JP2577598Y2 - ３５ｍｍフィルム小径パトローネ用アダプター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は小径パトローネも現行パ
トローネと同様に現行カメラ現行処理機にも使用可能と
させる技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から135タイプのパトローネ入りフ
ィルムが市場にあり、これはＩＳＯやＪＩＳの規格で決
められており現行のカメラ現行の処理機は皆この規格に
合うように作られており、この規格外のものは使用不能
にしてある。

【０００３】しかし、近年薄い透明ベース材料が開発さ
れ、対乳剤性、物性等も良好であるので巻径も小さくす
ることが可能になりパトローネの外径を小さくすること
ができるようになった。これによってカメラはますます
小型化される可能性が大きくなった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、小型カメラ用
専用のパトローネと従来型カメラ専用のパトローネとの
２本立てでの生産及び販売をしなくてはならないことに
なると、メーカーもさることながらユーザーも不便とな
る。

【０００５】本考案はこのような問題点を解決し、１つ
の規格寸法をもった新小径パトローネフィルムを用い
て、新型、旧型の両カメラに使用でき更に現行の各写真
処理機（自現機）を廃止することなく使用可となる手段
を提供することを課題目的にする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的は次のａ又はｂ
技術手段によって解決される。

【０００７】（ａ）小径パトローネに現行パトローネの
外径をもつ共通のアダプターを装着することにより、前
記小径パトローネに対しても現行カメラ及び現行各写真
処理機が改造されることなく現行パトローネと兼用して
そのまま使用可能になるようにしたことを特徴とする35
mmフィルム小径パトローネ用アダプター。

【０００８】（ｂ）写真フィルムパトローネの外筒に着
脱するアダプターであって、該パトローネの外筒にほぼ
一致する内面形状を有するＣ字状断面形状をした筒状体
であり、上記Ｃ字状の開口部は、該パトローネのフィル
ム引出し口を突出させ、上記Ｃ字状の１端縁は、該パト
ローネのフィルム引出し口のフィルム案内部外壁に接
し、かつ、上記フィルム引出し方向に向けた突起を有す
ることを特徴とする（ａ）項に記載の35mmフィルム小径
パトローネ用アダプター。

【０００９】

【実施例】本考案の第１の実施例を図１に示す小径パト
ローネの斜視図と図２に示す該パトローネに装着するア
ダプターの斜視図と図３に示す両者を装着した状態の断
面図と、その正面図である図４を用いて説明する。

【００１０】小径パトローネ10はパトローネ胴部２と両
側のキャップ３とから成り更に両側のキャップ３の中心
部の孔にはスプールの長ハブ５及び短ハブ４が挿通し自
由に回転できるように支承されている。

【００１１】そしてスプールにはフィルム７の後端部が
係止されスクロールが形成されその先端部が小径パトロ
ーネ10のフィルム引出し口８から僅かでていてカメラへ
装填可能の状態にしてある。

【００１２】そしてカメラが新しい小径パトローネ10の
装填可能な新式小型カメラであればそのまま小径パトロ
ーネ10を装填して撮影可能になる。

【００１３】また、カメラが現行のカメラである場合は
該小径パトローネ10にアダプター20を装着してから該カ
メラに装填してやればよいことになる。この場合アダプ
ター20は閉じる方向にばね力が働くように構成すればパ
トローネに固着し、脱落することがない。材質としては
プラスチック又は金属が使用可能である。ちなみに現行
のカメラのパトローネ室に現行パトローネ10Ａが装填さ
れると、巻戻し軸とスプールのセンターは一致するよう
になっており、また、フィルムの引出し口からアパーチ
ャーへのフィルム通路にフィルムが円滑に輸動するよう
にフィルムの輸動経路が考慮されていればよいので本考
案のアダプター20を装着しておけばその目的は完全に達
成される。

【００１４】即ち、フィルム引出し口８を図３の上方か
ら押えるアダプターの内面はフィルム引出し口に斜め上
方へ伸びるように傾斜がつけられてアパーチャーに円滑
に運ばれるようにしてあり、該アダプター20の上面は水
平になるようにしてカメラの裏蓋で押えられパトローネ
が安定して正しい装填位置に位置ずけられるようにして
ある。

【００１５】また、自現機に現行のパトローネ10Ａや小
径パトローネ10が送られて現像されるときは、その前工
程で撮影済みのときに巻き込まれたフィルム先端部をヘ
ラ状の治具で外部へ出し、これをショートリーダーに貼
りつけ自動的に自現機に送り込めば良い状態にしてあ
る。

【００１６】即ち、これ等の撮影済みのパトローネはフ
ィルム先端の舌端部分が引き出されてこの部分が切り落
され、残りの部分の先端部がショートリーダーに１つ１
つ貼られて供給容器に並べて自現機の供給部に装填され
るか、又は、自現機の供給部に直接並べて載置される。
そして該ショートリーダーが順次現像処理槽中を先導し
ながら各フィルムを搬送して行く。またフィルムが引き
出されて空となったパトローネ10Ａはフィルムの後端を
切落された後、回収されるようにしてある。

【００１７】従って小径パトローネ10においても前記供
給容器又は供給部のパトローネの載置部をそのまま使い
たいので、前述のようなアダプター20をつけておけば全
く支障なく今までの現像処理システムを使うことができ
る。

【００１８】尚、図１〜４に示したものはアダプター20
が小径パトローネ10のキャップ３の内側の胴部２に嵌り
込んだ状態にしてあり軸方向への抜けがなく安定してい
る。

【００１９】しかし、これに限られるものではなくアダ
プター20の端部は小径パトローネ10のキャップ３の上に
乗っかってしまう設計にしてもかまわない。その場合に
は抜け止め用のピンがアダプターの両サイド内側でキャ
ップ３との段差の部に掛かるように設けられて軸方向の
抜け止めの役目をさせることが望ましい。また、キャッ
プ３の外周部がアダプター20に設けた溝部に嵌めるよう
にしてもよく、この実施例も良好な安定結果を示してい
る。

【００２０】尚、小径パトローネ10の胴部２に施されて
いる感度を表示検出させるためのＣＡＳ処理に対応させ
るためには第２の実施例として図５の斜視図に示すよう
にアダプター20に導電部材21を埋め込んでおけばよい。

【００２１】このときのアダプター20の材質はプラスチ
ックのような非導電性部材でなければならない。

【００２２】以上、小型小径パトローネ10につけるアダ
プター20はカメラと自現機と共通に使用できるようにし
たが、カメラのパトローネ装填室の形状と自現機のパト
ローネの供給部や供給室の形状とは異なっているのでそ
れらに共通したアダプターの形状は自ら制限されたもの
となる。

【００２３】自現機の供給部又は供給容器における現行
パトローネ10Ａのフィルム引出し口８が当接する近傍の
形状は現行パトローネ10Ａに合わせて殆どすべて図６、
図８、図10、図12の31で示すような形状になっている。

【００２４】そこで、このような自現機に対して新小径
パトローネ10が対応できるアダプター120をカメラ用の
アダプター又は共用のアダプター20とは別に専用に設け
ることにより、以下の第３、第４、第５、第６の４つの
実施例に示すように更に多様な形状のアダプター120を
ユニバーサルに対応させて今までの自現機をより安定し
て使用可能にできる。

【００２５】次にこのような第３、第４、第５、第６の
各実施例について逐次説明する。

【００２６】先ず、第３の実施例を図６の自現機供給部
へのセット状態を表わす側面図と図７のそのアダプター
の側面図を用いて説明する。

【００２７】自現機の供給部30のパトローネ受け部に
は、図14の側面図に示すように現行のパトローネ10Ａの
フィルム引出し口８Ａのフィルム案内部外壁である下部
15Ａ及び下顎部12Ａを受ける頂部平面部31及び内側稜部
34があり、更にパトローネ10Ａの胴体部の外周面２Ａが
当接する円筒内面36が設けられている。

【００２８】現行のパトローネ10Ａはこの状態で供給部
30に装着保持され、フィルムが自現機内に引出されて行
く。

【００２９】一方、上記４つの実施例のうち、はじめに
ある第３の実施例においては、新型の小径パトローネ10
はアダプター120Ａの内径面125に胴体部２が嵌められ
て、該パトローネ10の引出し口８の下部15と下顎部12と
は該アダプター120Ａの頂部平面部121及び内側稜部122
で受けられている。

【００３０】この状態のアダプター120Ａはネック部124
の部分が供給部30の頂部平面部31及び内側稜部34に当接
し、外径面126が供給部30の円弧部にほぼ密着した状態
になり、小型小径パトローネ10のフィルム７は円滑に自
現機内に送りこまれるようにしてある。

【００３１】ちなみにアダプター120Ａの内径面125は小
径パトローネ10の外径寸法に合せて20.1mm程度、外径面
126は現行の通常パトローネの外径に合せて24.5mmにし
てあるが、必ずしもこれだけに限定されるものではな
い。

【００３２】第３の実施例とほぼ同様であるが、第４の
実施例が図８のセット状態を表わす側面図及び図９のそ
のアダプター120Ｂの側面図に示している。即ち、供給
部30の内側稜部34にアダプター120Ｂの当接面127をつき
当てアダプター120Ｂ及びそれに嵌合したパトローネ10
のフィルム引出し部８の位置がセット完了する。

【００３３】また、これ等の実施例と同様に第５の実施
例が図10のセット状態を表わす側面図及び図11のアダプ
ター120Ｃの側面図に示してあるがこれは、アダプター1
20Ｃの端部に天蓋129、側板128を設けてそれが供給部30
の頂部平面部31にかぶさるようにセットしてアダプター
120Ｃ及びそれに嵌合するパトローネ10の引出し口８の
位置が安定してセットされるようにしてある。

【００３４】次に、第６の実施例が図12のセット状態を
表わす側面図及び図13のアダプター120Ｄの側面図に示
してあるが、該アダプター120Ｄの端部に形成されるネ
ック部124が供給部30の内側稜部34に当接し、外径面126
が供給部30の内径面36に当接し、パトローネ10のフィル
ム引出し口８の下部15と下顎部12が該アダプター120Ｄ
の端部の面129Ａ及び内側稜部122に当接し、位置決めが
安定して達成できるようになっている。

【００３５】そして、アダプター120Ｄの端部の面129Ａ
から更に伸びる面129Ｂは引出し口８から自現機内に出
てくるフィルム７のガイド面となるようにしてある。

【００３６】以上の第３、第４、第５、第６の実施例は
自現機の供給部30に専用のアダプターであるが、この場
合カメラ用のアダプターはカメラ専用のものを作っても
よいし、第１、第２の実施例に示したようなカメラと自
現機供給部との共通アダプター20を用いてもよい。

【００３７】

【考案の効果】本考案により35mmカメラを更に小型化す
るための小径パトローネの開発にはずみがつくようにな
る。即ち、このような小径パトローネにも簡単なアダプ
ターをつけることにより、従来からのカメラにも充分使
用可能であることが確認されるようになり、又従来の現
像処理システムもそのまま使用可能となり、これにより
感光材料の有望な商品系列が増えることが可能になっ
た。

【００３８】更にカメラとは独立に自現機専用に種々の
適性なアダプターを選択して、より安定したパトローネ
小型化を推進させることが可能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】小径パトローネの斜視図。

【図２】本考案のアダプターの第１の実施例の斜視図。

【図３】小径パトローネにアダプターが装着された状態
の断面図。

【図４】小径パトローネにアダプターが装着された状態
の正面図。

【図５】本考案のアダプターの第２の実施例の斜視図。

【図６】本考案の第３の実施例における自現機供給部へ
のセット状態を表わす側面図。

【図７】そのアダプターの側面図。

【図８】本考案の第４の実施例における自現機供給部へ
のセット状態を表わす側面図。

【図９】そのアダプターの側面図。

【図１０】本考案の第５の実施例における自現機供給部
へのセット状態を表わす側面図。

【図１１】そのアダプターの側面図。

【図１２】本考案の第６の実施例における自現機供給部
へのセット状態を表わす側面図。

【図１３】そのアダプターの側面図。

【図１４】自現機の供給部への現行パトローネをセット
状態にした側面図。

【符号の説明】

２ パトローネ胴部 ３ パトローネキャップ ４ 短ハブ ５ 長ハブ ７ フィルム ８，８Ａ フィルム引出し口 10 小径パトローネ 12，12Ａ 下顎部 15，15Ａ 下部 20 アダプター 30 供給部 31 頂部平面部 34 内側稜部 120Ａ，120Ｂ，120Ｃ，120Ｄ アダプター 121 頂部平面部 122 内側稜部 124 ネック部 125 内径面 126 外径面 127 当接面 128 側板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−143549（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−147540（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−172940（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−172941（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭53−42635（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G03C 3/00

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 小径パトローネに現行パトローネの外径
   をもつ共通のアダプターを装着することにより、前記小
   径パトローネに対しても現行カメラ及び現行各写真処理
   機が改造されることなく現行パトローネと兼用してその
   まま使用可能になるようにしたことを特徴とする35mmフ
   ィルム小径パトローネ用アダプター。
2. 【請求項２】 写真フィルムパトローネの外筒に着脱す
   るアダプターであって、該パトローネの外筒にほぼ一致
   する内面形状を有するＣ字状断面形状をした筒状体であ
   り、上記Ｃ字状の開口部は、該パトローネのフィルム引
   出し口を突出させ、上記Ｃ字状の１端縁は、該パトロー
   ネのフィルム引出し口のフィルム案内部外壁に接し、か
   つ、上記フィルム引出し方向に向けた突起を有すること
   を特徴とする請求項１に記載の35mmフィルム小径パトロ
   ーネ用アダプター。