JP2576178Y2 - 分流弁 - Google Patents

分流弁

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JP2576178Y2
JP2576178Y2 JP1992017362U JP1736292U JP2576178Y2 JP 2576178 Y2 JP2576178 Y2 JP 2576178Y2 JP 1992017362 U JP1992017362 U JP 1992017362U JP 1736292 U JP1736292 U JP 1736292U JP 2576178 Y2 JP2576178 Y2 JP 2576178Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、油圧回路における分
流弁、特に自動車の後輪側優先の四輪動力操舵装置の油
圧回路における分流弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術の自動車の四輪動力操舵装置
の前輪側パワーシリンダ及び後輪側パワーシリンダへの
油圧制御回路中の制御弁装置に設けられている分流弁
は、図3に示すように弁ハウジング1内には、分流弁の
スプール2が滑動自在に嵌挿された滑動孔3が形成さ
れ、流入孔4、第1流出孔6及び第2流出孔7が外方に
開口している。
【0003】自動車の四輪動力操舵において後輪側の操
舵を確実に行いたい車種の場合(後輪側優先の場合)に
は、流入孔4には、ポンプからの供給通路L1が接続さ
れ、第1流出孔6には前輪側パワーシリンダ側の第2供
給通路L2が、第2流出孔7には後輪側パワーシリンダ
側の第3供給通路L3が夫れ夫れ接続され、後輪側のパ
ワーシリンダへの給油を優先にして、一定流量を確保す
るように制御する。
【0004】そして、ポンプは、高速回転時に流量が減
少する回転感応ポンプであって、後輪側パワーシリンダ
への流量は所定の流量が確保されるが、前輪側パワーシ
リンダへの流量は、低速時には大きく、前輪側操舵が軽
くなり、高速時には小さく、前輪側操舵が重くなるよう
にしてある。
【0005】滑動孔4には、スプール2が滑動自在に嵌
装され、その内周面には、右側から第1環状溝11及び
第3環状溝12が形成されている。スプール2には、右
端側から第1ランド部13、第1環状溝部14、第2ラ
ンド部15、第2環状溝部16、第3ランド部17、第
3環状溝部18及び第4ランド部19が順次形成され、
中心軸線に右端側からの中心孔21、固定絞り22及び
ばね挿入孔23が順次連通して貫通形成され、中心孔2
1は、半径方向の連通孔24により第1環状溝部14と
連通している。
【0006】そして第1環状溝11の肩部(右側)と第
2ランド部15の肩部(右側)とにより第1可変絞り2
5が形成され、第3環状溝12の肩部(左側)と第4ラ
ンド部19の肩部(左側)とにより第2可変絞り26が
形成される。可変絞りを形成する第2ランド部15の肩
部と第4ランド部19の肩部とには、適宜のスリットが
形成されている。滑動孔3の両端は、ねじ孔となり、ね
じ蓋栓27,28が調節自在に螺入され、ねじ蓋栓27
は、スプール2の限界位置決めストッパとして機能す
る。
【0007】スプール2のばね挿入孔23の底とねじ蓋
栓28の先端との間には、圧縮コイルばね29が予圧を
もって嵌装されており、ねじ蓋栓28は調節回転される
ことによりスプール2に対し進退し、圧縮コイルばね2
9の予圧が調整されるようになっている。そして、可動
のねじ蓋栓27,28の密封性はOリングにより維持さ
れる。
【0008】上記の自動車の四輪動力操舵装置における
分流弁の作用について述べると、ポンプから供給される
圧力油は、第1供給管路L1から流入孔4に流入し、前
輪側パワーシリンダに供給される圧力油の流路において
は、圧力油は、スプール2の第1環状溝部14、第1可
変絞り25及び第1環状溝11を介して第1流出孔6か
ら第2供給管路L2に流れ、前輪側パワーシリンダに供
給される。他方、後輪側パワーシリンダに供給される圧
力油の流路においては、スプール2の第1環状溝部1
4、連通孔24、中心孔21、固定絞り22及びばね挿
入孔部23、第2可変絞り26、第2環状溝12及び第
2流出通路7を介して第3供給管路L3から後輪側パワ
ーシリンダに流入供給される。
【0009】スプール2は、スプール2に対する力が下
記の式が成り立つような平衡位置になる。 S(P−P)=k(x+x)+Ff S:スプール2の最大断面積 P:固定絞り22より上流側の圧力(即ち供給油圧) P:固定絞り22より下流側の圧力 k :圧縮コイルばね29のばね常数 x:圧縮コイルばね29の初期圧縮量 x :圧縮コイルばね29の圧縮量 Ff:第2可変絞り26において働く流体力と第1可変
絞り25において働く流体力との差
【0010】即ち、第1可変絞り25及び第2可変絞り
26は夫々その平衡位置に応じた適宜の開度で開かれた
状態になる。従って、前後輪側パワーシリンダに供給さ
れる圧力油の流量は、後輪側優先で、第1可変絞り25
及び第2可変絞り26の開度に応じて分配制御される。
【0011】従って、ポンプからの供給通路L1に定格
流量の圧力油が供給されている場合には、前輪側パワー
シリンダ及び後輪側パワーシリンダには、負荷の如何に
拘らず適切な分配率で圧力油が分配されて供給される。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】上記のような分流弁を
備えた自動車の四輪動力操舵装置の油圧回路において、
常温の場合は、第1供給管路L1に定格流量が供給され
ており、上記のようにして前輪側パワーシリンダ及び後
輪側パワーシリンダに圧力油が分配されるのであるが、
ポンプから分流弁に供給される油量を制御する流量制御
弁においては、絞りの前後の差圧でバイパス通路の開度
が調整されて分流弁への流量が調整されるので、低温の
場合は、作動油の粘度が大きくなるので、流量制御弁の
絞り弁前後の差圧が大きくなり、分流弁への供給流量が
減少する。
【0013】その結果、十分でない供給流量のもとで
も、上記のように分流弁では、低温での作動油の粘度増
加が分流弁の固定絞りにおける差圧の増加をもたらすと
はいえ、その影響は大きくなく、後輪側パワーシリンダ
側の第3供給通路L3への流量が優先的に確保されるよ
うに分配制御されるので、前輪側パワーシリンダ側の第
2供給通路L2への流量は過度に不足する。その結果、
低温においては、前輪側操舵装置の追従性が悪くなり、
自動車の操舵機能が低下する。
【0014】そこで、この考案は、低温時においても前
輪側パワーシリンダへの流量の過度の不足を抑止する分
流弁を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この考案の分流弁は、滑
動孔が形成された弁ハウジング及び滑動孔に滑動自在に
嵌挿されたスプールを具備し、滑動孔は、第1流入通
路、第2流入通路、第1流出通路及び第2流出通路夫々
に個別に連通すると共に、第1流入通路は、圧油供給路
中における通常の粘度の圧油では絞り機能がない緩い絞
の下流側に接続され、第2流入通路は、前記の緩い絞
りの上流側に接続され、スプールは、複数のランド部と
固定絞りをもつ中空孔とが形成され、1つのランド部
は、滑動孔における第1流出通路と第2流出通路との連
通を遮断し、他の1つのランド部は第1流出通路に対す
る第1可変絞りを形成し、更に1つのランド部は第2流
出通路に対する第2可変絞りを形成し、第1流入通路か
ら第1流出通路への流路が第1可変絞りを介して形成さ
れ、第1流入通路から第2流出通路への流路が中空孔の
固定絞り及び第2可変絞りを介して形成され、第1流入
通路側と第2流入通路側との差圧及び固定絞りの上流側
と下流側との差圧が第1可変絞りを開き、第2可変絞り
を閉じる方向にスプールに加わり、且つ、弾性部材が第
1可変絞りを閉じ、第2可変絞りを開く方向にスプール
に加わるように構成されている。
【0016】前記緩い絞りは、圧油供給路中に設けられ
る替わりにスプールの中空孔に固定絞りと共に設けられ
てもよい。この場合、第2流入通路は省略される。
【0017】
【作用】上記の分流弁の作用について説明する。第1・
第2流出通路を介して第1・第2圧力油供給先に定格流
量の圧力油が供給されている場合、供給される圧力油
は、供給管路から第1流入通路に流入し、分流弁に流入
する。そして、第1圧力油供給先に供給される圧力油の
流路においては、圧力油は、流入通路から第1可変絞り
及び第1流出通路を介して第1圧力油供給先に供給さ
れ、第2圧力油供給先に供給される圧力油の流路におい
ては、圧力油は、第1流入通路からスプールの中空孔、
固定絞り、第2可変絞り及び第2流出通路を介して第2
圧力油供給先に供給される。
【0018】固定絞りを定格流量の圧力油が流れる結
果、上流側・下流側間における油圧差が所定値に維持さ
れる位置へスプールが移動し、第1可変絞り及び第2可
変絞りは夫々適宜の開度で開かれた状態にある。その結
果、第2圧力油供給先を優先して、第1及び第2圧力油
供給先には、負荷の如何に拘らず適切な分配率で圧力油
が分配されて供給される。
【0019】既に述べたように、低温の場合は、作動油
の粘度が大きくなり、分流弁への供給流量が減少する。
その結果、固定絞りの上流側・下流側間における油圧差
が所定値未満になり、スプールは、第2可変絞りの開度
が大きくなり、第1可変絞りの開度は小さくなるように
変位しようとする。
【0020】しかし、低温時の高粘度の作動油の流通に
のみ圧油供給路中の緩い絞りに発生する差圧が上記の変
位に対抗するようにスプールに働き、又は同じく低温時
の高粘度の作動油の流通にのみ生じるスプールの中空孔
の緩い絞りの働きが固定絞りの働きに付加された結果の
差圧が上記の変位に対抗するようにスプールに働き、第
1可変絞りの開度が過度に減少することは阻止される。
【0021】
【実施例】この考案の実施例における分流弁、即ち自動
車の四輪動力操舵装置の前輪側パワーシリンダ及び後輪
側パワーシリンダへの油圧制御回路中の制御弁装置に設
けられている分流弁を図面に従って説明する。なお、図
面における左右方向を以下の説明における左右方向とし
て記載する。
【0022】図1に示す第1実旌例の分流弁について説
明する。弁ハウジング1内には、分流弁のスプール2が
滑動自在に嵌挿された滑動孔3が形成され、第1流入孔
4、第2流入孔5、第1流出孔6及び第2流出孔7が外
方に開口している。
【0023】第1流入孔4には、回転数感応ポンプから
の供給通路L1が接続され、第1供給通路L1中には、
上流側から順に流量制御弁(図示しない)及び絞り度が
あまり大きくない(絞り口径があまり小さくない)オリ
フィス8が介在しており、流量制御弁(図示しない)と
オリフィス8との間で供給通路L1から分岐した副供給
通路L4が第2流入孔5に接続されている。第1流出孔
6には前輪側パワーシリンダ側の第2供給通路L2が、
第2流出孔7には後輪側パワーシリンダ側の第3供給通
路L3が夫れ夫れ接続されている。
【0024】滑動孔3には、スプール2(左側)とフリ
ーピストン9(右側)とが滑動自在に嵌装され、その内
周面には、右側から第3環状溝10、第1環状溝11及
び第3環状溝12が形成されている。スプール2には、
右端側から第1ランド部13、第1環状溝部14、第2
ランド部15、第2環状溝部16、第3ランド部17、
第3環状溝部18及び第4ランド部19が順次形成さ
れ、中心軸線に右端側からの中心孔21、固定絞り22
及びばね挿入孔23が順次連通して貫通形成され、中心
孔21は、半径方向の連通孔24により第1環状溝部1
4と連通している。
【0025】そして第1環状溝11の肩部(右側)と第
2ランド部15の肩部(右側)とにより第1可変絞り2
5が形成され、第3環状溝12の肩部(左側)と第4ラ
ンド部19の肩部(左側)とにより第2可変絞り26が
形成される。可変絞りを形成する第2ランド部15の肩
部と第4ランド部19の肩部とには、適宜のスリットが
形成されている。
【0026】滑動孔3の両端は、ねじ孔となり、ねじ蓋
栓27,28が調節自在に螺入され、ねじ蓋栓27の先
端に形成された突起部27aは、フリーピストン9の端
面に当接し、ねじ蓋栓27の先端との間に第3環状溝1
0に臨んだ空間を形成すると共に、フリーピストン9を
介してスプール2の限界位置決めストッパとして機能す
る。
【0027】図2に示す第2実施例の分流弁について説
明する。弁ハウジング1内には、分流弁のスプール2が
滑動自在に嵌挿された滑動孔3が形成され、第1流入孔
4、第1流出孔6及び第2流出孔7が外方に開口してい
る(第2流入孔5はない。)
【0028】第1流入孔4には、回転数感応ポンプのか
らの供給通路L1が接続され(副供給通路L4はな
い)、供給通路L1中には、流量制御弁(図示しない)
が介在している。第1流出孔6には前輪側パワーシリン
ダ側の第2供給通路L2が、第2流出孔7には後輪側パ
ワーシリンダ側の第3供給通路L3が夫れ夫れ接続され
ている。
【0029】滑動孔3の内周面には、右側から第1環状
溝11及び第2環状溝12が形成され(第3環状溝10
はない)、スプール2には、右端側から第1ランド部1
3、第1環状溝部14、第2ランド部15、第1環状溝
部16、第3ランド部17、第3環状溝部18及び第4
ランド部19が順次形成され、中心軸線に右端側から中
心孔21、中心孔21より小径のチョーク絞り孔31、
固定絞り22及びばね挿入孔23が順次連通して貫通形
成され、中心孔21は、半径方向の連通孔24により第
1環状溝部14と連通し、小径のチョーク絞り孔31
は、その長さと径とにより作動油の低温流量特性が設定
される。
【0030】そして第1実施例と同様に第1環状溝11
の肩部(右側)と第2ランド部15の肩部(右側)とに
より第1可変絞り25が形成され、第2環状溝12の肩
部(左側)と第4ランド部19の肩部(左側)とにより
第2可変絞り26が形成される。可変絞りを形成する第
2ランド部15の肩部と第4ランド部19の肩部とに
は、適宜のスリットが形成されている。滑動孔3の両端
は、ねじ孔となり、ねじ蓋栓27,28が調節自在に螺
入され、ねじ蓋栓27は、スプール2の限界位置決めス
トッパとして機能する。
【0031】第1実施例及び第2実施例の分流弁のいず
れにおいても、スプール2のばね挿入孔23の底とねじ
蓋栓28の先端との間には、圧縮コイルばね29が予圧
をもって嵌装されており、ねじ蓋栓28は調節回転され
ることによりスプール2に対し進退し、圧縮コイルばね
29の予圧が調整されるようになっている。そして、可
動のねじ蓋栓27,28の密封性はOリングにより維持
される。
【0032】上記の自動車の四輪動力操舵装置における
分流弁の作用について述べる。第1実施例の分配弁にお
いては、ポンプから供給される圧力油は、油圧Pをも
って第1供給通路L1に供給され、オリフィス8で油圧
に減圧されて第1流入孔4に流入する。
【0033】前輪側パワーシリンダに供給される流路で
は、油圧Pの圧力油は、スプール2の第1環状溝部1
4、第1可変絞り25及び第1環状溝11を介して第1
流出孔6から第2供給通路L2に流れ、前輪側パワーシ
リンダに供給される。他方、後輪側パワーシリンダに供
給される流路においては、油圧Pの圧力油は、スプー
ル2の第1環状溝部14及び連通孔24を介して中心孔
21に到り、固定絞り22で油圧Pに減圧され、ばね
挿入孔部23、第2可変絞り26及び第2環状溝12を
介して第2流出孔7から第3供給通路L3に流れ、後輪
側パワーシリンダに供給される。
【0034】更に、油圧Pをもって第1供給通路L1
に供給された圧力油は、そのまま、補助供給通路L4、
第2流入孔5及び第3環状溝10を介してフリーピスト
ン9とねじ蓋栓27との間の空間に流入する。
【0035】第2実施例の分配弁においては、ポンプか
ら供給される圧力油は、油圧Pをもって第1供給通路
L1を介して第1流入孔4に流入する。
【0036】前輪側パワーシリンダに供給される流路で
は、油圧Pの圧力油は、スプール2の第1環状溝部1
4、第1可変絞り25及び第1環状溝11を介して第1
流出孔6から第2供給通路L2に流れ、前輪側パワーシ
リンダに供給される。他方、後輪側パワーシリンダに供
給される流路においては、油圧Pの圧力油は、スプー
ル2の第1環状溝部14及び連通孔24を介して中心孔
21に到り、チョーク絞り孔31で油圧Pに減圧さ
れ、更に固定絞り22で油圧Pに減圧され、ばね挿入
孔部23、第2可変絞り26及び第2環状溝12を介し
て第2流出孔7から第3供給通路L3に流れ、後輪側パ
ワーシリンダに供給される。
【0037】その際、スプール2に対し働く軸線方向の
力関係は、第1実施例においては、固定絞り22におけ
る減圧により生じた圧力差がスプール2の断面積に働く
力、緩い絞りのオリフィス8における減圧により生じる
圧力差がフリーピストン9の断面積に働く力及び第1可
変絞り25で働く流体力が左方に働き、圧縮コイルばね
29のばね力及び第2可変絞り26で働く流体力が右方
に働く。
【0038】第2実施例においては、固定絞り22及び
チョーク絞り孔31における減圧により生じる圧力差が
スプール2の断面積に働く力及び第1可変絞り25で働
く流体力が左方に働き、圧縮コイルばね29のばね力及
び第2可変絞り26で働く流体力が右方に働く。
【0039】そこで、第1、第2実施例の分配弁におい
て、スプール2は、スプール2に対する力が下記の式が
成り立つような平衡位置になる。 第1実施例の場合 S(P−P)+S(P−P)=k(x+x)+Ff S :スプール2及びフリーピストン9の最大断面積 P:供給油圧(オリフィス8の上流側の)油圧 P:固定絞り22より上流側の油圧 P:固定絞り22より下流側の油圧 k :圧縮コイルばね29のばね常数 x:圧縮コイルばね29の初期圧縮量 x :圧縮コイルばね29の圧縮量 Ff:第2可変絞り26において働く流体力と第1可変
絞り25において働く流体力との差
【0040】第2実施例の場合 S{(P−P)+(P−P)}=k(x+x)+Ff P:供給油圧、即ちチョーク絞り孔31より上流側の
油圧 P:固定絞り22より下流側の油圧 P:チョーク絞り孔31より減圧された油圧
【0041】即ち、第1可変絞り25及び第2可変絞り
26は、供給油圧及び前後輪側パワーシリンダの負荷に
基づくスプール2の平衡位置に応じた適宜の夫れ夫れの
開度で開かれた状態になる。従って、前後輪側パワーシ
リンダに供給される圧力油の流量は、後輪側優先で、第
1可変絞り25及び第2可変絞り26の開度に応じて分
配制御される。
【0042】常温で圧力油の粘度が通常の場合には、定
格流量の圧力油が第1供給通路L1から分配弁に流入す
る。そして、第1実施例では、緩い絞りのオリフィス8
は、通常の粘度の圧力油に対しては、減圧機能が働かな
いので、P≒Pとなり、フリーピストン9は作動し
ないで、 S(P−P)=k(x+x)+Ff となる。
【0043】又、第2実施例の絞り弁では、チョーク絞
り孔31は、通常の粘度の圧力油に対しては、減圧機能
が働かないので、P≒Pとなり、S(P−P
=k(x+x)+Ffとなる。従って、ポンプからの
供給通路L1に定格流量の圧力油が供給されている場合
には、前輪側パワーシリンダ及び後輪側パワーシリンダ
には、負荷の如何に拘らず適切な分配率で圧力油が分配
されて供給される。
【0044】ポンプから分流弁に供給される油量を制御
する流量制御弁においては、絞りの前後の差圧でバイパ
ス通路の開度が調整されて分流弁への流量が調整される
が、低温の場合は、作動油の粘度が大きくなるので、流
量制御弁の絞り弁前後の差圧が大きくなり、分流弁への
供給流量が減少する。
【0045】その場合には、(P−P)、即ち固定
絞り22で生じるスプール2を左方に押圧する力S(P
−P)が減少し、圧縮コイルばね29のばね力k
(x+x)によりスプール2が右方へ変位し、第2可
変絞り26の開度は優先的に開度が維持され、後輪側パ
ワーシリンダへの給油が優先的に行なわれ、第1可変絞
り25の開度は絞られ、前輪側パワーシリンダへの給油
が不足しようとする。
【0046】しかし、第1実施例の分流弁の場合には、
作動油の粘度が大きくなるので緩い絞りのオリフィス8
の機能が作用して差圧(P−P)が生じ、その結
果、その差圧によりフリーピストン9がスプール2を圧
縮コイルばね29のばね力k(x+x)に抗して働
き、スプール2を左へ押圧して変位させ、第1可変絞り
25の開度は絞られないように維持される。その結果、
前輪側パワーシリンダへの給油が所定量に確保される。
【0047】又、第2実施例の分流弁の場合には、作動
油の粘度が大きくなるのでチョーク絞り孔31の機能が
作用して、流量減少による固定絞り22における差圧減
少を補って(P−P)が所定量に維持され、第1可
変絞り25の開度は絞られないように維持される。その
結果、前輪側パワーシリンダへの給油が所定量に確保さ
れる。
【0048】
【考案の効果】この考案の分流弁においては、2つの圧
油供給先の一方を優先して圧油供給先への圧油を両圧油
供給先の負荷に応じて適宜の流量に分流する際、低温に
おける作動油の粘度増大のために供給流量が減少した場
合に生じる非優先側の圧油供給先への過度な流量不足を
防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の第1実施例における自動車の四輪動
力操舵装置の油圧回路の分流弁の断面図である。
【図2】この考案の第2実施例における自動車の四輪動
力操舵装置の油圧回路の分流弁の断面図である。
【図3】従来の技術における自動車の四輪動力操舵装置
の油圧回路の分流弁の断面図である。
【符号の説明】
1 弁ハウジング 2 スプール 3 滑動孔 4 第1流入孔 5 第2流入孔 6 第1流出孔 7 第2流出孔 8 オリフィス 9 フリーピストン 10 第3環状溝 11 第1環状溝 12 第2環状溝 13 第1ランド部 14 第1環状溝部 15 第2ランド部 16 第2環状溝部 17 第3ランド部 18 第3環状溝部 19 第4ランド部 21 中心孔 22 固定絞り 23 ばね挿入孔 24 連通孔 25 第1可変絞り 26 第2可変絞り 27,28 ねじ蓋栓 27a突起部 29 圧縮コイルばね 31 チョーク絞り孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−20265(JP,A) 特開 平3−253472(JP,A) 実開 昭62−123489(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 5/07 F15B 13/06

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滑動孔が形成された弁ハウジング及び滑
    動孔に滑動自在に嵌挿されたスプールを具備し、滑動孔
    は、第1流入通路、第2流入通路、第1流出通路及び第
    2流出通路夫々に個別に連通すると共に、第1流入通路
    は、圧油供給路中における通常の粘度の圧油では絞り機
    能がない緩い絞りの下流側に接続され、第2流入通路
    は、前記の緩い絞りの上流側に接続され、スプールは、
    複数のランド部と固定絞りをもつ中空孔とが形成され、
    1つのランド部は、滑動孔における第1流出通路と第2
    流出通路との連通を遮断し、他の1つのランド部は第1
    流出通路に対する第1可変絞りを形成し、更に1つのラ
    ンド部は第2流出通路に対する第2可変絞りを形成し、
    第1流入通路から第1流出通路への流路が第1可変絞り
    を介して形成され、第1流入通路から第2流出通路への
    流路が中空孔の固定絞り及び第2可変絞りを介して形成
    され、第1流入通路側と第2流入通路側との差圧及び固
    定絞りの上流側と下流側との差圧が第1可変絞りを開
    き、第2可変絞りを閉じる方向にスプールに加わり、且
    つ、弾性部材が第1可変絞りを閉じ、第2可変絞りを開
    く方向にスプールに加わるように構成された分流弁。
  2. 【請求項2】 滑動孔が形成された弁ハウジング及び滑
    動孔に滑動自在に嵌挿されたスプールを具備し、滑動孔
    は、流入通路、第1流出通路及び第2流出通路夫々に個
    別に連通し、スプールは、複数のランド部と通常の粘度
    の圧油では絞り機能がない緩い絞り及び固定絞りをもつ
    中空孔とが形成され、1つのランド部は、滑動孔におけ
    る第1流出通路と第2流出通路との連通を遮断し、他の
    1つのランド部は第1流出通路に対する第1可変絞りを
    形成し、更に1つのランド部は第2流出通路に対する第
    2可変絞りを形成し、流入通路から第1流出通路への流
    路が第1可変絞りを介して形成され、流入通路から第2
    流出通路への流路が中空孔の緩い絞り及び固定絞り並び
    に第2可変絞りを介して形成され、緩い絞り及び固定絞
    りの上流側と下流側との差圧が第1可変絞りを開き、第
    2可変絞りを閉じる方向にスプールに加わり、且つ、弾
    性部材が第1可変絞りを閉じ、第2可変絞りを開く方向
    にスプールに加わるように構成された分流弁。
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JPH085398B2 (ja) * 1986-07-11 1996-01-24 豊田工機株式会社 フロ−デバイダ
JPH03253472A (ja) * 1990-03-01 1991-11-12 Toyota Motor Corp 車両用パワーステアリング装置

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