JP2576819B1 - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子

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JP2576819B1
JP2576819B1 JP8-85849A JP8584996A JP2576819B1 JP 2576819 B1 JP2576819 B1 JP 2576819B1 JP 8584996 A JP8584996 A JP 8584996A JP 2576819 B1 JP2576819 B1 JP 2576819B1
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compound semiconductor
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JP8-85849A
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Inventor
修二 中村
成人 岩佐
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Nichia Corp
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Nichia Corp
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Abstract

【要約】 【課題】 半導体発光素子の発光出力を飛躍的に改善す
る。 【解決手段】 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
は、n型窒化ガリウム系化合物半導体層と、p型窒化ガ
リウム系化合物半導体層との間に、発光層としてインジ
ウムとガリウムを含む窒化物半導体層を備える。発光層
は、p型ドーパントとn型ドーパントの両方がドープさ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化ガリウム系化合
物半導体を用いた発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN、GaAlN、InGaN、In
AlGaN等の窒化ガリウム系化合物半導体は直接遷移
を有し、バンドギャップが1.95eV〜6eVまで変
化するため、発光ダイオード、レーザダイオード等、発
光素子の材料として有望視されている。現在、この材料
を用いた発光素子には、n型窒化ガリウム系化合物半導
体の上に、p型ドーバントをドープした高抵抗なi型の
窒化ガリウム系化合物半導体を積層したいわゆるMIS
構造の青色発光ダイオードが知られている。
【0003】MIS構造の発光素子として、例えば特開
平4−10665号公報、特開平4−10666号公
報、特開平4−10667号公報において、n型GaY
Al1-YNの上に、SiおよびZnをドープしたi型G
YAl1-YNを積層する技術が開示されている。これら
の技術によると、Si、ZnをGaYAl1-YNにドープ
してi型の発光層とすることにより発光素子の発光色を
白色にすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術のように、p型ドーパントであるZnをドープし、さ
らにn型ドーパントであるSiをドープした高抵抗なi
型GaYAl1-YN層を発光層とするMIS構造の発光素
子は発光出力が低く、発光素子として実用化するには未
だ不十分であった。
【0005】従って本発明はこのような事情を鑑みて成
されたものであり、その目的とするところはp−n接合
の窒化ガリウム系化合物半導体を用い、発光素子の発光
出力を向上させようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化ガリウム系
化合物半導体発光素子は、n型窒化ガリウム系化合物半
導体層と、p型窒化ガリウム系化合物半導体層との間
に、発光層として、インジウムとガリウムを含む窒化物
半導体層を備え、発光層に、p型ドーパントおよびn型
ドーパントをドープしてなることを特徴とする。特に、
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、p型
ドーパントとn型ドーパンのドープされる発光層を備え
ることにより、従来のMIS構造の発光素子の発光特性
を100倍以上と飛躍的に改善することに成功したもの
である。
【0007】本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光
素子において、n型およびp型窒化ガリウム系化合物半
導体層とは、GaN、GaAlN、InGaN、InA
lGaN等、窒化ガリウムを含む窒化ガリウム系化合物
半導体に、n型であれば例えばSi、Ge、Te、Se
等のn型ドーパントをドープしてn型特性を示すように
成長した層をいい、p型であれば例えばZn、Mg、C
d、Be、Ca等のp型ドーパントをドープしてp型特
性を示すように成長した層をいう。n型窒化ガリウム系
化合物半導体の場合はノンドープでもn型になる性質が
ある。また、p型窒化ガリウム系化合物半導体層の場
合、p型窒化ガリウム系化合物半導体層をさらに低抵抗
化する手段として、我々が先に出願した特開平3−35
7046号に開示するアニーリング処理を行ってもよ
い。低抵抗化することにより発光出力をさらに向上させ
ることができる。
【0008】特に、発光層の電子キャリア濃度は1×1
17/cm3〜5×1021/cm3の範囲に調整すること
が好ましい。電子キャリア濃度が1×1017/cm3
り少ないか、または5×1021/cm3よりも多いと、
実用的に十分な発光出力が得られない傾向にある。ま
た、電子キャリア濃度と抵抗率とは反比例し、その濃度
がおよそ1×1015/cm3以下であると、InGaN
は高抵抗なi型となる傾向にあり、電子キャリア濃度測
定不能となる。電子キャリア濃度は、例えば、発光層の
p型ドーバントと同時にn型ドーバントをドープする方
法によって前記範囲に調整することができる。発光層に
ドープするp型ドーバント、およびn型ドーパントは特
に変わるものではなく、p型ドーバントとしては、前記
したように例えばZn、Mg、Cd、Be、Ca等、n
型ドーバントとしてはSi、Ge、Te、Se等が使用
できる。
【0009】また、p型ドーパントおよびn型ドーパン
トをドープした、インジウムとガリウムを含む窒化物半
導体層の発光層は、好ましくは、InxGa1-xNの組成
式で示される。この組成式において、Xの値は、0<X
<0.5の範囲に調整することが好ましい。X値を0よ
り多くすることにより、発光色はおよそ紫色領域とな
る。X値を増加するに従い発光色は短波長側から長波長
側に移行し、X値が1付近で赤色にまで変化させること
ができる。しかしながら、X値が0.5以上では結晶性
に優れた発光層が得られにくく、発光効率に優れた発光
素子が得られにくくなるため、X値は0.5未満が好ま
しい。
【0010】
【作用】図1に、発光層の電子キャリア濃度に対する相
対発光出力を示す。この図は、基板上にまずSiをドー
プしたn型GaN層を成長させ、次にn型In0.15Ga
0.85N層を成長させ、その次にMgをドープしたp型G
aN層を成長させてp−n接合のダブルヘテロ構造の発
光素子とし、それを発光ダイオードとして発光させた場
合に、前記発光層の電子キャリア濃度と、その発光ダイ
オードの相対発光出力との関係を示す。なお、発光層
は、p型ドーパントとしてZnをドープして成長した
後、ホール測定装置にてその層の電子キャリア濃度を測
定した。図1の各点は左から順に1×1016、1×10
17、4×1017、1×1018、3×1018、1×1
19、4×1019、1×1020、3×1020、1×10
21、5×1021/cm3の電子キャリア濃度を示してい
る。
【0011】この図に示すように、本発明のインジウム
とガリウムを含む窒化物半導体層を発光層としたダブル
ヘテロ構造のp−n接合窒化ガリウム系化合物半導体発
光素子の場合、インジウムとガリウムを含む窒化物半導
体層の電子キャリア濃度により発光素子の発光出力が変
化する。発光出力はインジウムとガリウムを含む窒化物
半導体層の電子キャリア濃度が1016/cm3付近より
急激に増加し、およそ1×1019/cm3付近で最大と
なり、それを超えると再び急激に減少する傾向にある。
この図において、現在実用化されているn型GaNとi
型GaNよりなるMIS構造の発光素子の発光出力は、
本発明の発光素子の最大値の発光出力のおよそ1/10
0以下でしかなく、また実用範囲を考慮した結果、電子
キャリア濃度は1×1017/cm3〜5×1021/cm3
の範囲が好ましい。このように、本発明の発光素子にお
いて、発光層の電子キャリア濃度の変化により、発光出
力が変化するのは以下の理由であると推察される。
【0012】InGaNはノンドープ(無添加)で成長
すると、窒素空孔ができることによりn型を示すことは
知られている。このノンドープn型InGaNの残留電
子キャリア濃度は、成長条件によりおよそ1×1017
cm3〜1×1022/cm3ぐらいの値を示す。さらに、
このn型InGaN層に発光中心となるp型ドーバント
(図1の場合はZn)をドープすることにより、n型I
nGaN層中の電子キャリア濃度が減少する。このた
め、p型ドーパントを電子キャリア濃度が極端に減少す
るようにドープすると、n型InGaNは高抵抗なi型
となってしまう。この電子キャリア濃度を調整すること
により発光出力が変化するのは、p型ドーパントである
Znの発光中心がドナー不純物とペアを作って発光する
D−Aペア発光の可能性を示唆している。重要なこと
は、ある程度の電子キャリアを作るドナー不純物と、ア
クセプター不純物であるp型ドーパントとが両方存在す
るn型InGaNでは、発光中心の強度が明らかに増大
するということである。
【0013】以上、ノンドープのインジウムとガリウム
を含む窒化物半導体層にp型ドーパントをドープして電
子キャリア濃度を変化させる方法について述べたが、こ
の窒化物半導体層に電子キャリアを作る他のドナー不純
物、即ちn型ドーパントをp型ドーパントと同時にドー
プしても同じである。
【0014】
【実施例】以下有機金属気相成長法により、本発明の発
光素子を製造する方法を述べる。
【0015】[実施例1] よく洗浄したサファイア基板を反応容器内にセットし、
反応容器内を水素で十分置換した後、水素を流しなが
ら、基板の温度を1050℃まで上昇させサファイア基
板のクリーニングを行う。
【0016】続いて、温度を510℃まで下げ、キャリ
アガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアとTMG
(トリメチルガリウム)とを用い、サフ了イア基板上に
GaNよりなるバッファ層を約200オングストローム
の腹膜で成長させる。
【0017】バッファ層成長後、TMGのみ止めて、温
度を1030℃まで上昇させる。1030℃になった
ら、同じく原料ガスにTMGとアンモニアガス、ドーパ
ントガスにシランガスを用い、Siをドープしたn型G
aN層を4μm成長させる。
【0018】n型GaN層成長後、原料ガス、ドーバン
トガスを止め、温度を800℃にして、キャリアガスを
窒素に切り賛え、原料ガスとしてTMGとTM1(トリ
メチルインジウム)とアンモニア、ドーパントガスとし
てDEZ(ジエチルジンク)とシランガスを加え、Zn
およびSiをドープして、n型In0.15Ga0.85N層を
100オングストローム成長させる。なお、このn型I
n0.15Ga0.85N層の電子キャリア濃度は1×1019
cm3であった。
【0019】次に、原料ガス、ドーパントガスを止め、
再び温度を1020℃まで上昇させ、原料ガスとしてT
MGとアンモニア、ドーバントガスとしてCpzMg
(シクロペンタジエニルマグネシウム)とを用い、Mg
をドープしたp型GaN層を0.8μm成長させる。
【0020】p型GaN層成長後、基板を反応容器から
取り出し、アニーリング装置にて窒素雰囲気中、700
℃で20分間アニーリングを行い、最上層のp型GaN
層をさらに低抵抗化する。
【0021】以上のようにして得られたウェハーのp型
GaN層、およびn型In0.15Ga0.85層の一部をエッ
チングにより取り除き、n型GaN層を露出させ、p型
GaN層と、n型GaN層とにオーミック電極を設け、
500μm角のチップにカットした後、常法に従い発光
ダイオードとしたところ、20mAにおいて発光出力は
300μW、発光波長490nmであった。
【0022】[比較例1] 実施例1のZnドープn型In0.15Ga0.85N層を成長
させる工程において、原料ガスにTMG、アンモニア、
ドーパントガスにDEZを用いて、Znをドープした高
抵抗なi型GaN層を成長させる。i型GaN層成長
後、同様にしてi型GaN層の一部をエッチングし、n
型GaN層を露出させ、n型GaN層とi型GaN層と
に電極を設けて、MIS構造の発光ダイオードとしたと
ころ、発光出力は20mAにおいて1μW、輝度2mc
dしかなかった。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化ガリ
ウム系化合物半導体発光素子は、p型窒化ガリウム系化
合物半導体層とn型窒化ガリウム系化合物半導体層の間
に配設する発光層を、p型ドーパントとn型ドーパント
の両方をドープしたインジウムとガリウムを含む窒化物
半導体層として、好ましくはダブルヘテロ構造としてい
るため、従来のMIS構造の発光素子に比して、格段に
発光効率、発光強度が増大する。また、発光層の電子キ
ャリア濃度を最適値にすることによって、従来の発光素
子に比して、100倍以上の発光出力、および発光輝度
を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る発光素子の発光層の電
子キャリア濃度と、相対発光出力との関係を示す図。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】n型窒化ガリウム系化合物半導体層と、p
    型窒化ガリウム系化合物半導体層との間に、発光層とし
    てインジウムとガリウムを含む窒化物半導体層を備え、
    発光層に、p型ドーパントとn型ドーパントの両方がド
    ープされたことを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導
    体発光素子。
JP8-85849A 1993-03-05 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 Expired - Lifetime JP2576819B1 (ja)

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2576819B1 true JP2576819B1 (ja) 1997-01-29

Family

ID=

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9076913B2 (en) 2011-06-21 2015-07-07 Toyoda Gosei Co., Ltd. Group iii nitride semiconductor light-emitting element
US9324912B2 (en) 2011-05-19 2016-04-26 Toyoda Gosei Co., Ltd. Group III nitride semiconductor light-emitting element and method for producing same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9324912B2 (en) 2011-05-19 2016-04-26 Toyoda Gosei Co., Ltd. Group III nitride semiconductor light-emitting element and method for producing same
US9076913B2 (en) 2011-06-21 2015-07-07 Toyoda Gosei Co., Ltd. Group iii nitride semiconductor light-emitting element

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