JPH10180252A - 純水製造方法及びイオン交換塔 - Google Patents

純水製造方法及びイオン交換塔

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JPH10180252A
JPH10180252A JP8356965A JP35696596A JPH10180252A JP H10180252 A JPH10180252 A JP H10180252A JP 8356965 A JP8356965 A JP 8356965A JP 35696596 A JP35696596 A JP 35696596A JP H10180252 A JPH10180252 A JP H10180252A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 イオン交換装置の小型化を実現できると共に
高純度の処理水を得ることができ、しかもアニオン交換
塔の洗浄時間を短縮することができる純水製造方法及び
イオン交換を提供することを目的としている。 【解決手段】 本発明の純水製造方法は、塔本体11A
内に強酸性カチオン交換樹脂11Bをその再生膨潤分だ
けの隙間を残して充填した第1イオン交換塔11と、塔
本体12A内に強塩基性アニオン交換樹脂12B及び強
酸性カチオン交換樹脂12Cをそれぞれの再生膨潤分だ
けの隙間を残して二層状に充填した第2イオン交換塔1
2を用い、原水を第1イオン交換塔11の強酸性カチオ
ン交換樹脂層11B、第2イオン交換塔12の強塩基性
アニオン交換樹脂層12B、強酸性カチオン交換樹脂層
12Cの順に通水する通水工程と、原水の通水方向とは
逆の方向にそれぞれの再生剤を通液する再生工程とを有
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、純水製造方法及び
イオン交換塔に関し、更に詳しくは、例えばボイラ給水
や電子部品等の洗浄用水等に使用される高純度純水を得
る純水製造方法及びイオン交換塔に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の純水製造方法として代表的なもの
として例えば2床3塔式イオン交換装置がある。このイ
オン交換装置は、例えば強酸性カチオン交換樹脂が充填
されたカチオン交換塔と、強塩基性アニオン交換樹脂が
充填されたアニオン交換塔と、これら両者の間に配置さ
れた脱炭酸塔とを備え、例えば原水の下降流通水により
カチオン交換塔において原水中のカルシウムイオン、マ
グネシウムイオン、ナトリウムイオン等のカチオンを強
酸性カチオン交換樹脂の水素イオンとイオン交換した
後、脱炭酸塔内において酸性下で炭酸イオンを炭酸ガス
として脱炭酸し、次いでアニオン交換塔における下降流
通水により原水中の硫酸イオン、塩素イオン等のアニオ
ンやシリカを強塩基性アニオン交換樹脂の水酸化物イオ
ンとイオン交換して純水を製造するようにしている。そ
して、上記各イオン交換樹脂の再生を行う場合には、例
えば各イオン交換塔にそれぞれの再生剤を下降流で通液
して並流再生を行い、あるいはそれぞれの再生剤を上昇
流で通液して向流再生を行うようにしている。また、原
水中に炭酸イオンがあまり含まれていない場合には脱炭
酸塔を省略した2床2塔式イオン交換装置が用いられ
る。
【0003】ところで、従来のこの種のイオン交換装置
のアニオン交換塔に用いられるアニオン交換樹脂は、再
生時に再生剤であるアルカリ水溶液(例えば水酸化ナト
リウム水溶液)と接触するが、その後、アルカリ成分
(ナトリウムイオン)を完全に洗い流すには長時間を要
すると共に多量の洗浄水を必要とし、しかも、例えば1
μS/cm程度までしか洗浄することができず、採水工
程に入ってもアニオン交換樹脂に吸着されたアルカリ成
分が僅かずつではあるが処理水中に徐々に溶出し、処理
水が一定の純度に立ち上がるまでに相当の時間が掛か
り、処理水の到達純度も5〜10MΩ・cm程度であっ
た。
【0004】更に、処理水が一定の純度に達するまでに
時間が掛かるその他の要因としては次のことが挙げられ
る。即ち、被処理水である原水中には一般に有機酸が含
まれており、有機酸の多くは複数の弱酸基を持った複雑
な構造を有し、しかも比較的分子量の高い有機酸も含ま
れている。比較的分子量の高い有機酸が処理中にアニオ
ン交換樹脂に対して物理吸着すると、再生剤である水酸
化ナトリウム水溶液では有機酸を完全に溶離できず、水
酸化ナトリウムとアニオン交換樹脂に吸着された有機酸
とが反応して、この有機酸がナトリウム塩となってアニ
オン交換樹脂層内に残存することがある。このような有
機酸のナトリウム塩がアニオン交換樹脂層内に残存して
いると、通水中に、この有機酸の弱酸基からナトリウム
イオンが加水分解によって徐々に離脱し、処理水の純度
を低下させる。
【0005】そこで、現実的な対策としては17MΩ・
cm以上の高純度の純水を得るためには、上述した従来
の2床3塔式イオン交換装置(または2床2塔式イオン
交換装置)の後段に再生型混床式イオン交換装置を設置
し、アルカリ成分を除去すると共にシリカや他の不純物
を除去するのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今日で
はイオン交換装置には処理水の高純度化及び小型化の要
求が益々高まっていることから、従来のイオン交換装置
を用いて高純度(17MΩ・cm以上)の純水を得よう
とすると、上述したようにイオン交換装置の後段に再生
型混床イオン交換装置を設置する必要があり、装置が大
型化して装置の小型化の要求を満たすことができず、逆
に再生型混床式イオン交換装置を設置しないと、上述の
ように高純度の純水を得ることができないという課題が
あった。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、イオン交換装置の小型を実現できると共に
高純度の処理水を得ることができ、しかも、アニオン交
換塔の洗浄時間を格段に短縮することができる共に洗浄
水を格段に節約することができる純水製造方法及びイオ
ン交換を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の純水製造方法は、被処理水を強酸性カチオン交換樹脂
層、強塩基性アニオン交換樹脂層、強酸性カチオン交換
樹脂層の順に通水して純水を得る純水製造方法におい
て、塔内に強酸性カチオン交換樹脂をその再生膨潤分だ
けの隙間を残して充填した第1イオン交換塔と、塔内に
強塩基性アニオン交換樹脂及び強酸性カチオン交換樹脂
をそれぞれの再生膨潤分だけの隙間を残して二層状に充
填した第2イオン交換塔を用い、被処理水を第1イオン
交換塔の強酸性カチオン交換樹脂層、第2イオン交換塔
の強塩基性アニオン交換樹脂層、強酸性カチオン交換樹
脂層の順に通水する通水工程と、第1イオン交換塔及び
第2イオン交換塔共に逆洗操作を行うことなく、上記被
処理水の通水方向とは逆の方向にそれぞれの再生剤を通
液する再生工程とを有することを特徴とするものであ
る。
【0009】また、本発明の請求項2に記載の純水製造
方法は、請求項1に記載の発明において、第2イオン交
換塔の強酸性カチオン交換樹脂の充填層高を600mm
以下とすることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の請求項3に記載の純水製造
方法は、請求項1または請求項2に記載の発明におい
て、第2イオン交換塔の再生工程は、先に強酸性カチオ
ン交換樹脂層を再生し、後に強塩基性アニオン交換樹脂
層を再生することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の請求項4に記載の純水製造
方法は、請求項1〜請求項3に記載の発明において、第
2イオン交換塔は上層に強塩基性アニオン交換樹脂層、
下層に強酸性カチオン交換樹脂層が形成され、通水を下
降流で行い、再生を上昇流で行うことを特徴とするもの
である。
【0012】また、本発明の請求項5に記載の純水製造
方法は、請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の発
明において、第2イオン交換塔は、上層に強酸性カチオ
ン交換樹脂層、下層に強塩基性アニオン交換樹脂層が形
成され、通水を上昇流で行い、再生を下降流で行うこと
を特徴とするものである。
【0013】また、本発明の請求項6に記載の純水製造
方法は、被処理水を強酸性カチオン交換樹脂層、弱塩基
性アニオン交換樹脂層、強塩基性アニオン交換樹脂層、
強酸性カチオン交換樹脂層の順に通水して純水を得る純
水製造方法において、塔内に強酸性カチオン交換樹脂を
その再生膨潤分だけの隙間を残して充填した第1イオン
交換塔と、塔内に弱塩基性アニオン交換樹脂、強塩基性
アニオン交換樹脂及び強酸性カチオン交換樹脂をそれぞ
れの通水膨潤分及び再生膨潤分だけの隙間を残して三層
状に充填した第2イオン交換塔を用い、被処理水を第1
イオン交換塔の強酸性カチオン交換樹脂層、第2イオン
交換塔の弱塩基性アニオン交換樹脂層、強塩基性アニオ
ン交換樹脂層、強酸性カチオン交換樹脂層の順に通水す
る通水工程と、第1イオン交換塔及び第2イオン交換塔
共に逆洗操作を行うことなく、上記被処理水の通水方向
と逆の方向にそれぞれの再生剤を通液する再生工程とを
有することを特徴とするものである。
【0014】また、本発明の請求項7に記載の純水製造
方法は、請求項6に記載の発明において、第2イオン交
換塔の強酸性カチオン交換樹脂の充填層高を600mm
以下とすることを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の請求項8に記載の純水製造
方法は、請求項6または請求項7に記載の発明におい
て、第2イオン交換塔の再生工程は、先に強酸性カチオ
ン交換樹脂層を再生し、後に強塩基性アニオン交換樹脂
層及び弱塩基性アニオン交換樹脂を再生することを特徴
とするものである。
【0016】また、本発明の請求項9に記載の純水製造
方法は、請求項6〜請求項8のいずれか一つに記載の発
明において、第2イオン交換塔は、上層に弱塩基性アニ
オン交換樹脂層、中層に強塩基性アニオン交換樹脂層、
下層に強酸性カチオン交換樹脂層が形成され、通水を下
降流で行い、再生を上昇流で行うことを特徴とするもの
である。
【0017】また、本発明の請求項10に記載の純水製
造方法は、請求項6〜請求項8のいずれか一つに記載の
発明において、第2イオン交換塔は、上層に強酸性カチ
オン交換樹脂層、中層に強塩基性アニオン交換樹脂層、
下層に弱塩基性アニオン交換樹脂層が形成され、通水を
上昇流で行い、再生を下降流で行うことを特徴とするも
のである。
【0018】また、本発明の請求項11に記載のイオン
交換塔は、請求項4または請求項9に記載の純水製造方
法に用いられる第2イオン交換塔であって、強塩基性ア
ニオン交換樹脂層と強酸性カチオン交換樹脂層を、被処
理水の通水を許すが、上記各イオン交換樹脂の流通を阻
止する仕切板により仕切り、あるいは仕切板で仕切るこ
となく、更に上記仕切板の下方近傍または上記両イオン
交換樹脂層の分離境界面の下方近傍に再生剤の出入管を
設けたことを特徴とするものである。
【00019】また、本発明の請求項12に記載のイオ
ン交換塔は、請求項4または請求項9に記載の純水製造
方法に用いられる第2イオン交換塔であって、強酸性カ
チオン交換樹脂層と、強塩基性アニオン交換樹脂層の間
にイナート樹脂層が形成され、このイナート樹脂層の中
央部に再生剤の出入管を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0020】また、本発明の請求項13に記載のイオン
交換塔は、請求項5に記載の純水製造方法に用いられる
第2イオン交換塔であって、強酸性カチオン交換樹脂層
と強塩基性アニオン交換樹脂層を、被処理水の流通は許
すが、上記各イオン交換樹脂の流通を阻止する仕切板に
より仕切り、更に上記仕切板の上方近傍に再生剤の出入
管を設けたことを特徴とするものである。
【0021】また、本発明の請求項14に記載のイオン
交換塔は、請求項10に記載の純水製造方法に用いられ
る第2イオン交換塔であって、強酸性カチオン交換樹脂
層、強塩基性アニオン交換樹脂層、弱塩基性アニオン交
換樹脂層それぞれの層間を、被処理水の流通は許すが、
上記各イオン交換樹脂の流通を阻止する仕切板により仕
切り、更に強酸性カチオン交換樹脂層の下層部内に再生
剤の出入管を設けたことを特徴とするものである。
【0022】また、本発明の請求項15に記載のイオン
交換塔は、請求項14に記載の発明において、強酸性カ
チオン交換樹脂層の下層部にイナート樹脂を充填し、こ
のイナート樹脂層内に再生剤の出入管を設けたことを特
徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図9に示す実施形態
に基づいて本発明を説明する。尚、各図中、図1及び図
4は本発明の純水製造方法の一実施形態に用いられる2
床3塔式イオン交換装置を示す構成図、図2、図3及び
図5〜図9はそれぞれ本発明の純水製造方法の他の実施
形態に用いられる第2イオン交換塔の構造を示す構成図
である。
【0024】まず、本発明の純水製造方法の一実施形態
に用いられる2床3塔式イオン交換装置(以下、単に
「イオン交換装置」と称す。)について図1を参照しな
がら説明する。このイオン交換装置10は、図1に示す
ように、塔本体11A内に強酸性カチオン交換樹脂(以
下、必要に応じて「強酸性カチオン交換樹脂層」と称
す。)11Bが充填された第1イオン交換塔11と、塔
本体12A内に強塩基性アニオン交換樹脂(以下、必要
に応じて「強塩基性アニオン交換樹脂層」と称す。)1
2B及び強酸性カチオン交換樹脂12Cがそれぞれ上層
及び下層として二層状に充填された第2イオン交換塔1
2と、これら両者11、12間に配置された脱炭酸塔1
3とを備えている。また、第1イオン交換塔11の塔頂
には原水が流入する流入管14が接続され、また、第1
イオン交換塔11の塔底と脱炭酸塔13及び脱炭酸塔1
3と第2イオン交換塔12の塔頂はそれぞれ接続管1
5、16によって接続され、第2イオン交換塔12の塔
底には処理水の流出管17が接続されている。尚、18
は脱炭酸塔13から流出した二次処理水を第2イオン交
換塔12へ給送するポンプである。
【0025】そして、被処理水である原水が流入管14
から第1イオン交換塔11へ流入し、実線の矢印で示す
ように下降流で強酸性カチオン交換樹脂層11Bを通水
して一次処理水を得、この一次処理水は接続管15を介
して脱炭酸塔13において脱炭酸が行われた後、二次処
理水が接続管16を介して第2イオン交換塔12の強塩
基性アニオン交換樹脂層12B、強酸性カチオン交換樹
脂層12Cの順に下降流で通水して純水を処理水として
得るようにしてある。このように第2イオン交換塔12
内で強塩基性アニオン交換樹脂層12Bの処理水を強酸
性カチオン交換樹脂層12Cで更に処理することには以
下の利点がある。
【0026】即ち、強塩基性アニオン交換樹脂層12B
を再生した後、洗浄操作を行ってもアルカリ再生剤を完
全に洗い流すことが難しく、再生後の採水工程で強塩基
性アニオン交換樹脂層12Bから微量ではあるがナトリ
ウムイオン等のアルカリ成分が不純物として漏出する。
ところが、同一塔内で強酸性カチオン交換樹脂層12C
を強塩基性アニオン交換樹脂層12Bの下層として配置
したことにより、強塩基性アニオン交換樹脂層12Bか
ら漏出する僅かなアルカリ成分をその下層の強酸性カチ
オン交換樹脂12Cにより確実に除去し、あるいは強塩
基性アニオン交換樹脂12Bに吸着された有機酸のナト
リウム塩の加水分解に起因するアルカリ成分を除去し、
従来よりも短時間で処理水を所定純度まで立ち上げるこ
とができると共に従来よりも高純度の純水を得ることが
できる。従って、再生後の強塩基性アニオン交換樹脂層
12Bの洗浄時間を短縮でき、洗浄用水を格段に節約す
ることができる。
【0027】上記強酸性カチオン交換樹脂層12Cの層
高は、第2イオン交換塔12の直径によっても異なる
が、その直径が例えば1000mm以下であれば、層高
が300mm程度あれば強塩基性アニオン交換樹脂層1
2Bからの漏出する僅かなナトリウムイオン等のアルカ
リ成分を除去することができる。その直径が例えば20
00mm程度になると600mm程度の層高が必要にな
るが、通常、第2イオン交換塔12の直径が2000m
mを超えることは少なく、強酸性カチオン交換樹脂層1
2Cの層高としては一般的には600mm以下であれ
ば、強酸性カチオン交換樹脂層12Cの機能を十分に発
揮する。水酸化ナトリウムを除去するためであれば、強
酸性カチオン交換樹脂に代えて弱酸性カチオン交換樹脂
を用いることもできるが、この樹脂は再生形と塩形の膨
潤、収縮が大きいため、塔内に充填し難く、処理水の純
度の点で強酸性カチオン交換樹脂に劣るため、本発明で
は強酸性カチオン交換樹脂を用いる。
【0028】而して、第1イオン交換塔11の塔本体1
1A内の塔底及び塔頂近傍には第1、第2仕切板11
C、11Dが水平に設けられ、第1仕切板11Cで強酸
性カチオン交換樹脂層11Bを支持している。強酸性カ
チオン交換樹脂は再生時、特に、酸再生剤の通液後の水
による押し出し時に約7%前後膨潤するため、基準形
(ナトリウム形)の強酸性カチオン交換樹脂を塔本体1
1A内に充填する時には強酸性カチオン交換樹脂層11
Bの上面と第2仕切板11Dの間には再生膨潤分だけの
スペースに見合った隙間を残して強酸性カチオン交換樹
脂をほぼ満杯に充填する。この隙間は再生時に強酸性カ
チオン交換樹脂11Bの膨潤により詰まるようになって
いる。また、第1、第2仕切板11C、11Dはいずれ
も上下の空間を連通する多数の連通手段を有する、例え
ばストレーナーが各仕切板の全面に多数個分散して形成
され、これらの連通手段は被処理水や再生剤等の液体が
流通し、各イオン交換樹脂は流通できないようになって
いる。更に、流入管14には強酸性カチオン交換樹脂層
11Bの再生廃液が流出する再生剤流出管14Aが接続
され、接続管15には酸再生剤が流入する再生剤流入管
15Aが接続されている。尚、以下で説明する仕切板の
構造も第1、第2仕切板11C、11Dと同様に構成さ
れている。また、図1を含む各図では再生膨潤分に見合
った隙間は図示してない。
【0029】従って、第1イオン交換塔11の強酸性カ
チオン交換樹脂11Bを再生する時には、塩酸水溶液等
の酸再生剤を再生剤流入管15Aから通水方向とは逆方
向の上昇流で通液すると、酸再生剤が強酸性カチオン交
換樹脂層11Bを一点鎖線で示すように上昇流で通液し
てこの樹脂を再生した後、酸再生廃液が再生剤流出管1
4Aから流出するようにしてある。尚、図1では再生剤
に関連する配管及び再生剤の流れは一点鎖線で示してあ
る。後述する他の実施形態のイオン交換塔を示す図2〜
図9においても同様である。
【0030】一方、第2イオン交換塔12の塔本体12
A内の塔底及び塔頂近傍には第1、第2仕切板12D、
12Eが水平に設けられ、第1仕切板12Dで強塩基性
アニオン交換樹脂層12B及び強酸性カチオン交換樹脂
層12Cを二層状に積層した状態で支持している。ま
た、強塩基性アニオン交換樹脂及び強酸性カチオン交換
樹脂はそれぞれ再生時に膨潤するため、これらのイオン
交換樹脂12B、12Cを塔本体12A内に充填する時
には強酸性カチオン交換樹脂層12Cを充填し、その上
面に第2仕切板12Eの間でそれぞれの樹脂の再生膨潤
分だけのスペースに見合った隙間を残して強塩基性アニ
オン交換樹脂層12Bを塔本体12A内にほぼ満杯に充
填する。これらの隙間は再生時に各イオン交換樹脂の膨
潤により詰まるようになっている。更に、接続管16に
は上層である強塩基性アニオン交換樹脂層12Bの再生
廃液が流出する再生剤流出管16Aが接続され、流出管
17には下層である強酸性カチオン交換樹脂層12Cの
酸再生剤が流入する再生剤流入管17Aが接続されてい
る。そして、強塩基性アニオン交換樹脂層12Bと強酸
性カチオン交換樹脂層12Cの境界面やや下方には再生
時に用いられる再生剤の出入管12Fが水平に配置さ
れ、この出入管12Fは水酸化ナトリウム等のアルカリ
再生剤のディストリビュータとしての機能及び酸再生剤
の廃液のコレクタとしての機能を有している。
【0031】従って、強塩基性アニオン交換樹脂層12
Bを再生する時には、アルカリ再生剤を出入管12Fか
ら供給すると共に塔本体12Aの塔底から純水をバラン
ス水として上昇流で供給すると、アルカリ再生剤がバラ
ンス水に随伴して一点鎖線で示すように上昇流で通液し
て強塩基性アニオン交換樹脂層12Bを再生し、アルカ
リ再生廃液が再生剤流出管16Aから流出する。また、
強酸性カチオン交換樹脂層12Cを再生する時には、酸
再生剤を再生剤流入管17Aから供給すると共に塔頂か
らバランス水を供給すると、酸再生剤が強酸性カチオン
交換樹脂層12Cを一点鎖線で示すように上昇流で通液
して再生すると共にバランス水が下降流で通水し、これ
ら両者が出入管12Fで合流し、酸再生廃液が出入管1
2Fから流出する。
【0032】第2イオン交換塔12の各イオン交換樹脂
の再生順序としては、先に通水出口側の強酸性カチオン
交換樹脂層12Cを再生した後、通水入口側の強塩基性
アニオン交換樹脂層12Bを再生する。このように通水
出口側である強酸性カチオン交換樹脂層12Cを先に向
流再生することにより、高純度の処理水を得ることがで
きる。例えば、先に強塩基性アニオン交換樹脂層12B
を再生し、後に強酸性カチオン交換樹脂層12C再生す
ると、折角、上昇流によって高度に再生された強塩基性
アニオン交換樹脂層12Bの下層部に後に再生する酸再
生剤が接触し、その下層部が処理水の導電率に最も影響
を与える塩形となってしまい処理水の純度を低下させて
しまう。一方、先に通水出口側である下層の強酸性カチ
オン交換樹脂層12Cを再生し、後に通水入口側である
上層の強塩基性アニオン交換樹脂層12Bを再生した場
合には、上述したような現象が生じることなく、高純度
の処理水を得ることができる。このように先に下層の強
酸性カチオン交換樹脂層12Cを再生し、後に上層の強
塩基性アニオン交換樹脂層12Bを再生すると、再生済
みの強酸性カチオン交換樹脂層12BCの上層部が強塩
基性アニオン交換樹脂層12Bの再生剤である水酸化ナ
トリウム等のアルカリ再生剤が接触して塩形となるが、
この場合には被処理水が下降流で通水されるため、被処
理水は強酸性カチオン交換樹脂層12Cの塩形部分(上
層部)に最初に接触し処理水の純度低下に対して影響を
与えることがなく、最下層部は理想的に再生されてい
る。
【0033】次に、上記イオン交換装置10を用いた本
発明の純水製造方法について説明する。本実施形態の純
水製造方法では、通水工程で原水を処理する時には、原
水が流入管14から塔本体11内の塔頂空間へ流入し、
第2仕切板11Dを介して強酸性カチオン交換樹脂層1
1Bの上面全面に分散する。この原水は強酸性カチオン
交換樹脂層11B全体を下降流で通水し、この間に原水
中のカルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウ
ムイオン等のカチオンが強酸性カチオン交換樹脂11B
により除去され、第1仕切板11Cを経由して接続管1
5から一次処理水として流出する。そして、脱炭酸塔1
3において一次処理水中に残留する炭酸イオンが炭酸ガ
スとして除去された二次処理水が接続管16を経由して
第2イオン交換塔12の塔本体12A内の塔頂空間に流
入する。
【0034】第2イオン交換塔12の塔本体12A内に
流入した二次処理水は第2仕切板12Eを介して強塩基
性アニオン交換樹脂層12Bの上面全面に分散する。こ
の二次処理水は強塩基性アニオン交換樹脂層12B全体
を下降流で通水し、この間に二次処理水中の塩素イオ
ン、硫酸イオン、硝酸イオン、シリカ、残留炭酸等のア
ニオンが強塩基性アニオン交換樹脂12Bにより除去さ
れ、引き続き、下層の強酸性カチオン交換樹脂層12C
を下降流で通水し、ここで上層から処理水中へ漏出する
僅かなナトリウムイオン等のアルカリ成分を捕捉して処
理水中から除去し、高純度の純水を第2イオン交換塔1
2の流出管17から流出する。
【0035】上述した純水の製造により各イオン交換樹
脂が貫流点に達したら再生工程で各イオン交換樹脂を再
生する。それには第1、第2イオン交換塔11、12の
各イオン交換樹脂層を逆洗操作することなく、第1、第
2イオン交換塔11、12の各イオン交換樹脂を再生す
る。例えば、先に第2イオン交換塔12の再生操作を行
い、後に第1イオン交換塔11の再生操作を行う。
【0036】第2イオン交換塔12の再生操作を行うに
はまず、塔本体12Aの通水出口側に位置する下層の強
酸性カチオン交換樹脂層12Cを向流再生する。即ち、
酸再生剤を塔底の再生剤流入管17Aから塔本体12A
内へ供給すると共に塔頂から純水をバランス水として供
給する。これにより酸再生剤は塔底の空間に流入し、第
2仕切板12Dを介して下層の強酸性カチオン交換樹脂
層12C全体へ上昇流で通液し、強酸性カチオン交換樹
脂12Cを効率良く再生する。酸再生廃液が出入管12
Fから流出する時点では既にバランス水が下層まで達し
ており、酸性廃液が上層に侵入することなくバランス水
と合流して出入管12Fから酸再生廃液として排出され
る。
【0037】下層の強酸性カチオン交換樹脂層12Cの
向流再生を行った後、酸再生剤に代えて純水を塔底から
供給し、塔本体12の塔頂、塔底の双方から純水を通水
して洗浄操作を行い、洗浄廃液を出入管12Fから排出
する。
【0038】下層の洗浄操作の後、通水入口側に位置す
る上層の強塩基性アニオン交換樹脂層12Bを向流再生
する。即ち、塔底からバランス水を供給すると共に出入
管12Fから例えば水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ
再生剤として供給する。これによりアルカリ再生剤は出
入管12Fを介して強酸性カチオン交換樹脂層12Cの
最上層に流入し、ここでバランス水と合流し、アルカリ
再生剤は強塩基性アニオン交換樹脂層12B全体へ上昇
流で通液し、強塩基性アニオン交換樹脂を効率良く再生
する。アルカリ再生剤が出入管12Fから流入する時点
では既にバランス水が出入管12Fまで達しており、ア
ルカリ再生剤はバランス水と合流し、強塩基性アニオン
交換樹脂12Bを再生した後、再生剤流出管16Aから
アルカリ再生廃液として排出される。上層の強塩基性ア
ニオン交換樹脂層12Bの向流再生後、アルカリ再生剤
の供給を停止し、塔底のみから純水を上昇流通水して強
塩基性アニオン交換樹脂の再生剤の押出し及び洗浄操作
を行い、洗浄廃液は再生剤流出管16Aから排出され
る。
【0039】ところで、上層の強塩基性アニオン交換樹
脂12Bと下層の強酸性カチオン交換樹脂12Cは比重
差により区画されているだけであるため、両イオン交換
樹脂層の界面で両者が僅かに混合し、後で行われる強塩
基性アニオン交換樹脂の再生時に下層の強酸性カチオン
交換樹脂12Cの出入管12Fより上の部分がアルカリ
再生剤により逆再生されて強塩基性アニオン交換樹脂層
12Bの最下層部に混じるが、この部分は通水時には上
流側に位置するため、強酸性カチオン交換樹脂のイオン
交換容量は僅かに低下するが、処理水の水質には影響し
ない。
【0040】次いで、第1イオン交換塔11の再生操作
を行う。即ち、酸再生剤を第1イオン交換塔11の再生
剤流入管15Aから上昇流で強酸性カチオン交換樹脂層
11Bに通液し、再生廃液を再生剤流出管14Aから流
出する。その後、強酸性カチオン交換樹脂層11Bの押
し出し、洗浄操作等を行って再生操作を終了する。後
は、通水工程と再生工程とを逆洗操作を行うことなく繰
り返してイオン交換反応により原水を処理して純水を製
造する。尚、第1イオン交換塔11の強酸性カチオン交
換樹脂の再生においては、第2イオン交換塔12の強酸
性カチオン交換樹脂と同時に行うこともできる。この場
合には前述したように第2イオン交換塔12の強酸性カ
チオン交換樹脂の再生の際に出入管12Fから流出する
再生廃液の全量を第1イオン交換塔11の再生剤流入管
15Aを介して第1イオン交換塔11に供給する。
【0041】以上説明したように本実施形態によれば、
塔本体11A内に強酸性カチオン交換樹脂層11Bをそ
の再生膨潤分だけの隙間を残して充填した第1イオン交
換塔11と、塔本体12A内に強塩基性アニオン交換樹
脂12Bと強酸性カチオン交換樹脂層12Cとをそれぞ
れの再生膨潤分だけの隙間を残して二層状に上下層とし
て充填した第2イオン交換塔12を用い、原水を下降流
で通水し、各再生剤を上昇流で通液するようにしたた
め、以下のような作用効果が奏し得られる。
【0042】即ち、純水を得る通水工程では、原水を第
1イオン交換塔11の強酸性カチオン交換樹脂層11B
に通水した後、第2イオン交換塔12の強塩基性アニオ
ン交換樹脂層12B、強酸性カチオン交換樹脂層12C
の順に下降流で通水するため、特に第2イオン交換塔1
2の強塩基性アニオン交換樹脂層12Bの下層に少量の
強酸性カチオン交換樹脂12Cを充填するだけで、強塩
基性アニオン交換樹脂層12Bの処理水に僅かなナトリ
ウムイオン等のアルカリ成分が残留していても、下層の
強酸性カチオン交換樹脂層12Cにより確実にアルカリ
成分を除去し、高純度の純水を得ることができる。ま
た、塔を増設することなく従来のアニオン交換塔内に強
酸性カチオン交換樹脂を充填するだけで良いため、再生
型混床式イオン交換装置を増設する従来方式と比較して
格段にイオン交換装置を小型化することができる。
【0043】また、再生工程では、第1イオン交換塔1
1及び第2イオン交換塔12共に逆洗操作を行うことな
く、原水の通水方向と逆の方向にそれぞれの再生剤を通
液して向流再生を行うので、通水終了時にイオン交換樹
脂層で形成されたイオン形の配列を乱すことなく、その
まま再生することができ、通水終了時に残留している最
下層の再生形のイオン交換樹脂を有効に活用することが
できると共に再生効率を最大限とすることができる。
【0044】例えば、第1イオン交換塔11の強酸性カ
チオン交換樹脂の場合について更に説明すると、通水時
のこの樹脂層の配列は、上からカルシウム形、ナトリウ
ム形、水素形になっているが、この樹脂層を逆洗するこ
となく、このままの状態で酸再生剤として塩酸を樹脂層
の下側から通液すると、塩酸は下層部の水素形の樹脂を
素通りしてまずナトリウム形の樹脂を溶離してこれを水
素形とし、その廃液である塩化ナトリウムが更に上層の
カルシウム形の樹脂を溶離してこれをナトリウム形と
し、更にまたそのナトリウム形の樹脂が塩酸と接触して
これを水素形とするというように、溶離が順々に行わ
れ、元来水素イオンでは溶離し難いカルシウム形の樹脂
を水素イオンより溶離性に優れているナトリウムイオン
を介在させることによって効果的に溶離することができ
ると共に、通水終了時に残留する水素形の樹脂をイオン
交換樹脂層の下部にそのまま保持しておくことができる
ため、再生という操作においては最も理想的な状態で再
生することができ、再生によって生成される水素形の樹
脂を最大とすることができる。本発明は通水の方向が下
降流、上昇流に拘らず、両イオン交換樹脂共に通水終了
後に逆洗を実施することなく、向流再生を行うため、後
述する本発明の全ての実施形態において上述したように
最も理想的な状態で両イオン交換樹脂共に再生すること
ができる。
【0045】更に、再生後の洗浄工程では、第2イオン
交換塔12の下層として強酸性カチオン交換樹脂層12
Cが配置されているため、上層の強塩基性アニオン交換
樹脂層12Bからアルカリ成分が漏出しなくなるまで洗
浄する必要がなく、短時間で洗浄操作を打ち切ることが
でき、洗浄水の使用量を格段に節約することができる。
即ち、短時間で洗浄操作を打ち切った場合は通水を開始
すると残留するアルカリ成分が漏出することになるが、
アルカリ成分が漏出しても下層の強酸性カチオン交換樹
脂層12Cによりアルカリ成分を確実に捕捉して除去
し、高純度の純水を得ることができる。
【0046】図2は本発明のイオン交換塔の他の実施形
態を示す図で、このイオン交換塔は図1に示す第2イオ
ン交換塔12に代えて用いられるものである。従って、
本実施形態では図1に示す場合と同一または相当する部
分には同一符号を附して説明する。この第2イオン交換
塔121の場合には、図1に示す第2イオン交換塔12
の上層の強塩基性アニオン交換樹脂層12Bと下層の強
酸性カチオン交換樹脂層12Cの境界に第3仕切板12
Gを設け、第3仕切板12Gのやや下方に出入管12F
を設けた以外は図1に示す第2イオン交換塔12に準じ
て構成されている。そして、各イオン交換樹脂を充填す
る時には第2仕切板12Eとの間に強塩基性アニオン交
換樹脂12Bの再生膨潤分だけのスペースに見合った隙
間を残してこの樹脂をほぼ満杯に充填すると共に、第3
仕切板12Gとの間には強酸性カチオン交換樹脂層12
Cの再生膨潤分だけのスペースに見合った隙間を残して
この樹脂をほぼ満杯に充填する。そして、通水工程では
強塩基性アニオン交換樹脂層12B、強酸性カチオン交
換樹脂層12Cの順で下降流通水を行い、再生工程では
強酸性カチオン交換樹脂層12C、強塩基性アニオン交
換樹脂層12Bの順で上昇流通液を行うようにしてあ
る。
【0047】従って、本実施形態によれば、上層の強塩
基性アニオン交換樹脂層12Bと下層の強酸性カチオン
交換樹脂層12Cを第3仕切板12Gによって区画して
あるため、通水と再生を繰り返し行っても両イオン交換
樹脂12B、12Cが混合することなく、高純度の純水
を安定的に製造することができる。その他、図1に示す
イオン交換装置と同様の作用効果を期することができ
る。
【0048】図3は本発明のイオン交換塔の他の実施形
態を示す図で、このイオン交換塔は図1に示す第2イオ
ン交換塔12に代えて用いられるものである。この第2
イオン交換塔122の場合には、図1に示す第2イオン
交換塔12の上層の強塩基性アニオン交換樹脂層12B
と下層の強酸性カチオン交換樹脂層12Cの間に化学的
に不活性なイナート樹脂12Hを配置し、このイナート
樹脂12Hの縦方向中央部に出入管12Fを設けた以外
は図1に示す第2イオン交換塔12に準じて構成されて
いる。ここで、イナート樹脂は不活性樹脂とも称し、例
えば通常のイオン交換樹脂の母体と同じスチレンとジビ
ニルベンゼンとの共重合体でイオン交換基のないものを
指す。
【0049】従って、本実施形態によれば、出入管12
Fがイナート樹脂12H中に設けてあるため、後で行う
上層の強塩基性アニオン交換樹脂層12Bの再生時にも
下層の強酸性カチオン交換樹脂層12Cに逆再生部分を
生じることがなく、下層の強酸性カチオン交換樹脂層1
2Cのイオン交換容量が低減することがない。その他、
図1に示すイオン交換装置と同様の作用効果を期するこ
とができる。
【0050】図4は本発明の純水製造方法の更に他の実
施形態に用いられる2床3塔式イオン交換装置を示す図
で、図1に示す場合と同一または相当する部分には同一
符号を附してある。本実施形態のイオン交換装置10A
は、図4に示すように、塔本体11A内に強酸性カチオ
ン交換樹脂11Bが充填された第1イオン交換塔11
と、塔本体12A内に強塩基性アニオン交換樹脂12B
及び強酸性カチオン交換樹脂12Cがそれぞれ下層及び
上層として二層状に充填された第2イオン交換塔123
と、これら両者11、123間に配置された脱炭酸塔1
3とを備え、通水工程では原水が第1、第2イオン交換
塔11、123を上昇流で通水し、再生工程では各イオ
ン交換樹脂の再生剤が第1、第2イオン交換塔11、1
23を下降流で通液するようにしてある。また、第1イ
オン交換塔11の塔底には原水が流入する流入管14が
接続され、第1イオン交換塔11の塔頂と脱炭酸塔13
及び脱炭酸塔13と第2イオン交換塔123の塔底はそ
れぞれ接続管15、16によって接続され、第2イオン
交換塔123の塔頂には流出管17が接続されている。
【0051】第2イオン交換塔123内には図4に示す
ように上層の強酸性カチオン交換樹脂12Cと下層の強
塩基性アニオン交換樹脂層12Bとの間に位置させた第
3仕切板12Gが設けられ、この第2仕切板12Gのや
や上方に出入管12Fが配置されている。そして、第1
仕切板12Dと強塩基性アニオン交換樹脂層12Bの間
及び第3仕切板12Gと強塩基性アニオン交換樹脂12
Bとの間にはそれぞれの樹脂の再生膨潤分だけの隙間
(図示せず)が設けられており、再生時にはこれらの隙
間は各イオン交換樹脂の膨潤により詰まるようになって
いる。このように下層の強塩基性アニオン交換樹脂層1
2Bと上層の強酸性カチオン交換樹脂層12Cの間に第
3仕切板12Gを配置したのは、強塩基性アニオン交換
樹脂の比重が強酸性カチオン交換樹脂の比重より小さい
ため、第2イオン交換塔123内で通水及び再生を繰り
返す間に両イオン交換樹脂が混合するのを防止するため
である。
【0052】第2イオン交換塔123の各イオン交換樹
脂の再生順序としては、先に通水出口側である上層の強
酸性カチオン交換樹脂層12Cを再生した後、通水入口
側である下層の強塩基性アニオン交換樹脂層12Bを再
生する。このように通水出口側である強塩基性アニオン
交換樹脂層12Cを先に向流再生し、後に通水出口側の
強塩基性アニオン交換樹脂層12Bを向流再生する理由
は前述した通りである。
【0053】次に、上記イオン交換装置10Aを用いた
本発明の純水製造方法について説明する。本実施形態の
純水製造方法では、通水工程で原水を処理する時には、
原水が流入管14から塔本体11内の塔底空間へ流入
し、第1仕切板11Cを介して強酸性カチオン交換樹脂
層11Bの下面全面に分散する。この原水は強酸性カチ
オン交換樹脂層11B全体を上昇流により通水し、この
間に原水中のカチオンが強酸性カチオン交換樹脂11B
により除去され、第2仕切板11Dを経由して接続管1
5から二次処理水として流出する。そして、脱炭酸塔1
3において二次処理水中に残留する炭酸イオンが炭酸ガ
スとして除去され二次処理水が得られ、この二次処理水
が接続管16を経由して第2イオン交換塔123の塔本
体12A内に塔底側から流入する。
【0054】第2イオン交換塔123の塔本体12A内
に流入した二次処理水は第1仕切板12Dを介して強塩
基性アニオン交換樹脂層12Bの下面全面に分散する。
この二次処理水は強塩基性アニオン交換樹脂層12B全
体を上昇流により通水し、この間に二次処理水中の塩素
イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、シリカ、残留炭酸等
のアニオンが強塩基性アニオン交換樹脂12Bにより除
去され、引き続き、上層の強酸性カチオン交換樹脂層1
2Cを上昇流で通水し、ここで下層から処理水中へ漏出
する僅かなナトリウムイオン等のアルカリ成分を捕捉し
て処理水中から除去し、高純度の純水が第2イオン交換
塔123の流出管17から流出する。
【0055】上述した純水の製造により各イオン交換樹
脂が貫流点に達したら再生工程で各イオン交換樹脂を再
生する。それには第1、第2イオン交換塔11、123
の各イオン交換樹脂層を逆洗操作することなく、第1、
第2イオン交換塔11、123の各イオン交換樹脂を再
生する。例えば、先に第2イオン交換塔123の再生操
作を行い、後に第1イオン交換塔11の再生操作を行
う。
【0056】第2イオン交換塔123の再生操作を行う
にはまず、塔本体12Aの通水出口側に位置する上層の
強酸性カチオン交換樹脂層12Cを向流再生する。即
ち、酸再生剤を塔頂の再生剤流入管17Aから塔本体1
2A内へ供給すると共に塔底から純水をバランス水とし
て供給する。これにより酸再生剤は塔頂の空間に流入
し、第2仕切板12Eを介して上層の強酸性カチオン交
換樹脂層12C全体へ下降流で通液し、強酸性カチオン
交換樹脂を効率良く再生する。酸再生廃液はバランス水
と合流して出入管12Fから排出される。
【0057】上層の強酸性カチオン交換樹脂層12Cの
向流再生を行った後、酸再生剤に代えて純水を塔頂から
供給し、塔本体12の塔頂、塔底の双方から純水を通水
して強酸性カチオン交換樹脂12Cの再生剤の押出し及
び洗浄操作を行い、洗浄廃液が出入管12Fから排出さ
れる。
【0058】上層の洗浄操作の後、通水入口側に位置す
る下層の強塩基性アニオン交換樹脂層12Bを向流再生
する。即ち、塔頂からバランス水を供給すると共に出入
管12Fからアルカリ再生剤を供給する。これによりア
ルカリ再生剤は出入管12Fを介して強酸性カチオン交
換樹脂層12Cの最下層に流入し、ここでバランス水と
合流し、アルカリ再生剤は強塩基性アニオン交換樹脂層
12B全体へ下降流で通液し、強塩基性アニオン交換樹
脂を効率良く再生する。アルカリ再生廃液はバランス水
と合流して再生剤流出管16Aから排出される。下層の
強塩基性アニオン交換樹脂層12Bの向流再生後、アル
カリ再生剤の供給を停止し、塔頂のみから純水を下降流
通水して強塩基性アニオン交換樹脂の再生剤の押出し及
び洗浄操作を行い、洗浄廃液は再生剤流出管16Aから
排出される。
【0059】次いで、第1イオン交換塔11の再生操作
を行う。即ち、酸再生剤を第1イオン交換塔11の再生
剤流入管15Aから強酸性カチオン交換樹脂層11Bに
下降流で通液し、再生廃液を再生剤流出管14Aから排
出する。その後、強酸性カチオン交換樹脂層11Bの洗
浄操作等を行って再生操作を終了する。後は、通水工程
と再生工程とを逆洗操作を行うことなく繰り返してイオ
ン交換反応により原水を処理して純水を製造する。尚、
図1の説明と同じように、第2イオン交換塔123の強
酸性カチオン交換樹脂と第1イオン交換塔11の強酸性
カチオン交換樹脂に酸再生剤を一貫で通液して両者を同
時に再生することもできる。
【0060】以上説明したように本実施形態において
も、上記各実施形態と同様の作用効果が奏し得られる。
即ち、純水を得る通水工程では第2イオン交換塔123
の強塩基性アニオン交換樹脂層12Bの上層として少量
の強酸性カチオン交換樹脂12Bを充填するだけで、強
塩基性アニオン交換樹脂層12Bの処理水に僅かなアル
カリ成分が残留していても、上層の強酸性カチオン交換
樹脂12Cにより確実にアルカリ成分を除去し、高純度
の純水を得ることができると共にイオン交換装置を小型
化することができる。
【0061】また、再生工程では、第1イオン交換塔及
び第2イオン交換塔共に逆洗操作を行うことなく、原水
の通水方向と逆の方向にそれぞれの再生剤を通液して向
流再生を行うので、上記各実施形態と同様に再生効率を
最大限とすることができ、また、下層の強塩基性アニオ
ン交換樹脂層12Bからアルカリ成分が漏出しなくなる
まで洗浄する必要がなく、短時間で洗浄操作を打ち切る
ことができ、洗浄水の使用量を格段に節約することがで
きる。
【0062】図5は本発明のイオン交換塔の他の実施形
態を示す図で、このイオン交換塔は図1に示す第2イオ
ン交換塔12に代えて用いられるものである。この第2
イオン交換塔124の場合には、図5に示すように、塔
本体12A内に弱塩基性アニオン交換樹脂層12I、強
塩基性アニオン交換樹脂層12B及び強酸性カチオン交
換樹脂層12Cがこの順で上層、中層及び下層として積
層され、各イオン交換樹脂はそれぞれの樹脂の通水膨潤
分及び再生膨潤分だけの隙間を残して塔本体12A内に
三層状にほぼ満杯に充填されている。この第2イオン交
換塔124は原水中に鉱酸成分(塩化物イオン、硝酸イ
オン、硫酸イオン等の強酸イオン)が比較的多く含まれ
ている時に好適に用いられる。下降流通水において、こ
のように強塩基性アニオン交換樹脂層12B上に弱塩基
性アニオン交換樹脂層12Iを積層することにより、二
次処理水が強塩基性アニオン交換樹脂層12Bへ到達す
る前に予め弱塩基性アニオン交換樹脂層12Iにより鉱
酸成分を除去することができる。また、塔本体12Aに
は図1の場合と同様に第1、第2仕切板12D、12E
がそれぞれ塔底及び塔頂近傍に設けられている。
【0063】従って、鉱酸成分が比較的多く含まれてい
る原水から純水を製造する場合には、再生効率の良い弱
塩基性アニオン交換樹脂を用いることにより、アルカリ
再生剤の使用量を減少させることができ、ランニングコ
ストを低減させることができる。尚、強塩基性アニオン
交換樹脂層12Bの処理水に僅かなナトリウムイオン等
のアルカリ成分が残留していても、下層の強酸性カチオ
ン交換樹脂12Cにより確実にアルカリ成分を除去し、
高純度の純水を得ることができることは前述の実施形態
と同じである。
【0064】また、第2イオン交換塔124の再生工程
では、図1に示した第2イオン交換塔12の場合と同様
に先に通水出口側の強酸性カチオン交換樹脂12Cを酸
再生剤により再生し、後に通水入口側の強塩基性アニオ
ン交換樹脂12B及び弱強塩基性アニオン交換樹脂12
Iを一貫して上昇流で再生する。
【0065】従って、本実施形態によれば、イオン交換
装置の第2イオン交換塔124の塔本体12A内に上層
として弱塩基性アニオン交換樹脂層12Iを、中層とし
て強塩基性アニオン交換樹脂層12Bを、下層として強
酸性カチオン交換樹脂層12Cをそれぞれの通水膨潤分
及び再生膨潤分だけの隙間を残して三層状にほぼ満杯に
充填し、下降流通水により純水を製造するようにしたた
め、原水中に比較的多くの鉱酸成分が含まれていても、
高純度の純水を得ることができ、しかもイオン交換装置
を小型化することができる。また、再生工程では、弱塩
基性アニオン交換樹脂層12Iは再生効率が良いため、
第2イオン交換塔124に用いるアニオン交換樹脂とし
て全て強塩基性アニオン交換樹脂を用いる場合と比較し
て大幅にランニングコストを低減させることができる。
【0066】図6は本発明のイオン交換塔の他の実施形
態を示す図で、このイオン交換塔は図1に示す第2イオ
ン交換塔12に代えて用いられるものである。この第2
イオン交換塔125の場合には、図6に示すように、強
塩基性アニオン交換樹脂層12Bと強酸性カチオン交換
樹脂層12Cを第3仕切板12Gによって区画した以外
は図5に示すイオン交換塔124と同様に構成されてい
る。従って、本実施形態の場合には強塩基性アニオン交
換樹脂12Bと強酸性カチオン交換樹脂12Cとの混合
を確実に防止することができる点以外は、図5に示す第
2イオン交換塔124と同様の作用効果を期することが
できる。
【0067】図7は本発明のイオン交換塔の他の実施形
態を示す図で、このイオン交換塔は図1に示す第2イオ
ン交換塔12に代えて用いられるものである。この第2
イオン交換塔126の場合には、図7に示すように、塔
本体12A内に弱塩基性アニオン交換樹脂層12I、強
塩基性アニオン交換樹脂層12B及び強酸性カチオン交
換樹脂層12Cをこの順で上層、中層及び下層として積
層され、各イオン交換樹脂はそれぞれの樹脂の通水膨潤
分及び再生膨潤分だけの隙間を残して塔本体12A内に
三層状にほぼ満杯に充填されいる。そして、強塩基性ア
ニオン交換樹脂層12Bと強酸性カチオン交換樹脂層1
2Cに間にイナート樹脂層12Hを配置し、このイナー
ト樹脂層12Hの縦方向中央部に出入管12Fを配置し
た以外は図5に示すイオン交換塔125と同様に構成さ
れている。従って、本実施形態の場合には強塩基性アニ
オン交換樹脂12Bと強酸性カチオン交換樹脂12Cと
の混合を確実に防止すると共に後で再生するアルカリ再
生剤による強酸性カチオン交換樹脂12Cの部分的な逆
再生を防止することができる点以外は、図5に示す第2
イオン交換塔124と同様の作用効果を奏する。
【0068】図8は本発明のイオン交換塔の他の実施形
態を示す図で、このイオン交換塔は図4に示す第2イオ
ン交換塔123に代えて用いられるものである。この第
2イオン交換塔127の場合には、図8に示すように、
塔本体12A内に弱塩基性アニオン交換樹脂層12I、
強塩基性アニオン交換樹脂層12B及び強酸性カチオン
交換樹脂層12Cをこの順で下層、中層及び上層として
積層され、それぞれの樹脂の通水膨潤分及び再生膨潤分
だけの隙間を残して塔本体12A内に三層状にほぼ満杯
に充填されており、強塩基性アニオン交換樹脂12Bと
強酸性カチオン交換樹脂12Cの間には第3仕切板12
Gが設けられ、また、強塩基性アニオン交換樹脂12B
と弱塩基性アニオン交換樹脂12Iの間には第4仕切板
12Jが設けられている。そして、通水工程では原水が
実線の矢印で示すように第1、第2イオン交換塔11、
127を上昇流で通水し、再生工程ではそれぞれの再生
剤が第1、第2イオン交換塔11、123の各イオン交
換樹脂層を下降流で通液するようにしてある。このよう
に第3、第4仕切板12G、12Jを各樹脂間に設ける
ことにより第2イオン交換塔127を上昇流で通水する
時に比重差でイオン交換樹脂が混合しないようにしてあ
る。尚、比重は弱塩基性アニオン交換樹脂、強塩基性ア
ニオン交換樹脂、強酸性カチオン交換樹脂の順で大きく
なる。
【0069】また、第2イオン交換塔127の各イオン
交換樹脂の再生順序としては、先に通水出口側である上
層の強酸性カチオン交換樹脂層12Cを下降流で再生し
た後、通水入口側である中層の強塩基性アニオン交換樹
脂層12B及び下層の弱塩基性アニオン交換樹脂層12
Iを一貫して下降流で再生する。このように通水出口側
である強酸性カチオン交換樹脂12Cを先に向流再生
し、後に通水出口側の強塩基性アニオン交換樹脂層12
B等を向流再生する理由は前述した通りである。本実施
形態においても鉱酸成分が多く含まれている原水を処理
する場合でもイオン交換塔を増設することなく小型のイ
オン交換装置により高純度の純水を得ることができ、ま
た、再生時には洗浄時間の短縮及び洗浄水を格段に節約
することができる。
【0070】図9は本発明のイオン交換塔の他の実施形
態を示す図で、このイオン交換塔は図4に示す第2イオ
ン交換塔123に代えて用いられるものである。この第
2イオン交換塔128の場合には、図9に示すように、
塔本体12A内に上層の強酸性カチオン交換樹脂12C
の下層部にイナート樹脂層12Hを充填し、このイナー
ト樹脂層12Hの縦方向中央部に出入管12Fを配置し
た以外は図8に示すイオン交換塔127と同様に構成さ
れている。従って、本実施形態の場合には後にアニオン
交換樹脂層12B、12Iを再生する時に、強酸性カチ
オン交換樹脂層12Cの最下層部で逆再生部分を生じる
ことがなく、強酸性カチオン交換樹脂のイオン交換容量
が低下することがなく、処理水の水質には影響しない。
しかも、図8に示す第2イオン交換塔127と同様に作
用効果を期することができる。
【0071】尚、上記各実施形態では2床3塔式イオン
交換装置及びその第2イオン交換塔について説明した
が、本発明は炭酸イオンの含有量が少ない場合には脱炭
酸塔を省略した2床2塔式イオン交換装置に適用するこ
とができる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1〜
請求項5及び請求項11〜請求項13に記載の発明によ
れば、イオン交換装置の小型を実現できると共に高純度
の処理水を得ることができ、しかも、アニオン交換塔の
洗浄時間を格段に短縮することができる共に洗浄水を格
段に節約することができる純水製造方法及びイオン交換
を提供することができる。
【0073】また、本発明の請求項6〜請求項15に記
載の発明によれば、被処理水中に比較的鉱酸成分が多く
含まれていても、再生コストの低減を実現できると共に
高純度の処理水を得ることができ、しかも、アニオン交
換塔の洗浄時間を格段に短縮することができる共に洗浄
水を格段に節約することができる純水製造方法及びイオ
ン交換を提供することができる。
【0074】また、本発明によればその他に以下のよう
な効果を期することができる。 第2イオン交換塔内に積層させた強酸性カチオン交換
樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂(及び弱塩基性アニオ
ン交換樹脂)を再生するに当たり、通水後に逆洗を実施
することなく向流再生を行うため、再生操作そのものを
理想的な状態で行うことができ、再生剤の使用量当たり
の再生後に生成させるH形強酸性カチオン交換樹脂ある
いはOH形強塩基性アニオン交換樹脂の量を最大にする
ことができ、処理容量を大きくすることができる。 第2イオン交換塔内に積層させた両イオン交換樹脂を
再生するに当たり、両イオン交換樹脂に被処理水を通水
する順序と逆の順序で再生することにより、後から再生
する一方のイオン交換樹脂の再生剤が先に再生した他方
のイオン交換樹と接触して塩形となってもこの塩形が最
上流部に位置するため、処理水の純度に全く影響を与え
ないようにすることができる。 両イオン交換樹脂を仕切板によって仕切ることにより
通水と再生を繰り返し行っても両イオン交換樹脂が混合
することなく、安定したイオン交換操作を実施すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の純水製造方法の一実施形態に用いられ
る2床3塔式イオン交換装置を示す構成図である。
【図2】本発明の純水製造方法の他の実施形態に用いら
れる第2イオン交換塔のイオン交換樹脂の層構成を示す
図である。
【図3】本発明の純水製造方法の更に他の実施形態に用
いられる第2イオン交換塔のイオン交換樹脂の層構成を
示す図である。
【図4】本発明の純水製造方法の更に他の実施形態に用
いられる2床3塔式イオン交換装置を示す構成図であ
る。
【図5】本発明の純水製造方法の更に他の実施形態に用
いられる第2イオン交換塔のイオン交換樹脂の層構成を
示す図である。
【図6】本発明の純水製造方法の更に他の実施形態に用
いられる第2イオン交換塔のイオン交換樹脂の層構成を
示す図である。
【図7】本発明の純水製造方法の更に他の実施形態に用
いられる第2イオン交換塔のイオン交換樹脂の層構成を
示す図である。
【図8】本発明の純水製造方法の更に他の実施形態に用
いられる第2イオン交換塔のイオン交換樹脂の層構成を
示す図である。
【図9】本発明の純水製造方法の更に他の実施形態に用
いられる第2イオン交換塔のイオン交換樹脂の層構成を
示す図である。
【符号の説明】
10、10A 2床3塔式
イオン交換装置 11 第1イオン
交換塔 11A 塔本体 11B 強酸性カチ
オン交換樹脂層 12、121、123、124、125 第2イオン
交換塔 126、127、128、129 第2イオン
交換塔 12A 塔本体 12B 強塩基性ア
ニオン交換樹脂層 12C 強酸性カチ
オン交換樹脂層 12F 出入管 12G 第3仕切板
(仕切板) 12H イナート樹
脂層 12I 弱塩基性ア
ニオン交換樹脂層

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水を強酸性カチオン交換樹脂層、
    強塩基性アニオン交換樹脂層、強酸性カチオン交換樹脂
    層の順に通水して純水を得る純水製造方法において、塔
    内に強酸性カチオン交換樹脂をその再生膨潤分だけの隙
    間を残して充填した第1イオン交換塔と、塔内に強塩基
    性アニオン交換樹脂及び強酸性カチオン交換樹脂をそれ
    ぞれの再生膨潤分だけの隙間を残して二層状に充填した
    第2イオン交換塔を用い、被処理水を第1イオン交換塔
    の強酸性カチオン交換樹脂層、第2イオン交換塔の強塩
    基性アニオン交換樹脂層、強酸性カチオン交換樹脂層の
    順に通水する通水工程と、第1イオン交換塔及び第2イ
    オン交換塔共に逆洗操作を行うことなく、上記被処理水
    の通水方向とは逆の方向にそれぞれの再生剤を通液する
    再生工程とを有することを特徴とする純水製造方法。
  2. 【請求項2】 第2イオン交換塔の強酸性カチオン交換
    樹脂の充填層高を600mm以下とすることを特徴とす
    る請求項1に記載の純水製造方法。
  3. 【請求項3】 第2イオン交換塔の再生工程は、先に強
    酸性カチオン交換樹脂層を再生し、後に強塩基性アニオ
    ン交換樹脂層を再生することを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の純水製造方法。
  4. 【請求項4】 第2イオン交換塔は上層に強塩基性アニ
    オン交換樹脂層、下層に強酸性カチオン交換樹脂層が形
    成され、通水を下降流で行い、再生を上昇流で行うこと
    を特徴とする請求項1〜請求項3に記載の純水製造方
    法。
  5. 【請求項5】 第2イオン交換塔は、上層に強酸性カチ
    オン交換樹脂層、下層に強塩基性アニオン交換樹脂層が
    形成され、通水を上昇流で行い、再生を下降流で行うこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記
    載された純水製造方法。
  6. 【請求項6】 被処理水を強酸性カチオン交換樹脂層、
    弱塩基性アニオン交換樹脂層、強塩基性アニオン交換樹
    脂層、強酸性カチオン交換樹脂層の順に通水して純水を
    得る純水製造方法において、塔内に強酸性カチオン交換
    樹脂をその再生膨潤分だけの隙間を残して充填した第1
    イオン交換塔と、塔内に弱塩基性アニオン交換樹脂、強
    塩基性アニオン交換樹脂及び強酸性カチオン交換樹脂を
    それぞれの通水膨潤分及び再生膨潤分だけの隙間を残し
    て三層状に充填した第2イオン交換塔を用い、被処理水
    を第1イオン交換塔の強酸性カチオン交換樹脂層、第2
    イオン交換塔の弱塩基性アニオン交換樹脂層、強塩基性
    アニオン交換樹脂層、強酸性カチオン交換樹脂層の順に
    通水する通水工程と、第1イオン交換塔及び第2イオン
    交換塔共に逆洗操作を行うことなく、上記被処理水の通
    水方向と逆の方向にそれぞれの再生剤を通液する再生工
    程とを有することを特徴とする純水製造方法。
  7. 【請求項7】 第2イオン交換塔の強酸性カチオン交換
    樹脂の充填層高を600mm以下とすることを特徴とす
    る請求項6に記載の純水製造方法。。
  8. 【請求項8】 第2イオン交換塔の再生工程は、先に強
    酸性カチオン交換樹脂層を再生し、後に強塩基性アニオ
    ン交換樹脂層及び弱塩基性アニオン交換樹脂を再生する
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の純水
    製造方法。
  9. 【請求項9】 第2イオン交換塔は、上層に弱塩基性ア
    ニオン交換樹脂層、中層に強塩基性アニオン交換樹脂
    層、下層に強酸性カチオン交換樹脂層が形成され、通水
    を下降流で行い、再生を上昇流で行うことを特徴とする
    請求項6〜請求項8のいずれか一つに記載の純水製造方
    法。
  10. 【請求項10】 第2イオン交換塔は、上層に強酸性カ
    チオン交換樹脂層、中層に強塩基性アニオン交換樹脂
    層、下層に弱塩基性アニオン交換樹脂層が形成され、通
    水を上昇流で行い、再生を下降流で行うことを特徴とす
    る請求項6〜請求項8のいずれか一つに記載の純水製造
    方法。
  11. 【請求項11】 請求項4または請求項9に記載の純水
    製造方法に用いられる第2イオン交換塔であって、強塩
    基性アニオン交換樹脂層と強酸性カチオン交換樹脂層
    を、被処理水の通水を許すが、上記各イオン交換樹脂の
    流通を阻止する仕切板により仕切り、あるいは仕切板で
    仕切ることなく、更に上記仕切板の下方近傍または上記
    両イオン交換樹脂層の分離境界面の下方近傍に再生剤の
    出入管を設けたことを特徴とするイオン交換塔。
  12. 【請求項12】 請求項4または請求項9に記載の純水
    製造方法に用いられる第2イオン交換塔であって、強酸
    性カチオン交換樹脂層と、強塩基性アニオン交換樹脂層
    の間にイナート樹脂層が形成され、このイナート樹脂層
    の中央部に再生剤の出入管を設けたことを特徴とするイ
    オン交換塔。
  13. 【請求項13】 請求項5に記載の純水製造方法に用い
    られる第2イオン交換塔であって、強酸性カチオン交換
    樹脂層と強塩基性アニオン交換樹脂層を、被処理水の流
    通は許すが、上記各イオン交換樹脂の流通を阻止する仕
    切板により仕切り、更に上記仕切板の上方近傍に再生剤
    の出入管を設けたことを特徴とするイオン交換塔。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載の純水製造方法に用
    いられる第2イオン交換塔であって、強酸性カチオン交
    換樹脂層、強塩基性アニオン交換樹脂層、弱塩基性アニ
    オン交換樹脂層それぞれの層間を、被処理水の流通は許
    すが、上記各イオン交換樹脂の流通を阻止する仕切板に
    より仕切り、更に強酸性カチオン交換樹脂層の下層部内
    に再生剤の出入管を設けたことを特徴とするイオン交換
    塔。
  15. 【請求項15】 強酸性カチオン交換樹脂層の下層部に
    イナート樹脂を充填し、このイナート樹脂層内に再生剤
    の出入管を設けたことを特徴とする請求項14に記載の
    イオン交換塔。
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