JP2576207B2 - 4輪駆動車の前後輪差動制限の許可判定方法 - Google Patents

4輪駆動車の前後輪差動制限の許可判定方法

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JP2576207B2
JP2576207B2 JP17021388A JP17021388A JP2576207B2 JP 2576207 B2 JP2576207 B2 JP 2576207B2 JP 17021388 A JP17021388 A JP 17021388A JP 17021388 A JP17021388 A JP 17021388A JP 2576207 B2 JP2576207 B2 JP 2576207B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、4輪駆動車の前後輪の差動制限の許可判定
方法に係り、特に、所定の走行条件で前後輪の差動制御
クラッチを解放して前後輪の差動率又は差動量を検出
し、該検出結果に基づいて前後輪の差動制限を許可し得
る状態か否かを判定する4輪駆動車の前後輪差動制限の
許可判定方法の改良に関する。
【従来の技術】
4輪駆動車の前後輪差動制御装置としては、 2輪駆動状態及び4輪駆動状態のいずれかを差動制
御クラツチによつて切換え可能としたもの、 2輪駆動状態〜4輪駆動状態を伝達容量可変の差動
制御クラツチによつて段階的又は連続的に切換え可能と
したもの、 前後輪間にセンタデフアレンシヤル装置を備え、そ
の差動の許可又は禁止のいずれかを差動制御クラツチに
よつて切換え可能としたもの、 前後輪間にセンタデフアレンシヤル装置を備え、そ
の差動の許可〜制限(禁止を含む)状態を伝達容量可変
の差動制御クラツチによつて段階的又は連続的に切換え
可能としたもの、 等が提案されている。 これらの前後輪差動制御装置を具体的に制御する場
合、a)車両の全走行時又はほとんどの走行時に、前記
前後輪の差動を制限あるいは禁止し、この差動制限ある
いは禁止を車両の走行状態に応じて適宜に解除(又は制
限の程度を変更)するように構成することができる。
又、b)通常時においては前後輪の差動が可能な状態に
維持しておき、車両の走行状態に応じて該前後輪の差動
を制限するように構成することもできる。 一般に、車両の前後輪の有効半径は、パンク等の非常
時以外であつても、該前後輪にかかる車重、荷重の変
化、タイヤの空気圧の違いや摩耗程度の違い、チエーン
の装着等により日常行われる走行時においても微妙に異
なつてくることがある。このようなタイヤの有効半径の
違いに起因した差動は、低車速のときは余り問題となら
ないが、高車速になつてくるとその絶対値が無視し得な
い大きさになつてくることがある。 そのため、このような無視し得ない差動が発生してい
るときに該前後輪の差動を制限した場合、その制限によ
つて前後輪に新たなスリツプを発生させることになり、
燃費の悪化、タイヤの摩耗、動力循環による駆動系の耐
久性の低下等が引き起こされる。 このような点に鑑み、いわゆるパートタイム式の4輪
駆動車では高速時の直結走行を禁止しているものが多
い。又、フルタイム式の4輪駆動車においても、高速走
行時には差動制限を行わないようにしているものが多
い。これは、4輪駆動車は差動制限をしなくても、もと
もと2輪駆動車より高い操縦安定性が得られることにも
依つている。 しかしながら、パートタイム、フルタイムを問わず、
一般に高速時には前後輪の差動を制限するようにした方
がより一層高い操縦安定性が得られることが知られてい
る。 ところで、従来、高速時の差動制限のみに着目したわ
けではないが、上述のような無視し得ない差動が発生し
ているときに差動制限が実行されることによる不具合を
避けるため、差動制限が許可し得る状態であるか否かを
判定し、この判定の結果許可し得る状態でないと判定さ
れたときには差動制限を抑制するようにした差動制御装
置が提案されている(特開昭63-137030)。 この特開昭63-137030において提案された技術は、差
動制限が許可し得る状態であるかを判定するために、車
両の走行状態が安定であるか否かを判断し、安定である
と判定されたときに前後輪の差動を一時的に解除して差
動率を検出し、検出した差動率が所定値以上であるか否
かを判断するというものである。 この出願明細書によれば、車両の走行状態が安定であ
る状態とは、例えば車速が所定値以上、操舵角が所定値
以下、且つエンジン負荷が所定値以下の条件が全て成立
したときとされている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開昭63-137030で提案された技
術にあっては、車両が安定走行状態となつたときに初め
て前後輪の差動状態を検出するようになつていたため、
該前後輪の差動状態の検出自体がなかなか行われないこ
とがあるという問題があつた。 即ち、前後輪の有効半径に起因した差動率又は差動量
は、もともとそれ程大きなものでないため、これを正確
に判定するには車両の走行状態がかなり安定していると
きでなければならず、従つて、必然的に単に車速が所定
値以上であるだけでなく、操舵角が所定値以下、あるい
はエンジン負荷が所定値以下等の条件が必須とされた。
そのため、差動状態の検出自体がなかなか行われないと
いう問題があつたのである。 又、車両が安定走行状態であると確定されたときは、
その「確定されたとき」の差動率がいわば瞬間的に検出
され、その瞬間的な差動率に基づいて高速時の差動制限
が許可し得る状態であるか否かを判定するようにしてい
たため、ときに測定誤差による誤判定が発生する恐れが
あるという問題もあつた。
【発明の目的】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであ
つて、より早い時期に、且つ、より正確に前後輪の差動
状態を検出することができ、その結果より適性に前後輪
の差動制限制御を実行することのできる4輪駆動車の前
後輪差動制限の許可判定方法を提供することを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定の走行条件で前後輪の差動制御クラッ
チを解放して前後輪の差動率又は差動量を検出し、該検
出結果に基づいて前後輪の差動制限を許可し得る状態か
否かを判定する4輪駆動車の前後輪差動制限の許可判定
方法において、第1図にその要旨を示すように、車速を
検出する手順と、車速が所定値以上であると検出された
ときに、前後輪の差動制御クラッチを解放して前記前後
輪の差動状態を継続して検出する手順と、前記前後輪の
差動状態の検出により、前後輪の差動率又は差動量が所
定値以下の状態が所定時間以上に亘つて継続したと判定
されたときに、前後輪の差動制限が許可し得る状態であ
ると判定する手順と、を含むことにより、上記目的を達
成したものである。
【発明の作用及び効果】 本発明においては、前後輪の差動状態を検出するため
の条件として、車速が所定値以上であるということのみ
が規定される。 その結果、車速が所定値以上であると検出された場合
は、直ちに前後輪の差動状態が継続して検出され、この
差動状態の検出によつてある瞬間から差動率又は差動量
が所定値以下であると検出されると、その状態が所定時
間以上に亘つて継続するか否かが判断される。 もし、前後輪の差動率又は差動量が所定時間以上に亘
つて継続した場合は、その段階で差動制限が許可し得る
状態であると判定する。 従つて、前後輪の差動状態の検出にあたつて車両が安
定走行状態となるのを待つのに較べ、はるかに早く前後
輪の差動状態の検出に取り掛かれると共に、「所定時間
以上」に亘つて前後輪の差動率又は差動量が所定値以下
であることが条件とされているため、極めて信頼性のあ
る情報を得ることができるようになる。 本発明において、前後輪の差動状態の検出を行うにあ
たつて、唯一車速が所定値以上であることを条件とした
のは、本発明が特に高速時の差動制限を行い得るか否か
を確認するための制御であるため、第1に、車速が所定
値以下である場合にはもともとそのような確認を行う必
要がないこと、第2に、前後輪の差動状態を検出するに
は、必然的に差動が許可された状態とする必要がある
が、特に前述a)に記載したような、車両の全走行時、
あるいはほとんどの走行時に差動を制限しているような
制御態様を採用している4輪駆動車の場合、前後輪の差
動状態を継続して検出しようとする本発明の構成を採用
し難いためである。 なお、前述b)に記載したような通常時においては前
後輪の差動が可能な状態に維持しておき、車両の走行状
態に応じて適宜に前後輪の差動を制限するように構成し
た4輪駆動車の場合は、必ずしも上述したような積極的
な不具合は発生しない。しかしながら、一般に発進時等
においては差動が制限されるような制御が実施されるた
め、少なくとも発進時において本発明に係る差動検出を
行うのは避けるべきである。従つて、通常時に差動を許
可しておくような4輪駆動車の場合であつても、やはり
車速が所定値以上であるという条件は設けられるべきで
ある。但し、この場合の所定値は、差動が常時制限され
ているタイプの4輪駆動車に比べてかなり低く設定され
てよい。 なお、本発明においては、前後輪の差動状態を検出す
るための指標として前後輪の回転数差を検出するように
してもよいし、これに代え、前後輪の差動率を用いるよ
うにしてもよい。差動状態を検出するための指標として
差動率を用いた場合は、判定の閾値である「所定値
(%)」を車速に依存して変化させる必要がなくなると
いう利点がある。一方、後述する実施例のように、差動
状態を検出するための指標として前後輪の回転数差を採
用するようにした場合は、より早期に「許可」の判定を
得たい場合には、判定の閾値である「所定値(回転
数)」をそのときの車速に応じて変更する必要はある
が、本制御のように高速時の微少な差動を問題としてい
るような場合は、このように回転数差を直接求める方が
一般に検出誤差を小さくできるという利点がある。
【実施例】
以下添付の図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説
明する。 第2図は本発明の実施例が適用された車両用4輪駆動
装置を示すスケルトン図である。 この4輪駆動装置は、エンジン10、自動変速機20、セ
ンタデフアレンシヤル装置30、フロントデフアレンシヤ
ル装置40、トランスフア装置50、リヤデフアレンシヤル
装置60、差動制御クラツチ70、制御装置80、及び各種入
力系90を備える。 エンジン10は車両の前部に横置きにされている。エン
ジン10の出力は自動変速機20に伝達される。 自動変速機20は、流体式トルクコンバータ21及び補助
変速部22を備え、油圧制御部23によつて前進4段、後進
1段の変速段を自動的に切換える周知の構成とされてい
る。前進4段のうちの最高速段(第4速段)はオーバー
ドライブ段となつている。油圧制御部23は、制御装置80
の指令によつて制御される。自動変速機20を経た動力は
出力ギヤ24を介してセンタデフアレンシヤル装置30の入
力ギヤ31に伝達される。 センタデフアレンシヤル装置30は、この入力ギヤ31と
一体化されたデフアレンシヤルケース32を備える。デフ
アレンシヤルケース32には、周知の噛合構成によりピニ
オン軸33、2つの差動ピニオン34、35、後輪出力用サイ
ドギヤ36及び前輪出力用サイドギヤ37が取付けられてい
る。後輪出力用サイドギヤ36はトランスフア装置50のト
ランスフアリングギヤ51に連結されている。前輪出力用
サイドギヤ37は、中空の前輪駆動軸41に連結されてい
る。 フロントデフアレンシヤル装置40は、この前輪駆動軸
41と一体化されたデフアレンシヤルケース42を備える。
このデフアレンシヤルケース42には周知の噛合構成によ
りピニオン軸43、2つの差動ピニオン44、45、左側前輪
出力用サイドギヤ46及び右側前輪出力用サイドギヤ47が
取付けられている。左側前輪駆動用サイドギヤ46には左
側前輪車軸48が、又、右側前輪出力用サイドギヤ47には
右側前輪車軸49がそれぞれ連結されている。 一方、トランスフア装置50は、センタデフアレンシヤ
ル装置30の後輪出力用サイドギヤ36に連結されたトラン
スフアリングギヤ51、このトランスフアリングギヤ51と
噛合するドリブンピニオン52、このドリブンピニオン52
とプロペラシヤフト53を介して一体的に回転するトラン
スフア出力回転ギヤ54を備える。トランスフア出力ギヤ
54はリヤデフアレンシヤル装置60に連結されている。 リヤデフアレンシヤル装置60は、トランスフア出力ギ
ヤ54と噛合するリングギヤが一体的に形成されたデフア
レンシヤルケース61を備える。このデフアレンシヤルケ
ース61には、周知の噛合構成によりピニオン軸62、2つ
の差動ピニオン63、64、左側後輪出力用サイドギヤ65及
び右側後輪出力用サイドギヤ66が取付けられている。左
側後輪出力用サイドギヤ65は左側後輪車軸67に、右側後
輪出力用サイドギヤ66は右側後輪車軸68にそれぞれ連結
されている。 差動制御クラツチ70は、前記センタデフアレンシヤル
装置30の入力部材であるデフアレンシヤルケース32と該
センタデフアレンシヤル装置30の出力部材である前輪駆
動軸41とをトルク伝達関係に接続するものである。この
差動制御クラツチ70は、湿式の多板クラツチ部71及びこ
れを制御する油圧制御部72とから主に構成されている。 第3図に示されるように、多板クラツチ部71には油圧
サーボ部73が付設されている。この油圧サーボ部73の油
室74にサーボ油圧が供給されるとサーボピストン75がリ
ターンスプリング76のバネ力に抗して図中右方へ移動す
る。これによつて多板クラツチ部71が押圧され、該多板
クラツチ部71を介してデフアレンシヤルケース32と前輪
駆動軸41とがトルク伝達関係に接続される。又、油室74
に供給されるサーボ油圧の増減に応じてその伝達トルク
容量が比例的に増減される。油圧サーボ部73の油室74に
対するサーボ油圧の供給は油圧制御部72によつて行われ
る。油圧制御部72の構成は未公知であるため、以下に詳
細に説明する。 第4図〜第7図にこの油圧制御部72の構成を示す。 第4図〜第7図において、符号160が調圧弁、190が第
1切換え弁、210が第2切換え弁、SD1及びSD2はこれら
第1、第2切換え弁190、210を切換えるための電磁弁を
それぞれ示している。 調圧弁160は、段付のスプール162を有する。又、この
調圧弁160は、入口ポート164、ドレンポート165、第
1、第2ブーストポート166、168、フイードバツクポー
ト170、及び出口ポート174を備える。 調圧弁160の入口ポート164には、ライン圧供給油路15
8よりエンジン10の負荷に応じて増減する一般的なライ
ン油圧が常に供給される。又、第1ブーストポート166
にもライン油圧供給油路158よりライン油圧が常に供給
される。これに対し、第2ブーストポート168には後述
の第1切換え弁190及び第2切換え弁210を介してライン
油圧が選択的に供給されるようになつている。又、フイ
ードバツクポート170には、絞り178を有する油路176に
よつて出口ポート174の出力油圧がフイードバツク供給
される。 調圧弁160は、スプール162に作用する図中上向きの力
と下向きの力とのバランスに応じて、入口ポート164及
びドレンポート165の出口ポート174に対する連通度合が
制御される。この連通度合の制御により、入口ポート16
4からのライン油圧が調圧され、この調圧された油圧、
即ちモジユレート油圧が出口ポート174から取出され
る。スプール162に作用する図中上向きの力は、第1ブ
ーストポート166及び第2ブーストポート168に与えられ
る油圧によつて発生される。又、スプール162に作用す
る図中下向きの力は、フイードバツクポート170に与え
られる油圧及び圧縮コイルバネ172のバネ力によつて発
生される。 第1ブーストポート166にのみライン油圧が供給され
ているときには、第8図に示されるような油圧特性のモ
ジユレート油圧Pm2が出口ポート174に発生され、第1ブ
ーストポート166に加えて第2ブーストポート168にもラ
イン油圧が供給されているときには(同一スロツトル開
度のときに)前記モジユレート油圧Pm2より高いモジユ
レート油圧Pm1が出口ポート174に発生される。 調圧弁160の出口ポート174は、油路180によつて第1
切換え弁190の第2入口ポート194に接続されている。 第1切換え弁190は、パイロツトポート196に油圧が供
給されているか否かによつてスプール192が上下動し、
各ポート194、200、202、204、206の接続関係を切換え
るものである。 パイロツトポート196には油路184よりライン油圧がそ
の途中に設けられた電磁弁SD2の開閉に応じて選択的に
供給されるようになつている。油路184の途中には絞り1
88が設けられている。これにより、電磁弁SD2がOFFとさ
れ、これが閉弁状態であるときにはライン圧供給油路15
8からのライン油圧が油路184を経てパイロツトポート19
6に与えられる。又、電磁弁SD2がONとされ、これが開弁
状態であるときには油路184のライン油圧はドレンさ
れ、パイロツトポート196には実質的な油圧は与えられ
なくなる。 パイロツトポート196に油圧が供給されているときに
は、第4図及び第5図に示されているように、スプール
192が圧縮コイルバネ198のバネ力に抗して図中下方に移
動させられる。そのため、第1入口ポート(油路182か
らライン油圧が供給されるポート)200が閉じ、第2入
口ポート(油路180からモジユレータ油圧が供給される
ポート)194が第1出口ポート202に連通され、又、第2
出口ポート204がドレンポート206に連通される。 これに対し、パイロツトポート196に油圧が供給され
ていないときは、第6図及び第7図に示されるように、
スプール192は圧縮コイルバネ198のバネ力によつて図中
上側に移動させられる。そのため第1入口ポート200と
第1出口ポート202とが連通され、又、第2入口ポート1
94と第2出口ポート204とが連通される。 第1切換え弁190の第1出口ポート202は、油路208に
よつて第2切換え弁210の第1入口ポート214に連通され
ている。又、第1切換え弁190の第2出口ポート204は、
油路226によつて第2切換え弁210の第2入口ポート220
に連通されている。 第2切換え弁210は、パイロツトポート216に油圧が供
給されているか否かによつてスプール212が上下動し、
第1、第2入口ポート214、220、第1、第2出口ポート
219、222、及びドレンポート224の各ポートが切換えら
れるようになつている。 第2切換弁210のパイロツトポート216には油路228か
らライン油圧がその途中に設けられた電磁弁SD1の開閉
に応じて選択的に供給されるようになつている。又、油
路228の途中には絞り232が設けられている。これによ
り、電磁弁SD1がOFFとされ、これが閉弁状態であるとき
には、ライン圧供給油路158からのライン油圧が油路228
を経てパイロツトポート216に供給される。これに対
し、電磁弁SD1がONとされ、これが開弁状態であるとき
には、油路228のライン圧がドレンされ、パイロツトポ
ート216には実質的な油圧が与えられなくなる。 パイロツトポート116に油圧が供給されているときに
は、第4図及び第6図に示されているように、スプール
212が圧縮コイルバネ218のバネ力に抗して図中下側に移
動させられる。そのため第1入口ポート214と第1出口
ポート219とが連通され、第2入口ポート220が第2出口
ポート222に連通される。 これに対し、パイロツトポート216に油圧が供給され
ていないときには、第5図及び第7図に示されるよう
に、スプール212が圧縮コイルバネ218のバネ力によつて
図中上側に移動させられる。そのため第1出口ポート21
9がドレンポート224に連通され、又、第2出口ポート22
2が第2入口ポート220に連通される。 第2切換え弁210の第1出口ポート219は、油路234を
介して前述の調圧弁160の第2ブーストポート168に連通
されている。又、第2切換え弁210の第2出口ポート222
は、油路236を介して前述の油圧サーボ部73の油室74に
連通されている。 次に、上述の如き構成からなる油圧制御部72の作用に
ついて説明する。この油圧制御部72は、2つの電磁弁SD
1及びSD2に対する通電が後述する制御装置80によつて個
別的に制御されることにより行われる。 電磁弁SD1及びSD2のいずれにも通電がなされず、2つ
の電磁弁SD1及びSD2が共に閉弁状態となつているときに
は、第4図に示される如く、第1切換え弁190のスプー
ル192及び第2切換え弁210のスプール212が共に下側に
移動する。このとき、第2切換え弁210の第2出口ポー
ト222は第2入口ポート220及び油路226を経て第1切換
え弁190の第2出口ポート204に連通され、又この第2出
口ポート204はドレンポート206に連通される。従つて、
油圧サーボ部73の油室74に供給される油圧、即ちクラツ
チ油圧PCはドレンされ、PC=0になる。 電磁弁SD1にのみ通電が行われ、電磁弁SD2が閉弁、電
磁弁SD1が開弁している状態のときは、第5図に示され
ている如く、第1切換え弁190のスプール192が下方に移
動され、第2切換え弁210のスプール212が上方に移動す
る。このとき、第2切換え弁210の第2出口ポート222
は、第1入口ポート214、油路208、第1切換え弁190の
第1出口ポート202及び第2入口ポート194、油路180を
介して調圧弁160の出口ポート174に連通する。その結
果、第2出口ポート222からは、調圧弁160の出口ポート
174に生じるモジユレート油圧が出力されるようにな
る。 調圧弁160の第2ブーストポート168は、油路234、第
2切換え弁210の第1出口ポート219を介してドレンポー
ト224に連通されていることから、調圧弁160の第2ブー
ストポート168には油圧が供給されず、第1ブーストポ
ート166にのみ油圧が供給されている。従つて、このと
きの調圧弁160の出口ポート174から取出される油圧は、
第8図にて符号Pm2にて示されている低めの油圧とな
り、この低めの油圧Pm2がクラツチ油圧PCとして前記油
圧サーボ部73の油室74に供給されるようになる。 電磁弁SD2にのみ通電が行われ、該電磁弁SD2が開弁、
電磁弁SD1が閉弁状態となつているときには、第6図に
示されるように、第1切換え弁190のスプール192が上方
に移動し、第2切換え弁210のスプール212が下方に移動
するようになる。このとき、第2切換え弁210の第2出
口ポート222は、第2入口ポート220、油路226、第1切
換え弁190の第2出口ポート204、第2入口ポート194、
及び油路180を介して調圧弁160の出口ポート174に連通
する。その結果、第2出力ポート222からは調圧弁160の
出口ポート174に生じるモジユレート油圧が出力される
ようになる。 調圧弁160の第2ブーストポート168は、油路234を介
して第2切換え弁210の第1出口ポート219を経て第1入
口ポート214に連通されている。この第1入口ポート214
は油路208を介して第1切換え弁190の第1出口ポート20
2から第1入口ポート200に連通されている。従つて第2
ブーストポート168にはライン油圧が供給されるように
なる。そのため調圧弁160の出口ポート174には第8図に
おいて符号Pm1にて示される高めのモジユレート油圧が
発生し、この高めのモジユレート油圧Pm1がクラツチ油
圧PCとして前記油圧サーボ部73の油室74に供給されるよ
うになる。 電磁弁SD1及びSD2のいずれもがOFFとされ、該電磁弁S
D1及びSD2が共に開弁状態とされているときは、第7図
に示される如く、第1切換え弁190のスプール192及び第
2切換え弁210のスプール212が共に上方に移動するよう
になる。このとき、第2切換え弁210の第2出口ポート2
22は、第1入口ポート214、油路208を介して第1切換え
弁190の第1出口ポート202に連通される。この第1出口
ポート202は、第1入口ポート200に連通していることか
ら、第1出口ポート222には、ライン油圧が直接供給さ
れる。従つて、ライン油圧PLがクラツチ油圧PCとして油
圧サーボ部73の油室74に供給されるようになる。 以上の構成により、電磁弁SD1、SD2を第8図上欄に示
したように切換えることにより、そのときのライン圧に
応じ、差動制御クラツチ70のクラツチ油圧PC(=差動制
御力)を「HIGH」「MIDDLE」「LOW」「FREE」の4段階
に制御することができる。 ここで「FREE」は差動制御クラツチ70が解放され、全
く自由な差動が許される油圧、「LOW」は駆動系のガタ
を抑えたり、通常走行における路面の細かな外乱の影響
を吸収したりできるが、一方、タイトコーナブレーキン
グ現象を発生することなく自由に旋回し得る程度の油
圧、「MIDDLE」は、「LOW」より強力な差動制限、例え
ば発進加速時の制御等を行うのに充分な差動制限を加え
得る油圧、「HIGH」は更にそれよりも強力な差動制限を
行い得る油圧に相当している。 再び第2図の説明に戻る。 制御装置80は、入力系90からの各入力信号に応じて前
記油圧制御部23及び72を制御する。 この制御装置80には、スロツトル開度センサ91からの
スロツトル開度情報、マニユアルシフトポジシヨンセン
サ92からの自動変速機20のマニユアルシフトレンジ情
報、前輪回転数センサ93からの前輪回転数情報、後輪回
転数センサ94からの後輪回転数情報、操舵角センサ95か
らの車両の操舵角情報、制動センサ96からの制動情報、
O/Dスイツチ97からの運転者のオーバードライブ(第4
速段)走行の許可に関する情報が入力されている。O/D
スイツチ97がOFFとされたときは、自動変速機20は、第
4速段には変速されず、第1速段〜第3速段間で変速が
行われる。 又、制御装置80には、冷却水温センサ98からのエンジ
ン10の暖機状態に関する情報も入力されている。エンジ
ン10の暖機が未だ完了しないうちは、該エンジン10の暖
機を促進するため、この場合も自動変速機20は、第4速
段には変速されず、第1速段〜第3速段間で変速が行わ
れる。 更に制御装置80には、差動セレクトスイツチ99からの
運転者の差動制御状態の要求に関する情報も入力されて
いる。 差動セレクトスイツチ99は「FREE(フリー)」と「AU
TO(オート)」の2つのモードが選択できるようになつ
ている。FREEモードのときは差動制御クラツチ70のクラ
ツチ油圧PCが「FREE」、即ち零(差動許可)とされる。
AUTOモードのときは車両走行状態に応じて自動的にクラ
ツチ油圧PCが「FREE」、「LOW」、「MIDDLE」、「HIG
H」の4段階(第8図参照)に切換えられるようになつ
ている。 制御装置80は、公知の方法により、マニユアルシフト
レンジ情報と前輪回転数情報あるいは後輪回転数情報
(車速情報)とスロツトル開度情報とに応じて、予め定
められた変速パターンに従つて、自動変速機20の変速段
制御のための制御信号を油圧制御部23に出力する。 又、制御装置80は、車両の種々の走行状態に応じて、
前述の電磁弁SD1及びSD2を制御することにより、差動制
御クラツチ70のクラツチ油圧PCを4段階に制御し、その
時の走行状態に最も相応しい差動(制限)力を発生させ
る。電磁弁SD1、SD2の制御によりクラツチ油圧PCを4段
階に制御する構成については、既に詳述した通りであ
る。 更に、制御装置80は、後述する制御手順に従つて、高
速時の差動が許可し得る状態か否かを判定し、判定の結
果、許可し得る状態であつたときは、高速時であつても
差動制御クラツチ70のクラツチ油圧PCが「LOW」となる
ように制御する。 第9図に上記実施例装置で採用されている概略制御手
順を示す。 差動セレクトスイツチ99がAUTOモード状態となつてい
ると、各種走行状態に応じて前後輪の差動を許可又は制
限する制御が行われる。その際、走行状態を検出するセ
ンサが複数あるため、差動許可の要求と差動制限の要求
とが同時に発生して互いに干渉し合うことが考えられ
る。この実施例ではこの不具合を避けるために、優先順
位の原則を採用している。この優先順位の原則とは、各
差動制御に優先順位を付け、優先順位の上位にある差動
制御を実行するときは他の下位にある差動制御を実行し
ないというものである。例えば悪路走行中(スリツプ走
行中)に操舵された場合、あるいは悪路走行中に制動及
び操舵が行われた場合等であつても、いずれか優位に立
つ差動制御において要求されている制御のみが実行され
る。その結果、各差動制御同士の干渉の発生が防止され
る。 なお、この実施例ではいずれの制御条件も成立しなか
つたときは、差動制御クラツチ70が「LOW」となるよう
にプログラムされている。 具体的に第9図の制御手順を説明する。 ステツプ250では差動セレクトスイツチ99の状態が判
定される。差動セレクトスイツチ99がFREEモードとされ
ているときにはステツプ272に進み、差動制御クラツチ7
0が「FREE」、即ち差動許可の状態とされる。 又、差動セレクトスイツチ99がAUTOモードであつた場
合には、ステツプ252に進む。ステツプ252では制動時に
おける差動制御の実行条件が成立するか否かが判定され
る。ここにおける制動時の差動制御とは、特に低摩擦係
数道路における4輪ロツクによる操舵性能の低下を防止
するために、「制動状態」の検出と共にセンタデフアレ
ンシヤル装置30の差動を許可とする制御をいう。従つ
て、この制御条件が成立したときは、差動制御クラツチ
70を「FREE」とするためにステツプ272に進み、差動制
御クラツチ70は「FREE」とされる。 制動時における差動制御の実行条件が不成立な場合
は、ステツプ254に進む。ステツプ254では差動制御クラ
ツチ70の強制解除制御の実行条件が成立するか否かが判
定される。ここにおける強制解除制御とは、差動が制限
されている状態のときに、即ち、電磁弁SD1、SD2の少な
くとも一方がONとされているときに、前後輪の回転数差
が所定値以下とならない状態が所定時間以上継続した場
合、差動制御クラツチ70を保護するために電磁弁SD1、S
D2を共にOFFとし、差動制御クラツチ70を「FREE」とす
る制御をいう。前記所定値及び所定時間は、差動制御ク
ラツチ70の差動制限の程度に応じて複数組設定される。
この強制解除制御の実行条件が成立したときはステツプ
272に進み、差動制御クラツチ70は「FREE」とされる。 強制解除の実行条件が成立しなかつたときはステツプ
256に進む。ここでは、N→Dシフト制御の実行条件が
成立するか否かが判定される。ここにおけるN→Dシフ
ト制御とは、停止又は停止に近い状態でN→D(N→
R、N→2、N→Lを含む)シフトが行われたとき、該
N→Dシフトの信号を検出後所定時間だけ差動制御クラ
ツチ70を「LOW」とし(ステツプ270)、該所定時間が経
過した後アイドルスイツチがONのときに差動作制御クラ
ツチ70を「HIGH」とするものである(ステツプ266)。
これにより、N→Dシフト時のガタ打ち音等を減少させ
る。 N→Dシフト制御の実行条件が成立しなかつたときに
はステツプ258に進む。ステツプ258ではスリツプ制御の
制御条件が成立するか否かが判定される。ここにおける
スリツプ制御とは、前後輪のいずれかが脱輪、前後輪が
異なる摩擦係数の路面に接地、4輪が低μ路に接地とい
うような状態で発進しようとしたときに、前後輪の差動
を制限することによりスリツプを抑制し、車両を円滑に
発進させる制御という。具体的には下記の条件が全て成
立し、しかもそれが所定時間だけ継続した場合に差動制
御クラツチ70を「HIGH」とする制御をいう。 前輪の平均回転数と後輪の平均回転数のいずれか小
さい方が所定値以下 前後輪の回転数差が所定値以上 アイドル接点がOFF又はスロツトル開度が所定値以
上 前輪の平均回転数と後輪の平均回転数のいずれか大
きい方が所定値以下 このような〜の条件が全て成立し、しかもそれが
所定時間継続した場合は、ステツプ266に進み差動制御
クラツチ70が「HIGH」とされる。 スリツプ制御の実行条件が成立しなかつたときは、ス
テツプ260に進む。ステツプ260では高車速時制御の実行
条件が成立するか否かが判定される。 ここにおける高車速時制御が本発明に係る制御であ
る。この制御については後に第10図を用いて詳述する。 高車速時制御の実行条件が成立しなかつたときは、ス
テツプ262に進む。ステツプ262においては発進加速時制
御の実行条件が成立するか否かが判定される。ここにお
ける発進加速時制御とは、自動変速機20の変速段が第1
速段であり且つスロツトル開度が所定値以上の時にスリ
ツプを防止して良好な加速を得るべく差動制御クラツチ
70を「MIDDLE」とするものである。従つて、ステツプ26
2において発進加速時制御の実行条件が成立したときは
ステツプ268に進む。 ステツプ262の発進加速時制御の制御条件が成立しな
かつたときはステツプ264に進む。ステツプ264では変速
時制御の実行条件が成立するか否かが判定される。ここ
における変速時制御とは、差動制御クラツチ70を変速が
所定回数行われる毎に「FREE」とし、該差動制御クラツ
チ70の摩擦面に定期的に潤滑油を供給する制御をいう。
実行条件が成立した場合にはステツプ272に進んで差動
制御クラツチ70が「FREE」とされる。 このような制御フローが実行される結果、各制御には
優先順位が付けられ、上位に相当する差動制御の実行条
件が成立した段階でそれより下位に相当する差動制御の
成立判断が行われないことになる。その結果、差動制御
クラツチ70に関して同時に複数の制御指令が発生するこ
とがなく、制御の干渉が有効に防止される。 なお、ステツプ260の高車速時制御が例えば10図で示
される多くのステツプからなるように、ステツプ250〜2
64の各制御の実行条件の判定及び制御の実行は、必ずし
も第9図に示されるような単純なフローによつて達成さ
れるものではない。 次に、第10図に上述の高車速時制御(以下本制御とい
う)に焦点を絞つた制御フローを示す。 この制御フローはエンジンの始動によりスタートす
る。ステツプ301でデータやフラグ、カウント等の初期
化を行つた後、ステツプ303で各種制御に必要なデータ
が入力・演算される。このデータにより、自動変速機20
の変速段の制御を行なつたり、差動制御クラツチ70のAU
TO制御(差動セレクトスイツチ99がAUTOモードとされて
いるときの自動制御)を行つたりする。 なお、本制御を実行するために特に入力あるいは演算
されるデータとしては、前輪の平均回転数NF、後輪の平
均回転数NR、車速(前後輪の平均回転数)V、前後輪の
回転数差ΔNFR、あるいはセンタデフアレンシヤル装置3
0における差動回転数ΔNM等がある。ここで、前後輪の
回転数差ΔNFRは、NF‐NRの絶対値として演算される。
なお、ΔNFRとΔNMは、比例関係にあるため、互いに代
用が可能である。 又、この実施例では、前後輪の差動状態を検出するた
めの指標として、前後輪の回転数差ΔNFRを検出するよ
うにしているが、これに代え、前後輪の差動率NF/NR
用いるようにしてもよい。このように、差動状態を検出
するための指標として差動率を用いた場合は、「所定値
(%)」を車速に依存して変化させる必要がなくなると
いう利点がある。 一方、本実施例のように、差動状態を検出するための
指標として前後輪の回転数差ΔNFRを採用するようにし
た場合は、より早期に「許可」の判定を得るには「所定
値(回転数)」をそのときの車速に応じて変更する必要
はあるが、本制御のように高速時の微少な差動を問題と
しているような場合は、このように回転数差を直接求め
る方が、一般に検出誤差を小さくできるという利点が得
られる。 ステツプ320においては、差動セレクトスイツチ99がA
UTOモードになつているか否かが判断される。差動セレ
クトスイツチ99がAUTOモードとなつていた場合、前述の
第9図のフローに従つて本制御より優先(上位)のAUTO
制御が実行される。ここではこれをステツプ321におい
て単に差動制御クラツチ「ON」とのみ記載している。 次に、ステツプ322でフラグFAの判定を行つている。
このフラグFAは、後述する前後輪の回転数差ΔNFRの検
出の結果、該ΔNFRが所定の時間T1継続して所定値ΔN1
以下であつた場合に1とされ、そうでない場合に零とさ
れるものである。このフラグFAは、初期化で零とされて
いるため、当初はステツプ322でFA=0と判定され、ス
テツプ323に進む。 ステツプ323ではフラグFBが判定される。フラグFB
後述するステツプ335において差動制御クラツチ70を「F
REE」として回転数差ΔNFRを調査しているときに1とさ
れ、そうでないときに零とされるものである。FBも初期
化で零とされているため、当初はステツプ323からステ
ツプ334へと進む。 ステツプ334では車速Vが所定の車速V2よりも大きい
か否かを判定する。このV2は高車速か否かを判断する閾
値であり、例えば100km/hに設定される。V<V2である
ときは、低速走行ということで、そのまま下位のAUTO制
御に入つた後(ステツプ338Aで差動クラツチ「ON」と表
示)リターンする。V≧V2であつたときは、高速走行と
いうことで、ステツプ335に進んで差動制御クラツチ70
を「FREE」とし、その後ステツプ323から324側へと進め
るために、ステツプ336でフラグFBを1に設定しリター
ンする。 一度フラグFBが1に設定されると、ステツプ320→ス
テツプ324へと進み、回転数差ΔNFRが所定値(所定量)
ΔN1よりも大きいか否かが判断される。回転数差ΔNFR
が所定量ΔN1よりも大きかつた場合はステツプ339へと
進む。小さかつた場合はステツプ325に進んでフラグFC
が判定される。フラグFCは、回転数差ΔNFRが所定量ΔN
1より小さい状態の継続時間をカウントするためのタイ
マTAが作動中であるときに1とされ、そうでないときに
零とされるものである。このフラグFCも初期化で零とさ
れているため、当初は零と判定され、ステツプ325から3
45へと進み、タイマTAのカウントがスタートされる。
又、タイマTAが作動したため、ステツプ346でFC=1と
しリターンする。 その後は、回転数差ΔNFRが所定量ΔN1より小さい状
態が続いていれば、ステツプ324、325からステツプ326
へと進み、タイマTAが所定の時間T1以上となつたかを判
断する。TA≧T1であれば、ステツプ341へ進み、車速V
が所定の車速V3以下となつたかを判断する。この所定の
車速V3は高車速状態でなくなつたことを判断するための
閾値で前述の車速V2より若干低い値、例えば90km/hに設
定されている。V≦V3であればそのままリターンする。 一方、回転数差ΔNFRが所定量ΔN1より小さい状態でT
A≧T1となつた場合(ステツプ326でYES)はステツプ326
から327へと進んで差動制御クラツチ70を「LOW」とす
る。その後ステツプ328で回転数差ΔNFRが小さい状態が
所定時間T1に継続した、換言すれば差動制限を許可し得
る状態であると判断したということでフラグFAを1とす
る。なお、タイマTAのカウント、フラグFCのリセツトも
ここで行われる。 一度ステツプ328でフラグFAが1とされると、以降は
ステツプ321で上位のAUTO制御を実行した後ステツプ322
から329へと進み、車速Vが所定値V1以下となるまでは
ステツプ321Aで高車速時の「LOW」制御を含む下位のAUT
O制御が自由に実行され、リターンされる(ステツプ321
Aでは差動制御クラツチ「ON」と表示)。従つて回転数
差ΔNFRの判定は行われない。 ここで、所定値V1は、車両停止を判断するための閾値
で例えば9km/hに設定されている。この意味としては、
車両が停止すればタイヤ交換やタイヤ調整、あるいはチ
エーンの装着等のタイヤの有効半径が変化する作業が行
われる可能性があるためである。 FA=1となつた後、V≦V1となつた場合はステツプ32
9から331、332と進み、フラグFA及びFBを零としリター
ンする。この結果、V≧V2、即ち高車速となつた場合は
再び回転数差ΔNFRの判断が行われることになる。 このような制御フローにより一度FA=1となるとV>
V1での走行中は本制御によつてΔNFR検出のために差動
制御クラツチ70が「FREE」とされることはなく、従つて
V≧V2の条件が成立する度に差動制御クラツチ70が「FR
EE」とされるような不具合を防止することができる。 一方、FA=1となるまえに、即ち、回転数差ΔNFR
ΔN1の状態が所定時間T1以上継続するまえに、ステツプ
324でΔNFR≧ΔN1と一度でも判断された場合はステツプ
339に進んでタイマTAのカウントはリセツトされ、ステ
ツプ340でTAをリセツトしたという意味でフラグFCが零
にリセツトされる。これは、所定時間T1継続して回転数
差ΔNFRが所定量ΔN1以下であると判定されないかぎ
り、作動制限が許可し得る状態であるとは判定し難いた
めである。 なお、FA=1となるまえにステツプ341でV≦V3とな
つた場合は、ステツプ341からステツプ343へと進み、差
動制御クラツチ70が再び「ON」状態(下位のAUTO制御状
態)となるようになつている。即ち、ΔNFRを検出する
作業はここで中止される。これは、車速が所定値V3以下
となつた場合は、高車速状態ではなくなつた場合である
ため、たとえ前後輪のタイヤの有効半径が多少異なつて
いたとしても、その影響が無視できる程に小さいためで
ある。従つて、高車速時の「LOW」制御を含まない下位
のAUTO制御(第9図)が自由に実行される(上位のAUTO
制御はステツプ321で実行)。なお、ステツプ343では差
動制御クラツチ「ON」とのみ表示している。ステツプ34
1で車速が所定値V3以下となつた場合は本制御による差
動制御クラツチ70の「FREE」制御が非実行中となつたこ
とを示すためにフラグFBが零にリセツトされる(ステツ
プ344)。 従つて、次のフローからはステツプ323から再びステ
ツプ334へと進み、車速Vが所定値V2以上となつてから
再び回転数差ΔNFRの検出が再開される。 この実施例によれば、高車速状態(V≧V2の状態)に
なると、前後輪のわずかな有効半径の違いが大きな差動
として顕在化するようになるため、動力循環による駆動
系の耐久性低下を防止するために、あるいは燃費を向上
させるために、取り敢えず差動制御クラツチ70が「FRE
E」とされる。従つて、たとえ前後輪に有効半径の違い
があるような状態で高車速走行に入つたとしても動力循
環による駆動系の耐久性の低下や燃費の低下が発生する
のを防止することができる。 又、差動制御クラツチ70を「FREE」とすると共に、前
後輪の実際の差動状態を検出し、その結果前後輪の回転
数差ΔNFRが所定量ΔN1より小さい状態が所定時間T1
上に亘つて継続したことが確認されたときは、高車速で
あつても駆動系の耐久性や燃費上特に問題がないため、
再び標準状態である「LOW」に切換えられるようになつ
ている。その結果、一層の操縦安定性を確保することが
できるようになる。 更に、本実施例においては、一度差動制限が許容し得
る状態であると判断されたとき(FA=1となつたとき)
は、車速が停止に近い所定値V3以下となるまでは差動状
態検出のための「FREE」操作を実行しないようにしてい
るため、高速走行時の「LOW」制御を十分に実行するこ
とができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の要旨を示す流れ図、 第2図は、本発明が適用される4輪駆動車の動力伝達系
統を示すスケルトン図、 第3図は、センタデフアレンシヤル装置の差動を制限す
るための差動制御クラツチのスケルトン図、 第4図〜第7図は、上記差動制御クラツチの油圧サーボ
部に供給する油圧を発生させるための油圧回路図、 第8図は、該油圧回路によつて作り出される油圧の特性
及びこの油圧特性を実現するときの電磁弁のON-OFF状態
を示す線図、 第9図は、上記実施例で採用されている制御手順の概略
を示す流れ図、 第10図は、上記制御手順を高車速時制御(本発明に係る
制御)に焦点を絞つてより詳細に示した流れ図である。 10……エンジン、20……自動変速機、30……センタデフ
アレンシヤル装置、40……前輪用デフアレンシヤル装
置、50……トランスフア装置、60……後輪用デフアレン
シヤル装置、70……差動制御クラツチ、80……制御装
置、90……入力計、93……前輪回転数センサ、94……後
輪回転数センサ、99……差動セレクトスイツチ、V……
車速、V1〜V3……所定値、ΔNFR……前後輪の回転数
差、ΔN1……(差動)所定量。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の走行条件で前後輪の差動制御クラッ
    チを解放して前後輪の差動率又は差動量を検出し、該検
    出結果に基づいて前後輪の差動制限を許可し得る状態か
    否かを判定する4輪駆動車の前後輪差動制限の許可判定
    方法において、 車速を検出する手順と、 車速が所定値以上であると検出されたときに、前後輪の
    差動制御クラッチを解放して前記前後輪の差動状態を継
    続して検出する手順と、 前記前後輪の差動状態の検出により、前後輪の差動率又
    は差動量が所定値以下の状態が所定時間以上に亘つて継
    続したと判定されたときに、前後輪の差動制限が許可し
    得る状態であると判定する手順と、 を含むことを特徴とする4輪駆動車の前後輪差動制限の
    許可判定方法。
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