JPH0613820U - 吸収パッド付き伸縮包帯 - Google Patents
吸収パッド付き伸縮包帯Info
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- JPH0613820U JPH0613820U JP5306192U JP5306192U JPH0613820U JP H0613820 U JPH0613820 U JP H0613820U JP 5306192 U JP5306192 U JP 5306192U JP 5306192 U JP5306192 U JP 5306192U JP H0613820 U JPH0613820 U JP H0613820U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 伸縮包帯に吸収パッドを一体化させた吸収パ
ッド付き伸縮包帯において、吸収パッドの接合個所に硬
化部分が生じず、柔軟性およひ伸縮性に優れた伸縮包帯
の機能を良好に発揮することのできる吸収パッド付き伸
縮包帯を提供する。 【構成】 表糸に被覆弾性糸を用い、交編糸に合成繊維
紡績糸および/または合成繊維フィラメントを用いて編
成され、少なくとも糸の一部に溶接性材料が用いられた
伸縮包帯10の片面に、吸収層の両面に被覆支持層が設
けられ、少なくとも片面の被覆支持層が溶接性材料から
なる吸収パッド20が、溶接性材料からなる被覆支持層
を伸縮包帯側にして、溶接されている。
ッド付き伸縮包帯において、吸収パッドの接合個所に硬
化部分が生じず、柔軟性およひ伸縮性に優れた伸縮包帯
の機能を良好に発揮することのできる吸収パッド付き伸
縮包帯を提供する。 【構成】 表糸に被覆弾性糸を用い、交編糸に合成繊維
紡績糸および/または合成繊維フィラメントを用いて編
成され、少なくとも糸の一部に溶接性材料が用いられた
伸縮包帯10の片面に、吸収層の両面に被覆支持層が設
けられ、少なくとも片面の被覆支持層が溶接性材料から
なる吸収パッド20が、溶接性材料からなる被覆支持層
を伸縮包帯側にして、溶接されている。
Description
【0001】
この考案は、吸収パッド付き伸縮包帯に関し、詳しくは、各種医療用に用いら れている伸縮性を有する包帯と、血液などを吸収する吸収パッドとを組み合わせ てなる吸収パッド付き伸縮包帯に関するものである。
【0002】
従来、通常の包帯は、脱脂・漂白された綿糸やスフ糸を用いて形成されている 。また、包帯の長手方向に、綿コアースパンヤーンなどのスパッデックス弾性糸 入りの糸を編み込んで、伸縮性を高めた伸縮包帯も用いられている。伸縮包帯は 、創傷患部に当てたガーゼや脱脂綿の上から巻いておけば、ガーゼ等がずれたり 、巻きゆるみが生じ難いという優れた機能を備えている。
【0003】
ところが、上記のような伸縮包帯で、ガーゼ等の滑りやずれを確実に防ぐには 、ゴムやスパンデックス弾性糸の緊縛力すなわち収縮力を強くしておかなければ ならないが、そうすると、装着時に肌に食い込んで、血液の循環を悪くしたり、 装着者に不快な思いをさせるるという問題があった。
【0004】 そこで、前記綿糸などを用いた通常の包帯に、ガーゼや脱脂綿などからなる吸 収パッドを接合一体化させた吸収パッド付き包帯も提案されている。この吸収パ ッド付き包帯であれば、吸収パッドがずれる心配はない。 しかし、従来の吸収パッド付き包帯では、吸収パッドを接着剤や樹脂を介して 包帯に接合していたため、硬化した接着剤や樹脂が、その部分の包帯を硬くして しまい、患部への巻き付けが柔軟に行えなかったり、装着者に不快な思いをさせ るという問題があった。これは、伸縮包帯に吸収パッドを一体化させた吸収パッ ド付き伸縮包帯の場合でも同様である。特に、伸縮包帯は柔軟に伸縮できること が利点であるから、伸縮包帯の一部に前記した接着剤や樹脂による硬化部分が存 在すると、伸縮包帯としての機能が十分に発揮されないことになる。
【0005】 そこで、この考案の課題は、伸縮包帯に吸収パッドを一体化させた吸収パッド 付き伸縮包帯において、吸収パッドの接合個所に硬化部分が生じず、柔軟性およ ひ伸縮性に優れた伸縮包帯の機能を良好に発揮することのできる吸収パッド付き 伸縮包帯を提供することにある。
【0006】
上記課題を解決する、この考案にかかる吸収パッド付き伸縮包帯は、表糸に被 覆弾性糸を用い、交編糸に合成繊維紡績糸および/または合成繊維フィラメント を用いて編成され、少なくとも糸の一部に溶接性材料が用いられた伸縮包帯の片 面に、吸収層の両面に被覆支持層が設けられ、少なくとも片面の被覆支持層が溶 接性材料からなる吸収パッドが、溶接性材料からなる被覆支持層を伸縮包帯側に して、溶接されている。
【0007】 この考案において、溶接とは、繊維製品や布製品の技術分野では、一般に「ウ ェルダ接着加工」とも呼ばれる技術であり、複数の材料の接触面を、熱や圧力の 作用で溶融させて、材料同士を直接、互いに一体接合することを意味している。 具体的には、高周波溶接、超音波溶接、加熱溶接、加圧溶接などを含んでいる。 但し、複数の材料の間に接着剤もしくは接着樹脂を介在させ、これらの接着剤も しくは接着樹脂を硬化させて、両側の材料を接合する方法は含まない。溶接性材 料とは、このような溶接による接合が可能な材料を意味している。例えは、一般 的な繊維材料のうち、綿やスフなどの天然繊維は溶接できないものが多く、溶接 性材料としては、通常、合成繊維もくしは合成樹脂が用いられる。
【0008】 被覆弾性糸は、芯糸となる弾性糸として、ポリウレタン弾性糸、ポリエーテル エステル弾性糸、ポリエステル弾性糸、あるいは、ポリアミド弾性糸などが用い られる。弾性糸の太さは、30〜140デニールが好ましい。弾性糸として溶接 可能な材料を用いることもできるが、通常は、弾性糸としては、伸縮性などの機 能を持たせることを主眼に選択して、溶接性については、カバード糸などの他の 構成糸に持たせるようにしたほうが好ましい。
【0009】 上記弾性糸を被覆する被覆糸あるいはカバード糸としては、通常の被覆弾性糸 におけるカバード糸の材料と同じものが使用できる。カバード糸として、例えば 、ナイロン糸、アクリロニトリル糸、ポリビニルアルコール糸、塩化ビニル糸あ るいは塩化ビニリデン糸などの合成繊維糸が挙げられる。これらの合成繊維糸は 、高周波内部加熱によって軟化溶融し易く、溶接可能である。
【0010】 また、ポリプロピレン糸やポリエチレン糸も溶接可能であり、特に、融点が低 いので、外部加熱によっても軟化溶融させて溶接することができる。さらに、こ れらの糸の表面に、酸化鉄や酸化クロム等の金属酸化物、グリセリン、エチレン グリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール、などの化合物を付 与しておくと、高周波加熱により、これらの化合物が溶接性を示すので、糸の本 体部分は溶接性を有しなくても、糸全体としては溶接性を示すことになる。
【0011】 ポリエステル糸は、融点が高く、通常の高周波内部加熱や外部加熱などでは溶 接し難いが、高周波印加条件を考慮すれば、溶接させることができる。また、ス ルホン酸金属塩基含有エステル形成成分を共重合したポリエステル改質糸や、イ ソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸などの酸成分を付加的に共重合したポリエ ステル、または、多価アルコールアルキレンオキシド付加体を速財せしめたポリ エステル等も溶接性を有する糸として使用できる。
【0012】 カバード糸は、上記のような溶接性を示す糸のみで構成してもよいし、溶接性 のある糸と溶接性のない糸を混在させたものでもよい。さらに、後述する交編糸 に溶接性材料を用いる場合には、被覆弾性糸のカバード糸としては、溶接性を有 さない各種の糸を用いることも可能である。 被覆弾性糸は、前記した芯糸とカバード糸を用い、通常の製造条件で製造する ことができる。例えば、芯糸をドラフト倍率2.0〜4.5倍の伸長状態にして おき、ボビンに巻かれたカバード糸を中空スピンドルに挿入し高速回転させて、 前記芯糸に巻き付けさせればよい。
【0013】 伸縮包帯は、表糸に被覆弾性糸を用い、交編糸に合成繊維紡績糸および/また は合成繊維フィラメントを用いて、通常の編成組織あるいは編成方法で編成され る。交編糸となる合成繊維紡績糸および/または合成繊維フィラメントとしては 、前記した被覆弾性糸のカバード糸に用いられたような溶接性を有する糸のほか 、通常の伸縮包帯その他の用途に利用されている各種素材からなる糸を用いるこ とができる。実用上は、交編糸として合成繊維紡績糸が好ましい。
【0014】 編地は、横メリヤス地あるいは経編地が採用できるが、包帯の機能上は、経編 地の方が好ましい。また、トリコット編地であってもよいし、ラッセル編地でも よい。編組織としては、平編、チュール編、ハーフ編、逆ハーフ編、ダブルアト ラス編、ダブルデービー編や、これらの組織を組み合わせたネット組織、糸抜き 柄などが採用できる。
【0015】 伸縮包帯の緊縛力や吸収パッドのシワ発生防止、剥離性などの点から、編地の 伸長率が、包帯の長手方向で100%以下であることが好ましく、より望ましく は50%以下に設定しておく。衛生面からは、通気性のよいメッチュ柄を基調に した編組織が好ましい。 編成法は、例えば、ラッシェル経編機であれば、まず、通常の弾性糸用整経機 にてビーム巻きを行い、ついで編組織に応じて、ランナー設定を行うなど、通常 のナイロン糸交編と全く同様に取り扱うことができる。
【0016】 染色加工は、通常の包帯製造の場合と同様の処理を行えばよいが、例えば、以 下に示す処理が好ましい。まず、精練漂白として、糊抜後水洗、0.4〜0.6 %苛性ソーダ液+界面活性剤を用いて100℃で1時間煮沸、過酸化水素漂白、 水洗の各工程を行う。つぎに、70〜110℃で乾燥し、ピンテンターで整幅し た後、捨て糸を抜糸する。
【0017】 吸収パッドを構成する吸収層としては、包帯の利用目的に応じて、血液その他 の液体の吸収能力の高い吸収性材料が使用できる。例えば、コットンリント、脱 脂綿、テッシュ、ウッドパルプなどが挙げられる。被覆支持層は、上記吸収層が バラバラになったり偏ったりしないように保持しておくことができれば、任意の 布あるいはフィルム材料が使用できる。装着個所に当接する側の被覆支持層には 、吸収層の吸収機能を阻害しないように、通液性を有する材料を用いる。また、 包帯の通気性を良好にするには、通気性の材料が好ましい。素材自体には、通液 性や通気性がなくても、細かな孔やスリットを多数形成しておくことによって、 通液性や通気性を持たせることもできる。
【0018】 具体的には、被覆支持層として、ナイロン不織布、ポリエステル不織布、ポリ プロピレン不織布などの合成繊維不織布を用いることができる。また、ポリエス テルフィルムや塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフ ィルムなどの合成樹脂フィルムに多数の細かい孔を貫通形成したものも使用でき る。吸収パッド付き伸縮包帯を、患部に装着したときに、患部への当接面が平滑 であるほうがよい場合には、吸収パッドの表面に露出する側の被覆支持層として 、合成樹脂フィルムを用いるのが好ましい。
【0019】 これらの被覆支持層のうち、吸収パッドを伸縮包帯に接合する際に、伸縮包帯 に面する側の被覆支持層は、溶接性を有する材料を用いる。具体的には、前記し た被覆弾性糸において溶接性材料として用いたような合成樹脂、あるいは、合成 樹脂の表面に各種化合物を付与したものなどが使用できる。 吸収パッドは、吸収層の両面に被覆支持層を配置し、吸収層の外縁部分などで 被覆支持層同士を前記溶接その他の手段で接合して構成する。吸収層の外縁のう ち、全周で被覆支持層同士を接合すれば、吸収層は被覆支持層の内部に完全に閉 じ込められる形になるが、吸収層の対向する2辺だけで、被覆支持層同士を接合 しておいてもよい。被覆支持層同士の接合を、吸収パッドを伸縮包帯に溶接する 工程と同時に行うこともできる。すなわち、伸縮包帯、被覆支持層、吸収層およ び被覆支持層を重ねて配置した状態で、溶接処理を行えば、吸収パッドの製造お よび吸収パッドと伸縮包帯の一体化が同時に達成できる。
【0020】 吸収パッドは、伸縮包帯の全面に設けておく必要はない。通常は、帯状の伸縮 包帯の一部のみに、必要な大きさの吸収パッドを設けておけばよい。 吸収パッドを伸縮包帯に溶接する方法としては、高周波印加による溶接、超音 波印加による溶接、加熱部材を押し当てることによる溶接、熱風やレーザ光によ る溶接その他、各種合成樹脂製品や繊維製品の溶接加工で利用されている通常の 溶接方法や処理条件が適用できる。このとき、吸収パッドのうち、溶接性を有す る被覆支持層を伸縮包帯に面する側に配置した状態で、前記のような溶接処理を 行うものとする。
【0021】 溶接加工の際に、伸縮包帯あるいは吸収パッドを構成する材料の熱溶融温度や 耐熱性に大きな違いがあると、溶接がうまくいかなかったり、特性の劣化が起こ る。そこで、伸縮包帯および吸収パッドを構成する溶接性材料としては、熱溶融 温度の差が小さなものを用いるのが好ましい。また、溶接性材料と同時に用いる 他の材料、例えば、吸収層の材料などの耐熱温度よりも低い温度で溶接できる材 料が好ましい。具体的には、例えば、溶接性材料であるウーリーナイロン糸で被 覆された被覆弾性糸を用いた伸縮包帯と、溶接性材料からなる被覆支持層として 塩化ビニル不織布を用いた吸収パッドを組み合わせれば、良好な結果が得られる 。
【0022】
この考案では、伸縮包帯と吸収パッドを一体接合する方法として、前記した溶 接という手段を採用する。溶接は、互いに接合する材料同士を直接的に接合する 方法であるから、他の材料が介在することなく、また、伸縮包帯を構成する糸の 構造や特性を変えることなく、伸縮包帯と吸収パッドを接合できる。
【0023】 その結果、伸縮包帯あるいは吸収パッドの保有する良好な伸縮性や柔軟性を、 伸縮包帯と吸収パッドの接合個所でも十分に発揮することが可能になり、局部的 に硬いところのない、優れた特性の吸収パッド付き伸縮包帯となる。 伸縮包帯として、表糸に被覆弾性糸を用い、交編糸に合成繊維紡績糸および/ または合成繊維フィラメントを用いて編成され、少なくとも糸の一部に溶接性材 料が用いられたものを用いることにより、前記した溶接の可能な伸縮包帯を構成 することができる。また、吸収パッドとして、吸収層の両面に被覆支持層が設け られ、少なくとも片面の被覆支持層が溶接性材料からなるものを用いることによ り、バラバラになったり偏ったりし易い吸収層を被覆支持層で確実に保持させて おくことができるとともに、吸収パッドを溶接することが可能になる。
【0024】 上記のような伸縮包帯と吸収パッドを、吸収パッドの溶接性材料からなる被覆 支持層を伸縮包帯側にして溶接すれば、伸縮包帯および吸収パッドの溶接性材料 により、伸縮包帯と吸収パッドの溶接が可能になる。
【0025】
ついで、この考案の実施例について、図面を参照しながら以下に説明する。 図1は、吸収パッド付き伸縮包帯の全体構造を表し、図2は、要部の詳細構造 を表している。 伸縮包帯10は、経編地などからなり、通常の包帯と同様に、適当な幅を有す る長尺の帯状に形成されている。伸縮包帯10の長さ方向の途中、通常は一端に 近い部分に、伸縮包帯10の幅とほぼ同じ幅を有し、正方形状に近い矩形状をな す吸収パッド20が接合一体化されている。
【0026】 吸収パッド20は、脱脂綿などからなる吸収層24と、吸収層24を両面から 挟む被覆支持層21、26で構成されている。伸縮包帯10側の被覆支持層26 は、溶接性を有する合成繊維から作製された不織布からなり、吸収パッド20の 表面側の被覆支持層21は、同じく溶接性を有する合成樹脂フィルムに多数の微 細な孔22を貫通形成したものからなる。
【0027】 吸収パッド20のうち、伸縮包帯10の長手方向の2辺で、吸収層24の上下 の被覆支持層21、26および伸縮包帯10を、高周波を印加しながら加圧して 、互いに溶接一体化させている。すなわち、溶接部30が、吸収パッド20の幅 方向全長にわたって形成されている。吸収パッド20の下側の被覆支持層26は 、溶接部30のみで線状に伸縮包帯10に接合されているので、その他の個所で は、伸縮包帯10とは別個に伸縮変形可能になっている。
【0028】 吸収パッド付き伸縮包帯を保管あるいは流通させる際には、長尺の伸縮包帯1 0をロール状に巻回した状態にしておくが、このとき、ロール状に巻回した伸縮 包帯10の最外層の内側面に吸収パッド20が配置されるような状態にしておく と、取り扱いに便利である。 図3は、伸縮包帯10の経編組織の具体例を示している。この編成組織は、ク インズコード編と呼ばれており、実線は前筬L−1を示し、点線は後筬L−2あ を示している。具体的には、2枚のフルセットのガイドバーを用い、一方は鎖編 を行い、他方は3×1のラップを行う。前筬L−1の編目は、第1コース開き目 (2−0)、第2コース開き目(0−2)を繰り返す。後筬L−2の編目は、第 1コース閉じ目(2−0)、第2コース(6−8)を繰り返している。
【0029】 これをまとめると以下のようになる。 フロント(被覆弾性糸)L−1=20/02// バック(合成繊維糸) L−2=20/68// 図4は、吸収パッド20の別の実施例を示しており、予め吸収パッド20を作 製してから、この吸収パッド20を伸縮包帯10に溶接する場合である。
【0030】 ほぼ正方形状の脱脂綿からなる吸収層24に対して、これよりも外形がひと回 り大きく溶接性を有する合成繊維不織布からなる被覆支持層26および合成樹脂 フィルムからなる被覆支持層21を用いる。被覆支持層21には、多数の微細な 孔が貫通形成されている。 脱脂綿24を間に挟んで、上下の被覆支持層21、26を配置すると、被覆支 持層21、26の外周に沿った耳部28では被覆支持層21、26同士が対向し ているので、この対向面に接着剤あるいは糊剤を塗布して、上下の被覆支持層2 1、26を接合する。吸収層24は、被覆支持層21、26の内部に封入される ことになる。
【0031】 このようにして作製された吸収パッド20を、前記したような伸縮包帯10の 上に溶接すれば、吸収パッド付き伸縮包帯が得られる。 つぎに、より具体的な実施例について説明する。 −実施例1− (1) 伸縮包帯 寸法:10cm×3m(放縮長2m) 編成:ラッセル経編 糸使い: フロント=ポリウレタン被覆弾性糸(#S475WT) ポリエステル仮より加工糸(75デニール/36フィラメント 、東レ製)をポリウレタン弾性糸(40デニール/タイプ12 7、東レデュポン製、登録商標「オペロン」)に、シングルカ バーリングしたもの ミドル=ポリエステルフィラメント糸 T100デニール/24フィラメント−SS(帝人製) バック=ポリエステル紡績糸 T100 30S(東レ製) 捨て糸 スフ糸30S(東レ製) 編機:14G×130”3枚筬ラッセル(山本繊維機械製)26本取り 編成組織:フロント1−0/1−0// ミドル1−0/0−1// バック0−0/3−3// 密度 32コース/in×57針/幅 ストレッチ率:50% (2) 吸収パッド 寸法:幅10cm×長さ12cm×厚み3mm 材質: 吸収層=局方脱脂綿 表面側被覆支持層=孔あきポリエステルフィルム (厚さ20μm、帝人製) 伸縮包帯側被覆支持層=ポリエステル不織布#8103、目付30g/m2 (デュポンジャパン製、登録商標「ソンタラ」) (3) 溶接加工条件 伸縮包帯および吸収パッド材料を順次重ね合わせ、高周波電極間で挟圧しつ つ、27MHz の高周波を11秒間印加した。溶接装置は、高周波接着装置TDW 4003DA(特殊電気工業製)を用いた。なお、溶接装置としては、高周波接 着装置LW4000W(クインライト電子精工製)や、超音波接着装置BRAN SON(日本エマソン製)等も使用可能であった。
【0032】 得られた吸収パッド付き伸縮包帯に対して、常法にしたがって剥離試験を行っ た。試験の結果は、伸縮包帯と吸収パッドの接合個所が剥離する前に、吸収パッ ドの表面側の被覆支持層すなわちポリエチレンフィルム自体に破壊が生じて、内 部の吸収層すなわち脱脂綿が破れ出てしまった。この状態では、伸縮包帯と吸収 パッドの間には全く剥離が生じていなかった。したがって、伸縮包帯と吸収パッ ドの接合は、実用上十分な程度に強固であることが実証された。
【0033】 −実施例2− 実施例1において、被覆弾性糸のカバード糸として、ウーリーナイロン糸(融 点215〜220℃)を用い、伸縮包帯をトリコット編クインズコート組織で編 成し、吸収パッドの伸縮包帯側被覆支持層を塩化ビニル不織布(融点200〜2 10℃)に変えた以外は、実施例1と同様の方法で、吸収パッド付き伸縮包帯を 製造した。その結果は、実施例1と同様に、吸収パッドと伸縮包帯の接合は強固 であり、包帯を繰り返し使用しても、十分に耐えることができた。
【0034】 これに対し、実施例1において、カバード糸には同じポリエステル糸(融点2 55〜260℃)を用い、伸縮包帯をラッシェル編メッシュ柄で編成し、吸収パ ッドの伸縮包帯側被覆支持層を塩化ビニル不織布(融点200〜210℃)で実 施した場合には、吸収パッドと伸縮包帯の接着強力は十分であったが、塩化ビニ ルの熱劣化が著しいため、引裂強力が弱く、使用中に吸収パッドが離れてしまっ た。
【0035】 このことから、溶接性材料としては、溶融温度が近いものを用いるのが好まし く、使用する材料の耐熱温度よりも低い温度で溶接を行うことが好ましいことが 判る。
【0036】
以上に述べた、この考案にかかる吸収パッド付き伸縮包帯によれば、伸縮包帯 と吸収パッドを、接着剤や接着樹脂を用いずに、直接に溶接しているので、伸縮 包帯と吸収パッドの接合個所が局部的に硬くなることがない。 したがって、吸収パッドを一体化しているにも関わらず、柔軟性あるいは伸縮 性に優れた伸縮包帯の機能を、吸収パッドの接合個所を含む伸縮包帯の全長にわ たって良好に発揮することができる。
【0037】 また、接着剤を使用しないので、接着剤の乾燥工程などが不要になり、製造コ ストの削減および製造工程の能率化を図ることもできる。 この考案の吸収パッド付き伸縮包帯は、家庭や自動車内に常備しておくことに より、突発的な事故が発生した場合にも、即時に慌てることなく応急処置を施す ことができ、実用上、きわめて有用なものとなる。
【図1】 この考案の実施例を示す吸収パッド付き伸縮
包帯の平面図
包帯の平面図
【図2】 吸収パッド部分の拡大断面図
【図3】 伸縮包帯の編成組織図
【図4】 吸収パッドの別の実施例を示す平面図(a) お
よび断面図(b)
よび断面図(b)
10 伸縮包帯 20 吸収パッド 24 吸収層 21、26 被覆支持層 30 溶接部
Claims (1)
- 【請求項1】 表糸に被覆弾性糸を用い、交編糸に合成
繊維紡績糸および/または合成繊維フィラメントを用い
て編成され、少なくとも糸の一部に溶接性材料が用いら
れた伸縮包帯の片面に、吸収層の両面に被覆支持層が設
けられ、少なくとも片面の被覆支持層が溶接性材料から
なる吸収パッドが、溶接性材料からなる被覆支持層を伸
縮包帯側にして、溶接されていることを特徴とする吸収
パッド付き伸縮包帯。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992053061U JP2579024Y2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 吸収パッド付き伸縮包帯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992053061U JP2579024Y2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 吸収パッド付き伸縮包帯 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0613820U true JPH0613820U (ja) | 1994-02-22 |
JP2579024Y2 JP2579024Y2 (ja) | 1998-08-20 |
Family
ID=12932333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992053061U Expired - Fee Related JP2579024Y2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 吸収パッド付き伸縮包帯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2579024Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011067615A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-04-07 | Nichiban Co Ltd | 貼付材 |
KR102480412B1 (ko) * | 2022-05-25 | 2022-12-23 | 권기창 | 서로 다른 기능을 개별 분담할 수 있도록 한 내부 붕대와 외부 붕대를 구비하는 하이브리드 붕대 |
-
1992
- 1992-07-28 JP JP1992053061U patent/JP2579024Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011067615A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-04-07 | Nichiban Co Ltd | 貼付材 |
KR102480412B1 (ko) * | 2022-05-25 | 2022-12-23 | 권기창 | 서로 다른 기능을 개별 분담할 수 있도록 한 내부 붕대와 외부 붕대를 구비하는 하이브리드 붕대 |
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---|---|
JP2579024Y2 (ja) | 1998-08-20 |
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