JP2578016B2 - 最中様の食品の製造用補助具、及びこの補助具を用いた最中様の食品の製造方法 - Google Patents

最中様の食品の製造用補助具、及びこの補助具を用いた最中様の食品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、最中様の食品の製造用補助具に関し、詳
しくは、餅米等の可食材料よりなる殻状の皮を2枚合せ
た中にアイスクリーム、餡等の練状食品を詰めてなる最
中様の食品の製造用補助具に関する。この発明は、さら
に、このような補助具を用いた最中様の食品の製造方法
にも関するものである。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 最中様の食品としてアイス最中が知られている。これ
は、餅米等の可食材料からできた殻状の皮を2枚合せた
中にアイスクリームを詰めたものである。
従来のアイス最中は、消費者に提供されるまでの間、
袋に入れた状態で販売店の冷凍ショーケースの中で保管
されている。アイスクリームをこのようにして販売する
形態をバラエティアイス方式と呼ぶ。アイス最中をこの
方式で販売すると、最中の皮がショーケース内の水分を
吸って、これが本来もっているサクサクとした心地よい
口触りや、焼あがりの芳ばしさが失われる。また、皮が
脆弱にもなる。
アイスクリームの販売形態には、他に、ハンドディッ
プ方式と呼ばれるものがある。これは、大型の容器には
いったアイスクリームをディッシャーですくい、コーン
と呼ばれる円錐形の可食の容器に入れて消費者に提供す
る。この場合は、コーンを乾燥した状態のままで食べる
ので、そのおいしさは失われない。
本発明者は上記の点に着目して、アイス最中をハンド
ディップ方式により販売すること考えた。そして、顧客
の面前でアイス最中を作るのに有用な製造用補助具と、
この補助具を用いたアイス最中の製造方法を着想した。
この発明の製造補助具と製造方法とはアイス最中だけ
でなく、本来の、餡がはいった最中にも適用が可能であ
る。さらに、およそ、可食の殻状の皮を2枚合せた中に
練状食品を詰めた食品であれば、すべて適用が可能であ
る。
[課題を解決するための手段と作用] 前記の課題を解決するために、この発明の製造用補助
具は、合成樹脂発泡体よりなり、2枚の皮を収納する凹
部を有する容体と蓋体とをヒンジ部を介して連設したも
のである。
前記のような製造補助具を用いて本発明の最中様食品
の製造方法を実施するには、まず、容体と蓋体とを広げ
た状態で各凹所に可食の皮を収納し、これらの皮の少く
とも一方に練状食品を充填し、容体と蓋体とを閉じて両
者を練状食品を接着手段として合着させる。これにより
最中様の食品が完成する。
このあと、容体と蓋体とを広げて、前記のように練状
食品を介して一体に完成した最中様の食品を取出す。
前記の補助具の容体と蓋体とに前記の皮をそれぞれ収
納したものを数枚重ね合せ、これをピロー包袋などした
ものを販売店に提供することができる。この場合には、
顧客が購入するアイス最中などの個数分の補助具を包装
袋から取出して、前記のようにアイスクリームなどを充
填して最中様食品を完成し、この最中様食品が補助具内
に入ったままの状態で顧客に手渡す。顧客は店頭で又は
自宅等で補助容器を開けて中から完成した最中様食品を
取出して食べる。
一つの補助用容器と数個の皮とを分離して販売店に提
供して、販売店で皮を補助容器の収納凹部内に嵌め込ん
だ上で、アイスクリーム等を充填してもよい。
また、この補助具に皮を嵌込んだ状態又は両者を分離
した状態のいずれかで直接に顧客に提供し、顧客がこれ
を用いて自宅でアイス最中等を完成してもよい。
前記の補助具は合成樹脂発泡体で形成されているの
で、皮収納用の凹所の内面は粗面状を程し、したがって
皮を嵌め込んだ状態で補助具を搬送などする際にも皮が
脱落することがない。特に、皮の内部にアイスクリーム
を充填したあと補助具の容体と蓋体とを閉める際に皮が
蓋体の下側に位置するときにも皮の脱落が防止できて作
業性がよい。しかし、収納凹部の内面に直径方向に膨出
する突部を設けておけば、皮が収納凹部に対していっそ
う強く圧着されて、皮の脱落がさらに効果的に防止され
る。
この補助具は合成樹脂発泡体で形成されており断熱性
がよいので、これをアイス最中に適用するときには、内
部のアイスクリームの融解を防止できるので好ましい。
特に持ち帰り用のアイス最中に適用することが好適であ
る。
[実施例] 以下において、この発明をアイス最中製造用の補助具
とこれを用いたアイス最中の製造方法に適用した場合に
ついて説明する。
図において、10はこの発明の最中様食品の製造用補助
具を示す。この補助具10は、全体が発泡ポリスチレンシ
ート、その他の合成樹脂発泡体より成形されてなり、容
体12と蓋体14とをヒンジ部16を介して一体に連接したも
のである。ヒンジ部16の中央には、ヒンジ用の、厚み方
向にくびれた部分17が形成されている。容体12と蓋体14
とはいずれも内部に収納凹部18,20を有しており、その
周縁にフランジ22,24を有している。
26,28は、アイス最中の皮であって、前記の収納凹部1
8,20に相応する形状をなし、これら収納凹部に嵌め込ま
れる。
容体12の前端には嵌合突片30が、蓋体14の後端には係
合凹部32が、それぞれ設けられている。係合突片はフラ
ンジ22における前方への延長片34において左右の切り込
み36,36を介して台形状に形成され、後端のヒンジ部38
により上下に折り曲げ自在に形成されている。ヒンジ部
38はくびれ部またはミシン目として形成されている。前
記の係合凹部32は係合突片30と同じ角度で傾斜した台形
状をなしている。
このような補助具を用いて、アイス最中を作るには、
まず、第1図に示すように、補助具10の容体12と蓋体14
の収納凹部18,20に最中の皮26,28を嵌め込む。収納凹部
18,20の内周面には、直径方向に膨出した数個の突部40
が形成されている。第3図に示すように、最中の皮26ま
たは28の周壁42の上端が突部40に押し付けられて、最中
の皮26,28が収納凹部18,20に対して固定される。
次に、第4図に示すように、容体12に嵌め込んだ最中
の皮28の内部にアイスクリームIを充填する。そして、
第5図に示すように、蓋体14をヒンジ部16を介して容体
12の側に折り曲げる。最後に、第6図に示すように、蓋
体14を容体12に対して完全に閉じ合せて係合突片30を上
方に折り曲げ、係合凹部32に係入する。最中の皮26,28
と内部のアイスクリームIとは、接着剤として働くアイ
スクリームを介して一体となり、アイス最中が完成す
る。
第7図に示すように、蓋体14を開ければ、完成したア
イス最中Mが現れるので、顧客はこれを取出して食べ
る。
このように、前記のアイス最中製造用の補助具を用い
れば、容体と蓋体の内部に最中の皮を嵌め込んで、この
皮の一方にアイスクリームを充填して、蓋体と容体とを
閉じることにより、アイス最中が自動的に完成する。
第5図に示すようにして蓋体14を閉めようとする場合
には、最中の皮28が蓋体14に固定されているので、落下
することがなく最中の製造工程の支障とならない。図示
の実施例では、この目的のため、収納凹部18,20の内周
面に最中の皮との係合用の突部40が設けられているが、
これがなくても、発泡体表面の粗面の摩擦力により最中
の皮はある程度保持される。
このように、前記の補助具を用いることにより、アイ
ス最中を食する直前に最中の皮の中にアイスクリームを
充填することになるので、最中の皮特有のサクサクと口
ざわりのよい芳しい味を楽しむことができる。
また、この補助具は、断熱性のある合成樹脂発泡体に
より形成されているので、アイス最中を完成したあと時
間が少し経過したときにも内部のアイスクリームが溶け
にくく、皮が湿ることがない。
容体12と蓋体14とが合体した状態で係合保持するため
の係合突片30と係合凹部32の形態や、設ける場所、個数
等は前記のところに限定されず、任意のものを採用する
ことができる。ただし、前記実施例のように形成すれ
ば、逆台形状に起立した係合突片30が台形状凹部32に係
合するので、係合状態が確実である。なお、格別の係合
部材を設けずに、蓋体と容体との接合端を粘着テープで
止める等してもよい。
図示を省略するが、補助具10の外周面に非発泡のプラ
スチックフィルムをラミネートすることも可能である。
このようにすれば、補助具の外周面に他物が衝突しても
損傷することがない。また、このような非発泡フィルム
の内面に印刷を施せば、印刷インクが溶出することもな
く好ましい。
[発明の効果] この発明によれば、店頭や家庭で最中様食品を簡単に
作ることができる。そして、最中様食品を製造する直前
まで最中の皮は練状食品に触れない状態におかれるの
で、食する際に最中の皮は水分を吸収しておらず、べと
べとせずに最中の皮本来のサクサク感のある美味しさを
味わうことができる。
特にこの発明の補助具は合成樹脂発泡体で形成されてい
るので皮収納用の凹所の内面は粗面状を程し、したがっ
て皮を嵌め込んだ状態で補助具を搬送する際に皮が脱落
することがなく、さらに、皮の内部にアイスクリームな
どを充填したあと補助具の容体と蓋体とを閉める際に皮
が蓋体の下側に位置するときにも脱落が防止できて作業
性がよい。加えて、合成樹脂発泡体で形成されているた
め、断熱性がよく、これをアイス最中に適用するときに
は、内部のアイスクリームの融解を防止でき、特に持ち
帰り用のアイス最中に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の最中様食品の製造用補助具を示す
斜視図であって、一方の最中の皮を分離して示してい
る。 第2図は、前記補助具の断面図であって、最中の皮が取
除かれた状態を示している。 第3図は、補助具の収納用凹部と最中の皮との嵌め合い
状態を示す要部断面図である。 第4図は、容体に嵌め込まれた最中の皮の中にアイスク
リームを充填した状態を示す斜視図である。 第5図は、前図の状態から蓋体を容体に対して閉めよう
とする状態を示す斜視図である。 第6図は、容体を蓋体に対して完全に閉じた状態を示す
斜視図である。 第7図は、最中様食品が完成した後、蓋体を開けた状態
を示す斜視図である。 [符号の説明] 10……最中様食品の製造用補助具 12……容体 14……蓋体 16……ヒンジ部 18……収納用凹部 20……収納用凹部 26……最中の皮 28……最中の皮 30……係合突片 32……係合凹部 40……突部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】餅米等の可食材料よりなる殻状の皮(26,2
    8)を2枚合せた中にアイスクリーム、餡等の練状食品
    を詰めてなる最中様の食品の製造用補助具(10)であっ
    て、合成樹脂発泡体よりなり、前記の2枚の皮(26,2
    8)を収納する凹部(18,20)を有する容体(12)と蓋体
    (14)とをヒンジ部(16)を介して連設してなる補助
    具。
  2. 【請求項2】容体(12)と蓋体(14)とを連設するヒン
    ジ部(16)とは別の個所に容体(12)と蓋体(14)との
    係合手段を有していることを特徴とする請求項1に記載
    の最中様の食品の製造用補助具。
  3. 【請求項3】前記の収納用凹部(18,20)の内周面に
    は、直径方向に膨出する突部(40)を有していることを
    特徴とする請求項1に記載の最中様の食品の製造用補助
    具。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の補助具(10)を
    用いた最中様の食品の製造方法であって、次の諸工程か
    らなることを特徴とする製造方法。 (a)容体(12)と蓋体(14)とを広げた状態で、前記
    の各凹所(18,20)に前記の可食の皮(26,28)を収納す
    る工程 (b)前記の皮(26,28)の少くとも一方に練状食品を
    充填する工程 (c)前記の容体(12)と蓋体(14)とを閉じて、前記
    の練状食品を接着手段として容体(12)と蓋体(14)と
    を合着させることにより最中様の食品に仕上げる工程
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