等しい一定流量で気体は上部に集められる。ハ
イドロクロロフルオロカーボンの濃度は、塔の頂部で最
大であり、反応容器10内で最小である。この濃度勾配
は、反応容器中の弗化水素濃度が1,1,1−トリクロロエ
タンが完全に溶媒和を完了する事を保証するのに十分な
時間があることを可能にする。その結果1,1,1−トリク
ロロエタンの転化率は100%に近い。反応容器中に残る
未反応の1,1,1−トリクロロエタンの量は非常に少な
く、典型的には反応器への供給量の2重量%より少な
い。反応相から沈殿する1,1,1−トリクロロエタンは反
応容器の底から定期的に取り出すことができる。本発明
は、1,1,1−トリクロロエタンの転化率が最大になる為
に、沈殿した1,1,1−トリクロロエタンの生成、及び反
応容器の底から1,1,1−トリクロロエタンを定期的に取
り出す必要性が最小に維持される。
目標とされる1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン/1
−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの反応生成比を達成
する為に要求される最小のモル供給比は、次の式、 M=2.7X+4.2Y ……(式1) (ここで、Xは、生成される1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタン及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの
総量に対して、生成物として得られる1−クロロ−1,1
−ジフルオロエタンの所望されるモル分率であり、 Yは、生成される1,1−ジクロロ−1−フルオロエタ
ン及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの総量に対
して、生成物として得られる1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタンの所望されるモル分率である)、 により決定される。
式1により規定されたモル供給比は、反応成分の弗化
水素処理反応の化学量論量及び気体/液体平衡(“VL
E")が考慮に入れられる。
80/20のモル比の1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
と1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンを生成すること
を目標とする製造方法の場合に、式1は弗化水素/1,1,1
−トリクロロエタンのモル供給比は少なくとも約4,5の
数値に設定されなければならない事を規定する。
HF/1,1,1−トリクロロエタンのモル供給比を、与えら
れた目標とされる1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン/
1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン生成物の分配の為に
上の式1により決定される最小値よりも大きい値に維持
する事により、定常状態反応の挙動を保証し、そして完
全に1,1,1−トリクロロエタンの転化を完了させる。式
1の最小量より小さいと、転化が不完全で不安定な反応
となる。
実施において、過剰な弗化水素の循環が不完全になり
得る。すなわち気体/液体平衡により必要とされる量よ
り過剰の弗化水素のうちの若干量は反応域への循環を免
れ、そして上の気相の反応生成物と共に上部から引き出
され得る。従って式1により求められる最小値より僅か
に大きいHF/1,1,1−トリクロロエタンのモル供給比を利
用することが望ましい。これは、起こり得る不完全な精
留を考慮に入れ、式1に「安全率」Sを加える事により
完成される。従って式は、 M=(2.7X+4.2Y)S ……(式2) (ここで、X及びYは上で定義され、Sは1.01〜1.30か
ら選択される数である) になる。
式2によると、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンは、約3.00〜
約5.2の範囲のHF/1,1,1−トリクロロエタンのモル供給
比を使用する事により約85:15モル%〜15:85モル%の範
囲での生成を可能にする。
本発明の工程は、上部で取られた生成ガスの重量を基
準として、完全に弗素化された生成物1,1,1−トリクロ
ロエタンを極少量(典型的にはわずか約0.5重量%含
む)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン及び1−ク
ロロ−1,1−ジフルオロエタンを含む生成物の混合物を
生ずる。
HF/1,1,1−トリクロロエタンのモル供給比は、与えら
れた目標とされる1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン/
1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン生成物の分配の為
に、式1により(または代わりに式2により)必要とさ
れる最小の比又はそれを越えた比に一度固定されると、
上部の生成ガス中で得られた1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタン及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの
相対量は、循環比、反応圧力、及び/又は滞留時間を操
作する事により目標とされる量から変化させることがで
きる。反応圧力或いは反応体滞留時間を増加する事は、
一般に1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンよりも1−
クロロ−1,1−ジフルオロエタンの生成に有利である。
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンが主要生成物と
して所望される場合、循環比は必然的に2つの点のバラ
ンスを考慮しなければならない。より高い循環比は、上
部で得られるハイドロクロロフルオロカーボン化合物に
対比して弗化水素の選択的循環を生ずるだけでなく、1
−クロロ−1,1−ジフルオロエタンに対比して1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタンの選択的循環も生ずる。従っ
て、循環比の増加は、1,1−ジクロロ−1−フルオロエ
タン及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンに対する
反応容器中のHFの比率の増加を生ずるだけでなく、1−
クロロ−1,1−ジフルオロエタンに対する1,1−ジクロロ
−1−フルオロエタンの比率の増加も生ずる。循環され
た1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンは弗化水素と反
応し1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンを更に生成す
る。従って、より弗素化された生成物1−クロロ−1,1
−ジフルオロエタンの製造は、高循環率において好都合
である。塔16から得られたガス1kg当たり約1kgの循環比
は、これら2つの競合する点を考慮するとその間には合
理的な均衡があると思われる。循環比は、温度及び/又
はリフラックスコンデンサー18通じる冷却水の流速を変
化させる事により制御される。
循環頂部の生成物として得られた気体は、一般に1,1
−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−1,1−
ジフルオロエタン、塩化水素及び反応容器に循環されな
い弗化水素を含む。それは未反応の1,1,1−トリクロロ
エタン、及び任意の非選択性反応生成物、例えば1,1,1
−トリフルオロエタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブ
タン及び1,1−ジクロロエチレンなども含む。塩化水素
は蒸留により反応生成物から分離できる。弗化水素及び
ハイドロクロロフルオロカーボンは、再循環して過剰の
弗化水素を反応容器に戻す工程中に相分離及び蒸留の組
み合わせにより分離できる。弗化水素が弗化水素処理区
域に再循環される場合、式1及び2により定められる弗
化水素/1,1,1−トリクロロエタンのモル比は、反応容器
へ供給される弗化水素の全量を基準としており、管路12
中の供給路に供給される弗化水素及びハイドロクロロフ
ルオロカーボン反応生成物から弗化水素の下流分離から
反応容器へ供給される再循環弗化水素の両方を含む。
本発明の工程は、1,1,1−トリクロロエタンの転化率
を最大にし、そして上部の反応生成ガス中に運搬される
弗化水素を最小にするような方法において1,1,1−トリ
クロロエタンを1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンと
1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンにする弗化水素処
理を提供する。無触媒の系において、生成物の流れに持
ち越される弗化水素の全量は、気体/液体の平衡の関数
である。1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの生産の
為に、反応化学量論量及び気体/液体平衡要求条件を同
時に満足させる為の弗化水素/1,1,1−トリクロロエタン
の最小理論モル供給比は約2.7である。この量のうち、
弗化水素2モルは1,1,1−トリクロロエタンと反応して
1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンを生成し、そして
生成した1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン1モルに
つき弗化水素0.7モルが上部に運搬される。これは約40
モル%の弗化水素が1−クロロ−1,1−ジフルオロエタ
ンと共沸混合物を組成する為である。
全く思いがけない事に、生成混合物中の1,1−ジクロ
ロ−1−フルオロエタン/1−クロロ−1,1−ジフルオロ
エタンの比率を増加する為にはHF/1,1,1−トリクロロエ
タンのモル供給比を減少させるよりもむしろ増加させる
必要性がある事が分かった。これは予期しない事であっ
た。なぜならば反応化学量論の見地から、1−クロロ−
1,1−ジフルオロエタンよりも1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタンを生成する為には、弗化水素が50%より少な
い事が要求されるからである。更に、1,1−ジクロロ−
1−フルオロエタンは弗化水素よりも揮発性が少ないの
で、本発明の気相生成物の精留は不可能であると思われ
た。しかしながら、事実はそうでない事が分かった。事
実、弗化水素/1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン系は
非理想なので、相当の精留が可能である。更に、全く思
いがけない事に、反応器への供給において、1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタンと1−クロロ−1,1−ジフル
オロエタンの混合物の1,1−ジクロロ−1−フルオロエ
タンに富む定常状態の生産を維持する為には、弗化水素
/1,1,1−トリクロロエタンのモル供給比を減少させるよ
りもむしろ増加させなければならない事が分かった。
もし反応区域に十分な弗化水素が供給されない場合、
そこに非定常状態の挙動が生ずる。非定常状態の挙動
は、1,1,1−トリクロロエタンを十分に利用しない事に
より引き起こされ、そして1,1,1−トリクロロエタンは
反応器の底に第2相としてたまる。反応器の容積が一定
であると仮定すると、事実上1,1,1−トリクロロエタン
の蓄積は、反応区域の反応相滞留時間の減少を生じ、目
標とされる比率から1,1−ジクロロ−1−フルオロエタ
ン/1,1,1−トリクロロエタンの生成比率を移動させる原
因となる。他方、反応区域に弗化水素が供給されずぎる
と、ハイドロクロロフルオロカーボン生成物の流れによ
り弗化水素の下流分離で非能率になる。
本発明の実施例が、限定されるわけではない次の例に
おいて更に詳しく説明される。
例1 幅7.62cm(3インチ)長さ4.572m(15フィート)の精
留塔に連結された3.785(10ガロン)の反応器に弗化
水素及び1,1,1−トリクロロエタンが連続的に供給され
た。モル供給比は、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタ
ン80モル%及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン20
モル%から成る生成物を得る為に、式1により予測され
た理論的最小値4.0よりわずかに小さい値、弗化水素:1,
1,1−トリクロロエタン=3.9:1に保持された。系の圧力
は792.9kPa(ゲージ圧)(115psig)であり、整流器は
上部で得られるガス1kgにつき0.62kPaの循環比になるよ
うに操作された。反応から計算された1,1,1−トリクロ
ロエタンの利用率は98%であり、非定常状態の挙動を示
した。平均反応体滞留時間が3.5時間である上部の生成
ガスの主要成分は次の様になった。
重量% HF 27.2 HCl 20.3 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン 43.3 1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン 9.1 1,1,1−トリクロロエタン 0.1 100% 例2 反応容器の平均滞留時間は、3.35時間にわずかに下げ
られ、循環比を0.98に増加した事を除いて例1の手順に
従った。弗化水素/1,1,1−トリクロロエタンのモル供給
比は、式1により要求された理論最小値4.0に増加され
た。計算された1,1,1−トリクロロエタンの利用率は100
%に増加した。上部のガスの組成は次のようになった。
重量% HF 25.8 HCl 20.6 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン 44.3 1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン 9.2 1,1,1−トリクロロエタン 0.1 100% 例3 弗化水素/1,1,1−トリクロロエタンのモル供給比2.9
を使用して例1の手順に従い1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタン/1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンの生成
比57.5/42.5を得た。公称循環比は、上部に運ばれた物
質1kgにつき0.92kgの循環であった。系の圧力は1103.2k
Pa(ゲージ圧)(160psig)であり、平均反応体滞留時
間は4.5時間であった。計算された1,1,1−トリクロロエ
タンの転化率は、わずか92%で、非定常状態の挙動を示
した。上部のガスの組成は次のようになった。
重量% HF 22.4 HCl 25.1 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン 31.9 1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン 20.3 1,1,1−トリクロロエタン 0.3 100% 式1より1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン/1−ク
ロロ−1,1−ジフルオロエタンのモル生成比57.5/42.5を
維持する為には、弗化水素/1,1,1−トリクロロエタンの
最小モル供給比3.6が必要とされる。反応器への供給
で、弗化水素/1,1,1−トリクロロエタンがわずか2.9モ
ルの場合、実質上非定常状態の挙動を生じ、例3での1,
1,1−トリクロロエタンの転化率はわずか92%であるが
明らかになった。
例4 平均滞留時間が5.2時間に増加させられ、公称循環比
は、上部に選ばれたガス1kgにつき循環されたガスが0.8
kgに減少されることを除き例3の手順が繰り返された。
HF/1,1,1−トリクロロエタンが3.5であるモル供給比が
使用され、定常状態系の挙動が生じ、計算された1,1,1
−トリクロロエタンの利用率は、98.2%であった。上部
のガスの組成は、次の様になった。
重量% HF 19.7 HCl 28.9 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン 21.1 1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン 29.5 1,1,1−トリクロロエタン 0.5 100% 本発明は、発明に帰する精神及び本質から離れること
なしに他の特定の形において具体化でき、従って本発明
の範囲を示す物として、前述の発明明細書よりもむしろ
添えられた特許請求の範囲を参照しなければならない。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の工程の具体例の概要の説明である。10は
弗化水素及び1,1,1−トリクロロエタンの液相反応の為
の反応容器、12は弗化水素の供給管路、14は1,1,1−ト
リクロロエタンの供給管路、16は蒸留塔、18は循環冷却
器、20は気相生成物を集める管路である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)反応区域中で液相の弗化水素処理さ
    れる反応混合物を生成する為に、選択されたモル供給比
    で連続的に弗化水素及び1,1,1−トリクロロエタンを反
    応区域に供給する事、 (b)反応区域から1,1−ジクロロ−1−フルオロエタ
    ン及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンを含む気相
    の反応生成物を連続的に取り出す事、 (c)前記気相の反応生成物から反応混合物へ弗化水素
    を連続的に循環する事、 及び、 (d)前記気相の反応生成物から1,1−ジクロロ−1−
    フルオロエタン及び1−クロロ−1,1−ジフルオロエタ
    ンの混合物を得る事、 ここで、該選択された弗化水素/1,1,1−トリクロロエタ
    ンのモル供給比は、 (i)約3.0から約5.2の範囲内であり、 (ii)次式、M=2.7X+4.2Yにより決定される数値Mよ
    り大きい事、 ここで、Xは生成する1,1−ジクロロ−1−フルオロエ
    タン/1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン混合物中の1
    −クロロ−1,1−ジフルオロエタンの所望されるモル分
    率であり、 Yは生成する1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン/1−
    クロロ−1−ジフルオロエタン混合物中の1,1−ジクロ
    ロ−1−フルオロエタンの所望されるモル分率である
    事、 を特徴とする1,1,1−トリクロロエタンから1,1,1−ジク
    ロロ−1−フルオロエタン及び1−クロロ−1,1−ジフ
    ルオロエタンの混合物を製造する為の連続的無触媒製造
    方法。
  2. 【請求項2】循環比が重量で約1:1である事を特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】弗化水素及び1,1,1−トリクロロエタンが
    反応区域に供給される総流量に等しい一定の流量で気相
    の反応生成物が取り出される事を特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】気相の反応生成物が1,1,1−トリクロロエ
    タンをわずか約0.5重量%含有する事を特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】得られた1,1−ジクロロ−1−フルオロエ
    タン及び1−クロロ1,1−ジフルオロエタンの混合物が
    約50重量%から約85重量%の1,1−ジクロロ−1−フル
    オロエタンを含有する事を特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
  6. 【請求項6】混合物が約75重量%から約85重量%の1,1
    −ジクロロ−1−フルオロエタンを含有する事を特徴と
    する特許請求の範囲第5項記載の方法。
JP2151803A 1989-06-13 1990-06-12 弗化水素と1,1,1―トリクロロエタンを液相で連続反応させ、1,1―ジクロロ―1フルオロエタン及び1―クロロ―1,1―ジフルオロエタンの混合物を提供する為の製造方法 Expired - Fee Related JP2579238B2 (ja)

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