JP2579024Y2 - 吸収パッド付き伸縮包帯 - Google Patents

吸収パッド付き伸縮包帯

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JP2579024Y2
JP2579024Y2 JP1992053061U JP5306192U JP2579024Y2 JP 2579024 Y2 JP2579024 Y2 JP 2579024Y2 JP 1992053061 U JP1992053061 U JP 1992053061U JP 5306192 U JP5306192 U JP 5306192U JP 2579024 Y2 JP2579024 Y2 JP 2579024Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、吸収パッド付き伸縮
包帯に関し、詳しくは、各種医療用に用いられている伸
縮性を有する包帯と、血液などを吸収する吸収パッドと
を組み合わせてなる吸収パッド付き伸縮包帯に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、通常の包帯は、脱脂・漂白された
綿糸やスフ糸を用いて形成されている。また、包帯の長
手方向に、綿コアースパンヤーンなどのスパッデックス
弾性糸入りの糸を編み込んで、伸縮性を高めた伸縮包帯
も用いられている。伸縮包帯は、創傷患部に当てたガー
ゼや脱脂綿の上から巻いておけば、ガーゼ等がずれた
り、巻きゆるみが生じ難いという優れた機能を備えてい
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な伸縮包帯で、ガーゼ等の滑りやずれを確実に防ぐに
は、ゴムやスパンデックス弾性糸の緊縛力すなわち収縮
力を強くしておかなければならないが、そうすると、装
着時に肌に食い込んで、血液の循環を悪くしたり、装着
者に不快な思いをさせるるという問題があった。
【0004】そこで、前記綿糸などを用いた通常の包帯
に、ガーゼや脱脂綿などからなる吸収パッドを接合一体
化させた吸収パッド付き包帯も提案されている。この吸
収パッド付き包帯であれば、吸収パッドがずれる心配は
ない。しかし、従来の吸収パッド付き包帯では、吸収パ
ッドを接着剤や樹脂を介して包帯に接合していたため、
硬化した接着剤や樹脂が、その部分の包帯を硬くしてし
まい、患部への巻き付けが柔軟に行えなかったり、装着
者に不快な思いをさせるという問題があった。これは、
伸縮包帯に吸収パッドを一体化させた吸収パッド付き伸
縮包帯の場合でも同様である。特に、伸縮包帯は柔軟に
伸縮できることが利点であるから、伸縮包帯の一部に前
記した接着剤や樹脂による硬化部分が存在すると、伸縮
包帯としての機能が十分に発揮されないことになる。
【0005】そこで、この考案の課題は、伸縮包帯に吸
収パッドを一体化させた吸収パッド付き伸縮包帯におい
て、吸収パッドの接合個所に硬化部分が生じず、柔軟性
およひ伸縮性に優れた伸縮包帯の機能を良好に発揮する
ことのできる吸収パッド付き伸縮包帯を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の考案にかかる吸収パッド付き伸縮包帯は、表糸に被覆
弾性糸を用い、交編糸に合成繊維紡績糸および/または
合成繊維フィラメントを用いて編成され、少なくとも糸
の一部に溶接性材料が用いられた伸縮包帯の片面に、吸
収層の両面に被覆支持層が設けられ、少なくとも片面の
被覆支持層が溶接性材料からなる吸収パッドが、溶接性
材料からなる被覆支持層を伸縮包帯側にして、溶接され
ている。
【0007】この考案において、溶接とは、繊維製品や
布製品の技術分野では、一般に「ウェルダ接着加工」と
も呼ばれる技術であり、複数の材料の接触面を、熱や圧
力の作用で溶融させて、材料同士を直接、互いに一体接
合することを意味している。具体的には、高周波溶接、
超音波溶接、加熱溶接、加圧溶接などを含んでいる。但
し、複数の材料の間に接着剤もしくは接着樹脂を介在さ
せ、これらの接着剤もしくは接着樹脂を硬化させて、両
側の材料を接合する方法は含まない。溶接性材料とは、
このような溶接による接合が可能な材料を意味してい
る。例えは、一般的な繊維材料のうち、綿やスフなどの
天然繊維は溶接できないものが多く、溶接性材料として
は、通常、合成繊維もくしは合成樹脂が用いられる。
【0008】被覆弾性糸は、芯糸となる弾性糸として、
ポリウレタン弾性糸、ポリエーテルエステル弾性糸、ポ
リエステル弾性糸、あるいは、ポリアミド弾性糸などが
用いられる。弾性糸の太さは、30〜140デニールが
好ましい。弾性糸として溶接可能な材料を用いることも
できるが、通常は、弾性糸としては、伸縮性などの機能
を持たせることを主眼に選択して、溶接性については、
カバード糸などの他の構成糸に持たせるようにしたほう
が好ましい。
【0009】上記弾性糸を被覆する被覆糸あるいはカバ
ード糸としては、通常の被覆弾性糸におけるカバード糸
の材料と同じものが使用できる。カバード糸として、例
えば、ナイロン糸、アクリロニトリル糸、ポリビニルア
ルコール糸、塩化ビニル糸あるいは塩化ビニリデン糸な
どの合成繊維糸が挙げられる。これらの合成繊維糸は、
高周波内部加熱によって軟化溶融し易く、溶接可能であ
る。
【0010】また、ポリプロピレン糸やポリエチレン糸
も溶接可能であり、特に、融点が低いので、外部加熱に
よっても軟化溶融させて溶接することができる。さら
に、これらの糸の表面に、酸化鉄や酸化クロム等の金属
酸化物、グリセリン、エチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール等の多価アルコール、などの化合物を付
与しておくと、高周波加熱により、これらの化合物が溶
接性を示すので、糸の本体部分は溶接性を有しなくて
も、糸全体としては溶接性を示すことになる。
【0011】ポリエステル糸は、融点が高く、通常の高
周波内部加熱や外部加熱などでは溶接し難いが、高周波
印加条件を考慮すれば、溶接させることができる。ま
た、スルホン酸金属塩基含有エステル形成成分を共重合
したポリエステル改質糸や、イソフタル酸、セバシン
酸、アジピン酸などの酸成分を付加的に共重合したポリ
エステル、または、多価アルコールアルキレンオキシド
付加体を速財せしめたポリエステル等も溶接性を有する
糸として使用できる。
【0012】カバード糸は、上記のような溶接性を示す
糸のみで構成してもよいし、溶接性のある糸と溶接性の
ない糸を混在させたものでもよい。さらに、後述する交
編糸に溶接性材料を用いる場合には、被覆弾性糸のカバ
ード糸としては、溶接性を有さない各種の糸を用いるこ
とも可能である。被覆弾性糸は、前記した芯糸とカバー
ド糸を用い、通常の製造条件で製造することができる。
例えば、芯糸をドラフト倍率2.0〜4.5倍の伸長状
態にしておき、ボビンに巻かれたカバード糸を中空スピ
ンドルに挿入し高速回転させて、前記芯糸に巻き付けさ
せればよい。
【0013】伸縮包帯は、表糸に被覆弾性糸を用い、交
編糸に合成繊維紡績糸および/または合成繊維フィラメ
ントを用いて、通常の編成組織あるいは編成方法で編成
される。交編糸となる合成繊維紡績糸および/または合
成繊維フィラメントとしては、前記した被覆弾性糸のカ
バード糸に用いられたような溶接性を有する糸のほか、
通常の伸縮包帯その他の用途に利用されている各種素材
からなる糸を用いることができる。実用上は、交編糸と
して合成繊維紡績糸が好ましい。
【0014】編地は、横メリヤス地あるいは経編地が採
用できるが、包帯の機能上は、経編地の方が好ましい。
また、トリコット編地であってもよいし、ラッセル編地
でもよい。編組織としては、平編、チュール編、ハーフ
編、逆ハーフ編、ダブルアトラス編、ダブルデービー編
や、これらの組織を組み合わせたネット組織、糸抜き柄
などが採用できる。
【0015】伸縮包帯の緊縛力や吸収パッドのシワ発生
防止、剥離性などの点から、編地の伸長率が、包帯の長
手方向で100%以下であることが好ましく、より望ま
しくは50%以下に設定しておく。衛生面からは、通気
性のよいメッチュ柄を基調にした編組織が好ましい。編
成法は、例えば、ラッシェル経編機であれば、まず、通
常の弾性糸用整経機にてビーム巻きを行い、ついで編組
織に応じて、ランナー設定を行うなど、通常のナイロン
糸交編と全く同様に取り扱うことができる。
【0016】染色加工は、通常の包帯製造の場合と同様
の処理を行えばよいが、例えば、以下に示す処理が好ま
しい。まず、精練漂白として、糊抜後水洗、0.4〜
0.6%苛性ソーダ液+界面活性剤を用いて100℃で
1時間煮沸、過酸化水素漂白、水洗の各工程を行う。つ
ぎに、70〜110℃で乾燥し、ピンテンターで整幅し
た後、捨て糸を抜糸する。
【0017】吸収パッドを構成する吸収層としては、包
帯の利用目的に応じて、血液その他の液体の吸収能力の
高い吸収性材料が使用できる。例えば、コットンリン
ト、脱脂綿、テッシュ、ウッドパルプなどが挙げられ
る。被覆支持層は、上記吸収層がバラバラになったり偏
ったりしないように保持しておくことができれば、任意
の布あるいはフィルム材料が使用できる。装着個所に当
接する側の被覆支持層には、吸収層の吸収機能を阻害し
ないように、通液性を有する材料を用いる。また、包帯
の通気性を良好にするには、通気性の材料が好ましい。
素材自体には、通液性や通気性がなくても、細かな孔や
スリットを多数形成しておくことによって、通液性や通
気性を持たせることもできる。
【0018】具体的には、被覆支持層として、ナイロン
不織布、ポリエステル不織布、ポリプロピレン不織布な
どの合成繊維不織布を用いることができる。また、ポリ
エステルフィルムや塩化ビニルフィルム、ポリプロピレ
ンフィルム、ポリエチレンフィルムなどの合成樹脂フィ
ルムに多数の細かい孔を貫通形成したものも使用でき
る。吸収パッド付き伸縮包帯を、患部に装着したとき
に、患部への当接面が平滑であるほうがよい場合には、
吸収パッドの表面に露出する側の被覆支持層として、合
成樹脂フィルムを用いるのが好ましい。
【0019】これらの被覆支持層のうち、吸収パッドを
伸縮包帯に接合する際に、伸縮包帯に面する側の被覆支
持層は、溶接性を有する材料を用いる。具体的には、前
記した被覆弾性糸において溶接性材料として用いたよう
な合成樹脂、あるいは、合成樹脂の表面に各種化合物を
付与したものなどが使用できる。吸収パッドは、吸収層
の両面に被覆支持層を配置し、吸収層の外縁部分などで
被覆支持層同士を前記溶接その他の手段で接合して構成
する。吸収層の外縁のうち、全周で被覆支持層同士を接
合すれば、吸収層は被覆支持層の内部に完全に閉じ込め
られる形になるが、吸収層の対向する2辺だけで、被覆
支持層同士を接合しておいてもよい。被覆支持層同士の
接合を、吸収パッドを伸縮包帯に溶接する工程と同時に
行うこともできる。すなわち、伸縮包帯、被覆支持層、
吸収層および被覆支持層を重ねて配置した状態で、溶接
処理を行えば、吸収パッドの製造および吸収パッドと伸
縮包帯の一体化が同時に達成できる。
【0020】吸収パッドは、伸縮包帯の全面に設けてお
く必要はない。通常は、帯状の伸縮包帯の一部のみに、
必要な大きさの吸収パッドを設けておけばよい。吸収パ
ッドを伸縮包帯に溶接する方法としては、高周波印加に
よる溶接、超音波印加による溶接、加熱部材を押し当て
ることによる溶接、熱風やレーザ光による溶接その他、
各種合成樹脂製品や繊維製品の溶接加工で利用されてい
る通常の溶接方法や処理条件が適用できる。このとき、
吸収パッドのうち、溶接性を有する被覆支持層を伸縮包
帯に面する側に配置した状態で、前記のような溶接処理
を行うものとする。
【0021】溶接加工の際に、伸縮包帯あるいは吸収パ
ッドを構成する材料の熱溶融温度や耐熱性に大きな違い
があると、溶接がうまくいかなかったり、特性の劣化が
起こる。そこで、伸縮包帯および吸収パッドを構成する
溶接性材料としては、熱溶融温度の差が小さなものを用
いるのが好ましい。また、溶接性材料と同時に用いる他
の材料、例えば、吸収層の材料などの耐熱温度よりも低
い温度で溶接できる材料が好ましい。具体的には、例え
ば、溶接性材料であるウーリーナイロン糸で被覆された
被覆弾性糸を用いた伸縮包帯と、溶接性材料からなる被
覆支持層として塩化ビニル不織布を用いた吸収パッドを
組み合わせれば、良好な結果が得られる。
【0022】
【作用】この考案では、伸縮包帯と吸収パッドを一体接
合する方法として、前記した溶接という手段を採用す
る。溶接は、互いに接合する材料同士を直接的に接合す
る方法であるから、他の材料が介在することなく、ま
た、伸縮包帯を構成する糸の構造や特性を変えることな
く、伸縮包帯と吸収パッドを接合できる。
【0023】その結果、伸縮包帯あるいは吸収パッドの
保有する良好な伸縮性や柔軟性を、伸縮包帯と吸収パッ
ドの接合個所でも十分に発揮することが可能になり、局
部的に硬いところのない、優れた特性の吸収パッド付き
伸縮包帯となる。伸縮包帯として、表糸に被覆弾性糸を
用い、交編糸に合成繊維紡績糸および/または合成繊維
フィラメントを用いて編成され、少なくとも糸の一部に
溶接性材料が用いられたものを用いることにより、前記
した溶接の可能な伸縮包帯を構成することができる。ま
た、吸収パッドとして、吸収層の両面に被覆支持層が設
けられ、少なくとも片面の被覆支持層が溶接性材料から
なるものを用いることにより、バラバラになったり偏っ
たりし易い吸収層を被覆支持層で確実に保持させておく
ことができるとともに、吸収パッドを溶接することが可
能になる。
【0024】上記のような伸縮包帯と吸収パッドを、吸
収パッドの溶接性材料からなる被覆支持層を伸縮包帯側
にして溶接すれば、伸縮包帯および吸収パッドの溶接性
材料により、伸縮包帯と吸収パッドの溶接が可能にな
る。
【0025】
【実施例】ついで、この考案の実施例について、図面を
参照しながら以下に説明する。図1は、吸収パッド付き
伸縮包帯の全体構造を表し、図2は、要部の詳細構造を
表している。伸縮包帯10は、経編地などからなり、通
常の包帯と同様に、適当な幅を有する長尺の帯状に形成
されている。伸縮包帯10の長さ方向の途中、通常は一
端に近い部分に、伸縮包帯10の幅とほぼ同じ幅を有
し、正方形状に近い矩形状をなす吸収パッド20が接合
一体化されている。
【0026】吸収パッド20は、脱脂綿などからなる吸
収層24と、吸収層24を両面から挟む被覆支持層2
1、26で構成されている。伸縮包帯10側の被覆支持
層26は、溶接性を有する合成繊維から作製された不織
布からなり、吸収パッド20の表面側の被覆支持層21
は、同じく溶接性を有する合成樹脂フィルムに多数の微
細な孔22を貫通形成したものからなる。
【0027】吸収パッド20のうち、伸縮包帯10の長
手方向の2辺で、吸収層24の上下の被覆支持層21、
26および伸縮包帯10を、高周波を印加しながら加圧
して、互いに溶接一体化させている。すなわち、溶接部
30が、吸収パッド20の幅方向全長にわたって形成さ
れている。吸収パッド20の下側の被覆支持層26は、
溶接部30のみで線状に伸縮包帯10に接合されている
ので、その他の個所では、伸縮包帯10とは別個に伸縮
変形可能になっている。
【0028】吸収パッド付き伸縮包帯を保管あるいは流
通させる際には、長尺の伸縮包帯10をロール状に巻回
した状態にしておくが、このとき、ロール状に巻回した
伸縮包帯10の最外層の内側面に吸収パッド20が配置
されるような状態にしておくと、取り扱いに便利であ
る。図3は、伸縮包帯10の経編組織の具体例を示して
いる。この編成組織は、クインズコード編と呼ばれてお
り、実線は前筬L−1を示し、点線は後筬L−2あを示
している。具体的には、2枚のフルセットのガイドバー
を用い、一方は鎖編を行い、他方は3×1のラップを行
う。前筬L−1の編目は、第1コース開き目(2−
0)、第2コース開き目(0−2)を繰り返す。後筬L
−2の編目は、第1コース閉じ目(2−0)、第2コー
ス(6−8)を繰り返している。
【0029】これをまとめると以下のようになる。 フロント(被覆弾性糸)L−1=20/02// バック(合成繊維糸) L−2=20/68// 図4は、吸収パッド20の別の実施例を示しており、予
め吸収パッド20を作製してから、この吸収パッド20
を伸縮包帯10に溶接する場合である。
【0030】ほぼ正方形状の脱脂綿からなる吸収層24
に対して、これよりも外形がひと回り大きく溶接性を有
する合成繊維不織布からなる被覆支持層26および合成
樹脂フィルムからなる被覆支持層21を用いる。被覆支
持層21には、多数の微細な孔が貫通形成されている。
脱脂綿24を間に挟んで、上下の被覆支持層21、26
を配置すると、被覆支持層21、26の外周に沿った耳
部28では被覆支持層21、26同士が対向しているの
で、この対向面に接着剤あるいは糊剤を塗布して、上下
の被覆支持層21、26を接合する。吸収層24は、被
覆支持層21、26の内部に封入されることになる。
【0031】このようにして作製された吸収パッド20
を、前記したような伸縮包帯10の上に溶接すれば、吸
収パッド付き伸縮包帯が得られる。つぎに、より具体的
な実施例について説明する。 −実施例1− (1) 伸縮包帯 寸法:10cm×3m(放縮長2m) 編成:ラッセル経編 糸使い: フロント=ポリウレタン被覆弾性糸(#S475WT) ポリエステル仮より加工糸(75デニール/36フィラメント 、東レ製)をポリウレタン弾性糸(40デニール/タイプ12 7、東レデュポン製、登録商標「オペロン」)に、シングルカ バーリングしたもの ミドル=ポリエステルフィラメント糸 T100デニール/24フィラメント−SS(帝人製) バック=ポリエステル紡績糸 T100 30S(東レ製) 捨て糸 スフ糸30S(東レ製) 編機:14G×130”3枚筬ラッセル(山本繊維機械製)26本取り 編成組織:フロント1−0/1−0// ミドル1−0/0−1// バック0−0/3−3// 密度 32コース/in×57針/幅 ストレッチ率:50% (2) 吸収パッド 寸法:幅10cm×長さ12cm×厚み3mm 材質: 吸収層=局方脱脂綿 表面側被覆支持層=孔あきポリエステルフィルム (厚さ20μm、帝人製) 伸縮包帯側被覆支持層=ポリエステル不織布#8103、目付30g/m2 (デュポンジャパン製、登録商標「ソンタラ」) (3) 溶接加工条件 伸縮包帯および吸収パッド材料を順次重ね合わせ、高周波電極間で挟圧しつ つ、27MHz の高周波を11秒間印加した。溶接装置は、高周波接着装置TDW 4003DA(特殊電気工業製)を用いた。なお、溶接装置としては、高周波接 着装置LW4000W(クインライト電子精工製)や、超音波接着装置BRAN SON(日本エマソン製)等も使用可能であった。
【0032】得られた吸収パッド付き伸縮包帯に対し
て、常法にしたがって剥離試験を行った。試験の結果
は、伸縮包帯と吸収パッドの接合個所が剥離する前に、
吸収パッドの表面側の被覆支持層すなわちポリエチレン
フィルム自体に破壊が生じて、内部の吸収層すなわち脱
脂綿が破れ出てしまった。この状態では、伸縮包帯と吸
収パッドの間には全く剥離が生じていなかった。したが
って、伸縮包帯と吸収パッドの接合は、実用上十分な程
度に強固であることが実証された。
【0033】−実施例2− 実施例1において、被覆弾性糸のカバード糸として、ウ
ーリーナイロン糸(融点215〜220℃)を用い、伸
縮包帯をトリコット編クインズコート組織で編成し、吸
収パッドの伸縮包帯側被覆支持層を塩化ビニル不織布
(融点200〜210℃)に変えた以外は、実施例1と
同様の方法で、吸収パッド付き伸縮包帯を製造した。そ
の結果は、実施例1と同様に、吸収パッドと伸縮包帯の
接合は強固であり、包帯を繰り返し使用しても、十分に
耐えることができた。
【0034】これに対し、実施例1において、カバード
糸には同じポリエステル糸(融点255〜260℃)を
用い、伸縮包帯をラッシェル編メッシュ柄で編成し、吸
収パッドの伸縮包帯側被覆支持層を塩化ビニル不織布
(融点200〜210℃)で実施した場合には、吸収パ
ッドと伸縮包帯の接着強力は十分であったが、塩化ビニ
ルの熱劣化が著しいため、引裂強力が弱く、使用中に吸
収パッドが離れてしまった。
【0035】このことから、溶接性材料としては、溶融
温度が近いものを用いるのが好ましく、使用する材料の
耐熱温度よりも低い温度で溶接を行うことが好ましいこ
とが判る。
【0036】
【考案の効果】以上に述べた、この考案にかかる吸収パ
ッド付き伸縮包帯によれば、伸縮包帯と吸収パッドを、
接着剤や接着樹脂を用いずに、直接に溶接しているの
で、伸縮包帯と吸収パッドの接合個所が局部的に硬くな
ることがない。したがって、吸収パッドを一体化してい
るにも関わらず、柔軟性あるいは伸縮性に優れた伸縮包
帯の機能を、吸収パッドの接合個所を含む伸縮包帯の全
長にわたって良好に発揮することができる。
【0037】また、接着剤を使用しないので、接着剤の
乾燥工程などが不要になり、製造コストの削減および製
造工程の能率化を図ることもできる。この考案の吸収パ
ッド付き伸縮包帯は、家庭や自動車内に常備しておくこ
とにより、突発的な事故が発生した場合にも、即時に慌
てることなく応急処置を施すことができ、実用上、きわ
めて有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この考案の実施例を示す吸収パッド付き伸縮
包帯の平面図
【図2】 吸収パッド部分の拡大断面図
【図3】 伸縮包帯の編成組織図
【図4】 吸収パッドの別の実施例を示す平面図(a) お
よび断面図(b)
【符号の説明】
10 伸縮包帯 20 吸収パッド 24 吸収層 21、26 被覆支持層 30 溶接部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表糸に被覆弾性糸を用い、交編糸に合成
    繊維紡績糸および/または合成繊維フィラメントを用い
    て編成され、少なくとも糸の一部に溶接性材料が用いら
    れた伸縮包帯の片面に、吸収層の両面に被覆支持層が設
    けられ、少なくとも片面の被覆支持層が溶接性材料から
    なる吸収パッドが、溶接性材料からなる被覆支持層を伸
    縮包帯側にして、溶接されていることを特徴とする吸収
    パッド付き伸縮包帯。
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