JPH09506834A - 弾性材料を基体へ結合する方法及び前記方法により製造された物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 溶接不可能な弾性経糸（７）と溶接可能な熱可塑性緯糸（６）とから成る弾性テープは、例えば、熱可塑性緯糸（６）を超音波溶接することにより、使い捨ておむつのカバー層（３）の片側へ容易に取り付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 弾性材料を基体へ結合する方法及び前記方法 により製造された物品 本発明は、少なくとも一つの弾性構成要素と少なくとも一つの熱可塑性構成要 素とから成る弾性材料を基体へ結合する方法に関する。また本発明は弾性材料と それに結合された基体とから成る物品に関する。 使用者が動くときの人体的構造と良好に整合するように、弾性素子をおむつ、 失禁用プロテクタ、パンツ型おむつ及び衛生ナプキンの如き吸収性使い捨て製品 に適用することは当分野で周知である。通常、弾性素子は縁部分（脚及び／又は 腰の縁部分）に沿って付与されるが、その目的は良好な密封を達成し物品からの 流体及び／又は排泄物の漏洩を防ぐことである。吸収性使い捨て物品用弾性カバ ー材料も周知である。即ち、周知であるのは縁部分に沿う個別弾性素子だけでは ない。むしろ、カバー層（流体収容面層及び／又は流体封鎖外方層）は完全に弾 性体にすることができる。個別弾性素子が適用されるとき、それらは物品のカバ ー層間、即ち流体収容面層と流体封鎖外方層との間、に付与されるのが普通であ る。通常、弾性素子は弾性ゴム糸から成り、弾性ゴム糸は少なくともそれらの端 部分で接着剤により適正位置に錨止される。 二層間の弾性素子の従来のサンドイッチ積層と異なり、種々の出願に於ては、 弾性素子又はこれに代えて弾性材料層を、単一層又は基体の一方の側に対して例 えば膠着により付与することも知られている。例えば、SE 450 454には 、不特定の弾性及び非弾性ストランドから成る網状構造を不特定の態様で物品の 付加材料層へ取り付け可能であることが記載される（特に１３ページ、１９−２ ８行を参照）。 EP-A 60 405はゴム又は合成ゴムの弾性糸から成る弾性テープが記載され、前 記弾性糸のうちの幾つかは天然又は人工紡織繊維の比較的に非弾性の糸に絡み付 けられる。弾性テープを基体へ取り付けることはEP-A 60 405には全く記載され ていない。 FR-A 2 452 537は、例えば、綿の比較的に非弾性の糸から成る弾性材料を記載 し、これは、例えば、ゴム又はリクラ（Lycra 商標）の弾性編糸により包囲され る。弾性材料がその伸張状態から収縮するとき、非弾性糸上の二つの連続する結 節又はステッチ間で比較的に非弾性の糸からループが形成される（特に図２，３ を参照）。前記明細書には、かかる弾性材料を基体へ如何に錨止させるかに就い ては記載がない。 FR-A 2 643 925は、一般に人工又は天然ゴムの弾性経糸と比較的に非弾性の緯 糸とを編組することにより得られる弾性材料を記載している。前記明細書は弾性 材料を如何に基体へ錨止するかに関して何れの記載もない。 本発明の主要な目的は、接着剤、即ち膠着剤を使用することなしに弾性素子を 錨止できることである。 他の目的は、基体の片側への弾性素子の錨止を可能にする、即ち二層間にそれ を付与する必要なしに可能にすることである。 本発明の更なる目的は、基体への熱結合又は溶接が本来は可能でない弾性材料 を溶接により結合可能ならしめることである。 更なる目的はかかる態様で材料が結合される使い捨て可能な性質の物品を達成 することである。 これらの目的は、弾性材料の単数又は複数の熱可塑性構成要素が基体へ結合さ れることを特徴とする前文に記載の形式の方法により、また弾性材料が、基体へ 溶接又は熱的結合された少なくとも一つの熱可塑性構成要素と少なくとも一つの 弾性構成要素とから成ることを特徴とする前文に記載の形式の物品により、達成 される。 弾性構成要素は熱可塑性構成要素へ錠止され、また熱可塑性構成要素は、好ま しくは超音波溶接により、基体へ結合され、それにより弾性構成要素は間接的に 基体へ結合される。しかして熱可塑性構成要素は基体と弾性構成要素との一種の ブリッジとして機能する。 本発明により結合された弾性材料の重要な利点は、基体への溶接又は熱的結合 が不可能な弾性材料を溶接又は熱的結合により結合できることである。この解決 法は、弾性構成要素を熱可塑性構成要素へ錠止により、即ち摩擦又は化学接着に より、間接的に結合を行うことであり、次いで熱可塑性構成要素は基体へ結合さ れる。 本発明によるかかる結合方法は、高価な結合剤を避け、結合剤が製造工程にも たらす不利点、例えば機械構成要素及び製品材料への望ましくない付着物、接着 ユニットの封鎖などを完全に回避する。 接着剤に覆われた弾性材料は接着剤が製品の他の材料層等と接触しないように 被覆されなければならないので、接着剤で結合をする際には二層間へ弾性材料を 付与することが必要となるが、二層間へ弾性材料を付与する必要なしに簡単な材 料層を弾性化できることには費用上の大きい利点がある。 本発明は添付図に関して以下で詳述される。図中、 図１は前記方法により製造された使い捨ておむつを示す。 図２は本発明によるおむつの股部分を断面図で示す。 図３は本発明による衛生ナプキンを平面図で示す。 図４Ａ及び図４Ｂはそれぞれ平面図及び横断面図を示し、横断面図は本発明に より取り付けられた本来周知の弾性材料を通る図である。 図５は本発明による方法で使用できる本来周知の弾性材料を拡大斜視図で示す 。 図６は超音波溶接により基体へ本発明に従い取り付けられた図５の材料を横断 面図で示す。 図７は本発明による方法で使用できる所謂ハイドロ絡合された(hydroentangle d)弾性材料を斜視図で示す。 図８は溶接により基体へ本発明に従い取り付けられた図７の弾性材料を断面図 で示す。 図９は弾性層と熱可塑性層とから成る弾性材料を断面図で示し、前記材料は基 体へ結合されている。 図１０及び図１１は、図９に図示のものと類似した結合(bond)を断面図及び断 面斜視図で示すが、溶接により弾性 層に孔が燃焼形成されている。 図１２は本発明による方法の他の変化例を示す。 図１は使用者の体及び脚に対しておむつを緊張状態に保つ弾性材料のストリッ プ２２を持つ使い捨ておむつ２１を示す。おむつはテープ片２３により保持され る。弾性ストリップは予めおむつの外方層間、即ち流体収容面層と流体封鎖外方 層との間に取り付けられているか又は層のうちの一方の層に膠着されている。本 発明による前記物品に於て、弾性材料の熱可塑性構成要素は本発明の方法に従い 、この場合おむつの外方層へ超音波溶接により取り付けられ、この超音波溶接は 外方層を弾性化する非常に清潔且つ簡単な方法である。 図２は流体不透過性カバー層２と使用者に面する側の流体透過性カバー層３と を持つ吸収体１を有するおむつの股部分を横断面図で示す。その縁部に、二つの 弾性素子４が従来の“サンドイッチ”方法により付与される。二つの立上り折り 曲げ部がおむつの縦方向に配置され、前記折り曲げ部は本発明に従い透液性カバ ー層３に付与された弾性素子により形成され、前記弾性素子は少なくとも一つの 弾性構成要素７と少なくとも一つの熱可塑性構成要素６とから成る。流体透過性 カバー層３はそれぞれの折り曲げ部域内では下層の吸収体へ取り付けられない。 折り曲げ部の弾性材料はFR 2 452 537（このフランス特許明細書の図１参照）に 記載の弾性材料と同じ形状を有し、この弾性材料は本特許出願に於て図４Ａ及び 図４Ｂで図示されるが、基体へ本発明の方法により取り付けられている。FR 2 6 43 915に 示されたものと類似した弾性材料又は他の弾性材料、例えば同時押出又は共重合 された材料、が請求の範囲第１項又は第８項の範囲内で使用できよう。図２の実 施例に於て、弾性材料の熱可塑性構成要素６だけが基体へ取り付けられ、この場 合、基体は透液性カバー層３の内側にあり、それにより弾性構成要素７を損傷す ることなしに弾性材料とカバー層の内側との片面結合が非常に簡単な方法で達成 される。透液性カバー層３は吸収体１へ点１６で膠着される。 図３は衛生ナプキンに於ける本発明の他の実施例を示し、８は図５に示す形式 にできる弾性材料のストリップを示し、これは使用者の体から遠ざかる方向に向 いた液体密封カバー層９へ取り付けられ吸収体１０の片側を覆う。参照数字１１ は衛生ナプキンを使用者のアンダーパンツへ取り付けるための接着部域を示す。 図４Ａ及び図４ＢはFR-A 2 452 537に示されたものと類似した弾性材料の、そ れぞれ平面図及び横断面図を示し、この弾性材料は例えば、溶接により基体へ本 発明の方法に従い取り付けられる。図２に示すものと対応する部分は同じ参照数 字が与えられており、しかして数字７は弾性構成要素、この場合、弾性糸を示し 、数字６はこの場合、超音波溶接により基体へ接合される熱可塑性構成要素を示 す。 図５はFR-A 2 643 915に記載且つ図示されたものと類似した弾性材料の拡大斜 視図を示し、溶接不可能な縦方向の弾性経糸７は溶接可能な横方向の熱可塑性緯 糸６と製織されて弾性テープを形成し、前記弾性テープは図６に示す如く熱可塑 性緯糸６を基体３へ溶接することにより基体へ取 り付けできる。弾性経糸７間の点１２で弾性経糸７に影響を及ぼすことなしに溶 接が行われる。 本発明の方法により製造された物品に使用できる弾性材料、所謂ハイドロ絡合 された弾性材料、の他の実施例が図７に示され、７′はハイドロ絡合することに より摩擦錠止された縦方向弾性糸を示し、ハイドロ絡合とは、ウェブの弛緩繊維 が高圧ウォータジェットに曝され、互いに、また縦方向弾性糸（この場合ゴム糸 ）のまわりで、配置及び絡合されて弾性構成要素と熱可塑性構成要素との間（繊 維間）で摩擦錠止を行う方法である。熱可塑性のハイドロ絡合された繊維布６′ の溶接は弾性糸７′間の及び前記糸の縁でその外側の部域で行われる。勿論、弾 性材料は任意の長さ、幅にでき、また単位幅の弾性糸数も任意にできる。 図８は弾性構成要素、この場合、ゴム糸７′間の及びその外側の溶接部１２′ で基体３′へ取り付けられたかかるハイドロ絡合された弾性材料を横断面図で示 す。 以上、弾性構成要素と熱可塑性構成要素との間の摩擦により保持された弾性材 料を記述した。弾性材料の弾性及び熱可塑性構成要素が化学接着、同時押出又は 共重合により接合されている弾性材料が使用される実施例を以下で記載する。図 ９の例に於ては、相互に化学接着された弾性層７″と熱可塑性層６″とから成る 弾性材料が基体３″へ点１２″で接合されている。基体との結合工程中に、ロー ラ上の加熱ピンが孔を通り動かされ、例えば、熱可塑性層と接触する。また弾性 層は網又は格子形状を有することもでき、溶接ピンが熱可塑性層と接触する中間 スペースに挿入さ れる。 図１０及び図１１は、弾性層７と熱可塑性層６″とから成る弾性材料が基体３ ″へ取り付けられている実用例を示す。点溶接中に、孔１３が弾性構成要素７″ に燃焼形成され、熱可塑性層６″と基体３″とを共に結合する溶接点を形成する 。 図１２は本発明による方法の変化例を示し、それによると弾性構成要素、この 場合、縦方向弾性糸７は、超音波溶接用の超音波ホーン１４の通路を避けるため に、溶接の瞬間にカウンターローラ１５の溝１６内に隠される。しかしながら、 熱可塑性構成要素６はカウンターローラの側面と接触するように配置され、基体 への溶接中にそれとカウンターローラとのニップに於てホーンに当たる（この図 では示されていない）。勿論、この例は純然たる熱的結合にも適用可能であり、 即ち弾性構成要素が回転ローラの溝に隠れることができ、一方で熱可塑性構成要 素がローラの側面の外側で配置され、熱可塑性構成要素が二つのローラ間のニッ プに於て加熱第２ローラと接触することができる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年１２月２２日 【補正内容】 請求の範囲 １．少なくとも一つの弾性構成要素（７）と少なくとも一つの熱可塑性構成要 素（６）とから成る弾性材料を基体（３）へ結合する方法であって、弾性材料の 単数又は複数の熱可塑性構成要素（６）だけが基体（３）へ結合され、前記弾性 構成要素は結合中に伸張状態で保持される方法に於て、結合は超音波溶接により 行われ、弾性材料は前記基体（３）へのみ結合されることを特徴とする方法。 ２．弾性材料は弾性構成要素（５）と熱可塑性構成要素（６）との間の摩擦に より保持されることを特徴とする第１項記載の方法。 ３．弾性構成要素が化学接着により熱可塑性構成要素に接合されることにより 弾性材料が保持されることを特徴とする第１項記載の方法。 ４．化学接着は同時押出又は共重合により行われることを特徴とする第３項記 載の方法。 ５．結合時又は結合前の熱可塑性構成要素（単数又は複数）は本質的に無負荷 状態になることができることを特徴とする第１項ないし第４項の何れか一項記載 の方法。 ６．熱可塑性構成要素（単数又は複数）は比較的に非弾性であることを特徴と する第１項ないし第５項の何れか一項記載の方法。 ７．単数又は複数の弾性構成要素（７）は、弾性材料の単数又は複数の熱可塑 性構成要素（６）の基体（３）への結合中に損傷から保護され、この保護のため に、弾性構成要素が、弾性材料の単数又は複数の熱可塑性構成要素（６ ）を基体（３）へ超音波溶接により結合する手段の凹所又はスペース内へ、結合 中に、動かされることを特徴とする第１項ないし第６項の何れか一項記載の方法 。 ８．弾性材料の弾性及び熱可塑性構成要素が化学接看、例えば、同時押出によ り保持された層であり、熱可塑性層は基体へ直接接触して位置し、基体へ超音波 溶接により結合されることを特徴とする第３項記載の方法。 ９．基体への結合は複数の点で行われることを特徴とする第８項記載の方法。 10．基体と予め伸張されてそれに結合された弾性材料とから成る物品であって 、弾性材料は少なくとも一つの弾性構成要素（５）と少なくとも一つの熱可塑性 構成要素とから成る物品に於て、弾性材料は前記基体へのみ結合され、前記熱可 塑性構成要素は前記基体へ超音波溶接により結合されることを特徴とする物品。 11．弾性材料の熱可塑性構成要素（単数又は複数）は前記弾性構成要素の摩擦 により錠止されることを特徴とする第１０項記載の物品。 12．弾性材料の熱可塑性構成要素（単数又は複数）はその弾性構成要素（単数 又は複数）へ化学接着により、例えば、同時押出又は共重合により接合されるこ とを特徴とする第１０項記載の物品。 13．物品はおむつ、失禁用プロテクタ、パンツ型おむつ又は衛生ナプキンの如 き吸収性使い捨て製品であることを特徴とする第１０項ないし第１２項の何れか 一項記載の物品。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．少なくとも一つの弾性構成要素と少なくとも一つの熱可塑性構成要素とか ら成る弾性材料を基体へ結合する方法に於て、弾性材料の単数又は複数の熱可塑 性構成要素（６）だけが基体（７）へ結合されることを特徴とする方法。 ２．弾性材料の熱可塑性構成要素（単数又は複数）は熱的に又は溶接により基 体へ結合されることを特徴とする第１項記載の方法。 ３．弾性材料は弾性構成要素（５）と熱可塑性構成要素（６）との間の摩擦に より保持されることを特徴とする第１項又は第２項記載の方法。 ４．弾性構成要素が化学接着により熱可塑性構成要素に接合されることにより 弾性材料が保持されることを特徴とする第１項又は第２項記載の方法。 ５．化学接着は同時押出又は共重合により行われることを特徴とする第４項記 載の方法。 ６．結合時又は結合前の熱可塑性構成要素（単数又は複数）は本質的に無負荷 状態になることができることを特徴とする第１項ないし第５項の何れか一項記載 の方法。 ７．熱可塑性構成要素（単数又は複数）は比較的に非弾性であることを特徴と する第１項ないし第６項の何れか一項記載の方法。 ８．単数又は複数の弾性構成要素は、弾性材料の単数又は複数の熱可塑性構成 要素（６）の基体（７）への結合中に損傷から保護され、この保護のために、弾 性構成要素が 、弾性材料の単数又は複数の熱可塑性構成要素（６）を基体（７）へ熱的に又は 溶接により結合する手段の凹所又はスペース内へ、結合中に、動かされることを 特徴とする第２項ないし第７項の何れか一項記載の方法。 ９．弾性材料の弾性及び熱可塑性構成要素が化学接着、例えば、同時押出によ り保持された層である第４項記載の方法に於て、熱可塑性層は基体へ直接接触し て位置し、基体へ熱的に又は溶接により結合されることを特徴とする方法。 10．基体への結合は複数の点で行われることを特徴とする第９項記載の方法。 11．弾性材料は基体へ溶接又は熱的結合された少なくとも一つの熱可塑性構成 要素と少なくとも一つの弾性構成要素（５）とから成ることを特徴とする弾性材 料とそれに結合された基体とから成る物品。 12．弾性材料の熱可塑性構成要素（単数又は複数）は前記弾性構成要素の摩擦 により錠止されることを特徴とする第１１項記載の物品。 13．弾性材料の熱可塑性構成要素（単数又は複数）はその弾性構成要素（単数 又は複数）へ化学接着により、例えば、同時押出又は共重合により接合されるこ とを特徴とする第１１項記載の物品。 14．物品はおむつ、失禁用プロテクタ、パンツ型おむつ又は衛生ナプキンの如 き吸収性使い捨て製品であることを特徴とする第１１項ないし第１３項の何れか 一項記載の物品。