JP2578392B2 - リサイクル可能なpvc壁紙 - Google Patents

リサイクル可能なpvc壁紙

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pvc resin
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裕治 澤
良二 伊藤
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Nippon Seishi KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃裏打紙上にPVC
樹脂を積層して成るPVC壁紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の内装用として使用される壁紙に
は、塩化ビニル(PVC)壁紙、紙壁紙、化学繊維壁
紙、無機質壁紙等の種類があるが、PVC壁紙がそのほ
とんどを占めている。このPVC壁紙は、裏打材である
難燃処理された裏打紙とその上にコーティング法あるい
はカレンダー法等により積層されたPVC樹脂より成
る。
【0003】上記PVC壁紙は製造時に発生する未製品
部分やPVC壁紙の貼り替え時に生ずる廃品の再利用が
非常に困難であり、通常は廃棄処分されている。
【0004】ところが近年の省資源及び環境保護気運の
高まりの中、これらの廃品についても再利用しようとす
る試みが成されており、例えば、廃品を微粉砕して粉砕
時に発生した浮遊繊維のみを除去しPVC樹脂を回収す
る方法や、廃品を硫酸中に浸漬後水洗中和し繊維分を溶
出させてPVC樹脂を回収する方法、あるいは、廃品を
湿潤、粉砕後、篩分けによってPVC樹脂を回収する方
法(特開昭52-78979号公報)等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
様な公知の方法はPVC樹脂のみを回収し、裏打材であ
る紙若しくは繊維分は結局廃棄処分にしていること、ま
た、回収したPVC樹脂中にも繊維分が残留し、その後
のPVC樹脂再利用において品質の低下を起こしている
こと、さらには、PVC樹脂と裏打紙の完全分離には非
常な労力と特殊な設備を必要とすること等、種々の課題
が残されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、PVC壁紙廃品
のPVC樹脂及び裏打紙の完全分離と各々の回収につい
て、鋭意検討の結果、本発明に至った。すなわち、本発
明は、水溶性高分子と塩化ビニル系若しくは酢酸ビニル
系合成バインダーを主成分とする塗被層を難燃裏打紙上
に設けることにより、通常時は裏打紙とPVC樹脂は十
分な接着強度を有し、一方、温水若しくはアルカリ性水
溶液中に浸漬、攪拌した際には容易にPVC樹脂と裏打
紙が分離するPVC壁紙を提供するものである。
【0007】以下に、本発明について、詳しく説明す
る。本発明において使用される難燃裏打紙は、通常のP
VC壁紙用として供されているもので、何等制約は無
い。
【0008】この裏打紙上に塗工される塗工液は、水溶
性高分子と塩化ビニル系若しくは酢酸ビニル系合成バイ
ンダーを主成分とし、その固形分重量比率が好ましくは
90/10〜70/30のものである。水溶性高分子の比率が多
すぎる場合には、PVC樹脂と裏打紙の接着性が良好で
なく、通常の状態でも剥離する可能性がある。逆に、塩
化ビニル系若しくは酢酸ビニル系合成バインダーの比率
が多すぎると、塗被層の耐水強度が著しく増加するた
め、容易な手段での分離が困難になる。
【0009】上記水溶性高分子としては、澱粉、カゼイ
ン、CMC、PVA等が利用できるが、耐熱性、造膜
性、耐溶剤性等の観点から、PVAが好ましい。
【0010】また、塩化ビニル系若しくは酢酸ビニル系
合成バインダーは、各々の単体あるいは他の合成バイン
ダーとの混合若しくは共重合体、例えば、塩化ビニル・
アクリル共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体、酢
酸ビニル・エチレン共重合体等が使用でき、特に限定さ
れない。
【0011】さらに塗被層の塗工量は、難燃裏打紙の表
面を十分にカバーリングできる量で、具体的には、3〜
10g/m2 が望ましい。3g/m2 未満では十分にカバ
ーリングが行われず、裏打紙を構成しているパルプ繊維
とPVC樹脂が接触、接着し、容易な分離が不可能とな
る。一方、10g/m2 を越える場合には、過剰に塗被層
が設けられていることになり不経済である。
【0012】本発明に使用される塗工液中には、各種顔
料、難燃剤、粘度調整剤、潤滑剤、消泡剤、防腐剤等も
適宜添加可能である。そして塗工液の塗工方法として
は、エアナイフ、ブレード、ロッド、バー等の通常のコ
ーターの使用が可能である。
【0013】さらに、本発明によって得られた塗被層を
有する難燃裏打紙上に設けられるPVC樹脂は通常のP
VC壁紙に使用されるもので構わない。
【0014】
【作用】本発明者らは、通常の難燃裏打紙上に水溶性高
分子と塩化ビニル系若しくは酢酸ビニル系合成バインダ
ーを主成分とする塗被層を設けることにより、従来困難
とされていた、PVC壁紙のリサイクルを容易に行える
ことを見いだした。
【0015】一般の難燃裏打紙の場合、PVC樹脂と裏
打紙の繊維とが強固に接着し、また、一部は裏打紙の紙
層間深くPVC樹脂が浸透しているため、繊維分とPV
C樹脂の完全分離はほとんど不可能かあるいは非常に困
難な状況になっている。
【0016】PVC樹脂の浸透の抑制及び繊維との接着
を防ぐことから裏打紙上に塗被層を設け、且つ、この塗
被層において水溶性高分子と塩化ビニル系若しくは酢酸
ビニル系合成バインダーを配合させることにより、PV
C樹脂との適度な接着性及び塗被層の適度な耐水性を付
与し、これにより、通常の状態や単なる水との接触時に
は十分な接着強度を有するが、温水若しくはアルカリ性
水溶液に浸漬、攪拌した際には、塗被層が溶解して、P
VC樹脂と裏打紙を構成している繊維を完全に分離する
ことが可能になる。
【0017】かかる方法によって得られた繊維分及びP
VC樹脂は、繊維分については通常の抄紙原料と同様に
利用でき、また、PVC樹脂については粉砕することに
よって一般のPVCペレットと同様に利用可能である。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示す。
【0019】尚、実施例及び比較例における評価は、下
記の様な試験により行ない、それらの結果を表1に示し
た。
【0020】1.通常の接着強度 JIS P−8139に準ずる方法でPVC樹脂と裏打
紙の剥離強度を測定した際の剥離部位を観察。 ○:紙層間剥離 ×:裏打紙とPVC樹脂の界面で剥離
【0021】2.温水若しくはアルカリ性水溶液中での
分離状態 PVC壁紙を2×2cmに裁断後、温水若しくはアルカリ
性水溶液の入ったバーミキサーに投入し、攪拌後の分離
状態を観察。 ○:裏打紙とPVC樹脂が完全に分離 ×:PVC樹脂側に繊維分が残存
【0022】実施例1 PVA(商品名 PVA120 クラレ(株)製)と塩
化ビニル・アクリル共重合エマルジョン(商品名 ビニ
ブラン277 日信化学工業(株)製)の固形分重量比
率が90/10の塗工液を調製した。この塗工液を市販の山
陽国策パルプ(株)製難燃紙70AF−20Kにマイヤ
ーバーにて 4.0g/m2 塗工し難燃裏打紙を得た。さら
にこの裏打紙上にPVC樹脂(商品名 MP−2079
三菱化成ビニル工業(株)製)を 200g/m2 塗工
し、ゲル化、発泡させ、PVC壁紙得た。
【0023】実施例2 PVA(同上)とエチレン・塩化ビニル共重合エマルジ
ョン(商品名 スミエリート1210 住友化学工業
(株)製)の固形分重量比率が85/15の塗工液を調製
し、実施例1と同様にしてPVC壁紙を得た。
【0024】実施例3 PVA(同上)と酢酸ビニル・エチレン共重合エマルジ
ョン(商品名 スミカフレックス753 住友化学工業
(株)製)の固形分比率が85/15の塗工液を調製し、実
施例1と同様にしてPVC壁紙を得た。
【0025】比較例1 市販の難燃紙(同上)にPVC樹脂(同上)を 200g/
2 塗工し、ゲル化、発泡させ、PVC壁紙を得た。
【0026】比較例2 市販の難燃紙(同上)にマイヤーバーにてPVA(同
上)を 4.0g/m2 塗工し、さらにこの上にPVC樹脂
(同上)を 200g/m2 塗工し、ゲル化、発泡させ、P
VC壁紙を得た。
【0027】比較例3 市販の難燃紙(同上)にマイヤーバーにて塩化ビニル・
アクリル共重合エマルジョン(同上)を 4.0g/m2
工し、さらにこの上にPVC樹脂(同上)を200 g/m
2 塗工し、ゲル化、発泡させ、PVC壁紙を得た。
【0028】
【表1】
【0029】表1より、実施例1〜3は通常の状態では
十分な接着強度を有し、且つ、容易に完全分離可能であ
るのに対し、比較例1〜3ではいずれもどちらかの性能
が劣るものであった。
【0030】
【発明の効果】実施例に示したように、本発明によるP
VC壁紙は非常に容易な手段で繊維分とPVC樹脂とが
完全分離でき、それぞれ繊維分とPVC樹脂の回収が可
能となった。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性高分子と塩化ビニル系若しくは酢
    酸ビニル系合成バインダーを主成分とする塗被層を設け
    た難燃裏打紙上に、PVC樹脂が積層されて成るPVC
    壁紙。
  2. 【請求項2】 水溶性高分子と塩化ビニル系若しくは酢
    酸ビニル系合成バインダーの固形分重量比率が90/10〜
    70/30である請求項1記載のPVC壁紙。
  3. 【請求項3】 水溶性高分子がPVAである請求項1又
    は2記載のPVC壁紙。
  4. 【請求項4】 水溶性高分子と塩化ビニル系若しくは酢
    酸ビニル系合成バインダーを主成分とする塗被層の塗布
    量が3〜10g/m2 である請求項1〜3のいずれか1項
    記載のPVC壁紙。
JP35032992A 1992-12-03 1992-12-03 リサイクル可能なpvc壁紙 Expired - Lifetime JP2578392B2 (ja)

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