JP2578853B2 - イオン交換塔の上昇流再生方法 - Google Patents

イオン交換塔の上昇流再生方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、例えば2床3塔型純水製造装置等に利用す
ることの出来るイオン交換塔の上昇流再生方法の改良に
関する。
<従来の技術> イオン交換樹脂を用いた液体処理装置としては、例え
ば強電解質陽イオン交換樹脂を充填した単床式の陽イオ
ン交換塔と、脱炭酸塔と、強電解質陰イオン交換樹脂を
充填した単床式の陰イオン交換塔とを組み合わせてなる
2床3塔型の純水装置が代表的であるが、前記各イオン
交換塔における処理方法としては、従来下向流通水、下
向流再生(いわゆる下向流再生方法)が一般的であっ
た。
しかし、最近は被処理水の通水は下向流で、再生剤の
通薬及び押し出しは上昇流で、それぞれイオン交換塔内
に通流させるいわゆる上昇流再生方法が盛んに用いられ
るようになっている。
当該上昇流再生方法は、イオン交換塔に充填したイオ
ン交換樹脂層の下部をほぼ完全に再生することが出来る
ので、(1)通水時の処理水質が良い、(2)再生薬品
の使用量を低減させることが出来、そのためランニング
コストが安い、等のメリットがある。
また、このような上昇流再生方法を採用し、かつ前記
単床式の場合よりも更にランニングコストを低減し得る
イオン交換塔として、上層に弱電解質イオン交換樹脂
を、下層に強電解質イオン交換樹脂を、それぞれ複層床
式に充填したイオン交換塔も既に実用に供されている。
ところで、上昇流再生方法の前記利点を充分に生かし
た効率の良いイオン交換処理を行うためには、再生中イ
オン交換樹脂層を流動化しない状態に保つことが必要で
ある。そのため、一般的には再生の際にイオン交換塔の
上部より空気や水等の流体を流入させ、当該流体の流入
圧力によってイオン交換樹脂層を上方から押圧保持し、
通薬工程あるいは押し出し工程におけるイオン交換樹脂
層の流動化を防止しようとしている。
しかし、一般にイオン交換樹脂は通水終了時の飽和型
から再生終了時の再生型に移行する時に基本的な収縮が
見られるとともに、これに再生剤として使用する鉱酸や
アルカリ溶液中での収縮が加わるので、再生時にかなり
収縮することが認められる。かかるイオン交換樹脂の再
生時の収縮は特に弱電解質イオン交換樹脂の場合に顕著
であり、体積比で20%以上も収縮する場合が多い。
従って、イオン交換樹脂を上昇流で再生する場合に
は、その再生剤の通薬過程でイオン交換樹脂の収縮現象
が生じるのでイオン交換樹脂層がルーズとなり、イオン
交換塔の上部から空気や水等の流体を流入させただけで
はイオン交換樹脂層全体をコンパクトに保持することは
困難となり、どうしてもイオン交換樹脂層が流動化して
しまう。イオン交換樹脂層が流動化すると、再生剤とイ
オン交換樹脂との接触効率が悪くなったり、あるいは再
生剤の片流れが生じたりしてその分イオン交換樹脂の再
生効率が悪くなり、通水時における処理水質の悪化や通
水収量の低下等を招く。上昇流再生方法においては、再
生剤の使用量をほぼ極限まで低減させるようにしている
ので、再生時におけるイオン交換樹脂層の流動化は極力
防止しなければならず、特に充填イオン交換樹脂層の下
部における流動化は例えわずかであっても許されない。
そこで、前記したイオン交換樹脂の収縮による流動化
を防止し、イオン交換樹脂層を常にコンパクトに保持す
る工夫が種々なされている。以下に述べる方法もその一
つである。すなわち、上昇流再生方法におけるイオン交
換樹脂の収縮は、最初に再生剤と接触するイオン交換塔
の下部い位置するイオン交換樹脂から始まる。従って、
再生中、イオン交換樹脂層を常に下方から押圧し、前記
収縮が生じた場合にはこれに応じてイオン交換樹脂層を
速やかに上方に押し付けることが出来るような上昇流方
向の力を加えることにより、イオン交換樹脂層を常にコ
ンパクトに保持することが出来る。具体的には、イオン
交換樹脂層を上方から押圧保持する力を越えない範囲内
で、再生剤の上昇減速を進めれば良く、このようにする
と、収縮してルーズとなったイオン交換樹脂層が上方に
押し付けられて常にコンパクトに保持される訳である。
以下に、上述のような上昇流再生方法を図面を用いて説
明する。
第3図は、従来の複層床式イオン交換塔のフローを示
す説明図であり、1はイオン交換塔で、塔内には上層に
弱電解質イオン交換樹脂2を、その下層に強電解質イオ
ン交換樹脂3を、それぞれ複層床式に充填してあり、ま
た弱電解質イオン交換樹脂2の上層部内にはコレクター
4を埋設してある。なお、5はイオン交換樹脂を支持す
る支持床であり、通常珪石等を用いる。
このようなイオン交換塔1の再生を行う場合には、イ
オン交換塔1の上部に付設した流体流入管6より空気や
水等の流体を流入させてイオン交換樹脂層を上方から押
圧保持するとともに、イオン交換塔1の下部に付設した
再生剤流入管7より、所定濃度の再生剤を所定の流速で
流入させ、前記流体とイオン交換樹脂2、3を再生した
再生廃液とをコレクター4から流出させる。当該再生剤
は、計量槽8内の濃厚な再生薬液を、被処理水や純水等
を駆動水とするエゼクタ9によって吸引、希釈すること
により、所定濃度に調整される。この際、再生剤の上昇
流速を、再生が進行してイオン交換樹脂2、3の収縮が
生じた場合にはこれに応じてイオン交換樹脂層を上方に
押し付けることが出来るような流速とし、イオン交換樹
脂層を前記流体によって上方から押圧保持するととも
に、当該再生剤の上昇流によってイオン交換樹脂層を下
方からも押圧し、イオン交換樹脂層を常にコンパクトに
保持する。なお、再生剤の上昇流速をあまり速くする
と、それに応じてイオン交換塔の上方から流入させる流
体の流速も速くしなければならないので不経済であり、
また再生剤とイオン交換樹脂2、3との接触時間が短く
なって再生効率の低下を招くので好ましくなく、実用的
にはイオン交換樹脂2、3の収縮による樹脂層の流動化
を防止し得る最低の上昇流速で再生剤を通薬することが
必要である。その流速はイオン交換樹脂の種類、再生剤
の濃度、通薬温度、イオン交換塔の寸法等によっても異
なるが、例えば強電解質陽イオン交換樹脂を4〜5%の
HCl溶液で再生する場合にはLV=8〜12m/H程度、強電解
質陰イオン交換樹脂を1〜4%の苛性ソーダ溶液で再生
する場合には、LV=7〜10m/H程度である。なお、弱電
解質イオン交換樹脂はその比重が対応する強電解質イオ
ン交換樹脂のそれより小さいので、上記流速を与えれば
弱電解質イオン交換樹脂も当然上方に押し付けられる。
再生剤の通薬を続行するうちに、イオン交換樹脂2、
3の収縮現象が進行し、収縮した分だけイオン交換樹脂
層は上方に押し付けられるので、遂にはイオン交換樹脂
層の下部であって支持床5の上部のイオン交換塔1内に
空間部Aが形成されるようにになる。
再生剤の通薬工程が終了したら、計量槽8とエゼクタ
9と連通する配管に付設した弁10を直ちに遮断し、一方
エゼクタ9の駆動水はそのままの流速で流し続けて、駆
動水管11、エゼクタ9、及び再生剤流入管7を通してイ
オン交換塔1内に流入させ、いわゆる押し出し工程を行
う。当該押し出し工程においては、エゼクタ9の駆動水
を押し出し水とし、当該押し出し水によって再生剤流入
管7等の配管内あるいはイオン交換塔1内に残留する再
生剤を押し出し、再生剤の有効利用を図る。
なお、第3図において12は被処理水流入管、13は通水
用ディストリピュータ、14は処理水流出管、15は逆洗水
流入管をそれぞれ示す。
以上が従来の複層式イオン交換塔の概略構造及びその
上昇流再生方法であるが、単床式のイオン交換塔の場合
も基本的には同じである。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、上述のような従来の上昇流再生方法に
は以下のような問題点がある。
すなわち、上記再生方法においては、再生剤の通薬工
程を終了した時点で、イオン交換樹脂の収縮現象によっ
て形成された空間部Aに、再生剤が充満していることと
なる。通薬工程終了後は、前述の如く計量槽8とエゼク
タ9とを連通する配管に付設した弁10を直ちに遮断して
再生薬液の吸引を停止し、次の押し出し工程に移行する
が、当該押し出し工程における押し出し水の上昇流速
は、前記エゼクタでの再生薬液の吸引がストップする分
だけ低下することとなるものの、その量はわずかである
ので実際には通薬工程における再生剤の上昇流速とほと
んど変わらない。しかしながら、当該押し出し工程の際
に流入させる水は再生剤よりも比重が小さいので、弁10
を直ちに遮断して再生薬液の吸引を瞬時にストッピした
場合には、ほぼ同じ上昇流速ではあっても押し出し工程
においてイオン交換樹脂層を上方に押し付ける力が、通
薬工程におけるそれに比べて若干弱くなる。更に、前記
空間部Aに充満している比重の大きい再生剤中に、それ
より比重の小さい水が流入する際の比重差によって、当
該空間部A内に図面に矢印で示したような対流現象が生
じ、そのために当該空間部A近傍のイオン交換樹脂層の
流動化が生じる。従って、当該押し出し工程において再
生剤の有効利用がなされなくなり、特にイオン交換樹脂
層下部の再生が不充分となってやはり通水時の処理水質
悪化や通水収量の低下を招く。
本発明は、イオン交換塔の上部から流入させる空気や
水等の流体によってイオン交換樹脂層を上方から押圧保
持するとともに、イオン交換塔の下部から流入させる再
生剤の上昇流によって、イオン交換樹脂層を下方からも
押圧しながら再生を行う上昇流再生方法における上述の
ような問題点を解決するもので、再生剤の通薬工程から
押し出し工程に移行する際のイオン交換樹脂層の流動化
を防止し、理想的な上昇流再生が行える、イオン交換塔
の再生方法を提供することを目的とするものである。
<問題点を解決するための手段> 上記問題点を解決するためになされた本発明の第1発
明は、通薬工程における前記したイオン交換樹脂の収縮
が生じた際に、当該収縮によるイオン交換樹脂層のルー
ズ化を再生剤の上昇流によって防止するようにした上昇
流再生方法において、通薬工程後に行う押し出し工程に
おける押し出し水の上昇流速を、前記通薬工程における
再生剤の上昇流速よりも増大させることを特徴とするも
のであり、また本発明の第2の発明は、通薬工程の末期
において再生剤の通薬濃度を徐々に低下させることを特
徴とするものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の第1発明は、通薬工程から押し出し工程に移
行する際のイオン交換樹脂層の流動化を効果的に防止す
るために、押し出し水の上昇流速を再生剤のそれよりも
LVで例えば2〜4m/H程度増大させるものである。なお、
再生剤の上昇流速自体が前述の如くイオン交換樹脂の種
類、再生剤の濃度、イオン交換塔の寸法等の因子によっ
て異なるので、具体的な数値は各ケースによって適宜決
定すればよいが、一例を示せば以下の如くである。
すなわち、強電解質陽イオン交換樹脂を4〜5%HCl
溶液で再生する場合は、再生剤の上昇流速を前述の如く
LV=8〜12m/H、押し出し水の上昇流速をLV=11〜15m/H
とし、また強電解質陰イオン交換樹脂を1〜4%NaOH溶
液で再生する場合には、再生剤の上昇流速をLV=7〜10
m/H、押し出し水の上昇流速をLV=10〜13m/Hとするとよ
い。押し出し工程における押し出し水の上昇流速を、通
薬工程における再生剤の上昇流速よりも増大させるため
の具体的実施方法はいかなるものでもよいが、例えば第
1図に示したごとくイオン交換塔1の下部に新たに補給
水の流入配管16を付設し、通薬工程終了後はエゼクタ9
の駆動水を従来と同じように流し続けて押し出し水の一
部とするとともに、前記補給水の流入配管16より増量分
の押し出し水を補給するようにするとよい。
また、本発明の第2発明は、通薬工程の末期、例えば
通薬工程終了の1〜3分前までは一定濃度の再生剤を通
薬するようにし、当該通薬工程の最後の1〜3分間にお
いて、再生剤の通薬濃度を徐々に低下させるものであ
る。当該第2発明を実施する場合には、例えば第2図に
示したごとく、計量槽8とエゼクタ9とを連通する配管
に1〜3分間かけて徐々に閉じることが出来るような空
気作動式あるいは電動式の開度制御機構付自動弁17を付
設するとともに、当該自動弁17にタイマー18を計装的に
接続するか、あるいは通常の自動弁とタイマー、カウン
ター等を計装的に組み合わせることによって、通薬工程
末期にはある間隔をおいて当該弁の開閉を繰り返すこと
が出来るように、かつ当該弁の閉じている時間を徐々に
長く出来るようにして、再生剤をパルス的に流入させる
ようにするとよい。
本発明の上昇流再生方法が効果的に適用されるイオン
交換塔としては、再生時の収縮が5%以上、特に10〜20
%ないしはそれ以上に及ぶイオン交換樹脂を充填したイ
オン交換塔の場合に有効であり、具体的には弱電解質イ
オン交換樹脂を上層に、強電解質イオン交換樹脂を下層
に、それぞれ充填した複層床式イオン交換塔の場合、す
なわち上層に弱酸性陽イオン交換樹脂、下層に強酸性陽
イオン交換樹脂を充填したK塔、あるいは上層に弱塩基
性陰イオン交換樹脂、下層に強塩基性陰イオン交換樹脂
を充填したA塔、及び強酸性陽イオン交換樹脂または強
塩基性陰イオン交換樹脂を単独で充填した単床式イオン
交換塔の場合にそれぞれ有利に適用される。
なお、本発明を実施するためのイオン交換塔の構造
は、従来のイオン交換塔に、前述のような簡単な改良を
施す以外は基本的に従来のイオン交換塔と同じであり、
詳しい説明は省略する。
<作用> 本発明方法によって、通薬工程から押し出し工程に移
行した際のイオン交換樹脂層の流動化を防止出来るの
は、以下のような理由によるものと考えられる。
すなわち、従来は前述の如く、通薬工程における再生
剤の上昇流速と押し出し工程における押し出し水の上昇
流速とがほぼ同じであったために、比重の大きい再生剤
からそれより比重の小さい押し出し水に切り換わった際
に、その比重差分だけイオン交換樹脂を上方に押し付け
る力が弱くなることと、イオン交換樹脂の収縮現象によ
って支持床5の上部に形成される空間部Aに充満してい
る比重の大きな再生剤中に、それより比重の小さい水が
流入する際の比重差による対流現象との相乗作用によっ
てイオン交換樹脂層が流動化すること推定される。
本発明は上述のような推定に基づいてなされたもの
で、第1発明は、押し出し工程における押し出し水の上
昇流速を、通薬工程における再生剤の上昇流速よりも増
大させることによって、イオン交換樹脂層を上方に押し
付ける力を通薬工程におけるそれ以上とするものであ
る。このように押し出し水の上昇流速を増大せしめるこ
とにより、例え空間部Aに充満している再生剤と押し出
し水との比重差による対流が生じようとしてもそれに抗
して、イオン交換樹脂層を上方に押し付けることが出
来、従ってイオン交換樹脂層の流動化を防止しつつ押し
出し工程にスムースに移行させることが出来るものと推
定される。
また、本発明の第2発明は、従来と同様に再生剤の上
昇流速と押し出し水の上昇流速とをほぼ同一とするが、
通薬工程から押し出し工程に移行する際、従来のように
比重の大きい再生剤からそれより比重の小さい押し出し
水へと瞬時に切り換えるのではなく、通薬工程の末期に
おいてイオン交換塔1へ供給する再生剤の濃度を所定の
濃度から徐々に低下させるようにするものである。当該
方法においてはイオン交換塔1内へ流入する再生剤の比
重が徐々に小さくなって最終的には押し出し水の比重と
同じとなり、この時点で次の押し出し工程に移行する。
従って、当該第2発明においては、支持床5の上部に形
成される前記空間部Aに充満している所定濃度の、比較
的比重の大きい再生剤が、それより徐々に濃度の低下し
た、従って比重の徐々に低下した再生剤とゆるやかに置
き換わることとなり、この場合には従来のような急激な
比重変化がなくなるので、空間部Aにおける対流はほと
んど無視出来る程度となり、従ってイオン交換樹脂を流
動化させることなく押し出し工程にスムースに移行させ
ることが出来るものと推定される。
<効果> 以上説明した如く、本発明によればイオン交換塔の上
方から流入させる流体によってイオン交換樹脂層を上方
から押圧保持するとともに、イオン交換塔の下方から流
入させる再生剤の流入圧力によって、イオン交換樹脂層
を下方からも押圧しながらイオン交換樹脂の再生を行う
上昇流再生方法において、押し出し工程における押し出
し水の上昇流速を、通薬工程における再生剤の上昇流速
よりも増大させるか、あるいは通薬工程の末期において
再生剤の通薬濃度を徐々に低下させるという極めて簡単
な操作で、通薬工程から押し出し工程に移行する際のイ
オン交換樹脂の流動化を確実に防止することが出来る。
従って、安定した上昇流再生を行うことが出来るの
で、通水時において常に良好な処理水質と安定した通水
収量を得ることが出来る。
<実施例> 以下に本発明の実施例を説明する。
実施例−1 第1図に示したような、イオン交換塔の下部に補給水
の流入配管を付設した構造の複層床式陽イオン交換塔
(以下K塔という)及び陰イオン交換塔(以下A塔とい
う)と、脱炭酸塔とを組み合わせた純水装置において、
第1発明の再生方法を実施するとともに、K塔、脱炭酸
塔、A塔の順に、第1表に示すような組成の原水を65m3
/Hの流量で通水して純水の製造を行った。イオン交換塔
の寸法、使用樹脂、再生条件は以下の如くである。
(1)イオン交換塔 K塔:高さ4,000mm、内径1,900mmφ A塔:高さ3,900mm、内径2,200mmφ (2)使用樹脂 陽イオン交換樹脂: アンバーライト(登録商標、以下同様) SWA−100 2,300 (弱電解質) アンバーライトIR−124 (強電解質) 3,500 陰イオン交換樹脂: アンバーライトIRA−94 (弱電解質) 4,200 アンバーライトIRA−400 (強電解質) 2,500 (3)再生条件 K塔: 再生剤使用量:35%HCl725/サイクル 通薬濃度:4%HCl 通薬速度:LV=9m/H (通薬温度は常温) 押し出し水上昇流速:LV=12m/H A塔: 再生剤使用量:25%NaOH914/サイクル 通薬濃度:通薬(I)1%NaOH(25%NaOH350通薬ま
で) 通薬(II)3%NaOH(25%NaOH350〜914通薬まで) (2段階通薬) 通薬速度:LV=8m/H 通薬温度:40℃ 押し出し水上昇流速:LV=11m/H なお、押し出し工程における押し出し水の増量は、前
記流入配管から増量分の水を補給することによって行っ
た。
(4)原水の組成 以上の条件で通水と再生を行い、第2表に示すような
結果を得た。また、押し出し工程における押し出し水の
上昇流速を、それぞれ再生剤の通薬速度と同じLV=9m/H
(K塔の場合)及びLV=8m/H(A塔の場合)とし、他の
条件はすべて上記条件と同じとした従来法による通水結
果を併せて第2表に示す。なお、収量は本発明法、従来
法の場合とも、K塔で純度5μs/cmブレークまでとし、
またA塔でシリカ50μg/(SiO2換算)リークまでとし
た。
実施例−2 第2図に示したような構造のK塔とA塔とを用いて、
以下のような第2発明の再生方法による純水製造を実施
した。
(1)K塔の場合 35%HCl計量槽と、HCl用エゼクタとを連通する配管に
開度制御機構付自動弁を付設し、通薬工程の終了1分前
から当該自動弁を徐々に閉じて2分後に通薬工程を終了
するようにし、次いで通薬工程における通薬速度と同じ
LV=9m/Hで押し出し工程に移行する。
(2)A塔の場合 25%NaOH計量槽とNaOH用エゼクタとを連通する配管
に、K塔の場合と同じような自動弁を付設し、3%NaOH
を通薬する通薬(II)の終了1分前から当該自動弁を徐
々に閉じて2分後に通薬工程を終了するようにし、次い
で通薬速度と同じLV=8m/Hで押し出し工程に移行する。
なお、他の条件は実施例−1の場合とすべて同じであ
る。この時の通水結果を同じく第2表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1発明の実施に適用する複層床式イオン交換
塔のフローの一例を示す説明図、第2図は第2発明の実
施に適用する複層床式イオン交換塔のフローの一例を示
す説明図であり、第3図は従来の複層床式イオン交換塔
のフローの説明図である。 1……イオン交換塔 2……弱電解質イオン交換樹脂 3……強電解質イオン交換樹脂 4……コレクター、5……支持床 6……流体流入管、7……再生剤流入管 8……計量槽、9……エゼクタ 10……弁、11……駆動水管 12……被処理水流入管 13……通水用ディストリビュータ 14……処理水流出管、15……逆洗水流入管 16……補給水の流入配管、17……開度制御機構付自動
弁、18……タイマー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弱電解質イオン交換樹脂を上層に、強電解
    質イオン交換樹脂を下層にそれぞれ充填した複層床式イ
    オン交換塔、あるいは強電解質イオン交換樹脂を単独で
    充填した単床式イオン交換塔において、充填イオン交換
    樹脂の上層部内にコレクターを埋設し、イオン交換塔の
    上部より空気や水等の流体を流入させると同時にイオン
    交換塔の下部より再生剤を流入させ、当該流体と再生廃
    液とを前記コレクターから流出させることにより、イオ
    ン交換樹脂層を前記流体によって上方から押圧保持する
    とともに、再生剤の上昇流によってイオン交換樹脂層を
    下方から押圧しながらイオン交換樹脂を上昇流で再生す
    るにあたり、再生剤通薬後に行う押し出し工程における
    押し出し水の上昇流速を、前記再生剤の上昇流速よりも
    増大させることを特徴とするイオン交換塔の上昇流再生
    方法。
  2. 【請求項2】弱電解質イオン交換樹脂を上層に、強電解
    質イオン交換樹脂を下層にそれぞれ充填した複層床式イ
    オン交換塔、あるいは強電解質イオン交換樹脂を単独で
    充填した単床式イオン交換塔において、充填イオン交換
    樹脂の上層部内にコレクターを埋設し、イオン交換塔の
    上部より空気や水等の流体を流入させると同時にイオン
    交換塔の下部より再生剤を流入させ、当該流体と再生廃
    液とを前記コレクターから流出させることにより、イオ
    ン交換樹脂層を前記流体によって上方から押圧保持する
    とともに、再生剤の上昇流によってイオン交換樹脂層を
    下方から押圧しながらイオン交換樹脂を上昇流で再生す
    るにあたり、前記再生剤の通薬工程末期において、再生
    剤の通薬濃度を徐々に低下させることを特徴とするイオ
    ン交換塔の上昇流再生方法。
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