JP2577978B2 - 白金族金属担持触媒の再活性化方法 - Google Patents

白金族金属担持触媒の再活性化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、白金族金属担持触媒の再活性化方法に関
するものである。更に詳しくは、この発明は、ニトリル
化合物、ニトロ化合物、イミン類、オキシム類等の窒素
含有有機物質から還元により工業的に有用なアミン類を
合成する際に使用し、活性の低下した白金族金属担持触
媒の再活性化方法に関するものである。
この発明の方法によれば、簡便かつ経済的に白金族金
属担持触媒を再生することができる。
〔従来技術の説明〕
従来、活性炭、アルミナ等の多孔性無機物質の担体に
白金族金属を担持した触媒などの貴金属触媒の存在下
に、ニトリル化合物、ニトロ化合物、イミン類、オキシ
ム類等の窒素含有有機物質を還元し、工業的に有用な種
々のアミン類を合成する方法が知られている。しかしな
がら、この方法においては、前記貴金属触媒の活性がそ
の長期使用により徐々に低下し、その結果、目的物であ
るアミン類の収率が徐々に低下することを避けることは
できない。
従って、前記貴金属触媒が極めて高価であることから
して、その活性が低下した際には再活性化し、繰り返し
再使用するとともに、再活性化に当たっては、その損失
を回避しなければならないことが工業的に極めて重要な
ことであるのは、自明の理である。
ところで、アミン類を還元処理によって合成する際に
使用し、活性が低下した前記貴金属触媒は、金属のシン
タリング等による劣化のために、付着あるいは吸着物質
の簡単な除去、例えば単なる溶剤洗浄や酸洗浄のみで
は、その活性は十分には回復しない。
そこで従来、一般には、貴金属の溶解あるいは担体の
焙焼・除去により貴金属を回収するか、あるいはまた、
150〜600℃の高温で酸化付着有機物を除去し、さらに還
元するかするという方法が採られていた。例えば、活性
の低下したパラジウム触媒を、水素ガスもしくは水素含
有ガス雰囲気下に高温に加熱して還元処理する方法が、
特開昭50−51095号公報、特開昭56−53748号公報、特開
昭58−177936号公報などに開示されている。また、パラ
ジウム−炭素触媒では、一旦焼成し、金属パラジウムと
して回収精製し、調製する(詳しくは、焼成→王水溶解
→アンモニア錯塩化→焼成→王水溶解→脱硝→活性炭吸
着)という複雑なプロセスを経る再生法が採られていた
のである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記のような従来公知の再活性化方法
では、再生操作が煩雑で、再生コストも高く、再生頻度
が高い場合には著しく不利益でなるとともに、高価な貴
金属のロスも少なくないという欠点があったのである。
さらには、水素ガスもしくは水素含有ガス雰囲気下に高
温に加熱して還元処理する方法では、再生操作に危険を
伴うという問題もあったのである。
そこで、この発明の目的は、還元処理によって工業的
に有用な種々のアミン類を合成する際に使用し、活性の
低下した白金族金属担持触媒などの貴金属触媒を、焼成
等による貴金属回収などの複雑なプロセスを経ることな
しに簡単かつ経済的なプロセスで、そして、安全な方法
で再活性化させる方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、この発明は、窒素含有有機物質の還元によ
りアミン類を合成する際に使用され、活性の低下した、
粉末もしくは粒状の白金族金属担持触媒を鉱酸水溶液中
でスラリー状で洗浄し、次いで、前記白金族金属担持触
媒を還元剤水溶液とスラリー状にして還元処理し、水洗
することを特徴とする白金族金属担持触媒の再活性化方
法に関する。
〔本発明の各要件の詳しい説明〕
以下に、この発明の方法を詳しく説明する。
この発明の方法が適用される触媒としては、ニトロベ
ンゼン、メチレンジオキシニトロベンゼン等の芳香族ニ
トロ化合物を還元処理して工業的に有用なアニリン類を
合成する場合、ニトリル化合物、イミン類、オキシム類
等を還元処理して1級および2級アミン類を合成する場
合(例えは、2−メチル−4−アミノ−5−シアノピリ
ミジン、2−メチル−4−アミノ−5−イミノメチルピ
リミジン、2−メチル−4−アミノ−5−ヒドロキシイ
ミノメチルピリミジン等の還元処理によりビタミンB1中
間体として重要な2−メチル−4−アミノ−5−アミノ
メチルピリミジンを合成する場合)などに使用され、活
性の低下した白金族金属担持触媒が挙げられる。
この白金族金属担持触媒は、パラジウム、ロジウム、
ルテニウムおよび白金の少なくとも一種の金属を含有す
る触媒であり、これら触媒成分を、含浸法、沈着法、混
練法、共沈法等の公知の担持法により担体に担持させた
ものである。担体としては、活性炭、アルミナ等の多孔
性無機物質が用いられるが、活性炭の使用が好ましい。
また、この白金族金属担持触媒は、粉末もしくは粒状
のものが使用されるが、その粒径については、特に限定
されるものではなく、粉末の場合は、通常用いられる20
〜100μmのもの、そして粒状の場合は、4〜200メッシ
ュ程度の通常用いられるものが好適である。
この発明の方法である触媒を再活性化する方法は、2
つの工程から成るものである。
まず第1の工程は、鉱酸水溶液による洗浄処理であ
り、活性の低下した触媒に付着あるいは吸着した有機物
質(特にアミン類)の除去を目的とするものである。す
なわち、回分的に繰り返し使用したり、あるいは、連続
式反応により長時間使用したりして活性の低下した触媒
(以下、廃触媒という。)を反応器から取り出した後、
鉱酸水溶液による洗浄処理を行うのである。
水溶液の形で使用される鉱酸としては、弗化水素酸、
塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、過塩素
酸、過ヨウ素酸および燐酸等が代表的な例であり、なか
でも、効果、取り扱い易さ、価格等の点で硝酸、塩酸お
よび硫酸が適当である。
そして、これらの鉱酸水溶液の濃度としては、特に限
定されるものではないが、経済性ならびに廃触媒に付着
あるいは吸着した有機物質の溶解性を考慮すると、通常
は、1〜30重量%、より好ましくは、5〜10重量%が適
当である。
前記鉱酸の使用量は、廃触媒へ付着あるいは吸着した
有機物質の量によって変える必要があり、アミン類等の
塩基であれば、通常、その塩基の1当量〜50倍当量、好
ましくは5〜10倍当量が使用されるのが望ましい。しか
しながら、廃触媒へ付着あるいは吸着した有機物質の量
を予め測定することが通常難しいので、一般には、鉱酸
水溶液による廃触媒の洗浄処理液のpHが1.5以下を維持
するように鉱酸水溶液の使用量を調製すればよい。
この発明の方法における廃触媒の鉱酸水溶液による洗
浄方法は、廃触媒を鉱酸水溶液中に浸漬処理する方法が
採られるが、この方法に限定されるものでもなく、例え
ば、洗浄塔、その他充填部を備えた装置を使用して、そ
の充填層内に廃触媒を充填し、この充填部に前記鉱酸水
溶液を流下せしめるなどの方法を用いてもよい。
廃触媒を鉱酸水溶液中に浸漬処理する方法の場合、攪
拌槽内に張り込まれた前記鉱酸水溶液中に廃触媒を、該
廃触媒の量に対する鉱酸の量が前記のようになるような
量で投入してスラリー状と成し、100〜200r.p.m.の攪拌
速度で20分〜数時間、好ましくは、30分〜1時間攪拌し
た後、フィルター、スクリーン、遠心分離機、その他工
業的に通常用いられる濾過装置で濾過するのである。こ
のような鉱酸水溶液中への廃触媒の浸漬は、一回行う方
法でも良いし、また、多数回繰り返すことも可能であ
る。そしてこの浸漬処理において用いられる前記攪拌槽
は、通常工業的に用いられる一般的な攪拌槽であり、特
別な構造を持った装置である必要はないが、材質的に
は、鉱酸による腐食を考慮してグラスライニングあるい
はステンレススチール等の耐酸材質にする必要がある。
なお、前記鉱酸水溶液中に廃触媒を浸漬する際の温度
は、特に限定されるものではなく、一般には、常温〜10
0℃である。しかしながら、殆どの場合には、0〜40℃
で行われるものである。
ところで、ニトリル化合物、ニトロ化合物、イミン
類、オキシム類等の窒素含有有機物質を、白金族金属担
持触媒の存在下に還元アミノ化し、アミン類を合成する
場合、反応液中にアンモニアが含まれていることが多
く、そのような場合、反応器から取り出された廃触媒も
アンモニア臭が強いことが多い。そこで、そのような場
合においては、取扱い上、前記鉱酸水溶液中に廃触媒を
浸漬する前に、廃触媒に付着あるいは吸着したアンモニ
ア等の無機塩基類を予め除去するために、廃触媒を水洗
処理してもよい。この場合、前述の攪拌槽において、経
済性を考えて、20〜30重量%スラリーになるように廃触
媒に水を加え、30分程度攪拌した後、前記の工業的に通
常用いられる濾過装置で濾過を行うのが望ましい。
なお、この廃触媒の水洗処理においても、鉱酸水溶液
による洗浄の場合と同様に、例えば、洗浄塔、その他充
填部を備えた装置を使用して、その充填層内に廃触媒を
充填し、この充填部に水を流下せしめるなどの方法を用
いてもよい。
以上のようにして、この発明の方法の第1工程である
鉱酸水溶液による洗浄処理が完了した廃触媒は、この発
明の方法の第2工程である還元剤水溶液による還元処理
に供される。
この発明の方法の第2工程においては、まず、廃触媒
の水洗処理が行われるのが好ましい。この水洗処理は、
廃触媒に付着あるいは吸着した有機物質と残存する過剰
酸の除去のために行うものである。
水洗処理の方法は、前述の、鉱酸水溶液による洗浄処
理に先立って行われるかも知れない水洗処理と同様の方
法で実施されるのが好ましい。水洗処理の程度は、水洗
後、前述したような濾過装置で濾過して得られた濾液中
に、この発明の方法の第1工程で使用した鉱酸がほぼ確
認されなくなる、すなわち、前記濾液中の鉱酸分が500
重量ppm以下程度になるまで繰り返し行うのである。前
記濾液中の鉱酸分は、この発明の方法の第1工程で使用
した鉱酸の種類によって、例えば、前記濾液中に含まれ
る硝酸イオン、塩素イオン、硫酸イオン等を分析するこ
とによって確認すればよい。
この発明の方法の第2工程においては、上記水洗処理
に続いて還元剤水溶液による還元処理が行われるのであ
る。
還元剤水溶液としては、通常、ギ酸、ホルムアルデヒ
ド、ナトリウムボロハイドライド等の水溶液が使用され
得る。
しかしながら、ナトリウムボロハイドライドを使用す
る場合は、水溶液の形でよりもベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族炭化水素類のほか、酢酸エチル、イソプロ
ピルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル等の有機溶
剤液の形で使用されるのが好ましい。
前記還元剤水溶液を使用する場合の還元剤水溶液の濃
度としては、一般的には、1〜50重量%、好ましくは、
1〜10重量%であるが、特に、ギ酸およびホルムアルデ
ヒドに対しては、1〜50重量%、好ましくは、1〜10重
量%の溶液のものが、そして、ナトリウムボロハイドラ
イドに対しては再生すべき廃触媒の担持金属1グラム当
量に対し5〜50グラム当量、好ましくは、10〜20グラム
当量の濃度の溶液のものが使用されるのが望ましい。
一方、ナトリウムボロハイドライドの有機溶剤液によ
る還元処理の場合は、前記有機溶剤を、廃触媒との混合
状態で5〜30重量%、好ましくは、5〜10重量%の濃度
のスラリーとなるように加えるのが好ましい。
また、還元処理において使用される前記還元剤の使用
量は、再生すべき廃触媒の担持金属、つまり、白金族金
属に対して0.5〜500倍当量、好ましくは、2.5〜25倍当
量が好適である。
還元処理は、0〜150℃、好ましくは、0〜120℃、さ
らに好ましくは、50〜100℃の温度で、1〜24時間、好
ましくは、1〜5時間行われるのが望ましい。
前記還元処理における操作圧としては、常圧、加圧、
あるいはまた減圧の何れの場合でも行うことは可能であ
るが、操作の容易性から考えれば常圧で行うのが好まし
い。なお、加圧操作の場合は、0〜5kg/cm2Gの範囲
で、そして減圧操作の場合は、200〜600mmHgAの範囲で
行うのが望ましい。
前記還元処理の方法としては、この発明の方法の第2
工程の最初の操作である前記の水洗処理が完了し、引き
続いてのフィルター、スクリーン、遠心分離機、その他
工業的に通常用いられる濾過装置での濾過・脱水によっ
て得られた廃触媒ケーキを所定量の水を張った還元槽に
入れ、攪拌しながら、所定量の還元剤を加え、その後、
所定温度に昇温し、所定圧力に保持しながら還元するの
が好ましい。この場合、還元槽としては、この発明の第
1工程である前記鉱酸水溶液による洗浄の場合の攪拌槽
と同様、一般的な攪拌槽でよく、特別な構造、装置を備
える必要はない。
なお、前記還元処理において、ギ酸、ホルムアルデヒ
ドおよびナトリウムボロハイドライドの水溶液を使用す
る場合は、前記還元処理に先立って、水洗処理後の水分
を除去する必要はないが、還元剤としてナトリウムボロ
ハイドライドを使用する場合の好ましい態様である、ナ
トリウムボロハイドライドの有機溶剤液を使用する場合
には、還元処理の効果を高めるために、前記還元処理に
先立って、水洗処理後の水分を除去することが望まし
い。
従って、前記還元処理においてナトリウムボロハイド
ライドの有機溶剤液を使用する場合は、前記水洗処理後
の廃触媒への付着あるいは吸着水分を除去するため、極
性溶剤で廃触媒ケーキを洗浄した後、ナトリウムボロハ
イドライドの有機溶剤液中で還元するのが好ましい。
また、還元処理後は、廃触媒ケーキへ付着あるいは吸
着した前記有機溶剤を除去するために、極性溶剤で再度
洗浄するのが望ましい。
ところで、ナトリウムボロハイドライドの有機溶剤液
による還元処理の前後における洗浄処理に使用される極
性溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコール等のアルコール類のほかにジオ
キサン、アセトン、アセトニトリル等、前記有機溶剤と
水との両方に親和性を有するものが好適であることはい
うまでもない。
前記極性溶剤による洗浄の方法としては、例えば、前
記極性溶剤を一定量張り込んだ攪拌槽に前記水洗処理後
の廃触媒を10〜20重量%の濃度のスラリーとなるような
量で加え、30分程度攪拌した後、前記のフィルター、ス
クリヒン、遠心分離機、その他工業的に通常用いられる
濾過装置で濾過する操作を2回程度行えば良い。なお、
この場合においても、上記の洗浄方法に限定されるもの
でもなく、例えば、洗浄塔、その他充填部を備えた装置
を使用して、その充填層内に廃触媒を充填し、この充填
部に所定量の極性溶剤を流下せしめるなどの方法を用い
てもよい。
さらにこの発明の方法においては、ギ酸、ホルムアル
デヒド、ナトリウムボロハイドライド塔の還元剤水溶液
を使用する還元処理の場合にはこの還元処理後に、そし
て、ナトリウムボロハイドライドの有機溶剤液を使用す
る還元処理の場合にはこの還元処理後に行われる極性溶
剤による洗浄後に、それぞれ水洗処理を行うのが望まし
い。これは、廃触媒に吸着され、鉱酸水溶液での洗浄後
の水洗処理では除去されなかった鉱酸分が前記還元処理
によって脱着されて還元剤溶液中へ浸出してくるため、
さらに、ナトリウムボロハイドライドの水溶液もしくは
有機溶剤液を使用する還元処理の場合には、一部のナト
リウムボロハイドライドの分解等により生成したナトリ
ウムや硼素が還元剤溶液中に含有されるために、これら
の鉱酸分、ナトリウム、硼素等を除去し、例えば、アミ
ン類を還元処理によって合成するす場合など、再生触媒
を使用する反応系に不純物を持ち込まないようにする目
的で行われるものである。
水洗処理の方法は、鉱酸水溶液による洗浄に先立って
行われるかも知れない。また、鉱酸水溶液による洗浄後
に行われる水洗処理の場合と同様である。また、水洗処
理の程度は、水洗後、前述したような濾過装置で濾過し
て得られた濾液中の鉱酸分、すなわち、硝酸イオン、塩
素イオン、硫酸イオン等が200重量ppm以下程度になるま
で繰り返し行うのが望ましい。
以上のようにして、水洗処理された再生触媒を、フィ
ルター、スクリーン、遠心分離機、その他工業的に通常
用いられる濾過装置で濾過し、40〜60重量%の水分含有
量を有する再生触媒ケーキを得た後、この再生触媒ケー
キを細かく砕いて粉末もしくは粒状の再生触媒を得るの
である。
なお、この発明の方法においては、鉱酸水溶液による
洗浄処理、水洗処理、還元剤水溶液もしくは還元剤有機
溶剤液による還元処理、極性溶剤による洗浄処理等は、
前述したように、何れも攪拌槽に所定の処理液を張り込
み、さらに廃触媒を加え、スラリー状態で攪拌処理した
後、攪拌槽の底部よりこのスラリーを抜き出し、次い
で、濾過装置にて濾過する方法か、または、充填部を備
えた装置を使用して、その充填層内に廃触媒を充填し、
この充填部に所定の処理液を流下せしめる方法で行わせ
るため、攪拌槽と濾過装置とから成る一組みの装置を繰
り返し使用するか、または、充填部を備えた一つの装置
を繰り返し使用するかすることによって、再生処理設備
を非常に簡略化することも可能である。
〔実施例、比較例および実験例〕
次に、実施例、比較例および実験例を挙げて、この発
明の方法を具体的に説明するが、これらは、この発明の
方法を何ら限定するものではない。
なお、実験例における水添速度定数は、次式で示され
る反応において使用される触媒中の金属パラジウム量と
反応基質(R−CH=NHまたはR−NO2)との割合を一定
にし、そして、その反応の反応速度を一次としてイミン
の減少あるいはアミンの生成の量的な経時変化を測定
し、一次反応速度式に入れて速度定数を算出したもので
ある。
そして、上記反応に使用された各触媒毎に、上記方法
により算出された速度定数は、上記反応に使用された各
触媒の相対的な活性を示すもので、前記速度定数が大き
い程、上記の反応に対し使用される触媒の活性が高いこ
とを示す。
実施例1 2−メチル−4−アミノ−5−イミノメチルピリミジ
ンの水素還元反応に使用し、活性の低下した「パラジウ
ム−炭素の廃触媒」を以下に示すような『水洗→酸洗浄
→水洗→ギ酸水溶液還元→水洗』の手順で再生した。な
お、この「パラジウム−炭素の触媒」は、新触媒の状態
では、乾燥基準で5重量%の金属パラジウムを含有する
ものであった。
すなわち、 (1)水洗工程; 乾燥基準で金属パラジウムを1.6重量%含有する前記
廃触媒を湿潤状態で150g採取し、容量1のビーカーに
入れ、蒸留水500mlを加え、スラリー状とした。このス
ラリーをマグネチックスターラーで15分間攪拌した後、
ヌッチェで濾過した。
(2)酸洗浄工程; 次に、ヌッチェ漏斗上に得られた廃触媒ケーキを再度
容量1のビーカーに入れ、1MH2SO4溶液250mlを加え
た後、マグネチックスターラーで30分間攪拌し、得られ
たスラリーをヌッチェで濾過した。
(3)水洗工程; さらに、ヌッチェ漏斗上の廃触媒ケーキの上から蒸留
水を200ml/回の量で4回流したところ、濾液中の硫酸イ
オンが500重量ppm以下となった。
(4)ギ酸還元工程; そこで、ヌッチェ漏斗上の廃触媒ケーキを取り出し、
容量1の三つ口丸底フラスコに入れ、6重量%ギ酸水
溶液500mlを加えた後、攪拌機、温度計および還流冷却
器を付けて攪拌しながら、100℃まで昇温し、その後、
この温度で4時間保持して前記廃触媒の還元を行った。
(5)水洗工程; それから、前記三つ口丸底フラスコ内のスラリー溶液
を常温まで降温し、ヌッチェで濾過し、ヌッチェ漏斗上
の廃触媒ケーキの上から蒸留水を200ml/回の量で3回流
した。
得られた含水再生触媒ケーキは107gであり、その含水
量は50.5重量%であった。また、この再生触媒中の金属
パラジウムの量は、乾燥基準で4.5重量%であった。
実施例2 実施例1で使用した廃触媒を用い、以下に示すような
『水洗→酸洗浄→水洗→ナトリウムボロハイドライド水
溶液還元→水洗』の手順で再生処理した。
すなわち、「還元工程」の処理は、ヌッチェ漏斗上の
廃触媒ケーキを取り出し、容量1の三つ口丸底フラス
コに入れ、蒸留水500mlを加え、さらに、ナトリウムボ
ロハイドライド(NaBH4)13gを加えた後、攪拌機、温度
計および還流冷却器を付けて攪拌しながら、90℃まで昇
温し、その後、この温度で4時間保持することによって
行ったことのほかは、実施例1と同様に実施した。
51.3重量%の水分を含み、金属パラジウムの量が乾燥
基準で4.2重量%である再生触媒117gを得た。
実施例3 実施例1で使用した廃触媒を用い、以下に示すような
『水洗→酸洗浄→水洗→メタノール置換→ナトリウムボ
ロハイドライドのトルエン溶液還元→メタノール洗浄→
水洗』の手順で再生処理した。
すなわち、「メタノール置換」および「メタノール洗
浄」の追加工程の処理は、廃触媒ケーキを容量300mlの
フラスコに入れ、メタノール200mlを加えた後、マグネ
チックスターラーで30分間攪拌し、さらに、得られたス
ラリーをヌッチェで濾過する操作を2回行ったこと、
「還元工程」の処理は、ヌッチェ漏斗上の廃触媒ケーキ
を取り出し、容量1の三つ口丸底フラスコに入れ、ト
ルエン500mlを加え、さらに、ナトリウムボロハイドラ
イド20gを加えた後、攪拌機、温度計および還流冷却器
を付けて攪拌しながら、100℃まで昇温し、その後、こ
の温度で2時間保持することによって行ったことのほか
は、実施例1と同様に実施した。
50.8重量%の水分を含み、金属パラジウムの量が乾燥
基準で4.4重量%である再生触媒111gを得た。
実施例4 3,4−メチレンジオキシニトロベンゼンの還元アミノ
化により3,4−メチレンジオキシアニリンを製造するに
際して使用し、活性の低下した「パラジウム−炭素の廃
触媒」を以下に示すような『水洗→酸洗浄→水洗→ギ酸
水溶液還元→水洗』の手順で再生した。なお、この「パ
ラジウム−炭素の触媒」は、新触媒の状態では、乾燥基
準で10重量%の金属パラジウムを含有するものであっ
た。
すなわち、乾燥基準で金属パラジウムを9.2重量%含
有する廃触媒を湿潤状態で100g採取したこと、「還元工
程」の処理は、ヌッチェ漏斗上の廃触媒ケーキを取り出
し、容量1の三つ口丸底フラスコに入れ、10重量%ギ
酸水溶液500mlを加えた後、攪拌機、温度計および還流
冷却器を付けて攪拌しながら、80℃まで昇温し、その
後、この温度で3時間保持することによって行ったこと
のほかは、実施例1と同様に実施した。
53重量%の水分を含み、金属パラジウムの量が乾燥基
準で9.9重量%である再生触媒98gを得た。
比較例1 実施例1で使用した廃触媒を用い、以下に示すような
『水洗→ギ酸水溶液還元→水洗』の手順で再生した。
すなわち、乾燥基準で金属パラジウムを1.6重量%含
有する廃触媒を湿潤状態で50g採取したことおよび「酸
洗浄工程」の処理を行わなかったことのほかは、実施例
1と同様に実施した。
35.3重量%の水分を含み、金属パラジウムの量が乾燥
基準で2.8重量%である再生触媒44gを得た。
比較例2 実施例1で使用した廃触媒を用い、以下に示すような
『水洗→酸洗浄→水洗』の手順で再生した。
すなわち、乾燥基準で金属パラジウムを1.6重量%含
有する廃触媒を湿潤状態で50g採取したことおよび「還
元工程」以降の処理を行わなかったことのほかは、実施
例1と同様に実施した。
50.2重量%の水分を含み、金属パラジウムの量が乾燥
基準で4.3重量%である再生触媒37.4gを得た。
比較例3 実施例1で使用した廃触媒を用い、水洗のみの再生処
理を行った。
すなわち、乾燥基準で金属パラジウムを1.6重量%含
有する廃触媒を湿潤状態で50g採取したことおよび「酸
洗浄工程」以降の処理を行わなかったことのほかは、実
施例1と同様に実施した。
32.8重量%の水分を含み、金属パラジウムの量が乾燥
基準で2.6重量%である再生触媒45.8gを得た。
実験例1 実施例1において、2−メチル−4−アミノ−5−イ
ミノメチルピリミジンの水素還元反応に使用されたパラ
ジウム−炭素の新触媒、前記使用によって活性の低下し
た廃触媒およびこの廃触媒を実施例1の方法で再生した
再生触媒を、金属パラジウムの量が2−メチル−4−ア
ミノ−5−イミノメチルピリミジン1重量部に対し0.1
重量%となるような量で用い、かつ、水素圧力40kg/cm2
Gで、それぞれ前記2−メチル−4−アミノ−5−イミ
ノメチルピリミジンの水素還元反応を行った場合の前記
新触媒、廃触媒および再生触媒の水添速度定数は、第1
表に示す通りであった。
実験例2および3 実施例1の方法で再生した再生触媒に代えて、それぞ
れ実施例2および3の方法で再生した再生触媒を用いた
ほかは、実験例1と同様にして2−メチル−4−アミノ
−5−イミノメチルピリミジンの水素還元反応を行った
場合の新触媒、廃触媒および再生触媒の水添速度定数を
求めると、第1表に示す通りであった。
実験例4 実施例4において、3,4−メチレンジオキシニトロベ
ンゼンの還元アミノ化反応に使用されたパラジウム−炭
素の新触媒、前記使用によって活性の低下した廃触媒お
よびこの廃触媒を実施例4の方法で再生した再生触媒
を、金属パラジウムの量が3,4−メチレンジオキシニト
ロベンゼン1重量部に対し0.1重量%となるような量で
用い、かつ、水素圧力7kg/cm2G、温度60℃で、それぞ
れ前記3,4−メチレンジオキシニシトロベンゼンの還元
アミノ化反応を行った場合の前記新触媒、廃触媒および
再生触媒の水添速度定数を求めると、第1表に示す通り
であった。
実験例5〜7 実施例1の方法で再生した再生触媒に代えて、それぞ
れ比較例1〜3の方法で再生した再生触媒を用いたほか
は、実験例1と同様にして2−メチル−4−アミノ−5
−イミノメチルピリミジンの水素還元反応を行った場合
の新触媒、廃触媒および再生触媒の水添速度定数を求め
ると、第1表に示す通りであった。
〔作用効果の説明〕 この発明の方法は、前述したように、ニトリル化合
物、ニトロ化合物、イミン類、オキシム類等の窒素含有
有機物質から還元により工業的に有用なアミン類を合成
する際に使用し、活性の低下した、粉末もしくは粒状の
白金族金属担持触媒の再活性化方法において、従来公知
の再活性化方法では、再生操作が煩雑で、再生コストも
高く、再生頻度が高い場合には著しく不利益であるとと
もに高価な貴金属のロスも少なくなく、また、再生操作
に危険を伴う水素ガスもしくは水素含有ガスを取り扱わ
なければならない場合もあるという問題点があったのに
対して、前記活性の低下した白金族金属担持触媒を鉱酸
水溶液とスラリー状にして洗浄後、さらに、前記白金族
金属担持触媒を還元剤水溶液でスラリー状で処理するこ
とによって、高価な白金族金属類のロスが少なく、そし
て、複雑なプロセスを経ることなしに簡単かつ経済的な
プロセスで、そして、安全な方法で使用済白金族金属担
持触媒を再活性化させる方法を提供し得る効果を奏する
ものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素含有有機物質の還元によりアミン類を
    合成する際に使用され、活性の低下した、粉末もしくは
    粒状の白金族金属担持触媒を鉱酸水溶液中でスラリー状
    で洗浄し、次いで、前記白金族金属担持触媒を還元剤水
    溶液とスラリー状にして還元処理し、水洗することを特
    徴とする白金族金属担持触媒の再活性化方法。
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